JPH08114174A - アキシャルピストンポンプ - Google Patents

アキシャルピストンポンプ

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JPH08114174A
JPH08114174A JP6253653A JP25365394A JPH08114174A JP H08114174 A JPH08114174 A JP H08114174A JP 6253653 A JP6253653 A JP 6253653A JP 25365394 A JP25365394 A JP 25365394A JP H08114174 A JPH08114174 A JP H08114174A
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JP
Japan
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cylinder block
oil
pump
axial piston
discharge
Prior art date
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Pending
Application number
JP6253653A
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English (en)
Inventor
Yasuhisa Mochizuki
安久 望月
Yasuhiko Hori
泰彦 堀
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Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はアキシャルピストンポンプにおい
て、ハウジング8の内部が負圧となり、作動油の気液分
離状態が発生するのを阻止し、またクレイドル斜板1と
斜板ガイドとの間に潤滑油を供給し、またシリンダブロ
ック3とバルブプレート11との間の高圧シール部の押
圧力バランスをとるものである。 【構成】 アキシャルピストンポンプにおいて、シリン
ダブロック3内に複数のピストン5を嵌装し、該ピスト
ン5が作動油の吐出行程にある時に、シリンダブロック
3のシリンダより圧送される作動油の一部を、シリンダ
ブロック3を収容するハウジング8内の作動油溜部に、
適宜漏油手段を介して漏油させる。この漏油手段が、シ
リンダブロック3と摺接するバルブプレート11に貫設
したキドニーポートの延長方向外側にあって、かつシリ
ンダブロック3内に穿設され、その吐出行程終了時期に
連通するキドニーポート3aにより構成したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アキシャルピストンポ
ンプの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアキシャルピストンポンプは、タ
ンクの水頭圧を必ず、ポンプドレインにかける必要があ
り、このため、タンクはポンプの上側にあった。更に、
ドレイン配管は、タンクに直接接続せねばならず、タン
ク位置・ドレイン配管に大きな制約があった。しかし、
現在では、配管レイアウトのフレキシビリティが必要と
なり、図7の如く構成する要求が増加してきた。これ
は、ポンプハウジング内を介して吸込ラインを形成して
おり、またはポンプハウジングからのドレンラインを吸
込ラインに導くポンプ配管としており、従来技術のアキ
シャルピストンポンプにおいては、図8・図9・図10
に示す如く、低温の高粘性時には、洩れ量よりも吸込量
の方が大きくなるので、ハウジング内の油量が減少し、
内圧が大気圧以下となることから、作動油が空気分離を
おこして、ポンプ回転の上昇と共に、軸回りに空気ダマ
リを発生するという不具合いがあったのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のポン
プ配管及びタンク位置がポンプより低い場合において、
ハウジング内の大気圧以下とならないように、ハウジン
グ内の油量バランスを取るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】次に課題を解決する為の
