JPH08108077A - メタル担体用ハニカム体及びメタル担体の製造方法 - Google Patents

メタル担体用ハニカム体及びメタル担体の製造方法

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JPH08108077A
JPH08108077A JP6244167A JP24416794A JPH08108077A JP H08108077 A JPH08108077 A JP H08108077A JP 6244167 A JP6244167 A JP 6244167A JP 24416794 A JP24416794 A JP 24416794A JP H08108077 A JPH08108077 A JP H08108077A
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JP
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honeycomb body
bonding
joining
foil
heat treatment
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Application number
JP6244167A
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Inventor
Toshikazu Nakagawa
俊和 中川
Yasushi Ishikawa
泰 石川
Masao Yashiro
正男 八代
Hitoshi Ota
仁史 太田
Haruo Kimura
春男 木村
Akiichi Kaneko
昭市 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メタル担体用の製造において、ハニカム体を
構成する平箔と波箔の当接部、並びにハニカム体と外筒
の接合部が必要十分な強度を有するメタル担体の製造方
法を提供することを目的とする。 【構成】 耐熱鋼製の金属箔からなるメタル担体の製造
方法に於いて、油脂類を主成分とした接合促進剤を、ハ
ニカム体の平箔あるいは波箔の接合すべき所定部位、又
は、ハニカム体と外筒の接合部位に介在させた状態で、
或いは接合促進剤を一次加熱処理を済ませた状態で介在
させ、非酸化性雰囲気で加熱処理してハニカム体内部の
平箔と波箔を或いはハニカム体と外筒とを確実に接合さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車エンジン等の内
燃機関から排出される排ガスを浄化する触媒を担持する
ためのメタル担体用ハニカム体及びメタル担体の製造方
法に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】排ガスを浄化するためのメタル担体は、
厚さ50μm程度のステンレス鋼等の耐熱性合金鋼から
なる平坦な、或いは微小波付け加工した金属箔(以下平
箔という。)と平坦な金属箔を波付け加工した金属箔
(以下、波箔という。)を交互に積層した後、渦巻状に
巻回して形成された多数の排ガス通路を有するハニカム
体によって基本的に構成されるが、通常更にこのハニカ
ム体とこれを収納する耐食性、耐熱製に優れた耐熱合金
からなる外筒とからなっており、ハニカム体の金属箔同
士は互いに接合されると共に、外筒に収納される場合
は、ハニカム体は外筒と固定されている。
【0003】このメタル担体は、排ガス浄化用の触媒を
担持した後、例えば自動車エンジンの高温の排ガスの経
路内に搭載固定されて使用されるので、ハニカム体の金
属箔同士及び、ハニカム体と外筒との接合、固定は十分
な強度が必要である。
【0004】メタル担体用ハニカム体の接合方法には、
ろう付け接合法、溶融溶接法及び拡散接合法が既に知ら
れている。溶融溶接法は、非常に多くの接合点を一つづ
つ接合する接合形態のため、機能的に問題があり、多数
の接合点を同時に接合することが可能なろう付け接合法
或いは拡散接合法が通常使用されており、特に、ろう付
け法が古くから最も一般的に用いられている。
【0005】ろう付け接合法は、接合対象母材より低融
