JPH08112742A - 刃物研削方法および装置 - Google Patents

刃物研削方法および装置

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JPH08112742A
JPH08112742A JP27592694A JP27592694A JPH08112742A JP H08112742 A JPH08112742 A JP H08112742A JP 27592694 A JP27592694 A JP 27592694A JP 27592694 A JP27592694 A JP 27592694A JP H08112742 A JPH08112742 A JP H08112742A
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grindstone
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嘉幸 笠原
Toshihiro Kuno
俊宏 久野
Hisashige Mizutani
央茂 水谷
Yuzo Kawai
祐蔵 河合
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベニヤレース、ベニヤスライサ等の各種の長
尺(3尺から10尺位)な刃物を刃裏側からも研削する
ものである。 【構成】 刃物を固定する刃物台の長手方向に走行体を
往復動自在とし、この走行体に設置された原動機の回転
動を二次的に受動している回転軸を、刃物の長手方向に
対して任意間隔を置いて一対支承し、一方の回転軸の先
端に装備された刃表研削用砥石によって刃物の刃表側を
研削した後、他方の回転軸の先端に装備された刃裏研削
用砥石を、流体シリンダの作動によって刃物の刃裏面ま
で急速接近させ、刃物の刃裏面への接当を移動量発生器
から発信されるパルス数の無変化によって検出し、その
後、ワンウェイクラッチを介して歯合連係された縦送り
機構により、刃物の刃裏面に刃裏研削用砥石を歩送りさ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベニヤレース、ベニヤ
スライサ等の各種の長尺(3尺から10尺位)な刃物を
刃裏側からも研削する方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、上記刃物を研削するに際して
は、刃物の刃表或いは刃裏に砥石を適宜押圧させ、砥石
を支持する軸を回転させ、刃物の長手方向へ任意回数往
復動させていた。通常、この研削時においては、刃物は
ベニヤレース、ベニヤスライサ等の機械から刃物単体を
取り外して別途設置された研削装置に、各々刃物自体が
振動しないようにその表側或いは裏側をその長手方向に
亘って固定させていた。
【0003】この刃物固定時には、刃物台上に固定され
た刃物の刃先面まで砥石を接当させるに際し、作業の実
態においては、通常、作業者が砥石を回転させた状態で
刃先面近くまで急速に下降させ、その後、刃物の長手方
向へ砥石を往復移動させながら少しづつ下降させ、砥石
と刃先の接当音、砥石と刃先との接当時に生じる火花等
によって作業者が人為的に確認し、次いで、砥石を所望
の下降量にセットし、且つ砥石を往復動させることによ
り、刃先面を研削していた。
【0004】近年、この人為的な作業に代替して、砥石
位置から刃先面までの位置を自動的に検知すべく、特開
平3−55151号公報、「長尺刃物研削盤の刃先位置
検知方法及びその装置」が提案されており、この方法に
よれば、砥石を回転させながら一定量ずつ段階的に砥石
を刃先に接近させていき、砥石が刃先に接触したときに
発生する砥石の回転数の変化を検出することにより研削
すべき位置を検知することができるとしている。
【0005】通常、上記長尺な刃物によって原木を回転
させながら、或いは平面上を往復動させながらベニヤ単
板を切削する過程においては、図16、図17のイ乃至
ハに示すように、切削による刃物の全体的な或いは局部
的な摩耗400が発生することになる。また、切削時に
原木の性状に起因する節、瘤等の局所的に堅い部分によ
る刃物の長手方向の或部分が局部的に曲がって反対側に
押される刃押され401、さらには、砂利、金属等の異
物を噛み込んで刃物の長手方向の或部分が欠落する刃欠
け402、等の刃先面の状態によって砥石の粒度の粗
密、即ち、また刃押され401が発生している場合、反
対側へ押されて局部的に曲がった部分を刃裏側より叩き
出して矯正した後、刃先先端が長手方向に亘って真直と
なるまで刃先面を大幅に研削する必要があり、刃欠け4
02による刃の部分的な欠落においては図17のイ中の
二点鎖線で示す位置、即ち刃先端がAにて指示する位置
までこの欠落部分を除去して、刃押され401の場合と
同様に刃先先端が長手方向に亘って真直となるまで刃先
面を大幅に研削する必要がある。このため、いわゆる番
手の荒い砥石を、また、単に摩耗のみであれば、番手の
やや荒い砥石を使用するのが好ましいのであるが、作業
の実態においては予め決定された単一の番手の砥石を、
研削中、一貫して使用しており、刃先面の状態には研削
時間で対応せざるを得なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記記
載した如く、刃物の長手方向へ砥石を往復移動させなが
ら少しづつ下降させる人為的な方法によれば、砥石は垂
直面内をジグザグ状に傾斜下降することになり、この方
法によれば時間を要するばかりでなく、この砥石と刃先
との接当箇所は、必ずしも刃物の長手方向に亘る刃先の
最も高い位置と断定できず、偶発的に接当したものであ
る。従って、接当後、砥石に一定量の歩送りをしなが
ら、長手方向へ移動させても、砥石の移動途上、刃先の
最も高い位置に至る時に過負荷となり、砥石、および/
