JPH081122A - 長尺体の連続洗浄装置 - Google Patents

長尺体の連続洗浄装置

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JPH081122A
JPH081122A JP15642894A JP15642894A JPH081122A JP H081122 A JPH081122 A JP H081122A JP 15642894 A JP15642894 A JP 15642894A JP 15642894 A JP15642894 A JP 15642894A JP H081122 A JPH081122 A JP H081122A
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JP
Japan
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cleaning
tank
cleaning liquid
tape
cleaning device
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JP15642894A
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English (en)
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Tsuneo Ozaki
常雄 尾崎
Shigenori Nemoto
重則 根元
Tadashi Kimura
忠司 木村
Mitsuo Yoshimoto
光夫 吉本
Katsu Nagatomo
克 長友
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴム,プラスチックあるいは金属などからな
る棒状体,紐状体あるいはテープ状体などの長尺体表面
の連続洗浄装置を提供する。 【構成】 洗浄槽部、リンス槽部および乾燥部とからな
る長尺体表面の洗浄装置において、上記洗浄槽部は槽内
に超音波発生装置が設置され、長尺体が通過する部分か
ら洗浄液をオーバーフローさせ、オーバーフローした洗
浄液は洗浄液タンクに戻るように接続して洗浄槽部と洗
浄液タンクとの間を洗浄液が循環するように構成し、上
記リンス槽部は上記洗浄液タンク内の洗浄液が蒸留再生
装置で再生された再生洗浄液が供給されてノズルから噴
射させてリンスを行い、上記乾燥部は熱風を吹き付けて
乾燥を行い、これらの各洗浄槽部,リンス槽部および乾
燥部は長尺体がセッテングし易いように上側から上蓋体
を置くだけでセッテングできるように上蓋体に上側の仕
切り壁およびブラシを取り付け、上蓋体をオープン可能
に構成した長尺体の連続洗浄装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、広く一般に使用され
ているゴム,プラスチックあるいは金属などからなる棒
状体,紐状体あるいはテープ状体などの長尺体表面の連
続洗浄装置に関するものであり、殊に、モノレール,新
交通システムなどに電力供給軌条として採用されている
複合電車線を構成する耐摩擦部材の製造過程において連
続的に洗浄する長尺体表面の連続洗浄装置である。
【0002】
【従来の技術】例えば、新交通システムの場合について
見ると、電気軌道車にはトロリー線あるいは剛体トロリ
ー線などの電車線によりパンタグラフおよび集電シュー
を介して給電が行われている。従来、この種の電車線に
は導電性の良好な銅,アルミニウムなどが一般的に使用
されてきたが、このような被摺動部となる導電性材料に
おいては電気的性質は優れているものの機械的な性質は
十分でなく、パンタグラフやシューの摺動により早期に
摩耗が生じ、比較的短期間内に電車線を張り替えること
が必要となるのが通常であった。
【0003】このため、直接の被摺動面となる部分に、
例えばステンレス条のような耐摩耗性の大きい材料を結
合させて使用し、導電性としての性質は上記導電材料に
依存させるようにし、直接の摺動面の耐摩耗性について
はその耐摩耗性材料に分担させることにより被摺動面の
