JPH08110666A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH08110666A
JPH08110666A JP6268056A JP26805694A JPH08110666A JP H08110666 A JPH08110666 A JP H08110666A JP 6268056 A JP6268056 A JP 6268056A JP 26805694 A JP26805694 A JP 26805694A JP H08110666 A JPH08110666 A JP H08110666A
Authority
JP
Japan
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transmission
rotation
upper body
open position
machine body
Prior art date
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Pending
Application number
JP6268056A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Futami
和幸 二見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
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Publication of JPH08110666A publication Critical patent/JPH08110666A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 上部機体の開放角度制限用のストッパ部材を
不要のものにした画像形成装置を提供する。 【構成】 被駆動回転体である感光体4は上部機体1に
設けられていて、この上部機体1は、下部機体2に対し
て回動軸線S周りに回動開閉自在となっている。下部機
体2側のモータ5から感光体4に至る駆動経路中に、タ
イミングベルトより成る巻き掛け伝動部材13が設けら
れ、このベルトが張った状態で、上部機体1の、予め定
めた開放位置以上の開放が制限される。上部機体1を閉
じたとき、巻き掛け伝動部材13の弛みを防止するため
の張力付与部材16が下部機体2の方に設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機体を上下に分けた画
像形成装置に関し、特にその被駆動回転体の駆動装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンタ或いはファクシミリな
どの画像形成装置で、機体を上下に分け、上部機体を下
部機体に対して回動開閉自在に枢支した画像形成装置は
従来より周知である。図11はその一例を示す鰐口式の
画像形成装置であり、この画像形成装置は、その本体が
上部機体101と下部機体102とに分けられていて、
前者の上部機体101は、下部機体102に対してヒン
ジ部103により回動開閉自在に枢支されている。又、
例えば上部機体101には、被駆動回転体、図の例では
ドラム状の感光体104が設けられている。更に上部機
体101と下部機体102には、そのヒンジ部103の
領域、ないしはその近傍に図12に示すように2本のト
ーションバー105,106が設けられている。一方の
トーションバー105は、その長手方向の一端が上部機
体側に係止され、その他端が下部機体側に係止されてい
る。同様に、他方のトーションバー106の長手方向一
端が下部機体側に、又その他端が上部機体側にそれぞれ
係止されている。上部機体101は、その閉鎖状態で、
かかるトーションバー105,106が強制的にねじら
れることによって、その戻り弾力で開放方向に回動付勢
されている。このようなトーションバー105,106
は、上部機体101をその開放位置へ回動付勢する上部
機体回動付勢手段を構成するものであり、かかる手段と
して、トーションバーに代えて例えば圧縮バネなどを用
いることもできる。
【0003】図11において、上部機体101は、図示
されないフック部材により、実線で示した閉鎖位置に保
持されていて、そのフック部材を外すと、先のトーショ
ンバー105,106の力で、かかる上部機体101は
回動開放される。そして、下部機体102の方に固定的
に設けたストッパ部材(不図示)によって、上部機体1
01は、例えば図11に仮想線で示した傾斜開放位置に
止められる。かかる位置で、各種のメンテナンスやジャ
ム紙の除去などを行うのである。
【0004】上述したストッパ部材のような上部機体開
放角度制限用の部材が無いと、上部機体を勢いよく開け
た場合、それが背部方向に倒れるおそれがある。これを
防ぐためにストッパ部材を設けているのであるが、かよ
うなものを設けると、部品点数が増えるばかりでなく画
像形成装置の構成も複雑になる。
【0005】一方、この種の画像形成装置にあっては、
例えば可動ではない下部機体102の方に、各種の被駆
動回転体を駆動するためのモータを設けているのである
が、感光体104のような回転体を上部機体101の方
に設けた場合、何らかの駆動伝達手段を介してモータの
駆動力を、その回転体に伝達しなければならない。モー
タの方を下部機体101の側に設け、感光体などの被駆
動回転体を下部機体102の側に設けた場合も同様であ
る。
【0006】そこで従来においては、図13に示すよう
に、両機体に亘って駆動力伝達用のギア列を設け、その
ような駆動力を伝達していた。
【0007】この例では下部機体102にモータ107
が設けられていて、このモータ107の回転駆動力が、
モータ出力ギア108、下部機体アイドルギア109,
110,111、中間伝動ギア112、上部機体アイド
ルギア113,114及び感光体ギア115を介して、
感光体104に伝達されるようになっている。なお、各
ギアのうち、中間伝動ギア112はヒンジ部103の中
心軸線、すなわち下部機体102に対する上部機体10
1の回動軸線Sと同心状に設けられている。図14は上
部機体101を傾斜した開放位置に開放させた状態を示
し、この場合でも、ギア列の係合形態はそのまま保持さ
れるようになっている。なお、伝動ギア列の一つのギア
を回動軸線Sに設ける技術として、例えば特開昭63−
138360号公報によるものが既に提案されている。
【0008】図13に示した従来の駆動装置では、その
回転駆動力伝動部の全体がギア列による駆動伝達方式で
あるため、ギア特有のバックラッシに伴う駆動ムラを生
じ易い。上部機体101に、ヒンジ部103のガタなど
により位置ズレを生じると、このような駆動ムラは更に
発生し易くなる。かかる駆動ムラは、例えば感光体10
4の回転ムラとなって現われ、画質を著しく低下させる
原因となる。又、多数のギアより成るギア列を用いる
と、回転駆動力の伝達時に生じる各ギア間の駆動力の伝
達損失が全体として大きくなり、これを見込んで大容量
のモータを用いる必要がでてくる。
【0009】この他、両機体101,102のそれぞれ
に伝動用ギアを設け、ギア同士の係合時におけるギア欠
損などを防止するために、一方のギアの軸を可動に支持
し、かつこのギアをバネなどで付勢し、上部機体101
を閉じたとき、上部機体のギアを下部機体の方のギアに
円滑に噛み合わせて、駆動関係をつなぐようにしたもの
があるが、これによるものでは、一方のギアの軸が可動
であるため、回転駆動力の伝達時にギア同士の中心間距
離が変動し、上述した駆動ムラが特に生じ易くなり、こ
れが画質劣化の原因となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上部
機体の開放角度制限用のストッパ部材を不要のものにす
ると共に、被駆動回転体の駆動時に駆動ムラや回転駆動
力の伝達損失の発生を効果的に抑制できる画像形成装置
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、被駆動回転体を設けた上部機体が、下部機
体に対して回動開閉自在に枢支された画像形成装置にお
いて、前記下部機体に設けられた回転駆動源と、下部機
体に設けられ、前記回転駆動源によって回転駆動される
下部機体伝動用回転部材と、上部機体に設けられ、前記
被駆動回転体を回転させるように当該被駆動回転体に連