点の金属(ろう剤)を接合界面付近に配置して加熱する
ことによって、このろう剤を溶融させて、母材を溶融さ
せること無く、溶融したろう剤を接合界面の間隙に浸入
・充填させた後、冷却凝固させる接合法で、接合部には
母材と組成の異なるろう剤或いはろう剤と母材の反応に
よって生成した異質相が残存する。20%Cr−5%A
l−Fe合金鋼等のハニカム体のろう付け接合ではNi
を主成分としたニッケルろう剤が主として用いられてお
り、ろう剤のコスト上の問題の外に、ろう剤と母材の反
応によって生じた金属間化合物によって母材の劣化や、
接合界面付近の充填固化による接合部の自由度低下等の
問題がある。
【0006】このため、ろう剤によらない接合法とし
て、例えば特開平1−218636号公報のごとく固相
のまま原子の拡散によって母材を接合させる固相拡散接
合法或いは接合界面に液相を作りこの液相を介して母材
を接合させる液相拡散接合法が有るが、何れも接合後の
加熱処理により、接合界面に生じた異質相を母材中に拡
散分散させて均質な接合部を得ることを特徴としてい
る。
【0007】固相拡散接合は、清浄な接合面を有する母
材同士を圧力をかけて密着させて非酸化性雰囲気下で加
熱処理することにより、クリープによる密着過程を経
て、接合母材の構成原子の相互拡散によって接合させる
方法で、接合界面の清浄度、酸化物皮膜の状態や密着圧
力等の影響を強く受ける。特に、20%Cr−5%Al
−Fe合金鋼のような高Al含有鋼では接合界面に強固
で安定したAl酸化物皮膜が生成しており、又、密着圧
力付与にも母材の厚さが50μm程度と薄い箔厚のハニ
カム体のため変形等の面から加圧にも制約がある。
【0008】液相拡散接合は一般的に、接合母材より低
融点の金属をインサート材として接合界面に挟み込んで
加熱処理し、溶融したインサート材と母材間の反応によ
って接合させ、その加熱温度に保持する。この保持によ
って、接合部の組成を拡散せしめて、この拡散によって
組成が変化することによる凝固温度の上昇を利用して等
温凝固させる。引き続き凝固した接合部を加熱して、接
合部に生成した異質相を母材中に拡散分散させて、均質
な接合部を得るが、接合部異質相の均質化処理に長時間
を要する欠点が有る。
【0009】又、外筒とハニカム体の接合は、クッショ
ンプレートやメッシュネット等を介して間接的に接合す
る方法や、ハニカム体と外筒の一部分をろう剤によって
直接接合する方法が用いられているが、ろう剤による直
接接合方では作業能率面では優れているがハニカム体の
接合と同様に接合部の品質低下の問題があり好ましくな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みてなされたもので、その主要な目的はメタル
担体用のハニカム体の金属箔同士及びハニカム体と外筒
の接合において、油脂類またはこれを主成分とする化合
物或いは混合物(以下、接合促進剤という。)を使用す
ることにより、高価なろう剤を使うことなく、又、固相
拡散接合法や液相拡散接合に必要な接合点の高面圧付与
や、高温での長時間加熱等の条件を緩和し、経済的で効
率的な接合方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】以下に、上記の目的を達
成するための手段について詳細に説明する。本発明は以
下の構成を要旨とする。すなわち、(1)平箔と波箔を
積層或いは、重ねて巻回して作成するメタル担体用ハニ
カム体製造法において、ハニカム体内の平箔と波箔の接
合すべき当接部に、接合促進剤を介在させた状態で、非
酸化性雰囲気で加熱処理するメタル担体用ハニカム体の
製造方法であり、又(2)上記(1)に記載の方法にお
いて、接合促進剤を、一次加熱処理した状態で、ハニカ
ム体内部の接合すべき当接部に介在させて、非酸化性雰
囲気で加熱処理する製造方法であり、又(3)平箔と波
箔を積層或いは、重ねて巻回して作成したメタル担体用
ハニカム体を外筒に組み付けて接合・固定するメタル担
体の製造法において、ハニカム体と外筒の接合部位に、
接合促進剤を介在させた状態で、非酸化性雰囲気で加熱
処理するメタル担体の製造方法であり、又(4)上記
(3)に記載の方法において、接合促進剤を、一次加熱