摩耗を大幅に改善して長期寿命を確保するようにした複
合電車線が提案されている。そして、最近においては都
市間近距離交通路などで既にこの種の複合電車線が広汎
に使用されてきている。
【0004】図3および図4は、上記複合電車線の具体
的な構成の例を示す端部の斜視図である。即ち、図3に
示す複合電車線1は、アルミニウム製の架台2にアルミ
ニウム製の導電性被摺動部材3を加締めにより一体化さ
せてなるものであり、架台2の上部にはフランジ部4が
一体的に形成され、このフランジ部4に断面「コ」字状
の被摺動部材3を載せ、その被摺動部材3側をフランジ
部4側に向かって載せ、加締め加工により一体的に結合
された構造となっている。この導電性被摺動部材3には
パンタグラフなどとの直接の摺動面となる部分に長手方
向に沿って耐摩耗性からなるステンレス製テープ、所謂
耐摩耗性被摺動部材5が圧延圧接により密着結合して製
造されている。
【0005】図4に示すものも、図3に示すものと同様
の複合電車線6を示すものであるが、この場合はアルミ
ニウム製の架台7の上部に溝8を形成し、この溝8内に
ステンレス製テープからなる耐摩耗性被摺動部材9が上
側に密着結合されてなるアルミニウム製導電性被摺動部
材10を載せ、今度は架台7側をアルミニウム製導電性
被摺動部材10側に向かって加締め加工されて製造され
ている。
【0006】これらの耐摩耗性の導電性被摺動部材の製
造法について簡単に説明すると、図4に示すアルミニウ
ム製導電性被摺動部材10からなる耐摩耗性被摺動部材
の圧接品の製造方法について見ると、次のように行われ
ている。即ち、図5(a)において、まず、約35mm
程度の幅で厚さ6mm程度の所定の長さを有するレコー
ド巻き状のステンレステープからなる導電性かつ耐摩耗
性の被摺動テープ9を送出ロール21に準備し、送出ロ
ール21からの被摺動テープ9の脱脂を行うため、途中
で塩素系有機溶剤であるパークレン(テトラクロロエチ
レン)を使用したシャワーリングを洗浄装置11で行
い、次に圧接面側を研磨装置12で研磨した後、巻取ロ
ール22に巻き取る。この後、図5(b)および図6の
斜視図に示すように予め準備しておいた所定の断面角状
のアルミニウム条片(バー)からなるアルミニウム被摺
動部材10を所定の温度に加熱した後、上記ステンレス
テープ9と一緒に鍔を有する上,下ロール13,14お
よび左右の拘束板15,16により形成された圧延装置
の台形形状の間隙に挿入させる。挿入されたステンレス
テープ9およびアルミニウム条片10は、上,下ロール
13,14によりアルミニウム条片10だけが圧延され
た形でステンレステープ9側に圧接され、ステンレステ
ープ9とアルミニウム条片10とが密着結合された耐摩
耗性被摺動部材の圧接品17が製造される。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】ところで、最近、地球規模の範囲でフロン
類および塩素系有機溶剤などの使用によるオゾン層の破
壊問題や、地下浸透などによる地下水汚染といった環境
問題が全世界の人々に大きな衝撃を与えている。例え
ば、オゾン層の破壊とは、フロン類や塩素系有機溶剤に
含まれている塩素分子が大気中でなく成層圏で太陽から
の紫外線で分解し、そこのオゾン層を次々と破壊し、地
球に紫外線がオゾン層で吸収されることなく直射するこ
とになり、環境破壊,生態系に悪影響を及ぼすというこ
とである。
【0008】このため、地球規模において、フロン類や
塩素系有機溶剤の早期全廃計画が叫ばれている。例え
ば、第4回モントリオール議定書締約国会議では、特定
フロン,トリクロロエタンについては1995年中に全
廃が決定されている。
【0009】この発明は、上記問題点を有効に解決する
ためになされたもので、複合電車線の製造において、被
摺動部材に圧接一体化してなり、かつ、直接被摺動部材
となる耐摩耗性被摺動部材(金属テープ状体)を成形加
工する場合、どうしても潤滑剤として粘度の高い油を使
用しなければならなかった。このため、その金属テープ
状体を使用して複合電車線を製造する場合、被摺動部材
に耐摩耗性被摺動金属テープ状体を圧延圧接しようとす
