JPH08109289A - 粉末成形用の熱可塑性エラストマーパウダー組成物、その製造方法、それを用いる粉末成形方法及びその成形体 - Google Patents
粉末成形用の熱可塑性エラストマーパウダー組成物、その製造方法、それを用いる粉末成形方法及びその成形体Info
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- JPH08109289A JPH08109289A JP24772194A JP24772194A JPH08109289A JP H08109289 A JPH08109289 A JP H08109289A JP 24772194 A JP24772194 A JP 24772194A JP 24772194 A JP24772194 A JP 24772194A JP H08109289 A JPH08109289 A JP H08109289A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】下記熱可塑性エラストマーのパウダー 100wt部
に対して、動粘度が2000センチストークス以下である鉱
物油系軟化剤10〜25wt部を、70〜110 ℃の温度下で混合
してなることを特徴とする粉末成形用の熱可塑性エラス
トマーパウダー組成物。 エチレン・α−オレフィン系
共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との組成物からな
る熱可塑性エラストマー、又はエチレン・α−オレフィ
ン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との部分架橋
型組成物からなる熱可塑性エラストマーであって、複素
動的粘度η* (1) が1.5 ×105 ポイズ以下であり、かつ
ニュートン粘性指数nが0.67以下である熱可塑性エラス
トマー。 【効果】本発明によれば、特定の鉱物油系軟化剤を特定
量、特定の温度で含有せしめた熱可塑性エラストマーパ
ウダー組成物を用いることにより、感触性に著しく優れ
た成形体を製造し得る。加えて、得られた成形体は、軽
量性、クリーン性にも優れ、種々の分野で使用される。
に対して、動粘度が2000センチストークス以下である鉱
物油系軟化剤10〜25wt部を、70〜110 ℃の温度下で混合
してなることを特徴とする粉末成形用の熱可塑性エラス
トマーパウダー組成物。 エチレン・α−オレフィン系
共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との組成物からな
る熱可塑性エラストマー、又はエチレン・α−オレフィ
ン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との部分架橋
型組成物からなる熱可塑性エラストマーであって、複素
動的粘度η* (1) が1.5 ×105 ポイズ以下であり、かつ
ニュートン粘性指数nが0.67以下である熱可塑性エラス
トマー。 【効果】本発明によれば、特定の鉱物油系軟化剤を特定
量、特定の温度で含有せしめた熱可塑性エラストマーパ
ウダー組成物を用いることにより、感触性に著しく優れ
た成形体を製造し得る。加えて、得られた成形体は、軽
量性、クリーン性にも優れ、種々の分野で使用される。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末成形用の熱可塑性
エラストマーパウダー組成物に関し、詳しくは特定の熱
可塑性エラストマーのパウダーに特定の鉱物油系軟化剤
を特定量、特定の温度で混合してなる粉末成形用の熱可
塑性エラストマーパウダー組成物、その製造方法、それ
を用いる粉末成形方法及びその成形体に関する。
エラストマーパウダー組成物に関し、詳しくは特定の熱
可塑性エラストマーのパウダーに特定の鉱物油系軟化剤
を特定量、特定の温度で混合してなる粉末成形用の熱可
塑性エラストマーパウダー組成物、その製造方法、それ
を用いる粉末成形方法及びその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、皮シボ、ステッチ等の複雑な模様を有する表皮材
は、自動車等の内装材として使用されており、塩化ビニ
ル系樹脂パウダー組成物を粉末成形することにより製造
されることも知られている。しかしながら、塩化ビニル
系樹脂パウダー組成物を用いた成形体は、軽量性に劣る
のみならず用済み品を焼却処分する場合等において酸性
物質を発生し、大気汚染、酸性雨等を惹起しクリーン性
にも劣るという欠点があり、満足し得るものではない。
り、皮シボ、ステッチ等の複雑な模様を有する表皮材
は、自動車等の内装材として使用されており、塩化ビニ
ル系樹脂パウダー組成物を粉末成形することにより製造
されることも知られている。しかしながら、塩化ビニル
系樹脂パウダー組成物を用いた成形体は、軽量性に劣る
のみならず用済み品を焼却処分する場合等において酸性
物質を発生し、大気汚染、酸性雨等を惹起しクリーン性
にも劣るという欠点があり、満足し得るものではない。
【0003】本発明者らは、かかる塩化ビニル系樹脂パ
ウダー組成物の欠点を解消すべく検討を加え、既に、粉
末成形用のオレフィン系熱可塑性エラストマーパウダー
組成物として、特定のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーを含有するパウダー組成物を提案している(特開平3-
199579号公報、特開平3-199589号公報) 。しかしなが
ら、かかるパウダー組成物から得られた成形体は、塩化
ビニル系樹脂パウダー組成物から得られた成形体に比
し、柔軟性、シットリ感等の感触が劣り、この点で必ず
しも充分満足し得るものではなかった。
ウダー組成物の欠点を解消すべく検討を加え、既に、粉
末成形用のオレフィン系熱可塑性エラストマーパウダー