手段を説明する。請求項1においては、アキシャルピス
トンポンプにおいて、シリンダブロック3内に複数のピ
ストン5を嵌装し、該ピストン5が作動油の吐出行程に
ある時に、シリンダブロック3のシリンダより圧送され
る作動油の一部を、シリンダブロック3を収容するハウ
ジング8内の作動油溜部に、適宜漏油手段を介して逃油
させるものである。
【0005】請求項2においては、漏油手段が、シリン
ダブロック3と摺接するバルブプレート11に貫設した
キドニーポート11a,11bの延長方向外側にあっ
て、かつシリンダブロック3内に穿設され、その吐出行
程終了時期に連通するキドニーポート3aにより構成し
たものである。
【0006】請求項3においては、漏油手段が、ピスト
ン5の外端部を摺動自在に係止させるクレイドル斜板1
に設けたコンジット孔2により構成され、ピストン5が
吐出行程終了時期の位置に設けられているものである。
【0007】請求項4においては、吐出圧力に応じて吐
出流量を任意に制御する傾転制御装置を具備したアキシ
ャルピストンポンプにおいて、吐出圧力を受圧するシリ
ンダ18と、これに釣り合う為のバネ荷重部を形成しク
レイドル斜板1を支持し、シリンダ18とバネ荷重部
を、ポンプ軸7の中心に対して、吸い込み側に距離tだ
け偏心させ、該距離tをピストンピッチ径Dの約1/7
Dから1/3Dだけ偏心したものである。
【0008】請求項5においては、ポンプ軸7の軸中心
上に構成するバルブプレート11と、このバルブプレー
ト11に接当して摺動するシリンダブロック3との間で
流体力バランスを成立させる為、両者間油膜反力を支配
する高圧シールSを、バルブプレート11側に形成した
ものにおいて、その吐出行程域で高圧シールS形状を、
ポンプ軸7の中心に対して高圧シールS中心を偏心させ
る等により、吐出開始側シール幅W1の方を吐出終了側
シール幅W2よりも小に構成したものである。
【0009】
【作用】本発明は請求項1・2・3の如く構成したの
で、作動油が低温の高粘性時に、ハウジング内の油量が
減少し、洩れ量よりも吸込量の方が大きくなるので、内
圧が大気圧以下となることから、作動油が空気分離をお
こして、ポンプ回転の上昇と共に、軸回りに空気ダマリ
を発生するという不具合いを解消することが出来たので
ある。これにより、ピストン5の吸込行程域でのエア混
入を防止することができ、また摺動部分の油切れによる
焼付きを防止することが出来るのである。
【0010】請求項4によれば、吐出圧力に応じて吐出
流量を任意に制御する傾転制御装置を具備したアキシャ
ルピストンポンプにおいて、吐出圧力を受圧するシリン
ダ18と、これに釣り合う為のバネ荷重部を形成しクレ
イドル斜板1を支持し、シリンダ18とバネ荷重部を、
ポンプ軸7の中心に対して、吸い込み側に距離tを偏心
させ、該距離tをピストンピッチ径Dの約1/7Dから
1/3Dだけ偏心したので、クレイドル斜板1の捻じれ
を解消し、傾転応答性が良く、接触部の摩耗を少なくす
ることが出来るのである。
【0011】請求項5によれば、ポンプ軸7の軸中心上
に構成するバルブプレート11と、このバルブプレート
11に接当して摺動するシリンダブロック3との間で、
流体力バランスを成立させる為、両者間油膜反力を支配
する高圧シールSを、バルブプレート11側に形成した
ものにおいて、その吐出行程域で高圧シールS形状を、
ポンプ軸7の中心に対して高圧シールS中心を偏心させ
る等により、吐出開始側シール幅W1の方を吐出終了側
シール幅W2よりも小に構成したので、シリンダブロッ
ク3の軸方向微変動、即ち油膜厚さの変化による浮き上
がりが発生しても、両者間の油膜シール面積が減少、即
ち油膜反力による開離力が小さくなる。ピストン押圧力
の釣り合いが、押し勝手側に移行し、浮き上がりを阻止
する。また両者間の挙動が安定するので、両者間の金属
接触による摩耗や焼付きが無くなる。またシリンダブロ
ック3の浮き上がりによるリーク量が減少し、効率が向
上する。また低騒音、低振動への対応として、バルブプ
レート11のノッチ形状等の変更を行った場合に、シリ
ンダブロック3の開離力を任意に設定可能となり、両者
間の流体力バランスが取れ、挙動が安定する。
【0012】
【実施例】次に実施例を説明する。図1は本発明のポン
プ周辺配管図、図2はポンプの側面断面図、図3はポン
プのクレイドル斜板1部の図面、図4はバルブプレート
11にコンジット孔10を設けた請求項2の発明を示す