または刃先を損傷することにもなる。
【0007】これに対して、前記記載した特開平3−5
5151号公報に開示されている方法によれば、人為的
な作業に比して砥石を垂直面内においてジグザグ状に傾
斜下降させる必要がなくなり、この分作業性は改善され
るのであるが、砥石と刃先との接当箇所は、必ずしも刃
物の長手方向に亘る刃先の最も高い位置と断定できず、
前記記載と同様の欠点が包含されている。また、砥石下
降時、砥石の回転数の変化によって刃先面との接当を確
認しており、この確認作業のため、刃先は余分に研削さ
れるばかりか、回転力による刃先焼け、或いは材質の変
化の虞も生じ、この分新たに研削しなければならない結
果となる。
【0008】また、前記記載した如く従来の刃物研削作
業の実態においては、1枚の刃物を研削する間、砥石は
単一の番手のものを使用しているため、例えば、刃欠け
が生じた刃先であれば、番手の荒い砥石を使用して刃欠
け部分の研削時間を短縮し得るが、研削後の刃先の面粗
度は荒く、チッピングが生じ易い欠点があり、逆にやや
細かい番手の砥石を使用すれば、研削後の刃先の面粗度
は向上するが、必然的に研削に長時間を要する結果とな
り、刃先面の状態にきめ細かく対応することは不可能あ
った。
【0009】また、前記記載した如く、刃物4の長手方
向の或部分が局部的に曲がって反対側に押される刃押さ
れ401部分については、図17のイの刃欠け402の
場合と同様に刃先端がAにて指示する二点鎖線位置ま
で、刃表側から研削したとしても刃押され402部分の
刃先端はBにて指示する位置であり、図17のイとロの
対比からも明らかなように、刃押され401が発生して
いる刃先端Bと刃押され401が発生していない刃先端
AとはHの高さの差が存在し、刃先線は真直とはならな
い。したがって、刃押され402部分を刃裏側より叩き
出して刃先先端がほぼ平坦になるように矯正した後、通
常の刃先磨耗400と同様に研削処理するか、若しくは
刃押され401が発生している元である図17のロのC
にて指示する二点鎖線位置まで、刃表側から長手方向に
亘って、刃先面を大幅に研削することになるが、前者の
方法によれば、研削量並びに研削時間は通常の刃先磨耗
と同様の処理をしているため、さして多くないが、叩き
出した部分には微細な凹凸が残存しており、切削後のベ
ニヤ単板の剥き肌は著しく低下することになる。これに
対して後者の方法によれば、刃先面の真直度は保持でき
るが、研削量並びに研削時間が多大になる欠点があっ
た。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は叙上に鑑み、ベ
ニヤレース、ベニヤスライサ等の各種の長尺な刃物を研
削するに際し、刃物台に固定された刃物を刃表側からの
みでなく、刃裏側からも研削することによって研削時間
の短縮、並びに、研削後の刃物において、刃先面のチッ
ピングを除去して面粗度を向上するものであり、特に、
刃物の刃裏を研削するに際し、刃裏研削用砥石を待機位
置から刃物の刃裏面へ迅速に接当させることにあり、こ
れには、ベッドに隣接して配置された刃物台に刃物をそ
の長手方向に亘って固定し、前記刃物台と平行に往復動
自在とされた走行体に走行方向と直交する方向に横送台
を移動自在に取着し、この横送台には流体シリンダを設
置してそのピストンロッドの先端に昇降台を取着すると
共に、横送台に設置された縦送り機構をワンウェイクラ
ッチを介して昇降台に軸装して昇降台を刃物方向へ昇降
自在とし、昇降台に刃物の刃裏を研削する刃裏研削用砥
石を設置している。
【0011】
【作用】刃物を固定する刃物台の長手方向に走行体を往
復動自在とし、この走行体に設置された原動機の回転動
を二次的に受動している回転軸を、刃物の長手方向に対
して任意間隔を置いて一対支承し、一方の回転軸の先端
に装備された刃表研削用砥石によって刃物の刃表側を研
削した後、他方の回転軸の先端に装備された刃裏研削用
砥石を、流体シリンダの作動によって刃物の刃裏面まで
急速接近させ、刃物の刃裏面への接当を移動量発生器か
ら発信されるパルス数の無変化によって検出し、その
後、ワンウェイクラッチを介して歯合連係された縦送り
機構により、刃物の刃裏面に刃裏研削用砥石を歩送りさ
せる。
【0012】
【実施例】以下にその実施例を添付図面に基づき、まず
構成より説明する。少なくとも研削される刃物4の長さ
を有するベッド11の両側には、アリ溝、リニヤウエ
イ、或いはボールウエイ等の移送架12が敷設され、こ
の移送架12を走行し得るリニヤブロック13をその四
隅部に支承されてなる門型状の走行体14を載架し、駆
動機構15によって長手方向へ移動自在としている。こ
の駆動機構15は、流体動、螺動、或いは図示の如き走
行体14に取着された原動機とし、この原動機のピニオ
ンギヤ16を前記ベッド11の一側に設置されたラック
ギヤ17に歯合させてその駆動を伝達し、前記走行体1
4をベッド11と平行に摺動し得る構成としている。前
記走行体14の前面には、アリ溝加工或いは図示の如く
走行方向に対して任意間隔を置いて前記記載の如くリニ
ヤウエイ、或いはボールウエイ等の一対の移送架18が
上下方向へ設置され、この移送架18上にリニヤブロッ
ク19をその四隅部に支承してなる摺動台20を載架し
ている。前記走行体14の上部には流体シリンダ或いは
図示の如きACサーボモータ等の昇降機構21が設置さ
れ、また走行体14に設置された軸受22によってカッ
プリング23を支承すると共に、カップリング23の前
端に接続されたボール螺子等の送り軸24を前記摺動台
20の後部に取着し、この送り軸24を昇降機構21の
操作によって摺動台20を上下方向へ昇降自在としてお
り、この上昇、或いは下降量は昇降機構21に移動量発
生器25を付設し、例えば送り軸24の回転に伴って正
或いは負の方向へ発信されるパルス量をエンコーダ等に
よって検出するものである。