組成物として、特定のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーを含有するパウダー組成物を提案している(特開平3-
199579号公報、特開平3-199589号公報) 。しかしなが
ら、かかるパウダー組成物から得られた成形体は、塩化
ビニル系樹脂パウダー組成物から得られた成形体に比
し、柔軟性、シットリ感等の感触が劣り、この点で必ず
しも充分満足し得るものではなかった。
【0004】一方、成形体の感触を改善させるべく、軟
化剤等を多量含有せしめた柔軟性の高いオレフィン系熱
可塑性エラストマーを製造し、これを用いて粉末成形を
試みようとしたが、該エラストマーそれ自身のペレット
化、パウダー化が困難であり、粉末成形に必要なパウダ
ーそのものが製造し得ないという問題があった。
化剤等を多量含有せしめた柔軟性の高いオレフィン系熱
可塑性エラストマーを製造し、これを用いて粉末成形を
試みようとしたが、該エラストマーそれ自身のペレット
化、パウダー化が困難であり、粉末成形に必要なパウダ
ーそのものが製造し得ないという問題があった。
【0005】この様な状況下に本発明者らは、粉末成形
法により、感触の優れたオレフィン系熱可塑性エラスト
マーの成形体を製造すべく、鋭意検討を重ねた結果、熱
可塑性エラストマーパウダーに特定の鉱物油系軟化剤を
特定量、特定の温度で混合して製造した特定の熱可塑性
エラストマーパウダー組成物を用いることにより、目的
を達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
法により、感触の優れたオレフィン系熱可塑性エラスト
マーの成形体を製造すべく、鋭意検討を重ねた結果、熱
可塑性エラストマーパウダーに特定の鉱物油系軟化剤を
特定量、特定の温度で混合して製造した特定の熱可塑性
エラストマーパウダー組成物を用いることにより、目的
を達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
の熱可塑性エラストマーのパウダー 100wt部に対して、
40℃における動粘度が2000センチストークス以下である
鉱物油系軟化剤10〜25wt部を、70〜110 ℃の温度下で混
合してなる粉末成形用の熱可塑性エラストマーパウダー
組成物、その製造方法、それを用いる粉末成形方法及び
その成形体を提供するものである。エチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との組成
物からなる熱可塑性エラストマー、又はエチレン・α−
オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との
部分架橋型組成物からなる熱可塑性エラストマーであっ
て、複素動的粘度η* (1) が1.5 ×105 ポイズ以下であ
り、かつニュートン粘性指数nが0.67以下である熱可塑
性エラストマー。
の熱可塑性エラストマーのパウダー 100wt部に対して、
40℃における動粘度が2000センチストークス以下である
鉱物油系軟化剤10〜25wt部を、70〜110 ℃の温度下で混
合してなる粉末成形用の熱可塑性エラストマーパウダー
組成物、その製造方法、それを用いる粉末成形方法及び
その成形体を提供するものである。エチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との組成
物からなる熱可塑性エラストマー、又はエチレン・α−
オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との
部分架橋型組成物からなる熱可塑性エラストマーであっ
て、複素動的粘度η* (1) が1.5 ×105 ポイズ以下であ
り、かつニュートン粘性指数nが0.67以下である熱可塑
性エラストマー。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用される熱可塑性エラストマーパウダーにおける熱可
塑性エラストマーとしては、例えばエチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との組成
物からなる熱可塑性エラストマー、エチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との部分
架橋型組成物からなる熱可塑性エラストマー等が挙げら
れる。
使用される熱可塑性エラストマーパウダーにおける熱可
塑性エラストマーとしては、例えばエチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との組成
物からなる熱可塑性エラストマー、エチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との部分
架橋型組成物からなる熱可塑性エラストマー等が挙げら
れる。
【0008】ここで、熱可塑性エラストマーを構成する
一成分であるエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
としては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体ゴ
ム、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム
等のオレフィンを主成分としたゴムが挙げられる。非共
役ジエンとしては、例えばジシクロペンタジエン、エチ
リデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオ
クタジエン、メチレンノルボルネン等が挙げられる。こ
のようなエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの中
でも、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン
ゴム(以下EPDMと称する)がより好ましく使用さ
れ、これを用いると、耐熱性、引張特性等に優れたエラ
ストマーが得られる。
一成分であるエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
としては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体ゴ
ム、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム
等のオレフィンを主成分としたゴムが挙げられる。非共
役ジエンとしては、例えばジシクロペンタジエン、エチ
リデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオ
クタジエン、メチレンノルボルネン等が挙げられる。こ
のようなエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの中
でも、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン
ゴム(以下EPDMと称する)がより好ましく使用さ
れ、これを用いると、耐熱性、引張特性等に優れたエラ
ストマーが得られる。
【0009】エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
のムーニー粘度(ASTM D-927-57Tに準じて100 ℃で測
定したムーニー粘度(ML1+4 100 ℃))は、通常130 以
上350 以下、好ましくは200 以上300 以下である。また
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムは、これにパ
ラフィン系プロセスオイル等の鉱物油系軟化剤を添加
し、油展オレフィン系共重合体ゴムの形で使用すること
もできる。この場合には溶融流動性が向上するのみなら
ず成形体の柔軟性が向上するので好ましい。鉱物油系軟
化剤の添加量は、エチレン・α−オレフィン系共重合体
ゴム 100wt部当たり、通常120 wt部以下、好ましくは30
〜120wt 部である。
のムーニー粘度(ASTM D-927-57Tに準じて100 ℃で測
定したムーニー粘度(ML1+4 100 ℃))は、通常130 以
上350 以下、好ましくは200 以上300 以下である。また
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムは、これにパ
ラフィン系プロセスオイル等の鉱物油系軟化剤を添加
し、油展オレフィン系共重合体ゴムの形で使用すること
もできる。この場合には溶融流動性が向上するのみなら
ず成形体の柔軟性が向上するので好ましい。鉱物油系軟
化剤の添加量は、エチレン・α−オレフィン系共重合体
ゴム 100wt部当たり、通常120 wt部以下、好ましくは30
〜120wt 部である。
【0010】また熱可塑性エラストマーを構成する他の
成分であるポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピ
レン、プロピレンとエチレンの共重合体、プロピレンと
プロピレン以外のα−オレフィンの共重合体が好ましく
用いられる。特に、プロピレンとブテンとの共重合体樹
脂を用いることにより、成形体の硬度を下げることも可
能である。ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート
(MFR、JIS K-7210に準拠し、230 ℃、2.16kg荷重で
測定)が、20g /10分未満の場合は、粉末成形時にパウ
ダー同士が溶融付着し難くなり成形体の強度が低下する
ので、通常20g /10分以上、好ましくは50g/10分以上の
ものが使用される。
成分であるポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピ
レン、プロピレンとエチレンの共重合体、プロピレンと
プロピレン以外のα−オレフィンの共重合体が好ましく
用いられる。特に、プロピレンとブテンとの共重合体樹
脂を用いることにより、成形体の硬度を下げることも可
能である。ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート
(MFR、JIS K-7210に準拠し、230 ℃、2.16kg荷重で
測定)が、20g /10分未満の場合は、粉末成形時にパウ
ダー同士が溶融付着し難くなり成形体の強度が低下する
ので、通常20g /10分以上、好ましくは50g/10分以上の
ものが使用される。
【0011】本発明で使用される熱可塑性エラストマー
は、上記のようなエチレン・α−オレフィン系共重合体
ゴムとポリオレフィン系樹脂との組成物、該組成物を動
的架橋した部分架橋型組成物等を含むものであるが、エ
チレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとオレフィン系
樹脂の比率は、重量比で通常5:95〜80:20であること
が好ましい。部分架橋型組成物を製造するに当たって
は、架橋剤として有機過酸化物が通常用いられる。有機
過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイドが好まし
く用いられる。また、ビスマレイミド化合物などの架橋
助剤の存在下、ごく少量の有機過酸化物を用いて動的架
橋することが好ましく、この場合には、エチレン・α−
オレフィン系共重合体ゴムが適度に架橋されて耐熱性が
向上すると同時に高流動が得られる。
は、上記のようなエチレン・α−オレフィン系共重合体
ゴムとポリオレフィン系樹脂との組成物、該組成物を動
的架橋した部分架橋型組成物等を含むものであるが、エ
チレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとオレフィン系
