JPH08108086A - 茶葉粉砕機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 挽茶機代用の茶葉粉砕機として、挽茶能率に
対応する粉砕能率が高くかつ粉末類が飛散する恐れがな
いものを提供する。 【構成】 可逆式のドラム支持枠駆動モーター１３付き
機枠１１に、水平軸１７を有するドラム駆動モーター１
８付きドラム支持枠１８を、水平軸１７のドラム支持枠
駆動モーター１３との伝動連結状態で、水平軸１７の軸
線周りに可逆的に回転可能に支持し、ドラム支持枠１８
に、先端部と基端部にそれぞれ蓋２３及びふるい網２７
を選択的に取り付ける口部２２と基軸２４を有しかつ内
部に粉砕用ボール２６を装入したドラム２１を、基軸２
４がドラム支持枠１８の水平軸１７と直交する方向に延
びるとともに基軸２４のドラム駆動モーター１８との伝
動連結状態で、基軸２４の軸線周りに回転可能に支持し
たボールミルからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、抹茶を製造するため
に使用する挽茶機代用としての茶葉の粉砕機（微粉砕
機）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】挽茶機としては挽臼（石臼）の電動の駆
動機構を介して駆動する構造のものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この周知の挽茶機は、
品質的には申し分ないものが得られるものの、挽茶能率
が低いとともに、挽臼が開放構造で挽茶の粉末類が飛散
して、環境を汚染することから、製造工場には空気調和
設備の設置が必須である。

【０００４】この発明は上記のような点に鑑み、品質的
に周知の挽茶機と遜色のないものが得られるとともに、
挽茶能率に対応する粉砕能率が高く、しかも挽茶の粉末
類が飛散する恐れがない挽茶機代用の茶葉粉砕機を提供
することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明によれば、上記
の目的は、可逆式のドラム支持枠駆動モーター付き機枠
（基枠）に、水平軸を有するドラム駆動モーター付きド
ラム支持枠を、水平軸のドラム支持枠駆動モーターとの
伝動連結状態において、水平軸を介してその軸線周りに
可逆的に回動可能に支持し、該ドラム支持枠に、先端部
に蓋とふるい網（網ふるい）を選択的に取り付け可能な
口部を有するとともに基端部に同心的に延びる基軸を有
しかつ内部に多数の粉砕用ボールを装入したドラムを、
基軸のドラム支持枠の水平軸と直交する方向に延びる状
態におけるドラム駆動モーターとの伝動連結状態におい
て、基軸を介してその軸線周りに回転可能に支持してな
る茶葉粉砕機によって達成する。

【０００６】ドラムとしては、特にその実質部（一般に
は胴部）の横断面が六角形などの多角形のものを用いる
ことができる。またドラムの内部に装入する粉砕用ボー
ルとしては、高強度、耐食性、耐熱性などを有する材料
製のもの、特にセラミックス、ジルコニア（ジルコニア
セラミックスを含む）、ステンレス鋼製などを用いるこ
とができる。さらにふるい網としては、ステンレス鋼製
などを用いることができる。

【０００７】

【作用】この発明の茶葉粉砕機は一種のボールミルと言
い得るもので、一般には、ドラム支持枠駆動モーターの
作動、例えば正転を介してドラム支持枠を水平軸の軸線
周りに回転して、ドラムの口部を斜め上または真上を向
くようにした状態で、茶葉ホッパーなどからドラムの内
部に例えばほぼ満杯になるまで茶葉を装填して、口部を
蓋で閉鎖した後、ドラム支持枠駆動モーターの作動、例
えば逆転によりドラム支持枠をドラムが水平になるまで
水平軸周りに回転し、この状態でドラム駆動モーターの
作動を介してドラムを軸線周りに所定の時間回転するこ
とにより、茶葉に粉砕用ボールの転動を介した衝撃と摩
擦作用を繰り返し付与して、茶葉の粉砕を周知の挽茶機
の場合と同等の段階まで行ない、次いでドラム支持枠駆
動モーターの作動、例えば正転を介してドラムを一旦口
部が上向きになる位置まで回転して、口部の蓋をふるい
網に代えた後、ドラム支持枠駆動モーターの作動、例え
ば逆転を介してドラムの口部が斜め下あるいは真下を向
いて、予めドラムの下方部に用意してある茶袋などの口
部に直接または間接的に臨む状態にし、この状態で、ド
ラム駆動モーターの作動によりドラムを軸線周りに回転
するとともにドラム支持枠駆動モーターの正逆転により
ドラム支持枠、従ってドラムを僅かに揺動するか、ある
いはこのようなドラムの回転と揺動のいずれか一方を行
ないながら、内部の茶葉の微粉末をふるい網を通して、
茶袋などに放出するという態様で使用する。

