JPH08113053A - 動力取出装置の潤滑システム - Google Patents

動力取出装置の潤滑システム

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JPH08113053A
JPH08113053A JP25050494A JP25050494A JPH08113053A JP H08113053 A JPH08113053 A JP H08113053A JP 25050494 A JP25050494 A JP 25050494A JP 25050494 A JP25050494 A JP 25050494A JP H08113053 A JPH08113053 A JP H08113053A
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JP
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oil
gear
engine
casing
power take
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JP25050494A
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English (en)
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Yasuhiro Yokoyama
泰弘 横山
Sohei Takahashi
宗平 高橋
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Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、共用しているオイルパンの油面位置
に規制されずに、歯車ケースの底部に溜まるエンジンオ
イルを上記オイルパンへ回収させる動力取出装置の潤滑
システムを提供することにある。 【構成】本発明は、オイルパン23のエンジンオイルを
共同使用するエンジン側面に取着したPTO装置の歯車
ケース30の内底部に貯部32aを設け、これに下段に
ある駆動ギヤ38の下部を浸漬させ、貯部の油面の上方
に駆動ギヤで掻き上げたエンジンオイルを受容するオイ
ル溝47を設け、このオイル溝で受けたエンジンオイル
を歯車ケース、エンジンを隔てる壁部を通じ、オイルパ
ンへ導く戻り路48を設けることによって、駆動ギヤを
汲上げポンプとして活用して、エンジンオイルを歯車ケ
ースの内底部から、高い位置に在るオイル溝に移してか
らオイルパンへ戻して、オイルパンの油面位置による規
制を解除するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動力源から動力を取り
出す動力取出装置の潤滑システムに関する。
【0002】
【従来の技術】消防車に搭載されているポンプ装置、ゴ
ミ収集車(ごみを圧縮して積み込む用途に用いられる車
両)に搭載されているゴミプレス機、ミキサー車に搭載
されているミキサーなどは、いずれも車両に搭載された
走行用エンジンから、PTO装置と称される動力取出装
置を用いて取り出された動力で駆動している。
【0003】こうしたPTO装置には、実開平1−81
331号公報で開示されているような構造が採用されて
いる。これは、図6に示されるように歯車ケース1(前
後二分割式)の外壁の所定位置にエンジンの出力軸と接
続可能な駆動軸2,作業装置に接続される回転軸3を有
し、歯車ケース1内に駆動軸2から伝わるエンジン動力
を回転軸3へ伝えるギヤ列(駆動軸2に設けた駆動ギヤ
2a,この駆動ギヤ2aと噛み合うアイドルギヤ4a,
回転軸3に設けたパワーテイクオフギヤ3aの組み合せ
から構成される)を収容した構造が用いられている。な
お、図6において、5は駆動軸2に組込まれた油圧クラ
ッチ装置、5aは同油圧クラッチ装置5に油圧を供給す
るギヤポンプを示す。
【0004】ところで、PTO装置は各ギヤが噛み合う
ためにオイルによる潤滑が必要である。従来、PTO装
置では、図6に示されるように歯車ケース1内に、中段
