JPH08113847A - 分岐部分を有するパイプ状の三次元織物及びその製織方法 - Google Patents

分岐部分を有するパイプ状の三次元織物及びその製織方法

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JPH08113847A
JPH08113847A JP27610494A JP27610494A JPH08113847A JP H08113847 A JPH08113847 A JP H08113847A JP 27610494 A JP27610494 A JP 27610494A JP 27610494 A JP27610494 A JP 27610494A JP H08113847 A JPH08113847 A JP H08113847A
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shaped
pipe
branched
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woven fabric
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JP27610494A
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Inventor
Kenji Fukuda
多 健 二 福
Masahiko Kanehara
原 雅 彦 金
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Three D Composites Research Corp
Original Assignee
Three D Composites Research Corp
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  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人工血管や継手等として利用するのに適した
分岐部分を有するパイプ状で一体組織の三次元織物1及
びその製織方法を提供する。 【構成】 相互に連設して長さ方向に一体化される分岐
接合部分12と、完全分岐部分13とにより、複数枝に
分岐する分岐部分13Aを有する分岐パイプ状の三次元
織物1として構成される。上記分岐接合部分12は、内
部では分岐しているが小パイプ状の織物が相互に接合さ
れている部分であり、上記完全分岐部分13は、複数の
小パイプ状織物に完全に分岐された部分である。それぞ
れの部分においては、数層の平面状織物に相当する厚さ
をもたせ、上記分岐接合部分は、完全分岐部分における
各分岐部分の間を連結する以外は該完全分岐部分と同一
断面を有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工血管や継手等とし
て利用するのに適した分岐部分を有するパイプ状の三次
元織物及びその製織方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から既知のブレーダーに、分岐形状
の芯金を三次元的に移動回転可能に設け、パイプ状の織
物組織の隙間から分岐させて他のパイプ状部材を形成す
る方法については、日本機械学会第71期通常総会講演
会講演論文集(II)において、藤田らが報告している。
しかしながら、この既提案のパイプ状織物では、単層の
織物(二次元織物)を往復しながら積層して分岐パイプ
を製作するため、織物組織が充分に一体化されたものと
はならず、用途によってはそれが大きな欠点となる。
【0003】例えば、単純なパイプ状の繊維強化複合材
料は、構造材料や配管材料として多くの用途が期待され
ており、上記積層組織を有する多方向に分岐したパイプ
状織物も、樹脂等で成形して複合材料とすれば、層間に
おける剥離等の問題がなく、分岐部分を有する構造材料
や継手管として利用することができる。しかしながら、
上記積層構造では、比較的大きい曲げや剪断応力が作用
する場合には層間に剥離が発生し易く、その使用が制限
されることになる。
【0004】一方、生体となじみのよい繊維を用い、多
孔質の織物組織で人工血管を製作すると、織物組織内で
生体組織が定着し、良好な結果が得られると言われてい
る。そのため、生体となじみのよい繊維を用いたパイプ
