JPH081089A - 低溶剤型塗料組成物の塗装方法 - Google Patents

低溶剤型塗料組成物の塗装方法

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JPH081089A
JPH081089A JP14191894A JP14191894A JPH081089A JP H081089 A JPH081089 A JP H081089A JP 14191894 A JP14191894 A JP 14191894A JP 14191894 A JP14191894 A JP 14191894A JP H081089 A JPH081089 A JP H081089A
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group
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average molecular
vinyl
coating composition
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JP14191894A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Marutani
義明 丸谷
Takashi Tomita
敬 富田
Tadamitsu Nakahama
忠光 中浜
Hiroyuki Uemura
浩行 植村
Ichiyo Koga
一陽 古賀
Mika Oosawa
美香 大澤
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】自動車等の被塗物に、特に耐水性及び耐チッピ
ング性に優れた塗膜を提供する、低溶剤型塗料組成物の
塗装方法の提供。 【構成】(1)酸無水物基及び/又はブロック化カルボ
キシル基と、エポキシ基とを必須官能基として有し、か
つそれぞれの基が同一又は異なる分子中に存在する1種
以上のビニル重合オリゴマーと、(2)塩基性の硬化触
媒とを含み、有機溶剤量が0〜35%である低溶剤型塗
料組成物(A)を、(1)1分子中に水酸基及び/又は
ブロック化水酸基を有するビニル重合オリゴマーと、
(2)イミノ型又はメチロール型の1核体メラミンを5
0〜100%含有するメラミン樹脂と、(3)弱酸性触
媒とを含有する未乾燥状態の塗料組成物(B)上に、ウ
ェットオンウェットで塗装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、自動車のベース
コートと組合せてクリヤー塗料を塗装するのに適した低
溶剤型塗料組成物の塗装方法に関する。特に、本発明
は、ベースコートの硬化性を低下させることなく、塗膜
の耐水性及び耐チッピング性を改良できるとともに、使
用する有機溶剤量を0〜35%まで低減できる低溶剤型
塗料組成物の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機溶剤を使用する塗料において
は、その塗料を構成する有機溶剤の気化によって環境が
汚染されるのを防止するために、有機溶剤の放出につい
て厳しい制限が課される傾向にある。このため、有機溶
剤量を大幅に低減するか又は実質的に使用しない高固形
分(ハイソリッド)塗料組成物が広く検討されるように
なってきた。従来より、ベースコートや、クリヤー塗料
として使用するのに適した高固形分塗料組成物として、
例えば、水酸基を必須官能基として有する樹脂と、完全
にアルコキシ化したメラミンからなるメラミン樹脂等の
硬化剤とを使用する高固形分塗料組成物が知られてい
る。この高固形分塗料組成物は、樹脂と硬化剤との硬化
反応を向上させるため、硬化触媒として強酸触媒が使用
されている。しかしながら、このような高固形分塗料組
成物をクリヤー塗料として使用して塗膜を形成した場合
に、酸性雨が降り注ぐと、その酸性雨に含まれる酸(硫
酸や硝酸)が塗膜に作用し、これを分解し、雨とともに
分解物を流出させる。このため、塗膜表面には、微細な
凹凸ができ、これが一種のシミのように現れ、問題とな
っていた。この問題を解消するために、カルボキシル基
とエポキシ基との反応により硬化するクリヤー塗料を適
用することが試みられ、その場合に、硬化触媒として塩
基性の触媒が使用された。しかしながら、ベースコート
には強酸触媒が使用されているので、ベースコートの上
に、塩基性触媒を含むクリヤー塗料を塗布すると、塩基
性触媒と強酸触媒とが硬化作用を相殺仕合ったり、ベー
スコート中の強酸触媒がクリヤー塗料中のエポキシ基と
反応するなど、ベースコートの硬化性を著しく低下させ
るとともに、ベースコートの中塗塗料への付着性の低
下、ひいては、得られる塗膜の耐水性及び耐チッピング
性の低下という新たな問題が生じた。このため、従来よ
り、上記のような問題点を解消し、しかも有機溶剤を大
幅に低減できる低溶剤型塗料組成物の塗装方法が強く要
望されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、塗
膜の耐水性及び耐チッピング性を改良し、かつ有機溶剤
の使用量を大幅に低減した低溶剤型塗料組成物の塗装方
法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、鋭意検討した結果、(1)酸無水物基
及び/又はブロック化カルボキシル基と、エポキシ基と
を必須官能基として有し、かつ数平均分子量700〜1
500、重量平均分子量700〜3000、重量平均分
子量/数平均分子量1.0〜2.0を有する1種以上の
ビニル重合オリゴマーであって、前記酸無水物基及び/
又はブロック化カルボキシル基と、エポキシ基とが同一
又は異なる分子中に存在するビニル重合オリゴマーと、
(2)塩基性の硬化触媒とを含み、有機溶剤量が0〜3
5%である低溶剤型塗料組成物(A)を、(1)1分子
中に水酸基及び/又はブロック化水酸基を有しかつ数平
均分子量700〜2500、重量平均分子量700〜7
500、重量平均分子量/数平均分子量1.0〜3.0
を有するビニル重合オリゴマーと、(2)以下の式:
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1〜R6は、独立に水素原子、メチ
ロール基又は炭素数1〜5のアルコキシ基であり、ただ
しR1〜R6が同時に前記アルコキシ基であることはな
い。)で示されるイミノ型又はメチロール型の1核体メ
ラミンを50〜100%含有するメラミン樹脂と、
(3)弱酸性触媒とを含有する未乾燥状態の塗料組成物
(B)上に、ウェットオンウェットで塗装することによ
り、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達
したものである。
【0007】以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明で使用される低溶剤型塗料組成物(A)における
ビニル重合オリゴマーは、酸無水物基及び/又はカルボ
キシル基をブロックしたブロック化カルボキシル基と、
エポキシ基とを必須官能基として含有する。酸無水物基
は、式:−CO−O−CO−で示される構造を有する。
ブロック化カルボキシル基としては、以下の式(1)で
示されるものが好ましいものとして例示することができ
る。
【0008】
【化3】
【0009】ここで、Zは、カルボキシル基の水酸基に
結合したブロック化剤に由来するブロック基である。こ
のZとしては、以下の式で示されるブロック基が、好ま
しいものとして例示することができる。 〔1〕シリルブロック基 シリルブロック基としては、以下の式(2)で示される
シリルブロック基を例示することができる。
【0010】
【化4】
【0011】上記式(2)のR1〜R3は、各々独立してア
ルキル基又はアリール基である。アルキル基としては、
炭素原子数1〜10個の直鎖又は分岐を有するアルキル
基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基等の炭素原子数1〜8個の低級アルキル基が
特に好ましい。アリール基としては、置換基を有しても
よい、フェニル基、ナフチル基、インデニル基等が含ま
れ、特に、フェニル基が好ましい。式(2)で示される
シリルブロック基としては、トリメチルシリル基、ジエ
チルメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、ブチル
ジメチルシリル基、ブチルメチルエチルシリル基、フェ
ニルジメチルシリル基、フェニルジエチルシリル基、ジ
フェニルメチルシリル基、ジフェニルエチルシリル基等
が挙げられる。特に、R1〜R3の分子量が小さい程、揮発
成分が少なくなり、有機溶剤量を低減させるので好まし
い。このようなシリルブロック基を形成するブロック化
剤としては、ハロゲン化シランが好ましいものとして使
用することができる。ハロゲンシランに含まれるハゲン
原子としては、塩素原子又は臭素原子等が挙げられる。
具体的なブロック化剤としては、例えば、トリメチルシ
リルクロライド、ジエチルメチルシリルクロライド、エ
チルジメチルシリルクロライド、ブチルジメチルシリル
ブロマイド、ブチルメチルエチルシリルブロマイド等が
挙げられる。 〔2〕ビニルエーテルブロック基 ビニルエーテルブロック基としては、以下の式(3)で
示されるビニルエーテルブロック基が例示される。
【0012】
【化5】
【0013】上記式のR1、R2及びR3は、それぞれ独立に
水素原子又は炭素原子数1〜18の炭化水素基である。
R4は、炭素原子数1〜18の炭化水素基である。Yは、
酸素原子又は硫黄原子である。また、R3とR4とは互いに
結合して、Yをヘテロ原子とする複素環を形成してもよ
い。上記式中における炭化水素基としては、アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基等が挙げられる。ア
ルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基等の炭素原子数1〜8個の低級アルキル
基が特に好ましい。シクロアルキル基としては例えば、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アリール基としては、置換基を有してもよい、フェニル
基、ナフチル基、アントラセン基等が含まれ、特に、フ
ェニル基が好ましい。このようなビニルエーテルブロッ
ク基は、脂肪族ビニルエーテル又はチオエーテル又は環
状ビニルエーテル又はチオエーテルをカルボキシル基の
水酸基に反応させることによって形成することができ
る。脂肪族ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビ
ニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、