処理した状態で、ハニカム体と外筒との接合すべき当接
部に介在させて、非酸化性雰囲気で加熱処理する製造方
法である。
【0012】
【作用】以上のように、本発明の特徴は、ハニカム体内
部の接合部位或いはハニカム体と外筒の接合部位に、接
合促進剤を介在させた状態で、非酸化性雰囲気で加熱処
理するメタル担体用ハニカム体の製造方法或いは、ハニ
カム体と外筒との接合方法であり、接合促進剤は現状の
まま或いは、これを一次加熱処理した状態で接合部位に
介在させる。
【0013】接合促進剤は、非酸化性雰囲気での加熱処
理過程で、加熱分解して還元性のガスを発生し、これに
よって接合界面の酸化物皮膜等の浄化、還元分解さらに
は残留炭素の母材への浸炭によるクリープ及び融解温度
の低下等の効果により接合が促進される。
【0014】この際、真空炉による非酸化性雰囲気での
加熱処理工程では、接合促進剤が液状の炭化水素化合物
からなる場合、初期分解による発生ガスにより真空度が
低下し処理時間が延びることがあるため、生産性を向上
させるためには、接合促進剤を一次加熱処理することに
よって、初期分解ガス成分を除去し、粘性物質或いは固
体として接合部位に介在させ、その後真空炉での非酸化
性雰囲気で加熱処理することによってより好ましい結果
がえられる。
【0015】一次加熱処理では、発生ガス成分の除去の
外、炭化水素化合物の重合反応等による耐熱性の皮膜の
生成或いは、母材の金属箔との間に高温まで安定な金属
セッケン化合物を生成せしめる。
【0016】さらに、この耐熱性の炭化水素重合皮膜或
いは、金属セッケン化合物を接合界面に介在させた状態
で非酸化性雰囲気で加熱処理することにより、加熱処理
生成物の分解によって生成する還元性ガスによって、金
属箔の接合界面の浄化、酸化物皮膜の還元分解、さらに
は母材の接合界面への浸炭による液相現出温度の低下に
よって接合界面にフイルム状の液相部を現出せしめ、こ
の液相を介して確実な接合部を得るもので、これにより
高価なろう剤を使用することなく、又、固相拡散接合で
必要な接触面圧の付与、高温での長時間加熱等の固相拡
散接合に必要な各種条件を緩和することができる。
【0017】このような界面の接合には固相拡散接合の
外、接合界面に低融点の金属をインサート材として介在
させて加熱することにより液相を現出せしめてこの液相
を介して接合させた後、引き続き加熱処理し、接合部の
元素を拡散・分解させ成分を均一化する液相拡散接合、
あるいは液相拡散接合行程で接合後の成分均一化のため
の拡散熱処理を行わない接合(以下、液相接合と呼ぶ)
が利用できる。本発明で使用する接合促進剤には、母材
の酸化皮膜と反応し還元分解する作用や、あるいは母材
の融点を下げる作用があり、接合促進剤の使用量、熱処
理温度、時間の条件選定によって各種の接合促進が可能
となる。
【0018】すなわち固相拡散接合を行う場合は、接合
促進剤の使用量を少なくし、接合界面の酸化皮膜の還元
分解・浄化に止め、以降は面圧、熱処理温度および時間
の制御により固相拡散接合せしめる。又、液相接合を行
う場合は、接合促進剤の使用量をやや多くし、接合界面
に確実に液相部を形成せしめた後、冷却凝固させること
により接合させる。更に液相拡散接合を行う場合は、前
記の液相接合部を高温に保持することにより、同液相部
を母材内に拡散消滅させて接合する。
【0019】又、別途調製した金属石ケンやワックス等
の固体状の炭化水素化合物を接合界面に介在させて、非
酸化性雰囲気で加熱処理しても、同様の接合促進効果が
得られるが、この場合は、接合界面での耐熱性の重合皮
膜の生成や金属石ケンの生成に必要な一次加熱処理は不
要となる反面、接合界面付近へ付着させるために有機バ
インダー等との併用が必要となる。
【0020】本発明での油脂類又はこれを主成分とする
化合物或いは混合物からなる接合促進剤には、サラダ油
等の液状炭化水素化合物、グリース等の高粘度炭化水素
化合物や固形状のワックスが、また油脂類を主成分とす
る化合物には金属セッケンやエステル類等が含まれてお
り、更に、油脂類を主成分とする混合物には、上記の油
脂類および油脂類を主成分とした化合物同士の混合物
や、金属粉末との混合物等が含まれる。ロールコーター
法等で金属箔の表面の特定部位にこれらを付着させる場