樹脂の比率は、重量比で通常5:95〜80:20であること
が好ましい。部分架橋型組成物を製造するに当たって
は、架橋剤として有機過酸化物が通常用いられる。有機
過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイドが好まし
く用いられる。また、ビスマレイミド化合物などの架橋
助剤の存在下、ごく少量の有機過酸化物を用いて動的架
橋することが好ましく、この場合には、エチレン・α−
オレフィン系共重合体ゴムが適度に架橋されて耐熱性が
向上すると同時に高流動が得られる。
【0012】架橋剤は、エチレン・α−オレフィン系共
重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との合計量100 wt部
あたり、通常1.5 wt部以下、好ましくは0.6 wt部以下用
いられ、有機過酸化物は、通常0.2wt 部以下、好ましく
は0.1wt 部以下、より好ましくは0.07wt部以下用いられ
る。動的架橋は、一軸混練押出あるいは二軸混練押出等
の連続混練押出による方法が好適である。二軸混練押出
による場合は、剪断速度<103sec-1で押出架橋を行なう
とエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの分散粒子
径が大きくなり本発明の粘度条件を実現することが難し
くなるので、剪断速度≧103sec-1で連続押出架橋を行な
うことが好ましい。
重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との合計量100 wt部
あたり、通常1.5 wt部以下、好ましくは0.6 wt部以下用
いられ、有機過酸化物は、通常0.2wt 部以下、好ましく
は0.1wt 部以下、より好ましくは0.07wt部以下用いられ
る。動的架橋は、一軸混練押出あるいは二軸混練押出等
の連続混練押出による方法が好適である。二軸混練押出
による場合は、剪断速度<103sec-1で押出架橋を行なう
とエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの分散粒子
径が大きくなり本発明の粘度条件を実現することが難し
くなるので、剪断速度≧103sec-1で連続押出架橋を行な
うことが好ましい。
【0013】本発明においては、複素動的粘度η* (1)
が1.5 ×105 ポイズ以下、ニュートン粘性指数nが0.67
以下である熱可塑性エラストマーが使用される。複素動
的粘度η* (1) は、250 ℃、周波数1ラジアン/秒で測
定した値であり、好ましくは1.0 ×105 ポイズ以下であ
る。 1.5 ×105 ポイズを超えると該エラストマーのパ
ウダーは、金型面上で溶融流動しなくなり、加工時の剪
断速度が1sec -1以下の非常に低い粉末成形法では成形
ができなくなる。また、ニュートン粘性指数nは、250
℃、周波数1ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η*
(1) と周波数100 ラジアン/秒で測定した複素動的粘度
η* (100) とを用いて次式で算出される値であり、好ま
しくは0.60以下である。 n={logη* (1) −logη* (100) )}/2 ニュートン粘性指数nが0.67を超えると、仮に複素動的
粘度η* (1) が1.5 ×105 ポイズ以下であっても、複素
動的粘度の周波数依存性の度合いが大きくなり、粉末成
形のように成形時の賦形圧力が1kg/cm2 以下と非常に
小さい成形法では溶融したエラストマーパウダー粒子同
士の熱融着が不完全になり機械的物性の低い成形体が得
られる傾向にあり好ましくない。
が1.5 ×105 ポイズ以下、ニュートン粘性指数nが0.67
以下である熱可塑性エラストマーが使用される。複素動
的粘度η* (1) は、250 ℃、周波数1ラジアン/秒で測
定した値であり、好ましくは1.0 ×105 ポイズ以下であ
る。 1.5 ×105 ポイズを超えると該エラストマーのパ
ウダーは、金型面上で溶融流動しなくなり、加工時の剪
断速度が1sec -1以下の非常に低い粉末成形法では成形
ができなくなる。また、ニュートン粘性指数nは、250
℃、周波数1ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η*
(1) と周波数100 ラジアン/秒で測定した複素動的粘度
η* (100) とを用いて次式で算出される値であり、好ま
しくは0.60以下である。 n={logη* (1) −logη* (100) )}/2 ニュートン粘性指数nが0.67を超えると、仮に複素動的
粘度η* (1) が1.5 ×105 ポイズ以下であっても、複素
動的粘度の周波数依存性の度合いが大きくなり、粉末成
形のように成形時の賦形圧力が1kg/cm2 以下と非常に
小さい成形法では溶融したエラストマーパウダー粒子同
士の熱融着が不完全になり機械的物性の低い成形体が得
られる傾向にあり好ましくない。
【0014】本発明においては、熱可塑性エラストマー
として、部分架橋型組成物を用いる場合は、未架橋のエ
チレン−α−オレフィン共重合体ゴムあるいはエチレン
−α−オレフィン共重合体樹脂を、エラストマー100wt
部に対し50wt部以下ブレンドして使用し、成形体の柔軟
性をより向上させることもできる。この場合のα−オレ
フィンは、プロピレン及びブテン等が単独または併用し
て用いられる。特にエチレン含有量が40〜90wt%、好ま
しくは70〜85wt%のエチレン−プロピレン共重合体ゴム
でML1+4 100 ℃が50以下のものが好ましい。本発明に
おける熱可塑性エラストマーパウダーは、上記のような
熱可塑性エラストマーを、ガラス転移温度以下の低温で
粉砕することにより通常製造される。例えば液体窒素に
よる冷凍粉砕法が好適に用いられる。−70℃以下、好ま
しくは−90℃以下まで冷却したエラストマーペレットを