シクロヘキシルビニルエーテル等、又はこれに対応する
ビニルチオエーテルが挙げられる。環状ビニルエーテル
としては、例えば、2,3−ジヒドロフラン、3,4−
ジヒドロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−
2−メトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,
4−ジメチル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒ
ドロ−2−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ
−2H−ピラン−2−カルボン酸ナトリム等が挙げられ
る。
【0014】エポキシ基には、非脂環式エポキシ基及び
脂環式エポキシ基が含まれる。非脂環式エポキシ基とし
ては、例えば、1,2−エポキシ基や、1,3−エポキ
シ基等のアルキル基の炭素原子間に酸素原子によるエポ
キシ結合が形成されたのもが挙げられる。脂環式エポキ
シ基としては、5又は6員環(有橋炭化水素も含まれ
る)において、環の隣接する炭素原子間に酸素原子がエ
ポキシ結合したものが挙げられる。但し、脂環式エポキ
シ基の場合、以下で説明する塩基性の硬化触媒による硬
化反応性が非脂環式エポキシ基の場合よりも劣るので、
非脂環式エポキシ基を使用することが実際上好ましい。
上記低溶剤型塗料組成物(A)に使用されるビニル重合
オリゴマーの数平均分子量(Mn)は、700〜1500
である。数平均分子量が700よりも小さい場合には、
塗膜形成能が低下し、得られた塗膜の強度が低下し、耐
ガソリン性及び耐擦り傷性が低下する。一方、数平均分
子量が1500よりも大きくなると、塗料の粘度が大き
くなり過ぎるので適当ではない。好ましい数平均分子量
は、700〜1200である。上記低溶剤型塗料組成物
(A)で使用するビニル重合オリゴマーの重量平均分子
量/数平均分子量(Mw/Mn)は、1.0〜2.0であ
る。重量平均分子量/数平均分子量が2.0より大きい
場合には、分子量の大き過ぎるオリゴマーや分子量が小
さ過ぎるアクリルオリゴマーが相対的に多く含まれるよ
うになり、分子量が大き過ぎる場合や小さ過ぎる場合に
生じる問題が起こる。好ましい重量平均分子量/数平均
分子量は、1.9以下である。なお、下限は、理論的に
は1.0であり、ビニル重合オリゴマーの分子量が、本
発明の範囲内において小さい程、理論値に近づけること
が容易となり、極めて均一な特性を有する塗料組成物が
得られる。本発明で使用するビニル重合オリゴマーの重
量平均分子量(Mw)は、上記数平均分子量及び重量平均
分子量/数平均分子量に対応して、700〜2500で
ある。好ましい重量平均分子量は、700〜2000で
ある。
【0015】上記低溶剤型塗料組成物(A)で使用され
るビニル重合オリゴマーは、ラジカル重合性不飽和結合
基を有するモノマーを重合又は共重合することによって
得られる。例えば、ビニル重合オリゴマーを、アクリル
酸又はメタクリル酸モノマーから合成すると、アクリル
系オリゴマーが得られる。本発明で使用するビニル重合
オリゴマーは、1分子中に1個又は複数個の酸無水物基
又はブロック化カルボキシル基若しくはエポキシ基を有
する。酸無水物基又はブロック化カルボキシル基及びエ
ポキシ基は、同一のビニル重合オリゴマー中に存在して
いてもよく、一方、それぞれ別個のビニル重合オリゴマ
ー中に存在していてもよい。1分子中に含まれる酸無水
物基又はブロック化カルボキシル基の数は、使用するビ
ニル重合オリゴマーの分子量にもよるが、好ましくは1
〜5個である。1個より少ない場合には、耐擦り傷性及
び耐ガソリン性が低下するので、好ましくない。一方、
5個より多くなると、塗料の粘度が高くなり、やはり好
ましくない。好ましい酸無水物基及び/又はブロック化
カルボキシル基の数は、3〜4個である。1分子中に含
まれるエポキシ基の数は、使用するビニル重合オリゴマ
ーの分子量にもよるが、好ましくは1〜5個、更に好ま
しくは2〜4個である。エポキシ基の数が2個よりも少
ない場合には、塗膜の強度が低下するので好ましくな
い。一方、エポキシ基の数が5個を越えると、粘度が高
くなり過ぎ、また塗膜が脆弱となるので好ましくない。
本発明で使用される低溶剤型塗料組成物(A)において
は、酸無水物基は、大気中の水分又は水(以下、単に水
分と言う)の存在下に遊離カルボキシル基を生じる。ま
た、ブロック化カルボキシル基は、水分の存在下でしか
もカルボキシル基が若干でも存在する場合には、そのカ
ルボキシル基が触媒となって、またそのようなカルボキ
シル基が存在しない場合には、弱酸又はその酸無水物、
例えば、リン酸等を触媒として存在させることにより、
ブロック化剤を脱離して、遊離のカルボキシル基を生ず
る。酸無水物基又はブロック化カルボキシル基から生成
したこの遊離カルボキシル基は、エポキシ基と反応し
て、エステル結合を形成して、ビニル重合オリゴマー間
の架橋を形成する(硬化させる)とともに、エポキシ基
由来の2級の水酸基を生ずる。酸無水物基が存在する場
合、この2級の水酸基は、酸無水物基と反応して、エス
テル結合を形成し、同様にしてビニル重合オリゴマーの
硬化を起こさせる。
【0016】低溶剤型塗料組成物(A)で使用するビニ
ル重合オリゴマーは、1分子中に、必須官能基としての
上記酸無水物基及び/又はブロック化カルボキシル基又
はエポキシ基とともに、必要に応じて、シラノール基、
加水分解によってシラノール基を生ずる基(以下、加水
分解性シリル基と言う)、水酸基及びその水酸基をブロ
ックしたブロック化水酸基からなる群から選択される官
能基を有してもよい。また、1分子中に、酸無水物基又
はブロック化カルボキシル基及びエポキシ基を有さず、
シラノール基、加水分解性シリル基、水酸基及びブロッ
ク化水酸基からなる群から選択される官能基を有するビ
ニル重合オリゴマーを、上記低溶剤型塗料組成物(A)
で使用する酸無水物基又はブロック化カルボキシル基又
はエポキシ基を有するビニル重合オリゴマーと併用して
もよい。シラノール基は、水酸基との間で、 Si-O 結合
を形成する。また、加水分解性シリル基は、水分の存在
下で、好ましくは例えば、リン酸、カルボン酸、ジブチ
ルスズジラウレート、ジメチルスズジクロライド、ジブ
チルスズジマレート等の解離触媒の存在下において、シ
ラノール基を生成し、同様にして、水酸基と反応して、
Si-O 結合を形成する。また、シラノール基同志でも反
応して、 Si-O-Si結合を形成する。この Si-O 結合又は
Si-O-Si結合が塗膜中に存在すると、塗膜の強度は向上
し、また柔軟性が増す。
【0017】また、水酸基を導入することにより、水酸
基は酸無水物基と反応して、エポキシ基と反応するカル
ボキシル基を生成する。ブロック化水酸基は、例えば、
リン酸やカルボン酸などのブレンステッド酸等の解離触
媒の作用によって、水酸基を生成し、上記と同様の機構
により、カルボキシル基を生成する。なお、シラノール
基及び水酸基をブロック化剤によってブロックすると、
それらの極性を抑制することができるため、更に低溶剤
量にしても粘度の低い塗料組成物が得られる。低溶剤型
塗料組成物(A)で使用するビニル重合オリゴマーの1
分子中において、必須官能基と併用することのできる官
能基の組合せには、以下のものが考えられる。 (1)酸無水物基及び/又はブロック化カルボキシル基
を有する場合 酸無水物基及び/又はブロック化カルボキシル基と、シ
ラノール基及び/又は加水分解性シリル基との組合せ、
酸無水物基及び/又はブロック化カルボキシル基と、水
酸基及び/又はブロック化水酸基との組合せ、及び酸無
水物基及び/又はブロック化カルボキシル基と、シラノ
ール基及び/又は加水分解性シリル基と、水酸基及び/
又はブロック化水酸基との組合せ。 (2)エポキシ基を有する場合 エポキシ基と、シラノール基及び/又は加水分解性シリ
ル基との組合せ、エポキシ基と、水酸基及び/又はブロ
ック化水酸基との組合せ、及びエポキシ基と、シラノー
ル基及び/又は加水分解性シリル基と、水酸基及び/又
はブロック化水酸基との組合せ。 (3)酸無水物基及び/又はブロック化カルボキシル基
及びエポキシ基を有する場合 酸無水物基及び/又はブロック化カルボキシル基と、エ
ポキシ基と、シラノール基及び/又は加水分解性シリル
基との組合せ、酸無水物基及び/又はブロック化カルボ
キシル基と、エポキシ基と、水酸基及び/又はブロック
化水酸基との組合せ、及び酸無水物基及び/又はブロッ
ク化カルボキシル基と、エポキシ基と、シラノール基及
び/又は加水分解性シリル基と、水酸基及び/又はブロ
ック化水酸基との組合せ。
【0018】一方、酸無水物基又はブロック化カルボキ
シル基と、エポキシ基とを別個のビニル重合オリゴマー
中に配置する場合には、酸無水物基とともに併用する任
意官能基としては、例えば、加水分解性シリル基及び/
又はブロック化水酸基が使用され、ブロック化カルボキ
シル基とともに併用する任意官能基としては、シラノー
ル基及び/又は加水分解性シリル基及び/又は水酸基及
び/又はブロック化水酸基が使用され、更にエポキシ基
とともに併用する任意官能基としては、シラノール基及
び/又は加水分解性シリル基及び/又は水酸基及び/又
はブロック化水酸基が使用される。低溶剤型塗料組成物
(A)で使用されるビニル重合オリゴマーの酸無水物基
及び/又はブロック化カルボキシル基の量(モル/Kg樹
脂)は、一般に1〜5モル/Kg樹脂、好ましくは2〜4
モル/Kg樹脂である。1モル/Kg樹脂よりも、少ない
と、耐擦り傷性及び耐ガソリン性が低下することととな
り、好ましくない。一方、5モル/Kg樹脂よりも多くな
ると、粘度が高くなり過ぎるので、好ましくない。低溶
剤型塗料組成物(A)で使用するビニル重合オリゴマー
のエポキシ基の量は、一般に1〜5モル/Kg樹脂、好ま
しくは2〜4モル/Kg樹脂である。1モル/Kg樹脂より
も少ないと、耐擦り傷性及び耐ガソリン性が低下するこ
とととなり、好ましくない。一方、5モル/Kg樹脂より
も多くなると、粘度が高くなり過ぎるので、好ましくな
い。また、任意に使用されるシラノール基又は加水分解
性シリル基の量は、0〜15モル/Kg樹脂、好ましくは
0〜12モル/Kg樹脂である。なお、15モル/Kg樹脂
よりも多くなると、架橋密度が大きくなり過ぎ、塗膜が
脆くなるので好ましくない。更に、任意で使用される水
酸基又はブロック化水酸基の量(モル/Kg樹脂)は、一
般に0〜5モル/Kg樹脂であり、好ましくは0〜4モル
/Kg樹脂である。5モル/Kg樹脂よりも多くなると、粘
度が高くなり過ぎるので、やはり好ましくない。
【0019】低溶剤型塗料組成物(A)で使用するビニ
ル重合オリゴマーにおける、酸無水物基及び/又はブロ
ック化カルボキシル基とエポキシ基との使用割合は、官
能基の量比(mol/Kg樹脂に基づいて)について、0.7
〜1.3:1.0、好ましくは0.8〜1.2:1.