状の織物は、人工血管として利用するのに適している。
そして、血管の病気である血栓は血管の分岐部分に発生
することが多く、その分岐部分を切除したときに分岐の
ない人工血管で接続することは困難であり、分岐した人
工血管が要求されることになる。しかるに、上記積層組
織を有するパイプ状織物は、このような分岐部分を有す
る人工血管としては適さない。即ち、上記積層組織のも
のでは、分岐部分に最内層の端面がくるため、それを織
物状態で使用すると、最内層がめくれて詰まってしまう
可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の基本的な技術
的課題は、人工血管や継手等として利用するのに適した
分岐部分を有するパイプ状で、層間剥離のおそれがない
三次元織物及びその製織方法を提供することにある。本
発明の他の技術的課題は、本発明者らが先に開発したと
ころの立体織物の製織方法(特開平02−264055
号)を有効に利用し、層状をなさない三次元織物として
製織された分岐部分を有するパイプ状織物を簡単に製織
する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のパイプ状三次元織物は、基本的には、相互に
連設して長さ方向に一体化される分岐接合部分と、完全
分岐部分とにより、複数枝に分岐する分岐部分を有する
分岐パイプ状の三次元織物として構成され、内部では分
岐しているが小パイプ状の織物が相互に接合されている
上記分岐接合部分、及び複数の小パイプ状織物に完全に
分岐された上記完全分岐部分のそれぞれにおいては、少
なくとも数層の平面状織物に相当する厚さをもたせ、上
記分岐接合部分は、完全分岐部分における各分岐部分の
間を連結する以外は該完全分岐部分と同一断面を有する
ものとしたことを特徴とするものである。
【0007】上記パイプ状三次元織物は、分岐パイプ状
の三次元織物の組織を、長さ方向に対して傾斜させて配
向した糸条相互を順次交絡させ、且つパイプ状の織物の
内外表面に達した糸条をそこで折り返すことにより、一
部の不要部分の糸条を除いて、各糸条が長さ方向に連続
するものとして織成し、分岐接合部分においては、完全
分岐部分において複数の独立した小パイプ状の織物の内
外表面で折り返している糸条を、相互に隣接している小
パイプ状織物中に導くことにより、完全分岐部分の小パ
イプ状の織物が一体化して織成されたものとすることが
できる。
【0008】また、上記パイプ状三次元織物において
は、分岐接合部分に単一のパイプ状織物からなる非分岐
部分を連設し、その非分岐部分においては、上記分岐接
合部分において隣接する小パイプ状織物間にある隔壁部
の糸条を非製織として切除することができ、あるいは、
完全分岐部分と分岐接合部分とを交互に連設し、必要に
応じて分岐接合部分の間に非分岐部分を介装し、これら
を繰り返すことにより、複数枝に分岐する分岐部分を有
する分岐パイプ状の三次元織物の多数を連続したものと
して構成することができる。
【0009】一方、本発明のパイプ状三次元織物の製織
方法は、基本的には、上記分岐パイプ状の三次元織物を
製織するための製織方法であって、キャリア移動面内に
糸条を保持して織成のために移動する多数のキャリアを
配設し、分岐部分を相互に分離するための分離用のキャ
リア列の両側をそれぞれ小パイプ状の織物を織成する製
織ブロックとして、上記複数の小パイプ状織物に完全に
分岐された完全分岐部分の製織においては、分離用のキ
ャリア列を織成に関与させることなく、各製織ブロック
において独立に小パイプ状の織物の製織を行い、内部で
は分岐しているが小パイプ状の織物が相互に接合されて
いる上記分岐接合部分の製織においては、複数の製織ブ
ロックにおけるキャリアをそれらの間に位置する分離用
のキャリア列と共に走行させ、小パイプ状の織物を連結
状態において製織することを特徴とするものである。
【0010】上記パイプ状三次元織物を製織するための
製織方法においては、多数のロータを互いに隣接させて
多数行多数列に配列し、各ロータの四周に凹部を設け
て、隣接するロータの凹部間に挟持させる糸条のキャリ
アを、上記完全分岐部分における複数の小パイプ状の織
物の製織形状に対応させて配列させ、且つ該各小パイプ
状の織物の間に少なくとも一列の分離用ロータを介在さ
せて、その分離用ロータにもキャリアを挟持させ、上記
ロータによる三次元織物の製織は、一つのロータが回転