合は、使用状態で1,000〜3,000CPS程度の
粘度が使いよく、これより高粘度場合は、成分調整して
粘度を調整したり、使用温度を高めて、粘度を下げる等
の処置を行う。又、固体状の炭化水素化合物の場合は有
機バインダーに混合して使用する等の対策が必要とな
る。成形済みのハニカム体を液状の炭化水素化合物に浸
漬して平箔と波箔の当接部に吸い上がらせて付着させる
場合は低粘度の液状炭化水素が効果的である。
【0021】一次加熱温度については100℃未満では
温度が低いため長時間の加熱時間を必要とするため効率
が悪く、又、500℃以上では接合促進剤の分解消失の
割合が増大し好ましくない。このため、本発明での一次
加熱温度は約100〜500℃の範囲とし、加熱時間は
約1〜5時間の範囲とする。この加熱雰囲気は大気でも
よく、特別に規定しない。
【0022】本発明でのメタル担体用ハニカム体の製造
方法の工程は、非酸化性雰囲気(真空雰囲気も含む)で
の加熱処理時の接合促進剤の介在形態によって接合促進
剤をそのままを接合部に介在させる方法と、一次加熱処
理を行った状態で接合部に介在させる方法に大別され
る。前者の接合促進剤をそのまま接合部位に介在させる
方法としては、金属箔表面に接合促進剤を付着させた後
ハニカム体に成形する方法とハニカム体に成形後に接合
促進剤を付着させる方法があり、又、後者の一次加熱を
行う方法では、一次加熱処理を行うタイミングによって
ハニカム体成形後に一次加熱処理を行う方法とハニカム
体に成形前の金属箔に接合促進剤を付着させた状態で一
次加熱処理を行う方法があり、必要に応じて、これらを
組み合わせて使用できる。
【0023】金属箔表面に接合促進剤を付着させた後ハ
ニカム体に成形する方法では、ロールコーター法で波箔
或いは平箔の何れか一方又は双方に接合促進剤を付着さ
せながらハニカム体を成形する方法が、又、ハニカム体
を成形後接合促進剤を付着させる方法としては、成形し
たハニカム体を液状接合促進剤中に浸漬して付着させる
方法等がある。
【0024】又、ハニカム体成形後の一次加熱処理は、
上記の方法で作成した接合促進剤を接合部位に介在させ
たハニカム体を一次加熱処理するが、更に、ハニカム体
成形前に一次加熱処理を行う方法では、箔の前処理とし
て接合促進剤を金属箔の表面に付着させた後一次加熱処
理し、この前処理済み箔を別工程でハニカム体に成形す
る。
【0025】ハニカム体の接合でハニカム体内部の特定
部位のみを不接合とする部分接合構造が必要な場合は、
ロールコーター法で接合すべき箇所のみに接合促進剤を
付着させて接合を強調する方法の外、Ti,Si等の酸
化物等を接合阻止剤として併用する方法が効果的であ
る。
【0026】ハニカム体の外筒との接合については、非
酸化性雰囲気で加熱処理して完成させたハニカム体をリ
テーナー等の機械的な方法で外筒に組み込み・固定する
方法の外に、外筒に直接接合・固定してメタル担体とす
る場合がある。後者のハニカム体を外筒に直接接合・固
定する方式では、接合促進剤を接合すべき部位に付着さ
せて外筒に組み込んで非酸化性雰囲気で加熱処理して接
合させるが、一次加熱を行う方法では、接合促進剤を付
着させ一次加熱を行った後外筒に組み込み、或いは、接
合促進剤を付着させて外筒に組み付けた後一次加熱処理
を行う何れかの方法を採用し、これを非酸化性雰囲気で
加熱処理して、ハニカム体内部の金属箔同士及びハニカ
ム体と外筒とを同時に接合させる。この場合のハニカム
体は、本発明による接合促進剤によるハニカム体に限ら
ず他の方法で作成したハニカム体にも適用可能である。
【0027】
【実施例】以下本発明を実施例をもとに詳細に説明す
る。図1は本発明の代表的な製造工程の略図を示す実例
である。平箔1にバックテンションTをかけながら波箔
2と重ねて巻回し、ハニカム体3を形成し、緩み防止の
ため終端部をスポット溶接で固定する(図2参照)。こ
の際、必要箇所へ接合阻止剤を塗布する塗布機構を供え
た接合阻止剤8入りの容器10を、巻回し中の必要なタ
イミングで上下させることによって平箔の必要部分に接
合阻止剤8を塗布する。
【0028】接合阻止剤の塗布機構は、接合阻止剤入り
容器10中で回転する塗布ロール9とこのロール表面の