ボールミル等の衝撃式粉砕機を用いた機械的粉砕法によ
り得ることができる。
として、部分架橋型組成物を用いる場合は、未架橋のエ
チレン−α−オレフィン共重合体ゴムあるいはエチレン
−α−オレフィン共重合体樹脂を、エラストマー100wt
部に対し50wt部以下ブレンドして使用し、成形体の柔軟
性をより向上させることもできる。この場合のα−オレ
フィンは、プロピレン及びブテン等が単独または併用し
て用いられる。特にエチレン含有量が40〜90wt%、好ま
しくは70〜85wt%のエチレン−プロピレン共重合体ゴム
でML1+4 100 ℃が50以下のものが好ましい。本発明に
おける熱可塑性エラストマーパウダーは、上記のような
熱可塑性エラストマーを、ガラス転移温度以下の低温で
粉砕することにより通常製造される。例えば液体窒素に
よる冷凍粉砕法が好適に用いられる。−70℃以下、好ま
しくは−90℃以下まで冷却したエラストマーペレットを
ボールミル等の衝撃式粉砕機を用いた機械的粉砕法によ
り得ることができる。
【0015】−70℃より高い温度で粉砕すると、粉砕し
たエラストマーパウダーの粒径が粗くなり、粉末成形性
が低下するので好ましくない。粉砕操作中にポリマー温
度がガラス転移温度以上になるのを防ぐため、発熱が少
なく、粉砕効率の高い方法が好ましい。また、粉砕装置
はそのものが外部冷却によって冷却されていることが好
ましい。
たエラストマーパウダーの粒径が粗くなり、粉末成形性
が低下するので好ましくない。粉砕操作中にポリマー温
度がガラス転移温度以上になるのを防ぐため、発熱が少
なく、粉砕効率の高い方法が好ましい。また、粉砕装置
はそのものが外部冷却によって冷却されていることが好
ましい。
【0016】本発明は、上記のような熱可塑性エラスト
マーパウダーに特定の鉱物油系軟化剤を特定量、特定の
温度で混合して製造した特定の熱可塑性エラストマーパ
ウダー組成物を用いるものであるが、鉱物油系軟化剤と
しては、炭化水素系合成油が通常使用される。 なかで
もパラフン系、ナフテン系プロセスオイルが好ましく使
用される。また本発明で使用される鉱物油系軟化剤は、
その動的粘度が40℃において2000センチストークス以
下、好ましくは1500センチストークス以下、より好まし
くは1300センチストークス以下である。 2000 センクス
トークスを超えたものを使用すると、熱可塑性エラスト
マーに対する吸収性が悪化し、粉体流動性が低下する。
マーパウダーに特定の鉱物油系軟化剤を特定量、特定の
温度で混合して製造した特定の熱可塑性エラストマーパ
ウダー組成物を用いるものであるが、鉱物油系軟化剤と
しては、炭化水素系合成油が通常使用される。 なかで
もパラフン系、ナフテン系プロセスオイルが好ましく使
用される。また本発明で使用される鉱物油系軟化剤は、
その動的粘度が40℃において2000センチストークス以
下、好ましくは1500センチストークス以下、より好まし
くは1300センチストークス以下である。 2000 センクス
トークスを超えたものを使用すると、熱可塑性エラスト
マーに対する吸収性が悪化し、粉体流動性が低下する。
【0017】鉱物油系軟化剤は熱可塑性エラストマーパ
ウダー100wt 部に対して10〜25wt部、好ましくは10〜20
wt部使用される。10wt部より少なくなると、感触の改良
効果が不十分となり、また25wt部より多くなると、パウ
ダーの互着が生じ、成形体に厚みむら、ピンホール、欠
肉等が生じる。
ウダー100wt 部に対して10〜25wt部、好ましくは10〜20
wt部使用される。10wt部より少なくなると、感触の改良
効果が不十分となり、また25wt部より多くなると、パウ
ダーの互着が生じ、成形体に厚みむら、ピンホール、欠
肉等が生じる。
【0018】熱可塑性エラストマーパウダーに、鉱物油
系軟化剤を混合するにあたっては、70〜110 ℃、好まし
くは80〜100 ℃の温度下で実施される。70℃未満の場合
は、鉱物油系軟化剤が熱可塑性エラストマーパウダーに
充分吸収されずにパウダーが互着し、また110 ℃より高
い場合はパウダー同志が熱融着し、いずれの場合も成形
体に厚みむら、ピンホール、欠肉等が生じる。混合する
方法としては、鉱物油系軟化剤が均一に分散分散する方
法であれば、特に限定はなく、例えば加熱用ジャケット
のついたブレンダーや高速回転型ミキサー等を使用して
混合する方法が挙げられる。混合時間は、通常5分〜6
0分程度である。
系軟化剤を混合するにあたっては、70〜110 ℃、好まし
くは80〜100 ℃の温度下で実施される。70℃未満の場合
は、鉱物油系軟化剤が熱可塑性エラストマーパウダーに
充分吸収されずにパウダーが互着し、また110 ℃より高
い場合はパウダー同志が熱融着し、いずれの場合も成形
体に厚みむら、ピンホール、欠肉等が生じる。混合する
方法としては、鉱物油系軟化剤が均一に分散分散する方
法であれば、特に限定はなく、例えば加熱用ジャケット
のついたブレンダーや高速回転型ミキサー等を使用して
混合する方法が挙げられる。混合時間は、通常5分〜6
0分程度である。
【0019】また鉱物油系軟化剤を混合するにあたり、
微細粉体、例えば平均粒径が30μm以下、好ましくは0.0
1〜10μm の微細粉体も混合することが好ましい。こう
した場合、長期間の保存による粉体流動性低下を防止し
得る。 微粉体は鉱物油系軟化剤と同時に混合しても良
いが、鉱物油系軟化剤を混合後、冷却の途中、例えば50
〜60℃となった時点で混合することが好ましい。微細粉
体としては、例えば 有機顔料、無機顔料、ペースト用
塩化ビニル系樹脂、酸化アルミニウム、水酸化アルミニ
ウム、炭酸カルシュウム等の粉体が挙げられる。微粉体
を使用する場合は、熱可塑性エラストマーパウダー100w
t 部に対して通常0.1 〜10wt部使用される。
微細粉体、例えば平均粒径が30μm以下、好ましくは0.0
1〜10μm の微細粉体も混合することが好ましい。こう
