JPH08109196A - 複合電極およびその製造方法 - Google Patents

複合電極およびその製造方法

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JPH08109196A
JPH08109196A JP6214489A JP21448994A JPH08109196A JP H08109196 A JPH08109196 A JP H08109196A JP 6214489 A JP6214489 A JP 6214489A JP 21448994 A JP21448994 A JP 21448994A JP H08109196 A JPH08109196 A JP H08109196A
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sulfur
bond
electrode
conductive carbon
carbon film
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JP6214489A
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Tadashi Tonomura
正 外邨
Yasushi Uemachi
裕史 上町
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02P20/10Process efficiency
    • Y02P20/129Energy recovery, e.g. by cogeneration, H2recovery or pressure recovery turbines

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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電池等の電気化学素子の電極として用いた
際、酸化還元繰り返し寿命が長く、かつ動作電圧域の広
い電極を提供する。 【構成】 有機ジスルフィド化合物と、N−アルキルー
2ーピロリドンと、ピリジン環のN位が4級化したピリ
ジニウム基を含むビニルピリジンの共重合体とを含有す
る電極活物質を多孔性の導電性カーボンフィルムに担持
一体化した複合電極。この電極を正極に用い、金属リチ
ウム負極と組み合わせることで、充放電に伴い、電池電
圧が4.5V〜1.5Vの間で直線的に単調に減少、増
加する動作電圧の広いリチウム二次電池が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電池、エレクトロクロ
ミック表示素子、センサー、メモリー等の電気化学素子
に用いられる複数の有機化合物よりなる複合電極および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1971年に白川らにより導電性のポリ
アセチレンが発見されて以来、導電性高分子を電極材料
に用いると、軽量で高エネルギー密度の電池や、大面積
のエレクトロクロミック素子、微小電極を用いた生物化
学センサー等の電気化学素子が期待できることから、導
電性高分子電極が盛んに検討されている。また、高エネ
ルギー密度が期待できる有機材料として、米国特許第4,
833,048号に有機ジスルフィド系化合物が提案されてい
る。有機ジスルフィド化合物を正極に用い、負極に金属
リチウムを用いることにより、電圧が3〜2.5Vで、
ニッケルーカドミウム蓄電池、鉛蓄電池等の通常の二次
電池の2〜3倍の大きなエネルギーを持ったリチウム二
次電池が期待できる。有機ジスルフィド化合物は、電気
絶縁体であり、一般にカーボン粉末等の導電剤と複合化
して電池の電極として用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな有機ジスルフィド化合物は、酸化還元(充放電)を
繰り返すと、電極容量が徐々に減少するという問題があ