側面断面図、図5はバルブプレート11に設けたコンジ
ット孔10と、シリンダブロック3に設けたキドニーポ
ート3aとの関係位置を示す図面、図6は図4の発明を
具備したアキシャルピストンポンプの周辺配管図、図7
はコンジット孔が設けられていない従来のアキシャルピ
ストンポンプの周辺配管図、図8は従来のアキシャルピ
ストンポンプの粘性と作動油流量の関係を示す図面、図
9は従来のアキシャルピストンポンプの油温と作動油流
量の関係を示す図面、図10は従来の油温と粘性と作動
油流量の関係を示す図面である。
【0013】図1・図2・図3において説明する。アキ
シャルピストンポンプの吐出量を設定するクレイドル斜
板1に、上死点の吐出終了点間際に、該部分の上を摺動
するピストンシュー6とジョイントボール4にキリ孔6
a・4aを開けて、該キリ孔6a・4aを介して、ハウ
ジング8内と連通するオリフィス孔、即ちコンジット孔
2を穿設したものである。ハウジング8は油路板9に施
蓋されている。内部にクレイドル斜板1とシリンダブロ
ック3とピストン5等が配置されている。
【0014】また、このクレイドル斜板1に付いたコン
ジット孔2を、ピストンシュー6の部分とコンジット孔
2との連通区間を、吐出行程の方が吸込行程よりも大き
くなるような絞り孔に構成したものである。このように
アキシャルピストンポンプのジョイントボール4とピス
トンシュー6にキリ孔6a・4aを穿設して、吐出上死
点間際のクレイドル斜板1に穿設したコンジット孔2と
連通させて、アキシャルピストンポンプの圧油をハウジ
ング8の内部に洩れるように構成しているのである。
【0015】図1においては、油路板9に吸引と吐出の
切り替わる半月形油路9a・9bが穿設されており、ア
キシャルピストンポンプの油路9a・9b内の一方でタ
ンクTから吸引した作動油を、他方の半月形油路9a・
9bから吐出する。図3において、回転方向に対して、
吐出方向の終了する上死点UDの間際の手前に、コンジ
ット孔2が開口している。そして該コンジット孔2に、
ピストンシュー6のキリ孔6aが連通開口する連通開始
角は上死点UDの前の角度aであり、コンジット孔2と
の連通閉鎖角がbである。そしてaがbよりも大きくな
るように構成している。
【0016】次に図4と図5と図6の示す実施例を説明
する。本構成においては、アキシャルピストンポンプの
シリンダブロック3の端面が当接する円板上のバルブプ
レート11の上死点UDの吐出終了点の間際に、シリン
ダブロック3の側に設けたキドニーポート3aを介し
て、ハウジング8内に連通するコンジット孔10を設け
たものである。そして回転方向に対して、上死点UDの
直前の位置にコンジット孔10を開口しており、該シリ
ンダブロック3の側のキドニーポート3aがコンジット
孔10に開口を開始する連通開始角cが、キドニーポー
ト3aがコンジット孔10に対して連通終了角よりも大
きく構成している。
【0017】本実施例の場合には、クレイドル斜板1の
側にコンジット孔2を穿設するのではなくて、バルブプ
レート11のキドニーポート11aに近い方の側にコン
ジット孔10を設けて、シリンダブロック3に設けたキ
ドニーポート3aと連通させることにより、吐出される
圧油の一部をハウジング8の内部に積極的に漏らすので
ある。これにより高粘性時においても、潤滑油の気液分
離と分離した空気による空気ダマリの発生を無くしたの
である。
【0018】図11はダブルポート式のアキシャルピス
トンポンプにおいて、1個のコンジット孔17により、
ハウジング8内に作動油を漏出する構成を示す側面断面
図、図12は同じくコンジット孔17とキリ孔6aの関
係を示す図面、図13はダブルポートの場合に、コンジ
ット孔を15・16と2孔設けた構成を示す側面断面
図、図14はダブルポートの場合のコンジット孔15・
16と2孔を設けた実施例の図面、図15は傾転制御装
置のバネを不等多段ピッチバネ19とした構成を示す側
面断面図、図16は図15のバネ性能を示す図面、図1
7は従来の傾転制御バネ構造を示す図面、図18は図1
7のバネ性能を示す図面である。
【0019】次に図11と図12の実施例について説明
する。他の実施例である図4と図5においては、ピスト
ン5の内圧パターンの立上がり緩和の為に、バルブプレ
ート11の上死点UD付近のキドニーポート11aに近
い側にコンジット孔10を設けていた。また、図13と
