JPH08107894A - 回転多陰極ct装置 - Google Patents

回転多陰極ct装置

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Publication number
JPH08107894A
JPH08107894A JP6245260A JP24526094A JPH08107894A JP H08107894 A JPH08107894 A JP H08107894A JP 6245260 A JP6245260 A JP 6245260A JP 24526094 A JP24526094 A JP 24526094A JP H08107894 A JPH08107894 A JP H08107894A
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JP
Japan
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cathode
magnetic field
ray
anode
cathodes
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Pending
Application number
JP6245260A
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English (en)
Inventor
Toyonari Harada
豊成 原田
Tsuneto Hiramatsu
恒人 平松
Masahiko Ono
正彦 小野
Shigeru Tanaka
茂 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP6245260A priority Critical patent/JPH08107894A/ja
Publication of JPH08107894A publication Critical patent/JPH08107894A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】剛性の高い大規模なハードウエア構成及び大出
力のアクチエータを必要とせずに、X線の超高速スキャ
ンを実現する。 【構成】複数の陰極と、これらの陰極を回転させる陰極
回転機構部と、陰極を構成するフィラメントへの電力供
給を非接触で行うトランス又はコイル及び磁場を発生さ
せる電磁石を設けたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、陽極と陰極から構成
されたX線の発生源を撮影対象、例えば人体の回りを回
転させながらX線を照射し、人体を透過したX線を検出
して、この人体の内部構造を画像化する回転多陰極CT
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線CT装置においては、撮影対象、例
えば人体の断面画像又は内部立体画像を撮影するために
は、人体を回転させる方法と人体にX線を照射するX線
発生源を人体の回りに回転させる方法との2つの方法が
ある。
【0003】撮影時間の短縮を図るためには、X線のス
キャンを高速化することが考えられるが、人体を回転さ
せる方法では、人体の重量からくる物理的な問題からも
またその生理的な問題からも限界があり、患者の場合に
はなおさら回転の高速化は困難である。
【0004】これに比べてX線発生源を人体の回りに回
転させる方法では、X線発生源の回転の軌道が大きくな
る問題はあるが、生理的な問題もなく可能性が大きい。
しかもこの方法では、人体を体軸方向にスライドさせる
必要はあるが、人体をほぼ静止させた状態で撮影ができ
るので、アーチファクト等の問題が少なく、良好な撮影
ができるという利点もある。
【0005】X線発生源としては陽極、陰極、この陰極
を加熱するフィラメント及びそれらを収納する真空容器
等から構成されるX線管が良く知られており、このX線
管を、リング状の回転架台に搭載し、人体をこの回転架
台の中心に配置して、回転架台でX線管を人体の回りに
回転させる。
【0006】このX線管はその冷却装置を含めて重量が
大きいので、高速化にはかなり剛性の高い、大規模なハ
ードウエア構成及び大出力のアクチュエータが必要にな
る。そこで近年、例えば特開平6−20845号により
示される回転陰極X線管装置が提案されている。
【0007】すなわち、ドーナッツ状の真空容器の中