る。有機ジスルフィド化合物を酸化(充電)すると、電
気絶縁性でかつイオン伝導性に乏しいポリジスルフィド
化合物が生成する。ポリジスルフィド化合物は、電解質
に対する溶解性が乏しい。一方、このポリジスルフィド
化合物が還元(放電)によりモノマー化した際に生成す
る有機ジスルフィドモノマーは、電解質に対する溶解性
が高い。従って、酸化還元を繰り返すと、モノマー化し
たジスルフィドが一部電解質に溶解し、溶解したモノマ
ーは、電極中にもともと位置していた場所と異なる場所
でポリマー化し、カーボン等の導電剤から離れてポリマ
ー化して析出したポリジスルフィド化合物は電極内の電
子・イオン伝導のネットワークから孤立し、電極反応に
関与しなくなる。酸化還元を繰り返すと、孤立するポリ
ジスルフィド化合物が増加して、電池の容量が徐々に低
下する。本発明は、このような問題を解決し、酸化還元
(充放電)を繰り返しても容量低下のし難い高容量の複
合電極を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の複合電極は、少
なくとも有機ジスルフィド化合物と、Nーアルキルー2
ーピロリドンと、ピリジン環のN位が4級化したピリジ
ニウム基を含むビニルピリジンの共重合体とを含む電極
活物質を多孔性の導電性カーボンフィルムに担持一体化
した構成を有する。ここに、有機ジスルフィド化合物
は、電解還元により硫黄ー硫黄結合が開裂して硫黄ー金
属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、電解酸化に
より硫黄ー金属イオン結合が元の硫黄ー硫黄結合を再生
する化合物である。また、N−アルキルー2ーピロリド
ンは、RーNC46Oで表され、Rは水素原子またはア
ルキル基であり、Rは水素原子、メチル基、エチル基ま
たはnーブチル基が好ましい。
【0005】多孔性の導電性カーボンフィルムは、フッ
素樹脂とカーボン粉末の複合体であることが好ましい。
また、多孔性の導電性カーボンフィルムの一方の面に前
記電極活物質が担持されており、他方の面に金属箔が接
合されている構成が好ましい。本発明の複合電極の製造
方法は、有機ジスルフィド化合物とピリジン環のN位が
4級化したピリジニウム基を含むビニルピリジンの共重
合体とをN−アルキルー2ーピロリドンに溶解した粘性
溶液を、多孔性の導電性カーボンフィルム上に塗布した
のち、真空下あるいは不活性ガス雰囲気下で加熱する工
程を有する。この加熱工程により粘性溶液中のN−アル
キルー2ーピロリドンを除去して固形の複合電極を得
る。この際、N−アルキルー2ーピロリドンは必ずしも
完全に除去する必要はない。
【0006】
【作用】N−アルキルー2ーピロリドン(以下NAPと
略す)は、有機ジスルフィド化合物と複合体を形成し、
有機ジスルフィドモノマーの電解質中への溶解・散逸を
軽減するとともに、ポリジスルフィドの析出を軽減す
る。ピリジン環のN位が4級化したピリジニウム基を含
むビニルピリジンの共重合体(以下PVPと略す)は、
複合電極に適度の可撓性を与え、薄膜状の二次電池ある
いはその他の電気化学デバイスの構成を可能とするとと
もに、NAPと有機ジスルフィド化合物との複合体が酸
化還元(充電放電)を受けるにあたって、電解質中への
有機ジスルフィドモノマーの溶解・散逸を軽減する。
【0007】従って、本発明の複合電極は、繰り返し酸
化還元(充放電)を行っても容量の低下が少ない。さら
に、多孔性の導電性カーボンフィルム(以下、C−フィ
ルムと呼ぶ)上に形成したNAPと有機ジスルフィド化
合物とPVPよりなる複合体は、4.5Vから1.5V
にわたって、電池放電時には単調に減少し、電池充電時
には単調に増加する電圧特性を与える。3V〜2.5V
の間で比較的平坦な電圧特性を与える有機ジスルフィド
化合物単独の場合とは全く異る。C−フィルム上に担持
一体化した複合体は、全く予期せぬ電圧特性効果を与え
る。
【0008】
【実施例】本発明のビニルピリジンの共重合体として
は、NAPに10wt%以上の溶解性を有し、かつ、プ
ロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の非プ