する際に、それに隣接するロータの凹部をガイドとして
それらの間に挟持されたキャリアを移動させ、これを順
次繰返すことにより、織物の長さ方向に対して傾斜させ
て配向した糸条相互を順次交絡させ、且つパイプ状の織
物の内外表面に達した糸条をそこで折り返すことによ
り、一部の不要部分の糸条を除いて、各糸条が長さ方向
に連続するものとして織成するものである。
【0011】そして、上記複数の小パイプ状織物に完全
に分岐された完全分岐部分の製織においては、複数の各
製織ブロックにおいて小パイプ状の織物の製織形状に対
応させて配列したキャリアを、上記分離用ロータを除く
ロータの回転で駆動し、また内部では分岐しているが小
パイプ状の織物が相互に接合されている上記分岐接合部
分の製織においては、複数の小パイプ状の織物の製織形
状に対応させて配列したキャリアを、上記分離用ロータ
を含むロータの回転で駆動し、更に、分岐接合部分に単
一のパイプ状織物からなる非分岐部分を連設する場合
に、その非分岐部分の製織においては、上記分岐接合部
分において隣接する小パイプ状織物間にある隔壁部の糸
条を非製織として、その部分の糸条を切除する。
【0012】
【作用】上記構成を有する本発明のパイプ状三次元織物
及びその製織方法によれば、相互に連設して長さ方向に
一体化される分岐接合部分と完全分岐部分とにより、あ
るいはそれに非分岐部分を連設したものとして、複数枝
に分岐する分岐部分を有する分岐パイプ状の三次元織物
が織成される。上記非分岐部分は単一のパイプ状織物か
らなり、また、上記分岐接合部分は内部では分岐してい
るが小パイプ状の織物が相互に接合されている組織から
なり、更に上記完全分岐部分は複数の小パイプ状織物に
完全に分岐された組織を有するものである。
【0013】この分岐パイプ状の三次元織物は、ロータ
の回転により、織物の長さ方向に対して傾斜させて配向
した糸条相互を順次交絡させ、且つパイプ状の織物の内
外表面に達した糸条をそこで折り返すことにより、一部
の不要部分の糸条を除いて、各糸条が長さ方向に連続す
るものとして織成されるものである。この場合に、上記
分岐接合部分においては、完全分岐部分において複数の
独立した小パイプ状の織物の内外表面で折り返している
糸条を、相互に隣接している小パイプ状織物中に導くこ
とにより、完全分岐部分の小パイプ状の織物が一体化し
て織成されたものとなり、非分岐部分においては、上記
分岐接合部分において隣接する小パイプ状織物間にある
隔壁部の糸条を非製織として切除したものとなる。この
分岐部分を有するパイプ状の三次元織物は、人工血管や
継手等として利用するのに適したものである。
【0014】
【実施例】図1及び図2は、本発明に係る三次元織物の
構造例を示している。図1に示す三次元織物1は、相互
に連設して長さ方向に一体化される非分岐部分11と、
分岐接合部分12と、完全分岐部分13とにより、複数
枝に分岐する分岐部分13Aを有する分岐パイプ状の三
次元織物として構成されたものである。上記非分岐部分
11は、単一のパイプ状織物からなり、上記分岐接合部
分12は、内部では分岐しているが小パイプ状の織物が
相互に接合された形態を有し、また上記完全分岐部分1
3では、複数枝(2枝)の小パイプ状織物からなる分岐
部分13Aに完全に分岐されている。
【0015】上記分岐接合部分12は、完全分岐部分1
3における各分岐部分13Aの間を連結する以外は該完
全分岐部分13と同一断面形状を有し、また上記非分岐
部分11は、分岐接合部分12において隣接する小パイ
プ状織物間にある隔壁部14の糸条6を非製織として切
除した断面形状を有するものであり、そして上記各部分
11,12,13は、少なくとも数層の平面状織物に相
当する厚さをもたせたものである。ここでは、全体とし
ての断面形状を方形とした場合を示しているが、円形そ
の他任意の形状に形成することができる。
【0016】一方、図2に示す三次元織物2は、完全分
岐部分において4枝に分岐した状態を示している。ま
た、この実施例の三次元織物2では、非分岐部分を設け
ていないが、この非分岐部分は、それに接続する相手部
材との関連において設けるか否かを選択することがで
き、そのためこの三次元織物2においても必要に応じて
それを設けることもできる。
【0017】図3は、上記三次元織物を製織する三次元
織機のロータ及びキャリアの配列状態を示し、図4はそ
のキャリア駆動機構の詳細を示している。以下において
は、これらの図によって上記三次元織物の製織方法につ