【０００８】実質部の横断面が多角形のドラムを用いる
と、ボールと茶葉がドラムの下部域に停滞することなく
ドラムの回転に随伴しながら転動して衝突と摩擦を反復
し、茶葉の粉砕作用が助長されることを確認した。

【０００９】粉砕用ボールとしてセラミックス製のボー
ルを使用すると、衝突、摩擦による温度上昇によって、
遠赤外線が発生し、香り等の面で茶の品質が改善される
ことも判明した。

【００１０】

【実施例】図面はこの発明に係る茶葉粉砕機の一実施例
を示したもので、可逆式電動モーターからなるドラム支
持枠駆動モーター１３を付設した機枠１１を形成する水
平方向に間隔をおいた一対の側枠１２の上部に、両側部
に水平軸１７を有するとともに中央部にドラム駆動モー
ター１８を付設したＣ形のドラム支持枠１６を、水平軸
１７を介して水平軸の軸線周りに支持するとともに、ド
ラム支持枠駆動モーター１３とこのモーター１３に近接
する一方の水平軸１２とをウオーム歯車装置１４を介し
て伝動連結し、さらにドラム支持枠１６の中央部に、先
端部と基部のそれぞれに選択的に取り付ける着脱自在の
蓋２３またはふるい網２７付きの口部２２と基軸２４を
有する全体の横断面が六角形状のドラム２１の基軸２４
を、ドラム支持枠１６の水平軸１４と直交する方向に延
びる状態で、その軸線周りに回転可能に支持するととも
に、ドラム駆動モーター１８と基軸２４をチエーン伝動
装置２５を介して伝動連結し、かつドラム２１内に例え
ば直径が１０数ｍｍの粉砕用ボール２６を１００ｋｇ前
後（ドラム２１の容量が０．６ｍ³前後の場合）装入し
た構造からなっている。

【００１１】図示した実施例の茶葉粉砕機によって茶葉
の粉砕を行なう際には、まず、ドラム支持枠駆動モータ
ー１３の作動（例えば正転のスイッチ操作）により、ウ
オーム歯車装置１４からドラム支持枠１６の水平軸１７
の軸線周りの回転を介して、ドラム２１の口部２２を斜
め上方または真上に向け、この状態で茶葉ホッパーの切
り出しゲート等からドラム２１内に茶葉をほぼ満杯にな
るまで（ドラム容量が０．６ｍ³前後の場合には約２５
ｋｇ前後）装填して、口部２２を蓋２３で閉鎖した後、
再度ドラム支持枠駆動モーター１３の作動（例えば逆転
のスイッチ操作）を介して、ドラム２２をその軸線が水
平に延びる状態にする。

【００１２】次いでこのようなドラム２２の水平な延在
状態で、ドラム駆動モーター１８を作動することによ
り、チエーン伝動装置２５を介して、ドラム２１を軸線
周りに例えば２５〜３５ｒｐｍの速度で２０時間前後回
転する。これによりドラム２１内の茶葉には、粉砕用ボ
ール２６の転動による衝撃と摩擦が反復して付与され、
茶葉が周知の挽茶機の場合と実質上同程度の微粉末の状
態に粉砕される。