るときにその金属テープ状体の表面に油分が付着されて
いると、圧延圧接による密着結合に対して悪影響を及ぼ
すのである。このため、この発明では、金属テープ表面
を塩素を全く含まない洗浄剤を使用して洗浄する洗浄装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、洗浄槽部、
リンス槽部および乾燥部とからなる長尺体表面の洗浄装
置において、上記洗浄槽部は槽内に超音波発生装置が設
置され、長尺体が通過する部分から洗浄液をオーバーフ
ローさせ、オーバーフローした洗浄液は洗浄液タンクに
戻るように接続して洗浄槽部と洗浄液タンクとの間を洗
浄液が循環するように構成し、上記リンス槽部は上記洗
浄液タンク内の洗浄液が蒸留再生装置で再生された再生
洗浄液が供給されてノズルから噴射させてリンスを行
い、上記乾燥部は熱風を吹き付けて乾燥を行い、これら
の各洗浄槽部,リンス槽部および乾燥部は長尺体がセッ
テングし易いように上側から上蓋体を置くだけでセッテ
ングできるように上蓋体に上側の仕切り壁およびブラシ
を取り付け、上蓋体をオープン可能に構成した長尺体の
連続洗浄装置である。上記長尺体としては、ゴム,プラ
スチックおよび金属の棒状またはテープ状体であり、ま
た、モノレールや新交通システムなどに電力供給軌条と
して採用されている複合電車線の一部を構成する摩擦部
材からなる金属テープ、殊にステンレステープの長尺体
の連続洗浄装置である。洗浄槽およびリンス槽で使用す
る洗浄液およびリンス液は、ナフテン(シクロパラフィ
ン)を主成分とする炭化水素系洗浄剤であり、ナフテン
(シクロパラフィン)を主成分とする炭化水素系洗浄剤
としては、ナフテゾールLL(商品名)である長尺体の
連続洗浄装置である。
【0011】そして、長尺体を連続して洗浄するため、
洗浄槽部の液槽内に長尺体の進行方向に対して反対方向
に回転する長尺体表面を洗浄するプラスチックブラシと
超音波発生装置が設けられ、ブラシよりも後側に超音波
発生装置が互い違いに設置されている。
【0012】
【作用】ナフテンを主成分とする炭化水素系洗浄剤を用
いて金属テープ状体などの洗浄を行うことにより、洗浄
剤には塩素が全く含まないため、環境に悪影響を与える
ことがない。また、炭化水素系洗浄剤で従来のフロンや
トリクロロエタン洗浄剤と同等以上の洗浄を行うことが
可能となる。さらに、長尺体を連続して洗浄するため、
洗浄装置の上蓋体に上側の仕切り壁およびブラシを取り
付け、上蓋体をオープン可能に構成したので、長尺体の
設定が容易である。さらに、洗浄剤だけの交換作業だけ
でよく、水系の洗浄剤を使用したときのようにメンテナ
ンスが大変であるということもない。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づいてこの発明の実施例を説
明する。図1は洗浄装置の概略構成を示す構成図で、金
属テープ9は図5(a)に示すステンレステープと同一
形状の、例えば約23mm程度の幅と4.5mm程度の
厚さをを有する長尺のテープである。洗浄装置は一つの
タンク30を三つに仕切って洗浄槽部31,リンス槽部
32および乾燥部33が形成されている。金属テープ9
はレコード巻きされた送出しロール21から、まず超音
波発生器19を有する洗浄槽部31内を通される。この
洗浄槽部31内には洗浄液18としてナフテゾールLL
〔日本石油化学(株):商品名〕が満たされていて、洗
浄槽部31内の洗浄液18はオーバーフローして洗浄液
タンク23に流れ込むようにパイプで接続されている。
そして、洗浄槽部31と洗浄液タンク23との間をポン
プで循環させている。ここで金属テープ9は全表面に付
着された油分が洗い落とされる。続いてナフテゾールL
L洗浄液によるリンス工程がリンス槽部32内で行われ
る。即ち、上記洗浄槽部31でのナフテゾールLL洗浄
液18に溶け込んだ油分が金属テープ9の表面に付着し
て行かないようにすすぎを行うのである。このリンス液
として常時新しい洗浄液を使用することが最適と考えら
れるが、それだけコストが高くなってしまう。
【0014】洗浄槽部31内のナフテゾールLL洗浄液
18は洗浄槽部31と洗浄液タンク23との間を循環し