に在るアイドルギヤ4aの上部が油面から突き出るまで
大量の潤滑オイル(作動油に相当)6を収容しておき、
中・下段に在る各ギヤ4a,ギヤ3aの噛合部について
は各ギヤ4a,3aを浸している潤滑オイル16で潤滑
し、油面の上方に在る駆動ギヤ2aについてはその直下
のアイドルギヤ4aでなされる潤滑オイル6の掻き上げ
によって噛合部を潤滑することが行われていた。
【0005】しかしながら、ギヤを潤滑オイル6に浸漬
させたのでは、潤滑オイル6がもつ高い粘度のために、
かなり高い駆動損失が生じやすく、駆動軸2から入力さ
れた動力が回転軸3へ効率よく伝えられない。特にこの
現象は、ギヤ枚数が多い程、強く見られる。
【0006】そこで、歯車ケース1の下側に同歯車ケー
ス1の内底部につながるオイルパンを設け、このオイル
パン内に収容した潤滑オイルをポンプで歯車ケース1の
上部側に導いて、ギヤ列の上段に在るギヤの近傍から同
ギヤの噛合部などに循環オイルを垂らす潤滑システムが
ある。
【0007】これによると、垂れる潤滑オイルで、上側
から下側のギヤの噛合部を順次、潤滑させ、潤滑を終え
た潤滑オイルを再びオイルパンに戻すので、ギヤの浸漬
は不要となり、上記したような駆動損失はない。
【0008】しかし、PTO装置専用にオイルパンが必
要となるので、PTO装置は構造的に複雑になりやす
い。そこで、近時、PTO装置を取着した動力装置に付
いているオイルパンおよび同オイルパン内に収容されて
いるオイルをPTO装置の潤滑システムにそのまま共用
して、PTO装置に潤滑オイルを循環させることが行わ
れている。
【0009】具体的には、動力装置が走行用エンジンの
ときは、図7に示されるように歯車ケース8の底部位置
が、走行用エンジンのオイルパン7に収容されているエ
ンジンオイル7aの油面位置よりも上方側に配置される
ように、歯車ケース8をエンジン本体(図示しない)の
側壁9に取着しておき、走行用エンジンと歯車ケース8
を隔てるエンジン本体の側壁9に歯車ケース8の内底部
とオイルパン7内とを連通するオイル戻し口10を設
け、走行用エンジンのエンジンオイル圧送用オイルポン
プ11に接続されているエンジン油路11aに、歯車ケ
ース8の上部に開口する油路12を接続して、オイルパ
ン7内のエンジンオイル7aをPTO装置に循環させ
て、歯車ケース8内の各ギヤ13を潤滑していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、PTO装置
では、ギヤの組み合わせが少なくてすむよう、ギヤには
歯数の多いギヤ、すなわち大径のギヤが使用されること
が望まれている(ギヤの噛み合わせによる騒音、振動の
発生の抑制のため)。
【0011】ところが、上記した動力装置のオイルを共
用して潤滑する構造は、歯車ケース8の底部で集溜され
るエンジンオイル7aをオイル戻し口10からオイルパ
ン7内へ流れ落ちる構造なので、構造上、オイルパン7
内に貯溜してあるエンジンオイル7aの油面より、各ギ
ヤ13を収容している歯車ケース8の底部が高い位置に
配置されていないと、歯車ケース8の底部で集溜される
エンジンオイル7aはオイルパン8には回収できない。
【0012】つまり、駆動ギヤとなる下段のギヤ13の
直径は、この構造上の制約、すなわちエンジンオイル7
aの油面位置による規制を受けてしまう。そのために、
歯数の多いギヤは使用できない。
【0013】しかも、PTO装置は出力軸位置が所定位
置に設定されているから、歯数の多いギヤを使用できな
いということは、上記した騒音、振動の面だけでなく、
ギヤ径の制約から設計の自由度も損なわれるという問題
もあり、こうした点の改善が要望されている。
【0014】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、共用している貯油部の油
面位置に規制されずに、第2ケーシングの底部に溜まる
作動油を第1ケーシングの貯油部へ回収させることを可
能にした動力取出装置の潤滑システムを提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、上記目的を達成するために、共用使用の作動油を貯
溜した貯油部を有する第1ケーシングの側壁外面に、内
底部に作動油を貯える貯部を有する第2ケーシングを取
