JPH08114290A - 流体継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体継手の接続時に空気が混入するのを防止
する。 【構成】 第１継手３２は、流体が充填される第１内部
空間３４ｃを外部に通じさせる第１開口部３４ｄを有す
る第１ブロック３４と、第１内部空間３４ｃの内側から
開口部３４ｄを閉鎖するとともに内側に移動可能な第１
閉鎖部材３５と、第１閉鎖部材３５を開口部３４ｄに弾
性的に付勢するコイルスプリング３６とを有している。
第２継手３３は、流体が充填される第２内部空間５１と
第１開口部３４ｄに対応しており第２内部空間５１を外
部に通じさせる第２開口部４６ｄとを有する第２ブロッ
ク４６と、第２開口部４６ｄを閉鎖するともに第２開口
部４６ｄの外方に突出可能な第２閉鎖部材４７と、第２
ブロック４６に連結され、第２閉鎖部材４７を第２開口
部４６ｄから突出させることができる継手部材４８とを
有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は流体継手に関する。

【０００２】

【従来の技術およびその課題】従来の流体継手は、たと
えば、雌ねじ孔が形成された第１ブロックと、雄ねじが
形成された第２ブロックとを備えている。第２ブロック
の中に配置された配管の先端は内側に折曲げらたシール
部となっており、第１ブロック内に配置された支持部材
に圧接可能になっている。

【０００３】以上に説明した流体継手では、継手同士を
接続するさいに外部から空気が侵入するのを妨げること
ができない。そのため、配管にエア抜き構造を設けて、
接続後に空気を抜く必要がある。たとえば、クラッチレ
リーズ装置に用いられる油圧式シリンダ装置では、内部
に油室を有するハウジングの外周には、油圧供給パイプ
以外にエア抜きパイプが接続されている。その結果、装
置構造が複雑になり、さらにエア抜き作業を行わなけれ
ばならない。

【０００４】本発明の目的は、流体継手の接続時に空気
が混入するのを防止することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る流体継手
は、第１継手と第２継手とを備えている。第１継手は、
流体が充填される第１内部空間と第１内部空間より流路
断面積が小さくて第１内部空間を外部に通じさせる第１
開口部とを有する第１ブロックと、第１内部空間の内側
から開口部を閉鎖するとともに内側に移動可能な第１閉
鎖部材と、第１内部空間内に配置され第１閉鎖部材を開
口部に弾性的に付勢する弾性部材とを有している。

【０００６】第２継手は、流体が充填される第２内部空
間と第１開口部に対応して第２内部空間を外部に通じさ
せる第２開口部とを有する、第１ブロックに連結可能な
第２ブロックと、第２開口部を閉鎖するともに第２開口
部の外方に突出可能な第２閉鎖部材と、第２ブロックに
連結され、第２閉鎖部材を第２開口部から突出させるこ
とができる押し出し部材とを有している。

【０００７】前記第１開口部と前記第２開口部とは流路
断面積が同一であり、第２閉鎖部材は第２開口部を閉鎖
する閉鎖部と、閉鎖部から延びる閉鎖部より小径の延長
部とを有しているのが好ましい。押し出し部材は第２ブ
ロックに固定される第３ブロックと、第３ブロック内に
配置された液管とを有し、液管は第２閉鎖部材に当接可
能な凹み部を有しているのが好ましい。

【０００８】第１ブロックと第２ブロックとの当接部分
に配置されて第１開口部と第２開口部とを外部からシー
ルする第１シール部材をさらに備えているのが好まし
い。第１閉鎖部材の回りに配置され第１開口部の壁面に
当接する第２シール部材と、第２閉鎖部材の回りに配置
され第２開口部の壁面に当接する第３シール部材とをさ
らに備えているのが好ましい。

【０００９】

【作用】本発明に係る流体継手では、第１ブロックの第
１内部空間と第２ブロックの第２内部空間に流体を充填
する。次に、第１開口部と第２開口部とが対応するよう
に、第１ブロックと第２ブロックとを連結する。その状
態で押し出し部材によって第２閉鎖部材を第２開口部か
ら突出させる。すると第２閉鎖部材が第１閉鎖部材を第
１内部空間内に押し込む。第１閉鎖部材は弾性部材に抵
抗しながら内側に移動し、第１開口部から外れる。第２
閉鎖部材は第１開口部を通過して、第１内部空間内に入
り込む。その結果、第１内部空間と第２内部空間とが密
閉状態を保ったまま連通する。この流体継手では、接続
前、接続動作中、接続状態、分解動作中、分解後でそれ
ぞれ密閉状態が維持されて、外部から空気が流体に混入
しにくい。