ているため、洗浄液タンク23内のナフテンゾールLL
洗浄液は液中に洗い落とされた油分が含まれた状態とな
っている。そこで、洗浄槽部31で使用されているナフ
テゾールLL洗浄液18を次のリンス槽部32において
取り除くことが重要であり、ここでは洗浄液タンク24
からの洗浄液であるナフテンゾールLL洗浄液18を蒸
留再生装置24にポンプアップして蒸留させることによ
り油分の含まれないナフテンゾールLL液とし、これを
リンス液としてリンス槽部32に供給して使用してい
る。
【0015】続いて、乾燥を行う乾燥部33を通し、金
属テープ9を熱風により乾燥させる。これら一連の洗浄
工程の後、研磨を行う研磨装置12を通して巻取ロール
22に巻き取る。以下の工程は、従来技術で説明した図
5(b)に示す圧延圧接工程が行われる。
【0016】次に、洗浄装置の要部の具体的な構成を図
2の斜視図に基づいて説明する。洗浄装置は一つのタン
ク30を三つに仕切って洗浄槽部31,リンス槽部32
および乾燥部33がタンデムに連続して構成されてい
る。これらの各槽部を長尺体の金属テープ9を連続して
通すように上蓋体34は上側に開閉自在に設けられてい
る。上記タンク30内の洗浄槽部31は両側を金属テー
プ9を挿通するための上下の凹溝を有する仕切り壁3
5,36および37,38が設置され、特にこの凹溝部
分には金属テープ9が通過する際の保護や洗浄液18を
オーバーフローさせるために柔らかいフェルトで構成さ
れた液止めパッキング39,40および41などが設け
られている。このため、洗浄液タンク23からのポンプ
26によりポンプアップされた洗浄液18はパイプ27
を介して洗浄槽部32内に送り込まれ、送り込まれ洗浄
液18はオーバーフローしてパイプ28を介して洗浄液
タンク23に戻るようになっている。即ち、洗浄液18
は洗浄槽部31と洗浄液タンク23とを循環させる構造
となっている。そして、洗浄液タンク23は洗浄槽部3
1より下に設置していることにより、洗浄工程が終了す
れば、図示しないパイプを通して自然落下で洗浄槽部3
1内の洗浄液18は全て洗浄液タンク23内に戻るよう
に構成されている。
【0017】また、洗浄槽部31内の左側の入口側には
金属テープ9の上下面および左右両側面の油分を強制的
に洗い落とすために設けられたプラスチック素線よりな
る縦ブラシ43,44および金属テープ9の上下面をこ
すり落とす横ブラシ45,46が設置され、矢印で示す
金属テープ9の走行方向に対して反対方向に高速回転す
るように設けられている。さらに超音波発生器19が金
属テープ9の走行方向に対してブラシの後方側の出口側
に互い違いになるよう配設されていて、よく超音波洗浄
が行われるように構成されている。
【0018】リンス槽部32内には、リンス液として常
時新しい洗浄液を使用すれば良いのであるが、ここでは
洗浄液18を有効に使用するため洗浄槽部31内で使用
した洗浄液を蒸留再生装置24で再生したナフテゾール
LL洗浄液を使用するように構成されている。即ち、洗
浄タンク23内の洗浄液をポンプアップによりパイプ2
9を介して蒸留再生装置24に導き、汚れた油分を全く
含まない洗浄液がパイプ47を介して先端に多数穴付ノ
ズル48により金属テープ9の全表面に降りかかるよう
に構成している。また、このリンス槽部31の金属テー
プ9が通過する両端には洗浄槽部31と同様に上下の仕
切り壁49,50および51,52が設けられ、同様に
金属テープ9の通過部にはフェルトでなる液止めパッキ
ング53,54および55,56が金属テープ9の保護
やリンス液の液止め作用を果たす様になっている。リン
ス液はパイプ59により洗浄液タンク23に戻される。
【0019】次の隣の乾燥部33は、蒸気熱を利用して
熱風を作り、その熱風を上下ダクト57,58に設けら
れた多数の小穴を介して金属テープ9に吹き付けて乾燥
させるように構成している。
【0020】洗浄タンク30の上側には、上蓋体34で
覆うようになっている。この上蓋体34は洗浄槽部3
1,リンス槽部32および乾燥部33からなる洗浄タン
ク30を上から密閉するように上下可動に設けられてい
る。そして、洗浄槽部31,リンス槽部32および乾燥
部33をそれぞれ仕切るための上側の仕切り壁35,3
