JPH08109533A - セールクロス用芯鞘構造糸 - Google Patents

セールクロス用芯鞘構造糸

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JPH08109533A
JPH08109533A JP6238995A JP23899594A JPH08109533A JP H08109533 A JPH08109533 A JP H08109533A JP 6238995 A JP6238995 A JP 6238995A JP 23899594 A JP23899594 A JP 23899594A JP H08109533 A JPH08109533 A JP H08109533A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、高強力化、軽量化、低伸度
(形態安定化)、繊維間耐摩耗性、屈曲耐久性等を充分
に満足するセールクロス用布帛に用いる芯鞘構造糸及び
該芯鞘構造糸を用いた形態安定性、操作性、耐久性良好
なセールクロス用の布帛を提供せんとするものである。 【構成】 引張強度が14g/デニール以上、引張弾性
率が1000g/デニール以上、引張伸度が2%以下の
炭素繊維を芯糸とし、引張強度が12g/デニール以
下、引張伸度が9%以上、耐摩耗性が800回以上であ
る繊維を鞘糸としてなるセールクロス用芯鞘構造糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヨットセール、ウインド
サーフィン等のセールクロスに使用される布帛及びその
布帛を構成する繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、一般にヨットやウインドサーフィ
ンなどのセールクロスには、樹脂加工布帛や布帛とフィ
ルムとの積層体などが用いられている。又、かかる布帛
には、ポリエステル繊維糸やアラミド繊維糸からなる平
織物や三軸織物が適用されている。例えば「ポリエステ
ルフイラメント糸を経糸及び緯糸に用いた平織物とポリ
エステルフィルムとを接着剤により接着した積層体から
なるセールクロス」(実開昭59−187436号公
報)あるいは「同材質又は異材質の紡績糸をほぼ均等間
隔に並列し、これに直交又は斜交して載置又は組織され
る紡績糸を配置し、該直交又は斜交により生ずる交差点
に紡績糸又はフィラメント糸を鉤設せしめて中間層を形
成したのち、該中間層の片面又は両面に可撓性被膜を塗
布、粘着又は含浸せしめて構成されることを特徴とする
特殊積層シート」(実開昭55−134242号公
報)、「からみ糸が斜め方向に配列されてなる布帛の少
なくとも片面に接着剤層を介して熱可塑性樹を積層して
なるセール用積層体」(特開昭61−255844号公
報)などが開示されている。その他、セールクロスの機
能性を高めるために、布帛の特定方向の糸の総繊度を大
きくしたり、特定方向に高強力、低伸度の糸を配置する
等の工夫も幾多なされているが、何れも、最近の船体関
連技術の高度化に伴う市場の要求性能を充分に満足する
ものではなく、特に下記性能の向上が望まれている。 (1) 船体の軽量化に伴うセールクロスの高強力化に
よる軽量化及び低伸度化、高引張弾性率化による形態安
定化と操作性の向上。 (2) 高強度、高弾性率繊維使用布帛と各種樹脂、又
はフィルムとの接着性向上によるセールクロスの耐久性
向上。 (3) 風によるはためきや繰り返し使用のための折り
たたみによる繊維間の耐摩耗性や屈曲耐久性の向上。
【0003】
【発明の目的】本発明の目的は、セールクロスに要求さ
れる前記の諸特性、すなわち高強力化、軽量化、低伸度
(形態安定化)、繊維間耐摩耗性、屈曲耐久性等を充分