図14において示す構成では、ダブルポート式のアキシ
ャルピストンポンプの場合なので、シリンダブロック3
のキドニーポート11aを同心円上の2本のキドニーポ
ート11c・11dとして二重に構成している。故に、
コンジット孔も、15・16と、バルブプレート11の
上で、キドニーポート11c・11dの2箇所に必要と
なるのである。故に、斜板にコンジット孔を設ける場合
に比較して、コスト高となる。
【0020】本実施例においては、図11と図12に示
す如く、シリンダブロック3の回転により、クレイドル
斜板1上を摺動するピストンシュー6を有するダブルポ
ート式アキシャルピストンポンプにおいて、クレイドル
斜板1上の上死点UDの前後10度以内に、ピストンシ
ュー6の部分のキリ孔6aを開けて、該キリ孔6aを介
して、ハウジング8内と連通するコンジット孔17を設
けたのである。
【0021】図15と図16の実施例について説明す
る。アキシャルピストンポンプの吐出圧力の上昇に伴
い、ポンプの吐出量を任意に定馬力制御の為に制限する
傾転制御装置において、傾転部に設けたシリンダ18と
釣り合うバネの部分に不等多段ピッチバネ19を介装し
ている。従来は、図17・図18に示す如く、同軸上
に、並列状態で等ピッチのバネ20・21を二重に使用
していた。内側のバネ21は変曲点位置まで自由長の状
態で仕組まれ、バネ支持が不安定である。内側バネ21
を外側バネ20の内径以内に設計する場合には、ハウジ
ング8とバネ形状が設計上で拘束される。またバネ受け
部が2段構造となるので、コスト高となる。またポンプ
出力特性としての近似性が悪い等の不具合いがあった。
【0022】図19は傾転制御装置において、シリンダ
18を2本併置した構成を示す側面断面図、図20は同
じく2本のシリンダ18を示す図面、図21はクレイド
ル斜板1の中心ポンプ軸7の中心から吸込側に偏心した
構成を示す正面図、図22は同じく平面断面図、図23
は同じく側面断面図、図24は従来のポンプ軸7の中心
とクレイドル斜板1の中心が一致した構成のアキシャル
ピストンポンプの正面図、図25は図24の平面断面図
である。
【0023】次に図19と図20に示す構成を説明す
る。該構成においては、傾転制御装置のシリンダ18を
2本併置した構成としている。上部のバネ荷重部は1点
であるが、シリンダ18の部分は2本を併設することに
より、クレイドル斜板1の部分が傾転する場合のネジレ
の発生を阻止しているのである。
【0024】次に図21から図25の構成について説明
する。吐出圧力に応じて吐出流量を任意に制御するアキ
シャルピストンポンプで、吐出圧力を受圧するシリンダ
18と、これに釣り合う為のバネ荷重部を形成する傾転
制御装置において、両荷重点を軸の中心に対して、吸い
込み側に距離t偏心している。またこの傾転制御装置に
おいて、その荷重点の偏心距離tをピストンピッチ径D
の約1/7Dから1/3Dに構成している。
【0025】従来は、図24・図25の如く構成してい
たので、傾転制御装置の中で、傾転中心に対して、揺動
するクレイドル斜板1の軸直交方向に、シリンダブロッ
ク3内の吐出圧側押圧力と、吸込側押圧力との荷重差に
よるモーメントが作用し、クレイドル斜板1のガイドと
の間に揺動時のこじれが発生し、傾転応答の遅れを発生
する。また接触部の摩耗が発生していたのである。
【0026】図26はシリンダブロック3とバルブプレ
ート11の部分の分解斜視図、図27はシリンダブロッ
ク3とバルブプレート11との接触部を示す図面、図2
8は圧力分布の中心と、プランジャ内圧パターンを示す
図面、図29は吐出開始側シール幅W1の方が吐出終了
側シール幅W2よりも小とし、バルブプレート11の側
に配置した実施例の図面、図30は同じく吐出開始側シ
ール幅W1を吐出終了側シール幅W2よりも小に構成し
た他の実施例を示す図面、図31は図29の形状の場合
の従来に高圧シールをシリンダブロック3の側に添付し
た構成を示す図面、図32は図30の従来の技術の場合
に高圧シールをシリンダブロック3の側に添付した形状
を示す図面、図33は、実測と計算に基づく、圧力分布
の重心が移動する状態を示す図面である。
【0027】本発明においては、ポンプ軸7の軸中心上
に構成するバルブプレート11と、このバルブプレート
11に接当して摺動する差との間で、流体力バランスを
成立させる為、両者間油膜反力を支配するシール形状