【0013】この摺動台20上には砥石回転用の原動機
26と、上下方向に亘って内部を中空とした回転軸27
と、この回転軸27の中空部内に位置する連係杆28
と、回転軸27を支承する軸受29を並設して設置した
受座30が螺着され、この原動機26の軸31の先端に
嵌着されたプーリ32と回転軸27の始端に嵌着された
プーリ33間にベルト34を懸回してその駆動を回転軸
27へ伝達している。この回転軸27の内周壁は下方端
側に形成された段部を境にその下部を開口状とした二重
段差構造となっており、この回転軸27の内周壁と連係
杆28間隔内には、スプリング35が介在して連係杆2
8を常時上方へ引き上げており、その上方位置にはこの
スプリング35の反発力に打ち勝って連係杆28の上端
を押圧する流体シリンダ36が設置され、また、この連
係杆28の下端部には、刃物4の刃先部を研削するカッ
プ状の砥石37のヘッド軸38部の先端の段部が介入し
得る開口が穿設され、且つこの連係杆28の下部に軸方
向と直交して内側に向かって上り勾配を有する穿孔部を
複数個備え、各穿孔部内に支持ボール39を格納し、前
記流体シリンダ36の作動によって連係杆28がスプリ
ング35の反発力に打ち勝って押し下げられると、支持
ボール39も回転軸28の内周壁に摺接しながら下降
し、支持ボール39が内周壁の開口部に至るとき、外方
への移動が開始するが、連係杆28からの飛び出しは開
口状の内周壁に防止され、この移動時点において前記ヘ
ッド軸38の段部との係合を解除し、また、流体シリン
ダ36の作動が解除されるとき、スプリング35の反発
力によって連係杆28を吊り上げ、上限に至るとき、前
記ヘッド軸38の段部に支持ボール39が係合すること
になる。このヘッド軸38の段部との係合、或いはその
係合を解除するに際して、前記支持ボール39に代替
し、前記段部に先端部が内方へ屈曲した板バネを環状に
配置して、連係杆28の上昇時に各板バネの先端がヘッ
ド軸38の段部に係合し、また、連係杆28が下降して
開口状の内周壁に至る時に段部との係合を解除する場合
もある。
【0014】前記回転軸27の下端内周壁には上下方向
に亘って任意長さのキーが突設、或いは図示の如くキー
溝が刻設され、前記砥石37のヘッド軸38部の上下方
向に亘って刻設されたキー溝、或いは図示の如く突設さ
れたキー40に嵌合させて回転軸27の駆動と一体とす
るものであり、このキー溝とキー40の嵌合動に際して
は、前記受座30に取着された嵌合制御用のエンコーダ
41を回転軸27にタイミングベルト等によって連係さ
せ、位置決め制御するものである。
【0015】前記受座30は摺動台20に対して水平面
内においてストッパピン等の脱着によって回転し、また
固定し得る構成とされ、刃先に対する振り角、砥石37
の周面が刃先に対して当接する角度を調整自在とされ、
カップ状の砥石37全体が刃物4の刃先面に接当して一
定方向へ回転したときに生じるダウンカットによる研削
と、アッパーカットによるむしれの同時発生を防止し、
回転軸27の軸芯を刃物面と直交する方向に対してやや
傾斜させるている。前記走行体14にはバランスウエイ
ト或いは流体シリンダ等(図示せず)が設置され、前記
摺動台20並びに摺動台20上に取着された前記機器類
の合計自重分を支持する機構とし、前記昇降機構21に
よる摺動台20の進退動の円滑化を図っている。
【0016】前記ベッド11の両端部に形成された軸受
部に支軸43を支受けし、この支軸43に前記ベッド1
1と平行とした刃物台44を固着し、支軸の一端部に固
着されたウオームホイール45をウオーム46に歯合
し、このウオーム46をベッド11の側端に設置された
原動機47を回動させることによって、刃物台44の角
度を変位できるよう構成されている。また、この刃物台
44には、適宜間隔を置いて油圧、空圧等の流体動或い
は螺動によって刃物4を固定する刃物押さえを設置する
か、或いは図示例の如く、刃物台44自体をマグネット
チャックとして電気的に励磁して刃物4を吸着保持或い
は解放する方式とししても良く、この場合、刃物押さえ
を不要とすることも可能である。
【0017】また、このマグネットチャックの刃物4固
定側を、刃物4の背面を支持する平滑部48が任意間隔
を置いて複数個突出するように直接的に加工し、この平
滑部48間隔内へ冷却媒体を供給すべく可撓性のパイプ
を配管するか、或いは図示の如く、マグネットチャック
の刃物4固定側に、刃物4の背面を支持する平滑部48
が任意間隔を置いて複数個突出された刃物載置台49を
別個に取着し、この平滑部48間隔内へ冷却媒体を供給
する導通孔50を刃物載置台49内部に形成し、マグネ
ットチャックの後部に設置された冷却媒体の供給口51
と連通させ、各平滑部48間隔内の刃物4の背面へ冷却
媒体を供給するものとする。
【0018】前記刃物載置台49の内部に形成された導
通孔50の刃物4固定側には、常態において前記平滑部
48の上方へ突出して前記導通孔50を塞ぎ、刃物4固
定時に前記導通孔50を開放する弁座52をスプリング
53を介して弾力的に設置し、刃物載置台49上に刃物
4が存在しないときには弁座52が導通孔50を塞いで
冷却媒体の供給を阻止し、また、刃物載置台49上に刃
物4が存在するときには、刃物4の背面が弁座52を下
降させることによって導通孔50を開放し、冷却媒体を
前記各平滑部48間隔内へ供給させるものであり、刃物
載置台49上の刃物4の有無による冷却媒体制御が可能
となる。
【0019】一方、前記走行体14の搬送方向の一側部
には、超音波、光電管等の非接触型、或いは送り軸によ
る螺動、図示の如きエンコーダが内蔵された流体シリン
ダ54のロッド55の先端に検知体56を接続した接触
型の距離測定器が設置され、刃物載置台49上に固定さ
れた刃物4の長手方向の少なくとも両端を含む刃先面ま
での距離を測定している。前記ベッド11の延長方向、
即ち刃物台44の長手方向の延長線上には、番手の異な