結された上部機体伝動用回転部材と、前記下部機体伝動
用回転部材及び上部機体伝動用回転部材に掛け渡された
無端の巻き掛け伝動部材と、上部機体を開放位置から閉
鎖位置に閉じたとき、弛みを生じる巻き掛け伝動部材を
張った状態にする張力付与部材とを具備し、前記下部機
体伝動用回転部材と上部機体伝動用回転部材は、共にそ
の回転中心が、下部機体に対する上部機体の回動軸線か
ら離れた位置を占め、しかも上部機体を閉鎖位置から開
放位置へ向けて回動させるとき、前記下部機体伝動用回
転部材と上部機体伝動用回転部材との間の距離が増大し
て、上部機体が開放位置に至ったとき、前記巻き掛け伝
動部材が張られた状態となり、上部機体がその開放位置
で停止するように、下部機体伝動用回転部材と上部機体
伝動用回転部材のそれぞれの相対位置が設定され、かつ
巻き掛け伝動部材の長さが設定されている画像形成装置
を提案する。
【0012】同様に、本発明は、上記目的を達成するた
め、被駆動回転体を設けた上部機体が、下部機体に対し
て回動開閉自在に枢支された画像形成装置において、前
記下部機体に設けられた回転駆動源と、回転中心が上部
機体の回動軸線と一致するように設けられた中間伝動用
回転部材と、下部機体に設けられ、前記回転駆動源によ
って回転駆動される下部機体伝動用回転部材と、上部機
体に設けられ、前記被駆動回転体を回転させるように当
該被駆動回転体に連結された上部機体伝動用回転部材
と、前記中間伝動用回転部材、下部機体伝動用回転部材
及び上部機体伝動用回転部材に掛け渡された無端の巻き
掛け伝動部材と、上部機体を開放位置から閉鎖位置に閉
じたとき、弛みを生じる巻き掛け伝動部材を張った状態
にする張力付与部材とを具備し、前記下部機体伝動用回
転部材と上部機体伝動用回転部材は、共にその回転中心
が、下部機体に対する上部機体の回動軸線から離れた位
置を占め、しかも上部機体を閉鎖位置から開放位置へ向
けて回動させるとき、前記下部機体伝動用回転部材と上
部機体伝動用回転部材との間の距離が増大して、上部機
体が開放位置に至ったとき、前記巻き掛け伝動部材が張
られた状態となり、上部機体がその開放位置で停止する
ように、中間伝動用回転部材と下部機体伝動用回転部材
と上部機体伝動用回転部材のそれぞれの相対位置が設定
され、かつ巻き掛け伝動部材の長さが設定されている画
像形成装置を提案する。
【0013】更に、本発明は、上記目的を達成するた
め、上部機体が、被駆動回転体を設けた下部機体に対し
て回動開閉自在に枢支された画像形成装置において、前
記上部機体に設けられた回転駆動源と、上部機体に設け
られ、前記回転駆動源によって回転駆動される上部機体
伝動用回転部材と、下部機体に設けられ、前記被駆動回
転体を回転させるように当該被駆動回転体に連結された
下部機体伝動用回転部材と、前記上部機体伝動用回転部
材及び下部機体伝動用回転部材に掛け渡された無端の巻
き掛け伝動部材と、上部機体を開放位置から閉鎖位置に
閉じたとき、弛みを生じる巻き掛け伝動部材を張った状
態にする張力付与部材とを具備し、前記上部機体伝動用
回転部材と下部機体伝動用回転部材は、共にその回転中
心が、下部機体に対する上部機体の回動軸線から離れた
位置を占め、しかも上部機体を閉鎖位置から開放位置へ
向けて回動させるとき、前記下部機体伝動用回転部材と
上部機体伝動用回転部材との間の距離が増大して、上部
機体が開放位置に至ったとき、前記巻き掛け伝動部材が
張られた状態となり、上部機体がその開放位置で停止す
るように、上部機体伝動用回転部材と下部機体伝動用回
転部材のそれぞれの相対位置が設定され、かつ巻き掛け
伝動部材の長さが設定されている画像形成装置を提案す
る。
【0014】又、本発明は、上記目的を達成するため、
上部機体が、被駆動回転体を設けた下部機体に対して回
動開閉自在に枢支された画像形成装置において、前記上
部機体に設けられた回転駆動源と、回転中心が上部機体
の回動軸線と一致するように設けられた中間伝動用回転
部材と、上部機体に設けられ、前記回転駆動源によって
回転駆動される上部機体伝動用回転部材と、下部機体に
設けられ、前記被駆動回転体を回転させるように当該被
駆動回転体に連結された下部機体伝動用回転部材と、前
記中間伝動用回転部材、上部機体伝動用回転部材及び下
部機体伝動用回転部材に掛け渡された無端の巻き掛け伝
動部材と、上部機体を開放位置から閉鎖位置に閉じたと
き、弛みを生じる巻き掛け伝動部材を張った状態にする
張力付与部材とを具備し、前記上部機体伝動用回転部材
と下部機体伝動用回転部材は、共にその回転中心が、下
部機体に対する上部機体の回動軸線から離れた位置を占
め、しかも上部機体を閉鎖位置から開放位置へ向けて回
動させるとき、前記下部機体伝動用回転部材と上部機体
伝動用回転部材との間の距離が増大して、上部機体が開
放位置に至ったとき、前記巻き掛け伝動部材が張られた
状態となり、上部機体がその開放位置で停止するよう
に、中間伝動用回転部材と上部機体伝動用回転部材と下
部機体伝動用回転部材のそれぞれの相対位置が設定さ
れ、かつ巻き掛け伝動部材の長さが設定されている画像
形成装置を提案する。
【0015】その際、上記各構成において、張力付与部
材を、上部機体又は下部機体に、巻き掛け伝動部材に張
力を付与し、又はこれに弛みを生ぜしめる方向に移動可
能に支持し、かつ巻き掛け伝動部材に常時張力が付与さ
れるように、張力付与部材を巻き掛け伝動部材に対して
加圧する付勢手段を設けると有利である。
【0016】更に、上記各構成において、巻き掛け伝動
部材がタイミングベルトより成り、前記各伝動用回転部
材がそのタイミングベルトに噛み合う歯を備えたプーリ
より成ると有利である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に
説明する。
【0018】図1は、本発明一実施例の画像形成装置を
示す概略構成図であって、この画像形成装置は、複写
機、プリンタ又はファクシミリなどとして構成される。
同図において、上部機体1は、下部機体2に対してヒン
ジ部3を中心として回動開閉自在に枢支されている。S
はヒンジ部3の中心軸線、すなわち下部機体2に対する
上部機体2の回動軸線を示している。上部機体1には、
被駆動回転体の一例であるドラム状の感光体4が設けら
れ、この感光体4は上部機体1の機体側板(不図示)に
回転自在に支持されている。
【0019】一方、下部機体2には回転駆動源であるメ
インモータ5が、この位置を定められて設けられてい
る。又、回転中心が上部機体1の回動軸線Sと一致する
ように、中間伝動用回転部材11が両機体1,2のヒン
ジ部3の部分に設けられている。更に、下部機体2には
メインモータ5の回転によって回転駆動される下部機体
伝動用回転部材10が設けられている。
【0020】メインモータのモータ軸50にはモータ出
力ギア6が固装され、このギア6には下部機体2に設け
られたアイドルギア7が噛み合い、このギア7には同じ
く下部機体2に設けられた他のアイドルギア8が噛み合
っている。下部機体伝動用回転部材10にはギア9が共
軸一体に設けられ、アイドルギア8はそのギア9に噛み
合っている。このように、下部機体伝動用回転部材10
は、モータ5の回転によって、上述したようなギア列を
介して駆動されるようになっている。
【0021】一方、上部機体1には上部機体伝動用回転
部材12が設けられていて、この回転部材12は被駆動
回転体の一例である感光体4を回転させるように、この
感光体4に連結されている。本例においては、上部機体
伝動用回転部材12は感光体4に共軸一体に設けられて
いる。又、中間伝動用回転部材11と、下部機体伝動用
回転部材10と、上部機体伝動用回転部材12には、無
端の巻き掛け伝動部材13が掛け渡されている。
【0022】本例では、かかる巻き掛け伝動部材13と
して無端のタイミングベルトが用いられ、又、これを掛
け渡す前述の各伝動用回転部材10,11,12はその
タイミングベルトに噛み合う歯を備えたプーリより成
る。かかる構成によれば、巻き掛け伝動部材13と、こ
れが巻き掛けられた各伝動用回転部材10,11,12
との間のスリップが生じにくくなるため、駆動力の伝達
効率がよくなり、又、負荷側の回転体、すなわち感光体
4を高精度に回転させることができる。後に説明する各
実施例においても、巻き掛け伝動部材がタイミングベル
トより成り、またこれを巻き掛ける各伝動用回転部材が
歯部を有するプーリより成る。巻き掛け伝動部材13は
内側面に歯部を形成したものとなっていて、各伝動用回