0、特に好ましくは1.0:1.0とすることが適当で
ある。0.7:1.0よりも酸無水物基及び/又はブロ
ック化カルボキシル基の量が小さい場合には、架橋密度
が小さくなり、耐擦り傷性及び耐ガソリン性が低下す
る。また、1.3:1.0よりも酸無水物基及び/又は
ブロック化カルボキシル基の量が多くなると、カルボキ
シル基が塗膜中に残存し、耐水性が低下することとな
り、やはり好ましくない。低溶剤型塗料組成物(A)で
使用するビニル重合オリゴマー1分子中における全官能
基の数は、シラノール基又は加水分解性シリル基を有さ
ない場合には、好ましくは2〜5mol/Kg樹脂、特に好ま
しくは3〜4mol/Kg樹脂である。官能基の数が、2mol/
Kg樹脂よりも少ないと、架橋密度が小さくなるため、形
成する塗膜の強度及び柔軟性が低下し、耐衝撃強度、耐
擦り傷性、耐ガソリン性、耐チッピング性等の塗膜性能
が低下する。一方、シラノール基又は加水分解性シリル
基を有さない場合、全官能基の数が5mol/Kg樹脂よりも
多くなると、架橋密度が大きくなり過ぎるため、塗膜が
脆くなりなど、塗膜性能が大きく低下する。更に、シラ
ノール基又は加水分解性シリル基を含む場合には、全官
能基の数は、2〜15モル/Kg樹脂、好ましくは3〜1
2モル/Kg樹脂である。2モル/Kg樹脂よりも全官能基
が少ない場合には、架橋密度が小さくなる。一方、15
モル/Kg樹脂よりも多くなると、架橋が密になり過ぎ、
塗膜が脆くなる。なお、全官能基数を選択する場合に
は、特に、オリゴマーの分子量との関係を考慮する必要
がある。即ち、ビニル重合オリゴマーの分子量が小さい
場合には、全官能基数を大きくしないと、1分子中に官
能基が存在しないポリエステルオリゴマーが生じるた
め、塗膜性能を十分発揮させることはできない。また、
ビニル重合オリゴマーの分子量が大きい場合には、それ
自体で粘度が大きくなるので好ましくない。いずれにし
ても、分子量と全官能基との適切な組合せは、当業者に
おいて本発明の範囲内において実験的に容易に決定する
ことができる。
【0020】低溶剤型塗料組成物(A)で使用するビニ
ル重合オリゴマーのガラス転移温度は、好ましくは、−
35℃〜40℃、特に好ましくは−10〜30℃であ
る。40℃よりもガラス転移温度が高いと、塗料の粘度
が高くなり過ぎるため好ましくない。一方、ガラス転移
温度が−35℃よりも低くなると、塗膜が柔らかくなり
過ぎ、耐ガソリン性が低下するので、やはり好ましくな
い。1分子中に、酸無水物基及び/又はブロック化カル
ボキシル基又はエポキシ基とともに、シラノール基、加
水分解性シリル基、水酸基及びブロック化水酸基から選
択される官能基を有するビニル重合オリゴマーの数平均
分子量、重量平均分子量、及び重量平均分子量/数平均
分子量は、既に規定した範囲に入るものである。1分子
中に、シラノール基及び/又は加水分解性シリル基のみ
か、シラノール基及び/又は加水分解性シリル基と水酸
基及び/又はブロック化水酸基とを有するビニル重合オ
リゴマーの数平均分子量(Mn)は、600〜3000で
あり、好ましくは700〜2000である。数平均分子
量が600よりも小さい場合には、耐擦り傷性及び耐ガ
ソリン性が低下する。一方、数平均分子量が3000よ
りも大きくなると、粘度が高くなり過ぎるので、好まし
くない。また、重量平均分子量/数平均分子量は、1.
0〜2.0であり、好ましくは、1.0〜1.9であ
る。重量平均分子量/数平均分子量が2.0より大きい
場合には、分子量の大き過ぎるオリゴマーや分子量が小
さ過ぎるアクリルオリゴマーが相対的に多く含まれるよ
うになり、分子量が大き過ぎる場合や小さ過ぎる場合に
生じる問題が起こる。更に、重量平均分子量は、600
〜6000、好ましくは700〜3800である。ま
た、水酸基及び/又はブロック化水酸基のみを含有する
ビニル重合オリゴマーの場合には、数平均分子量は、7
00〜1500、好ましくは700〜1200であり、
重量平均分子量/数平均分子量は、1.0〜2.0であ
り、重量平均分子量は、700〜3000、好ましくは
700〜2000である。
【0021】低溶剤型塗料組成物(A)で使用する酸無
水物基又はブロック化カルボキシル基と、エポキシ基と
を必須官能基として有するビニル重合オリゴマーは、酸
無水物基又はブロック化カルボキシル基又はエポキシ基
を有するモノマーを重合(共重合)することによって合
成することができる。これらのモノマーの重合方法は、
公知の慣用手段で行うことができる。例えば、アニオン
重合や、カチオン重合等のイオン重合、若しくはラジカ
ル重合によって重合を行うことができる。本発明におい
ては、重合の容易性の観点から、ラジカル重合によるこ
とが好ましい。但し、本発明においては、低分子量のビ
ニル重合オリゴマーを製造する必要があるので、重合に
際しては、低分子量でビニル重合オリゴマーが製造でき
るように、メルカプトエタノール、チオグリセロール、
ラウリルメルカプタン等のメルカプタン類又は連鎖移動
剤を使用する方法や、140〜180℃のような高温で
反応させる方法、若しくは低いモノマー濃度で反応させ
る方法等を採用することが望ましい。ラジカル重合は、
溶液中で行うことが望ましい。そのようなラジカル溶液
重合に使用される溶剤としては、従来よりアクリルモノ
マー等のビニル重合性のモノマーの重合に使用される溶
剤を制限なく使用することができる。このような溶剤と
しては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ソルベッ
ソ(エクソン製)等が挙げられる。
【0022】ラジカル溶液重合に使用されるラジカル反
応開始剤としては、従来よりラジカル重合において使用
される反応開始剤を制限なく使用することができる。こ
のような反応開始剤としては、例えば、ベンゾイルパー
オキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t-ブチルハイ
ドロパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノール等の過酸化物や、アゾビスバレロニトリ
ル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチ
ルプロピオニトリル)等のアゾ化合物を挙げることがで
きる。酸無水物基を有するモノマーとしては、酸無水物
基と、ラジカル重合性不飽和結合基を有するモノマーが
好適に使用される。ラジカル重合性不飽和結合基として
は、ラジカル重合性のビニル結合(CHR1=CR2−(R1及び
R2は、それぞれ水素原子、アルキル基又は単結合であ
る。)が好ましく挙げられる。ここで、アルキル基とし
ては、直鎖又は分岐を有するアルキル基が含まれ、例え
ば、メチル基や、エチル基、プロピル基、ブチル基等の
炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。このような酸
無水物とラジカル重合性不飽和結合基とを有するモノマ
ーとしては、例えば、無水イタコン酸、無水マレイン酸
等の分子内で酸無水物基を形成するモノマーや、1分子
中に、ラジカル重合性不飽和結合と1個のカルボキシル
基とを有するモノマーに、1分子中に1個のカルボキシ
ル基を有する化合物を脱水又は脱アルコール反応によっ
て、縮合させたモノマーが挙げられる。1分子中に1個
のカルボキシル基を有する化合物としては、その分子中
にラジカル重合性不飽和結合を有するものでも、有さな
いものでもよい。このようなモノマーとしては、例え
ば、無水メタクリル酸や、例えば、マレイン酸モノアル
キル又はイタコン酸モノアルキル等の2価の多塩基酸の
モノエステルを脱アルコール反応によって縮合したモノ
マーが挙げられる。
【0023】ブロック化カルボキシル基を有するモノマ
ーとしては、ブロック化カルボキシル基とラジカル重合
性不飽和結合基とを有するモノマーが挙げられる。この
ようなモノマーとしては、例えば、カルボキシル基とラ
ジカル重合性不飽和結合基とを有するモノマーを上記の
ブロック化剤によってブロック化したモノマーが挙げら
れる。このようなカルボキシル基と、ラジカル重合性不
飽和結合基とを有するモノマーは、複数のカルボキシル
基を含んでもよい。分子中に1個のカルボキシル基を有
するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸が
好ましい。分子中に2個のカルボキシル基を有するモノ
マーとしては、例えば、イタコン酸、マレイン酸、メサ
コン酸、フマル酸等が挙げられる。また、無水マレイン
酸や、無水イタコン酸等の酸無水物に、炭素数1〜18
のアルコール類やアミンを反応させたものでもよい。こ
のようなアルコール類としては、例えば、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール
類を挙げることができる。アルコール類の炭素数が18
個を越えると、塗膜の可塑性が高くなり過ぎるので、好
ましくない。また、このようなアミンとしては、ジブチ
ルアミン、ジヘキシルアミン、メチルブチルアミン、エ
チルブチルアミン、n-ブチルアミン等の脂肪族アミン
や、アニリン、トルイジン等の芳香族アミンを挙げるこ
とができる。
【0024】更に、カルボキシル基を有するモノマーと
しては、ラジカル重合性不飽和結合基を有するヒドロキ
シ酸も含まれる。このようなヒドロキシ酸としては、水
酸基とラジカル重合性不飽和結合基とを有するモノマー
に、酸無水物を反応させることによって製造することが
できる。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
に、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸や、無水コハ
ク酸、無水トリメリト酸、無水フタル酸等を反応させて
製造することができる。エポキシ基を有するモノマーと
しては、1分子中にエポキシ基と、上記で説明したラジ
カル重合性不飽和結合基とを有するモノマーが好ましく
使用される。エポキシ基とラジカル重合性不飽和結合基
とを有する具体的なモノマーとしては、例えば、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘ
キシル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマ
ーが挙げられる。なお、上記酸無水物基又はブロック化
カルボキシル基又はエポキシ基含有モノマーを重合又は
共重合する際に、他のα,β−エチレン性不飽和モノマ
ーを併用してもよい。このようなα,β−エチレン性不
飽和モノマーとしては、例えば、以下の挙げるモノマー
を使用することがでる。
【0025】(1) アクリル酸又はメタクリル酸エステ
ル:例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、
アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプ
ロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、
メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等のアク
リル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18個のアルキル
基エステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸
メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリ
ル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタ
クリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル
酸エステルの炭素数2〜18個のアルコキシアルキルエ
ステル;アリルアクリレート、アリルメタアクリレート
等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8個のア
ルケニルエステル;アリルオキシエチルアクリレート、
アリルオキシエチルメタアクリレート等のアクリル酸又
はメタクリル酸の炭素数3〜18個のアルケニルオキシ
アルキルエステル。
【0026】(2) ビニル系化合物:例えば、酢酸ビニ
ル、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピ
レン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、p-クロルスチレン。 (3) ポリオレフィン系化合物:例えば、ブタジエン、イ
ソプレン、クロロプレン。 (4) アリルエーテル類:ヒドロキシエチルアリルエーテ
ル等。 (5) その他:例えば、メタアクリルアミド、アクリルア
ミド、ジアクリルアミド、ジメタクリルアミド、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニ
ルケトイン、酢酸ビニル、ビニルプロピオネート、ビニ
ルピバレート、アクリル酸、メタクリル酸、N,N-ジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリレート、フォスフォ
ノオキシエチル(メタ)アクリレート等の燐酸基含有
(メタ)アクリレート、トリフルオロメチルビニルエー
テル等のパーフルオロビニルエーテル、ヒドロキシエチ
ルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等
のビニルエーテル。本発明で任意に使用されるシラノー
ル基は、以下の式(4):
