JPH08113072A - 動力運搬車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車体を必要なダンプ方向に向けることができ
なくても指定位置に向けて正確にダンプ作業を行うと共
に作業効率を高める技術の提供。 【構成】 クローラ走行装置と運転席、エンジン、該エ
ンジンから前記クローラ走行装置へ動力を伝達する動力
伝達手段、荷台２０を備えた動力運搬車であって、一端
側に一対の支持アーム１６を立設した荷台支持フレーム
７が前記クローラ走行装置上の固定フレーム２に水平方
向回転自在に軸支され、該固定フレーム２側には荷台支
持フレーム回転用の油圧装置１７が設けられ、かつ、前
記支持アーム先端に前記荷台の一端両側が回転自在に軸
支されると共に、荷台支持フレームには荷台ダンプ用の
油圧装置２２が設けられている構成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、土木建設用、農作業
用、林内作業用等に使用される動力運搬車に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の動力運搬車としては、荷
台の一端が車体等に軸支され、油圧装置によって荷台が
車体前方あるいは後方の一方向にダンプしたり、または
車体の前方、側方あるいは後方の三方向にダンプするも
の等がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の動力運搬車では、前記のように荷台のダンプ方向が
運搬車の向きで規制されることになり、常にダンプする
方向へ車体の向きを合せなければならず、作業効率が大
変悪くなっているし、また、オペレータには運転技術の
熟練が必要になる等の問題があった。

【０００４】また、動力運搬車の走行場所が制限される
場合では、目的の位置へのダンプ作業ができない場合が
あるという問題があった。

【０００５】また、上記問題を解決するため、荷台を任
意の角度に回転させるようにすると良いが、従来、トラ
ッククレーン等で使用されている旋回装置等は、図４に
示すように、リングギア３０に旋回ベアリング３１を装
着して支持し、このリングギア３０を油圧モータ３２の
ピニオン３３で駆動するものが一般的であるが、強度上
ギア幅も大きく必要となって外径寸法が大きくなるた
め、車体の重心位置が高くなり、車体の安定度が悪化す
るという問題がある。

【０００６】本発明は、かかる従来の問題点を解決する
ためになされたものであって、その目的とするところ
は、車体を必要なダンプ方向に向けることができなくて
も指定位置に向けて正確にダンプ作業を行うと共に作業
効率を高めることができる動力運搬車を提供することに
ある。また、荷台の重心位置を高くせず回転可能にして
安全作業が行える動力運搬車を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の手段として本発明請求項１記載の動力運搬車では、ク
ローラ走行装置と運転席、エンジン、該エンジンから前
記クローラ走行装置へ動力を伝達する動力伝達手段、荷
台を備えた動力運搬車であって、一端側に一対の支持ア
ームを立設した荷台支持フレームが前記クローラ走行装
置上の固定フレームに水平方向回転自在に軸支され、該
固定フレーム側には荷台支持フレーム回転用の油圧装置
が設けられ、かつ、前記支持アーム先端に前記荷台の一
端両側が回転自在に軸支されると共に、荷台支持フレー
ムには荷台ダンプ用の油圧装置が設けられている構成と
した。

【０００８】請求項２記載の動力運搬車では、前記固定
フレームと荷台支持フレームとの間には、回転板および
この回転板と面合してスラスト荷重を支持するすべり接
触板が設けられ、かつ前記回転板中心には荷台支持フレ
ームの回転中心支持用のラジアル軸受けが設けられてい
る構成とした。

【０００９】

【作用】請求項１記載の動力運搬車では、荷台がその一
端両側を荷台支持フレームの支持アームによって回転自
在に軸支されているから、荷台はこの荷台支持フレーム
上で油圧装置によってダンプさせることができる。ま
た、前記荷台支持フレームは、固定フレームに対し水平
方向に回転自在に軸支されているから、荷台は油圧装置
により、固定フレーム上で水平方向に回転させることが
できる。つまり、荷台をクローラ走行装置の向きに拘ら
ず任意の方向に向けダンプさせることができる。