【００１０】第２閉鎖部材が閉鎖部と延長部とを有して
いる場合は、閉鎖部が第１開口部を通過して第１内部空
間内に入ると、第１内部空間と第２内部空間とが連通す
る。押し出し部材が第３ブロックと液管とを有している
場合は、第３ブロックを第２ブロックに連結すると液管
の凹部が第２閉鎖部材に当接して、第２閉鎖部材を第２
開口部から突出させる。

【００１１】第１シール部材をさらに備えている場合
は、第１ブロックと第２ブロックとを連結した時点で第
１開口部と第２開口部とがシールされるので、第１開口
部と第２開口部との外部からのシール性が向上する。第
２シール部材と第３シール部材をさらに備えている場合
は、第１開口部と第２開口部とのシール性が向上する。

【００１２】

【実施例】図１に本発明の一実施例が採用されたクラッ
チ装置１を示す。ここでは、Ｏ−Ｏがクラッチ装置１の
回転軸線である。クラッチ装置１は、エンジン側（図１
左側）のフライホイール２からからトランスミッション
側（図１右側）から延びる入力シャフト３にトルクを伝
達するための装置であり、側方およびトランスミッショ
ン側はハウジング４に覆われている。

【００１３】クラッチ装置１は、主に、クラッチディス
ク組立体５とクラッチカバー組立体６と油圧式レリーズ
装置７とから構成されている。クラッチディスク組立体
５は、外周部にクラッチ連結部５ａを有しており、内周
部は入力シャフト３にスプライン嵌合している。クラッ
チカバー組立体６は、クラッチカバー１０とプレッシャ
ープレート１１とダイアラムスプリング１２などを有し
ており、ダイアフラムスプリング１２の弾性力によりプ
レッシャープレート１１をフライホイール２側に付勢し
ている。プレッシャープレート１１がフライホイール２
との間にクラッチ連結部５ａを挟持すると、フライホイ
ール２のトルクがクラッチディスク組立体５に伝達さ
れ、入力シャフト３に出力される。

【００１４】油圧式レリーズ装置７は、レリーズベアリ
ング１５と、油圧シリンダ装置１６とから構成されてい
る。レリーズベアリング１５は、ダイアフラムスプリン
グ１２の内周部に連結されている。油圧シリンダ装置１
６は、図示しないマスタシリンダから油圧を供給されて
作動させられるスレイブシリンダとなっている。マスタ
シリンダは、クラッチペダルの操作により作動させられ
る。油圧シリンダ装置１６は、環状ハウジング１７と、
環状ピストン１８とから構成されている。環状ハウジン
グは、ハウジング４の前壁に固定されている。環状ハウ
ジング内には軸方向に延びる油室１９が形成されてい
る。環状ピストン１８は、油室１９内に配置され、軸方
向に移動自在になっている。環状ハウジング１２には、
油室１９に連通する油圧供給パイプ４１が接続されてい
る。

【００１５】油圧供給パイプ４１には、第１継手３２と
第２継手３３とからなる流体継手３１が接続されてい
る。以下、図２〜図４を用いて、接続前の第１継手３２
と第２継ぎ手３３の各構造を説明した後に、両者の接続
方法、分解方法、効果を説明する。第１継手３２は、主
に、第１ブロック３４と、第１閉鎖部材３５と、コイル
スプリング３６とを備えている。第１ブロック３４に
は、第１雌ねじ孔３４ａと第２雌ねじ孔３４ｂとが反対
側面に形成されている。第１雌ねじ孔３４ａは第２雌ね
じ孔３４ｂより径が大きい。第１雌ねじ孔３４ａと第２
雌ねじ孔３４ｂとの間には両者をに連通する内部空間３
４ｃが形成されている。第２雌ねじ孔３４ｂの底部に
は、筒状の支持部材３７が配置されている。第２雌ねじ
孔３４ｂには、油圧供給パイプ４１に固定された継手部
材４２の雄ねじ４２ａが螺合している。油圧供給パイプ
４１の先端に形成された折曲げシール部は、支持部材３
７に圧接されている。内部空間３４ｃと第１雌ねじ孔３
４ａとは、開口部３４ｄによって連結されている。開口
部３４ｄは、流路断面積が内部空間３４ａの流路断面積
より小さい。雌ねじ孔３４ｂの底面で開口部３４ｄの回
りには、Ｏリング３８が固定されている。