に、環状の陽極とフィラメントを備えた環状の回転陰極
とを対向して配置したもので、回転陰極が電磁マグネッ
ト装置によって磁気浮上されて回転駆動される。この回
転陰極の回転に伴って、陽極上のX線の発生部分もまた
回転し、X線発生源が人体の回りを回転することにな
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した回転陰極X線
管装置でも、回転陰極の回転速度をより向上するために
は剛性を高くし、ハードウエア構成の規模を大型にする
と共にアクチュエータを大出力にする必要がある。
【0009】しかし、X線CT装置においては、人体の
生理的問題やアーチファクトの問題を解決するため、ま
た、ヘリカルスキャンによるボリューム( 3次元 )の画
像の撮影において、撮影時間を短縮が要望されている。
一方、ハードウエア構成の規模を大型化すること、また
アクチュエータを大出力にすることは、装置の大型化、
高価格化になるという問題があった。
【0010】そこでこの発明は、剛性の高い、大規模な
ハードウエア構成及び大出力のアクチュエータを必要と
せずに、X線の超高速スキャンを実現することができる
回転多陰極CT装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1対応の発明は、
環状に形成された陽極と、この陽極と同一の中心軸を有
する円周上に配置され、陽極にそれぞれ対向する複数個
の陰極と、各陰極をそれぞれ加熱する複数個のフィラメ
ントと、各陰極を円周上で回転させる回転手段と、各フ
ィラメントに非接触で電力を供給する非接触電力供給手
段と、各陰極と陽極との間に電圧を印加し、各フィラメ
ントにより加熱された各陰極から放出された電子がそれ
ぞれ陽極に衝突して放射される各X線を撮影対象に照射
したときに、この撮影対象を透過した各X線を検出する
X線検出手段とを設け、このX線検出手段によるX線検
出に基づいて撮影対象の内部構造を画像化するものであ
る。
【0012】請求項2対応の発明は、請求項1対応の発
明において、X線を放射するために陽極から陰極へと流
れる管電流を検出する管電流検出手段と、この管電流検
出手段による検出に基づいて、管電流を所望の値に制御
するために、非接触電力供給手段による各フィラメント
への電力供給量を制御するフィラメント電力制御手段と
を設けたものである。
【0013】請求項3対応の発明は、請求項1対応の発
明において、非接触電力供給手段は、複数の陰極が配置
された第1の円周と同一の中心軸を有する第2の円周に
沿って一様でない磁場を発生させる磁場発生手段と、各
陰極のフィラメントに設けられ、第2の円周上を回転す
るコイルとを設け、このコイルのコイル面を磁場の磁束
に対して垂直に形成したものである。
【0014】請求項4対応の発明は、請求項3対応の発
明において、磁場発生手段により発生される磁場の強さ
を変化させる磁場制御手段を設けたものである。請求項
5対応の発明は、請求項4対応の発明において、磁場制
御手段は、陽極から陰極へと流れる管電流や陰極の回転
速度等のスキャン条件に基づいて、磁場発生手段により
発生される磁場の強さを変化させるものである。
【0015】請求項6対応の発明は、請求項5対応の発
明において、X線を放射するために陽極から陰極へと流
れる管電流を検出する管電流検出手段を設け、磁場制御
手段は、この管電流検出手段による検出に基づいて、X
線量を所望の値に制御するために、磁場発生手段により
発生される磁場の磁場勾配を変化させるものである。
【0016】請求項7対応の発明は、請求項5対応の発
明において、磁場制御手段は、コイルの回転速度に基づ
いて、X線量を所望の値に制御するために、磁場発生手
段により発生される磁場の磁場勾配を変化させるもので
ある。
【0017】請求項8対応の発明は、請求項5対応の発
明において、X線を放射するために陽極から陰極へと流
れる管電流を検出する管電流検出手段を設け、磁場制御
手段は、管電流検出手段による検出に基づいて、管電流
を所望の値に制御するため、磁場発生手段により発生さ
せる磁場の磁場勾配を変化させるものである。
【0018】請求項9対応の発明は、請求項5対応の発
明において、X線を放射するために陽極から陰極へと流
れる管電流を検出する管電流検出手段を設け、磁場制御
手段は、管電流検出手段による検出に基づいて、管電流
を所望の値に制御するため、磁場発生手段により発生さ
せる磁場の強さを時間的に変化させるものである。
【0019】請求項10対応の発明は、請求項1対応の
発明において、X線検出手段は、環状に形成され、陽極