着し、この貯部に作動油が掻き上げ可能に歯車を配設
し、さらに貯油部の油面より上側に配置されて貯部の油
面の上方に、歯車で掻き上げた作動油を受容するオイル
溝を設け、このオイル溝で受け入れた作動油を第1ケー
シングと第2ケーシングを隔てる壁部を通じて貯油部へ
導く戻り路を設けたことにある。
【0016】請求項2に記載の発明は、さらに上記目的
に加え、簡単にオイル溝を形成させるために、請求項1
に記載のオイル溝を第2ケーシングの内壁面に一体に設
けたことにある。
【0017】請求項3に記載の発明は、さらに上記目的
に加え、歯車で掻き上げた作動油を効率よく受けるため
に、請求項2に記載のオイル溝を少なくとも歯車の回転
方向前側に配置される第2ケーシングの内壁面に形成し
たことにある。
【0018】請求項4に記載の発明は、さらに上記目的
に加え、特に駆動ギヤの大径化を可能とするために、請
求項1、請求項2、請求項3に記載の回転軸を、エンジ
ンの出力軸に接続して、歯車を作業装置を作動させる動
力取出装置の駆動歯車としたことにある。
【0019】請求項5に記載の発明は、さらに上記目的
に加え、エンジンのエンジンオイルを動力取出装置の潤
滑オイルと共用させるために、請求項1、請求項2、請
求項3、請求項4に記載の第1ケーシングを、エンジン
本体と同エンジン本体の底部に取着されたオイルパンと
により形成したことにある。
【0020】請求項6に記載の発明は、さらに上記目的
に加え、動力取出装置の駆動機構の潤滑に適するため
に、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項
5に記載の第2ケーシングを、動力取出装置の駆動機構
を収容する動力取出装置駆動歯車ケースとしたことにあ
る。
【0021】
【作用】請求項1に記載の発明によると、歯車の潤滑を
終えた作動油は、一旦、第2ケーシングの貯部に溜ま
る。この貯部内の作動油は、歯車の回転に伴って掻き上
げられる。
【0022】ここで、貯部の上方には、跳ね上げた作動
油を受容するオイル溝が配設されているから、掻き上げ
られた作動油はオイル溝で受けられ、戻り路を流れて、
第1ケーシングと第2ケーシングを隔てる壁部を通じ、
共同で使用する第1ケーシングの貯油部に戻る。
【0023】この貯油部の作動油が、再び第2ケーシン
グの上部側に導かれて、各部を潤滑する。このように歯
車を汲上げポンプとして利用して、作動油を第2ケーシ
ングの内底部から、高い位置に在るオイル溝に移してか
ら貯油部に導くようにすると、貯油部の油面よりも第2
ケーシングの底部が低い位置でも、第2ケーシングから
第1ケーシングの貯油部へ作動油を回収させることが可
能となる。
【0024】つまり、共用している貯油部の油面位置に
規制されずに、第2ケーシングの底部に集溜する作動油
を貯油部に回収させることが可能となる。しかも、下段
の歯車の一部が貯部内の作動油に浸るだけなので、作動
油の粘性による駆動損失はかなり小さい。
【0025】請求項2に記載の発明によると、オイル溝
の形成は容易である。請求項3に記載の発明によると、
歯車で掻き上げた作動油を、無駄なく、効率よく受容す
ることが可能となる。
【0026】請求項4に記載の発明によると、駆動ギヤ
の直径を大きくすることが可能となる。請求項5に記載
の発明によると、エンジンのエンジンオイルがそのまま
動力取出装置の潤滑オイルとして使用される。請求項6
に記載の発明によると、動力取出装置の駆動機構の各部
も潤滑させることが可能となる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を図1ないし図5に示す一実施
例にもとづいて説明する。図1はPTO装置(動力取出
装置)が付いたエンジンの一部断面した側面図を示し、
図2は同エンジンは左側から見た図を示していて、図中
20はエンジン、例えば車両に搭載される走行用エンジ
ン(第2ケーシングに相当)である。
【0028】この走行用エンジン20は、下部に左右方
向に延びる出力軸21を有して構成されたエンジン本体
22と、このエンジン本体22の底部に取着されたオイ
ルパン23(貯油部に相当)とを有して構成されてい
る。なお、オイルパン23内にはエンジンオイル23a