塗布すべき範囲にスポンジ等の吸水性のある塗布部材9
−1を巻き付けた構造となっており、塗布部材9−1の
取付位置によって、担体内部の軸方向の接合阻止剤の塗
布範囲を決め、ハニカム体の巻取り中に、この塗布部材
9−1を平箔に接触させるタイミングによって、担体内
部の径方向の塗布位置及び範囲を調節する。
【0029】成形したハニカム体3は図2に示すように
液状の接合促進剤4が入った容器11に浸漬し、吸い上
がり現象を利用して液状の接合促進剤4を平箔1と波箔
2の当接部付近に付着させる。
【0030】このハニカム体3の外周面或いは外筒5の
内面の接合すべき部位に液状の接合促進剤4付着させて
加熱炉(図示せず)中で約180℃で約3時間の一次加
熱処理を行う。
【0031】一次加熱処理を行ったハニカム体3或いは
外筒5を組み合わせて外筒と一体化した後、非酸化性雰
囲気または真空雰囲気内において1150〜1300℃
の温度範囲で30〜100分の加熱処理を施してハニカ
ム体3内部の金属箔同士及びハニカム体3の外周部金属
箔と外筒5を接合させる。
【0032】平箔8および波箔5は耐熱性と耐酸化性の
点より20Cr−5Al等のフェライト系合金箔が主と
して使用される。また、接合促進剤4として液状炭化水
素化合物を使用する場合は、例えばオレイン酸等の脂肪
酸を含有するサラダ油が容易に入手できて好都合であ
る。
【0033】本発明で得られたハニカム体の接合界面付
近にクロム等の金属炭化物が析出することがあるが、析
出した炭化物は柔らかい母材に包まれた状態で存在し、
母材全体の硬化等は無く、又、局部的なCr濃度の低下
も、20%Cr−5%Al−Fe等の高クロムステンレ
ス箔ではこれによる耐食性の低下等の障害は実用用途上
の問題は無い。
【0034】(実施例1)図1に示す方法によって、平
箔に約10kgのバックテンションTを与えつつ、波箔と
共に巻き回し、下端部から軸方向に70mmの範囲に接合
阻止剤を最外層から3層目に1周のみ塗布して、直径8
2.0mm高さ100mmのハニカム体を成形し、緩みを防
止するため終端部をスポット溶接で固定した。このハニ
カム体を図2に示す方法で、オレイン酸等の脂肪酸を含
有するサラダ油からなる接合促進剤に浸漬して平箔と波
箔の当接部付近に付着させた後、さらにこのハニカム体
の外面中央部50mmの全周に前記の接合促進剤を付着さ
せ、加熱炉中で約180℃で3時間の一次加熱処理を行
った。このハニカム体を、接合促進剤を内周に塗布した
厚さ1.5mm、直径(外径)84mm、高さ100mmの外
筒に圧入した。この外筒に組み込んだハニカム体を、3
〜5×10-4Torrの真空雰囲気で、約20℃/分の
昇温スピードで1250℃迄加熱昇温させ、この温度に
90分保持した後、ガス・ファン・クーリング法(昇温
・加熱中の真空炉に窒素ガスを装入して真空雰囲気を大
気圧まで戻し、この窒素ガスをファンで攪拌して冷却す
る)によって室温まで冷却し、メタル担体を形成した。
このメタル担体の断面を図3で示す。図中7は接合阻止
剤8によって形成された不接合範囲を示す。
【0035】得られたメタル担体の軸方向中央部を20
mmの厚さに輪切り切断したサンプルを作り、押し抜き試
験を行い、破断部を検査したところ接合阻止剤塗布部以
外の位置のハニカム体破断部は、平箔と波箔の当接部の
剥離でなく金属箔の母材部が切断するという完全な接合
部が得られた。又、ハニカム体と外筒との接合部も完全
であった。本実施例で得られたメタル担体について、コ
ークス炉ガスを熱源として、900℃迄加熱昇温後間5
分保持し、室温まで冷却する加熱冷却サイクルを200
0回繰り返す熱サイクル試験を行ったが、メタル担体及
び外筒には何等異常が認められず健全な接合状態が証明
された。
【0036】(実施例2)実施例1と同様の方法で、接
合促進剤をハニカム体内部及びハニカム体と外筒の接合
部位に介在させた外筒付きのハニカム体を作成し、加熱
炉における一次加熱処理を行わずに、真空炉だけで加熱
処理してメタル担体を作成した。すなわち、真空炉での
加熱で初期の分解ガスによる真空度の低下を避けるた
め、一次加熱処理に代る処理として真空炉内で200℃
で約5時間保定処理を行い、その後昇温して熱処理を行
ったが、上記真空炉内での保定処理以外の製作条件は実