転部材10,11,12は、外周部にその歯部に噛み合
う歯部を形成したプーリとなっている。
【0023】下部機体2にはブラケット15が固定され
ていて、このブラケット15には張力付与部材16が設
けられている。本例においては、かかる張力付与部材1
6がテンションローラより成り、かかるローラはブラケ
ット15に回転自在ではあるが、下部機体2に対して位
置不動に軸装されている。
【0024】ここで、両機体1,2を連結するヒンジ3
の領域、ないしはその近傍領域には、図12に示したト
ーションバー105,106と同様な構成のトーション
バー(不図示)より成る上部機体回動付勢手段が設けら
れていて、この戻り方向の弾力作用により、上部機体1
は、図2に示す閉鎖位置で、開放方向に回動付勢されて
いる。圧縮バネなどから成る下部機体回動付勢手段を用
いてもよいことは、従来の画像形成装置と同様である。
【0025】図2は、上部機体1が水平の閉鎖位置に閉
じられている状態を示し、このとき、下部機体2の側に
設けたフック部材17が上部機体1のピン60に係合す
ることによって、上部機体1が閉鎖位置に開放不能にロ
ックされている。フック部材17とピン60は上部機体
1を閉鎖位置に保持するロック手段の一例を構成する。
かかるロック状態でメインモータ5が回転すると、モー
タ出力ギア6、アイドルギア7、アイドルギア8及びギ
ア9をそれぞれ介して、プーリより成る下部機体伝動用
回転部材10が回転駆動される。
【0026】下部機体伝動用回転部材10が回転する
と、タイミングベルトよる成る巻き掛け伝動部材13が
回転し、これに伴い、プーリより成る中間伝動用回転部
材11と共に、同じくプーリより成る上部機体伝動用回
転部材12が回転し、その回転部材12と同心の感光体
4が回転駆動される。テンションローラより成る張力付
与部材16は、巻き掛け伝動部材13による駆動力の伝
達が可能となるように、その巻き掛け伝動部材13の表
面の一部を加圧し、これを強制的に屈曲させ、該巻き掛
け伝動部材13に所定の張力を与えている。かかる張力
付与部材16は、このとき、巻き掛け伝動部材13の回
転に従動して回転する。
【0027】このように、通常の画像形成時には、メイ
ンモータ5からの回転駆動力が被駆動回転体である感光
体4に伝達され、これによって感光体4が回転する。こ
のとき、周知のように感光体4上に静電潜像が形成さ
れ、これが図示していない現像装置によってトナー像と
して可視像化される。このトナー像は、用紙搬送経路
(図示せず)を搬送された転写紙(同じく図示せず)に
転写される。
【0028】ここで、メインモータ5の作動を停止させ
た状態で、図2に示したフック部材17を廻して、上部
機体1側のピン60からフック部材17を外すと、前述
の一対のトーションバーの力で上部機体1が回動軸線S
の周りに回動開放される。このように大きな労力を要し
ないで、上部機体1を開放させることができるのであ
る。上部機体1を図1に示したように開放位置にもたら
した状態で、用紙搬送経路に詰まった転写紙の除去作業
や、画像形成装置内部の各要素の補修作業などを容易に
行うことができる。
【0029】ここで、図1及び図2から判るように、下
部機体伝動用回転部材10と上部機体伝動用回転部材1
2は、共にその回転中心が、下部機体2に対する上部機
体1の回動軸線Sから離れた位置を占め、しかも上部機
体1を図2に示した閉鎖位置から図1に示した開放位置
へ向けて回動させるとき、下部機体伝動用回転部材10
の回転中心と上部機体伝動用回転部材12の回転中心と
の間の距離、すなわち軸間距離が増大するように、中間
伝動用回転部材11と下部機体伝動用回転部材10と上
部機体伝動用回転部材12のそれぞれの相対位置が設定
されている。しかも、上部機体1が図1に示した開放位
置に至ったとき、巻き掛け伝動部材13が張られた状態
となり、上部機体1がその開放位置で停止するように、
巻き掛け伝動部材13の長さが設定されている。
【0030】上部機体1が回動開放されてゆくうちに、
図1に示す如く張力付与部材16による巻き掛け伝動部
材13への張力付与力が徐々に解除されるようになる
が、下部機体伝動用回転部材10と上部機体伝動用回転
部材12の間の距離が漸次大きくなるので、これによっ
て巻き掛け伝動部材13に徐々に張力が付与されるよう
になる。そして上部機体1が図1に示した開放位置に達
すると、巻き掛け伝動部材13が張られた状態となり、
これ以上、下部機体伝動用回転部材10と上部機体伝動
用回転部材12との間の距離が大きくなることが不能な
状態となる。これにより、上部機体1が図1に示した開
放位置において停止する。このときも、前述のトーショ
ンバーによって、上部機体1はその開放位置へ付勢され
ているので、結局この上部機体1は図1に示した所定の
開放位置に不動に保持されることになる。また上部機体
1が開放位置に至ったとき、テンションローラより成る
張力付与部材16が巻き掛け伝動部材13から離れてい
ても、また接触していてもよい。或いは、この張力付与
部材16が巻き掛け伝動部材13を加圧してこれを屈曲
させた状態となっていてもよい。
【0031】上述のようにして、上部機体1を閉鎖位置
から開放位置に回動させたとき、予め定めた開放位置以
上に、上部機体1の開放が、張られた巻き掛け伝動部材
13によって不能になるのである。
【0032】従来においては、上部機体の開放角度の制
限に専用のストッパ部材を用いていたが、本例において
は、タイミングベルトより成る巻き掛け伝動部材13が
ストッパ部材の働きをなし、よって従来のように専用の
ストッパ部材が不要となる。これにより部品点数を削減
でき、かつコスト的にも有利になると共に画像形成装置
の構成を簡素化することができる。
【0033】図1は上部機体1を開放位置に開いた状態
を示すものであるが、これを図2に示す閉鎖位置に閉じ
ると、この間において、プーリより成る下部機体伝動用
回転部材10と、同じくプーリより成る上部機体伝動用
回転部材12との間の中心間距離が徐々に狭まってゆく
ため、タイミングベルトより成る巻き掛け伝動部材13
に弛みを生じる。ところが、このとき張力付与部材16
が巻き掛け伝動部材13の表面に接してこれを加圧し、
弛みを生じる巻き掛け伝動部材13を張った状態にする
ので、上部機体1を閉じた後、前述のようにモータ5を
作動させれば、その回転駆動力を支障なく感光体4へ伝
達することができる。このように、張力付与部材16
は、上部機体1を開放位置から閉鎖位置へ閉じたとき、
巻き掛け伝動部材13の一部を強制的に屈曲させ、その
間で生じた巻き掛け伝動部材13の弛みを吸収し、これ
を図2に示す如く張った状態にするのである。
【0034】従来においては、図14に示したように、
被駆動回転体の駆動装置が専らギア列を用いたものとな
っているので、ギアのバックラッシに伴う駆動ムラが生
じ易くなっていた。特に、上部機体101が下部機体1
02に対してヒンジ連結される構成であるので、この部
位にガタなどがあると、かような駆動ムラが発生し易く
なり、その駆動ムラも大きくなる。
【0035】翻って、本例においては、図2に示すよう
に、上部機体1と下部機体2との間には互いに噛み合う
ギアが何ら介在しないので、上部機体1に多少のガタを
生じても、前述したような駆動ムラの発生を抑えること
ができる。これによって画像ブレなどの発生が抑えら
れ、画質を一段と向上させることができる。
【0036】更に、ギアを悉く用いる従来例と比較し
て、そのギアの数を減らすことできるので、回転駆動力
の伝達時に生じる各ギア間の駆動力の伝達ロスを小さく
でき、駆動力の損失を少なくすることができる。これに
よりモータなどの回転駆動源の容量を小さくすることが
可能となり、コスト的にも有利になる。なお、本実施例
においては、図1に示すように、下部機体伝動用回転部
材10までの駆動力伝達にギア列(ギア6乃至9)を用
いているが、これに代えて、メインモータ5の回転をタ
イミングベルトのような巻き掛け伝動部材によって伝動
用プーリ10に伝達するようにしてもよい。或いは、後
述する実施例のように下部機体伝動用回転部材をモータ
によって直に回転駆動することもでき、これらの構成に
よれば、上述した効果をより確実なものにすることがで
きる。
【0037】図3及び図4は、他の画像形成装置の例を
示す概略説明図であり、ここに示した画像形成装置の基
本構成は、図1及び図2に示した画像形成装置と変りは
ない。図3及び図4に示した実施例では、図1及び図2