した場合、長期間の保存による粉体流動性低下を防止し
得る。 微粉体は鉱物油系軟化剤と同時に混合しても良
いが、鉱物油系軟化剤を混合後、冷却の途中、例えば50
〜60℃となった時点で混合することが好ましい。微細粉
体としては、例えば 有機顔料、無機顔料、ペースト用
塩化ビニル系樹脂、酸化アルミニウム、水酸化アルミニ
ウム、炭酸カルシュウム等の粉体が挙げられる。微粉体
を使用する場合は、熱可塑性エラストマーパウダー100w
t 部に対して通常0.1 〜10wt部使用される。
【0020】また、本発明における熱可塑性エラストマ
ーパウダー組成物は、フェノール系、サルファイト系、
フェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン系また
はアミド系安定剤のような公知の耐熱安定剤、老化防止
剤、耐候安定剤、帯電防止剤、金属石けん、ワックス等
の滑剤、メチルポリシロキサン化合物等の内部添加離型
剤、着色用顔料等を含有することができる。含有させる
にあたっては、予め熱可塑性エラストマーパウダーに含
有させておいても良いし、鉱物油系軟化剤を混合する時
に混合しても良い。
ーパウダー組成物は、フェノール系、サルファイト系、
フェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン系また
はアミド系安定剤のような公知の耐熱安定剤、老化防止
剤、耐候安定剤、帯電防止剤、金属石けん、ワックス等
の滑剤、メチルポリシロキサン化合物等の内部添加離型
剤、着色用顔料等を含有することができる。含有させる
にあたっては、予め熱可塑性エラストマーパウダーに含
有させておいても良いし、鉱物油系軟化剤を混合する時
に混合しても良い。
【0021】かくして、本発明の熱可塑性パウダー組成
物が得られるが、該組成物は、粉体流動性に優れるのみ
ならず、低剪断速度かつ低圧力下、金型から供給される
熱で容易に溶融し得しかも厚みむら、ピンホール等のな
い成形体を与えるので、粉末成形法、例えば流動浸漬、
静電塗装、粉末溶射、粉末回転成形、粉末スラッシュ成
形等の成形方法用の組成物として優れており、なかでも
粉末スラッシュ成形法(特開昭58-132507 号公報 )用の
組成物として優れている。
物が得られるが、該組成物は、粉体流動性に優れるのみ
ならず、低剪断速度かつ低圧力下、金型から供給される
熱で容易に溶融し得しかも厚みむら、ピンホール等のな
い成形体を与えるので、粉末成形法、例えば流動浸漬、
静電塗装、粉末溶射、粉末回転成形、粉末スラッシュ成
形等の成形方法用の組成物として優れており、なかでも
粉末スラッシュ成形法(特開昭58-132507 号公報 )用の
組成物として優れている。
【0022】粉末成形するに当たり、金型の加熱方式
は、特に制限されるものではなく、例えば、ガス加熱炉
方式、熱媒体油循環方式、熱媒体油または熱流動砂内へ
の浸漬方式あるいは高周波誘導加熱方式等が挙げられ
る。
は、特に制限されるものではなく、例えば、ガス加熱炉
方式、熱媒体油循環方式、熱媒体油または熱流動砂内へ
の浸漬方式あるいは高周波誘導加熱方式等が挙げられ
る。
【0023】金型にパウダーを付着、溶融させる時の金
型温度は、通常160 〜300 ℃であり、好ましくは、210
〜270 ℃である。付着、溶融時間は、特に制限されるも
のではなく、成形体の大きさ、成形体の厚み等により適
宜選択される。
型温度は、通常160 〜300 ℃であり、好ましくは、210
〜270 ℃である。付着、溶融時間は、特に制限されるも
のではなく、成形体の大きさ、成形体の厚み等により適
宜選択される。
【0024】
【発明の効果】かくして、本発明の成形体が得られる
が、本発明の成形体は感触性に優れるのみならず厚みむ
ら、ピンホール等もなく、そのうえ軽量性、クリーン性
にも優れ、種々の分野で使用される。
が、本発明の成形体は感触性に優れるのみならず厚みむ
ら、ピンホール等もなく、そのうえ軽量性、クリーン性
にも優れ、種々の分野で使用される。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、
熱可塑性エラストマーパウダーの動的粘弾性、パウダー
組成物の粉体性状は次のとおり評価した。
発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、
熱可塑性エラストマーパウダーの動的粘弾性、パウダー
組成物の粉体性状は次のとおり評価した。
【0026】熱可塑性エラストマーパウダーの動的粘弾
性 レオメトリックス社製ダイナミックアナライザーRDS-77
00型を用い、振動周波数1ラジアン/秒及び 100ラジア
ン/秒での動的粘弾性を測定し、複素動的粘度η* (1)
及びη* (100)を算出した。なお、測定は平行平板モー
ドで行ない、印加歪みは5%、サンプル温度は250℃で
測定した。また、η* (1) とη* (100)の結果をもとに
次式でニュートン粘性指数nを算出した。 n={logη* (1) −logη* (100)}/2
性 レオメトリックス社製ダイナミックアナライザーRDS-77
00型を用い、振動周波数1ラジアン/秒及び 100ラジア
ン/秒での動的粘弾性を測定し、複素動的粘度η* (1)
及びη* (100)を算出した。なお、測定は平行平板モー
ドで行ない、印加歪みは5%、サンプル温度は250℃で
測定した。また、η* (1) とη* (100)の結果をもとに
次式でニュートン粘性指数nを算出した。 n={logη* (1) −logη* (100)}/2
【0027】パウダー組成物の粉体性状 パウダー組成物を25℃下に1週間放置し、次いで1mm目
開きの篩でふるってパスするか否かを調べた。 ○:90%以上パスした。 ×:90%未満しかパスしなかった。
開きの篩でふるってパスするか否かを調べた。 ○:90%以上パスした。 ×:90%未満しかパスしなかった。
