JPH10231393A - 熱可塑性エラストマー組成物ペレット及び成形体 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物ペレット及び成形体

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JPH10231393A
JPH10231393A JP33168597A JP33168597A JPH10231393A JP H10231393 A JPH10231393 A JP H10231393A JP 33168597 A JP33168597 A JP 33168597A JP 33168597 A JP33168597 A JP 33168597A JP H10231393 A JPH10231393 A JP H10231393A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ピンホールや欠肉などを殆ど生ずることなく
複雑な形状の成形体を製造することができる熱可塑性エ
ラストマー組成物ペレット及び該ペレットを用いて得ら
れる成形体の提供。 【解決手段】 該熱熱可塑性エラストマー組成物は、
(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部及び(B)ゴ
ム質重合体5〜250重量部を含有し、250℃におけ
る複素動的粘度η*(1)が5.0×104ポイズ以下で
あり、ニュートン粘性指数nが0.28以下であり、固
体動的粘弾性測定により測定したtanδ−温度依存性
曲線の−70℃〜30℃の温度範囲において、前記
(A)ポリオレフィン系樹脂のtanδピーク温度及び
前記(B)ゴム質重合体のtanδピーク温度のいずれ
とも異なる温度に新たなtanδピークを有する熱可塑
性エラストマー組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物ペレット及びその成形体に関するものであ
る。更に詳しくは、本発明は、ポリオレフィン系樹脂及
びゴム質重合体を必須の成分として含有する熱可塑性エ
ラストマー組成物のペレットであり、ピンホールや欠肉
などを殆ど生ずることなく複雑な形状の成形体を製造す
ることができ、しかも得られる成形体は折り曲げた際に
殆ど白化することのなく、感触に優れたものであるとい
う特徴を有する熱可塑性エラストマー組成物ペレット、
及び該熱可塑性エラストマー組成物ペレットを用いて得
られる成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、その表面に皮シボ、ステッチ
等の複雑な模様を有する成形体は自動車内装品などの表
皮材として用いられており、かかる成形体として塩化ビ
ニル系樹脂組成物パウダーが粉末成形されてなる成形体
が知られている。しかしながら、かかる成形体は焼却処
分するに際して塩化水素ガスなどを発生するため、特別
の焼却設備を必要とするものであった。
【0003】このような問題を解決するものとして、た
とえばエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリ
オレフィン系樹脂とのエラストマー組成物からなる熱可
塑性エラストマーパウダーが提案されている(たとえば
特開平3−199579号公報、特開平3−19958
9号公報など)。しかしながら、かかる熱可塑性エラス
トマーパウダーは複雑な形状の成形体、たとえば狭くて
高い凸部を有する成形体などを製造する際に該凸部のエ
ッジにピンホールや欠肉などを生じ、また得られた成形
体は塩化ビニル系樹脂成形体と比較して折り曲げた際に
白化し易いため、該成形体を製造したのち金型から脱型
する際や、該成形体を芯材と貼合する前に予め目的とす
る形状に賦形する際に白化部分が生じて外観不良が発生
するばかりか、柔軟性に乏しく感触に劣るという問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
複雑な形状の成形体を容易に製造し得、しかも折り曲げ
ても容易には白化することのない、感触に優れた成形体
を与え得る熱可塑性エラストマー組成物パウダーを開発
するべく、鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂及
びゴム質重合体を必須成分として含有し、特定の溶融粘
度挙動を示し、固体動的粘弾性測定により測定したta
nδ−温度依存性曲線において特定のピーク温度にピー
クを有する熱可塑性エラストマー組成物からなり、特定
の粉体物性を有する熱可塑性エラストマー組成物ペレッ
トは、ピンホールや欠肉などを殆ど生ずることなく複雑
な形状の成形体を製造し得、しかもかくして得られる成
形体は折り曲げた際に殆ど白化することのない、感触に
優れたものであることを見い出し、本発明に至った。
【0005】すなわち、本発明が解決しようとする課題
は、ポリオレフィン系樹脂及びゴム質重合体を必須の成
分として含有する熱可塑性エラストマー組成物のペレッ
トであり、ピンホールや欠肉などを殆ど生ずることなく
複雑な形状の成形体を製造することができ、しかも得ら
れる成形体は折り曲げた際に殆ど白化することのなく、
感触に優れたものであるという特徴を有する熱可塑性エ
ラストマー組成物ペレット、及び該熱可塑性エラストマ
ー組成物ペレットを用いて得られる成形体に存するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のうち一の発明
は、熱可塑性エラストマー組成物からなり、球換算平均
粒径が1.2mm以下であり、かつ嵩比重が0.38以
上である熱可塑性エラストマー組成物ペレットであっ
て、該熱熱可塑性エラストマー組成物は、(A)ポリオ
レフィン系樹脂100重量部及び(B)ゴム質重合体5
〜250重量部を含有し、250℃における複素動的粘
度η*(1)が5.0×104ポイズ以下であり、ニュー
トン粘性指数nが0.28以下であり、固体動的粘弾性
測定により測定したtanδ−温度依存性曲線の−70
℃〜30℃の温度範囲において、前記(A)ポリオレフ
ィン系樹脂のtanδピーク温度及び前記(B)ゴム質
重合体のtanδピーク温度のいずれとも異なる温度に
新たなtanδピークを有する熱可塑性エラストマー組
成物である熱可塑性エラストマー組成物ペレットに係る
ものである。
【0007】また、本発明のうち他の発明は、上記の熱
可塑性エラストマー組成物ペレットを粉末成形してなる
成形体に係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
(A)ポリオレフィン系樹脂とは1種以上のオレフィン
が重合もしくは共重合されてなる結晶性を有する重合体
もしくは共重合体であって、その結晶化度は50%以上
であることが好ましい。ここでオレフィンとしてはエチ
レン、プロピレン、ブテンなどの炭素原子数2〜8のオ
レフィンなどが例示され、その重合体又は共重合体とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンとエ
チレンとの共重合体、プロピレンとプロピレン以外のα
−オレフィン、たとえばブテンなどとの共重合体などが
例示される。中でもプロピレンとエチレンとの共重合体
は、耐熱性、柔軟性に優れた成形体を与え得る熱可塑性
エラストマー組成物が得られる点で好ましい。かかるポ
リオレフィン系樹脂は架橋されていてもよい。
【0009】また、2段階以上で、エチレン及び炭素原
子数が3〜8のα−オレフィンから選ばれる2種類以上
のモノマーが共重合されてなる共重合体を用いることも
できる。たとえば、第一段階でプロピレンを単独重合さ
せ、第二段階でプロピレンと、エチレン、又はプロピレ
ン以外のα−オレフィンとを共重合させて得られる共重
合体を用いることができる。
【0010】なお、これらのポリオレフィン系樹脂のメ