に示したギア6,7,8,9が省略され、その代りに、
下部機体2に設けられた回転駆動源の一例であるメイン
モータ5のモータ軸50に、歯付きプーリより成る下部
機体伝動用回転部材10が同心状態に固装されている。
このように、本例では下部機体2に設けられた下部機体
伝動用回転部材10が、メインモータ5によって直に回
転駆動されるように構成されている。
【0038】又、上部機体1に設けられた歯付きプーリ
より成る上部機体伝動用回転部材12には、ギア21が
共軸一体に設けられ、このギア21は上部機体1に設け
られたアイドルギア22に噛み合い、このギア22は、
上部機体1に設けられた被駆動力回転体の一例である感
光体4と共軸一体のギア23に噛み合っている。このよ
うに、本例では、上部機体伝動用回転部材12が、感光
体4を回転させるように、ギア21,22,23を介し
て感光体4に連結されているのである。
【0039】又、図1及び図2に示した実施例と全く同
じく、回転中心が下部機体2に対する上部機体1の回動
軸線Sと一致するように中間伝動用回転部材11がヒン
ジ部3の領域に回転自在に支持され、この中間伝動用回
転部材11と、下部機体伝動用回転部材10と、上部機
体伝動用回転部材12とに、タイミングベルトより成る
無端の巻き掛け伝動部材13が掛け渡されている。
【0040】上部機体1を図4に示すように閉鎖位置に
もたらし、フック部材17とピン60を係合させて上部
機体1をロックした状態で、メインモータ5を作動させ
ると、その回転は、プーリより成る下部機体伝動用回転
部材10と、タイミングベルトより成る巻き掛け伝動部
材13を介してプーリより成る上部機体伝動用回転部材
12に伝えられ、その回転がギア21,22,23を介
して感光体4に伝えられる。これによって、前述したと
ころと全く同じく画像形成動作が実行される。
【0041】又、この例では、テンションローラより成
る張力付与部材16が下部機体2ではなく、上部機体1
に回転自在に、しかもその上部機体1に対して位置不動
に支持されている。
【0042】更に、図3及び図4に示した実施例におい
ても、上部機体伝動用回転部材12と下部機体伝動用回
転部材10は、共に、その回転中心が下部機体2に対す
る上部機体1の回動軸線Sから離れた位置を占め、しか
も上部機体1を図4に示した閉鎖位置から図3に示した
開放位置へ向けて回動させるとき、下部機体伝動用回転
部材10と上部機体伝動用回転部材12との間の距離が
増大して、上部機体1が開放位置に至ったとき、巻き掛
け伝動部材13が張られた状態となり、上部機体1がそ
の開放位置で停止するように、中間伝動用回転部材11
と下部機体伝動用回転部材10と上部機体伝動用回転部
材12のそれぞれの相対位置が設定され、しかも巻き掛
け伝動部材13の長さが設定されている。この点は、図
1及び図2に示した実施例と変りはない。
【0043】従って、この実施例においても、上部機体
1を閉鎖位置から開放位置へ向けて回動開放させると
き、張力付与部材16による巻き掛け伝動部材13への
張力付与力は徐々に減少するものの、上部機体伝動用回
転部材12と下部機体伝動用回転部材10との間の軸間
距離は徐々に大きくなる。そして、上部機体1が図3に
示した開放位置に至ると、巻き掛け伝動部材13が張ら
れた状態となり、これ以上下部機体伝動用回転部材10
と上部機体伝動用回転部材12との間の距離が大きくな
ることができなくなり、上部機体1は、トーションバー
(図12)による開放方向の力を受けながら、図3に示
した開放位置に不動に保持される。このときも、張力付
与部材16が巻き掛け伝動部材13から離れていても、
或いは接していてもよく、又、張力付与部材16が巻き
掛け伝動部材13を加圧して、これを屈曲させた状態と
なっていてもよい。
【0044】一方、図3に示した上部機体1を図4に示
す閉鎖位置に閉じると、この間において上部機体伝動用
回転部材12と下部機体伝動用回転部材10の間の軸間
距離が狭まり、巻き掛け伝動部材13に弛みを生じる
が、上部機体1に設けられた張力付与部材16が巻き掛
け伝動部材13の表面の一部を強制的に屈曲させてその
弛みを吸収し、これを図4に示す如く張った状態にす
る。この状態で、メインモータ5からの回転駆動力を被
駆動回転体である感光体4に伝達することが可能にな
る。
【0045】このように、本例の張力付与部材16も、
上部機体1を開放位置から閉鎖位置に閉じたとき、弛み
を生じる巻き掛け伝動部材13を張った状態にする働き
をなすものである。かかる張力付与ローラ16は、図1
及び図2に示した実施例の場合と同様に、巻き掛け伝動
部材13の回転に従動して回転するものであるので、そ
の巻き掛け伝動部材13の駆動に大きな抵抗となること
はない。
【0046】図3及び図4における他の構成と作用は、
図1及び図2に示した実施例と変りはなく、よってその
同一部分についてのこれ以上の説明は省略する。
【0047】図3及び図4に示した実施例においても、
巻き掛け伝動部材13が上部機体1の開放角度制限用の
ストッパ部材に兼用されるため、部品点数を削減でき、
コスト的にも有利になると共に画像形成装置の構成を簡
素化することができる。又、上部機体1と下部機体2と
の間に互いに噛み合うギアが何ら介在しないので、上部
機体1に多少のガタを生じても、前述したような駆動ム
ラの発生を抑えることができる。これによって、画像ブ
レなどの発生が抑えられ、画質を一段と向上させること
ができる。更に、ギアを悉く用いる従来例と比較して、
駆動力の損失を小さくすることができ、モータなどの回
転駆動源の容量を大きくする必要がなくなり、コスト的
にも有利になる。
【0048】なお、本実施例においては、図4に示すよ
うに、上部機体伝動用回転部材12から感光体4までの
駆動力伝達にギア21,22,23を用いているが、こ
れに代えて、上部機体伝動用回転部材12の回転をタイ
ミングベルトのような巻き掛け伝動部材によって、感光
体4の方の伝達するようにしてもよいし、ギア21とギ
ア23を直接噛み合わせ、中間のギア22を省略するこ
とも可能である。
【0049】図1乃至図4に示した各実施例では、巻き
掛け伝動部材13を上部機体伝動用回転部材12と下部
機体伝動用回転部材10のほかに、中間伝動用回転部材
11にも巻き掛けたが、この中間伝動用回転部材11を
省略し、巻き掛け伝動部材13を、上部機体伝動用回転
部材12と下部機体伝動用回転部材10に巻き掛けるよ
うに構成しても、前述した作用効果を得ることができ
る。この場合には、中間伝動用回転部材11が省略され
るので、上部機体1を閉鎖位置から開放位置へ向けて回
動させるとき、下部機体伝動用回転部材10と上部機体
伝動用回転部材12との間の距離が増大して、上部機体
1が開放位置に至ったとき、巻き掛け伝動部材13が張
られた状態となり、上部機体1がその開放位置で停止す
るように、下部機体伝動用回転部材10と上部機体伝動
用回転部材12のそれぞれの相対位置が設定され、かつ
巻き掛け伝動部材13の長さが設定されることになる。
【0050】上述のように中間伝動用回転部材11を省
略すれば、画像形成装置の構造を一層簡素化でき、その
コストを低減できる利点が得られる。これに対し、中間
伝動用回転部材11を設け、これに巻き掛け伝動部材1
3を掛け渡すように構成すると、多数の伝動用回転部材
10,11,12によって巻き掛け伝動部材13を拡げ
た状態にして案内できるので、巻き掛け伝動部材13
と、画像形成装置の他の要素との干渉をより確実に防止
できる。しかも上部機体1を開閉回動させるとき、巻き
掛け伝動部材13が一時的に弛んだとしても、その各部
分が互いに接触してしまうような不具合もより確実に防
止することができる。
【0051】以上説明した各実施例では、被駆動回転体
の一例である感光体4が上部機体1に設けられ、これを
回転駆動する回転駆動源であるメインモータ5が下部機
体2に設けられているが、これを全く逆にし、感光体4
を下部機体2に、またメインモータ5を上部機体1に設
けた画像形成装置にも本発明を適用できる。
【0052】図5及び図6はその一例を示す概略説明図
である。ここに示した画像形成装置は、図1及び図2に
示した画像形成装置を上下逆転させ、下側となった機体
を下部機体2Aとし、上側となった機体を上部機体1A
としたものである。図1及び図2に示した各要素に対応
する図5及び図6に示した各要素には、図1及び図2に
付した符号にAを添えた符号を付してある。
【0053】図5及び図6と、図1及び図2を比較すれ