【００１６】第１閉鎖部材３５は、開口部３４ｄと同径
の円筒形状であり、開口部３４ｄ内に配置されている。
第１閉鎖部材３５の外側面には、凹部３５ａが形成され
ている。第１閉鎖部材３５は、内部空間３４ｃ内に移動
可能であるが、フランジ状の係止部３５ｂが開口部３４
ｃの内側の回り部分に当接しているため、外方には移動
不可能になっている。係止部３５ｂは、内部空間３４ｃ
内壁と径方向に所定の隙間を有している。また、第１閉
鎖部材３５の回りにはＯリング３９が固定されて、第１
閉鎖部材３５と開口部３４ｃとの間をシールしている。

【００１７】コイルスプリング３６は、内部空間３４ｃ
内に配置され、支持部材３７に一端が支持され、他端が
第１閉鎖部材３５を開口部３４ｄ側に付勢している。第
２継手３３は、第２ブロック４６と、第２閉鎖部材４７
と、継手部材４８とを備えている。第２ブロック４６に
は、第１ブロック３４の第１雌ねじ孔３４ａに螺合可能
な雄ねじ部４６ａと、雄ねじ部４６ａと反対側に形成さ
れた雌ねじ孔４６ｂとが形成されている。雌ねじ孔４６
ｂの底面の外周には外側に行くにしたがって溝の深くな
る溝部４６ｃが形成されている。ねじ孔４６ｂの底面か
ら雄ねじ部４６ａ側へは、開口部４６ｄが通じている。
開口部４６ｄの流路断面積は、雌ねじ孔４６ｂの流路断
面積より小さく、第１ブロック３４の開口部３４ａの流
路断面積と同一である。

【００１８】第２閉鎖部材４７は、開口部４６ｄ内に配
置された球形の閉鎖部４７ａを有している。閉鎖部４７
ａの外周にはＯリング４９が固定されており、開口部４
６ｄに当接している。閉鎖部４７ａからは、閉鎖部４７
ａより小径の延長部４７ｂが延びている。延長部４７ｂ
の先端には、大径の係合部４７ｃが形成されている。閉
鎖部４７ａの外側には凸部４７ｄが形成されている。

【００１９】継手部材４８は、外周に雄ねじ４８ａが形
成された円筒状の部材であり、内部に孔４８ｂが形成さ
れている。継手部材４８の孔４８ｂには、図示しないマ
スタシリンダから延びる油圧供給パイプ５０が挿入固定
されている。油圧供給パイプ５０の先端は、継手部材４
８の孔４８ｂ先端で内側に折り曲げられたシール部５０
ａとなっている。また、油圧供給パイプ５０には、内側
に凹んだ凹部５０ｂが形成されている。図２に示す接続
前状態では、継手部材４８の雄ねじ４８ａはわずかに第
２ブロック４６の雌ねじ孔４６ｂに螺合しており、その
ため雌ねじ孔４６ｂとの間に内部空間５１が確保されて
いる。また、第２閉鎖部材４７の係合部４７ｃは、油圧
供給パイプ５０の中に配置されている。

【００２０】接続動作を説明する。図２の状態で、第１
ブロック３２と第３ブロック３３にオイルを充填する。
これにより、内部空間３４ｃと内部空間５１内にオイル
が満たされる。このとき、開口部３４ｄは第１閉鎖部材
３５によりシールされており、開口部４６ｄは第２閉鎖
部材４７の閉鎖部４７ａによりシールされているため、
両内部空間に空気が侵入するのを防止している。

【００２１】続いては、第２継手３３の雄ねじ部４６ａ
を第２ブロック３２の第１雌ねじ孔３４ａにねじ込んで
いき、図３の状態にする。ここでは、第１閉鎖部材３５
の凹部３５ａに第２閉鎖部材４７の閉鎖部４７ａに形成
された凸部４７ｄが嵌まっている。また、Ｏリング３８
は、第１雌ねじ孔３４ａの底部と第２ブロック４６の先
端面との間で密着している。

【００２２】図３の状態から、継手部材４８を第２ブロ
ック４６の雌ねじ孔４６ｂ内にねじ込んでいく。する
と、油圧供給パイプ５０の凹部５０ｂが第２閉鎖部材４
７の係合部４７ｃに当接して、第２閉鎖部材４７を第１
継手３２側に押す。その結果、第２閉鎖部材４７がコイ
ルスプリング３６に抵抗しながら第１閉鎖部材３５を内
部空間３４ｃ内に押し込み、さらに第２閉鎖部材４７の
閉鎖部４７ａも内部空間３４ｃ内に入り込んで、図４の
状態になる。ここでは、第１ブロック３４の内部空間３
４ｃを間に介して２つの油圧供給パイプ４１，５０が連
通している。なお、このとき、油圧供給パイプ５０のシ
ール部５０ａは、第２ブロック４６の溝４６ｃに圧接し
ている。