と同一の中心軸上の異なる中心点を有する円周に配置さ
れたものである。
【0020】請求項11対応の発明は、請求項1対応の
発明において、X線検出手段は、陽極の内側で、この環
状の陽極と同一の中心を有する同一円周上に配置された
複数個のX線検出器から構成され、これらの各X線検出
器は、それぞれ中心を介して各陰極と対向し、常にそれ
ぞれ陰極と対向した状態を保持しつつ、陰極と対になっ
て回転すると共に、他の陰極とその対向する他のX線検
出器との間には位置しないものである。
【0021】請求項12対応の発明は、請求項11対応
の発明において、陰極の個数が奇数であるものである。
請求項13対応の発明は、請求項11対応の発明におい
て、X線検出手段を構成する各X線検出器により検出さ
れた検出信号は、光伝送方法により送信されるものであ
る。請求項14対応の発明は、請求項1対応の発明にお
いて、陽極を回転させる陽極回転手段を設けたものであ
る。
【0022】
【作用】請求項1対応の発明において、複数個の陰極は
回転手段により回転し、各陰極は、それぞれ非接触電力
供給手段により非接触で電力が供給されたフィラメント
により加熱される。各陰極と陽極との間には電圧が印加
され、加熱された各陰極から電子が放出される。この電
子は対向する陽極に衝突して各X線が放射される。
【0023】放射されたX線は、撮影対象に照射され、
この撮影対象を透過した各X線がX線検出手段により検
出される。このX線検出手段によるX線検出に基づいて
撮影対象の内部構造が画像化される。
【0024】請求項2対応の発明においては、陽極から
陰極へ流れる管電流が管電流検出手段により検出され、
この検出に基づいて、管電流を所望の値に制御するため
に、フィラメント電力制御手段により、非接触電力供給
手段による各フィラメントへの電力供給量が制御され
る。
【0025】請求項3対応の発明においては、磁場発生
手段により、複数の陰極が配置された第1の円周と同一
の中心軸を有する第2の円周に沿って一様でない磁場が
発生される。各陰極のフィラメントに設けられたコイル
は、そのコイル面が磁場の磁束に垂直に、その磁場の中
を回転する。従って、コイル面を通過する磁束が変化す
るので、電磁誘導によりコイルには起電力が発生し、フ
ィラメントに電力が供給される。
【0026】請求項4対応の発明においては、磁場発生
手段により発生される磁場の強さが、磁場制御手段によ
り変化される。従って、コイルからフィラメントへ供給
される電力が変化して、陰極の加熱量が変化する。すな
わちX線量が変化する。
【0027】請求項5対応の発明においては、陽極から
陰極へと流れる管電流や陰極の回転速度等のスキャン条
件に基づいて、磁場発生手段により発生される磁場の強
さが、磁場制御手段により変化される。従って、スキャ
ン条件によって磁場の強さが変化し、コイルからフィラ
メントへ供給される電力が変化して、陰極の加熱量が変
化する。すなわち、スキャン条件に基づいてX線量が変
化する。
【0028】請求項6対応の発明においては、陽極から
陰極へ流れる管電流が管電流検出手段により検出され、
この検出に基づいて、X線量を所望の値に制御するため
に、磁場発生手段により発生される磁場の磁場勾配が、
磁場制御手段により変化される。従って、管電流によっ
て磁場勾配が変化し、フィラメントに供給される電力が
変化し、陰極の加熱量が変化する。すなわち、管電流に
基づいてX線量が所望の値に制御される。
【0029】請求項7対応の発明においては、コイルの
回転速度に基づいて、X線量を所望の値に制御するため
に、磁場発生手段により発生される磁場の磁場勾配が、
磁場制御手段により変化される。従って、コイルの速度
によって磁場勾配が変化し、フィラメントに供給される
電力が変化し、陰極の加熱量が変化する。すなわち、コ
イルの回転速度に基づいてX線量が所望の値に制御され
る。
【0030】請求項8対応の発明においては、陽極から
陰極へ流れる管電流が管電流検出手段により検出され、
この検出に基づいて、管電流を所望の値に制御するた
め、磁場発生手段により発生させる磁場の磁場勾配が、
磁場制御手段により変化される。従って、管電流によっ
て磁場勾配が変化し、フィラメントに供給される電力が
変化し、陰極の加熱量が変化する。すなわち、管電流に
基づいて管電流が所望の値に制御される。
【0031】請求項9対応の発明においては、陽極から
陰極へ流れる管電流が管電流検出手段により検出され、
この検出に基づいて、管電流を所望の値に制御するた
め、磁場発生手段により発生させる磁場の強さが、磁場
制御手段により時間的に変化される。従って、管電流に