る砥石37を複数個保管する保管機構が設置されてい
る。この保管機構とは、その詳細を図7乃至図8に示し
ているが、前記ベッド11の内側に取着された軸受57
と、ベッド11の下部から一定高さに位置する底板58
に取着された軸受59間に、長手方向に亘ってキー溝或
いはスプラインが形成された旋回軸60を支承し、この
旋回軸60の基端部にモータ或いは図示の如き空圧、油
圧等の流体シリンダ61を接続し、ロッドのストローク
量によって一定角度旋回自在とし、また、その上部には
前記砥石37のヘッド軸38部に形成された円溝62に
係合するフック腕63をキー或いはスプラインに嵌合す
る支持具64を介して取着し、さらに、このフック腕6
3の先端部にはリードスイッチ付きの流体シリンダ65
が取着され、そのロッド66伸長時に砥石37のヘッド
軸38の脱落を防止している。また、この保管機構は、
図1においてはベッド11の相対向する内側に一対配置
されているが、ベッド11の幅方向の長手方向に直列的
に配置しても良い。また保管個数についても任意であ
り、例えば保管個数が4個であれば、刃物台44延長方
向の両側としたり、或いはベッド11の相対向する内側
に2対づつ、或いは長手方向に直列して4個としても良
い。
【0020】図9乃至図10にはこの保管機構の他の実
施例が示されており、これは、刃物台44の長手方向の
延長線上におけるベッド11の幅方向のほぼ中央位置に
旋回軸60を立設支承し、この旋回軸60の基端部に空
圧、油圧等の流体シリンダ或いは図示の如きベーン型エ
アモータ67を接続し、このモータの回転量をベルト、
チエン等の無端体を介してウォームギヤに伝達すること
によって旋回軸60を旋回自在とし、また、この旋回軸
60には両端部に係合部が形成されたフック腕63の中
心点を、キー或いはスプラインに嵌合する支持具64を
介して一体としており、例えば、このフック腕63を旋
回軸60に対して交差して配置すれば4個分砥石37の
保管場所を確保でき得る。
【0021】前記旋回軸60の旋回に伴ってフック腕6
3に支持された砥石37のヘッド軸38芯が前記走行体
14の回転軸27の軸芯と一致する時、即ち、砥石37
の脱着位置において旋回軸60に取着された空圧、油圧
等の流体シリンダ68のロッド69を前記フック腕63
に取着してロッドストロークだけ支持具64を介してフ
ック腕63を昇降自在とし、砥石37を回転軸27から
離脱させたり、回転軸27に砥石37を装着する脱着機
構が配置され、また、旋回軸60の上下方向の任意位置
には砥石37の実高さを検出するリミットスイッチ等の
接触式、或いは図示例のような光電管、超音波等の非接
触式検出器70が配置されている。尚、本実施例ではこ
の検出器70は、砥石37の交換位置に設置されている
が、図示は省略するが例えば、砥石37の保管機構の上
下方向に亘って帯状の検出器を設置して保管時に当該砥
石37の実高さを検出したり、或いは走行体14の下端
に検出器を設置して砥石37の交換後、上昇限に至る過
程に実高さを検出することも可能であり、砥石37の実
高さを検出する位置は特に限定されるものではない。
【0022】図11から図15に示すものは、特に刃押
され401が発生している刃物4の刃裏からの研削機構
の一実施例である。この刃裏研削機構は、前記走行体1
4の走行方向の前後部の何れか一端に、走行方向に直交
する方向へ前記記載と同様にアリ溝、リニヤウエイ、或
いはボールウエイ等の横移送架79を敷設し、この横移
送架79にリニヤブロック80を介して横送台81を載
架し、前記走行体14の端部に設置された流体シリンダ
或いは図示の如きACサーボモータ等の横送り機構82
に、減速機、バックラッシュ防止用のカップリング83
を軸受によって支承すると共に、カップリング83の前
端に接続されたボール螺子等の送り軸84を前記横送台
81の後部に取着し、この送り軸84を横送り機構82
の操作によって横送台81を走行方向と直交方向へ移動
自在としており、この移動量は横送り機構82に移動量
発生器85を付設し、例えば送り軸84の回転に伴って
正或いは負の方向へ発信されるパルス量をエンコーダ等
によって検出するものである。この横送台81には、前
記記載の如くリニヤウエイ、或いはボールウエイ等の一
対の縦移送架86が上下方向へ設置され、この縦移送架
86上にリニヤブロック87をその四隅部に支承してな
る昇降台88を載架している。前記横送台81の上部に
流体シリンダ或いは図示の如きACサーボモータ等の縦
送り機構89を設置し、この縦送り機構89にカップリ
ング90を介してワンウェイクラッチ91を接続してボ
ール螺子等より成る送り軸92を連係し、この送り軸9
2を前記昇降台88の上部に取着し、一方、この横送台
81には空圧、油圧等の流体シリンダ93が下方向に向
けて取着され、そのピストンロッド94の先端を前記昇
降台88の上部に取着している。したがって、この昇降
台88は、前記縦送り機構89による送り軸92の歩送
りと、流体シリンダ93による流体動の操作によって上
下方向へ昇降自在としており、この上昇、或いは下降量
は縦送り機構89に移動量発生器95を付設し、例えば
送り軸92の回転に伴って正或いは負の方向へ発信され
るパルス量をエンコーダ等によって検出するものであ
る。この昇降台88には刃裏研削用砥石回転用の原動機
96が設置され、その詳細を図13に示すように、この
原動機96の軸97と刃裏研削用砥石98の回転軸99
を回転軸芯を上下方向に一としながら別個に備え、前記
軸97とこの回転軸99間にスプリング100をピン1
01にて結合して成るカップリング102を介在させて
いる。
【0023】前記横送台81を走行方向と直交方向へ移
動させる横送り機構82、並びに昇降台88を上下方向
へ昇降させる縦送り機構89の制御は、刃物4の刃先位
置、刃先部に発生している刃押され401形状に基づい