【００１０】請求項２記載の動力運搬車では、荷台から
の垂直荷重は、回転板に対しすべり接触板で受けるか
ら、荷台は前記回転板とすべり接触板の厚み分程度嵩上
げすれば済むので、重心位置をリングギア使用時より低
くすることができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１は本実施例の荷台支持フレームの固定
フレームへの軸支部を示す縦断面図、図２は固定フレー
ム側の平面図、図３は荷台をダンプした状態の動力運搬
車を示す側面図である。

【００１２】まず実施例の構成を説明する。図中１はク
ローラ走行装置であって、上部に固定フレーム２が一体
に設けられている。この固定フレーム２上の一端側には
運転席３とエンジン４とが配置され、このエンジン４と
前記クローラ走行装置１とは、ギアボックスによる動力
伝達手段５にて連結されている。

【００１３】前記固定フレーム２の他端側には、垂直軸
６にて荷台支持フレーム７が回転自在に支持されてい
る。前記垂直軸６は中間部にピニオン８が固定されると
共に、その上下端は、ころがり型のラジアル軸受９，１
０によって回転自在に、かつ軸の引抜き方向には固定す
る状態にして軸支されている。また、この垂直軸６の上
端には水平フランジ１１が固定されている。１２は油圧
配管挿通用の貫通穴である。

【００１４】また、１３はカーボン等を潤滑剤として含
有するすべり接触板であって、前記水平フランジ板１１
の外周りに４個所等配状態にしてボルト１４で固定され
ている。前記すべり接触板１３は、その上面が前記水平
フランジ１１の上面と略同一位置となるように設けられ
ている。

【００１５】前記荷台支持フレーム７は、水平フレーム
部分が回転板１５として平板状に形成され、この回転板
１５の上面一端側に支持アーム１６が一対立設されてい
る。そして、前記回転板１５の裏面中心が前記水平フラ
ンジ１１の上面中心に固定され、垂直軸６にて回転自在
に保持されている。１７はこの荷台支持フレーム７の回
転用油圧装置であって、油圧シリンダ１８のロッドにラ
ック１９が設けられており、このラック１９が垂直軸の
ピニオン８と噛合するように配置されている。

【００１６】２０はバケットタイプの荷台であって、ス
クープエンド部両側を前記支持アーム１６に軸支２１す
ることにより、回転自在に支持されている。この荷台２
０は、ダンプ時以外では反軸支側が回転板１５の他端に
設けたクッション材２４によって受け止められている。
２２は前記荷台支持フレーム７とこの荷台２０との間に
油圧シリンダの一端ずつを連結して設けた荷台ダンプ用
の油圧装置である。２３はダストシールである。

【００１７】次に実施例の作用を説明する。まず、荷台
２０に荷を積載した状態において、荷台の自重と積載荷
重は、荷台支持フレーム７の回転板１５からすべり接触
板１３を介し固定フレーム２に伝達される。従って、垂
直軸６を軸支したラジアル軸受け９，１０は垂直荷重を
ほとんど受けることがない。次に、クローラ走行装置１
で走行時、荷台２０はこのクローラ走行装置１と平行状
態に固定されており、この方向以外の場所へ荷降しする
場合、まず油圧装置１７を作動させ、ラック１９でピニ
オン８を駆動することにより、荷台２０を指定場所に向
くまで回転させる。この場合、垂直荷重は回転板１５と
すべり接触板１３とで受け、また回転中心保持はラジア
ル軸受け９，１０によって行われる。

【００１８】荷台２０が指定場所へ向いた後、油圧装置
２２を作動させて荷台をダンプし正確な位置へ荷降しす
ることができる。

【００１９】以上、説明してきたように、本実施例の動
力運搬車では、荷台２０のダンプ機能に加え回転機能を
持たせたので、クローラ走行装置１で位置決めすること
なく、任意の方向へのダンプ作業を行うことができる。
また、このため、走行場所の地盤が悪かったり狭隘な場
所でも、クローラ走行装置１の方向に限定されることな
く指定場所へ簡単にダンプ作業を行うことができ、荷降
し位置の正確さと作業効率を向上させることができる。