いて説明しながら、それらの三次元織物の組織について
更に明確にする。上記三次元織機は、分岐パイプ状の三
次元織物1,2を、長さ方向に一体化される非分岐部分
と分岐接合部分に、必要に応じて完全分岐部分を連設し
たものとして製織可能なもので、図3に示すように、一
つのキャリア移動面内に多数のロータ21を互いに隣接
させて多数行多数列に配設し、これらの各ロータ21間
に糸条を把持して走行するキャリア22を保持させて、
それらのキャリア22に所要の軌跡を走行させ、上記糸
条を互いに組織させて、上記三次元織物を製織するもの
である。
【0018】図4によってロータ21とキャリア22の
関係を具体的に説明すると、該ロータ21は、その四周
に、隣接するロータとの間にキャリア22を挟持するた
めの凹部23を設け、これらの凹部23の内側面を、隣
接するロータの回転軸を中心とする円弧状面とし、隣接
するロータの一方が回転するときに、他方のロータの凹
部23をキャリア22のガイドとして機能させるように
して、各ロータ21を互いに密に隣接させ、それがキャ
リア22の移動域に多数行、多数列に配列される。各ロ
ータ21には、それを90°または180°ごとに回転
させるための図示しない駆動機構が付設される。一方、
一対のロータ21間に挟持されるキャリア22は、隣接
する一対のロータ21の凹部23に適合する二つの円筒
面25で形成された保持部24を備え、それに張力付与
装置を介して直接的に糸条を保持させ、あるいは糸条の
ボビンを支持させるものである。
【0019】図3では、キャリア22の走行域にのみロ
ータ21を設け、隣接するロータの凹部間に挟持させる
糸条のキャリア22を、前記完全分岐部分13における
複数の小パイプ状の織物の製織形状に対応させて配列さ
せ、且つ各小パイプ状の織物の間に一列の分離用のキャ
リア列22Aを介在させ、それを分離用ロータ21Aに
挟持させた状態を示している。この配列は、前記三次元
織物の分岐部分13Aを相互に分離するための分離用の
キャリア列22Aの両側を、それぞれ小パイプ状の織物
を織成するための製織ブロックとするものである。
【0020】なお、ロータ21及びキャリア22の配列
は、上述した必要最小限度のものに限る必要はなく、三
次元織機に汎用性を持たせるために、キャリアの走行域
よりも広い範囲で多数のロータ21を縦横に配列させ、
必要な範囲においてのみロータ間に保持させたキャリア
を織成のために走行移動させることもできる。また、上
記分離用のキャリア列22A及び分離用ロータ21A
は、複数列に設けることもできる。
【0021】上記ロータ21,21Aによる分岐パイプ
状の三次元織物の製織においては、一つのロータ21が
90°を単位として回転する際に、それに隣接するロー
タの凹部23をガイドとして、それらの間に挟持された
キャリア22を他のロータとの間に移動させ、これを順
次繰返すことによって、キャリア22を必要な経路に沿
って移動させて三次元織物の製織を行うが、以下に説明
するような製織動作を行わせると、ロータの駆動制御が
比較的簡単化される。
【0022】即ち、先ず、上記ロータ配列において互い
に隣接しないロータ21を一つの群として、製織動作域
にあるロータの全体を2群に分け、製織に際しては、一
方の群のロータ21をすべて同一方向に90°または1
80°回転させ、次いで、他方の群のロータ21を同角
度だけ逆方向に回転させ、これを交互に繰返す。この場
合のキャリア22の動きを観察すると、90°及び18
0°のいずれの場合も、キャリア22の配列範囲内で、
比較的単純な規則性の下でキャリア22が走行し、従っ
てキャリア22の配列を任意に選定しても、その配列形
状に応じた製織を行うことができる。
【0023】このような製織動作によって得られる分岐
パイプ状の三次元織物の組織は、織物の長さ方向に対し
て傾斜させて配向した糸条相互を順次交絡させ、且つパ
イプ状の織物の内外表面に達した糸条をそこで折り返す
ことにより、一部の不要部分の糸条を除いて、各糸条が
図1及び図2の三次元織物1,2における各部分、即
ち、非分岐部分11、分岐接合部分12及び完全分岐部
分13を通して、織物の長さ方向に連続するものとして
織成されたものである。
【0024】次に、上記非分岐部分11、分岐接合部分
12及び完全分岐部分13における製織動作について具
体的に説明する。まず、上記複数の小パイプ状の分岐部
分13Aに完全に分岐された完全分岐部分13の製織に