ば、先の説明から図5及び図6に示した画像形成装置の
構成と作用は明らかであるが、一応、その概略を以下に
説明しておく。
【0054】図5及び図6に示した画像形成装置も複写
機、プリンタ又はファクシミリなどとして構成され、そ
の上部機体1Aは、下部機体2Aに対してヒンジ部3A
を中心として回動開閉自在に枢支されている。Sはヒン
ジ部3Aの中心軸線、すなわち下部機体2Aに対する上
部機体1Aの回動軸線であり、下部機体2Aには、被駆
動回転体の一例であるドラム状の感光体4Aが回転自在
に設けられている。
【0055】上部機体1Aには回転駆動源であるメイン
モータ5Aが設けられ、又、回転中心が下部機体2Aに
対する上部機体1Aの回動軸線Sと一致するように、中
間伝動用回転部材11Aが両機体1A,2Aのヒンジ部
3Aの部分に設けられている。更に、上部機体1Aには
メインモータ5Aの回転によって回転駆動される上部機
体伝動用回転部材10Aが設けられている。
【0056】メインモータ5Aのモータ軸50Aにはモ
ータ出力ギア6Aが同心状に固装され、このギア6Aに
は上部機体1Aに設けられたアイドルギア7Aが噛み合
い、このギア7Aには同じく上部機体1Aに設けられた
他のアイドルギア8Aが噛み合っている。上部機体伝動
用回転部材10Aにはギア9Aが共軸一体に設けられ、
アイドルギア8Aはそのギア9Aに噛み合っている。こ
のように、上部機体伝動用回転部材10Aは、メインモ
ータ5Aの回転によって、上述したようなギア列を介し
て駆動されるようになっている。
【0057】一方、下部機体2Aには下部機体伝動用回
転部材12Aが設けられていて、この回転部材12Aは
被駆動回転体の一例である感光体4Aを回転させるよう
に、この感光体4Aに連結され、本例では、下部機体伝
動用回転部材12Aが感光体4Aに共軸一体に設けられ
ている。又、中間伝動用回転部材11Aと、上部機体伝
動用回転部材10Aと、下部機体伝動用回転部材12A
には、無端の巻き掛け伝動部材13Aが掛け渡されてい
る。本例でも、巻き掛け伝動部材13Aが無端のタイミ
ングベルトより成り、これを掛け渡す各伝動用回転部材
10A,11A,12Aは、そのタイミングベルトに噛
み合う歯を備えたプーリより成る。上部機体1Aに固定
されたブラケット15Aにはローラより成る張力付与部
材16Aが回転自在で、かつ上部機体1Aに対して位置
不動に設けられている。
【0058】両機体1A,2Aを連結するヒンジ3Aの
領域、ないしはその近傍領域には、従来と同じ構成の図
示していないトーションバー(又は圧縮バネ)より成る
上部機体回動付勢手段が設けられ、その弾力作用によ
り、上部機体1Aは、図4に示す閉鎖位置で、開放方向
に回動付勢されている。
【0059】図6は、上部機体1Aが水平の閉鎖位置に
閉じられている状態を示し、このとき、下部機体2Aの
側に設けたフック部材17Aが上部機体1Aのピン60
Aに係合し、上部機体1Aがその閉鎖位置に開放不能に
ロックされている。フック部材17Aとピン60Aは上
部機体1Aを閉鎖位置に保持するロック手段の一例を構
成するが、そのロック状態でメインモータ5Aが回転す
ると、モータ出力ギア6A、アイドルギア7A、アイド
ルギア8A及びギア9Aをそれぞれ介して、上部機体伝
動用回転部材10Aが回転駆動される。
【0060】上部機体伝動用回転部材10Aが回転する
と、巻き掛け伝動部材13Aが回転し、これに伴い、中
間伝動用回転部材11Aと共に、下部機体伝動用回転部
材12Aが回転し、この回転部材12Aと同心の感光体
4Aが回転駆動される。張力付与部材16Aは、巻き掛
け伝動部材13Aによる駆動力の伝達が可能となるよう
に、その巻き掛け伝動部材13Aの表面の一部を加圧
し、これを強制的に屈曲させ、その巻き掛け伝動部材1
3Aに所定の張力を与えている。張力付与部材16A
は、このとき、巻き掛け伝動部材13Aの回転に従動し
て回転する。
【0061】このように、通常の画像形成時には、メイ
ンモータ5Aからの回転駆動力が被駆動回転体である感
光体4Aに伝達され、これによって感光体4Aが回転す
る。このとき、先の実施例において説明したように、所
定の画像形成動作が実行される。
【0062】ここで、メインモータ5Aの作動を停止さ
せた状態で、図6に示したフック部材17Aを上部機体
1A側のピン60Aから外すと、トーションバーの力で
上部機体1Aが回動軸線Sの周りに回動開放される。
【0063】図5及び図6から判るように、上部機体伝
動用回転部材10Aと下部機体伝動用回転部材12A
は、共にその回転中心が、下部機体2Aに対する上部機
体1Aの回動軸線Sから離れた位置を占め、しかも上部
機体1Aを図6に示した閉鎖位置から図5に示した開放
位置へ向けて回動させるとき、上部機体伝動用回転部材
10Aの回転中心と下部機体伝動用回転部材12Aの回
転中心との間の距離、すなわち軸間距離が増大するよう
に、中間伝動用回転部材11Aと上部機体伝動用回転部
材10Aと下部機体伝動用回転部材12Aのそれぞれの
相対位置が設定されている。又、上部機体1Aが図5に
示した開放位置に至ったとき、巻き掛け伝動部材13A
が張られた状態となり、上部機体1Aがその開放位置で
停止するように、巻き掛け伝動部材13Aの長さが設定
されている。
【0064】上部機体1Aが回動開放されたゆくうち
に、図5に示す如く張力付与部材16Aによる巻き掛け
伝動部材13Aへの張力付与が徐々に解除されるが、上
部機体伝動用回転部材10Aと下部機体伝動用回転部材
12Aの間の距離が漸次大きくなるので、これによって
巻き掛け伝動部材13Aに徐々に張力が付与されるよう
になる。上部機体1Aが図5に示した開放位置に達する
と、巻き掛け伝動部材13Aが張られた状態となり、こ
れ以上、上部機体伝動用回転部材10Aと下部機体伝動
用回転部材12Aとの間の距離が大きくなることが不能
な状態となる。これにより、上部機体1Aが図5に示し
た開放位置において停止する。このようにして、前述の
トーションバーの付勢作用によって、上部機体1Aはそ
の開放位置に不動に保持される。上部機体1Aが開放位
置に至ったとき、張力付与部材16Aが巻き掛け伝動部
材13Aから離れていても、また接触していてもよい。
或いはこの張力付与部材16Aが巻き掛け伝動部材13
Aを加圧してこれを屈曲させた状態となっていてもよ
い。
【0065】上述したところから判るように、図5及び
図6に示した構成においても、タイミングベルトより成
る巻き掛け伝動部材13Aが、上部機体1をその開放位
置で停止させるストッパ部材の働きをなし、よって従来
のように専用のストッパ部材が不要となる。
【0066】図5は上部機体1Aを開放位置に開いた状
態を示すものであるが、これを図6に示す閉鎖位置に閉
じると、この間において、上部機体伝動用回転部材10
Aと、下部機体伝動用回転部材12Aとの間の中心間距
離が徐々に狭まってゆくため、巻き掛け伝動部材13A
に弛みを生じるが、このとき張力付与部材16Aが巻き
掛け伝動部材13Aの表面に接してこれを加圧し、弛み
を生じる巻き掛け伝動部材13Aを張った状態にする。
これにより、上部機体1Aを閉じた後、モータ5Aを作
動させれば、その回転駆動力を支障なく感光体4Aへ伝
達することができる。このように、張力付与部材16A
は、上部機体1Aを開放位置から閉鎖位置へ閉じたと
き、巻き掛け伝動部材13Aの一部を強制的に屈曲さ
せ、その間で生じた巻き掛け伝動部材13Aの弛みを吸
収し、これを図6に示す如く張った状態にする。
【0067】本例においても、上部機体1Aと下部機体
2Aとの間には互いに噛み合うギアが何ら介在しないの
で、上部機体1Aに多少のガタを生じても、駆動ムラの
発生を抑えることができ、これによって画像ブレなどの
発生が抑えられ、画質を一段と向上させることができ
る。更に、従来よりもギアの数を減らすことができるの
で、回転駆動力の伝達時に生じる各ギア間の駆動力の伝
達ロスを小さくでき、駆動力の損失を小さくすることが
できる。これによりモータなどの回転駆動源の容量を小
さくすることが可能となり、コスト的にも有利になる。
なお、本例においても、メインモータ5Aから上部機体
伝動用回転部材10Aまでの駆動力伝達にギア列を用い
ているが、これに代えて、メインモータ5Aの回転をタ
イミングベルトのような巻き掛け伝動部材によって上部
機体伝動用回転部材10Aに伝達するようにしてもよ
い。
【0068】図7及び図8は、図3及び図4に示した画
像形成装置を上下逆転させて構成した画像形成装置の例