ルトフローレート(JIS K−7210に準拠して温
度230℃、荷重2.16kgで測定した値であって、
以下MFRと称する。)は20g〜500g/10分、
さらには50g〜300g/10分、特には100g〜
300g/10分であることが、本発明の熱可塑性エラ
ストマー組成物のペレットを粉末成形して成形体を製造
する場合に外観や強度に優れた成形体が得られる点で好
ましい。
【0011】(B)ゴム質重合体としては、共役ジエン
系エラストマー又はその水添物(以下、共役ジエン系エ
ラストマーの水添物を、「水添共役ジエン系エラストマ
ー」と記すことがある。)などがあげられる。なお、ゴ
ム質重合体としては、後記(C)エチレン・α−オレフ
ィン系共重合体ゴムは除かれる。
【0012】共役ジエン系エラストマーとは、共役ジエ
ン重合体ゴム又は共役ジエン系共重合体ゴムである。
【0013】共役ジエン重合体ゴムとは1種以上の共役
ジエンが重合もしくは共重合してなる重合体ゴムであ
り、ここで共役ジエンとしては、たとえばブタジエン、
イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル
ブタジエンなどの炭素原子数4〜8の共役ジエンなどが
あげられる。かかる共役ジエン重合体ゴムとしては、た
とえばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリペンタジ
エン、ブタジエン−イソプレン共重合体などがあげられ
る。
【0014】共役ジエン系共重合体ゴムとは、上記と同
様の共役ジエンと該共役ジエン以外の単量体との共重合
体ゴムである。共役ジエン以外の単量体としては、たと
えばビニル芳香族化合物、ビニルエステル化合物、エチ
レン性不飽和カルボン酸エステル、ビニルニトリル化合
物などがあげられ、中でもビニル芳香族化合物が好まし
い。
【0015】ビニル芳香族化合物はそのビニル基の1位
又は2位がメチル基などのアルキル基などで置換されて
いてもよく、かかるビニル芳香族化合物としてはスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの炭
素原子数8〜12のビニル芳香族化合物が例示される。
ビニルエステル化合物としては酢酸ビニルなどが例示さ
れる。エチレン性不飽和カルボン酸エステル化合物とし
ては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルな
どが例示される。ビニルニトリル化合物としてはアクリ
ロニトリル、メタアクリロニトリルなどが例示される。
【0016】このような共役ジエン系共重合体ゴムとし
ては、たとえばブタジエンースチレン共重合体ゴム、イ
ソプレン−スチレン共重合体ゴム、ブタジエン−p−メ
チルスチレン共重合体ゴムなどの共役ジエン−ビニル芳
香族化合物共重合体ゴム、ブタジエン−酢酸ビニル共重
合体などの共役ジエン−ビニルエステル化合物共重合体
ゴム、ブタジエン−メタクリル酸共重合体ゴム、ブタジ
エン−アクリル酸メチル共重合体などの共役ジエン−エ
チレン性不飽和カルボン酸エステル化合物共重合体ゴ
ム、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体などの共役
ジエン−ビニル二トリル化合物共重合体ゴムなどがあげ
られる。
【0017】水添共役ジエン系エラストマーは、たとえ
ば特開平2−36244号公報、特開平3―72512
号公報、特開平7―118335号公報などに記載され
た方法によって容易に製造することができる。
【0018】なお、共役ジエン系共重合体ゴム又は水添
共役ジエン系共重合体ゴムは共役ジエン以外の単量体単
位の含有量が50重量%以下であることが、柔軟性に優
れた成形体が得られる点で好ましい。
【0019】さらに、ゴム質重合体として水添共役ジエ
ン系エラストマーを用いる場合は、水添された全共役ジ
エン単位の数に対する炭素数2以上の側鎖を有する水添
された共役ジエン単位の数の割合が45%以上、さらに
は60〜95%、特には70〜90%であることが、本
発明の熱可塑性エラストマー組成物が容易に得られる点
で好ましい。かかる割合は、1H−NMR測定により容
易に求めることができる。
【0020】かかるゴム質重合体のMFRは5g/10
分以上、さらには10g/10分以上であることが、本
発明の熱可塑性エラストマー組成物を粉末成形して成形
体を製造する場合に外観、強度に優れる成形体が得られ
る点で好ましい。
【0021】かかる(B)ゴム質重合体はそれぞれ単独
で又は2種以上を組み合わせて用いられ、その含有量は
(A)ポリオレフィン系樹脂100重量部あたり5〜2
50重量部の範囲であるが、好ましくは10〜150重
量部の範囲である。ゴム質重合が過少であると得られた
成形体の柔軟性が劣り、一方ゴム状重合体が過多である
と得られた成形体に粘着感が生じるといった不具合が発
生する。
【0022】本発明の熱可塑性エラストマー組成物にお
いて、かかるゴム質重合体が数十nm単位でポリオレフ
ィン系樹脂の非晶相の中に微分散する性質を有すること
が、透過型電子顕微鏡(TEM)によって容易に観察す
ることができる。
【0023】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
必須成分である(A)ポリオレフィン系樹脂及び(B)
ゴム質重合体に加えて、(C)エチレン・α−オレフィ
ン系共重合体ゴムを含有していてもよく、これを含有す
る場合にはコストパフォーマンスが良く、脆化温度の低
い、すなわち耐寒性に優れる熱可塑性エラストマー組成
物からなる成形体を与えるため好ましい。
【0024】(C)エチレン・α−オレフィン系共重合
体ゴムとは、エチレン及びα−オレフィンの共重合体、
エチレン、α−オレフィン及び非共役ジエンの共重合体
などであって、結晶性をほとんど有しない重合体又は結
晶化度が50%未満である重合体である。ここでα−オ
レフィンとしてはプロピレン、1−ブテン、3−メチル
−1−ブテンなどの炭素原子数3〜10のα−オレフィ
ンが、非共役ジエンとしてはジシクロペンタジエン、
2,5−エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエ
ン、1,5−シクロオクタジエン、メチレンノルボルネ
ンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエンなどがそれ
ぞれ例示される。かかるエチレン・α−オレフィン系共
重合体ゴムとしては、たとえばエチレン・プロピレン共
重合体ゴム、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボ
ルネン共重合体ゴム(以下、EPDMと称する。)など
があげられる。かかるエチレン・α−オレフィン系共重
合体ゴムは、架橋されていてもよい。かかるエチレン・
α−オレフィン系共重合体ゴムの含有量は、ポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対して500重量部以下が好
ましく、20〜200重量部の範囲であることが更に好
ましい。エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの含
有量が過多であると得られた成形体に粘着性が生じるが
ある。
【0025】かかる本発明の熱可塑性エラストマー組成
物は、たとえば(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)ゴ
ム質重合体及び必要に応じて(C)エチレン・α−オレ
フィン系ゴムを溶融混練することによって製造すること
ができる。また、エチレン・α−オレフィン系共重合体
ゴムが架橋されてなる場合には、たとえば架橋されてい
ないエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオ
レフィン系樹脂とを混練した後に架橋剤を加えて動的架
橋し、次いでゴム質重合体を加えて混練してもよいし、
架橋されていないエチレン・α−オレフィン系共重合体
ゴム、ポリオレフィン系樹脂及びゴム質重合体を混練し
たのち、架橋剤を加えて動的架橋してもよい。
【0026】架橋剤としては、たとえば2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシノ)ヘキサンな
どのジアルキルパーオキサイドなどの有機過酸化物があ
げられ、その使用量はエチレン・α−オレフィン系共重
合体ゴム及びポリオレフィン系樹脂の合計量100重量
部に対して通常1重量部以下、好ましくは0.8重量部
以下の範囲である。なお、架橋助剤の存在下に架橋剤を
用いて動的架橋することによって、エチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムが適度に架橋され、耐熱性や溶融
流動性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を得ること
ができる。
【0027】かかる架橋助剤としては、たとえばビスマ
レイミド化合物などがあげられ、その使用量は用いるエ
チレン・α−オレフィン系共重合体ゴム及びポリオレフ
ィン系樹脂の合計量100重量部に対して通常1.5重
量部以下、好ましくは0.8重量部以下である。かかる
架橋助剤を用いる場合の架橋剤の使用量はエチレン・α
−オレフィン系共重合体ゴム及びポリオレフィン系樹脂
の合計量100重量部に対して通常0.8重量部以下、
好ましくは0.6重量部以下である。
【0028】動的架橋に際しては、たとえば一軸混練
機、二軸混練機などの連続混練機などを用いて加熱下、
たとえば150〜250℃の温度範囲で混練すればよ
い。かかる動的架橋によってエチレン・α−オレフィン
系共重合体ゴムが優先的に架橋される。また、ポリオレ
フィン系樹脂が架橋されることもあるし、エチレン・α
−オレフィン系共重合体ゴム、ポリオレフィン系樹脂及
びゴム質重合体を混練したのち動的架橋した場合には、
ゴム質重合体が架橋されることもある。
【0029】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
たとえば鉱物油系軟化剤や、フェノール系、サルファイ
ト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン
系、アミド系の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、
帯電防止剤、金属石けん、ワックスなどの滑剤、メチル
ポリシロキサン化合物、シリコーン化合物などの内部添
加離型剤、着色用顔料などの添加剤を含有していてもよ
い。
【0030】また、プロピレンと炭素原子数4以上のα
−オレフィンとの共重合体ゴム、天然ゴム、ブチルゴ
ム、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アク
リルゴム等のゴム質重合体、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びそのけん化
物、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン
−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合
体などの他の重合体成分を含有していてもよい。
【0031】これらの添加剤や他の重合体成分は、ポリ
オレフィン系樹脂、熱可塑性エラストマー、エチレン・
α−オレフィン系共重合体ゴムに予め含有されて用いら
れてもよいし、上記の混練や動的架橋に際して、又はそ
の後に混練などによって配合されてもよい。
【0032】中でも鉱物油系軟化剤は、これを含有する
熱可塑性エラストマー組成物は溶融流動性に優れてお
り、また柔軟性に優れた成形体を与え得るため好ましく
用いられる。かかる鉱物油系軟化剤がエチレン・α−オ
レフィン系共重合体ゴムに予め含有された油展オレフィ
ン系共重合体ゴムを用いると、上記の混練や動的架橋を
容易に行うことができる。
【0033】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
成形体の製造において採用される成形法によりその適切
範囲が異なるが、たとえば粉末成形法に用いられるペレ
ットであって、後述する溶剤処理法、ストランドカット
法又はダイフェースカット法によって製造されるペレッ
トに適用される熱可塑性エラストマー組成物の場合に
は、成形加工性の観点から粉末成形法に用いられるパウ
ダーであって、冷凍粉砕法によって製造されるパウダー
に適用される熱可塑性エラストマー組成物の場合には、
成形加工性の観点から、250℃における複素動的粘度
η*(1)が5×104ポイズ以下であることが必要であ
り、好ましくは1×102〜3×103ポイズ、さらには
3×102〜2×103ポイズ以下であることが好まし
い。ここで複素動的粘度η*(ω)とは温度250℃、
振動周波数ωにおける貯蔵粘弾性率G’(ω)及び損失
粘弾性率G''(ω)を用いて下記計算式(1)によって
算出される値であり、複素動的粘度η*(1)とはω=
1ラジアン/秒における複素動的粘度である。 η*(ω)={〔G’(ω)〕2+〔G''(ω)〕21/2 /ω (1) η*(1)が5×104ポイズを超えると、熱可塑性エラ
ストマー組成物の溶融流動性が劣り、粉末成形法などの
ような成形時の剪断速度が通常1秒-1以下と低い値の成
形方法によって成形体を製造することが困難となる傾向
にある。
【0034】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物はそのニュートン粘性指数nが0.28以下であるこ
とが必要であり、好ましくは0.01〜0.25、さら
には0.03〜0.05であることが好ましい。こでニ
ュートン粘性指数nとは前記の複素動的粘度η*(1)
と温度250℃、振動周波数ω=100ラジアン/秒で
測定される複素動的粘度η*(100)とを用いて下記
計算式(2)によって算出される値である。 n={logη*(1)−logη*(100)}/2 (2) ニュートン粘性指数nが0.28を超えると、得られる
成形体の機械的強度が低くなる傾向にあり好ましくな
い。
【0035】上記した複素動的粘度やニュートン粘性指
数で示される物性値を満足する本発明の熱可塑性エラス
トマー組成物を製造するためには、上記の混練や動的架
橋の程度、該熱可塑性エラスマー組成物を構成する各成
分の種類やその使用量、動的架橋における架橋剤や架橋
助剤の種類やその使用量、添加剤の種類やその使用量な
どが適宜選択される。中でも混練や動的架橋における剪
断速度が上記の物性値に与える影響は大きく、剪断速度
1×103-1以上で混練や動的架橋することが好まし
い。
【0036】また、熱可塑性エラストマー組成物は、固
体動的粘弾性測定により測定したtanδ−温度依存性
曲線の−70〜30℃の温度範囲において、前記のポリ
オレフィン系樹脂のtanδピーク温度及びゴム質重合
体のtanδピーク温度のいずれとも異なる温度に新た
なtanδピークを有している必要がある。固体粘弾性
測定は、通常の固体粘弾性測定装置を用いて行うことが
できる。
【0037】新たなtanδピークのピーク温度は、ポ
リオレフィン系樹脂のtanδピーク温度及びゴム質重
合体のtanδピーク温度のいずれとも異なっていれば
よいが、通常はオレフィン系樹脂のピーク温度よりも低
温側である。新たなピークを有さない場合には、それを
成形して得られる成形体は折り曲げた際に容易に白化す
る傾向にあり、その効果を十分に得るためには、該新た
なピークのピーク強度は0.05以上であることが好ま
しい。
【0038】本発明の熱可塑性エラストマー組成物ペレ