に満足するセールクロス用布帛に用いる芯鞘構造糸及び
該芯鞘構造糸を用いた形態安定性、操作性、耐久性良好
なセールクロス用の布帛を提供せんとするものである。
【0004】
【発明の構成】すなわち本発明は「(請求項1) 引張
強度が14g/デニール以上、引張弾性率が1000g
/デニール以上、引張伸度が2%以下の炭素繊維を芯糸
とし、引張強度が12g/デニール以下、引張伸度が9
%以上、耐摩耗性が800回以上である繊維を鞘糸とし
てなるセールクロス用芯鞘構造糸。 (請求項2) 鞘糸がポリエステル繊維である請求項1
のセールクロス用芯鞘構造糸。 (請求項3) 鞘糸がポリアミド繊維である請求項1の
セールクロス用芯鞘構造糸。 (請求項4) 鞘糸が編組されてなる請求項1のセール
クロス用芯鞘構造糸。 (請求項5) 鞘糸がカバーリング(巻き付け)されて
なる請求項1のセールクロス用芯鞘構造糸。 (請求項6) 芯鞘構造糸に対する鞘糸の比率が12〜
50重量%請求項1のセールクロス用芯鞘構造糸。 (請求項7) 鞘糸が黒色の繊維である請求項1のセー
ルクロス用芯鞘構造糸。 (請求項8) 鞘糸が黒原着繊維である請求項7のセー
ルクロス用芯鞘構造糸。 (請求項9) 鞘糸が黒色に表面加工されてなる請求項
7のセールクロス用芯鞘構造糸。 (請求項10) 請求項1の芯鞘構造糸を含むセールク
ロス用布帛。 (請求項11) セールクロス用布帛に対する芯鞘構造
糸の比率が30〜100重量%である請求項10のセー
ルクロス。」である。
【0005】炭素繊維には、アクリル繊維を焼結して得
られるアクリル系炭素繊維とピッチを焼結して得られる
ピッチ系炭素繊維があるが、ここで用いる炭素繊維は、
前記特許請求の範囲に記載された物性を有するものであ
れば何れでもよく、例えば、東レ株式会社製トレカ繊
維、日本石油化学工業株式会社製グラノック繊維などが
ある。
【0006】この炭素繊維を構成する単繊維径は特に限
定するものではないが、耐屈曲疲労性の観点から3〜1
5μmが好ましい。単繊維径が3μm未満になると、芯
鞘構造糸の製造工程で単繊維切断や使用時、単繊維増加
に伴う繊維間摩耗が生じ易くなって好ましくない。15
μmを越えると、屈曲時に折れ易くなって好ましくな
い。炭素繊維の引張強度は、14g/デニール以上が好
ましく、引張強度が14g/デニール未満では、強力を
得るために多量のカーボン繊維を必要とするので、カー
ボン繊維の比重が有機系繊維、例えば、ポリエステル繊
維などと比べて高いため、それだけ重くなり、セールク
ロスに要求される軽量化を充分に達成できなくなる。ま
た、炭素繊維の引張弾性率は1000g/デニール以上
が必要である。引張弾性率が1000g/デニール未満
では、瞬時の風向変化や風圧変動に対して敏感に反応で
きなくなって、走行性や操作性を悪化させる。炭素繊維
の引張伸度は2%以下である。引張伸度が2%を越える
と、形態安定性や風に対する反応性が低下して、同様に
走行性や操作性が悪化する。即ち、低伸度、高弾性率、
高強度の炭素繊維を芯糸に用いるところに本願発明の最
大の意義がある。
【0007】ここで言う耐摩耗性が良好な有機系繊維と
は、衣料や産業資材等の各種分野で通常使用されている
汎用の有機系繊維糸である。特に、ポリエステル繊維、
ポリアミド繊維が汎用性、コストの点で使いやすく、且
つ、フィルム等との接着技術も確立されており最も好ま
しい。なお、これら繊維の単糸繊度は0.3〜20.0
デニールが好ましく、更に好ましくは0.5〜15.0
デニールである。0.3デニール未満では芯鞘構造糸の
製造時における他物体との摩擦や摩耗により単繊維切れ
が発生し易くなり、また、ストランド(繊維集合体)中
における単繊維の引き揃え性も低下し、且つ、編組時の
衝撃的な高荷重に対し、特定箇所に応力集中を生じやす