【0027】
【化6】
【0028】(式中、R1及びR2は、同一でも異なってい
てもよい、水酸基、アルキル基、アルコキシ基、-NR1R2
基(但し、R1及びR2は、アルキル基又はアリール基であ
る)、-NR1COR2(但し、R1及びR2は、アルキル基又はア
リール基である)、-COR1 基(但し、R1は、アルキル基
又はアリール基である)、-OCOR1基(但し、R1は、アル
キル基又はアリール基である)、アリール基、-ONR1R2
基(但し、R1及びR2は、アルキル基又はアリール基であ
る)、-ONCR1R2基(但し、R1及びR2は、アルキル基又は
アリール基である)である。)で示される。上記式中、
アルキル基としては、直鎖又は分岐を有する炭素原子数
1〜10個のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル
基等が挙げられる。アルコキシ基としては、アルキル基
部分が上記アルキル基と同様であるものが挙げられる。
上記アリール基としては、特に、置換又は非置換のフェ
ニル基が含まれ、置換基としては、ハロゲン原子、アル
キル基、アルコキシ基等が挙げられる。このような置換
基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。置換基とし
てのアルキル基としては、直鎖又は分岐を有する炭素原
子数1〜10のアルキル基が含まれ、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル
基等が挙げられる。また、置換基としてのアルコキシ基
としては、それを構成するアルキル基が上記アルキル基
と同様のものが挙げられる。好ましい置換基としては、
例えば、フッ素原子等のハロゲン原子や、炭素原子数1
〜5の低級アルキル基が挙げられる。また、加水分解性
シリル基は、加水分解性基によりシラノール基をブロッ
クしたものであり、以下の式(5)で示される。
【0029】
【化7】
【0030】上記式(1) 中、R1及びR2は、式(4)のも
のと同一であり、R3は、アルキル基、-NR1R2基(但し、
R1及びR2は、アルキル基又はアリール基である)、-COR
1 基(但し、R1は、アルキル基又はアリール基であ
る)、アリール基、-NCR1R2 基(但し、R1及びR2は、ア
ルキル基又はアリール基である)である。このようなシ
ラノール基又は加水分解性シリル基を有するビニル重合
オリゴマーは、このようなシラノール基又は加水分解性
シリル基を有するモノマーを重合(共重合)することに
よって、製造することができる。このようなモノマーと
しては、種々のモノマーを適宜選択して使用することが
できる。例えば、代表的なシラノール基又は加水分解性
シリル基を有するモノマーとしては、ビニルモノマーが
好ましいものとして挙げることができる。このビニルモ
ノマーとしては、シラノール基又は加水分解性シリル基
と、ラジカル重合性不飽和結合基とを有するモノマーが
好適である。ラジカル重合性不飽和結合基としては、以
下のものが挙げられる。
【0031】
【化8】
【0032】(上記式(6)〜(10)中、R1は、水素
原子又は炭素数1〜6個のアルキル基であり、Yは、フ
ェニレン基である。) ここで、炭素数1〜6個のアルキル基としては、例え
ば、直鎖又は分岐状のアルキル基が含まれ、例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基s-ブチル
基、t-ブチル基、n-ペンチル基、s-ペンチル基、ヘキシ
ル基、n-ヘプチル基、s-ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ウンデシル基等を挙げることができ
る。好ましいアルキル基としては、メチル基、エチル基
等である。ラジカル重合性不飽和結合基として上記
(6)式を有するモノマーとしては、以下の式(11)
で示されるモノマーが適当である。
【0033】
【化9】
【0034】上記式(11)中において、R1は、上記定
義の通りであり、R2は、2価の脂肪族炭化水素基であ
り、Xは、上記式(4)又は(5)で示されるシラノー
ル基又は加水分解性シリル基を示す。R2としての2価の
脂肪族炭化水素基としては、アルキレン基、シクロアル
キレン基、アリーレン基等が挙げられる。アルキレン基
としては、直鎖又は分岐状アルキレン基が含まれ、例え
ば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン
基、イソブチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ
る。シクロアルキレン基としては、例えば、シクロペン
チレン基、シクロヘキシレン基等が好ましく挙げられ
る。アリーレン基としては、例えば、オルト、メタ又は
パラ−フェニレン基、ナフタレン基、フルオレン基、イ
ンドレン基、アントラセン基、フラン基、チオフェン基
等が挙げられる。上記式(11)で示されるモノマーの
具体例としては、例えば、γ−(メタ)アクリロイロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
イロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロイロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−
(メタ)アクリロイロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロイロキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイロキシプロピ
ルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロイ
ロキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロイロキシフェニルジエトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロイロキシフェニルジプロポキシシラン、γ
−(メタ)アクリロイロキシプロピルジメチルメトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロイロキシプロピルジメチ
ルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイロキシプロ
ピルフェニルメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アク
リロイロキシプロピルフェニルメチルエトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロイロキシプロピルトリシラノー
ル、γ−(メタ)アクリロイロキシプロピルメチルジヒ
ドロキシシラン、γ−(メタ)アクリロイロキシブチル
フェニルジヒドロキシシラン、γ−(メタ)アクリロイ
ロキシプロピルジメチルヒドロキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロイロキシプロピルフェニルメチルヒドロキ
シシラン等が挙げられる。 また、上記式(7)で示さ
れるモノマーとしては、以下の式(12)〜(14)で
示されるモノマーが挙げられる。
【0035】
【化10】
【0036】上記式中、R1、R2、Y及びXは上記定義の
通りである。上記式(12)〜(14)示される具体的
モノマーとしては、例えば、以下のモノマーが挙げられ
る。
【0037】
【化11】
【0038】上記式(8)で示されるモノマーの例とし
ては、以下のものが挙げられる。上記式におけるR1、R2
及びXは上記定義の通りである。
【0039】
【化12】
【0040】これらの式(15)及び(16)で示され
る具体的なモノマーとしては、例えば、 CH2=CH─Si(OCH3)3 CH2=CH─Si(OC2H5)3 CH2=CH─Si(OCH3)2CH3 CH2=CH─Si(CH3)2OCH3 CH2=CH─CH2 ──Si(OCH3)3 CH2=CH─Si(OCOCH3)3 CH2=CH─CH2 ──Si(OCOCH3)3 CH2=CH─Si(CH3)2───N(CH3)2 CH2=CH─Si(CH3)(C6H5) ──N(CH3)COCH3 CH2=CH─Si(C6H5)2 ──ON(CH3)2 等を挙げることができる。式(9)で示されるモノマー
としては、例えば、以下の式で示されるモノマーが挙げ
られる。 CH2=CHO ──R2──X (17) CH2=CHO ──X (18) 上記式(17)〜(18)中、R2及びXは上記定義の通
りである。これらの式で示される具体的なモノマーとし
ては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。 CH2=CHO ─(CH2)3──Si(CH3)2──NHCOCH3 CH2=CHO ─(CH2)2──Si(CH3)2OCH3 CH2=CHO ─Si(CH3)2──OCN(CH3)2 CH2=CHO ─Si(CH3)2──ON(C2H5)2
【0041】式(10)で示されるモノマーとしては、
例えば、以下の式で示されるモノマーが挙げられる。 CH2=CHCH2O──X (19) CH2=CHO ──R2──X (20) 上記式(19)〜(20)中、R2及びXは上記定義の通
りである。これらの式で示される具体的なモノマーとし
ては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。 CH2=CHCH2O───Si(C2H5)(C6H5)N(CH3)2 CH2=CHCH2O───Si(C6H5)2NHCOC2H5 CH2=CHCH2O───(CH2)2───Si(OCH3)(OCOCH3)───
OCOC2H5 CH2=CHCH2O───(CH2)2───Si(CH3)(OC2H5)
【0042】シラノール基又は加水分解性シリル基を有
するオリゴマーは、上記モノマーを重合することによっ
て得られる。重合方法は、上記酸無水物基又はブロック
化カルボキシル基又はエポキシ基を有するビニル重合オ
リゴマーの重合の場合と同様である。また、上記シラノ
ール基又は加水分解性シリル基を有するモノマーと、上
記酸無水物基又はブロック化カルボキシル基又はエポキ
シ基を有するモノマーとを重合することによって、1分
子中に、必須官能基としての酸無水物基又はブロック化
カルボキシル基又はエポキシ基と、シラノール基又は加
水分解性シリル基とを有するオリゴマーを合成すること
ができる。更に、シラノール基又は加水分解性シリル基
を有する上記モノマーを、酸無水物基又はブロック化カ
ルボキシル基又はエポキシ基を含有するビニル重合オリ
ゴマーの製造で説明した他のα,β−エチレン性不飽和
モノマーと併用することもできる。ただし、シラノール
基と水酸基とを1分子中に含有するビニル重合オリゴマ
ーを製造することは実際上難しい。また、シラノール基
と酸無水物基とを1分子中に含有するビニル重合オリゴ
マーを製造することも実際上難しい。シラノール基又は
加水分解性シリル基を有するビニル重合オリゴマーを合
成するのに適するモノマーとしては、上記(6)及び
(7)で示されるラジカル重合性不飽和結合基を有する
モノマーが、得られる塗膜の外観性及び重合反応の容易
性の観点から好ましい。アクリルモノマーとシラン系モ
ノマーとを重合して得られるポリシロキサンマクロマー
も好ましく使用することができる。このようなポリシロ
キサン系マクロマーとしては、以下のものを挙げること
ができる。
【0043】
【化13】
【0044】
【化14】
【0045】(式中、Phは、フェニル基である。) ブロック化水酸基としては、以下の式(21)で示され
るものが好ましいものとして例示することができる。 ──O ───Z (21) ここで、Zは、水酸基に結合したブロック化剤に由来す
るブロック基である。このZとしては、以下の式で示さ
れるブロック基が、好ましいものとして例示することが
できる。ブロック基としては、シリルブロック基及びビ
ニルエーテルブロック基を挙げることができる。この内
容は、上記ブロック化カルボキシル基において述べたも
のと同様である。本発明において、水酸基又はブロック
化水酸基含有オリゴマーを製造するのに使用される水酸
基含有モノマーとしては、例えば、水酸基又はブロック
化水酸基と、ラジカル重合性不飽和結合とを有するモノ
マーが使用される。水酸基とラジカル重合性不飽和結合
基とを含有するモノマーとしては、例えば、以下の式
(22)で示される水酸基含有モノマーが挙げられる。
【0046】
【化15】
【0047】上記式において、R1は、上記式(6)〜
(10)におけるものと同様である。R2は、アルキレン
基、シクロアルキレン基又はアリーレン基である。Y
は、-COO- 、単結合又は-O- である。特に、Yが-COO-
であるアクリルモノマーが好ましい。アルキレン基とし
ては、直鎖又は分岐を有する炭素数1〜18のアルキレ
ン基が含まれ、例えば、メチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ヘキサメチレ
ン基の炭素数1〜6の低級アルキレン基等が挙げられ
る。シクロアルキレン基としては、例えば、炭素数5〜
18のシクロアルキレン基が挙げられ、例えば、シクロ
ペンチレン基、シクロヘキシレン基の炭素数5〜8のシ
クロアルキレン基が好ましく挙げられる。アリーレン基
としては、例えば、オルト、メタ又はパラ−フェニレン
基、ナフタレン基、フルオレン基、インドレン基、アン
トラセン基、フラン基、チオフェン基等が挙げられる。
好ましい具体的な水酸基含有モノマーとしては、水酸基