ロトン性溶媒に溶解性をほとんど示さないものが好まし
い。共重合主成分としては、4ービニリピリジンあるい
は4級化4ービニルピリジンが好ましい。このようなビ
ニルピリジンの共重合体としては、広栄化学工業(株)
製の「MH−1」がある。ビニルピリジンと共重合する
他の共重合成分としては、重合可能なビニル化合物なら
いずれも使用可能である。このようなビニル化合物とし
て、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらのエステ
ル類、あるいは塩化ビニル、アクリロニトリル、酢酸ビ
ニル、スチレン等がある。なかでも(メタ)アクリル酸
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチ
ルなどのヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリル酸
エステル類は好ましい例である。共重合比は、モル比
で、ビニルピリジンが50%以上であることが好まし
い。
【0009】ジスルフィド系化合物としては、米国特許
第4,833,048号に述べられてる一般式(R(S)yn
表される化合物を用いることができる。Rは脂肪族基ま
たは芳香族基、Sは硫黄、yは1以上の整数、nは2以
上の整数である。HSCH2CH2SHで表されるジチオ
グリコール、C22S(SH)2で表される2,5−ジ
メルカプトー1,3,4−チアジアゾール、C333
3で表されるs−トリアジン−2,4,6−トリチオ
ール、C6643で表される7ーメチル−2,6,8
−トリメルカプトプリン、あるいはC4642で表さ
れる4,5−ジアミノー2,6−ジメルカプトピリミジ
ン等が用いられる。何れも市販品をそのまま用いること
ができる。
【0010】NAPとしては市販の試薬をそのまま、あ
るいはゼオライト吸着剤により水分を20ppm以下に
低減したものを用いることができる。ピロリドン、N−
メチルー2ーピロリドン、N−エチルー2ーピロリド
ン、Nーブチルー2ーピロリドン等を用いることができ
る。多孔性の導電性カーボンフィルム(C−フィルム)
としては、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛粉末あるいは短
繊維、カーボンブラック粉末等のカーボン材料とポリテ
トラフルオロエチレン、フルオロエチレンとエチレンと
の共重合体等のフッ素樹脂、SBR、NBR等の合成ゴ
ム、あるいはアクリル樹脂等の合成樹脂と複合化したも
のを用いることができる。例えば、繊維状のフッ素樹脂
を水あるいは有機溶媒に分散した液にカーボン材料を分
散して得られるスラリーをガラス基板上に流延した後、
水あるいは有機溶媒を除去することで多数の連続気孔を
有する多孔性の導電性C−フィルムを得ることができ
る。10-2 S/cm以上の良好な導電性を得るため
に、C−フィルム中のカーボン材料の含有量は、15容
量%以上が好ましい。また、連続気孔の占める割合(多
孔度)は50容積%以上が好ましい。
【0011】有機ジスルフィド化合物とNAPとビニル
ピリジンの共重合体との複合化は、先ず、ビニルピリジ
ンの共重合体を溶解したNAP中に、有機ジスルフィド
化合物を溶解することで行う。有機ジスルフィドとNA
Pとの割合は、有機ジスルフィド化合物1重量部に対
し、NAPは0.1〜2重量部が好ましい。ビニルピリ
ジン共重合体は、有機ジスルフィド化合物とNAPの合
計量に対し、1〜50重量%であることが好ましい。有
機ジスルフィド化合物が還元して塩を形成する際の金属
イオンには、前述の米国特許に述べられているアルカリ
金属イオン、アルカリ土類金属イオンに加えて、プロト
ンも用いることができる。特に、アルカリ金属イオンと
してリチウムイオンを用いる場合は、リチウムイオンを
供給および捕捉する電極として金属リチウムあるいはリ
チウムーアルミニウム等のリチウム合金を用い、リチウ
ムイオンを伝導する電解質を用いると電圧が約3ボルト
で200Wh/kgを越える高いエネルギー密度を持っ