くなって繊維集合体が本来有する強度や耐摩耗性等を充
分に発揮出来なくなる。また20.0デニールを越える
と、芯鞘構造糸の柔軟性が低下して耐屈曲疲労性が悪く
なり、使用時等におけるセールクロスの耐久性を低下さ
せて好ましくない。更に、セールクロスは、布帛とフィ
ルムとを接着積層した形態で用いられる場合が多いの
で、フィルムとの接着強力が市場からの重要な要求特性
である。鞘糸にポリエステル繊維やポリアミド繊維を用
いると、これらの繊維については、既に市場で、接着技
術が確立されているという利点も有する。この場合、鞘
糸の引張強度は、芯糸の炭素繊維に比べて、かなり低い
ので、芯鞘構造糸全体の強度には実質的に貢献できない
が、引張伸度が9%以上と高いので、芯鞘構造糸に高負
荷が加えられた場合に、鞘糸によって芯糸が締め付けら
れるときの圧力が、低伸度、高強度糸を鞘糸に用いた場
合に比べて低くなるので、芯糸の繊維間摩耗が緩和さ
れ、屈曲耐久性が向上する。また、芯鞘構造糸の強度低
下を招くようなこともない。この場合、伸度が9%未満
では芯糸の締め付け圧力が高まって好ましくない。芯鞘
構造糸の引張強度に対して鞘糸の強度を積極的に反映さ
せる設計でない本願発明のような芯鞘構造糸の場合、鞘
糸に用いる繊維の伸度は、15%以上が好ましい。又、
本願発明で鞘糸に用いる有機系繊維は、後述の測定法で
評価した耐摩耗性が800回以上と良好であるため、最
近の高強度、低伸度、高弾性率である高性能繊維の80
0回未満に比べ、引張弾性率では劣るものの、耐摩耗性
や耐屈曲疲労性は、前記の高性能繊維を使用した場合に
比べて優れており、特殊な競技用を除いた通常のヨット
セールやウインドサーフィンに使用されるセールクロス
用糸としては最適である。
【0008】本発明のセールクロス用芯鞘構造糸は、前
述の如く高強度、高引張弾性率、低伸度である炭素繊維
を芯糸とし、鞘糸には、特に、耐摩耗性や耐屈曲疲労性
が良好な有機系繊維を用いて編組、又はカバーリングし
てなる芯鞘構造糸であって鞘糸の編組又はカバーリング
は一重でも二重でもよく特に限定するものではない。更
に、芯鞘構造糸全重量中に占める鞘部構成有機系繊維の
重量比率は12〜50%である。鞘部構成有機系繊維の
重量比率が12%未満では、鞘部構成繊維により付与さ
れる耐摩耗性、耐屈曲疲労性を充分に発揮できなくな
る。又、鞘部構成繊維の重量比率が50%を越えると、
芯鞘構造糸が太くなりすぎるばかりでなく、鞘部構成繊
維の特性が支配的となり、芯部を構成する炭素繊維の特
性が充分に発現されなくなるので好ましくない。更に、
使用時における耐摩耗性や耐屈曲疲労性をより向上なら
しめるために、耐摩耗性向上剤や耐屈曲疲労性向上剤で
表面加工された有機系繊維を鞘糸に用いてもよい。な
お、芯鞘構造糸の作成は、通常用いられているブレーダ
−機、例えば、国分鉄工株式会社のブレーダー機等を用
いて所定の太さの芯糸の表面に必要な打数で一重または
二重に編組して被覆することにより得られる。又、カバ
ーリングにより芯糸の表面を被覆する場合は、例えば、
イタリー式撚糸機やカバーリング用撚糸機をを用いて、
芯糸の表面に所定の撚数で右回りか左回り、又は、必要
に応じて両回りにダブルカバーリングする方法により得
ることができる。通常は芯鞘構造糸のトルク発生を防止
する為に右回りと左回りの両方でカバーリングされたダ
ブルカバーリング糸が一般的に用いられるが、太く、且
つ、硬くなる傾向があるため、ブレーダー機を用いて芯
鞘構造糸を作成する方が好ましい。更に、芯糸との色相
や耐侯性向上の観点からカーボン微粉末などを紡糸原液
中に、例えば、約1.0〜3.0重量%ブレンドして製
糸された黒原着糸、又はウレタンや変成アクリル樹脂等
の各種表面加工用樹脂中にカーボン微粉末を、例えば、