(潤滑オイルで、作動油に相当)が貯溜してある。
【0029】エンジン本体22には、エンジン各部を潤
滑するための左右方向に延びるオイルギャラリ24が設
けられている。またエンジン本体22には、オイルパン
23内のエンジンオイル23aをオイルギャラリ24に
圧送するエンジンオイル圧送用オイルポンプ25(例え
ばギヤポンプよりなるもので、以下、単にオイルポンプ
25と称す)が設けられていて、エンジンオイル23a
をエンジンの潤滑が必要となる部位に供給できるように
してある。なお、26はオイルポンプ25の吸込側につ
ながるストレーナーを示す。
【0030】一方、30は、この走行用エンジン20の
出力軸側に装着されたPTO装置(動力取出装置)30
である。PTO装置30の構造について説明すれば、3
1はエンジン本体22の出力軸側の外面に取着された歯
車ケース(第2ケーシング,動力取出駆動歯車ケースに
相当)である。
【0031】この歯車ケース31は、全体が一体成形に
よって形成され、内部には出力軸21の軸心方向には偏
平で、これと直角な上下方向には直線状に延びる帯形の
収容空間32が形成されていて、最底部の部分を貯部3
2aにしてある。この歯車ケース31の右側壁が、エン
ジン本体22の出力軸側の側部に例えばボルト33を用
いて固定してある。なお、歯車ケース31の駆動軸34
の周囲となる左側部分には、クラッチ装置(図示しな
い)を取り付けるための円形なクラッチ取付部31bが
設けてある。
【0032】歯車ケース31内(収容空間32)の下部
には、駆動軸34(回転軸に相当)が出力軸21と同軸
方向に配置されて回転自在に支持してある。この駆動軸
34の右側端がボルト36によって出力軸21の軸端に
直列に連結されている。なお、駆動軸34の左側端に
は、ボルト36によって共締めされたフライホイール3
7が取着してある。
【0033】この駆動軸34の外周部には、収容空間3
2に収容された駆動ギヤ38(歯車に相当)が一体に設
けられている。歯車ケース31の左側上部からは、出力
軸39が左側に向かって突き出ている。出力軸39の基
部側は、歯車ケース31に軸受40,40を介して回転
自在に支持してある。この出力軸39の基部外周には、
収容空間32に収容されたパワーテイクオフギヤ41が
支持されている。また出力軸39の先端部には、油圧ク
ラッチ装置42を介して、作業装置(図示しない)と接
続可能な接続軸部43が接続されていて、この接続軸部
43から動力を取り出せるようにしてある。
【0034】また収容空間31の中段には、下段側の駆
動ギヤ38と上部側のパワーテイクオフギヤ41との両
者と噛み合うアイドルギヤ44(中継のためのギヤ)が
回転自在に収容されていて、駆動ギヤ38,アイドルギ
ヤ44,パワーテイクオフギヤ41で構成される駆動機
構31aによって、走行用エンジン20からフライホイ
ール37へ伝わる出力(回転)を駆動ギヤ38で取り出
し(分岐)、アイドルギヤ44、パワーテイクオフギヤ
41、油圧クラッチ装置42を経て、接続軸部43へ伝
達できるようにしてある。
【0035】歯車ケース31の上部には、図2に示され
るようにオイル供給管45が接続されている。このオイ
ル供給管45の一端側は、エンジン本体22のオイルギ
ャラリ24に連通接続されている。またオイル供給管4
5の他端側は、例えばパワーテイクオフギヤ41の近傍
で開口している出口部46に連通していて、歯車ケース
31の上段に在るパワーテイクオフギヤ41の上方か
ら、オイル供給管45を通じて導かれるエンジンオイル
23aを垂らすようにしてある。これにより、上段に在
るパワーテイクオフギヤ41、中段に在るアイドルギヤ
44、下段に在る駆動ギヤ38へとエンジンオイル23
a(潤滑オイル)を順に供給し、潤滑を終えて流れ出た
エンジンオイル23aをケース内底面の貯部32a内で
貯えるようにしてある。なお、オイル供給管45は、図
示はしないが油圧クラッチ装置42にも接続してあり、
オイル供給管45から圧送される潤滑オイルで油圧クラ
ッチ装置42を作動させる構造としてある。
【0036】駆動ギヤ38は、拡大した図3および図4
に示されように下側の一部がケース内底面に在る貯部3
2a内のエンジンオイル23aに浸漬してあり、同駆動