て決定されるので、これらをリミットスイッチ、カムフ
ロアー等の接触式、或いは光電管、超音波等の非接触式
検出器によって検出する必要がある。本実施例において
は、便宜上、図14に示す断面コ字状の帯状レーザー式
ライン検出器103を、前記原動機96の前部に設置し
て刃物4の刃先位置並びに刃押され401を検出するも
のであり、図17のロに示す刃裏側に発生している刃押
され高さTを断面コ字状の垂直状部103Tにより、ま
た、刃裏側に発生している刃押され401部の先端から
基端までの刃押され距離Lを断面コ字状の底面部103
Lにより検出するものである。尚、本実施例においては
刃押され高さT、刃押され距離Lをの双方を検出して刃
押され401部位の確認を行っているが、その何れか一
方であっても刃押され401の形状の確認は足りるもの
であり、また、刃物4の刃先位置、刃押され高さT、刃
押され距離Lを検出する断面コ字状の帯状レーザー式ラ
イン検出器103は、本実施例のように一体的でなく個
別に設置することは任意である。
【0024】次に作用を説明する。まず、走行体14上
の受座30を適宜回転させ、摺動台20上に設置された
回転軸27の刃先に対する振り角を調整し、また一方、
刃物4固定面を一旦水平状態とした刃物台44上へ研削
すべき刃物4を固定する。図示例においては、刃物台4
4はマグネットチャックとこのマグネットチャック上に
取着された刃物載置台49より構成されているが、この
刃物載置台49上へ刃表側を上にして載置し、電気的に
マグネットチャックを励磁して刃物4を固定する。この
間、装着すべき砥石37のヘッド軸38を回転軸27に
嵌合させるために嵌合制御用のエンコーダ41によっ
て、ヘッド軸38のキー40を回転軸27の内周の溝に
位置合わせすると共に、走行体14を原動機の駆動によ
って保管機構の位置まで走行させて一旦停止させる。そ
の後、まず番手の荒い砥石37(以後荒砥という)を保
管しているフック腕63を、流体シリンダ61或いはベ
ーン型エアーモータ67を作動させて待機位置から旋回
軸60を支点として交換位置まで旋回させ、走行体14
側の回転軸27の軸芯とフック腕63に支持されている
荒砥37のヘッド軸38の軸芯を上下方向に一致させ
る。
【0025】各軸芯が一致した時点において、流体シリ
ンダを作動させてそのロッドを伸長させれば、荒砥37
のヘッド軸38部は回転軸27内に至り、その先端が回
転軸27の開口内に介入しながら連係杆28を押し上げ
る。この時、連係杆28はスプリング35の弾発力によ
って上方へ引き上げられる力を流体シリンダ36の流体
動によって押さえられているが、ヘッド軸38の上昇に
伴い、段部が押し上げられる連係杆28の下端に配置さ
れた支持ボール39によって係合され、回転軸27のキ
ー溝にヘッド軸38のキー40が嵌合して回転軸27の
駆動と一体となる。
【0026】回転軸27へヘッド軸38が装着される
と、リードスイッチがこれを検出してロッド66を縮小
させてヘッド軸38の脱落防止を解除し、フック腕63
を原位置に復帰させる。一方、これに同期して、昇降機
構21を駆動させて摺動台20を上昇させると、移動量
発生器25からパルスが各々発信され、荒砥37の下面
が非接触式検出器に検出されるまでのパルス量を演算器
内へ読み込み、荒砥37の実高さを演算しながら荒砥3
7は上昇限に至る。次いで、原動機47を駆動させて刃
物台44を一旦水平状とした後、刃物4を刃物載置台4
9上へ載置してマグネットチャックを電気的に励磁させ
ることによって固定し、また、ウオーム46、ウオーム
ホイール45によってマグネットチャックを所要角度に
保持する。
【0027】この状態下、原動機15を駆動させて走行
体14に設置された距離測定器を刃物4上へ走行させ、
少なくとも刃物4の長手方向の両側端部を含む複数箇
所、即ち刃物4の長さに応じて両側端部のみ、或いは両
側端部とほぼ中央位置の3箇所等を、距離測定器の原位
置から刃物4上面までの距離を都度測定し、これら測定
位置のうち最小の距離を特定し、この最小の距離上へ走
行体14を走行させた後、最小の距離と荒砥37の実高
さの関係を演算して荒砥37の下降量を決定する。即
ち、この下降量は、距離測定器の測定原点と摺動台20
の荒砥37の上下位置関係によって演算されるのである
が、仮に距離測定器の測定原点と上昇限に位置する摺動
台20の荒砥37支承基点が同一であれば、この最小の
測定距離から前記記載した荒砥37装着時点に検出され
た荒砥37の実高さを減算して求められるので、減算し
た下降量に対して、昇降機構21を駆動させて摺動台2
0を下降させて荒砥37の研削開始高さとした後、走行
体14の1走行に対して所定の送り込み量を送りなが
ら、走行体14を長手方向へ往復動させる。
【0028】しかしながら、作業の実態において、例え
ば荒砥37の実高さの検出、或いは距離測定器の検出等
の各検出機器の精度に多少の誤差がある現状、これらが
累積されて荒砥37の研削開始高さを起点として正或い
は負の方向に位置決め誤差を生じて、荒砥37が空研削
或いは衝突する危険性がある。従って、走行体14に設
置された砥荒37の回転軸27芯位置を当該研削起点に
至るよう、まず走行体14を原動機15によって走行さ
せた後、研削開始高さ間近、即ち、刃物4の刃先面に当
接するわずか上方まで荒砥37を急速下降させた後、そ
の位置より荒砥37をさらに低速状態に切り替えて下降
させると、荒砥37は刃先面に当接するのであるが、荒
砥37の刃先への当接時に掛かったトルク量(定格電流
に掛かる一定の負荷)を検出し、そのトルク量を見越し
た分だけ荒砥37を上昇させて刃先面と荒砥37の接地
点として正合させることになる。即ち、荒砥37並びに
刃物4の刃先にも若干の弾性要素があり、前記トルク量
を捉えた時期に応じて荒砥37の下降停止指令を発信し
たとしても、前記弾性要素分内で下降の慣性が進行し、
荒砥37の下降停止時期と刃先接地点に若干のギャップ