おいては、前記分離用のキャリア列22Aの両側の複数
の各製織ブロックにおいてそれぞれ独立に、小パイプ状
の織物の製織形状に対応させて配列したキャリア22
を、上記分離用ロータ21Aを除くロータ21の回転で
駆動し、複数枝に分岐された分岐部分13Aを得る。こ
の場合、分離用ロータ21Aを駆動しないため、その両
側の製織ブロックにおいてそれぞれ独立に分岐部分13
Aが製織されることになり、そのため、分離用ロータ2
1Aに保持された分離用のキャリア列22Aに把持され
ている糸条5は製織の対象にならず、全体の製織後にそ
れを切除する。
【0025】上記分岐接合部分12の製織においては、
上述した小パイプ状の分岐部分13Aを相互に接合した
状態に製織し、そのため、各製織ブロックにおいて複数
の小パイプ状の織物の製織形状に対応させて配列したキ
ャリア22及び分離用のキャリア列22Aを、上記分離
用ロータ21Aを含むロータ21の回転で駆動する。こ
のようにして製織すると、隣接する製織ブロック間にお
いてキャリア22が分離用ロータ21Aを通して相互に
移動し、複数の製織ブロック間で一体化した製織動作が
行われるため、上記完全分岐部分13において複数の独
立した小パイプ状の織物の内外表面で折り返している糸
条が、隣接している小パイプ状織物中に相互に導入さ
れ、完全分岐部分13の小パイプ状の織物が内部では分
岐しているが一体化して織成されたものとなる。
【0026】単一のパイプ状織物からなる上記非分岐部
分11の製織においては、上記分岐接合部分12におい
て製織される隣接小パイプ状織物間の隔壁部14の糸条
6を非製織として、その部分のロータの駆動を休止さ
せ、周壁部を構成するためのロータ21のみを駆動して
製織する。そのため、隔壁部の糸条6は製織の対象にな
らず、全体の製織後にそれを切除する。
【0027】上述した各部分11,12,13間での製
織動作域の変更は、単に、新たに製織動作域とする部分
のロータを回転駆動して、製織動作を行わせ、今まで製
織動作のために回転していたロータで、新たに製織動作
域外となるロータを停止させるだけでよく、それによっ
て製織動作域の変更が行われ、所要の断面形状を有する
三次元織物を得ることができる。このようにして得られ
る三次元織物は、基本的に、織物の断面形状を逐次変化
させるものではなく、ロータの動作する部分と動作しな
い部分を適当に設定することにより、複数の分岐部分1
3Aを完全に分岐し、あるいは完全に接合された状態に
するものである。なお、この方法で製織された三次元織
物では、製織に関与しなかった糸条が製織した分岐パイ
プ状の三次元織物から伸び出しているので、前述したよ
うに、製織後にそれを除去する必要がある。
【0028】上述した分岐パイプ状の三次元織物を簡単
に多量に製造するには、図5〜図7によって以下に説明
するような多連の三次元織物を製織するのが望ましい。
図5は、この多連の織物の外観を示し、図6は同縦断面
を、図7のA,B,Cは図6におけるA−A位置、B−
B位置及びC−C位置の横断面を示すもので、完全分岐
部分13の両側に分岐接合部分12を連設すると共に、
それらの両側に非分岐部分11を連設し、これを繰り返
した状態に製織している。これにより、図6中のA位置
及びC位置で切断すれば、複数枝に分岐した分岐部分1
3Aを有する分岐パイプ状の三次元織物の多数を得るこ
とができる。製織の対象にならない糸条5,6は、最終
的に切除することになる。
【0029】上記多連の三次元織物においては、二つの
分岐接合部分12の間に非分岐部分11を設けている
が、それを設けることなく、完全分岐部分13と分岐接
合部分12とを交互に連設し、これを繰り返した状態に
製織することもできる。これにより、図2に示すよう
に、非分岐部分のない三次元織物の多数を連続したもの
として構成することができる。
【0030】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によれ
ば、人工血管や継手等として利用するのに適した分岐部
分を有するパイプ状で、層間剥離のおそれがない一体組
織の三次元織物及びその製織方法を得ることができる。
また、本発明者らが先に開発したところの立体織物の製
織方法を有効に利用し、層状をなさない一体組織の三次
元織物として製織された分岐部分を有するパイプ状織物
を簡単に製織することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる分岐パイプ状の三次元織物の一