ットはこのような熱可塑性エラストマー組成物からなる
ものであるが、その球換算平均粒径が1.2mm以下、
かつ嵩比重が0.38以上であることが必要である。
【0039】ここで球換算平均粒径とは熱可塑性エラス
トマー組成物ペレットの平均体積を求め、その平均体積
と同じ体積の球の直径として算出される粒径であり、こ
こで粒子の平均体積は任意に取り出した熱可塑性エラス
トマー組成物ペレット100個の合計重量及び熱可塑性
エラストマー組成物の密度から計算される値であり、好
ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.1mm
〜0.9mmである。球換算平均粒径が1.2mmを超
えると、粉末成形時にペレット同士の熱融着が不十分と
なり、得られた成形体にピンホールや欠肉などが生じ
る。
【0040】また、嵩比重とはJIS K−6721に
準拠して嵩比重測定用ロートから嵩比重測定用容器に供
給された熱可塑性エラストマー組成物ペレット100m
lの重量から算出される値であって、好ましくは0.4
2以上である。嵩比重が0.38未満であれば、金型の
内面形状によっては粉末成形におけるペレットの金型面
上への付着が不十分となり、成形体にピンホールや欠肉
などが生じる傾向にある。
【0041】このような粉体物性を有する熱可塑性エラ
ストマー組成物ペレットは、たとえば熱可塑性エラスト
マー組成物を熱溶融し、これをダイスから押し出してス
トランドとし、次いでこれを引き取り、あるいは引き伸
ばしながら引き取り、冷却後に切断する方法(以下、ス
トランドカット法と称する。たとえば特開昭50−14
9747号公報参照。)、熱可塑性エラストマー組成物
をそのガラス転移点以下の温度で粉砕し、次いで溶剤処
理して球状化する方法(以下、溶剤処理法と称する。た
とえば特開昭62−280226号公報参照。)、熱可
塑性エラストマー組成物を熱溶融し、これをダイスから
水中に押し出しながらダイスの吐出口の直後で切断する
方法(以下、ダイフェースカット法と称する。)などに
よって容易に製造することができる。
【0042】ストランドカット法によって製造する場
合、ダイスの吐出口径は通常は0.1〜3mm、好まし
くは0.2〜2mmの範囲、ダイスからの吐出速度は通
常0.1〜5kg/時/穴、好ましくは0.5〜3kg
/時/穴の範囲、ストランドの引取速度は通常1〜10
0m/分、好ましくは5〜50m/分の範囲である。ま
た、冷却後の切断長さは、通常は1.4mm以下、好ま
しくは1.2mm以下である。
【0043】溶剤処理法によって製造する場合、熱可塑
性エラストマー組成物はそのガラス転移点以下の温度、
通常は−70℃以下、好ましくは−90℃以下の温度で
粉砕されたのち、溶剤処理される。ここで溶剤処理とは
粉砕された熱可塑性エラストマー組成物を、これと相溶
性の低い媒体中において、分散剤と乳化剤との存在下に
攪拌しながら熱可塑性エラストマー組成物の溶融温度以
上、好ましくは該溶融温度よりも30〜50℃高い温度
に加熱して球状化したのち冷却し、取り出す方法であ
る。
【0044】かかる溶剤処理における媒体としては、た
とえばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコールなどがあげられ、その使用量
は、用いる熱可塑性エラストマー100重量部に対して
300〜1000重量部、好ましくは400〜800重
量部の範囲である。
【0045】分散剤としては、たとえばエチレン−アク
リル酸共重合体、無水ケイ酸、酸化チタンなどがあげら
れ、その使用量は用いる熱可塑性エラストマー100重
量部に対して通常5〜20重量部、好ましくは10〜1
5重量部の範囲である。
【0046】乳化剤としては、たとえばポリオキシエチ
レンソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコー
ルモノラウレート、ソルビタントリステアレートなどが
あげられるが、これらに限定されるものではなく、その
使用量は用いる熱可塑性エラストマー100重量部に対
して通常3〜15重量部、好ましくは5〜10重量部の
範囲である。
【0047】ダイフェースカット法によって製造する場
合、ダイスの吐出口径は通常は0.1〜3mm、好まし
くは0.2〜2mmの範囲、ダイスからの吐出速度は通
常0.1〜5kg/時/穴、好ましくは0.5〜3kg
/時/穴の範囲である。
【0048】本発明の熱可塑性エラストマー組成物ペレ
ットを成形して得られる成形体は容易には白化しないも
のである。成形方法はプレス成形法、押出成形法、射出
成形法、真空成形法などを用いてもよいが、粉末成形法
に用いた場合には、複雑な形状であっても容易に成形し
得るため好適である。粉末成形法によって成形体を製造
するには、本発明の熱可塑性エラストマー組成物ペレッ
トを粉末成形すればよい。粉末成形法としては、たとえ
ば流動浸漬法、静電塗装法、粉末溶射法、粉末回転法、
粉末スラッシュ成形法などがあげられる。
【0049】熱可塑性エラストマー組成物ペレットを粉
末成形するには、たとえばその成形面に複雑な模様を有
していてもよい金型を熱可塑性エラストマー組成物ペレ
ットの溶融温度以上に加熱したのち、該金型の成形面上
に熱可塑性エラストマー組成物ペレットを供給し、ペレ
ット同士を互いに熱融着させて該成形面上にシート状溶
融物を得、次いで熱融着しなかった余分のペレットを除
去すればよい。ペレット除去後、さらに金型を加熱して
もよい。その後、冷却し、脱型することによって目的の
成形体を得ることができる。
【0050】金型の加熱方法としては、たとえばガス加
熱炉方式、熱媒体油循環方式、熱媒体油もしくは熱流動
砂内への浸漬方式、高周波誘導加熱方式などがあげられ
る。また、金型にペレットを熱融着させる際の金型温度
は通常150〜300℃、好ましくは190〜270℃
の範囲である。ペレットを金型成形面上へ供給してから
除去するまでの時間は特に限定されるものではなく、目
的とする成形体の大きさや厚みなどに応じて適宜選択さ
れる。
【0051】また、熱可塑性エラストマー組成物ペレッ
トに発泡剤を含有させたものを成形することにより、柔
軟性に優れた発泡体を製造することができる。かかる成
形体の製造方法は特に限定されるものではなく、たとえ
ば粉末成形法、プレス成形法、押出成形法、射出成形法
などがあげられる。
【0052】たとえば粉末成形法によって発泡体を製造
するには、発泡剤を配合した本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物ペレットを粉末成形したのち発泡させればよ
い。
【0053】発泡剤として通常は熱分解型発泡剤が用い
られ、かかる熱分解型発泡剤としては、たとえばアゾジ
カルボンアミド、2,2‘―アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジアゾジアミノベンゼン等のアゾ化合物、ベンゼン
スルホニルヒドラジド、ベンゼン−1,3―スルホニル
ヒドラジド、p―トルエンスルホニルヒドラジド等のス
ルホニルヒドラジド化合物、N,N’−ジニトロソペン
タメチレンテトラミン、 N,N’−ジニトロソーN,
N‘―ジメチルテレフタルアミド等のニトロソ化合物、
テレフタルアジド等のアジド化合物、重炭酸ナトリウ
ム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の炭酸塩
等があげられる。中でもアゾジカルボンアミドが好まし
く使用される。
【0054】熱可塑性エラストマー組成物ペレットに発
泡剤を含有させたものを製造する方法としては、熱可塑
性エラストマー組成物ペレットに発泡剤を混合する方
法、熱可塑性エラストマー組成物にその分解温度以下で
予め発泡剤を混練した後に、ペレット化することによっ
て得ることができる。なお、発泡剤とともに発泡助剤や
セル調整剤などが混合されてもよい。