たリチウム二次電池が構成できる。また、プロトンを用
い、プロトンを供給および捕捉する電極として LaN
5等の金属水素化物を用い、プロトンを伝導する電解
質を用いると電圧が1から2ボルトの電池が構成でき
る。なお、本発明の複合電極には、上記成分の他、必要
により、カーボン等の導電剤、合成ゴム、樹脂、セラミ
ック粉末等の形状付与剤・補強剤を加えることができ
る。
【0012】[実施例1]2,5−ジメルカプトー1,
3,4−チアジアゾール(以下、DMcTと呼ぶ)のモ
ノマー粉末2grをビニルビリジン共重合体として広栄
化学工業製の「MH−1」を10%溶解したNーメチル
ー2ーピロリドン(以下、NMPと呼ぶ)5grに溶解
し、粘性のある黄色透明のDMcTーNMPーPVP粘
性溶液を得た。この粘性溶液を厚さ30μmのチタン箔
に接合した繊維状のフッ素樹脂とカーボンブラックより
なる厚さ80μmのC−フィルム上に90μmの厚さに
塗布し、Arガス気流中で80℃で15分加熱したの
ち、1cmHgの減圧下で80℃で減圧加熱処理し、厚
さ15μmの複合体膜をC−フィルム上に形成した。塗
布した粘性溶液中のNMPのうち、約70wt%が加熱
および減圧加熱処理により散逸する。DMcTおよびP
VPは加熱および減圧加熱処理によりほとんど散逸しな
い。得られた複合体膜をC−フィルムおよびチタン箔と
一緒に2×2cm角に切断して電極Aを得た。
【0013】[比較例1]DMcTモノマー粉末2gr
をNMP5grに溶解し粘性のある黄色透明のDMcT
ーNMP粘性溶液を得た。この粘性溶液を厚さ30μm
のチタン箔に接合した繊維状のフッ素樹脂とカーボンブ
ラックよりなる厚さ80μmのC−フィルム上に90μ
mの厚さに塗布し、Arガス気流中で80℃で15分加
熱したのち、1cmHgの減圧下で80℃で減圧加熱処
理し、厚さ15μmの複合体膜をC−フィルム上に形成
した。得られた膜をC−フィルムとチタン箔と一緒に2
×2cm角に切断して電極Bを得た。
【0014】[比較例2]DMcTモノマー粉末2gr
をビニルビリジン共重合体として広栄化学工業製の「M
H−1」を10%溶解したNMP5grに溶解し粘性の
ある黄色透明のDMcTーNMPーPVP粘性溶液を得
た。この粘性溶液を30μmのチタン箔上に90μmの
厚さに塗布し、Arガス気流中で80℃で15分加熱し
たのち、1cmHgの減圧下で80℃で減圧加熱処理
し、厚さ15μmの複合体膜をTi箔上に形成した。得
られた複合体膜をチタン箔と一緒に2×2cm角に切断
して電極Cを得た。
【0015】[実施例2]4,5−ジアミノー2,6−
ジメルカプトピリミジン(以下、DDPyと呼ぶ)のモ
ノマー粉末2grをビニルビリジン共重合体を10%溶
解したNーエチルーピロリドン(以下、NEPと呼ぶ)
5grに溶解し、粘性のある黄色透明のDDPyーNE
PーPVP粘性溶液を得た。この粘性溶液を厚さ30μ
mのSUS430ステンレス鋼箔に接合した繊維状のフ
ッ素樹脂とカーボンブラックよりなる厚さ80μmのC
−フィルム上に90μmの厚さに塗布し、Arガス気流
中で80℃で15分加熱したのち、1cmHgの減圧下
で80℃で減圧加熱処理し、厚さ15μmの複合体膜を
C−フィルム上に形成した。塗布した粘性溶液中のNE
Pのうち、約75wt%が加熱および減圧加熱処理によ
り散逸する。DDPyおよびPVPは、加熱および減圧
加熱処理によりほとんど散逸しない。得られた複合体膜
をC−フィルムおよびステンレス鋼箔と一緒に2×2c
m角に切断して電極Dを得た。なお、ここで用いたビニ
ルピリジン共重合体は、4ービニルピリジンとスチレン
とを通常の方法で70:30のモル比で共重合したの
ち、得られた共重合体を臭化メチルと反応することで、
4ービニルピリジンのピリジン環のN位にメチル基を導
入し4ービニルピリジン部分を4級化することで得た重
量平均分子量約50000の共重合体である。
【0016】[比較例3]DDPy−NEPーPVP粘
性溶液を厚さ30μmのSUS430ステンレス箔に直
接塗布した以外は実施例2と同様にして電極Eを得た。