を、バルブプレート11側に形成したものにおいて、そ
の吐出行程域でシール形状を、ポンプ軸7の中心に対し
て、シール分中心を偏心させる等により、吐出開始側シ
ール幅W1と、吐出終了側シール幅W2を、吐出開始側
シール幅W1の方を吐出終了側シール幅W2よりも小に
構成したものである。また該吐出開始側シールと吐出終
了側シールにおいて、吐出終了側シール幅W2を1.0
5〜1.2としたものである。
【0028】このようにバルブプレート11の側に高圧
シール部を構成することにより、シリンダブロック3の
軸方向微変動、即ち油膜厚さの変化による浮き上がりが
発生しても、両者間の油膜シール面積が減少即ち、油膜
反力による開離力が小さくなる。ピストン押圧力の釣り
合いが、押し勝手側に移行し、浮き上がりを阻止する。
また両者間の挙動が安定するので、両者間の金属接触に
よる摩耗や焼付きが無くなる。またシリンダブロック3
の浮き上がりによるリーク量が減少し、効率が向上す
る。また低騒音、低振動への対応として、バルブプレー
ト11のノッチ形状等の変更を行った場合に、シリンダ
ブロック3の開離力を任意に設定可能となり、両者間の
流体力バランスが取れ、挙動が安定する。
【0029】従来は、シリンダブロック3の側に高圧シ
ール側が形成されているので、軸方向の微変動状態によ
る浮き上がり即ち油膜厚さの変化が生じた場合でも、両
者間のピストン押圧力と油膜反力即ち開離力の流体力バ
ランスが変化しない。即ち、油膜反力を発生する。高圧
シール部形状が変化しないので、シリンダブロック3の
挙動が不安定となる。この挙動不安定を安定させる為
に、実際にはピストン押圧力を油膜反力より大きくした
押勝手側に設計されている。それで、軸方向の微変動即
ち油膜厚さの変化を生じた場合に、両者間で金属接触し
て焼付いたり、シリンダブロック3を浮き上がらせてリ
ーク量を多くし効率低下となっていた。
【0030】最近、低騒音・低振動に対する為に、下死
点付近のシリンダ内圧立上がりをゆるやかにすべく、一
般的にバルブプレート11のノッチ形状を細く長くし
て、予圧縮角を大きくとる方策が取られているが、この
場合にピストン押圧力と油膜反力の荷重分布が上死点U
D側に移行し、上死点UDと下死点間中心に対する不釣
り合いによるモーメントが発生し、シリンダブロック3
の挙動が不安定となる。アキシャルピストンポンプは上
死点UDと下死点間を対称にして、吐出・吸込域に分か
れており、ピストン押圧力と油膜反力の荷重分布が吐出
域側に移り、上死点UDと下死点間での不釣り合いによ
るモーメントが発生しておりシリンダブロック3の挙動
が不安定であった。この点を解消したものである。
【0031】次に図34から図37までの図面に示した
構成を説明する。シリンダブロック3の回転に伴い、往
復運動するピストン5のピストンシュー6が接当する揺
動型斜板、即ちクレイドル斜板1の吐出行程域と吸込行
程域の各々に、ピストンシュー6の摺動ピッチからクレ
イドル斜板1の裏面に通じるコンジット孔25・26を
設け、ピストンシュー6のキリ孔6aを介して、クレイ
ドル斜板1の裏面へ作動油を導いて潤滑作用を行わしめ
ている。また、吐出行程域のコンジット孔25は、吸込
行程域のコンジット孔26のオリフィス孔よりも、プラ
ンジャーストロークの長い位置に配置している。即ち、
図37において、角度mの方が角度nよりも大きく構成
しているのである。これにより、コンジット孔25の方
がコンジット孔26よりもプランジャーストロークが長
くなるのである。
【0032】従来は、クレイドル斜板1を支持する斜板
ガイドとの間に、低摩耗や低摩擦係数を有するブッシュ
を介装していたが、ポンプの吐出圧上昇に伴うクレイド
ル斜板1側の押圧力上昇に伴い、ブッシュとクレイドル
斜板1との間に、油膜形成がされず、殆どドライ状態で
揺動することとなり、コーティング層の摩耗を促進する
と共に、摩耗係数を増大し、揺動抵抗大となり、ブッシ
ュの寿命の低下や、両者の焼きつきの発生と繋がってい
たのである。
【0033】本発明の如く構成することにより、油膜形
成がクレイドル斜板1の押圧力増大に関わらず、強制注
油により常時可能となり、揺動抵抗の増大を阻止するこ
とが出来るのである。また自己吐出圧力による傾転制御
ポンプにおいては、圧力変動に伴う傾転応答性が向上
し、経時劣化によるヒステリシスを解消することが出来
る。またブッシュとクレイドル斜板1間の摩耗低減と高