1.0〜5.0重量%ブレンドした樹脂により表面加工
された黒色糸を用いるのが好ましい。これら黒原着糸や
黒色糸は、屋外暴露1年経過後の耐候性が、未着色糸に
比べて、強力保持率で約15〜30%高くなることを確
認している。
【0009】又、本発明の芯鞘構造糸を用いて目的とす
るセールクロス用布帛を編織する場合には、高強度、低
伸度、高引張弾性率が要求される方向や形態安定性が要
求される方向に、布帛の要求目付けに応じて、30〜1
00重量%の範囲内で、本発明の芯鞘構造糸を、他の有
機繊維と組み合わせながら混合編織して作成される。挿
入される他繊維の量が、70重量%を越えると布帛の引
張弾性率が低下し、伸度も高くなって形態安定性が損な
われる。物性的には、本発明の芯鞘構造糸のみで作成す
るのが一番良好であるが、布帛コスト低下のために、通
常は、上記の如く、他の有機繊維と組み合わせて製造さ
れる。又、布帛の形態は前述の通り、織物、編物、から
み編織物、ネット物など特に限定されないが、例えば1
000デニール程度の糸を用いる場合、3〜8本/cm
程度の密度で経、緯方向、更に必要に応じて斜め方向に
繊維糸を配列したものが一般的であり、この布帛にポリ
エステルフィルムなどを積層接着せしめた積層体、又は
樹脂加工された布帛がセールクロスとして活用されてい
る。特に本願発明の芯鞘構造糸の鞘糸では、既にフィル
ム等の接着技術が確立されているために、フィルムとの
接着力も強力であり、耐久性も向上する。
【0010】セールクロス用布帛に用いる本願発明の芯
鞘構造糸は、前述の如く、カーボン繊維を芯糸に使用
し、鞘糸には高伸度で耐摩耗性、耐屈曲疲労性の良好な
汎用の有機系繊維を用いているため、この糸を用いて作
成された布帛は、カーボン繊維のみから作成された布帛
に対して、同程度の高強度、形態安定性を有しながら、
耐摩耗性や屈曲耐久性に優れるという特徴を有し、更
に、高強度、高引張弾性率の有機系高性能繊維のみから
作成した従来布帛と同程度の高強度を有するばかりでな
く、低伸度、高引張弾性率で形態安定性や耐候性に優れ
るという特徴をも有している。
【0011】
【発明の効果】本発明のセールクロス用芯鞘構造糸は、
高強度、低伸度、高引張弾性率で、且つ、耐摩耗性、耐
屈曲疲労性、耐候性に優れるばかりでなく、フィルムと
の接着性にも優れている。この芯鞘構造糸を用いて作成
されたセールクロス用布帛は、低伸度、高引張弾性率
で、更に形態安定性や屈曲耐久性、軽量性、耐候性にも
優れ、市場における要求特性を充分に満足させ得るもの
である。
【0012】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。なお、糸及び布帛の評価は以下の方法に従って実
施した。
【0013】<芯鞘構造糸の引張強力、伸度と引張弾性
率>JIS−L−1013の7.5に準じて測定を実施
した。又、引張弾性率は、このときの測定で得られた荷
重−伸張曲線の原点近くで、伸張変化に対する荷重変化
の最大点における接線から算出した。
【0014】<糸の耐摩耗性>図1に装置を示す。図1
において、1は自由に回転する外径20mmのロール、
2も同様に自由回転する外径15mmのロール、3は評
価用のサンプル、4は荷重である。糸の耐摩耗性評価
は、評価サンプル3に撚係数が1近辺になるように撚り
を掛けた後に、該サンプル3を1.5回ねじり、図1に
示すごとく自由回転するロール1に掛け、更に自由回転
するロール2にかけた後、該評価サンプル3の一端に
0.7g/デニールに相当する荷重4を取り付け、該評
価サンプルの他端を往復運動させ、該評価サンプル同士
がねじられた部分で摩擦摩耗しあって切断するまでの往
復回数で比較判定する。
【0015】<芯鞘構造糸の耐摩耗性>図1に示した評
価装置を用いて耐摩耗性を評価した。芯鞘構造糸の耐摩