【００２０】また、任意の方向に荷台２０を回転させる
ことができるから、従来のような生コン等の流動体を運
搬するのにゲートを設ける必要がなく、簡単な構造のバ
ケットタイプを使用でき、運搬時に流動体が荷台から漏
れるのを防止することができる。

【００２１】また、荷の積載荷重および荷台の自重をす
べり接触板で受けて固定フレーム側へ伝達させることに
より、すべり接触板１３は従来のリングギア式に比べ極
く薄いものを使用でき、また、垂直軸６およびそれを軸
支したラジアル軸受け９，１０は回転中心の保持だけを
行えば良いから、小型化することができる。このため、
荷台２０の支持高さを従来の回転機能を持たない動力運
搬車と同等とし安定度も十分得ることができる。

【００２２】以上、本発明の実施例を説明してきたが、
本発明の具体的な構成はこの実施例に限定されるもので
はなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があ
っても本発明に含まれる。

【００２３】例えば、実施例では荷台２０の回転用油圧
装置１７は、油圧シリンダとラックとで構成されるとし
たが、これに限らず、油圧モータを使用してもよい。

【００２４】また、垂直軸６には油圧配管挿通用の貫通
穴を設けたが、この部分をロータリジョイント構造とし
てもよい。

【００２５】

【発明の効果】以上説明してきたように本発明請求項１
記載の動力運搬車にあっては、前記構成としたため、ク
ローラ走行装置で位置決めすることなく、任意の方向へ
のダンプ作業を行うことができる。また、このため、走
行場所の地盤が悪かったり、狭隘な場所でも、クローラ
走行装置の方向に限定されることなく指定場所へ簡単に
ダンプ作業を行うことができ、荷降し位置の正確さと作
業効率を向上させることができる。また、任意の方向に
荷台を回転させることができるから、従来のような生コ
ン等の流動体を運搬するのにゲートを設ける必要がな
く、簡単な構造のバケットタイプを使用でき、運搬時に
流動体が荷台から漏れるを防止することができる等の効
果が得られる。

【００２６】請求項２記載の動力運搬車にあっては、前
記構成としたため、荷台による荷重を板状体で受けるこ
とにより、荷台の取付け高さを低くすることができ、従
来の荷台旋回機能を持たないリヤダンプ型や三転ダンプ
型の運搬車等と同様の安定度を得ることができ、これに
よって従来のものと同様の安全作業を行うことができる
等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の荷台支持フレームの固定フレー
ムへの軸支部を示す縦断面図である。

【図２】実施例の固定フレーム側を示す平面図である。

【図３】実施例の荷台をダンプした状態の動力運搬車を
示す側面図である。

【図４】従来の旋回部分を示す説明図である。

【符号の説明】

１ クローラ走行装置 ２ 固定フレーム ３ 運転席 ４ エンジン ５ 動力伝達手段 ７ 荷台支持フレーム ９，１０ ラジアル軸受 １３ すべり接触板 １５ 回転板 １６ 支持アーム １７ 荷台回転用油圧装置 ２０ 荷台 ２２ 荷台ダンプ用油圧装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クローラ走行装置と運転席、エンジン、
   該エンジンから前記クローラ走行装置へ動力を伝達する
   動力伝達手段、荷台を備えた動力運搬車であって、 一端側に一対の支持アームを立設した荷台支持フレーム
   が前記クローラ走行装置上の固定フレームに水平方向回
   転自在に軸支され、該固定フレーム側には荷台支持フレ
   ーム回転用の油圧装置が設けられ、かつ、前記支持アー
   ム先端に前記荷台の一端両側が回転自在に軸支されると
   共に、荷台支持フレームには荷台ダンプ用の油圧装置が
   設けられていることを特徴とした動力運搬車。
2. 【請求項２】 前記固定フレームと荷台支持フレームと
   の間には、回転板およびこの回転板と面合してスラスト
   荷重を支持するすべり接触板が設けられ、かつ前記回転
   板中心には荷台支持フレームの回転中心支持用のラジア
   ル軸受けが設けられている請求項１記載の動力運搬車。