【0028】成形体の外観 エラストマーパウダー組成物500 gを表面温度が 250℃
に加熱された大きさ30cm×30cm、厚さ3mmのニッケル電
鋳シボ板にふりかけ14秒間付着させた後、該エラストマ
ーパウダー組成物の未溶着粉末を排出させ、パウダー溶
着シボ板を雰囲気温度 250℃の加熱炉中で60秒間加熱溶
融させた。次いで金型を室温まで冷却後脱型して得られ
た成形シートの外観を下記の判断基準で評価した。 ○:厚みむら、ピンホールが認められない。 ×:厚みむら、ピンホールが認められる。
に加熱された大きさ30cm×30cm、厚さ3mmのニッケル電
鋳シボ板にふりかけ14秒間付着させた後、該エラストマ
ーパウダー組成物の未溶着粉末を排出させ、パウダー溶
着シボ板を雰囲気温度 250℃の加熱炉中で60秒間加熱溶
融させた。次いで金型を室温まで冷却後脱型して得られ
た成形シートの外観を下記の判断基準で評価した。 ○:厚みむら、ピンホールが認められない。 ×:厚みむら、ピンホールが認められる。
【0029】成形体の感触性 上記で得られたシートを1cm ×5cm に切断して、これを
10枚重ねてデュロメーター−ショアA硬さ試験機を用い
て測定した。 ○:ショアA硬度 90未満 ×:ショアA硬度 90以上
10枚重ねてデュロメーター−ショアA硬さ試験機を用い
て測定した。 ○:ショアA硬度 90未満 ×:ショアA硬度 90以上
【0030】参考例1 EPDM(ML1+4 100 ℃=242 、プロピレン含量=28
重量%、ヨウ素価=12)100 重量部あたり鉱物油系軟化
剤(出光興産製、登録商標ダイアナプロセスPW─380
)100 重量部を添加した油展EPDM(ML1+4 100
℃=53)50重量部と、プロピレン─エチレンランダム共
重合体樹脂(エチレン含量=5重量%、MFR=90g/
10分)50重量部及び架橋助剤(住友化学製、登録商標ス
ミファインBM─ビスマレイミド化合物)0.4 重量部を
バンバリーミキサーを用いて10分間混練した後、押出機
を用いてペレット状の架橋用のマスターバッチ(以下
M.B.と称する)とした。このM.B.100 重量部に
対し、有機過酸化物(三建化工製、登録商標サンペロッ
クスAPO、2,5-ジメチル−2,5-ジ(t−ブチルペルオ
キシノ)ヘキサン)0.04重量部を添加し、2軸混練機
(日本製鋼所製、登録商標TEX─44)を用いて 220℃
で動的架橋を行ない、エラストマー組成物ペレットを得
た。このペレットを液体窒素を用いて−100 ℃の温度に
冷却後、冷凍粉砕を行ない複素動的粘度η* (1) が6.4
×103 ポイズ、ニュートン粘性指数nが 0.38 である熱
可塑性エラストマーパウダーを得た。
重量%、ヨウ素価=12)100 重量部あたり鉱物油系軟化
剤(出光興産製、登録商標ダイアナプロセスPW─380
)100 重量部を添加した油展EPDM(ML1+4 100
℃=53)50重量部と、プロピレン─エチレンランダム共
重合体樹脂(エチレン含量=5重量%、MFR=90g/
10分)50重量部及び架橋助剤(住友化学製、登録商標ス
ミファインBM─ビスマレイミド化合物)0.4 重量部を
バンバリーミキサーを用いて10分間混練した後、押出機
を用いてペレット状の架橋用のマスターバッチ(以下
M.B.と称する)とした。このM.B.100 重量部に
対し、有機過酸化物(三建化工製、登録商標サンペロッ
クスAPO、2,5-ジメチル−2,5-ジ(t−ブチルペルオ
キシノ)ヘキサン)0.04重量部を添加し、2軸混練機
(日本製鋼所製、登録商標TEX─44)を用いて 220℃
で動的架橋を行ない、エラストマー組成物ペレットを得
た。このペレットを液体窒素を用いて−100 ℃の温度に
冷却後、冷凍粉砕を行ない複素動的粘度η* (1) が6.4
×103 ポイズ、ニュートン粘性指数nが 0.38 である熱
可塑性エラストマーパウダーを得た。
【0031】実施例1 参考例1で得られた熱可塑性エラストマーパウダー 100
重量部に、鉱物油系軟化剤(出光石油化学(株)製、PW
-380、動粘度(40 ℃) 381.6センチストークス) 20 重量部をスー
パーミキサーを用いて100 ℃、1500rpm で10分間混合し
た。次いで冷却しながら500rpmで混合を続けて、60℃に
なった時点で黒色粉末顔料( 住化カラー製、PV-817)1wt
部加え冷却混合を続けて粉末成形用の熱可塑性エラスト
マーパウダー組成物を得た。 このものの評価結果を表
1に示した。
重量部に、鉱物油系軟化剤(出光石油化学(株)製、PW
-380、動粘度(40 ℃) 381.6センチストークス) 20 重量部をスー
パーミキサーを用いて100 ℃、1500rpm で10分間混合し
た。次いで冷却しながら500rpmで混合を続けて、60℃に
なった時点で黒色粉末顔料( 住化カラー製、PV-817)1wt
部加え冷却混合を続けて粉末成形用の熱可塑性エラスト
マーパウダー組成物を得た。 このものの評価結果を表
1に示した。
【0032】実施例2〜6、比較例1〜5 実施例1において、表1のように温度、鉱物油系軟化剤
の使用量、混合時間を変化させる以外は実施例1に準拠
して実施し、結果を表1に示した。
の使用量、混合時間を変化させる以外は実施例1に準拠
して実施し、結果を表1に示した。
【0033】実施例7、8、比較例6、7 実施例1において、鉱物油系軟化剤としてPW-380の代わ
りにPW-90(出光石油化学(株)製、動粘度(40 ℃) 95.
5センチストークス)、HC-100(三井石油化学(株)製、動粘度(4
0 ℃) 1300センチストークス)、HC-150(三井石油化学(株)
製、動粘度(40 ℃) 2200センチストークス) 、HC-600(三井石油
化学(株)製、動粘度(40 ℃) 9850センチストークス) を使用す
る以外は実施例1に準拠して実施し、結果を表1に示し
た。
りにPW-90(出光石油化学(株)製、動粘度(40 ℃) 95.