【0017】[実施例3]s−トリアジン−2,4,6
−トリチオール(以下、TTAと呼ぶ)のモノマー粉末
2grをビニルビリジン共重合体として広栄化学工業製
の「MH−1」を10%溶解したNMP7.5grに溶
解し粘性のある黄色透明のTTAーNMPーPVP粘性
溶液を得た。この粘性溶液を厚さ10μmのチタン箔に
接合した繊維状のフッ素樹脂とカーボンブラックよりな
る厚さ20μmのC−フィルム上に90μmの厚さに塗
布し、Arガス気流中で80℃で15分加熱したのち、
1cmHgの減圧下で80℃で減圧加熱処理し、厚さ1
5μmの複合体膜をC−フィルム上に形成した。塗布し
た粘性溶液中のNMPのうち、約70wt%が加熱およ
び減圧加熱処理により散逸する。TTAおよびPVP
は、加熱および減圧加熱処理によりほとんど散逸しな
い。得られた複合体膜をC−フィルムおよびチタン箔と
一緒に2×2cm角に切断して電極Fを得た。
【0018】[比較例4]TTA−NMPーPVP粘性
溶液を厚さ10μmのチタン箔に塗布した以外は実施例
3と同様にして電極Gを得た。
【0019】実施例1、2、3、および比較例1、2、
3、4で得た電極A、D、F、およびB、C、E、Gを
正極として用い、厚み0.3mmの金属リチウムを負極
とし、LiBF4を1M溶解したプロピレンカーボネー
ト/エチレンカーボネート(1:1容積比)溶液20.
7grでポリアクリロニトリル3.0grをゲル化した
ゲル電解質を厚み0.6mmのセパレータ層として用
い、2×2cm角の電池A、B、C、D、E、F、Gを
構成した。電池A、B、C、D、E、F、Gを、20℃
において、0.2mAの一定電流で、4.5〜1.5V
の範囲で充放電し、各充放電サイクルでの放電容量(単
位:mAh)を測定し、充放電サイクルの進行に伴う放
電容量の減少の程度により電極性能を評価した。結果を
表1に示す。また、5サイクル目の充放電時の電圧を、
電池A、B、Cについては図1に、電池D、Eについて
は図2に、電池F、Gについては図3にそれぞれ示す。
【0020】
【表1】
【0021】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例1、2、3の電極A、D、Fを用いた電池
は、それぞれ対応する比較例の電極B、C、E、Gを用
いた電池に較べ、充放電サイクルの進行に伴う放電容量
の低下が小さい。また、図1、2、3に示した充放電中
の電池電圧は、本発明に従う実施例1、2、3のC−フ
ィルムと一体化した電極A、D、Fを用いた電池は、
4.5V〜1.5V広い電圧領域で直線的に単調に変化
する電圧を与える。これに対し、比較例1、2、3のC
−フィルムを用いない電極C、E、Gを用いた電池は、
従来の有機ジスルフィド化合物のみを電極活物質とした
電池の電圧と同様に、3V〜2.5V付近に比較的平坦
な電圧を与えるのみである。本発明に従う電極は、電圧
挙動は、従来の有機ジスルフィド化合物のみを電極活物
質とした電極とは、明らかに異なる電圧挙動を与える。
従って、本発明に従う電極は、従来の有機ジスルフィド
化合物を成分として含んではいるが、全く異なる電圧挙
動を与えることから、NAPとPVPとで複合体を形成
しC−フィルムと一体化することで全く異なる物質を形
成していると本発明者らは考えている。
【0022】なお、実施例では、電極性能の評価に金属
リチウムを負極とする電池を用いて電極性能の評価を行
った結果を示したが、リチウムとアルミニウム、マンガ
ン、鉛等のリチウム合金よりなる負極と組み合わせて用
いることもできる。黒鉛等のカーボン材料よりなる負極
と組み合わせて用いることも可能である。また、実施例
では電解質としてポリアクリロニトリルによりゲル化し
た有機電解液を用いたが、この他に、リチウム塩を溶解
したポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド等のポリマー電解質を用いることもできる。あるい
は、沃化リチウム、燐酸リチウム、珪酸リチウム、リチ
ウムシリサイド、硫化リチウム等を出発物質とするリチ
ウムイオン伝導性の固体電解質も使用可能である。さら