ギヤ38の回転をそのまま利用して、同貯部32a内の
エンジンオイル23aを上方へ掻き上げることができる
ようにしてある(駆動ギヤ38の外周に並んでいる多数
の歯部38aで、貯部32a内のエンジンオイル23a
をすくい上げることによる)。
【0037】またこの貯部32aの油面位置から上方と
なる収容空間32の内壁面部分には、掻き上げたエンジ
ンオイル23aを受容するオイル溝47が一体に設けら
れている。
【0038】このオイル溝47は、図2〜図4に示され
るように駆動ギヤ38の回転方向前側に配置される収容
空間32の内壁面32cにおいて例えば駆動ギヤ38の
軸心付近と対応する高さの部位に駆動ギヤ38の厚み方
向に沿って形成された第1の樋部47aと、駆動ギヤ3
8の厚み方向エンジン側に在る内壁面32dに第1の樋
部47aと連続して駆動ギヤ38の直径方向方向に沿っ
て形成された第2の樋部47bと、この第2の樋部47
cに続き駆動軸34が貫通する貫通孔32eに沿って円
弧形に形成された第3の樋部47cとの組み合わせで形
成された略L字形の樋から構成してある。なお、樋部4
7a〜47cはいずれも内壁面32c,32dに形成さ
れた段差50の上面に形成してある。
【0039】そして、これら樋部47a〜47cのう
ち、例えば駆動ギヤ38の回転方向前側に在る樋部47
aで掻き上げたエンジンオイル23aの大部分を受け、
残りを樋部47b,47cにて受けるようにしてある。
【0040】またオイル溝47は、受け入れたエンジン
オイル23aを第1の樋部47aから第2の樋部47b
を通って第3の樋部47cの端部へと速やかに導けるよ
うに形成されている。
【0041】この第3の樋部47cの端部には、オイル
パン23内に向かって延びる戻り路48が形成されてい
る。詳しくは、戻り路48は、隣合う歯車ケース31内
とオイルパン23内とを隔ている例えばエンジン本体2
2の左側壁22aに穿設した、オイルパン23内と歯車
ケース31内とを連通する油孔48aと、この油孔48
aと第3の樋部47cの端部との間をつなぐよう、貫通
孔32eの内周面に形成された中継溝部48bとを有し
て構成されている。これら中継溝部48bおよび油孔4
8aも、オイルパン23内に向かうにしたがって下る勾
配が形成されていて、樋部47cからのエンジンオイル
23aを停滞なくオイルパン23へ導けるようにしてあ
る。
【0042】なお、回転方向前側の樋部47aは、最も
効率よく掻き上げたエンジンオイル23aを受けるの
で、樋部47aだけで掻き揚げたエンジンオイル23a
を受けるようにしてもよい。
【0043】つぎに、このように構成されたPTO装置
30の作用について説明する。走行用エンジン20の出
力軸21からフライホイール37へ出力される回転は、
駆動ギヤ38,アイドルギヤ44,パワーテイクオフギ
ヤ41、油圧クラッチ装置42を順に経て、作業装置と
取り合いをなす接続軸部43へ伝達される。
【0044】このとき、オイルポンプ25は、走行用エ
ンジン30の出力を受けて作動しており、ストレーナー
26を通じてオイルパン23内のエンジンオイル23a
を吸い込み、エンジン本体22のオイルギャラリ24へ
圧送している。
【0045】このオイルギャラリ24からエンジン本体
22の各部にエンジンオイル23aが供給され、各部を
潤滑する。またオイルギャラリ24からは、オイル供給
管45を通じて、油圧クラッチ装置42にエンジンオイ
ル23aが導かれ、同油圧クラッチ装置42を作動させ
る油圧を発生させている。
【0046】さらにオイルギャラリ24からは、オイル
供給管45を通じて、PTO装置30にもエンジンオイ
ル23aが導かれ、歯車ケース31に収容されている駆
動機構31aの各部を潤滑する。
【0047】すなわち、オイル供給管45から導かれた
エンジンオイル23aは、歯車ケース31の上段で開口
している出口部46から、上段のパワーテイクオフギヤ
41へ向かって垂れるように流れ出てくる。
【0048】これにより、パワーテイクオフギヤ41は
噛合部を含め、必要な箇所が潤滑される。このエンジン
オイル23aが、垂れながら中段に在るアイドルギヤ4
4、下段に在る駆動ギヤ38へと順に供給され、同様に
噛合部を含め、必要な箇所が潤滑される。