耗性の評価は、評価サンプル3を1.5回ねじり、図1
に示すごとく自由回転するロール1に掛け、更に自由回
転するロール2にかけた後、評価サンプル3の一端に
0.2g/デニールに相当する荷重4を取り付け、該サ
ンプルの他端を往復運動させ、該評価サンプル同士がね
じられた部分で摩擦摩耗しあって切断するまでの往復回
数で判定する。
【0016】<芯鞘構造糸の耐屈曲疲労性>図2に装置
を示す。図2において、5は先端半径が0.5mmであ
る一対の糸把持用治具であり、この治具は先端部を中心
にして、左右に90度ずつ交互に回転するようになって
いる。6は1に評価サンプルを固定するためのネジ、7
は評価用サンプル、8は評価用サンプルの一端に取り付
けられた荷重である。耐屈曲疲労性の評価は、評価サン
プル7の一方を糸把持用治具5に挟んでネジ6により固
定し、他方に0.3g/デニールに相当する荷重8を取
り付けた後に、糸把持用治具5を左右に90度ずつ交互
に全体で180度回転させ、評価サンプル7が糸把持用
治具5の先端部で切断するまでの往復回数により判定す
る。
【0017】<布帛の引張強力、伸度、引張弾性率>J
IS−L−1068に準じて測定を実施し、引張強力と
伸度とを求め、更に、得られた荷重−伸張曲線の初期の
直線に近似する部分を直線とみなし、引張弾性率を算出
した。又、引張強力値と伸度の値から、軽量性と形態安
定性を判定した。即ち、引張強力値の高いほど軽量化が
可能であり、伸度の低いほど形態安定性に優れるている
と判断した。更に、引張弾性率を形態安定性と船体操作
性の尺度として判定した。即ち、伸張弾性率の高い方が
形態安定性、操作性良好と判断した。
【0018】<セールクロスの剥離強力>フィルムと基
布とからなる積層体の一部を剥離させた幅3cm、長さ
20cmの試料を引張試験機を用いて、引張りスピード
50mm/分、チャートスピード50mm/分の条件で
フィルムと布帛とを剥離させるのに必要な強力を測定し
た。
【0019】
【実施例1】芯糸に594デニール1000フィラメン
トからなる炭素繊維を1本用い、鞘糸に50デニール2
4フィラメントからなるポリエステル繊維(帝人株式会
社製テトロン繊維、耐摩耗性1850回)を用い、8打
で一重に編組した芯鞘構造糸のサンプルを得た。得られ
たセールクロス用芯鞘構造糸の評価結果は表1、表2に
示す。なお、この芯鞘構造糸全重量中に占めるポリエス
テル繊維の重量比率は約42%であった。
【0020】
【実施例2】実施例1で得られた芯鞘構造糸のサンプル
に対し、サンシャイン式促進耐候性テスト機により、6
3℃、雨あり(霧吹きあり)の条件で300時間照射
し、耐候劣化させた芯鞘構造糸のサンプルを作成した。
この耐候劣化させた芯鞘構造糸の評価結果を表1、表2
に示す。
【0021】
【実施例3】鞘糸に50デニール24フィラメントから
なる黒色に原着されたポリエステル長繊維(帝人株式会
社製の黒原着テトロン繊維、耐摩耗性2050回)を用
いた以外は実施例1と同様に行って芯鞘構造糸のサンプ
ルを得た。得られたサンプルについて、サンシャイン式
促進耐候性テスト機により、実施例2と同一条件で照射
し、耐候劣化させた芯鞘構造糸サンプルを作成した。こ
の芯鞘構造糸の評価結果を表1、表2に示す。
【0022】
【実施例4】芯糸に1782デニール3000フィラメ
ントからなる炭素繊維を1本用いた以外は実施例1と同
様に行って芯鞘構造糸を得、この芯鞘構造糸について実
施例1と同様に評価した。結果は表1、表2に示す。な
お、この芯鞘構造糸全重量中に占めるポリエステル繊維
の重量比率は約19%であった。
【0023】
【実施例5】鞘糸に50デニール12フィラメントから
なる高強力ポリアミド繊維(耐摩耗性2150回)を用