が生じるため、荒砥37の下降停止した下限位置から刃
先位置まで荒砥37を若干上昇させるべく、前記トルク
量を見越した分に相当する量を予め任意の定数として設
定し、この定数分だけ荒砥37を上昇させることによっ
て刃先面と荒砥37の接地点として正合させるものであ
る。次いで、荒砥37をわずかに上昇させて荒砥37と
刃先面との接触を回避しながら、刃物4の長手方向の一
端延長上の研削開始位置へ走行体14を走行させ、その
後、走行体14の1走行に対して所定の送り込み量を送
りながら、走行体14を長手方向へ往復動させる。尚、
前記接地点までの荒砥37の上昇動と刃先面との接触を
回避するための荒砥37のわずかな上昇動は、通常、一
体的に実施される。
【0029】この刃物4研削開始時点において、刃物載
置台49に固定された刃物4の背面が弁座52を下降さ
せることによって導通孔50を開放し、各平滑部48間
隔内と刃物4の背面には冷却媒体が供給され、また、刃
物4の表側には、各可撓管より冷却媒体が供給され、こ
の状態下、原動機26を駆動させてその回転力をベルト
を介して回転軸27に伝達することによって荒砥37を
回転させながら、走行体14を往動、或いは復動させれ
ば、刃物4は、研削に伴う発熱を冷却媒体によって防止
されながら、研削されることになる。
【0030】この荒砥37による研削に伴って、特に刃
物4の刃先面の凹凸、欠け等が除去されたら、走行体1
4を砥石37の交換位置まで走行させて番手の細かい砥
石37(以後中砥という)に交換させる。即ち、走行体
14を交換位置まで走行させ、且つ昇降機構21の駆動
によって荒砥37を下限位置まで下降させると、空状せ
ヤの荒砥用のフック腕63が前記記載とは逆に旋回して
ヘッド獅R8の段部に係合する。この係合時点で、リー
ドスイッチ付流体シリンダ65のロッド66を伸長させ
てヘッド軸38の脱落を防止すると共に、流体シリンダ
36を作動させてロッドの先端を連係杆28の基端部を
押し下げると、連係杆28の支持ボール39が下降して
ヘッド軸38の頭部の支持状態を解放して、荒砥37を
フック腕63へ支持替えさせながら、フック腕63を原
位置まで旋回復帰させる。次いで、中砥用のフック腕6
3を前記記載と同様に作動させて、回転軸27に中砥3
7を装着させるものである。
【0031】回転軸27に中砥37を装着して摺動台2
0が上昇限に至る途上、前記記載と同様に、中砥37の
実高さが検出され、一方、荒砥37によって研削された
刃物4までの距離を測定すべく、原動機15を駆動させ
て走行体14に設置された距離測定器を刃物4上へ走行
させ、距離測定器の原位置から刃物4上面までの距離を
測定する。この場合、刃物4は荒砥37によって平滑度
が確保されているので、少なくとも長手方向の1箇所を
測定すれば足りるはずであり、得られた測定距離から中
砥37装着時点に検出された中砥37の実高さを減算し
て下降量を求め、前記記載と同様に中砥37を下降さ
せ、研削を開始するものである。
【0032】荒砥37による研削は、特に刃物4の刃先
面の凹凸、欠け等を除去するように研削量を大とする時
に有効であり、本実施例における送り込み量は0.02
mm位であり、また、中砥37による研削は、荒砥37に
よって平滑化されてはいるが、その刃先面に残った粗い
面粗度、筋状のチッピングを除去するために特に有効で
あり、本実施例においては、中砥37の送り込み量は前
記記載した荒砥37の送り込み量に比して小となり、
0.005mm位である。
【0033】さらに、回転軸27へ可撓管等を適宜接続
してその中空内部と連通させ、例えば、番手の異なる砥
石37の交換作業時等に圧縮空気、洗浄液等の流体を中
空内部より供給して、回転軸27、砥石37等に付着し
た研削屑、塵埃等を飛散させれば、研削状態を良好とす
ることができ、また、研削作業途上、刃物台44の載置
面が摩耗したり、損傷して、平滑度が保持できなくなっ
た場合には、刃物台44上に刃物4を固定していない状
態で砥石37を当接させ、砥石37を回転させながら、
走行体14を往復動させれば、刃物台44の平滑度は維
持できることになる。
【0034】また、刃物4の刃裏側に刃押され401が
発生している場合には、刃裏研削機構を作動させて研削
除去するものである。この刃裏からの研削時期は刃表研
削前、後の何れでもよいが、便宜上、刃表研削後に研削
除去する場合を説明する。刃表研削直後の刃物4は図1
1に示すように、刃表部分を上にして水平状態にマグネ
ットチャック上に励磁固定されており、走行体14は刃
物4の長手方向の待機位置上にあり、この時、支軸43
をウオーム46、ウオームホイール45によって回動さ
せてマグネットチャックを反時計方向へ回転させて水平
状態とすることにより、刃物4の刃裏部分を水平状態と
した後、原動機15を作動させて走行体14を刃物4の
長手方向の一端上へ移動させる。次いで、横送り機構8
2の操作によって送り軸84を螺動させて横送台81を
走行方向と直交して前方へ移動させ、原動機15の前部
に設置された帯状レーザー式ライン検出器103によっ
て刃物4の刃先端を検出する時、その移動を停止させ
る。次いで、流体シリンダ93の前部ポートに流体を供
給してピストンロッド94を縮小させると、送り軸92
がワンウェイクラッチ91によって空転しながら、昇降
台88は急速上昇する。この上昇動は、例えば流体シリ
ンダ93に内蔵されたエンコーダによって発生するパル
ス数の積算によって常時確認されているが、刃裏研削用
砥石98の研削面(図示例では砥石の上端面)が刃物4
の刃裏面に接当するとき、エンコーダからのパルスの発
生が停止することになり、このパルス発生の停止時に流
体シリンダ93への前部ポートへの流体の供給を停止さ
せ、逆に流体シリンダ93の後部ポートへ流体を若干供
給する。したがって、昇降台88は上昇点から若干下降
してワンウェイクラッチ91が作動して送り軸92と噛