5センチストークス)、HC-100(三井石油化学(株)製、動粘度(4
0 ℃) 1300センチストークス)、HC-150(三井石油化学(株)
製、動粘度(40 ℃) 2200センチストークス) 、HC-600(三井石油
化学(株)製、動粘度(40 ℃) 9850センチストークス) を使用す
る以外は実施例1に準拠して実施し、結果を表1に示し
た。
【0034】 表 1 評 価 結 果 例 軟 化 剤 温度 時間 粉体性状 シート外観 シート感触 実施例1 PW380 20部 100℃ 10分 ○ ○ ○ 実施例2 PW380 20 100 30 ○ ○ ○ 実施例3 PW380 20 80 30 ○ ○ ○ 実施例4 PW380 10 80 30 ○ ○ ○ 実施例5 PW380 10 100 30 ○ ○ ○ 実施例6 PW380 10 100 10 ○ ○ ○ 実施例7 PW90 20 100 10 ○ ○ ○ 実施例8 HC100 20 100 10 ○ ○ ○ 比較例1 なし 100 10 ○ ○ × 比較例2 PW380 30 100 30 × × − 比較例3 PW380 20 60 30 × × − 比較例4 PW380 20 60 60 × × − 比較例5 PW380 20 120 30 × × − 比較例6 HC150 10 100 10 × × − 比較例7 HC600 10 100 10 × × −
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辰巳 雅之 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】下記熱可塑性エラストマーのパウダー 100
wt部に対して、40℃における動粘度が2000センチストー
クス以下である鉱物油系軟化剤10〜25wt部を、70〜110
℃の温度下で混合してなることを特徴とする粉末成形用
の熱可塑性エラストマーパウダー組成物。 エチレン・
α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂
との組成物からなる熱可塑性エラストマー、又はエチレ
ン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系
樹脂との部分架橋型組成物からなる熱可塑性エラストマ
ーであって、複素動的粘度η* (1) が1.5 ×105 ポイズ
以下であり、かつニュートン粘性指数nが0.67以下であ
る熱可塑性エラストマー。 - 【請求項2】下記熱可塑性エラストマーのパウダー 100
wt部に対して、40℃における動粘度が2000センチストー
クス以下である鉱物油系軟化剤10〜25wt部を、70〜110
℃の温度で混合することを特徴とする粉末成形用の熱可
塑性エラストマーパウダー組成物の製造方法。エチレン
・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹
脂との組成物からなる熱可塑性エラストマー、又はエチ
レン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィン
系樹脂との部分架橋型組成物からなる熱可塑性エラスト
マーであって、複素動的粘度η* (1) が1.5 ×105 ポイ
ズ以下であり、かつニュートン粘性指数nが0.67以下で
ある熱可塑性エラストマー。 - 【請求項3】下記熱可塑性エラストマーのパウダー 100
wt部に対して、40℃における動粘度が2000センチストー
クス以下である鉱物油系軟化剤10〜25wt部を、70〜110
℃の温度で混合してなる粉末成形用の熱可塑性エラスト
マーパウダー組成物を用いることを特徴とする粉末成形
方法。エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリ
オレフィン系樹脂との組成物からなる熱可塑性エラスト
マー、又はエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムと
ポリオレフィン系樹脂との部分架橋型組成物からなる熱
可塑性エラストマーであって、複素動的粘度η* (1) が
1.5 ×105 ポイズ以下であり、かつニュートン粘性指数
nが0.67以下である熱可塑性エラストマー。 - 【請求項4】下記熱可塑性エラストマーのパウダー 100
wt部に対して、40℃における動粘度が2000センチストー
クス以下である鉱物油系軟化剤10〜25wt部を、70〜110
℃の温度で混合してなる粉末成形用の熱可塑性エラスト
マーパウダー組成物を粉末成形して得られる成形体。エ
チレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィ
ン系樹脂との組成物からなる熱可塑性エラストマー、又
はエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレ
フィン系樹脂との部分架橋型組成物からなる熱可塑性エ
ラストマーであって、複素動的粘度η* (1) が1.5 ×10
5 ポイズ以下であり、かつニュートン粘性指数nが0.67
以下である熱可塑性エラストマー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24772194A JPH08109289A (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | 粉末成形用の熱可塑性エラストマーパウダー組成物、その製造方法、それを用いる粉末成形方法及びその成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24772194A JPH08109289A (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | 粉末成形用の熱可塑性エラストマーパウダー組成物、その製造方法、それを用いる粉末成形方法及びその成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08109289A true JPH08109289A (ja) | 1996-04-30 |
Family
ID=17167692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24772194A Pending JPH08109289A (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | 粉末成形用の熱可塑性エラストマーパウダー組成物、その製造方法、それを用いる粉末成形方法及びその成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08109289A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000060000A1 (fr) * | 1999-03-31 | 2000-10-12 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Composition a base d'elastomere thermoplastique pour moulage a partir de poudres, poudre tiree de cette composition et procede de moulage utilisant cette poudre |
-
1994
- 1994-10-13 JP JP24772194A patent/JPH08109289A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000060000A1 (fr) * | 1999-03-31 | 2000-10-12 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Composition a base d'elastomere thermoplastique pour moulage a partir de poudres, poudre tiree de cette composition et procede de moulage utilisant cette poudre |
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