を示す概略説明図である。従って、ここに示した画像形
成装置の基本構成は、図5及び図6に示した画像形成装
置と変りはない。すなわち、図5及び図6に示したギア
6A,7A,8A,9Aが省略され、その代りに、上部
機体1Aに設けられた回転駆動源の一例であるメインモ
ータ5Aのモータ軸50Aに、歯付きプーリより成る上
部機体伝動用回転部材10Aが同心状態で固装されてい
る。このように本例では、上部機体1Aに設けられた上
部機体伝動用回転部材10Aがモータ5Aによって直に
回転駆動される。
【0069】又、下部機体2Aに設けられた歯付きプー
リより成る下部機体伝動用回転部材12Aには、ギア2
1Aが共軸一体に設けられ、このギア21Aは下部機体
2Aに設けられたアイドルギア22Aに噛み合い、この
ギア22Aは、下部機体2Aに設けられた被駆動力回転
体の一例である感光体4Aと共軸一体のギア23Aに噛
み合っている。このように、本例では、下部機体伝動用
回転部材12Aが、感光体4Aを回転させるように、ギ
ア21A,22A,23Aを介して感光体4Aに連結さ
れている。
【0070】又、図5及び図6に示した実施例と全く同
じく、回転中心が下部機体2Aに対する上部機体1Aの
回動軸線Sと一致するように中間伝動用回転部材11A
がヒンジ部3Aの領域に回転自在に支持されている。こ
の中間伝動用回転部材11Aも歯付きプーリより成り、
かかる中間伝動用回転部材11Aと、上部機体伝動用回
転部材10Aと、下部機体伝動用回転部材12Aとに、
タイミングベルトより成る無端の巻き掛け伝動部材13
Aが掛け渡されている。
【0071】テンションローラより成る張力付与部材1
6Aは、下部機体2Aの側に回転自在に、かつ位置不動
に支持されている。
【0072】上部機体1Aを図8に示すように閉鎖位置
にもたらし、下部機体2Aに設けられたフック部材17
Aを上部機体1Aに設けられたピン60Aに係合して上
部機体1Aをロックし、この状態でメインモータ5Aを
作動させると、その回転は、プーリより成る上部機体伝
動用回転部材10Aと、タイミングベルトより成る巻き
掛け伝動部材13Aを介して、プーリより成る下部機体
伝動用回転部材12Aに伝えられ、その回転がギア21
A,22A,23Aを介して感光体4Aに伝えられる。
これによって前述した画像形成動作が実行される。
【0073】図7及び図8に示した実施例においても、
下部機体伝動用回転部材12Aと上部機体伝動用回転部
材10Aは、共に、その回転中心が下部機体2Aに対す
る上部機体1Aの回動軸線Sから離れた位置を占め、し
かも上部機体1Aを図8に示した閉鎖位置から図7に示
した開放位置へ向けて回動させるとき、上部機体伝動用
回転部材10Aと下部機体伝動用回転部材12Aとの間
の距離が増大し、上部機体1Aが開放位置に至ったと
き、巻き掛け伝動部材13Aが張られた状態となり、上
部機体1Aがその開放位置で停止するように、中間伝動
用回転部材11Aと上部機体伝動用回転部材10Aと下
部機体伝動用回転部材12Aのそれぞれの相対位置が設
定され、かつ巻き掛け伝動部材13Aの長さが設定され
ている。
【0074】従って、上部機体1Aを閉鎖位置から開放
位置へ向けて回動開放させるとき、張力付与部材16A
による巻き掛け伝動部材13Aへの張力付与力は徐々に
減少するものの、下部機体伝動用回転部材12Aと上部
機体伝動用回転部材10Aとの間の軸間距離は徐々に小
さくなり、上部機体1Aが図7に示した開放位置に至る
と、巻き掛け伝動部材13Aが張られた状態となり、こ
れ以上、上部機体伝動用回転部材10Aと下部機体伝動
用回転部材12Aとの間の距離が大きくなることができ
なくなる。このようにして上部機体1Aは、トーション
バー(図12)による付勢作用を受けながら図7に示し
た開放位置に不動に保持される。このときも、張力付与
部材16Aが巻き掛け伝動部材13Aから離れていて
も、又、接してもよく、或いは張力付与部材16Aが巻
き掛け伝動部材13Aを加圧して屈曲させた状態となっ
ていてもよい。
【0075】又、図7に示した上部機体1Aを図8に示
す閉鎖位置に閉じると、この間において下部機体伝動用
回転部材12Aと上部機体伝動用回転部材10Aの間の
軸間距離が狭まり、巻き掛け伝動部材13Aに弛みを生
じるが、上部機体1Aに設けられた張力付与部材16A
が巻き掛け伝動部材13Aの表面の一部を強制的に屈曲
させてその弛みを吸収し、これを図8に示す如く張った
状態にする。この状態で、メインモータ5Aからの回転
駆動力を被駆動回転体である感光体4Aに伝達すること
が可能になる。このように本例の張力付与部材16A
も、上部機体1Aを開放位置から閉鎖位置に閉じたと
き、弛みを生じる巻き掛け伝動部材13Aを張った状態
にする働きをなす。
【0076】図7及び図8における他の構成と作用は、
図5及び図6に示した実施例と変りはなく、よってその
同一部分についてのこれ以上の説明は省略する。図7及
び図8に示した実施例の構成によっても、先に説明した
各実施例と同じ作用効果が得られることは明らかであ
る。
【0077】なお、図7及び図8に示した実施例におい
ても、下部機体伝動用回転部材12Aから感光体4Aま
での駆動力伝達にギア21A,22A,23Aを用いて
いるが、これに代えて、下部機体伝動用回転部材12A
の回転をタイミングベルトのような巻き掛け伝動部材に
よって、感光体4Aの方の伝達するようにしてもよい
し、ギア21Aとギア23Aを噛み合わせ、中間のギア
22Aを省略することも可能である。
【0078】図5乃至図8に示した各実施例では、巻き
掛け伝動部材13Aを下部機体伝動用回転部材12Aと
上部機体伝動用回転部材10Aのほかに、中間伝動用回
転部材11Aにも巻き掛けたが、この場合も、この中間
伝動用回転部材11Aを省略し、巻き掛け伝動部材13
Aを下部機体伝動用回転部材12Aと上部機体伝動用回
転部材10Aに巻き掛けるように構成してもよい。この
場合には、中間伝動用回転部材11Aが省略されるの
で、上部機体1Aを閉鎖位置から開放位置へ向けて回動
させるとき、下部機体伝動用回転部材12Aと上部機体
伝動用回転部材10Aとの間の距離が増大して、上部機
体1Aが開放位置に至ったとき、巻き掛け伝動部材13
Aが張られた状態となり、上部機体1Aがその開放位置
で停止するように、上部機体伝動用回転部材10Aと下
部機体伝動用回転部材12Aのそれぞれの相対位置が設
定され、かつ巻き掛け伝動部材13Aの長さが設定され
ることになる。
【0079】中間伝動用回転部材11Aを設けたとき
と、これを省略したときの利害得失は、図1乃至図4に
示した実施例に関連して先に説明したところと変りはな
い。
【0080】ところで、前述の各実施例に示した上部機
体1,1Aを閉鎖位置から開放位置へ回動させるとき、
その上部機体1,1Aはトーションバーの弾力で開放位
置へ回動する。このとき、上部機体1,1Aに加えられ
るトーションバーによる開放力は、上部機体1,1Aが
開放位置へ近づくに従って徐々に小さくはなるが、それ
でもその力は一般にかなり大きなものに設定されるの
で、上部機体1,1Aが開放位置に至ってこれが停止す
るとき、その上部機体1,1Aに大きな衝撃力が加えら
れ、ユーザに悪い印象を与えるおそれがある。上部機体
回動付勢手段として、圧縮バネなどを用いたときも同様
である。或いは、かかる上部機体回動付勢手段を用いず
に、専ら、ユーザが上部機体1,1Aに加えた力によっ
て、この上部機体1,1Aを開放させるときも同様であ
る。
【0081】そこで、前述の各実施例で示した張力付与
部材16を利用して、上部機体1,1Aを開放位置へ回
動させるとき、これが開放位置に至る直前からこの上部
機体1,1Aに制動作用ないしはダンパ作用を及ぼすこ
とができるように構成すると有利である。
【0082】図9及び図10は、図1及び図2に示した
画像形成装置の一部の構成を変更して、上部機体1に対
して、上述した制動ないしはダンパ作用を及ぼすように
構成した画像形成装置を示す。
【0083】図9及び図10に示した張力付与部材16
もテンションローラより成るが、かかる張力付与部材1
6は、下部機体2ではなく上部機体1の側に設けられ、
しかもこの張力付与部材16は、巻き掛け伝動部材13
に対して張力を付与し、又はこれに弛みを生ぜしめる方
向に移動可能に、上部機体1に支持されている。例え
ば、張力付与部材16を、巻き掛け伝動部材13の表面
に対して接離する方向に移動可能に、上部機体1の側板
に形成された長孔(共に図示せず)に嵌合させる。そし