より磁場の強さが時間的に変化し、静止したコイルから
でもフィラメントへ電力が供給され、陰極が加熱され
る。すなわち、管電流に基づいて管電流が所望の値に制
御される。
【0032】請求項10対応の発明においては、環状に
形成されたX線検出手段は、環状の陽極の同一の中心軸
上の異なる中心点を有する円周に配置される。従って、
陽極から放射されたX線は、陽極の中心を通らずに、撮
影対象を透過してX線検出手段により検出される。
【0033】請求項11対応の発明においては、X線検
出手段は、複数個のX線検出器から構成され、各X線検
出器は、陽極と同一の中心を有する同一円周上に配置さ
れ、それぞれ中心を介して各陰極と対向し、この対向し
た状態を保持しつつ、陰極とついになって回転する。し
かも他の陰極とその対応する他のX線検出機との間には
位置しない。
【0034】従って、陰極から放出された電子が陽極に
衝突して放射されるX線は、中心を介してX線検出器の
方向に放射される。この中心付近に配置される撮影対象
にX線が照射され、この撮影対象を透過したX線がX線
検出器により検出される。
【0035】例えば、撮影対象が人体の場合には、人体
の体軸に対して垂直にX線が照射・投影される。請求項
12対応の発明においては、陰極の個数は奇数であるの
で、各陰極を等しい角度間隔で配置し、この各陰極に対
向して各X線検出器を配置しても、各X線検出器が他の
X線検出器とその対向する他の陰極との間に位置するこ
とはない。
【0036】請求項13対応の発明においては、各X線
検出器により検出された検出信号は、光伝送方式により
送信され、この送信された信号に基づいて撮影対象の内
部構造が画像化される。請求項14対応の発明において
は、陽極回転手段により、陽極が回転される。
【0037】
【実施例】以下、この発明の第1実施例を図1及び図2
を参照して説明する。図1及び図2は、この発明を適用
した回転多陰極CT装置の要部構成を示す図である。な
お、この回転多陰極CT装置は、図示しないが、図1に
示す構成の他に、図1で示す構成により得られたX線像
を解析してモニタ等に表示させる画像データ処理装置を
備えている。
【0038】図1( a )は、回転多陰極CT装置の側面
の断面図であり、図1( b )は、回転多陰極CT装置の
陰極のフィラメントへの電力供給回路を示すである。図
2( a )は、回転多陰極CT装置の陰極の配置を示す図
であり、図2( b )は、回転多陰極CT装置の陰極のフ
ィラメントへの電力供給の構成を示す図である。
【0039】1は、ドーナッツ状に形成されたX線管で
ある。そのドーナッツ状の真空容器2は、セラミックス
またはガラス等の絶縁材料を使用して形成されている。
この真空容器2内には、この真空容器2の内部形状に沿
ってリング状に形成された陽極3が固定して配置され、
この陽極3には前記真空容器2の外部の高電圧電源4の
正極が接続されている。
【0040】前記真空容器2内に前記陽極3に対向して
所定個数( 4個 )の陰極5a,5b,5c,5dが設け
られ、この各陰極5a〜5dには、加熱のためのフィラ
メント( 図示せず )及び電子の放出方向を制御するため
の電界レンズ( 図示せず )が設けられている。この各陰
極5a〜5dはそれぞれ、前記真空容器2内に設けられ
たボール軸受のリング状のスライダー6に固定されたド
ラム7上に所定間隔(90°間隔 )に固定されている。
このドラム7は、導電体で、前記真空容器2の内部形状
に沿って円筒状に形成されている。
【0041】前記スライダー6の軌道としてのボール軸
受のカイドレール8は、前記真空容器2の内部形状に沿
ってリング状に形成されて前記真空容器2内に固定され
ており、前記高電圧電源4のグラウンド( 負極 )に接続
されている。
【0042】前記真空容器2の外側に配置された複数個
のステータコイル9a〜9x〜に交流電流を流すことに
より発生する回転磁界により、前記ドラム7は、その表
面に渦電流が発生してロータとして回転する。
【0043】従って、このドラム7の回転により、前記
各スライダー6に固定された前記各陰極5a〜5dが、
前記真空容器2内を回転する。前記各陰極5a〜5dの
フィラメントは、直列に前記真空容器2の内部形状に沿
ってリング状に形成され固定された2次コイル10と接
続されており、前記真空容器2の外側には前記2次コイ
ル10の内側を通るコア11が1か所又は数箇所に設け
られている。このコア11には1次コイル12が設けら
れている。すなわち、前記2次コイル10、前記コア1
1及び前記1次コイル12によりトランスが構成されて