含有アクリルモノマーが挙げられ、例えば、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ブロック化
水酸基を含有するモノマーとしては、上記水酸基含有モ
ノマーの水酸基をブロック化したモノマーが好適なもの
として挙げることができる。
【0048】シリルブロック基を有するブロック化水酸
基含有モノマーとしては、例えば、トリメチルシロキシ
エチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシブチル
(メタ)アクリレート、トリエチルシロキシエチル(メ
タ)アクリレート、トリブチルシロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、トリフェニルシロキシエチル(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。上記シリルブロック
基を有するモノマーとしては、更に、N−メチロール化
(メタ)アクリルアミドや、β−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートにε−カプロラクトンを付加反応せし
めたものや、ポリオキシアルキレングリコールの(メ
タ)アクリレートをシリルブロック化したものを使用す
ることができる。脂肪族ビニルエーテルでブロックした
水酸基を有するモノマーとしては、1−メチルエトキシ
エチル(メタ)アクリレート、1−エチルエトキシ(メ
タ)アクリレート、1−ブチルエトキシ(メタ)アクリ
レート、1−(2−エチルヘキシル)エトキシエチル
(メタ)アクリレート、1−イソブチルエトキシエチル
(メタ)アクリレート、1−シクロヘキシルエトキシエ
チル(メタ)アクリレート等の1−アルキル−アルコキ
シ−アルキル(メタ)アクリレートを挙げることができ
る。更に、N−メチロール化(メタ)アクリルアミド
や、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートにε−
カプロラクトンを付加反応せしめたものや、ポリオキシ
アルキレングリコールの(メタ)アクリレートを脂肪族
ビニルエーテルでブロックしたものを使用することがで
きる。環状ビニルエーテルでブロックした水酸基を有す
るモノマーとしては、以下の式(23)で示されるモノ
マーを例示することができる。
【0049】
【化16】
【0050】上記式中、Zは、テトラヒドロフラン基、
テトラヒドロピラン基又は以下の式で表される基等が挙
げられる。
【0051】
【化17】
【0052】水酸基又はブロック化水酸基を有するビニ
ル重合オリゴマーは、上記モノマーを重合することによ
って得られる。重合方法は、上記酸無水物基又はブロッ
ク化カルボキシル基又はエポキシ基を含有するビニル重
合オリゴマーの製造と同様に行うことができる。また、
上記水酸基又はブロック化水酸基を有するモノマーと、
上記シラノール基又は加水分解性シリル基を有するモノ
マーとを重合することによって、1分子中に、シラノー
ル基又は加水分解性シリル基と、水酸基又はブロック化
水酸基とを有するビニル重合オリゴマーを合成すること
ができる。更に、水酸基又はブロック化水酸基を有する
上記モノマーを、酸無水物基又はブロック化カルボキシ
ル基又はエポキシ基を有するビニル重合オリゴマーの製
造で説明した他のα,β−エチレン性不飽和モノマーと
反応させて、水酸基又はブロック化水酸基を有するビニ
ル重合オリゴマーを合成することができる。ただし、上
記したように、水酸基とシラノール基とを1分子中に含
有するビニル重合オリゴマーを製造すること及びシラノ
ール基と酸無水物基とを1分子中に含有するビニル重合
オリゴマーを製造することは実際上難しい。このような
ビニル重合オリゴマーは、60〜180℃で、特にビニ
ルエーテルでブロックされたカルボキシル基や、ブロッ
クされた水酸基を有するモノマーを重合する場合には、
60〜100℃で合成することが好ましい。100℃よ
り高い温度で合成を行うと、ブロック基が解離すること
がある。また、ビニル重合オリゴマーの分子構造として
は、特に限定されず、例えば、直線状、櫛型状、ブロッ
ク型状、スター型状、スターバースト型状等のものが含
まれる。
【0053】低溶剤型塗料組成物(A)に使用される塩
基性の硬化触媒は、必須官能基としての酸無水物基又は
ブロック化カルボキシル基とエポキシ基との反応を促進
する触媒である。このような塩基性の硬化触媒として
は、以下のものが好ましいものとして挙げることができ
る。 (1)有機ホスフィン類 R1R2R3Pで示される有機ホスフィン類が挙げられる。式
中、R1〜R3は、各々アルキル基又はアリール基である。
アルキル基としては、直鎖又は分岐を有する、炭素数が
1〜18個のアルキル基が挙げられる。このようなアル
キル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル
基、n-ヘキシル基等が挙げられる。また、アリール基と
しては、例えば、フェニレン基、ナフタレン基、アント
ラセン基等が挙げられる。具体的な有機ホスフィン類と
しては、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホ
スフィン、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。 (2)四級アンモニウム化合物 四級アンモニウム化合物は、四級アンモニウムと、例え
ばハロゲンやアセテート等の対イオンとから形成される
塩である。対イオンを構成するハロゲン原子としては、
例えば、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。四級アン
モニウムを構成するものとしては、R1R2R3R4Nで示され
る。ここで、R1〜R4は、各々独立にアルキル基又はアリ
ール基であり、置換基を有してもよい。アルキル基及び
アリール基の範囲は、上記有機ホスホニウム化合物にお
いて述べたものと同様である。ただし、アルキル基の炭
素数は、4以上であることが好ましい。炭素数が4未満
では、溶剤に溶解し易くなるので好ましくない。具体的
な四級アンモニウムとしては、例えば、テトラメチルア
ンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチル
(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、シクロヘキ
シルトリメチルアンモニウム、テトラキス(ヒドロキシ
メチル)アンモニウム、o−トリフルオロメチルフェニ
ルトリメチルアンモニウム、トリラウリルメチルアンモ
ニウムアセテート等が挙げられる。 (3)イミダゾール類 例えば、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2,
4−ジメチルイミダゾール等が挙げられる。 (4)ホスホニウム化合物 ホスホニウム化合物としては、テトラアルキルホスホニ
ウムハライド又はアセテートが好ましいものとして挙げ
られる。テトラアルキルホスホニウムとしては、例え
ば、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニ
ウム、テトラプロピルホスホニウム、テトラブチルホス
ホニウム等が挙げられる。ただし、アルキル基の炭素数
は、4以上であることが好ましい。炭素数が4未満で
は、溶剤に溶解し易くなるので好ましくない。ハライド
を構成するハロゲン原子としてとしては、塩素、臭素、
ヨウ素等が挙げられる。また、ホスホニウム化合物を構
成する陰イオンとしては、上記以外に、例えば、Cl
O4 - 、SbF6 - 、PF6 - 等を挙げることができる。 (5)金属アルコラート 以下の式(24)〜(26)で示される有機アルミネー
ト、有機チタネート及び有機ジルコネートが好ましいも
のとして例示することができる。
【0054】
【化18】
【0055】上記式中、R1、R2及びR3は、同一でも異な
ってもよい、直鎖又は分岐を有する炭素数1〜18のア
ルキル基又はアルケニル基である。このようなアルキル
基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシ
ル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、オク
タデシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例
えば、ビニル基、アリル基等が挙げられる。上記式で示
される有機アルミネートとしては、例えば、アルミニウ
ムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アル
ミニウムトリ2−プロポキシド、アルミニウムトリイソ
プロポキシド、アルミニウムトリブトキシド等を挙げる
ことができる。
【0056】
【化19】
【0057】上記式におけるR1、R2、R3、R4及びR5は、
上記式(24)におけるR1、R2及びR3と同様である。また、
nは、0〜20の整数を示す。上記式(25)でnが0
で示される具体的な化合物としては、例えば、テトラメ
チルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラn-プ
ロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テ
トライソブチルチタネート、テトラn-ブチルチタネー
ト、テトラt-ブチルチタネート、テトラn-ペンチルチタ
ネート、テトラn-ラウリルチタネート等が挙げられる。
特に、テトライソプロピルチタネート、テトライソブチ
ルチタネート及びテトラn-ブチルチタネートが好まし
い。また、上記式(21)のnが1以上である具体的な
化合物としては、例えば、テトライソプロピルチタネー
ト、テトライソブチルチタネート及びテトラn-ブチルチ
タネートの2量体〜11量体のモノマーを使用すること
ができる。
【0058】
【化20】
【0059】上記式におけるR1、R2、R3、R4及びR5並び
にnは、上記式(25)におけるものと同様である。上
記式でnが0で示される具体的な化合物としては、例え
ば、テトラメチルジルコネート、テトラエチルジルコネ
ート、テトラn-プロピルジルコネート、テトライソプロ
ピルジルコネート、テトライソブチルジルコネート、テ
トラn-ブチルジルコネート、テトラt-ブチルジルコネー
ト、テトラn-ペンチルジルコネート、テトラn-ラウリル
ジルコネート等が挙げられる。特に、テトライソプロピ
ルジルコネート、テトライソブチルジルコネート及びテ
トラn-ブチルジルコネート等が好ましい。また、上記式
(26)のnが1以上である具体的な化合物としては、
例えば、テトライソプロピルジルコネート、テトライソ
ブチルジルコネート及びテトラn-ブチルジルコネートの
2量体〜11量体のモノマーを使用することができる。 (6)熱潜在性塩基性硬化触媒 熱潜在性塩基性硬化触媒は、60℃までは触媒の作用を
生じず、60℃以上になると、硬化触媒としての作用を
発揮する触媒である。従って、このような硬化触媒を低
溶剤型塗料組成物に配合して長期保存しても、樹脂がゲ
ル化したり、増粘することがないので、特に、一液型の
塗料として使用する場合には取扱いが容易である。この
ような熱潜在性塩基性硬化触媒としては、 (R1n ──M で表される触媒が好ましいものとして例示することがで
きる。式中、R1は、炭素数1〜20のアルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、又は活性メチ
レン基に隣接したカルボニル基である。アルキル基とし
ては、直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基が含まれ、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、
s-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘプチル基、s-ヘプチル基
等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ア
フチル基、アントラセン基等が挙げられる。アルコキシ
基としては、上記アルキル基を有するアルコキシ基が挙
げられる。アシルオキシ基としては、例えば、アセチル
オキシ基、プロパノイロキシ基、ブタノイロキシ基等が
挙げられる。また、活性メチレン基に隣接したカルボニ
ル基としては、例えば、メチルカルボニルメチル基や、
フェニルカルボニルメチル基等が挙げられる。Mは、M
g、Al、Ca、Sn、Pb又は周期表における第4周
期から第6周期の内、3A族から7A族、8族、1B及
び2B族に属する遷移金属原子である。nは、1〜6の
整数である。この内、好ましいMは、Ca、Sn、P
b、Zn及びCoである。
【0060】上記熱潜在性塩基性硬化触媒の具体例とし
ては、例えば、アルミニウムアセチルアセトネート、鉄
アセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネ
ート、ジブチルスズアセチルアセトネート、ジブチルス
ズジラウレート、ジオクチルスズエステルマレート、ナ
フテン酸マグネシウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテ
ン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナ
フテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウ
ム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸
マンガン、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチ
ル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、
オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸鉛等が挙げられる。好ましい熱潜在性塩基性硬
化触媒としては、例えば、ジブチルスズアセチルアセト
ネート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズエ
ステルマレート、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸コ
バルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸鉛、オクチル酸カ
ルシウム、オクチルコバルト、オクチル酸亜鉛、オクチ
ル酸スズ、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸鉛等が挙げられる。
【0061】これらの塩基性の硬化触媒としては、四級
アンモニウム塩及びホスホニウム塩が特に好ましい。四
級アンモニウムとしては、特に、トリラウリルメチルア
ンモニウムアセテート、テトラn-オクチルアンモニウム
ブロマイド、テトラn-ヘキシルアンモニウムブロマイド
等が好ましい。一方、ホスホニウム塩としては、テトラ
ブチルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホ
スホニウムブロマイド等が好ましい。なお、これらの塩
基性硬化触媒は、適宜、組合せて使用することもでき
る。塩基性硬化触媒は、低溶剤型塗料組成物において触
媒量で使用される。具体的には、低溶剤型樹脂組成物に
使用されるビニル重合オリゴマーの100重量部に対し
て、0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜10重量部
の量で使用される。塩基性硬化触媒の量が少な過ぎる
と、塗膜と硬化性が低下することにより、一方、多過ぎ
ると、塗膜が着色し、塗膜の特性を劣化させるので好ま
しくない。なお、熱潜在性の塩基性硬化触媒を使用する
場合には、通常50〜200℃、好ましくは60〜15
0℃において、例えば、2分〜1時間加熱することによ
り、樹脂組成物の硬化を促進させることができる。但
し、2液型として塗料組成物を使用する場合には、使用
直前に2液を混合するので、樹脂の硬化を余り考慮する
必要がないので、熱潜在性カチオン重合性触媒を使用す
る必要性は少ない。
【0062】低溶剤型塗料組成物(A)で得られる塗膜
の特性を向上させるために、上記酸無水物基又はブロッ
ク化カルボキシル基又はエポキシ基を含有するビニル重
合オリゴマーとともに、必要に応じて、水酸基又はブロ
ック化水酸基、加水分解性シリル基、エポキシ基等の官
能基を有する化合物(非重合体)を反応性希釈剤として
使用することができる。このような化合物には、セロキ
サイド2021、セロキサイド2081、セロキサイド
2083(以上、ダイセル化学製)などの脂環式エポキ
シ基を有する化合物や、TSL8350(東芝シリコン
製)などの加水分解性シリル基とエポキシ基とを有する
化合物、オクチルアルコール、1,5−ペンタンジオー
ルなどの水酸基を有する化合物、4−メチルヘキサヒド
ロ無水フタル酸等の酸無水物基を有する化合物等を挙げ
ることができる。これらの化合物の粘度は、25℃で5
00センチポイズ以下、好ましくは300センチポイズ
以下のものである。500センチポイズ以上では、希釈
剤としての効果がない。本発明の低溶剤型樹脂組成物
は、そのままで、又は必要に応じて、従来より塗料の分
野において使用されている種々の顔料(例えば、着色顔
料や、光輝剤)、タレ止め剤又は沈降防止剤、レベリグ
剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、シ
ンナー等を適宜配合して、本発明の低溶剤型塗料組成物
を調製することができる。顔料又は光輝剤としては、例
えば、酸化チタン、カーボンブラック、沈降性硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、シリカ、マ
イカ、アルミニウム、ベンガラ、クロム酸鉛、モリブデ
ン酸鉛、酸化クロム、アルミン酸コバルト、アゾ顔料、
フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料等を好ましく
使用することができる。タレ止め剤又は沈降性防止剤と
しては、例えば、シリカ、ヒマシ油ワックス、アマイド
ワックス、マイクロジェル、アルミニウムアセテート等
を好ましく使用することができる。レベリング剤として
は、例えば、KF69、Kp321 及びKp301 (以上、信越化学
製)等のシリコン系のものや、モタフロー(三菱モンサ
ント製)、BYK358(ビックケミージャパン製)及びダイ
ヤエイドAD9001(三菱レイヨン製)等を好ましく使用す
ることができる。
【0063】紫外線吸収剤としては、例えば、チヌビン
900 、チヌビン384 、チヌビンP(以上、チバガイギー
製)等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や、サンド
バ−3206(サンド製)等のシュウ酸アニリド系紫外線吸
収剤等を好ましく使用することができる。光安定剤とし
ては、例えば、サノールLS292 (チバガイギー製)及び
サンドバー3058 (サンド製)等のヒンダードアミン光
安定剤等を好ましく使用することができる。シンナーと
しては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
等の芳香族化合物、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、イソブタノール等のアルコール、ア
セトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケト
ン、シクロヘキサノン、イソホロン、N−メチルピロリ
ドン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロ
ソルブ等のエステル化合物、もしくはこれらの混合物等
を使用することができる。帯電防止剤としては、例え
ば、エソカードC25 (ライオンアーマー製)等を好まし
く使用することができる。上記低溶剤型塗料組成物
(A)は、以下で説明する塗料組成物(B)にウェット
オンウェットで塗装する場合に特に適するものである。
例えば、上記低溶剤型塗料組成物(A)をクリヤー塗料
として使用し、また塗料組成物(B)をベースコート塗
料として使用する場合に上記で説明した優れた効果が発
揮される。上記低溶剤型塗料組成物(A)は、0〜35
%、好ましくは0〜30%の有機溶剤量で使用すること
ができる。なお、塗料の取扱い性を高めるために、実際
上は5%以上の有機溶剤量を使用することができる。
【0064】上記低溶剤型塗料組成物(A)と組合せて
使用される塗料組成物(B)は、水酸基又はブロック化
水酸基を有しかつ数平均分子量700〜3000、重量
平均分子量700〜6000、重量平均分子量/数平均
分子量1.0〜3.5を有するビニル重合オリゴマー
と、以下の式:
【0065】
【化21】
【0066】(式中、R1〜R6は、独立に水素原子、メチ
ロール基又は炭素数1〜5のアルコキシ基であり、R1
R6が同時にアルコキシ基であることはない。)で示され
る、イミノ型又はメチロール型の1核体メラミンを50
〜100%含有するメラミン樹脂とを含有する塗料組成
物である。塗料組成物(B)で使用されるビニル重合オ
リゴマーにおけるブロック化水酸基は、式: ───
O──Z で示され、その内容は、低溶剤型塗料組成物(A)で使
用するビニル重合オリゴマーに関して説明した式(2
1)と同一である。1分子中に、水酸基又はブロック化
水酸基を有するビニル重合オリゴマーの数平均分子量
は、700〜2500であり、好ましくは1500〜2
500である。数平均分子量が700よりも小さい場合
には、耐擦り傷性及び耐ガソリン性が低下するので、好
ましくない。一方、2500より大きくなると、塗料粘
度が大きくなり過ぎるので、やはり好ましくない。ま
た、重量平均分子量/数平均分子量は、1.0〜3.
0、好ましくは、1.0〜2.5である。重量平均分子
量/数平均分子量が、3.0よりも大きくなると、分子
量の大き過ぎるものと、小さ過ぎるものとが含まれるよ
うになり、上記数平均分子量の範囲の説明で述べた問題
が生じるので、好ましくない。なお、下限は、理論的に
は1.0であり、ビニル重合オリゴマーの分子量が小さ
くなるに従って、この理論値に近づけることが容易とな
る。
【0067】更に、数平均分子量及び重量平均分子量/
数平均分子量に対応して、水酸基又はブロック化水酸基
を有するビニル重合オリゴマーの重量平均分子量は、7
00〜7500、好ましくは1500〜6000であ
る。塗料組成物(B)に使用されるビニル重合オリゴマ
ーは、低溶剤型塗料組成物(A)で使用されるビニル重
合オリゴマーの製造におけると同様にして、水酸基又は
ブロック化水酸基を有するモノマーを重合することによ
って製造することができる。上記水酸基又はブロック化
水酸基を有するビニル重合オリゴマーとともに使用され
るメラミン樹脂は、上記式(27)で示されるメラミン
を50〜100%含有するものが使用される。ここで、
炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えば、分岐を
有してもよいアルコキシ基であり、好ましくは炭素数1
〜4のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。上記メ
ラミン樹脂において、式(27)で示される1核体メラ
ミンが50%よりも少ないと、塗料粘度が大きくなり過
ぎるので、好ましくない。上記式(27)で示されるメ
ラミンを含有するメラミン樹脂は、メラミンとして完全
にアルコキシ化されたメラミンを含有しないので、弱酸
性触媒を使用しても塗料組成物(B)を硬化することが
できる。従って、塗料組成物(B)の上に塗布される低
溶剤型塗料組成物(A)に使用される塩基性硬化触媒と
の反応が防止されるとともに、クリヤー塗料中のエポキ
シ基に対する影響が防止される。
【0068】好ましい具体的なメラミンとしては、上記
式(27)のR1〜R6が、全て水素原子であるもの、全て
メチロール基であるもの、水素原子とメチロール基との
混合体であるもの、更に水素原子及び/又はメチロール
基と、アルコキシ基との組合せであるものが挙げられ
る。具体的には、三井サイアナミッドから市販されてい
る、サイメル325、サイメル327、サイメル370
(以上、いずれも式(27)中、R1〜R6がメチロール基
であり、1核体メラミン含量は、70%である)、更に
は、ユーバン120(式(27)中、R1〜R6がメチロー
ル基であり、1核体メラミン含量は、70%である)等
が挙げられる。なお、式(27)で示される1核体メラ
ミンは、ホルムアルデヒドによって2個以上のメラミン
が相互に結合された形式の2核体以上のメラミンとは異
なるが、塗料組成物(B)に使用されるメラミン樹脂と
しては、上記式(27)で示される1核体メラミンの量
が50%以上含まれる限り、その他の2核体以上のメラ
ミンからなるメラミン樹脂(多核型のメラミン樹脂)を
併用してもよい。上記1核体メラミンを50〜100%
含有するメラミン樹脂は、当業者には容易に調製するこ
とができる。一般には、式(27)で示されるメラミン
とホルムアルデヒドとを反応させた後、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーにより分取することによっ
て、多核型のメラミン樹脂の量を調製又は除去すること
ができる。塗料組成物(B)には、上記ビニル重合オリ
ゴマーとメラミン樹脂との硬化を促進するための硬化触
媒を配合する。メラミン樹脂は、上記ビニル重合オリゴ
マー100部に対して、一般に20〜140部、好まし
くは40〜120部、特に好ましくは60〜100部で
使用される。塗料組成物(B)に使用される弱酸性触媒
としては、例えば、リン酸類、リン酸エステル、亜リン
酸エステル、不飽和基含有リン酸エステル等が挙げられ
る。リン酸類としては、例えば、リン酸、ピロリン酸等
が挙げられる。また、リン酸モノエステルとしては、例
えば、リン酸モノプロピル、リン酸モノオクチル、リン
酸モノラウリル等が挙げることができる。また、リン酸
ジエステルとしては、例えば、リン酸ジプロピル、リン
酸ジオクチル、リン酸ジラウリル等が挙げることができ
る。更に、不飽和基含有リン酸エステルとしては、例え
ば、モノ(2−(メタ)アクリロイロキシ)アシッドホ
スフェートも挙げることができる。このような弱酸性触
媒を上記メラミン樹脂と組合せて使用することにより、
その上に塩基性硬化触媒を含有する低溶剤型塗料組成物
(A)をウェットオンウェットで塗装しても、従来問題
となっていた塗膜特性の劣化の問題が大幅に改善され
る。弱酸性触媒は、触媒量で使用され、具体的には、水
酸基又はブロック化水酸基を含有するビニル重合オリゴ
マー100部に対して、通常、0.01〜30部、好ま
しくは0.1〜5部で使用される。なお、必要に応じ
て、塗料組成物(B)には、ブロック化水酸基の解離を
促進するために、解離触媒を併用してもよい。このよう
な解離触媒としては、例えば、リン酸、カルボン酸等の
弱酸性触媒等が挙げられる。解離触媒は、塗料100部
に対して、一般に0.01〜20部、好ましくは、0.