て、この張力付与部材16と、上部機体1には、引張バ
ネ51の各端部がそれぞれ係止され、かかるバネ51の
作用によって張力付与部材16を巻き掛け伝動部材13
の表面に圧接させる。このように、引張バネ51は、巻
き掛け伝動部材13に常時張力が付与されるように、張
力付与部材16を巻き掛け伝動部材13に対して加圧す
る付勢手段の一例を構成するものである。図9及び図1
0に示した他の構成は、図1及び図2に示した構成と変
りはない。
【0084】上部機体1が図9に示した閉鎖位置にある
とき、張力付与部材16は引張バネ51の作用で巻き掛
け伝動部材13を加圧してこれを屈曲させ、これに張力
を付与しているので、前述のようにメインモータ5の回
転を支障なく感光体4へ伝えることができる。
【0085】ここで、上部機体1を図9に示した閉鎖位
置から図10に示した開放位置へと回動させると、下部
機体伝動用回転部材10と上部機体伝動用回転部材12
との間の距離が漸次拡大するので、巻き掛け伝動部材1
3に生じる張力は徐々に大きくなる。すなわち、張力付
与部材16は、巻き掛け伝動部材13によって図10に
示すように外方へ押しやられ。これによって引張バネ5
1は順次弾性的に伸ばされ、その弾力が順次強くなり、
張力付与部材16が巻き掛け伝動部材13の表面に加え
る圧力が大きくなってゆくのである。
【0086】図9及び図10に示したf,f′は、引張
バネ51による弾力の強さであるが、上部機体1が開放
位置に至ったときの弾力f′の方が、上部機体1が閉鎖
位置にあるときの弾力fよりも強くなる(f′>f)。
このように上部機体1が開放位置へ近づくに従って、巻
き掛け伝動部材13に生ずる張力が大きくなるので、上
部機体1が開放位置に至るとき、バネ力がfからf′に
なった変化分に相当する分だけ、上部機体1に制動作
用、すなわち減衰力が及ぼされる。このように上部機体
1が開放位置へ至る際、その開放動作の勢いが弱めら
れ、かかる状態で上部機体1が図10に示した開放位置
へ至って停止する。このため、上部機体1が開放位置に
至ったときに上部機体1に大きな衝撃力が加えられるこ
とはなく、このときの衝撃音を小さくすることができ
る。張力付与部材16と引張バネ51は、上部機体1に
対するダンパとしての機能を果すのである。
【0087】上述した構成は、図3及び図4に示した画
像形成装置にも適用でき、この場合には、図3及び図4
に示した張力付与部材16を、上部機体1ではなく、下
部機体2の方に、巻き掛け伝動部材13に張力を付与
し、又はこれに弛みを生ぜしめる方向に移動可能に支持
する。すなわち、張力付与部材16を、巻き掛け伝動部
材13の表面に対して接離する方向に移動可能に下部機
体2に支持するのである。しかも、図3及び図4には示
していないが、引張バネを設け、その各端部を張力付与
部材16と下部機体2にそれぞれ係止し、かかるバネに
よって、張力付与部材16を巻き掛け伝動部材13の表
面に圧接させる。巻き掛け伝動部材13に常時張力が付
与されるように、張力付与部材16を、圧縮バネより成
る付勢手段によって、巻き掛け伝動部材13に対して加
圧するのである。これによって、図9及び図10に示し
た実施例と同じ作用効果が得られる。
【0088】上述した構成は、図5及び図6、並びに図
7及び図8に示した各実施例にも適用でき、図5及び図
6に示した実施例の場合には、張力付与部材16を、巻
き掛け伝動部材13の表面に対して接離する方向に移動
可能に下部機体2Aに支持し、かつこの張力付与部材1
6と、下部機体2Aとに、図示していない引張バネより
成る付勢手段の各端部をそれぞれ係止する。又、図7及
び図8に示した実施例の場合には、張力付与部材16
を、巻き掛け伝動部材13の表面に対して接離する方向
に移動自在に上部機体1Aに支持し、かつこの張力付与
部材16と上部機体1Aとに、図示していない引張バネ
より成る付勢手段の各端部をそれぞれ係止すればよい。
【0089】このように、張力付与部材16を、上部機
体1,1A又は下部機体2,2Aに、巻き掛け伝動部材
13に張力を付与し、又はこれに弛みを生ぜしめる方向
に移動可能に支持し、かつ巻き掛け伝動部材13に常時
張力が付与されるように、張力付与部材16を巻き掛け
伝動部材13に対して加圧する付勢手段を設けることに
よって、上部機体1,1Aに制動作用を与え、これを大
きな衝撃を伴うことなく、開放位置に回動させることが
できるのである。
【0090】以上説明した各実施例では、巻き掛け伝動
部材をタイミングベルトにより構成し、これを巻き掛け
た各回転部材を、そのタイミングベルトに噛み合う歯を
備えたプーリによって構成したが、巻き掛け伝動部材と
して、Vベルトや、平ベルトや、断面が角形のベルトな
どの各種のベルトを用いることもできる。又、チェーン
などの巻き掛け伝動部材を用いることも可能であって、
この場合には、伝動用回転部材としては、そのチェーン
に噛み合うスプロケットが用いられる。
【0091】又、張力付与部材としても、テンションロ
ーラ以外の部材、例えば巻き掛け伝動部材に対して摺動
する摺動片などを適宜用いることができる。
【0092】更に、上部機体又は下部機体に設けられる
被駆動回転体がドラム状の感光体以外のもの、例えばベ
ルト状の感光体や、現像装置や定着装置に設けられる各
種の回転体であるときも、本発明を支障なく適用するこ
とができる。
【0093】
【発明の効果】請求項1乃至4に記載の構成によれば、
上部機体の開放角度制限用のストッパ部材が不要である
ので、画像形成装置の構成を簡素化でき、又、そのコス
トを引き下げることができる。更に、被駆動回転体を駆
動する際、駆動ムラを生じにくくすることができるの
で、その被駆動回転体の回転ムラが無くなるか、若しく
はそれを小さく抑えることができ、画質を一段と向上さ
せることができる。このような点に加えて、駆動力の損
失も小さくなるので、回転駆動源を小容量のものとする
ことができ、被駆動回転体の駆動装置を安価なものにす
ることができる。
【0094】特に請求項2及び4に記載の構成によれ
ば、巻き掛け伝動部材が中間伝動用回転部材にも巻き掛
けられているので、多数の伝動用回転部材によって巻き
掛け伝動部材を拡げた状態にして案内でき、これによっ
て巻き掛け伝動部材と、画像形成装置の他の要素との干
渉をより確実に防止できる。しかも上部機体を開閉回動
させるとき、巻き掛け伝動部材が一時的に弛んだとして
も、その各部分が互いに接触してしまうような不具合も
より確実に防止することができる。
【0095】請求項5に記載の構成によれば、上部機体
の開放角度の大小にかかわらず、巻き掛け伝動部材に常
時張力が作用し、しかも上部機体の開放角度の増加に従
って、張力付与部材による巻き掛け伝動部材への加圧力
が増大し、上部機体の開放力に対して減衰力を加えるこ
とができる。これにより、上部機体の開放時における衝
撃を抑えることができ、開放時に大きな衝撃音を発生さ
せることなく、上部機体を円滑に開放させることができ
る。
【0096】請求項6に記載の構成によれば、駆動力伝
達時における巻き掛け伝動部材のスリップを防止できる
ので、駆動力の伝達効率がよくなり、被駆動回転体を高
精度に回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例の画像形成装置の上部機体を開
放位置に回動させたときの概略構成説明図である。
【図2】図1に示した画像形成装置の上部機体を閉鎖位
置にもたらしたときの概略構成説明図である。
【図3】別の実施例の画像形成装置の上部機体を開放位
置に回動させたときの概略構成説明図である。
【図4】図3に示した上部機体を閉鎖位置にもたらした
ときの概略構成説明図である。
【図5】さらに別の実施例の画像形成装置の上部機体を
開放位置に回動させたときの概略構成説明図である。
【図6】図5に示した上部機体を閉鎖位置にもたらした
ときの概略構成説明図である。
【図7】さらに別の実施例の画像形成装置の上部機体を
開放位置に回動させたときの概略構成説明図である。
【図8】図7に示した上部機体を閉鎖位置にもたらした
ときの概略構成説明図である。
【図9】さらに別の実施例の画像形成装置の上部機体を
閉鎖位置にもたらしたときの概略構成説明図である。
【図10】図9に示した上部機体を開放位置に回動させ
たときの概略構成説明図である。
【図11】従来例を説明するのに用いた画像形成装置の
一例の概略構成説明図である。
【図12】図11に示した画像形成装置の上部機体を開