施例1と同一とした。
【0037】得られた担体を、実施例1と同じ方法で評
価試験を行ったところ、押し抜き試験及び熱サイクル試
験共実施例1と同様の結果が得られた。
【0038】
【比較例】接合促進剤の塗布及び一次加熱処理を行わな
い以外は実施例1と全く同じ方法で同一形状のメタル担
体を作り、同様に押し抜き試験と熱サイクル試験を行っ
た。その結果、比較例で作成したメタル担体の押し抜き
試験では、破断部が平箔と波箔の当接部で剥離しており
接合が不十分で、又、熱サイクル試験でもハニカム体内
部で層状の剥離部が生じ、ハニカム体の一部にズレが発
生し、メタル担体の品質としては不十分であった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、安
価な接合促進剤の使用により、高温度での長時間加熱を
しなくても十分な接合強度を持つメタル担体が能率良く
製造でき、又、ハニカム体の接合において所定の位置の
みを部分的に接合するパターン接合構造の採用の外、外
筒とハニカム体との接合位置の最適化等により、極めて
品質の良いメタル担体を能率良く得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハニカム体の製造工程例を示す概略斜
視図である。
【図2】図−1の工程で製造したハニカム体を本発明の
液状の接合促進剤の液槽に浸漬した例を示す図である。
【図3】実施例及び比較例で作成したメタル担体の接合
構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…平箔 2…波箔 3…ハニカム体 4…接合促進剤 5…外筒 6…接合範囲 7…不接合範囲 8…接合阻止剤 9…塗布部材 10…接合阻止剤入り容器 11…接合促進剤入り容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 3/28 301 P (72)発明者 太田 仁史 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 木村 春男 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 金子 昭市 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平坦な金属箔と波付け加工した金属箔を
    積層或いは、重ねて巻回して作成するメタル担体用ハニ
    カム体製造方法において、ハニカム体内の平坦な金属箔
    と波付け加工した金属箔の接合すべき当接部に、油脂類
    またはこれを主成分とする化合物或いは混合物からなる
    接合促進剤を介在させた状態で、非酸化性雰囲気で加熱
    処理することを特徴とするメタル担体用ハニカム体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 接合促進剤を、一次加熱処理した状態
    で、ハニカム体内部の接合すべき当接部に介在させて、
    非酸化性雰囲気で加熱処理することを特徴とする請求項
    1に記載のメタル担体用ハニカム体の製造方法。
  3. 【請求項3】 平坦な金属箔と波付け加工した金属箔を
    積層或いは、重ねて巻回して作成したメタル担体用ハニ
    カム体を外筒に組み付けて接合・固定するメタル担体の
    製造法において、ハニカム体と外筒の接合部位に、油脂
    類またはこれを主成分とする化合物或いは混合物からな
    る接合促進剤を介在させた状態で、非酸化性雰囲気で加
    熱処理することを特徴とするメタル担体の製造方法。
  4. 【請求項4】 接合促進剤を、一次加熱処理した状態
    で、ハニカム体と外筒との接合すべき当接部に介在させ
    て、非酸化性雰囲気で加熱処理することを特徴とする請
    求項3に記載のメタル担体の製造方法。
JP6244167A 1994-10-07 1994-10-07 メタル担体用ハニカム体及びメタル担体の製造方法 Withdrawn JPH08108077A (ja)

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