実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかる三次元織物の他の実施例を示す
斜視図である。
【図3】本発明の三次元織物の製織に用いるロータ及び
キャリアの配列を示す平面図である。
【図4】本発明の三次元織物の製織に用いるロータ及び
キャリアの構成を示す部分斜視図である。
【図5】本発明に基づいて製織された多連の三次元織物
の外観を示す平面図である。
【図6】同縦断面である。
【図7】A,B,Cは、それぞれ図6におけるA−A位
置、B−B位置及びC−C位置での横断面である。
【符号の説明】
1,2 三次元織物 5,6 糸条 11 非分岐部分 12 分岐接合部分 13 完全分岐部分 13A 分岐部分 14 隔壁部 21 ロータ 21A 分離用ロータ 22 キャリア 22A 分離用キャリア列 23 凹部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相互に連設して長さ方向に一体化される分
    岐接合部分と、完全分岐部分とにより、複数枝に分岐す
    る分岐部分を有する分岐パイプ状の三次元織物として構
    成され、 内部では分岐しているが小パイプ状の織物が相互に接合
    されている上記分岐接合部分、及び複数の小パイプ状織
    物に完全に分岐された上記完全分岐部分のそれぞれにお
    いては、少なくとも数層の平面状織物に相当する厚さを
    もたせ、 上記分岐接合部分は、完全分岐部分における各分岐部分
    の間を連結する以外は該完全分岐部分と同一断面を有す
    るものとした、ことを特徴とする分岐部分を有するパイ
    プ状の三次元織物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のパイプ状の三次元織物に
    おいて、 分岐パイプ状の三次元織物の組織を、長さ方向に対して
    傾斜させて配向した糸条相互を順次交絡させ、且つパイ
    プ状の織物の内外表面に達した糸条をそこで折り返すこ
    とにより、一部の不要部分の糸条を除いて、各糸条が長
    さ方向に連続するものとして織成し、 分岐接合部分においては、完全分岐部分において複数の
    独立した小パイプ状の織物の内外表面で折り返している
    糸条を、相互に隣接している小パイプ状織物中に導くこ
    とにより、完全分岐部分の小パイプ状の織物が一体化し
    て織成されたものとした、ことを特徴とする分岐部分を
    有するパイプ状の三次元織物。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のパイプ状の三次
    元織物において、 完全分岐部分と分岐接合部分とを交互に連設し、これを
    繰り返すことにより、複数枝に分岐する分岐部分を有す
    る分岐パイプ状の三次元織物の多数を連続したものとし
    て構成する、ことを特徴とする分岐部分を有するパイプ
    状の三次元織物。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載のパイプ状の三次
    元織物において、 分岐パイプ状の三次元織物を、長さ方向に一体化される
    分岐接合部分と完全分岐部分に、更に非分岐部分を連設
    することにより構成し、 単一のパイプ状織物からなる上記非分岐部分において
    も、少なくとも数層の平面状織物に相当する厚さをもた
    せて、他の部分と同組織に織成し、 上記非分岐部分においては、上記分岐接合部分において
    隣接する小パイプ状織物間にある隔壁部の糸条を非製織
    として切除した、ことを特徴とする分岐部分を有するパ
    イプ状の三次元織物。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のパイプ状の三次元織物に
    おいて、 完全分岐部分の両側に分岐接合部分を連設すると共に、
    それらの両側に非分岐部分を連設し、これを繰り返すこ
    とにより、複数枝に分岐する分岐部分を有する分岐パイ
    プ状の三次元織物の多数を連続したものとして構成す
    る、ことを特徴とする分岐部分を有するパイプ状の三次
    元織物。
  6. 【請求項6】相互に連設して長さ方向に一体化される分