放した状態を示す斜視図である。
【図13】従来の画像形成装置における上部機体が閉鎖
された状態を示す概略構成説明図である。
【図14】図13に示した上部機体を開放位置に回動さ
せた状態を示す概略構成説明図である。
【符号の説明】
1 上部機体 1A 上部機体 2 下部機体 2A 下部機体 10 下部機体伝動用回転部材 10A 上部機体伝動用回転部材 11 中間伝動用回転部材 11A 中間伝動用回転部材 12 上部機体伝動用回転部材 12A 下部機体伝動用回転部材 13 巻き掛け伝動部材 13A 巻き掛け伝動部材 16 張力付与部材 16A 張力付与部材 S 回動軸線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被駆動回転体を設けた上部機体が、下部
    機体に対して回動開閉自在に枢支された画像形成装置に
    おいて、前記下部機体に設けられた回転駆動源と、下部
    機体に設けられ、前記回転駆動源によって回転駆動され
    る下部機体伝動用回転部材と、上部機体に設けられ、前
    記被駆動回転体を回転させるように当該被駆動回転体に
    連結された上部機体伝動用回転部材と、前記下部機体伝
    動用回転部材及び上部機体伝動用回転部材に掛け渡され
    た無端の巻き掛け伝動部材と、上部機体を開放位置から
    閉鎖位置に閉じたとき、弛みを生じる巻き掛け伝動部材
    を張った状態にする張力付与部材とを具備し、前記下部
    機体伝動用回転部材と上部機体伝動用回転部材は、共に
    その回転中心が、下部機体に対する上部機体の回動軸線
    から離れた位置を占め、しかも上部機体を閉鎖位置から
    開放位置へ向けて回動させるとき、前記下部機体伝動用
    回転部材と上部機体伝動用回転部材との間の距離が増大
    して、上部機体が開放位置に至ったとき、前記巻き掛け
    伝動部材が張られた状態となり、上部機体がその開放位
    置で停止するように、下部機体伝動用回転部材と上部機
    体伝動用回転部材のそれぞれの相対位置が設定され、か
    つ巻き掛け伝動部材の長さが設定されていることを特徴
    とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 被駆動回転体を設けた上部機体が、下部
    機体に対して回動開閉自在に枢支された画像形成装置に
    おいて、前記下部機体に設けられた回転駆動源と、回転
    中心が上部機体の回動軸線と一致するように設けられた
    中間伝動用回転部材と、下部機体に設けられ、前記回転
    駆動源によって回転駆動される下部機体伝動用回転部材
    と、上部機体に設けられ、前記被駆動回転体を回転させ
    るように当該被駆動回転体に連結された上部機体伝動用
    回転部材と、前記中間伝動用回転部材、下部機体伝動用
    回転部材及び上部機体伝動用回転部材に掛け渡された無
    端の巻き掛け伝動部材と、上部機体を開放位置から閉鎖
    位置に閉じたとき、弛みを生じる巻き掛け伝動部材を張
    った状態にする張力付与部材とを具備し、前記下部機体
    伝動用回転部材と上部機体伝動用回転部材は、共にその
    回転中心が、下部機体に対する上部機体の回動軸線から
    離れた位置を占め、しかも上部機体を閉鎖位置から開放
    位置へ向けて回動させるとき、前記下部機体伝動用回転
    部材と上部機体伝動用回転部材との間の距離が増大し
    て、上部機体が開放位置に至ったとき、前記巻き掛け伝
    動部材が張られた状態となり、上部機体がその開放位置
    で停止するように、中間伝動用回転部材と下部機体伝動
    用回転部材と上部機体伝動用回転部材のそれぞれの相対
    位置が設定され、かつ巻き掛け伝動部材の長さが設定さ
    れていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 上部機体が、被駆動回転体を設けた下部
    機体に対して回動開閉自在に枢支された画像形成装置に
    おいて、前記上部機体に設けられた回転駆動源と、上部
    機体に設けられ、前記回転駆動源によって回転駆動され
    る上部機体伝動用回転部材と、下部機体に設けられ、前
    記被駆動回転体を回転させるように当該被駆動回転体に
    連結された下部機体伝動用回転部材と、前記上部機体伝
    動用回転部材及び下部機体伝動用回転部材に掛け渡され
    た無端の巻き掛け伝動部材と、上部機体を開放位置から
    閉鎖位置に閉じたとき、弛みを生じる巻き掛け伝動部材
    を張った状態にする張力付与部材とを具備し、前記上部
    機体伝動用回転部材と下部機体伝動用回転部材は、共に
    その回転中心が、下部機体に対する上部機体の回動軸線
    から離れた位置を占め、しかも上部機体を閉鎖位置から
    開放位置へ向けて回動させるとき、前記下部機体伝動用
    回転部材と上部機体伝動用回転部材との間の距離が増大
    して、上部機体が開放位置に至ったとき、前記巻き掛け
    伝動部材が張られた状態となり、上部機体がその開放位
    置で停止するように、上部機体伝動用回転部材と下部機
    体伝動用回転部材のそれぞれの相対位置が設定され、か
    つ巻き掛け伝動部材の長さが設定されていることを特徴
    とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 上部機体が、被駆動回転体を設けた下部
    機体に対して回動開閉自在に枢支された画像形成装置に
    おいて、前記上部機体に設けられた回転駆動源と、回転
    中心が上部機体の回動軸線と一致するように設けられた
    中間伝動用回転部材と、上部機体に設けられ、前記回転
    駆動源によって回転駆動される上部機体伝動用回転部材
    と、下部機体に設けられ、前記被駆動回転体を回転させ
    るように当該被駆動回転体に連結された下部機体伝動用
    回転部材と、前記中間伝動用回転部材、上部機体伝動用
    回転部材及び下部機体伝動用回転部材に掛け渡された無
    端の巻き掛け伝動部材と、上部機体を開放位置から閉鎖
    位置に閉じたとき、弛みを生じる巻き掛け伝動部材を張
    った状態にする張力付与部材とを具備し、前記上部機体
    伝動用回転部材と下部機体伝動用回転部材は、共にその
    回転中心が、下部機体に対する上部機体の回動軸線から
    離れた位置を占め、しかも上部機体を閉鎖位置から開放
    位置へ向けて回動させるとき、前記下部機体伝動用回転
    部材と上部機体伝動用回転部材との間の距離が増大し
    て、上部機体が開放位置に至ったとき、前記巻き掛け伝
    動部材が張られた状態となり、上部機体がその開放位置
    で停止するように、中間伝動用回転部材と上部機体伝動
    用回転部材と下部機体伝動用回転部材のそれぞれの相対
    位置が設定され、かつ巻き掛け伝動部材の長さが設定さ
    れていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 張力付与部材を、上部機体又は下部機体
    に、巻き掛け伝動部材に張力を付与し、又はこれに弛み
    を生ぜしめる方向に移動可能に支持し、かつ巻き掛け伝
    動部材に常時張力が付与されるように、張力付与部材を
    巻き掛け伝動部材に対して加圧する付勢手段を設けた請
    求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 巻き掛け伝動部材がタイミングベルトよ
    り成り、前記各伝動用回転部材がそのタイミングベルト
    に噛み合う歯を備えたプーリより成る請求項1乃至5の
    いずれかに記載の画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101876797A (zh) * 2009-04-30 2010-11-03 富士施乐株式会社 图像形成装置
JP2013178588A (ja) * 2013-06-25 2013-09-09 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置

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