寿命化を図ることができる。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。請求項1,2,3の如く
構成したので、作動油が低温の高粘性時に、ハウジング
内の油量が減少し、洩れ量よりも吸込量の方が大きくな
るので、内圧が大気圧以下となることから、作動油が空
気分離を発生して、ポンプ回転の上昇と共に、軸回りに
空気ダマリを発生するという不具合いを解消することが
出来たのである。これにより、ピストン5の吸込域での
エア混入を防止することができ、また摺動部分の油切れ
による焼付きを防止することが出来るのである。
【0035】請求項4においては、吐出圧力に応じて吐
出流量を任意に制御する傾転制御装置を具備したアキシ
ャルピストンポンプにおいて、吐出圧力を受圧するシリ
ンダ18と、これに釣り合う為のバネ荷重部を形成しク
レイドル斜板1を支持し、シリンダ18とバネ荷重部
を、ポンプ軸7の中心に対して、吸い込み側に距離t偏
心し、該距離tをピストンピッチ径Dの約1/7Dから
1/3Dだけ偏心したので、クレイドル斜板1の捻じれ
を解消し、傾転応答性が良く、接触部の摩耗を少なくす
ることが出来るのである。
【0036】請求項5によれば、ポンプ軸7の軸中心上
に構成するバルブプレート11と、このバルブプレート
11に接当して摺動する差との間で、流体力バランスを
成立させる為、両者間油膜反力を支配する高圧シール
を、バルブプレート11側に形成したものにおいて、そ
の吐出行程域で高圧シール形状を、ポンプ軸7の中心に
対して高圧シール中心を偏心させる等により、吐出開始
側シール幅W1の方を吐出終了側シール幅W2よりも小
に構成したので、シリンダブロック3の軸方向微変動、
即ち油膜厚さの変化による浮き上がりが発生しても、両
者間の油膜シール面積が減少即ち、油膜反力による開離
力が小さくなる。ピストン押圧力の釣り合いが、押し勝
手側に移行し、浮き上がりを阻止する。また両者間の挙
動が安定するので、両者間の金属接触による摩耗や焼付
きが無くなる。またシリンダブロック3の浮き上がりに
よるリーク量が減少し、効率が向上する。また低騒音、
低振動への対応として、バルブプレート11のノッチ形
状等の変更を行った場合に、シリンダブロック3の開離
力を任意に設定可能となり、両者間の流体力バランスが
取れ、挙動が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポンプ周辺配管図。
【図2】ポンプの側面断面図。
【図3】ポンプのクレイドル部の図面。
【図4】バルブプレート11のキドニーポート11aに
近い側に、コンジット孔10を設けた請求項2の発明を
示す側面断面図。
【図5】バルブプレート11のキドニーポート11aに
近い側に設けたコンジット孔10と、シリンダブロック
3に設けたキドニーポート3aとの関係位置を示す図
面。
【図6】図4の発明を具備したアキシャルピストンポン
プの周辺配管図。
【図7】コンジット孔が設けられていない従来のアキシ
ャルピストンポンプの周辺配管図。
【図8】従来のアキシャルピストンポンプの粘性と作動
油流量の関係を示す図面。
【図9】従来のアキシャルピストンポンプの油温と作動
油流量の関係を示す図面。
【図10】従来の油温と粘性と作動油流量の関係を示す
図面。
【図11】ダブルポート式のアキシャルピストンポンプ
において、1個のコンジット孔17により、ハウジング
8内に作動油を洩出させる構成を示す側面断面図。
【図12】同じくコンジット孔17とキリ孔6aの関係
を示す図面。
【図13】ダブルポートの場合に、コンジット孔を15
・16と2孔設けた構成を示す側面断面図。
【図14】ダブルポートの場合のコンジット孔15・1
6と2孔を設けた実施例の図面。
【図15】傾転制御装置のバネを不等多段ピッチバネ1
9とした構成を示す側面断面図。
【図16】図15のバネ性能を示す図面。
【図17】従来の傾転制御バネ構造を示す図面。
【図18】図17のバネ性能を示す図面。
【図19】傾転制御装置において、シリンダ18を2本
併置した構成を示す側面断面図。
【図20】同じく2本のシリンダ18を示す図面。
【図21】クレイドル斜板1の中心ポンプ軸7の中心か
ら吸込側に偏心した構成を示す正面図。
【図22】同じく平面断面図。
【図23】同じく側面断面図。
【図24】従来のポンプ軸7の中心とクレイドル斜板1
の中心が一致した構成のアキシャルピストン9ンプの正