み合い、刃裏研削用砥石98は現地点にて停止保持され
る。その後、砥石回転用の原動機96を一定回転数に起
動させ、また、縦送り機構89によって所定の送り込み
量だけ刃裏用砥石98を引き上げて、刃物4の長手方向
の一端部から他端部へ向けて走行させ、刃物4の刃裏側
を研削するものである。
【0035】またこの時、刃裏研削用砥石98による刃
物4の刃裏側の研削に先立って、刃裏側に存在する刃押
され401部の位置、および/または形状等を確認する
場合には、縦送り機構89、或いは流体シリンダ93に
よって昇降台88を上昇、或いは下降させて、帯状レー
ザー式ライン検出器103を図14に示すように、刃物
4の刃先先端に対峙する位置に至らせる。この状態下、
原動機15を作動させて走行体14を刃物4の長手方向
へ1走行させ、刃物の長手方向に亘って刃裏側に発生し
ている刃押され高さTを断面コ字状の垂直状部103T
により、また、刃押され401部の先端から基端までの
刃押され距離Lを断面コ字状の底面部103Lによって
検出する。この検出時、仮に刃押され401部が刃物4
の長手方向に亘って複数個所存在すれば、それらのうち
の最大の刃押され高さTを情報として得る。
【0036】走行体14の1走行後、帯状レーザー式ラ
イン検出器103により検出された刃押され高さTに応
じて、送り軸92を縦送り機構89の操作によって螺動
させて、刃裏研削用砥石98の研削面(図示例では砥石
の上端面)が、刃物4の刃裏側の垂直面から検出された
刃押され高さT分だけ離隔して位置するように、昇降台
88の上下方向の位置を調整する。次いで、縦送り機構
89によって所定の送り込み量だけ刃裏用砥石98を引
き上げて、刃物4の長手方向の一端部からその研削面と
刃裏面と平行としながら他端部へ向けて走行させ、刃物
4の長手方向に存在している刃押され401部が除去さ
れて平坦となるまで、縦送り機構89によって所定の送
り込み量毎に刃裏用砥石98の引き上げを行い、および
/または横送り機構82によって所定の送り込み量毎に
刃裏用砥石98を刃元方向へ前進動させながら、走行体
14を往復動させて研削する。また、刃物4の刃裏側に
は、刃押され401部の研削除去後においても刃裏用砥
石98が刃裏と平行に介在した場合、図17のハに示す
ように、介在した分だけ刃先部に僅かに段Dが形成され
るが、次回の研削も同様な過程を経れば、刃先先端に段
部が残る危険性はない。
【0037】上記記載の刃裏研削は刃裏面と平行に研削
する、いわゆるベタ研ぎと称されているものであるが、
次に、刃裏側から刃裏研削用砥石98を刃物4の刃裏側
の垂直面に対して、図17のハに示すように任意角度θ
傾斜して接当させ、刃押され401部を刃裏側から研削
除去する場合を説明する。前記記載と同様に刃押され4
01部を検出後、支軸43をウオーム46、ウオームホ
イール45によって、図11において反時計方向へ回転
させ、マグネットチャックを水平状態からやや傾斜状態
とさせ、マグネットチャック台上に固定された刃物4の
先端がやや下位位置に至るようにした後、前記記載と同
様に、縦送り機構89によって所定の送り込み量だけ刃
裏用砥石98を引き上げて、刃物4の長手方向の一端部
からその研削面を刃裏側の垂直面に対して任意角度傾斜
して接当させながら他端部へ向けて走行させ、刃物4の
長手方向に存在している刃押され401部が除去される
まで、縦送り機構89によって所定の送り込み量毎に刃
裏用砥石98の引き上げを行い、および/または横送り
機構82によって所定の送り込み量毎に刃裏用砥石98
を刃元方向へ前進動させながら、走行体14を往復動さ
せて研削する。また、刃物4の刃裏側には、刃押され4
01部の研削除去後においても刃裏用砥石98が刃裏側
の垂直面に対して任意角度θ傾斜して接当することにな
るので、刃押され401が存在した部位に、僅かに傾斜
段部Eが残るが、次回の研削も同様な過程を経れば、刃
先先端にこの傾斜段部Eが残る危険性はない。尚、図1
5に示すように刃裏研削用砥石98の上部研削面を、予
め任意角度θ傾斜して形成し、この傾斜した状態で刃裏
研削用砥石98を刃裏に接当させれば、上記記載と同様
な効果が得られ、また、この刃裏研削用砥石98を刃表
側とは別個に、ベッド11の長手方向に直列的に配置し
たり、或いは図9に示した保管機構の旋回軸60のフッ
ク腕63に直交して新たな刃裏用のフック腕63を設置
し、しかも、前記記載した如く、砥石98の交換を自動
制御することも可能である。
【0038】尚、本実施例ではこの検出器70は、砥石
37の交換位置において、旋回軸60の上下方向の任意
位置に設置されているが、図示は省略するが例えば、砥
石37の保管機構の上下方向に亘って帯状の検出器を設
置して保管時に当該砥石37の実高さを検出したり、或
いは走行体14の下端に検出器を設置して砥石37の交
換後、上昇限に至る過程に実高さを検出することも可能
であり、砥石37の実高さを検出する位置は特に限定さ
れるものではない。
【0039】
【効果】以上説明したように本発明によれば、ベニヤレ
ース、ベニヤスライサ等の各種の長尺な刃物を研削する
に際し、ベッドに隣接して配置された刃物台に刃物をそ
の長手方向に亘って固定し、前記刃物台と平行に往復動
自在とされた走行体に走行方向と直交する方向に横送台
を移動自在に取着し、この横送台には流体シリンダを設
置してそのピストンロッドの先端に昇降台を取着すると
共に、横送台に設置された縦送り機構をワンウェイクラ
ッチを介して昇降台に軸装して昇降台を刃物方向へ昇降
自在とし、昇降台に刃物の刃裏を研削する刃裏研削用砥
石を設置しているので、刃物台に固定された刃物を刃表
側からのみでなく、刃裏側からも研削することによって
研削時間の短縮、並びに、研削後の刃物において、刃先
面のチッピングを除去して面粗度を向上するものであ
り、特に、刃物の刃裏を研削するに際し、刃裏研削用砥