【0055】本発明の熱可塑性エラストマー組成物ペレ
ットを成形して得られる成形体は表皮材として有用であ
るが、その一方の面側に発泡層が積層されてなる二層成
形体を表皮材として用いてもよい。かかる二層成形体
は、粉末成形法(特開平5―473号公報など参照)に
よって一体的に製造することもできるし、上記で得た成
形体に、別途製造した発泡体を接着剤などで接着させる
方法によって製造することもできる。
【0056】粉末成形法によって二層成形体を製造する
には、たとえばその成形面に複雑な模様を有していても
よい金型を熱可塑性エラストマー組成物の溶融温度以上
に加熱したのち、該金型の成形面上に上記した熱可塑性
エラストマー組成物ペレットを供給し、ペレット同士を
互いに熱融着させて該成形面上にシート状溶融物を得た
のち熱融着しなかった余分のペレットを除去し、次いで
このシート状溶融物の上に発泡剤を含む熱可塑性重合体
組成物の粉末を供給し、粉末同士を互いに熱融着させて
該成形面上にシート状溶融物を得たのち熱融着しなかっ
た余分の粉末を除去し、その後、更に加熱して発泡させ
て発泡層を形成させればよい。
【0057】さらに、粉末成形法によって、非発泡層―
発泡層―非発泡層からなる複合成形体とすることも可能
である。この場合、非発泡層は同一のものであってもよ
いし、異なるものであってもよい。
【0058】発泡剤としては、前記したと同様の熱分解
型発泡剤があげられ、かかる発泡剤を含有する熱可塑性
重合体組成物としては、たとえば塩化ビニル系樹脂、ポ
リオレフィン、オレフィン系熱可塑性エラストマーなど
に発泡剤を含有させたものの他、特開平7―22872
0号公報で用いられているポリエチレン系発泡性組成物
を用いることもできる。
【0059】また、発泡層としてポリウレタン発泡体を
用いることもできる。この場合、熱可塑性エラストマー
組成物とポリウレタンとの接着性に劣る傾向があるた
め、通常は塩素化ポリエチレン等のプライマーで成形体
の接着面を前処理することで接着性を向上することがで
きる。なお、ポリウレタン発泡体は、上記成形体、後述
する芯材とを一定の間隙を開けて所定の位置に固定し、
その間隙にポリオール、ポリイソシアナートの混合液を
注入し、加圧下発泡させることにより成形される。
【0060】かかる成形体又は二層成形体は熱可塑性樹
脂芯材に積層される表皮材として好適であり、たとえば
上記成形体はその一方の面側に熱可塑性樹脂芯材が積層
されてなる多層成形体に用いることができ、また二層成
形体はその発泡層側に熱可塑性樹脂芯材が積層されてな
る多層成形体に用いることができる。
【0061】熱可塑性樹脂芯材における熱可塑性樹脂と
しては、たとえばポリプロピレン、ポリエチレン等のポ
リオレフィン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体)樹脂などの熱可塑性樹脂が用いら
れる。中でも、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが
好ましく使用される。
【0062】かかる多層成形体は、たとえば成形体の一
方の面側に熱可塑性樹脂溶融体を供給し、加圧する方法
又は二層成形体の発泡層側に熱可塑性樹脂溶融体を供給
し、加圧する方法によって容易に製造することができ
る。
【0063】熱可塑性樹脂溶融体とはその溶融温度以上
に加熱されて溶融状態にある熱可塑性樹脂である。かか
る熱可塑性樹脂溶融体の供給は加圧の前であってもよい
し、加圧と同時的であってもよい。また加圧は金型など
を用いて行われてもよいし、熱可塑性樹脂溶融体の供給
圧力によって行われてもよい。かかる成形方法として
は、たとえば射出成形法、低圧射出成形法、低圧圧縮成
形法などがあげられる。
【0064】具体的には、たとえば表皮材として上記の
成形体を用いる場合には、開放された一対の金型間に成
形体を供給し、次いで該成形体の一方の面側と、これに
対向する一方の金型との間に熱可塑性樹脂溶融体を供給
した後又は供給しながら両金型を型締めすればよく、表
皮材として二層成形体を用いる場合には、開放された一
対の金型間に二層成形体を供給し、次いで該成形体の発
泡層とこれに対向する一方の金型との間に熱可塑性樹脂
溶融体を供給した後又は供給しながら両金型を型締めす
ればよい。ここで、両金型の開閉方向はとくに限定され
るものではなく、上下方向であってもよいし、水平方向
であってもよい。
【0065】表皮材として前記の粉末成形用金型を用い
て製造された成形体又は二層成形体を用いる場合には、
該粉末成形用金型をその成型面上に該成形体又は二層成
形体を保持したまま上記多層成形体の製造における金型
の一方として用いることもできる。この方法によれば、
金型の模様が転写された成形体又は二層成形体が金型か
ら離されることなく金型間に供給されるので、その表面
に賦形された模様をほとんど崩すことなく、目的の多層
成形体を得ることができる。
【0066】熱可塑性樹脂溶融体は両金型の型締め完了
後に供給してもよいが、表皮材である成形体又は二層成
形体のずれが少なく、模様の転写度も向上した多層成形
体が得られる点で、両金型が未閉鎖の間に供給しながら
又は供給した後に両金型を型締めすることが好ましい。
熱可塑性樹脂溶融体の供給方法は特に限定されるもので
はなく、たとえば成形体又は二層成形体と対向する一方
の金型内に設けた樹脂通路から供給することができる。
また、溶融樹脂の供給ノーズを両金型間に挿入して溶融
樹脂を供給し、その後、供給ノーズを系外に後退させて
両金型を閉鎖してもよい。
【0067】一対の金型としては、一方の金型の外周面
と他方の金型の内周面とが摺動可能な一対の雌雄金型を
用いることもできる。この場合、両金型の摺動面のクリ
アランスを成形体又は二層成形体の厚みと概ね等しくし
ておくことによって、その端部に余分の表皮材を有する
多層成形体を得ることができ、この余分の表皮材を多層
成形体の裏面に折り返すことによって、その端部が表皮
材層で覆われた多層成形体を得ることができる。
【0068】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、
熱可塑性エラストマー組成物及び成形体の評価は以下の
方法によって行った。
【0069】〔1〕複素動的粘度η*(1)及びニュー
トン粘性指数n レオメトリックス社製ダイナミックアナライザー(RD
S−7700型)を用いて貯蔵粘弾性率G’(ω)及び
損失粘弾性率G''(ω)を振動周波数ω=1ラジアン/
秒又は100ラジアン/秒で測定し、前記の計算式
(1)によって複素動的粘度η*(1)とη*(100)
とを算出した。なお、測定は平行平板モード、印加歪み
5%、サンプル温度250℃で行った。また、η
*(1)とη*(100)とを用いて、前記の計算式
(2)によってニュートン粘性指数nを求めた。
【0070】〔2〕水添共役ジエン系共重合体ゴム中
の、水添された全共役ジエン単位の数に対する炭素数2
以上の側鎖を有する水添された共役ジエン単位の数の割
合 o-キシレン−d10を溶媒として用い、1.6mg/m
l濃度で1H−NMRスペクトル(400MHz)を測
定し、求めた。
【0071】〔3〕球換算平均粒径 熱可塑性エラストマー組成物ペレットの粒子100個を
任意に採取し、その重量を求め、これと熱可塑性エラス
トマー組成物の比重とから粒子の平均体積を算出し、こ
の平均体積と同体積の球の直径を算出して、球換算平均
粒径とした。
【0072】〔4〕嵩比重 JIS K−6721に準拠して、熱可塑性エラストマ
ー組成物ペレット100mlを採取、秤量し、嵩比重を
算出した。
【0073】〔5〕成形体の柔軟性 成形体を1cm×5cmに切断したものを10枚重ね合
わせ、JIS K−6301に準拠してショアA硬さを
求めた。
【0074】〔6〕折り曲げ白化 成形体を1cm×5cmに切断し、折り曲げ荷重500
g又は1kgで折り曲げたのち1分後に荷重を除き、折