1〜10部で使用される。
【0069】上記塗料組成物(B)は、水性塗料であっ
てもよく、また溶剤型塗料であってもよい。また、塗料
組成物(B)の固形分は、一般に、35%以上、好まし
くは45%以上である。但し、使用するビニル重合オリ
ゴマーの数平均分子量として例えば、700〜2500
でかつ重量平均分子量700〜7500のものを使用す
ることによって、塗料組成物(B)の有機溶剤量を、例
えば65%以下とすることができる。本発明の塗装方法
は、例えば、被塗物上に上記塗料組成物(B)を塗布し
た後、その塗料組成物(B)が乾燥しない状態の内に、
ウェットオンウェット形式で、低溶剤型塗料組成物
(A)を塗布する。このウェットオンウェット方式にお
いては、被塗物上に塗布した塗料組成物(B)には、焼
付けを行わずに、その上に低溶剤型塗料組成物(A)を
クリヤー塗料として塗布し、次いで両者を同時に焼付け
処理する。一般に、低溶剤型塗料組成物(A)から形成
される塗膜の厚みは、20〜100μm 、好ましくは3
0〜70μm である。一方、塗料組成物(B)から形成
される塗膜の厚みは、10〜30μm 、好ましくは15
〜20μm である。塗装温度は、それぞれ10〜80℃
であり、好ましくは15〜65℃である。塗装方法とし
ては、例えば、スプレー式、回転霧化式等が挙げられ
る。また、焼付け処理は、一般に、80〜200℃、好
ましくは100〜150℃において、通常、1〜60
分、好ましくは10〜40分行う。本発明の方法におい
ては、低溶剤型塗料組成物(A)は、ベースコート塗料
としての塗料組成物(B)に適用する場合、塗料組成物
(B)の硬化性を阻害することがない。従って、塗料組
成物(B)の中塗塗料に対する付着性を大幅に改善する
ことができる。更に、得られた塗膜の耐水性を大幅に向
上することができる。また、低溶剤型塗料組成物(A)
は、使用する有機溶剤量を0〜35%、好ましくは0〜
30%まで低減させることができる。また、塗料組成物
(B)についても、有機溶剤量を0〜40%、好ましく
は0〜35%、更に好ましくは0〜30%で使用するこ
とができる。ただし、低溶剤型塗料組成物(A)の場合
と同様に、塗料の取扱い性の観点から、最低5%の有機
溶剤を使用することができる。このように本発明の方法
で使用される塗料は、低溶剤型のものであるので、有機
溶剤の放出に基づく環境汚染の問題を大幅に軽減させる
ことができる。
【0070】
【実施例】以下、本発明について、実施例により、更に
詳細に説明する。酸無水物基又はブロック化カルボキシル基又はエポキシ
基の必須官能基、並びにシラノール基、加水分解性シリ
ル基、水酸基及びブロック化水酸基からなる群から選択
される任意官能基を有するビニル重合オリゴマーの合
成: 攪拌器、不活性ガス導入口、温度計及び冷却器を備
えた4つ口フラスコに、以下の表1〜4(「合成原料」
の項目)に示されるように、所定量のキシレンを仕込ん
で、140℃の反応温度(ただし、ビニル重合オリゴマ
ーP1、Q1、R1及びS1については、80℃)まで
昇温し、同表1〜4(「合成原料」の項目)に示す割合
で、上記官能基を有するモノマーからなるモノマー混合
物と、所定量のパーブチルO(過酸化物触媒、日本油脂
社製)及びキシレンとを滴下した。更に、その反応温度
において、反応を続け、固形分が26%になったことを
確認して合成を中止し、減圧下でキシレンを留去して、
同表1〜4に示す特性及び官能基量を有するビニル重合
オリゴマーを調製した。なお、表1〜5に記載した商品
名又は記号で示した化合物は、以下の通りである。 ・P−Oは、日本油脂製の過酸化物(パーブチルO)を
意味する。 ・AIVNは、2,2’−アゾビスバレロニトリルを意
味する。 ・AIBNは、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
を意味する。
【0071】
【表1】 表1 A1 A2 A3 B1 C1 D1 E1 F1 ビニル重合オリ ゴマーの特性 数平均分子量 850 1450 670 765 879 888 1045 1020 (Mn) 重量平均分子量 1360 2610 1005 1065 1406 1243 1672 1632 (Mw) Mn/Mw 1.6 1.8 1.5 1.4 1.6 1.4 1.6 1.6官能基量 シリル基 3 3 3 4.5 4.5 エポキシ基 1 1 1.5 1.0 1.0 1.5 酸無水物基 1 1 1.5 1.0 1.0 1.5 ブロック化カル ボキシル基 水酸基 ブロック化水酸基 1 1 1 1.5 2.0 2.0 2.0 1.5合成原料 還流溶剤とし 674 674 674 674 674 674 674 674 てのキシレン γ−メタクリロイロ 62 62 62 93 93 キシプロピルト リメトキシシラン グリシジルメタ 35.5 35.5 53.3 35.5 35.5 53.3 クリレート 無水イタコン酸 28 28 42 28 28 42 トリメチルシロキ 46.5 46.5 46.5 68.5 93 93 93 69.8 シエチルメタク リレート スチレン 25 25 25 75 17.5 17.5 50 50 ブチルアクリレート 15.5 15.5 3.7 4.3 25 39.5 2−エチルヘキ 37.5 37.5 17.5 37.5 18.5 28.5 40 37.5 シルメタクリ レート 重合開始剤 P−O 24 18 26 24 24 24 22 22 キシレン 26 24 24 26 26 26 28 28 追加触媒 P−O 1 1 1 1 1 1 1 1 キシレン 1 1 1 1 1 1 1 1
【0072】
【表2】 表2 G1 H1 I1 J1 K1 L1 M1 N1 ビニル重合オリ ゴマーの特性 数平均分子量 890 860 890 890 1065 1325 1035 865 (Mn) 重量平均分子量 1424 1204 1424 1424 1597 2120 1656 1384 (Mw) Mn/Mw 1.6 1.4 1.6 1.6 1.5 1.6 1.6 1.6官能基量 シリル基 3.0 1.5 6.0 6.0 7.5 エポキシ基 1.0 1.5 1.5 4.0 酸無水物基 1.0 1.5 1.5 3.0 ブロック化カル ボキシル基 水酸基 ブロック化水酸基 2.0 合成原料 還流溶剤とし 674 674 674 674 674 674 674 674 てのキシレン γ−メタクリロイ 62 31 12.3 124 155 ロキシプロピルト リメトキシシラン グリシジルメタ 32.5 53.3 53.3 142 クリレート 無水イタコン酸 28 42 42 84 トリメチルシロキシ 93 エチルメタク リレート スチレン 45 50 50 50 35.3 64 75 25 ブチルアクリ 42 26 62.5 41 45 レート 2−エチルヘキ 37.5 50 43 35.5 37.5 31 50 38 シルメタクリ レート 重合開始剤 P−O 24 24 24 20 22 20 22 23 キシレン 26 26 26 30 28 30 28 27 追加触媒 P−O 1 1 1 1 1 1 1 1 キシレン 1 1 1 1 1 1 1 1
【0073】
【表3】 表3 O1 P1 Q1 R1 S1 T1 U1 V1 ビニル重合オリ ゴマーの特性 数平均分子量 1065 1025 865 1112 890 920 912 856 (Mn) 重量平均分子量 1597 1640 1384 1779 1424 1472 1459 1198 (Mw) Mn/Mw 1.5 1.6 1.6 1.6 1.6 1.6 1.6 1.4官能基量 シリル基 6.0 6.0 6.0 エポキシ基 2.0 1.0 2.0 酸無水物基 ブロック化カル 3.0 2.0 2.0 1.0 ボキシル基 水酸基 3.0 2.0 2.0 ブロック化水酸基 3.0合成原料 還流溶剤とし 674 674 674 674 674 674 674 674 てのキシレン γ−メタクリロイロ 124 124 キシプロピルト リメトキシシラン グリシジルメタ 71 36 71 クリレート 1−エトキシエチ 107 ルアクリレート トリメチルシロキシ 72 72 36 アクリレート 2−ヒドロキシ 98 65 65 エチルメタク リレート トリメチルシロ 137 キシエチル メタクリレート スチレン 50 50 30 20 30 50 40 20 ブチルアクリ 50 50 30 20 50 40 21 レート 2−エチルヘキシ 13 43 47 14 24 52 34 20 ルメタクリレート 重合開始剤 P−O 22 22 22 22 AIVN 11 13 11 13 AIBN 11 13 11 13 キシレン 28 28 24 28 24 28 28 28 追加触媒 P−O 1 1 1 1 AIBN 1 1 1 1 キシレン 1 1 1 1 1 1 1 1
【0074】
【表4】 表4 W1 X1 X2 X3 X4 X5 X6 X7 X8 ビニル重合オリ ゴマーの特性 数平均分子量 893 888 690 1564 1750 1956 2315 1862 1989 (Mn) 重量平均分子量 1428 1420 966 2782 4025 4890 5789 4750 4650 (Mw) Mn/Mw 1.6 1.6 1.4 1.8 2.3 2.5 2.5 2.6 2.3 官能基量 シリル基 3.0 エポキシ基 1.0 酸無水物基 ブロック化カル ボキシル基 水酸基 1.0 3.0 3.0 2.5 2.0 2.0 1.5 1.0 ブロック化 水酸基 1.0 2.0 合成原料 還流溶剤とし 674 674 674 674 550 550 450 550 550 てのキシレン γ−メタクリロ 62 イロキシプロピルト リメトキシシラン グリシジルメタ 53 クリレート 2−ヒドロキシ 33 98 98 81 104 104 98 52 エチルメタ クリレート トリメチルシロ 63 127 キシエチルメタ クリレート メチルメタ 32 22 30 100 100 100 63 127 クリレート スチレン 60 50 60 69 66 66 52 ブチルアクリ 70 70 70 130 130 150 125 114 レート 2−エチルヘキシ 42 ルメタクリ レート 重合開始剤 P−O 22 22 26 18 16 14 12 14 14 キシレン 28 28 24 24 24 24 24 24 24 追加触媒 P−O 1 1 1 1 1 1 1 1 1 キシレン 1 1 1 1 1 1 1 1 1
【0075】クリヤー塗料原料の調製 以下の配合組成に基づいて、クリヤー塗料組成物を調製
した。なお、表5において、商品名等で示される化合物
は、以下の通りである。 ・チヌビン384は、チバガイギー社製ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤を意味する。 ・サノールLS292は、チバガイギー社製光安定剤を
意味する。 ・KP321は、信越シリコン製シリコン系表面調整剤
を意味する。
【0076】
【表5】 表5 CC1 CC2 CC3 CC4 CC5 CC6 CC7 CC8 CC9 CC10 CC11 A1 100 A2 100 A3 100 B1 80 L1 20 20 C1 80 N1 20 30 D1 90 M1 30 40 G1 90 O1 30 20 E1 50 K1 50 F1 50 J1 50 H1 30 I1 70 チヌビン 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 384 サノールLS 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 292 KP 321 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 アセトン 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 テトラブチル 3 3 3 3 3 ホスホニウム ブロマイド トリラウリルメ 3 3 3 3 チアンモニウム アセテート ジメチルイミ 3 3 ダゾール