いた以外は実施例1と同様に行って芯鞘構造糸のサンプ
ルを得た。得られた芯鞘構造糸の評価結果は表1、表2
に示す。この芯鞘構造糸全重量中に占めるポリアミド繊
維の重量比率は約43%であった。
【0024】
【比較例1】芯糸に594デニール1000フィラメン
トからなる炭素繊維(耐摩耗性34回)を1本用い、鞘
糸にも芯糸と同一の594デニール1000フィラメン
からなる炭素繊維を用いて、4打で一重に編組し、炭素
繊維100%からなる芯鞘構造糸のサンプルを得た。得
られた芯鞘構造糸の評価結果を表1、表2に示す。
【0025】
【比較例2】鞘糸に50デニール24フィラメントから
なるポリエステル長繊維(帝人株式会社製テトロン繊
維)を用い、4打で一重に編組した以外は、実施例4と
同様に行って芯鞘構造糸のサンプルを得た。得られた芯
鞘構造糸について評価した。結果を表1、表2に示す。
なお、この芯鞘構造糸全重量中に占めるポリエステル繊
維の重量比率は約11%であった。
【0026】
【比較例3】鞘糸に50デニール24フィラメントから
なるポリエステル長繊維(帝人株式会社製テトロン繊
維、耐摩耗性1850回)を用い、16打で一重に編組
した以外は、実施例1と同様に行って芯鞘構造糸のサン
プルを得た。得られた芯鞘構造糸について評価した。結
果を表1、表2に示す。なお、この芯鞘構造糸全重量中
に占めるアラミド繊維の重量比率は約59%であった。
なお、この芯鞘構造糸は柔軟性が無く硬すぎるため、セ
ールクロス用布帛には使用不可能であった。
【0027】
【比較例4】芯糸に250デニール48フィラメントか
らなるポリエステル繊維(帝人株式会社製テトロン繊
維)3本を用い、鞘糸に594デニール1000フィラ
メントからなる炭素繊維(耐摩耗性38回)を用いて、
4打で一重に編組し、芯鞘構造糸のサンプルを得た。得
られた芯鞘構造糸の評価結果を表1、表2に示す。
【0028】
【比較例5】594デニール1000フィラメントから
なる炭素繊維(耐摩耗性36回)を2本用い、撚り係数
が1になるように撚糸し、炭素繊維100%からなり、
芯鞘構造でない糸サンプルとし、実施例1と同様に評価
した。結果は表1、表2に示す。
【0029】
【比較例6】1000デニール96フィラメントからな
るポリエステル長繊維(帝人株式会社製ポリエステル繊
維、耐摩耗性1930回)1本を用い、撚り係数が1に
なるように撚糸し、ポリエステル繊維100%からなる
芯鞘構造でない糸サンプルとし、実施例1と同様に評価
した。結果は表1、表2に示す。
【0030】
【比較例7】鞘糸に55デニール25フィラメントから
なるアラミド繊維(帝人株式会社製テクノーラ繊維、耐
摩耗性730回)を用い、8打で一重に編組した以外は
実施例1と同様に行って芯鞘構造糸のサンプルを得、得
られた芯鞘構造糸サンプルについて実施例1と同様に評
価した。結果は表1、表2に示す。
【0031】
【実施例6】実施例1で得られた芯鞘構造糸を用い、経
糸及び緯糸密度が5本/cmの平織物を製織し、この織
物を精練剤(花王石鹸株式会社製スコアロール400)
入り温浴中で70℃で15分間の処理をして油剤を除去
した。この平織物の目付は約124g/m2 であった。
一方、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート二軸
延伸フィルムにポリウレタン系接着剤(日本ポリウレタ
ン株式会社製)を約20μm厚さになるように塗工して
得た2枚のフィルムで、塗工面が前記平織物に接合する
ように平織物を挟みながら、表面温度125℃、加圧力
2.0kg/cm2 、処理速度12m/分でニップロー
ルによる熱圧処理をしたのち積層し、本発明の芯鞘構造
糸100%からなる布帛とポリエチレンテレフタレート
フィルムとからなるセールクロスを得た。得られたセー