【００１３】この後ドラム支持枠駆動モーター１３の作
動（例えば正転のスイッチ操作）によって、一旦ドラム
２１の口部２２を上に向けて、口部２２の蓋２３を網目
が例えば数メッシュのふるい網２７付きの筒口２８に代
えた後、再びドラム支持枠駆動モーター１３の作動（例
えば逆転のスイッチ操作）を介して、ドラム２１の口部
２２を斜め下あるいは真下に向けることにより、予めド
ラム２１の下方部に用意してある例えば可撓性の茶袋の
口部を手で保持して、筒口２８の外周部に該外周部を軽
く包囲するように臨ませた状態で、ドラム駆動モーター
１８の作動によりドラム２１を軸線周りに回転させると
ともに、ドラム支持枠駆動モーター１３の正逆の作動
（正逆のスイッチ操作）を介してドラム２１を僅かな角
度揺動させながら（この際茶袋の口部もこれを保持する
手を介してこの揺動に随伴させる）、あるいはこのよう
なドラム２１の回転と揺動の一方を行ないながら、ドラ
ム２１内の茶葉の微粉末をふるい網２７を通して、茶袋
内に例えば数分間で移す。

【００１４】この発明の茶葉粉砕機はこのほか、ウオー
ム歯車装置やチエーン伝動装置以外の伝動装置（たとえ
ばウオーム歯車以外の平歯車や傘歯車などを含む歯車伝
動装置）を用いたり、これらの伝動装置にブレーキを付
加したり、機枠に茶袋などの茶容器の口部の保持手段を
付加するなど、種々の形態で実施することができるもの
で、図示例の構成に限定されるものではない。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、この発明に係る茶葉粉砕機によれば、周知の挽茶機
に比して数十倍の高能率で抹茶を製造することができる
とともに、ドラムの内部での粉砕の点から、粉末類が飛
散する恐れはほとんどなく、空調設備は不要である。

【００１６】またこの茶葉粉砕機は横断面を多角形にす
ると、茶葉の粉砕作用がアップし、抹茶の製造能率が一
段と向上する。

【００１７】さらにこの茶葉粉砕機には、粉砕用ボール
としてセラミックス製のものを用いると、遠赤外線の作
用によって、香りが改善されるという効果がある。

【００１８】またさらにこの茶葉粉砕機は、ドラム支持
枠駆動モーター及びドラム駆動モーターとも、その駆動
対象の点から小型で小容量のもので間に合うため、電力
消費量が少なくて済むとともに、粉砕自体は全自動の運
転ができるため、実質上人手が要らないという効果も有
している。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る茶葉粉砕機の一実施例の側面図
である。

【図２】図１の実施例の正面図である。

【図３】図１の実施例の平面図である。

【符号の説明】

１１ 機枠 １２ 側柱 １３ ドラム支持枠駆動モーター １４ ウオーム歯車装置 １６ ドラム支持枠 １７ 水平軸 １８ ドラム駆動モーター ２１ ドラム ２２ 口部 ２３ 蓋 ２４ 基軸 ２５ チエーン伝動装置 ２６ 粉砕用ボール ２７ ふるい網

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可逆式のドラム支持枠駆動モーター付き
   機枠に、水平軸を有するドラム駆動モーター付きドラム
   支持枠を、水平軸のドラム支持枠駆動モーターとの伝動
   連結状態において、水平軸を介してその軸線周りに可逆
   的に回動可能に支持し、該ドラム支持枠に、先端部に蓋
   とふるい網を選択的に取り付け可能な口部を有するとと
   もに基端部に同心的に延びる基軸を有しかつ内部に多数
   の粉砕用ボールを装入したドラムを、基軸のドラム支持
   枠の水平軸と直交する方向に延びる状態におけるドラム
   駆動モーターとの伝動連結状態において、基軸を介して
   その軸線周りに回転可能に支持してなる茶葉粉砕機。
2. 【請求項２】 ドラムの実質部の横断面が多角形であ
   る、請求項１記載の茶葉粉砕機。
3. 【請求項３】 粉砕用ボールがセラミックス製である、
   請求項１または２記載の茶葉粉砕機。