【0077】
【表6】 表5(続き) CC12 CC13 CC14 CC15 CC16 CC17 CC18 CC19 CC20 CC21 CC22 ──────────────────────────────────── P1 50 N1 50 22.5 30 Q1 100 B1 100 E1 60 F1 60 M1 30 40 20 I1 80 52 O1 20 30 W1 60 G1 60 T1 20 V1 39 J1 52 U1 39 リン酸モ 1 1 ノオクチル チヌビン 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 384 サノール 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 LS 292 KP321 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 アセトン 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 テトラブ 3 3 3 3 3 3 3 チルホス ホニウム ブロマイド ジメチルイミ 3 3 ダゾール トリラウリルメ 3 3 チアンモニウム アセテート
【0078】
【表7】 表5(続き) CC23 CC24 CC25 CC26 CC27 CC28 CC29 CC30 CC31 CC32 M1 40 30 40 N1 30 30 30 30 40 O1 20 L1 10 20 30 20 20 G1 100 I1 80 K1 60 J1 80 S1 100 R1 60 Q1 80 P1 40 リン酸モノオ 1 1 1 1 クチル チヌビン 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 384 サノール 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 LS 292 KP 321 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 アセトン 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 テトラブチ 3 3 3 3 3 3 3 3 3 ルホスホニ ウムブロマ イド テトラブチル 3 チタネート
【0079】
【表8】 表5(続き)
【0080】ベースコート塗料原料の調製 以下の表6に示される配合組成に基づいて、ベースコー
ト塗料組成物を調製した。なお、ここで使用する商品名
等で示される化合物は、以下の通りである。 ・606 C は、旭化成製アルミペーストを意味する。 ・サイメル 370は、三井サイアナミッド製メチロール化
モノメリックメラミンを意味する。 ・サイメル 325は、三井サイアナミッド製イミノ化モノ
メリックメラミンを意味する。 ・サイメル 303は、三井サイアナミッド製完全アルコキ
シ化メラミンを意味する。 ・MG 100S は、大日本インキ製マイクロジェルを意味す
る。
【0081】
【表9】 表6 b1 b2 b3 b4 b5 b6 b7 b8 h1 h2 h3 606C 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 トルエン 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 X1 50 50 X2 50 X3 50 X4 50 X5 50 X6 50 50 50 X7 50 X8 50 サイメル 30 30 30 15 30 30 370 サイメル 30 30 15 10 325 サイメル 30 30 20 303 MG100S 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5 リン酸モノ 1 1 1 1 1 1 1 1 1 オクチル パラトルエ 2 2 1 ンスルホン酸 アセトン 2 2 2 KP321 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 (x103) チヌビン 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 384 サノールLS 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 292
【0082】クリヤー塗料の調製 上記のようにして調製したクリヤー塗料原料を、ソルベ
ッソ150/ソルベッソ100の8/2の混合物によ
り、25℃にて100 cpsとなるように希釈し、クリヤ
ー塗料組成物とした。ベースコート塗料の調製 上記のようにして調製したベースコート塗料原料を、キ
シレン/トルエンの50/50混合物により、フォード
カップ14秒となるように希釈し、ベースコート塗料組
成物とした。テストピースの作成 電着板上に、OTO850(日本ペイント製中塗塗料)
を塗装ガン(ワイダー77)を用いて塗装し、140℃
で20分焼付けを行った。その上に、ベースコート塗料
組成物を15μm の厚み(乾燥後の厚みで15μm )で
塗装し、10分放置した後、クリヤー塗料組成物を40
μm の厚み(乾燥後の厚みで40μm )で塗装し、10
分放置し、次いで150℃で20分焼付けを行い、テス
トピースを製造した。塗膜特性 得られたテストピースについて、中塗塗膜に対するベー
スコートの付着性、クリヤー塗膜の耐水性、耐チッピン
グ性及び硬度を測定した。その結果を以下の表7に示し
た。なお、塗膜特性に関する測定方法は、以下の通りで
ある。 (1)付着性:テストピースの塗膜にナイフでクロスカ
ットを入れた後、セロテープ剥離試験をおこなった。評
価段階として、塗膜剥離のないものを○とし、そうでな
いものを×とした。 (2)耐水性:テストピースを60℃の温水に10日間
浸漬し、クロスカットテープ剥離テスト(付着テスト)
を行った。評価段階として、塗膜剥離のないものを○と
し、そうでないものを×とした。 (3)耐チッピング性:テストピースをダイヤモンドシ
ョット試験機に角度20度でセットし、−20℃で0.
02グラムのダイヤモンドを200km/Hの速度で衝突さ
せ、その時の剥離面積 (mm2)を測定した。評価段階とし
ては、剥離面積が1mm2 未満のものを◎とし、1mm2
上2mm2 未満のものを○とし、2mm2 以上3mm2 未満の
ものを△とし、3mm2 以上のものを×とした。 (4)硬度:テストピース塗膜の硬度は、三菱ユニ(三
菱鉛筆製)を用いて塗膜が傷つき始める時の鉛筆の硬度
で評価した。
【0083】
【表10】 表7 クリヤー ベースコート 付着性 耐水性 耐チッピング性 硬度塗料 塗料 CC1 b1 ○ ○ △ F CC2 b1 ○ ○ ○ F CC3 b1 ○ ○ ○ F CC4 b1 ○ ○ △ F CC5 b1 ○ ○ ○ HB CC6 b1 ○ ○ ○ F CC7 b1 ○ ○ ○ HB CC8 b1 ○ ○ ○ HB CC9 b1 ○ ○ ○ F CC10 b1 ○ ○ ○ HB CC11 b2 ○ ○ ○ F CC12 b2 ○ ○ ○ F CC13 b2 ○ ○ ○ F CC14 b2 ○ ○ ○ F CC15 b2 ○ ○ ○ F CC16 b3 ○ ○ ○ F CC17 b3 ○ ○ ○ HB CC18 b3 ○ ○ ○ F CC19 b3 ○ ○ ○ F CC20 b3 ○ ○ ○ HB CC21 b4 ○ ○ ○ F CC22 b4 ○ ○ ○ F CC23 b4 ○ ○ ○ F CC24 b4 ○ ○ ○ HB CC25 b4 ○ ○ ○ HB CC26 b5 ○ ○ ○ HB CC27 b5 ○ ○ ○ F CC28 b5 ○ ○ ○ F CC29 b5 ○ ○ ○ F CC30 b6 ○ ○ ○ F CC31 b6 ○ ○ ○ F CC32 b6 ○ ○ ○ F CC33 b7 ○ ○ ○ F CC34 b7 ○ ○ ○ F CC35 b8 ○ ○ ○ F CC36 b8 ○ ○ ○ F比較例 CC1 h1 ○ × × HB CC11 h1 ○ × × HB CC12 h2 × × × B CC20 h3 ○ × × B CC29 h3 ○ × × B
【0084】
【発明の効果】本発明の塗装方法により形成した塗膜の
耐水性及び耐チッピング性は大変優れている。これに対
して、完全にアルコキシ化したメラミンからなるメラミ
ン樹脂(サイメル303)と強酸性触媒(パラトルエン
スルホン酸)とを併用するベースコート塗料組成物(h1
〜h3) にウェットオンウェットで低溶剤型塗料組成物
(A)を塗装し、焼付けを行った場合、得られた塗膜の
耐水性及び耐チッピング性に劣るとともに、中塗塗膜と
の付着性及び硬度が全体的に劣ったものとなる。しか
も、本発明の方法で使用される低溶剤型塗料組成物
(A)は、有機溶剤量35%で使用されるものであるの
で、公害防止上大変有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/14 L C08G 59/40 NJE (72)発明者 植村 浩行 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 古賀 一陽 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 大澤 美香 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)酸無水物基及び/又はブロック化カ
    ルボキシル基と、エポキシ基とを必須官能基として有
    し、かつ数平均分子量700〜1500、重量平均分子
    量700〜3000、重量平均分子量/数平均分子量
    1.0〜2.0を有する1種以上のビニル重合オリゴマ
    ーであって、前記酸無水物基及び/又はブロック化カル
    ボキシル基と、エポキシ基とが同一又は異なる分子中に
    存在するビニル重合オリゴマーと、(2)塩基性の硬化
    触媒とを含み、有機溶剤量が0〜35%である低溶剤型
    塗料組成物(A)を、(1)1分子中に水酸基及び/又
    はブロック化水酸基を有しかつ数平均分子量700〜2
    500、重量平均分子量700〜7500、重量平均分
    子量/数平均分子量1.0〜3.0を有するビニル重合
    オリゴマーと、(2)以下の式: 【化1】 (式中、R1〜R6は、独立に水素原子、メチロール基又は
    炭素数1〜5のアルコキシ基であり、ただしR1〜R6が同
    時に前記アルコキシ基であることはない。)で示される
    イミノ型又はメチロール型の1核体メラミンを50〜1
    00%含有するメラミン樹脂と、(3)弱酸性触媒とを
    含有する未乾燥状態の塗料組成物(B)上に、ウェット
    オンウェットで塗装することを特徴とする低溶剤型塗料
    組成物の塗装方法。
  2. 【請求項2】 前記低溶剤型塗料組成物(A)に使用さ
    れる前記ビニル重合オリゴマーが、シラノール基、加水
    分解性シリル基、水酸基及びブロック化水酸基からなる
    群から選択される官能基を有する請求項1記載の塗装方
    法。
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