【００２３】この流体継手３１の分解は、接続時と反対
の手順で行えば良い。この流体継手３１では、接続前、
接続動作中、接続状態、分解動作中、分解後で液密状態
が維持されて、外部から空気がオイルに混入しにくい。
そのため、従来のエア抜きパイプおよびエア抜き作業を
省略できる。

【００２４】

【発明の効果】本発明に係る流体継手では、連結前、連
結動作中、連結状態、分解動作中、分解後で液密状態が
維持されて、外部から空気がオイルに混入しにくい。そ
のため、従来のエア抜き装置およびエア抜き作業を省略
できる。第２閉鎖部材が第２開口部を閉鎖する閉鎖部
と、閉鎖部から延びる閉鎖部より小径の小径部とを有し
ている場合は、閉鎖部が第１開口部を通過して第１開口
部内に入ると、第１内部空間と第２内部空間とが連通す
る。

【００２５】押し出し部材が第３ブロックと液管とを有
している場合は、第３ブロックを第２ブロックに連結す
ると液管の凹部が第２閉鎖部材に当接して、第２閉鎖部
材を第２開口部から突出させる。第１シール部材をさら
に備えている場合は、第１ブロックと第２ブロックとを
連結した時点で第１開口部と第２開口部とがシールされ
るので、第１開口部と第２開口部との外部からのシール
性が向上する。

【００２６】第２シール部材と第３シール部材をさらに
備えている場合は、第１開口部と第２開口部とのシール
性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例が採用されたクラッチの縦断
面概略図。

【図２】本発明に係る流体継手の連結前の状態を示す縦
断面図。

【図３】本発明に係る流体継手の連結途中の状態を示す
縦断面図。

【図４】本発明に係る流体継手の連結完成の状態を示す
縦断面図。

【符号の説明】

３１ 流体継手 ３２ 第１継手 ３３ 第２継手 ３４ 第１ブロック ３５ 第１閉鎖部材 ３６ コイルスプリング ４６ 第２ブロック ４７ 第２閉鎖部材 ４８ 継手部材

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】流体が充填される第１内部空間と前記第１
   内部空間より流路面積が小さくて前記第１内部空間を外
   部に通じさせる第１開口部とを有する第１ブロックと、
   前記第１内部空間の内側から前記開口部を閉鎖するとと
   もに内側に移動可能な第１閉鎖部材と、前記第１内部空
   間内に配置され前記第１閉鎖部材を前記開口部に弾性的
   に付勢する弾性部材とを有する第１継手と、 流体が充填される第２内部空間と前記第１開口部に対応
   しており前記第２内部空間を外部に通じさせる第２開口
   部とを有する、前記第１ブロックに連結可能な第２ブロ
   ックと、前記第２開口部を閉鎖するともに前記第２開口
   部の外方に突出可能な第２閉鎖部材と、前記第２ブロッ
   クに連結され、前記第２閉鎖部材を前記第２開口部から
   突出させることができる押し出し部材とを有する第２継
   手と、を備えた流体継手。
2. 【請求項２】前記第１開口部と前記第２開口部と流路断
   面積が同一であり、 前記第２閉鎖部材は、前記第２開口部を閉鎖する閉鎖部
   と、前記閉鎖部から延びる前記閉鎖部より小径の延長部
   とを有する請求項１に記載の流体継手。
3. 【請求項３】前記押し出し部材は前記第２ブロックに固
   定される第３ブロックと、前記第３ブロック内に配置さ
   れた液管とを有し、前記液管は前記第２閉鎖部材に当接
   可能な凹み部を有している、請求項２に記載の流体継
   手。
4. 【請求項４】前記第１ブロックと前記第２ブロックとの
   当接部分に配置されて前記第１開口部と前記第２開口部
   とを外部からシールする第１シール部材をさらに備え
   た、請求項１〜３のいずれかに記載の流体継手。
5. 【請求項５】前記第１閉鎖部材の回りに配置され前記第
   １開口部の壁面に当接する第２シール部材と、前記第２
   閉鎖部材の回りに配置され前記第２開口部の壁面に当接
   する第３シール部材とをさらに備えた、請求項１〜４の
   いずれかに記載の流体継手。