り曲げにより白化した部分の幅を基にして下記の基準に
よって評価した。 1:白化部分の幅が2mm以上 2:白化部分の幅が1mm以上2mm未満 3:白化部分の幅が1mm未満 4:白化部分が認められない
【0075】〔7〕固体粘弾性 セイコー電子工業(株)の固体粘弾性測定装置 SDM
5600H を使用し、DS200(引張モード)を使
用した。1cm×10cm×1mm厚のサンプルをプレ
ス成形法により作成し、−150℃〜130℃の範囲
で、昇温速度2℃/分、加振周波数10Hz、加振振幅
25μmでサンプルを振動させることにより測定し、t
anδピークのピーク温度及び強度を求めた。
【0076】〔8〕成形体の外観 得られた成形体において、図1に示す3つの凸部A(高
さ7mm、幅25mm)、B(高さ11mm、幅25m
m)、C(高さ15mm、幅25mm)の各エッジにお
けるピンホール及び欠肉の有無を目視で確認し、以下に
示す4段階で評価した。 1:凸部A,B,Cのいずれのエッジにもピンホール、
欠肉が生じた。 2:凸部Aのエッジにはピンホール、欠肉がないが、凸
部B,Cのエッジにはピンホール、欠肉が生じた。 3:凸部A、Bのエッジにはピンホール、欠肉がない
が、凸部Cのエッジにはピンホール、欠肉が生じた。 4:凸部A、B、Cのいずれのエッジにもピンホール、
欠肉がなかった。
【0077】実施例1 (熱可塑性エラストマー組成物ペレットの製造)プロピ
レン・エチレンランダム共重合体樹脂〔エチレン単位含
有量4.5重量%、MFR=228g/10分、tan
δピークのピーク温度は−2℃、ピーク強度は0.2〕
100重量部と水添共役ジエン系共重合体ゴム〔ブタジ
エン−スチレン重合体の水添物、スチレン単位含有量1
0重量%、水添率99%、複素動的粘度η*(1)=
8.3×103ポイズ、ニュートン粘性指数n=0.1
6、MFR=10g/10分、水添された共役ジエン全
単位に対する炭素数2以上の側鎖を有する水添された共
役ジエン単位の割合は71%、tanδのピーク温度は
−22℃、ピーク強度は1.5〕100重量部を30m
mφ押出機に入れて160℃で混練した後、吐出口径
1.0mmのダイス(温度160℃)から吐出速度1k
g/時/穴で吐き出し、引取速度32m/分で引き取っ
たのち、冷却し、直径0.8mmのストランドを得た。
次いでこのストランドをペレタイザーを用いて切断し
て、球換算平均粒径0.91mm、嵩比重0.47の熱
可塑性エラストマー組成物ペレットを得た。
【0078】(スラッシュ成形法による成形体の製造)
得られた熱可塑性エラストマー組成物ペレット(3)を
容器(2)に投入し、次いで該容器(2)とスラッシュ
成形用の金型(1)とをその周縁部が密着するように互
いに固定して、一体化した(図1)。ここで金型(1)
は、図2に示すように、その成形型面に3つの凹部(深
さ7mm、11mm、15mm、幅はいずれも25m
m)を有し、また成形型面の全面が皮シボ模様であっ
た。また、金型(1)の温度は250℃であった。その
後、直ちに一体化した金型と容器とを一軸回転装置(図
示せず。)を用いて回転軸(4)を中心にして180°
回転させて、熱可塑性エラストマー組成物ペレット
(3)を金型の成形型面上に供給し、次いで15秒間か
けて振幅45°の範囲で2往復揺動させて、成形型面上
に熱可塑性エラストマー組成物ペレットを付着・溶融さ
せた。その後、再び180°回転させて、付着・溶融し
なかった余分の熱可塑性エラストマー組成物ペレットを
容器(2)に回収した。次いで、その成形型面上に熱可
塑性エラストマー組成物ペレットが付着・溶融したまま
の金型(1)を容器(2)から取り外し、250℃のオ
ーブン中で2分間加熱したのち、冷却し、脱型して、成
形体(5)を得た。この成形体(5)は、厚み1.2m
mであり、3つの凸部A(高さ7mm、幅25mm)、
B(高さ11mm、幅25mm)、C(高さ15mm、
幅25mm)を有し、その表面には金型成形型面の皮シ
ボ模様が全面にわたって正確に転写されていた。この成
形体(5)の断面図を図3に示す。評価結果を表1に示
す。
【0079】比較例1 ダイスからの吐出速度を1kg/時/穴、引取速度を1
4m/分とする以外は実施例1と同様に操作して成形体
を得た。評価結果を表1に示す。
【0080】比較例2 実施例1で得た熱可塑性エラストマー組成物を液体窒素
にて−120℃に冷却したのち、冷却状態のまま直ちに
粉砕し、タイラ−標準ふるい32メッシュ(目開き50
0μm×500μm)を通過する熱可塑性エラストマー
組成物パウダーを得た(嵩比重0.29、嵩比重0.2
9)。次いでこの熱可塑性エラストマー組成物パウダー
を用いる以外は実施例1と同様に操作して成形体を得
た。評価結果を表1に示す。
【0081】比較例3 EPDM〔住友化学社製、商品名エスプレンE670
F、プロピレン単位含有量=28重量%、ヨウ素価=1
2〕25重量部に鉱物油系軟化剤〔出光興産社製、商品
名ダイアナプロセスPW−380〕25重量部を添加
し、油展EPDMゴムを得た。次いで、これにプロピレ
ン・エチレンランダム共重合体樹脂〔エチレン単位含有
量4.5重量%、MFR=90g/10分、tanδの
ピーク温度−2℃、ピーク強度は0.2〕50重量部と
架橋助剤〔ビスマレイミド化合物、住友化学社製、商品
名スミファインBM〕0.6重量部とを加え、バンバリ
ーミキサーを用いて10分間混練して、架橋用マスター
バッチを得た。この架橋用マスターバッチ100重量部
に、有機過酸化物〔2,3−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルペルオキシノ)ヘキサン、三建化工社製、商品
名サンペロックスAPO〕0.4重量部を加え、二軸押
出機を用いて剪断速度1.2×103-1、温度200
℃で混練して動的架橋して、熱可塑性エラストマー(複
素動的粘度η*(1)=1.5×103ポイズ、ニュート
ン粘性指数n=0.25)を得た。次いで、この熱可塑
性エラストマーを二軸押出機から押し出し、切断機を用
いて切断した。この熱可塑性エラストマーを30mmφ
押出機に入れて160℃で混練した後、吐出口径1.0
mmのダイス(温度160℃)から吐出速度1kg/時
/穴で吐き出し、引取速度32m/分で引き取った。実
施例1で得た熱可塑性エラストマー組成物ペレットに代
えて、上記で得た熱可塑性エラストマー組成物ペレット
を用いる以外は実施例1と同様に操作して、成形体を得
た。評価結果を表1に示す。
【0082】比較例4 比較例3で得た熱可塑性エラストマー組成物を液体窒素
にて−100℃に冷却したのち、冷却状態のまま直ちに
粉砕し、タイラ−標準ふるい32メッシュ(目開き50
0μm×500μm)を通過する熱可塑性エラストマー
組成物パウダーを得た。次いでこの熱可塑性エラストマ
ー組成物パウダーを用いる以外は実施例1と同様に操作
して成形体を得た。評価結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】*1 配合 (A):ポリオレフィン系樹脂 (B):水添共役ジエン系共重合体ゴム (C):エチレン・α−オレフィン系ゴム ・比較例3においては、ポリオレフィン系樹脂とエチレ
ン・α−オレフィン系ゴムが動的架橋しているが、添加
した架橋剤及び架橋助剤はエチレン・α−オレフィン系
ゴム中に存在しているものとして計算した
【0085】参考例1 EPDM〔住友化学社製、商品名エスプレンE670
F、ML1+4(100℃)=242、プロピレン単位含
有量=28重量%、ヨウ素価=12〕25重量部に鉱物
油系軟化剤〔出光興産社製、商品名ダイアナプロセスP
W−380〕25重量部を添加し、油展EPDMゴム
〔ML1+4(100℃)=53〕を得た。次いで、これ
にプロピレン・エチレンランダム共重合体樹脂〔エチレ
ン単位含有量4.5重量%、 MFR=90g/10
分、tanδのピーク温度は−2℃、ピーク強度は0.