7および49,51および上側のフェルトからなる液止
めパッキング39,41および53,55および上側の
横ブラシ45は上蓋体34に一体に取り付けられてい
る。また、上蓋体34には伸縮可能な蛇腹状の排気ダク
ト60が設けられている(図では3本示す)。
【0021】洗浄槽部31内およびリンス槽部32内で
使用する洗浄液およびリンス液は、炭化水素系の洗浄剤
を使用し、特にこの場合はナフテン(シクロパラフィ
ン)系洗浄剤が適当である。具体的には、洗浄力が良好
で蒸留範囲(IBP〜EP)が狭いこと、低臭であるこ
と、安価であることなどから、ナフテゾールLL〔商品
名:日本石油化学(株)製〕を使用した。ナフテゾール
LLの性状は次の表1の通りである。
【0022】
【表1】
【0023】このナフテンを主成分とする炭化水素系の
洗浄剤を選んだ理由は、準水系および水系の洗浄方式の
場合は、水リンスによる排水処理が大変であることから
メンテナンスが困難であること、また、高価であること
から適当でないことによる。炭化水素系の洗浄剤として
は、パラフィン系,イソパラフィン系,芳香族系,石油
系(各種炭化水素の混合溶剤)などがあるが、これらは
沸点が高いこと、蒸留範囲が広いこと、悪臭であるこ
と、乾燥性に劣ることなどから殊に複合電車線用の耐摩
耗性被摺動金属テープの洗浄には望ましくないからであ
る。しかし、蒸留条件,乾燥条件などを変えることによ
り使用可能である。
【0024】次に、上記のように構成された洗浄装置を
利用しての洗浄の動作を説明する。送出ロール21に設
置された所定量のレコード巻きされた金属テープ9の先
端部を持ち、洗浄タンク30の位置に導く。上蓋体34
を持ち上げるための駆動モータに電源を入れ、上蓋体3
4を上げる。そして、金属テープ9を上蓋体34と一体
のフェルトからなる液止めパッキング39,41とタン
ク30上に設けられた仕切り壁36,38の凹溝に設け
た液止めパッキング40と間に挿通するようにセットす
る。横ブラシ45などは上蓋体34と一体に上側に上が
るため、金属テープ9はただ単に上側からセッテングす
るだけでセットは極めて容易である。なお、この場合、
巻き取り側からのリード線と金属テープ9の先端部は洗
浄槽部31内でジョイントさせる。従ってこのジョイン
トも極めて容易である。次に、上蓋カバー34を下降さ
せて蓋をした後、洗浄液タンク23から洗浄液をポンプ
26によりポンプアップさせ、洗浄槽部31内を充満さ
せる。このとき、超音波発生装置19は基より金属テー
プ9も十分浸るまで洗浄液18を供給し、金属テープ9
の両側のパッキング39,40,41,42の外側にも
図示しないが戻りパイプなどを設置して洗浄液タンク2
3に洗浄液が戻るように構成しており、洗浄槽部31内
の洗浄液18の液面の高さを常時一定に保持させる。ま
た、同時にリンス槽部32および乾燥部33も動作さ
せ、蒸留再生装置24により蒸留再生された洗浄液を先
端に多数の穴を有するノズル48にパイプ47で供給し
噴出させてリンスを行う。また、図示しないが乾燥部に
おいては蒸気熱によりエアー(約4kg/cm2 )を熱
風圧力エアーを上下ダクト57,58より吹き出してお
く。これらの洗浄槽部31,リンス槽部32および乾燥
部33の段取りが完了すれば、巻取ロール22による巻
き取りが開始され、金属テープ9の洗浄,リンスおよび
乾燥が順次行われ、直ちに次段の研磨装置12の研磨工
程に送られる。
【0025】洗浄槽部31では、まず横ブラシ45,4
6および縦ブラシ43,44により汚れが落ちにくいと
ころをこすりとられ、次に金属テープ9の送り方向に互
い違いに配置された超音波発生装置19により金属テー
プ9の凹部などを超音波洗浄で極めて良好な洗浄が行な
われる。また、洗浄中は洗浄液18が炭化水素系であ
り、かつ少々悪臭であることからダクト60により屋外
に排出させる。洗浄液18は循環して洗浄タンク23に
戻され、洗い落された油分が溜るが、常時蒸留再生装置
24で再生したリンス後の洗浄液が戻されるので、常に
新しい洗浄液で洗浄が行なわれると同じことになる。
【0026】また、炭化水素系の洗浄液18は危険物で
あることから、洗浄タンク30内の各槽部には洗浄液の