に、電池の他に、本発明の電極を対極に用いることで発
色・退色の繰り返し寿命の長いエレクトロクロミック素
子を得ることができるし、また、書き込み・読み出し繰
り返し寿命の長い電気化学アナログメモリーを構成する
こともできる。
【0023】
【発明の効果】本発明に従い、有機ジスルフィド化合物
とN−アルキルー2−ピロリドンとビニルピリジンの共
重合体と複合化し多孔性の導電性カーボンフィルムと一
体化した複合電極は、酸化還元を繰り返し行ってもサイ
クルの進行に伴う容量低下が小さくなる。このような複
合電極をリチウム二次電池の正極に用いると、充放電サ
イクル寿命の長い電池を得ることができる。さらに、
4.5Vから1.5Vの広い電圧範囲で、直線的に単調
に電圧が上昇(充電時)、下降(放電時)する電池電圧
を有するリチウム二次電池を提供することができる。さ
らに、本発明の複合電極を対極に用いることにより、発
色・退色の繰り返し寿命の長いエレクトロクロミック素
子を得ることができるし、また、書き込み・読み出し繰
り返し寿命の長い電気化学アナログメモリーを構成する
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の電極A、比較例1の電極B、および
比較例2の電極Cをそれぞれ正極に用いたリチウム二次
電池の充放電電圧を示す図である。
【図2】実施例2の電極D、および比較例3の電極Eを
それぞれ正極に用いたリチウム二次電池の充放電電圧を
示す図である。
【図3】実施例3の電極F、および比較例4の電極Gを
それぞれ正極に用いたリチウム二次電池の充放電電圧を
示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 9358−4B // C12N 7/00 8931−4B H01M 4/02 B 4/04 A 4/60 10/40 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解還元により硫黄ー硫黄結合が開裂し
    て硫黄ー金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
    電解酸化により硫黄ー金属イオン結合が元の硫黄ー硫黄
    結合を再生する有機ジスルフィド化合物と、N−アルキ
    ルー2ーピロリドンと、ピリジン環のN位が4級化した
    ピリジニウム基を含むビニルピリジンの共重合体とを含
    有する電極活物質を多孔性の導電性カーボンフィルムに
    担持一体化したことを特徴とする複合電極。
  2. 【請求項2】 多孔性の導電性カーボンフィルムがフッ
    素樹脂とカーボン粉末の複合体である請求項1記載の複
    合電極。
  3. 【請求項3】 多孔性の導電性カーボンフィルムの一方
    の面に前記電極活物質が担持されており、他方の面に金
    属箔が接合されている請求項1記載の複合電極。
  4. 【請求項4】 電解還元により硫黄ー硫黄結合が開裂し
    て硫黄ー金属イオン(プロトンを含む)結合を生成し、
    電解酸化により硫黄ー金属イオン結合が元の硫黄ー硫黄
    結合を再生する有機ジスルフィド化合物とピリジン環の
    N位が4級化したピリジニウム基を含むビニルピリジン
    の共重合体とをN−アルキルー2ーピロリドンに溶解し
    た粘性溶液を、多孔性の導電性カーボンフィルム上に塗
    布したのち、真空下あるいは不活性ガス雰囲気下で加熱
    する工程を有する複合電極の製造方法。
JP6214489A 1994-08-19 1994-09-08 複合電極およびその製造方法 Pending JPH08109196A (ja)

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JP6214489A JPH08109196A (ja) 1994-08-19 1994-09-08 複合電極およびその製造方法

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