2〕50重量部と架橋助剤〔ビスマレイミド化合物、住
友化学社製、商品名スミファインBM〕0.6重量部と
を加え、バンバリーミキサーを用いて10分間混練し
て、架橋用マスターバッチを得た。この架橋用マスター
バッチ100重量部に、有機過酸化物〔2,3−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシノ)ヘキサン、
三建化工社製、商品名サンペロックスAPO〕0.4重
量部を加え、二軸押出機を用いて剪断速度1.2×10
3-1、温度200℃で混練して動的架橋して、プロピ
レン・エチレンランダム共重合体樹脂と架橋されたEP
DMとを含有する組成物〔複素動的粘度η*(1)=
1.5×103ポイズ、ニュートン粘性指数n=0.2
5〕を得た。
【0086】実施例2 参考例1で得た熱可塑性エラストマー100重量部及び
水添共役ジエン系共重合体ゴム〔ブタジエン−スチレン
重合体の水添物、スチレン単位含有量10重量%、水添
率99%、複素動的粘度η*(1)=8.3×103ポイ
ズ、ニュートン粘性指数n=0.16、MFR=10g
/10分、水添された共役ジエン全単位に対する炭素数
2以上の側鎖を有する水添された共役ジエン単位の割合
は71%、tanδピークのピーク温度は−22℃、ピ
ーク強度は1.5〕20重量部を30mmφ押出機に入
れて160℃に加熱・混練したのち、吐出口径1.0m
mのダイス(温度160℃)から吐出速度1kg/時/
穴で吐き出し、引取速度32m/分で引き取ったのち、
冷却し、直径0.8mmのストランドを得た。次いでこ
れをペレタイザーで切断することにより、球換算平均粒
径0.90mm、嵩比重0.47の熱可塑性エラストマ
ー組成物ペレットを得た(この熱可塑性エラストマー組
成物の複素動的粘度η*(1)=1.0×103ポイズ、
ニュートン粘性指数n=0.15、新たなtanδピー
クのピーク温度−17℃、ピーク強度は1.5)。次い
でこの熱可塑性エラストマー組成物ペレットを用いる以
外は実施例1と同様に操作して成形体を得た。評価結果
を表2に示す。
【0087】比較例5 実施例2で得た熱可塑性エラストマー組成物を液体窒素
にて−100℃に冷却したのち、冷却状態のまま直ちに
粉砕し、タイラ−標準ふるい32メッシュ(目開き50
0μm×500μm)を通過する熱可塑性エラストマー
組成物パウダーを得た。次いでこの熱可塑性エラストマ
ー組成物パウダーを用いる以外は実施例1と同様に操作
して成形体を得た。評価結果を表2に示す。
【0088】参考例2 プロピレン・エチレンランダム共重合体樹脂〔エチレン
単位含有量4.5重量%、MFR=228g/10分〕
66.7重量部とエチレン・プロピレンランダム共重合
体ゴム〔住友化学社製、エスプレンV0141、プロピ
レン単位含有量27重量%、MFR=1g/10分〕3
3.3重量部とを二軸混練機を用いて剪断速度1.2×
103-1、温度200℃で混練して熱可塑性エラスト
マー〔複素動的粘度η*(1)=3.0×103ポイズ、
ニュートン粘性指数n=0.12〕を得た。
【0089】実施例3 参考例2で得た熱可塑性エラストマー100重量部及び
水添共役ジエン系共重合体ゴム〔ブタジエン−スチレン
重合体の水添物、スチレン単位含有量10重量%、水添
率99%、複素動的粘度η*(1)=8.3×103ポイ
ズ、ニュートン粘性指数n=0.16、MFR=10g
/10分、水添された共役ジエン全単位に対する炭素数
2以上の側鎖を有する水添された共役ジエン単位の割合
は71%、tanδのピーク温度は−22℃、ピーク強
度は1.5〕66.7重量部を30mmφ押出機に入れ
て160℃に加熱・混練したのち、吐出口径1.0mm
のダイス(温度160℃)から吐出速度0.8kg/時
/穴で吐き出し、引取速度35m/分で引き取ったの
ち、冷却し、直径0.8mmのストランドを得た。次い
でこれをペレタイザーで切断することにより、球換算平
均粒径0.80mm、嵩比重0.46の熱可塑性エラス
トマー組成物ペレット〔複素動的粘度η*(1)=2.