面図。
【図25】図24の平面断面図。
【図26】シリンダブロック3とバルブプレート11の
部分の分解斜視図。
【図27】シリンダブロック3とバルブプレート11と
の接触部を示す図面。
【図28】圧力分布の中心と、プランジャ内圧パターン
を示す図面。
【図29】吐出開始側シール幅W1の方が吐出終了側シ
ール幅W2よりも小とし、バルブプレート11の側に配
置した実施例の図面。
【図30】同じく吐出開始側シール幅W1を吐出終了側
シール幅W2よりも小に構成した他の実施例を示す図
面。
【図31】図29の形状の場合の従来に高圧シールをシ
リンダブロック3の側に添付した構成を示す図面。
【図32】図30の従来の技術の場合に高圧シールをシ
リンダブロック3の側に添付した形状を示す図面。
【図33】実測と計算に基づく、圧力分布の重心が移動
する状態を示す図面。
【図34】クレイドル斜板1にコンジット孔25・26
を設けた構成を示す平面断面図。
【図35】同じくクレイドル斜板1にコンジット孔25
・26を設けた構成の側面断面図。
【図36】同じくクレイドル斜板1に設けたコンジット
孔25・26の正面図。
【図37】コンジット孔25・26の位置を示す図面。
【符号の説明】
1 クレイドル斜板 2,10,17,25,26 コンジット孔 3 シリンダブロック 4 ジョイントボール 5 ピストン 6 ピストンシュー 7 ポンプ軸 8 ハウジング 9 油路板 11 バルブプレート 11a,11b キドニーポート 11c,11d ダブルポートのキドニーポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04B 39/02 V

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アキシャルピストンポンプにおいて、シ
    リンダブロック3内に複数のピストン5を嵌装し、該ピ
    ストン5が作動油の吐出行程にある時に、シリンダブロ
    ック3のシリンダより圧送される作動油の一部を、シリ
    ンダブロック3を収容するハウジング8内の作動油溜部
    に、適宜漏油手段を介して漏油させることを特徴とする
    アキシャルピストンポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の漏油手段が、シリンダブ
    ロック3と摺接するバルブプレート11に貫設したキド
    ニーポート11a,11bの延長方向外側にあって、か
    つシリンダブロック3内に穿設され、その吐出行程終了
    時期に連通するキドニーポート3aにより構成したアキ
    シャルピストンポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の漏油手段が、ピストン5
    の外端部を摺動自在に係止させるクレイドル斜板1に設
    けたコンジット孔2により構成され、ピストン5が吐出
    行程終了時期の位置に設けられていることを特徴とする
    アキシャルピストンポンプ。
  4. 【請求項4】 吐出圧力に応じて吐出流量を任意に制御
    する傾転制御装置を具備したアキシャルピストンポンプ
    において、吐出圧力を受圧するシリンダ18と、これに
    釣り合う為のバネ荷重部を形成しクレイドル斜板1を支
    持し、シリンダ18とバネ荷重部を、ポンプ軸7の中心
    に対して、吸い込み側に距離tだけ偏心させ、該距離t
    をピストンピッチ径Dの約1/7Dから1/3Dだけ偏
    心したことを特徴とするアキシャルピストンポンプ。
  5. 【請求項5】 ポンプ軸7の軸中心上に構成するバルブ
    プレート11と、このバルブプレート11に接当して摺
    動するシリンダブロック3との間で、流体力バランスを
    成立させる為、両者間油膜反力を支配する高圧シールS
    を、バルブプレート11側に形成したものにおいて、そ
    の吐出行程域で高圧シール形状を、ポンプ軸7の中心に
    対して高圧シール中心を偏心させる等により、吐出開始
    側シール幅W1の方を吐出終了側シール幅W2よりも小
    に構成したことを特徴とするアキシャルピストンポン
    プ。
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