    岐接合部分と、完全分岐部分とにより構成されるところ
    の、複数枝に分岐する分岐部分を有する分岐パイプ状の
    三次元織物を製織するための製織方法であって、 キャリア移動面内に糸条を保持して織成のために移動す
    る多数のキャリアを配設し、分岐部分を相互に分離する
    ための分離用のキャリア列の両側をそれぞれ小パイプ状
    の織物を織成する製織ブロックとして、 上記複数の小パイプ状織物に完全に分岐された完全分岐
    部分の製織においては、分離用のキャリア列を織成に関
    与させることなく、各製織ブロックにおいて独立に小パ
    イプ状の織物の製織を行い、 内部では分岐しているが小パイプ状の織物が相互に接合
    されている上記分岐接合部分の製織においては、複数の
    製織ブロックにおけるキャリアをそれらの間に位置する
    分離用のキャリア列と共に走行させ、小パイプ状の織物
    を連結状態において製織する、ことを特徴とする分岐部
    分を有するパイプ状の三次元織物の製織方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のパイプ状の三次元織物の
    製織方法において、 多数のロータを互いに隣接させて多数行多数列に配列
    し、各ロータの四周に凹部を設けて、隣接するロータの
    凹部間に挟持させる糸条のキャリアを、上記完全分岐部
    分における複数の小パイプ状の織物の製織形状に対応さ
    せて配列させ、且つ該各小パイプ状の織物の間に少なく
    とも一列の分離用ロータを介在させて、その分離用ロー
    タにもキャリアを挟持させ、 上記ロータによる三次元織物の製織は、一つのロータが
    回転する際に、それに隣接するロータの凹部をガイドと
    してそれらの間に挟持されたキャリアを移動させ、これ
    を順次繰返すことにより、織物の長さ方向に対して傾斜
    させて配向した糸条相互を順次交絡させ、且つパイプ状
    の織物の内外表面に達した糸条をそこで折り返すことに
    より、一部の不要部分の糸条を除いて、各糸条が長さ方
    向に連続するものとして織成し、 上記複数の小パイプ状織物に完全に分岐された完全分岐
    部分の製織においては、複数の各製織ブロックにおいて
    小パイプ状の織物の製織形状に対応させて配列したキャ
    リアを、上記分離用ロータを除くロータの回転で駆動
    し、 内部では分岐しているが小パイプ状の織物が相互に接合
    されている上記分岐接合部分の製織においては、複数の
    小パイプ状の織物の製織形状に対応させて配列したキャ
    リアを、上記分離用ロータを含むロータの回転で駆動す
    る、ことを特徴とする分岐部分を有するパイプ状の三次
    元織物の製織方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載のパイプ状の三次元織物の
    製織方法において、 分岐パイプ状の三次元織物を、長さ方向に一体化される
    分岐接合部分と完全分岐部分に、更に非分岐部分を連設
    したものとして製織する製織方法であって、 単一のパイプ状織物からなる上記非分岐部分も、他の部
    分と同一組織のものとして織成し、 上記非分岐部分の製織においては、上記分岐接合部分に
    おいて隣接する小パイプ状織物間にある隔壁部の糸条を
    非製織として、その部分の糸条を切除する、ことを特徴
    とする分岐部分を有するパイプ状の三次元織物の製織方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100350089C (zh) * 2006-04-04 2007-11-21 天津工业大学 一种可使编织成型方向折转的三维整体编织方法
WO2012049964A1 (ja) * 2010-10-14 2012-04-19 株式会社島精機製作所 組紐の組成方法
CN102965836A (zh) * 2012-12-14 2013-03-13 东华大学 一种圆角异型件的三维编织的净形制备方法
CN104790115A (zh) * 2015-04-22 2015-07-22 中材科技股份有限公司 一种圆管加斜翻边层连结构织物的制备方法

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