7×103ポイズ、ニュートン粘性指数n=0.13、
新たなtanδピークのピーク温度−17℃、ピーク強
度1.1〕を得た。次いで次いで実施例1と同様に操作
して成形体を得た。評価結果を表2に示す。
【0090】実施例4 プロピレン・エチレン共重合体樹脂〔エチレン単位含有
量4.5重量%、MFR=228g/10分、tanδ
ピークのピーク温度は−2℃、強度は0.2〕100重
量部、水添共役ジエン系共重合体ゴム〔ブタジエン−ス
チレン共重合体の水添物、スチレン単位含有量10重量
%、水添率99%、η*(1)=8.3×103ポイズ、
n=0.16、MFR=10g/10分、水添された全
共役ジエン単位に対する炭素数2以上の側鎖を有する水
添された共役ジエン単位の割合は71%、tanδピー
クのピーク温度は−22℃、強度は1.5〕10重量
部、及びエチレン・ヘキセン共重合体ゴム〔ダウ・ケミ
カル社製、エンゲージ8400、ヘキセン単位含有量2
5重量%、MFR=30g/10分〕90重量部を二軸
混練機を用いて剪断速度1.2×103-1、温度20
0℃で混練して組成物〔η*(1)=7×102ポイズ、
n=0.02〕を得、次いでこの熱可塑性エラストマー
組成物ペレットを用いる以外は実施例1と同様に操作し
て成形体を得た。評価結果を表2に示す。
【0091】実施例5 プロピレン・エチレン共重合体樹脂〔エチレン単位含有
量4.5重量%、MFR=228g/10分、tanδ
ピークのピーク温度は−2℃、強度は0.2〕100重
量部、水添共役ジエン系共重合体ゴム〔ブタジエン−イ
ソプレン−スチレン共重合体の水添物、スチレン単位含
有量15重量%、水添率95%、η*(1)=6×102
ポイズ、n=0.02、MFR=65g/10分、水添
された全共役ジエン単位に対する炭素数2以上の側鎖を
有する水添された共役ジエン単位の割合は60%、ta
nδピークのピーク温度は−11℃、強度は1.8〕1
00重量部、及びエチレン・プロピレン共重合体ゴム
〔住友化学社製、SPOV0141、プロピレン単位含
有量27重量%、MFR=1g/10分〕50重量部を
二軸混練機を用いて剪断速度1.2×103-1、温度
200℃で混練して組成物〔η*(1)=9×102ポイ
ズ、n=0.03〕を得、これを切断機を用いて切断し
てペレットを得た。次いでこの熱可塑性エラストマー組
成物ペレットを用いる以外は実施例1と同様に操作して
成形体を得た。評価結果を表2に示す。 比較例6 プロピレン・エチレン共重合体樹脂〔エチレン単位含有
量4.5重量%、MFR=228g/10分、tanδ
ピークのピーク温度は−2℃、強度は0.2〕100重
量部、水添共役ジエン系共重合体ゴム〔ブタジエン−ス
チレン共重合体の水添物、スチレン単位含有量10重量
%、水添率99%、η*(1)=8.3×103ポイズ、
n=0.16、MFR=10g/10分、水添された全
共役ジエン単位に対する炭素数2以上の側鎖を有する水
添された共役ジエン単位の割合は71%、tanδピー
クのピーク温度は−22℃、強度は1.5〕4重量部、
及びエチレン・ヘキセン共重合体ゴム〔ダウケミカル社
製、エンゲージ8400、ヘキセン単位含有量25重量
%、MFR=30g/10分〕96重量部を二軸混練機
を用いて剪断速度1.2×103-1、温度200℃で
混練して組成物〔η*(1)=7×102ポイズ、n=
0.02〕を得た。次いでこの熱可塑性エラストマー組
成物ペレットを用いる以外は実施例1と同様に操作して
成形体を得た。
【0092】
【表2】
【0093】*1 配合 (A):ポリオレフィン系樹脂 (B):水添共役ジエン系共重合体ゴム (C):エチレン・α−オレフィン系ゴム
【0094】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、ポ
リオレフィン系樹脂及びゴム質重合体を必須の成分とし
て含有する熱可塑性エラストマー組成物のペレットであ
り、ピンホールや欠肉などを殆ど生ずることなく複雑な
形状の成形体を製造することができ、しかも得られる成
形体は折り曲げた際に殆ど白化することのなく、感触に
優れたものであるという特徴を有する熱可塑性エラスト
マー組成物ペレット、及び該熱可塑性エラストマー組成
物ペレットを用いて得られる成形体を提供することがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱可塑性エラストマー組成物ペレットの入った
容器とスラッシュ成形用金型の断面概念図である。
【図2】スラッシュ成形用の金型の正面図である。
【図3】成形体の断面図である。
【符号の説明】
1:スラッシュ成形用の金型 2:容器 3:熱可塑性エラストマー組成物ペレット 4:回転軸 5:成形体 A:成形体凸部 B:成形体凸部 C:成形体凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 15/00 C08L 15/00 23/16 23/16 // B29K 21:00 23:00 105:04

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマー組成物からなり、
    球換算平均粒径が1.2mm以下であり、かつ嵩比重が
    0.38以上である熱可塑性エラストマー組成物ペレッ
    トであって、該熱熱可塑性エラストマー組成物は、
    (A)ポリオレフィン系樹脂100重量部及び(B)ゴ
    ム質重合体5〜250重量部を含有し、250℃におけ
    る複素動的粘度η*(1)が5.0×104ポイズ以下で
    あり、ニュートン粘性指数nが0.28以下であり、固
    体動的粘弾性測定により測定したtanδ−温度依存性
    曲線の−70℃〜30℃の温度範囲において、前記
    (A)ポリオレフィン系樹脂のtanδピーク温度及び
    前記(B)ゴム質重合体のtanδピーク温度のいずれ
    とも異なる温度に新たなtanδピークを有する熱可塑
    性エラストマー組成物である熱可塑性エラストマー組成
    物ペレット。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマー組成物が、(A)
    ポリオレフィン系樹脂100重量部、(B)ゴム質重合
    体5〜250重量部及びエチレン・α−オレフィン系共
    重合体ゴム500重量部以下を含有する請求項1記載の
    熱可塑性エラストマー組成物ペレット。
  3. 【請求項3】 (B)ゴム質重合体が、共役ジエン系エ
    ラストマー又はその水添物である請求項1記載の熱可塑
    性エラストマー組成物ペレット。
  4. 【請求項4】 (B)ゴム質重合体が、共役ジエンと他
    の単量体との共重合体ゴム又はその水添物である請求項
    1記載の熱可塑性エラストマー組成物ペレット。
  5. 【請求項5】 他の単量体が、ビニル芳香族化合物、ビ
    ニルエステル化合物、エチレン性不飽和カルボン酸エス
    テル化合物又はビニルニトリル化合物である請求項4記
    載の熱可塑性エラストマー組成物ペレット。
  6. 【請求項6】 (B)ゴム質重合体中における他の単量
    体単位含有量が50重量%以下である請求項4記載の熱
    可塑性エラストマー組成物ペレット。
  7. 【請求項7】 新たなtanδピークのピーク温度が、
    (A)ポリオレフィン系樹脂のtanδピーク温度より
    も低温にある請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成
    物ペレット。
  8. 【請求項8】 新たなtanδピークのピーク強度が、
    0.05以上である請求項1記載の熱可塑性エラストマ
    ー組成物ペレット。
  9. 【請求項9】 (B)ゴム質重合体のメルトフローレー
    トが5g/10分以上である請求項1記載の熱可塑性エ
    ラストマー組成物ペレット。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の熱可塑性エラストマー
    組成物ペレットを粉末成形してなる成形体。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の成形体の一方の面側
    に発泡層が積層されてなる二層成形体。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の成形体の一方の面側
    に熱可塑性樹脂芯材が積層されてなる多層成形体。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の二層成形体の発泡層
    側に熱可塑性樹脂芯材が積層されてなる多層成形体。
  14. 【請求項14】 請求項10記載の成形体の一方の面側
    に熱可塑性樹脂溶融体を供給し、加圧する請求項12記
    載の多層成形体の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項11記載の二層成形体の発泡層
    側に熱可塑性樹脂溶融体を供給し、加圧する請求項13
    記載の多層成形体の製造方法。
  16. 【請求項16】 開放された一対の金型間に請求項11
    記載の成形体を供給し、次いで該成形体の一方の面側と
    これに対向する一方の金型との間に熱可塑性樹脂溶融体
    を供給した後又は供給しながら両金型を型締めする請求
    項15記載のの製造方法。
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JP2002166417A (ja) * 2000-09-20 2002-06-11 Sumitomo Chem Co Ltd 熱可塑性エラストマー組成物パウダーの製造方法

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