【0049】そして、潤滑を終えたエンジンオイル23
aが、収容空間32の最下部に在る貯部32a内に貯え
られていく。このとき、駆動ギヤ38は出力軸39から
の出力を受けて回転しているから、貯部32a内のエン
ジンオイル23aは、歯部38aによるすくい上げによ
り、図4および図5中の矢印で示されるように回転方向
前側に向かって掻き上げられる。
【0050】ここで、貯部32aの上方には、樋部47
a〜47c(オイル溝47)が設けられているから、跳
ね上げられたエンジンンオイル23aは、同樋部47a
〜47cにて受け止められていく。
【0051】この樋部47a〜47cで収容したエンジ
ンオイル23は、中継溝部48b、油孔48aを順に流
れ出て、歯車ケース31内から右側壁22aを隔てて隣
合うエンジン本体22の底部に在るオイルパン23内へ
戻る。
【0052】そして、この回収されたオイルパン23内
のエンジンオイル23aが、再びオイルポンプ25から
各部に圧送されて、走行用エンジン20の各部、PTO
装置30の各部を潤滑する。
【0053】このように駆動ギヤ38を汲上げポンプと
して利用して、エンジンオイル23aを歯車ケース31
の内底部から、高い位置に在るオイル溝47に移してか
らオイルパン23に導くようにすると、たとえオイルパ
ン23の油面位置よりも歯車ケース31の底部を低い位
置に配置しても、オイルパン23aへ歯車ケース31か
らのエンジンオイル23aを戻すことができる。
【0054】したがって、共用しているオイルパン23
の油面位置に規制されることなく、歯車ケース31の底
部に溜まるエンジンオイル23aをエンジン側に回収さ
せることができる。
【0055】この結果、従来のようなギヤに関する制約
はなくなり、その分、大径のギヤを使用することがで
き、PTO装置30における騒音,振動の低減化を図る
ことができるとともに、PTO装置30の設計の自由度
の向上を図ることができる。
【0056】また下段の駆動ギヤ38の一部が貯部32
a内のエンジンオイル23aに浸るだけなので、エンジ
ンオイル23aの粘性による駆動損失はかなり少なくて
すむ。
【0057】しかも、歯車ケース31の内壁面にオイル
溝47を一体に形成する構造は、歯車ケース31と共に
オイル溝47も同時に形成することが可能となるので、
その分、形成が簡単ですむ。
【0058】そのうえ、少なくともオイル溝47を駆動
ギヤ38の回転方向前側に設けるようにすると、駆動ギ
ヤ38で掻き上げたエンジンオイル23aを、無駄な
く、効率よく受容することができる。
【0059】また下段に配置されるギヤをエンジン出力
を受ける駆動ギヤ38とすると、かなり大きな直径(歯
数:多)の駆動ギヤ38をPTO装置30に採用するこ
とができ、一層、騒音,振動の低減化、設計の自由度の
向上に貢献する。
【0060】むろん、走行用エンジン20を用いた構造
の採用によって、走行用エンジン20のエンジンオイル
23aをそのまま、PTO装置30の潤滑オイルとして
使用できる。しかも、上記した潤滑は、PTO装置30
に内蔵された駆動機構31aには好適な構造である。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、共用している貯油部の油面位置に規制され
ずに、第2ケーシングの底部に溜まる作動油を第1ケー
シングの貯油部へ回収させることができる。
【0062】この結果、従来のような歯車に関する制約
はなくなり、大径の歯車を使用することができ、その
分、動力取出装置における騒音,振動の低減化ならび設
計の自由度の向上を図ることができる。
【0063】しかも、下段の歯車の一部が貯部内の作動
油に浸るだけなので、作動油の粘性による駆動損失はか
なり少なくてすむ。請求項2に記載の発明によれば、さ
らに上記効果に加え、簡単にオイル溝を形成することが
できる。
【0064】請求項3に記載の発明によれば、さらに上
記効果に加え、歯車で掻き上げた作動油を、無駄なく、
効率よく受容することができる。請求項4に記載の発明
によれば、さらに上記効果に加え、駆動ギヤの大径化が
図ることができる。
【0065】請求項5に記載の発明によれば、さらに上
記効果に加え、エンジンのエンジンオイルを動力取出装