雰囲気を検知するガス濃度センサーおよび温度計を設
け、ガス濃度と雰囲気温度を検知するようにしている。
また、洗浄装置の作動中は、各槽部内の気圧がブロワー
により蛇腹ダクト60を介して常時負圧にしておく。そ
して、洗浄装置の上蓋体34の昇降は図示しないが3か
所のチェーンで吊り下げるようにており、そのチェーン
をスプロケットを介してモータ駆動によりガイド棒を案
内として自動的に昇降させるようにしている。
【0027】上記蒸留再生装置24での蒸留は、ナフテ
ンゾールLL洗浄液18の蒸留点がIPB150℃〜E
P179℃と蒸留範囲が狭いこと、また、金属テープ9
に付着している油分の蒸留点が約IBP340℃以上と
高いことで、ナフテンゾールLL洗浄液の蒸留点と油の
蒸留点がラップすることが全くないため、極めて有効な
蒸留再生を行うことができる。また、このナフテンゾー
ルLL洗浄液はナフテンを主成分とする炭化水素系洗浄
剤であることから、火気には十分注意を払うことが必要
で、この例では蒸気熱を利用して蒸留を行うようになっ
ている。
【0028】次に、この発明の洗浄装置を使用しての洗
浄効果を説明するため、従来の図5(a)に示すパーク
レン洗浄液を使用したものとの比較を表2に示す。金属
テープとして研磨工程に入る前のステンレステープを約
50mmのサンプルをそれぞれ採取し、ステンレステー
プ表面に残存する油分を測定した結果を示したものであ
る。合わせて洗浄前(未洗浄)のステンレステープの残
存油分も示している。
【0029】
【表2】
【0030】この他に約30個の残存油分の測定を行っ
たが、表2の値をオーバーする値を示すサンプルは全く
検出されなかった。次に、上記残存油分の測定方法の概
略を説明する。CCl4 でサンプル上に残存する油分を
抽出し、赤外分光器(堀場製フーリエ赤外分光光度計F
T−IR,FT−300)を用いて定量を行う。この定
量はサンプルに付着している油分が入手可能な場合を除
き、n−ヘキサデカンをスタンダードとして検量線を作
成して定量を行った。サンプルを50mlのサンプル瓶
に入れ、CCl4 をひたるまで加え、蓋をして揺動を加
えて抽出した。抽出時間は5分から20分で行う。洗浄
後のサンプルは微量の油分のため、そのままでは測定感
度に至らないので、ロータリーエバポレーターで濃縮を
行って測定した。得られた濃度は3.6mlまたは50
ml抽出での数値なので、1リッター抽出したときの濃
度に換算する。これによって得られた数値は直読みで抽
出したサンプルに付着した油分の量である。
【0031】なお、この発明の実施例の説明では、洗浄
タンクを三つに分割するものについて説明したが、洗浄
槽,リンス槽,乾燥部それぞれ別のタンクから構成して
も良いことは勿論である。この場合には、上蓋体もそれ
ぞれ別の三つが必要になる。そして、特に複合電車線の
一部に使用される金属テープの洗浄を例に説明したが、
これに限定されることなく、ゴム・プラスチック・金属
からなる長尺の丸棒体,紐状体などのテープ材の洗浄に
も適用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明の長尺体
の連続洗浄装置によれば、極めてシンプルな構造とした
こと、洗浄液に炭化水素系洗浄剤を使用し、合わせてこ
の使用した洗浄剤を蒸留再生してリンス液として使用
し、洗浄効果を向上させているので、全く塩素を含まな
いので環境に悪影響を及ぼすことがない。しかも従来の
パークレン洗浄と同等以上の洗浄効果を得ることが可能
となる。また、洗浄液だけの交換作業だけでよいので、
例えば水系の洗浄剤を使用したときのようにメンテナン
スが大変であるということもなく、安価であり、しかも
取り扱いが容易であり、段取り作業の容易性と相まって
その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の長尺体の連続洗浄装置の概
略構成を示す構成図、
【図2】実施例の長尺体の連続洗浄装置の具体的な構成
を示す斜視図、
【図3】複合電車線の一例の構成を示す端部の斜視図、
【図4】複合電車線の他の例の構成を示す端部の斜視
図、
【図5】(a),(b)は、複合電車線に使用する耐摩