ルクロスの評価結果は表3に示す。
【0032】
【実施例7】実施例1で得られた芯鞘構造糸と比較例6
で用いたポリエステル長繊維を、経糸及び緯糸の密度が
それぞれ2本/cmと3本/cmになるように配列させ
て挿入し、全体の密度が5本/cm、芯鞘構造糸の平織
物全体に占める重量比率が約42%である平織物を製織
した以外は実施例6と同様に行って目的とするセールク
ロスを得た。得られたセールクロスの評価結果は表2に
示す。
【0033】
【比較例8】実施例1で得られた芯鞘構造糸と比較例6
で用いたポリエステル長繊維を、経糸及び緯糸の密度が
それぞれ1本/cmと4本/cmになるように配列させ
て挿入し、全体の密度が5本/cm、芯鞘構造糸の平織
物全体に占める重量比率が約22%の平織物を製織した
以外は実施例6と同様に行って目的とするセールクロス
を得た。得られたセールクロスの評価結果は表3に示
す。
【0034】
【比較例9】比較例7で得られた芯鞘構造糸と比較例6
で用いたポリエステル長繊維とを、経糸及び緯糸の密度
がそれぞれ2本/cmと3本/cmになるように配列さ
せて挿入し、全体の密度が5本/cmになるようにして
平織物を製織した以外は実施例6と同様に行って目的と
するセールクロスを得た。得られたセールクロスの評価
結果は表3に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】耐摩耗性評価装置を示す側断面図。
【図2】耐屈曲疲労製評価装置を示す側断面図。
【符号の説明】
1 自由回転する外径20mmのロール。 2 自由回転する外径15mmのロール。 3 評価用の糸サンプル。 4 荷重。 5 一対の糸サンプル把持用治具。 6 把持用治具に取り付けられた評価用の糸サンプル固
定ネジ。 7 評価用の糸サンプル。 8 荷重。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B63B 35/79 B 8408−3D B63H 9/06 Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張強度が14g/デニール以上、引張
    弾性率が1000g/デニール以上、引張伸度が2%以
    下の炭素繊維を芯糸とし、引張強度が12g/デニール
    以下、引張伸度が9%以上、耐摩耗性が800回以上で
    ある繊維を鞘糸としてなるセールクロス用芯鞘構造糸。
  2. 【請求項2】 鞘糸がポリエステル繊維である請求項1
    のセールクロス用芯鞘構造糸。
  3. 【請求項3】 鞘糸がポリアミド繊維である請求項1の
    セールクロス用芯鞘構造糸。
  4. 【請求項4】 鞘糸が編組されてなる請求項1のセール
    クロス用芯鞘構造糸。
  5. 【請求項5】 鞘糸がカバーリング(巻き付け)されて
    なる請求項1のセールクロス用芯鞘構造糸。
  6. 【請求項6】 芯鞘構造糸に対する鞘糸の比率が12〜
    50重量%請求項1のセールクロス用芯鞘構造糸。
  7. 【請求項7】 鞘糸が黒色の繊維である請求項1のセー
    ルクロス用芯鞘構造糸。
  8. 【請求項8】 鞘糸が黒原着繊維である請求項7のセー
    ルクロス用芯鞘構造糸。
  9. 【請求項9】 鞘糸が黒色に表面加工されてなる請求項
    7のセールクロス用芯鞘構造糸。
  10. 【請求項10】 請求項1の芯鞘構造糸を含むセールク
    ロス用布帛。
  11. 【請求項11】 セールクロス用布帛に対する芯鞘構造
    糸の比率が30〜100重量%である請求項10のセー
    ルクロス。
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