置の潤滑オイルと共用させることができる。請求項6に
記載の発明によれば、さらに上記効果に加え、動力取出
装置の駆動機構の潤滑に好適な構造にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る動力取出装置を、エン
ジンに装着した状態と共に示すす断面図。
【図2】同1中のA−A線に沿う左側面図。
【図3】図1中の駆動ギヤ,貯部回りの構造を説明する
ための拡大した断面図。
【図4】図3中のB−B線に沿う貯部回りの断面図。
【図5】図4および図5中のオイル溝回りの構造を説明
するため斜視図。
【図6】従来の動力取出装置の潤滑構造を説明するため
の断面図。
【図7】異なる従来の動力取出装置の潤滑構造を説明す
るための断面図。
【符号の説明】
20…エンジン 22…エンジン本体 23…オ
イルパン(貯油部) 23a…エンジンオイル(作動油) 24…
オイルギャラリ 25…オイルポンプ 30…PTO装置(動力取出
装置) 31a…駆動機構 32…収容空間
32a…貯部 34…駆動軸(回転軸) 38…駆動ギヤ(歯車) 41…パワーテイクオフギヤ 44…ア
イドルギヤ 45…オイル供給管 46…出口部 47…オ
イル溝 47a〜47c…樋部 48…戻り路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動油を貯溜する貯油部を有して構成さ
    れる第1ケーシングと、 この第1ケーシングの側壁外面に取着され、上部側に上
    記貯油部から作動油の供給を受ける出口部を有し、内底
    部に同出口部から流れ出た作動油を貯える貯部を有して
    構成される第2ケーシングと、 回転軸に支持されて上記貯部に作動油が掻き上げ可能に
    配設された歯車と、 上記貯油部より上側に配置されて上記貯部の油面の上方
    に配設され、上記歯車で掻き上げた作動油を受容するオ
    イル溝と、 上記オイル溝で受け入れた作動油を上記第1ケーシング
    の内部と上記第2ケーシングの内部とを隔てる壁部を通
    じて上記貯油部へ導く戻り路と、 を有すること特徴とする動力取出装置の潤滑システム。
  2. 【請求項2】 上記オイル溝は、上記第2ケーシングの
    内壁面に一体に設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載の動力取出装置の潤滑システム。
  3. 【請求項3】 上記オイル溝は、少なくとも上記第2ケ
    ーシングの上記歯車の回転方向前側に配置される内壁面
    に形成されることを特徴とする請求項2に記載の動力取
    出装置の潤滑システム。
  4. 【請求項4】 上記回転軸は、エンジンの出力軸に接続
    され、上記歯車は、作業装置を作動させる動力取出装置
    の駆動歯車であることを特徴とする請求項1、請求項2
    又は請求項3に記載の動力取出装置の潤滑システム。
  5. 【請求項5】 上記第1ケーシングは、エンジン本体と
    同エンジン本体の底部に取着されたオイルパンとにより
    形成されていることを特徴とする請求項1、請求項2、
    請求項3又は請求項4に記載の動力取出装置の潤滑シス
    テム。
  6. 【請求項6】 上記第2ケーシングは、動力取出装置の
    駆動機構を収容する動力取出装置駆動歯車ケースである
    ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3,請求
    項4又は請求項5に記載の動力取出装置の潤滑システ
    ム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1630030A3 (en) * 2004-08-24 2008-04-09 Kanzaki Kokyukoki MFG. Co., Ltd. Pump system and axle-driving system
CN114321341A (zh) * 2021-11-30 2022-04-12 江苏汇智高端工程机械创新中心有限公司 一种分动箱润滑结构

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