石を待機位置から刃物の刃裏面へ迅速に接当させること
ができる。
【0040】また、走行体に設置された砥石に回転を付
与する原動機の回転軸と、砥石を直接的に回転させる回
転軸を同一とせず、刃裏研削用砥石の回転軸に示した実
施例のように、回転軸芯を上下方向に一としながら別個
に備え、前記軸とこの回転軸間をスプリングが介在する
カップリングによって各々係合して、回転軸に対して原
動機の回転動を二次的に受動させて、原動機自体が有す
る上下方向のガタ分を除去しているので、砥石が刃物の
長手方向の一端部に到達したら、その到達時から研削に
要する所定の送り込み量を加えてリバースしても、従来
発生していた原動機のガタ分による過度の砥石の下降が
防止でき、リバースした際に砥石が刃物の長手方向端部
に衝突して、砥石および/または刃物を損傷する不具合
を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を直接実施する装置の全体を示す正
面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の拡大正面図である。
【図4】図3の背面図である。
【図5】刃物台の一実施例を示す一部切欠き要部拡大平
面図である。
【図6】図5の一部切欠き要部拡大側断面図である。
【図7】保管機構の一実施例を示す拡大平面図である。
【図8】図7の側断面図である。
【図9】保管機構の他の実施例を示す拡大平面図であ
る。
【図10】図9の側断面図である。
【図11】刃裏研削機構を示す一部切欠き正断面図であ
る。
【図12】図11の要部切欠き側断面図である。
【図13】図11の要部拡大図である。
【図14】刃押され検出の説明図である。
【図15】刃裏研削の説明図である。
【図16】長尺な刃物の斜視説明図である。
【図17】図18の刃欠けと刃押されの従来の研削状態
と刃裏からの研削要領を側断面から3つの態様で示す比
較図である。
【符号の説明】
4…刃物、11…ベッド、12…移送架、13…リニヤ
ブロック、14…走行体 15…駆動機構、16…ピニオンギヤ、17…ラックギ
ヤ、18…移送架、19…リニヤブロック、20…摺動
台、21…昇降機構、22…軸受、23…カップリン
グ、24…送り軸、25…移動量発生器、26…原動
機、27…回転軸、28…連係杆、29…軸受、30…
受座、31…軸、32…プーリ、33…プーリ、34…
ベルト、35…スプリング、36…流体シリンダ、37
…砥石、38…ヘッド軸、39…支持ボール39、40
…キー、41…嵌合制御用のエンコーダ、42…フレー
ム、43…支軸、44…刃物台、45…ウオームホイー
ル、46…ウオーム、47…原動機、48…平滑部、4
9…刃物載置台、50…導通孔、51…供給口、52…
弁座、53…スプリング、54…流体シリンダ、55…
ロッド、56…検知体、57…軸受、58…底板、59
…軸受、60…旋回軸、61…流体シリンダ、62…円
溝、63…フック腕、64…支持具、65…流体シリン
ダ、66…ロッド、67…ベーン型エアモータ、68…
流体シリンダ、69…ロッド、70…検出器、71…刃
物押さえ、72…貯留部、73…可撓管、74…前部平
滑面、75…リブ、76…受槽、77…媒体通路、78
…桟、79…横移送架、80…リニヤブロック、81…
横送台、82…横送り機構、83…カップリング、84
…送り軸、85…移動量発生器、86…縦移送架、87
…昇降台、89…縦送り機構、90…カップリング、9
1…ワンウェイクラッチ、92…送り軸、93…流体シ
リンダ、94…ピストンロッド、95…移動量発生器、
96…原動機、97…軸、98…刃裏研削用砥石、99
…回転軸、100…スプリング、101…ピン、102
…カップリング、103…帯状レーザー式ライン検出
器、103T…垂直状部、103L…底面部、400…
磨耗、401…刃押され、402…刃欠け。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】刃物を固定する刃物台の長手方向に走行体
    を往復動自在とし、この走行体に刃物の長手方向に対し
    て任意間隔を置いて回転軸を一対支承し、少なくとも一
    方の回転軸の先端に装備された刃裏研削用砥石を、流体
    シリンダの作動によって刃物の刃裏面まで急速接近さ
    せ、刃物の刃裏面への接当後、ワンウェイクラッチを介
    して歯合連係された縦送り機構により、刃物の刃裏面に
    刃裏研削用砥石を歩送りさせることを特徴とする刃物研
    削方法。
  2. 【請求項2】刃物を固定する刃物台の長手方向に走行体
    を往復動自在とし、この走行体に設置された原動機の回
    転動を二次的に受動している回転軸を、刃物の長手方向
    に対して任意間隔を置いて一対支承し、少なくとも一方
    の回転軸の先端に装備された刃裏研削用砥石を、流体シ
    リンダの作動によって刃物の刃裏面まで急速接近させ、
    刃物の刃裏面への接当後、ワンウェイクラッチを介して
    歯合連係された縦送り機構により、刃物の刃裏面に刃裏
    研削用砥石を歩送りさせることを特徴とする刃物研削方
    法。
  3. 【請求項3】ベッドに隣接して配置された刃物台に刃物
    をその長手方向に亘って固定し、前記刃物台と平行に往
    復動自在とされた走行体に走行方向と直交する方向に横
    送台を移動自在に取着し、この横送台には流体シリンダ
    を設置してそのピストンロッドの先端に昇降台を取着す
    ると共に、横送台に設置された縦送り機構をワンウェイ
    クラッチを介して昇降台に軸装して昇降台を刃物方向へ
    昇降自在とし、昇降台に刃物の刃裏を研削する刃裏研削
    用砥石を設置したことを特徴とする刃物研削装置。
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