耗性被摺動部材の作製法を説明するための説明図、
【図6】図5(b)の一部の構成を拡大して示した斜視
図である。
【符号の説明】 9 金属テープ 12 研磨装置 18 洗浄液 19 超音波発生装置 23 洗浄液タンク 24 蒸留再生装置 30 タンク 31 洗浄槽部 32 リンス槽部 33 乾燥部 34 上蓋体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉本 光夫 茨城県日立市日高町5丁目1番1号「日立 電線株式会社日高工場内」 (72)発明者 長友 克 茨城県日立市日高町5丁目1番1号「日立 電線株式会社日高工場内」

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄槽部、リンス槽部および乾燥部とか
    らなる長尺体表面の洗浄装置において、上記洗浄槽部は
    槽内に超音波発生装置が設置され、長尺体が通過する部
    分から洗浄液をオーバーフローさせ、オーバーフローし
    た洗浄液は洗浄液タンクに戻るように接続して洗浄槽部
    と洗浄液タンクとの間を洗浄液が循環するように構成
    し、上記リンス槽部は上記洗浄液タンク内の洗浄液が蒸
    留再生装置で再生された再生洗浄液が供給されてノズル
    から噴射させてリンスを行い、上記乾燥部は熱風を吹き
    付けて乾燥を行い、これらの各洗浄槽部,リンス槽部お
    よび乾燥部は長尺体がセッテングし易いように上側から
    上蓋体を置くだけでセッテングできるように上蓋体に上
    側の仕切り壁およびブラシを取り付け、上蓋体をオープ
    ン可能に構成したことを特徴とする長尺体の連続洗浄装
    置。
  2. 【請求項2】 長尺体としては、ゴム,プラスチックお
    よび金属の棒状またはテープ状体である請求項1記載の
    長尺体の連続洗浄装置。
  3. 【請求項3】 長尺体は、モノレールや新交通システム
    などに電力供給軌条として採用されている複合電車線の
    一部を構成する摩擦部材からなり、しかも、金属テープ
    からなることを特徴とする請求項1記載の長尺体の連続
    洗浄装置。
  4. 【請求項4】 上記長尺体の金属テープは、ステンレス
    テープよりなることを特徴とする請求項3記載の長尺体
    の連続洗浄装置。
  5. 【請求項5】 複合電車線は、導電性架台と被摺動面に
    耐摩耗性部材(金属テープ状体)を有する導電性被摺動
    部材とがお互いに加絞め加工により一体化されたものか
    らなり、かつ、上記導電性被摺動部材はステンレステー
    プなどの耐摩耗性部材(金属テープ状体)とアルミニウ
    ム部材(棒状体)とを圧延圧接により一体化させたもの
    からなり、上記金属テープはこの圧延圧接前のステンレ
    ステープであることを特徴とする請求項3記載の長尺体
    の連続洗浄装置。
  6. 【請求項6】 洗浄槽およびリンス槽で使用する洗浄液
    は、ナフテン(シクロパラフィン)を主成分とする炭化
    水素系洗浄剤であることを特徴とする請求項1〜5記載
    の長尺体の連続洗浄装置。
  7. 【請求項7】 ナフテン(シクロパラフィン)を主成分
    とする炭化水素系洗浄剤としては、ナフテゾールLL
    (商品名)である請求項6記載の長尺体の連続洗浄装
    置。
  8. 【請求項8】 上記洗浄槽部には、液槽内に長尺体の進
    行方向に対して反対方向に回転する長尺体表面を洗浄す
    るブラシが設けられていることを請求項1〜7記載の長
    尺体の連続洗浄装置。
  9. 【請求項9】 上記ブラシは、洗浄槽内の超音波発生装
    置よりも手前に設置されている請求項8記載の長尺体の
    連続洗浄装置。
  10. 【請求項10】 上記ブラシは、プラスチックブラシで
    ある請求項9記載の長尺体の連続洗浄装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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