いる。
【0044】従って、この1次コイル12に交流電流を
供給することにより、前記2次コイル10に交流電流が
発生して、前記各陰極5a〜5dのフィラメントに電力
が供給され、この各陰極5a〜5dが加熱される。
【0045】13は、前記ドラム7の表面にストライプ
的に設けられた反射部からの反射光を検出する反射型光
学式センサからなる角度位置検出器であり、検出した反
射光のパルス数から前記各陰極5a〜5dの位置を計測
する。
【0046】このように前記各陰極5a〜5dが加熱さ
れた状態で、前記高電圧電源4より高電圧が前記陽極3
に印加されると、グラウンドに前記ガイドレール8及び
前記スライダー6を介して接続された前記各陰極5a〜
5dから放出された電子が前記陽極3に衝突し、X線が
放射される。このとき前記ドラム7の回転に伴って、前
記各陰極5a〜5dもまた回転しているので、その放射
されるX線の放射方向もまた回転する。
【0047】このX線の放射方向には、X線を検出する
X線検出器14が配置されている。このX線検出器14
は、前記真空容器2の内部形状に対応してリング状に形
成され、全ての放射方向にわたってX線を検出できるよ
うになっている。
【0048】図3は、回転多陰極CT装置の要部回路構
成を示すブロック図である。前記X線管1は、上述した
ように、前記陽極3及び前記陰極5a〜5dから構成さ
れ、さらに前記陰極5a〜5dを回転させるための陰極
回転機構部1a及び後述する第2実施例において説明す
る前記陽極3を回転させる陽極回転機構部1bが設けら
れている。
【0049】前記陰極回転機構部1aは、前記スライダ
ー6及び前記ガイドレール8からなるボール軸受、前記
ドラム7及び前記ステータコイル9a〜9x〜から構成
され、前記陽極回転機構部1bは、後述する第2実施例
において説明されるが、基本的には、前記陰極回転機構
部1aと同様にスライダー及びガイドレールからなるボ
ール軸受と、ドラム及びステータコイルから構成されて
いる。
【0050】制御部15は、前記角度位置検出器13か
らの信号を入力して、前記X線管1の前記陽極3と前記
陰極5a〜5dとに印加する電圧、前記ステータコイル
9a〜9x〜への通電制御等を行うと共に、前記2次コ
イル10、前記コア11及び前記1次コイル12からな
るトランス部16の1次コイルへの交流電流の通電制御
を行うようになっている。
【0051】前記X線管1から放射されたX線を検出す
る前記X線検出器14は、X線を検出すると、X線のエ
ネルギーを電気信号に変換して検出信号として出力す
る。この検出信号は、前記制御部15からの制御信号を
入力したDAS( データ収集装置 )17により収集さ
れ、この収集されたX線検出データ( 投影データ )が画
像再構成部18に入力される。
【0052】この画像再構成部18では、前記制御部1
5からの制御信号に基づいてX線検出データを画像デー
タに再構成し、この再構成された画像データがモニタ1
9に供給され、その画像( X線投影画像 )がモニタ19
に表示される。
【0053】このような構成の第1実施例においては、
制御部15は、陰極回転機構部1aのステータコイル9
a〜9x〜への通電を制御してドラム7を回転させる。
すると、ボール軸受のスライダー6がガイドレール8上
を駆動して、ドラム7上に固定された複数の陰極5a〜
5dが回転する。
【0054】また制御部15は、1次コイル12への通
電を制御して2次コイル10を介して陰極5a〜5dの
フィラメントへ交流電流が供給される。ここで、フィラ
メントへの交流電流の供給により陰極5a〜5dが十分
加熱され、陽極3と陰極5a〜5dとの間に高電圧電源
4からの電圧を印加すると、陰極5a〜5dから電子が
陽極3に向かって放出され、電子が陽極3に衝突する。
この時X線が放射され、撮影対象( 例えば人体 )に照射
される。
【0055】陰極5a〜5dの回転に伴って、各X線の
照射方向が撮影対象の回りに回転する。従って、この第
1実施例のように4個の陰極5a〜5dを90°間隔に
配置すれば、陰極5a〜5dを角度位置検出器13によ
る検出信号に基づいて1/4回転させれば、撮影対象の
1断面の撮影が完了する。
【0056】撮影対象を透過したX線は、X線検出器1
4により検出され、その検出信号がDAS17に入力さ
れる。このDAS17で収集されたデータは、画像再構
成部18に供給され、画像が再構成されてモニタ19に
表示される。
【0057】このように第1実施例によれば、複数の陰
極5a〜5dと、これらの陰極5a〜5dを回転させる
陰極回転機構部1aとを設けたことにより、剛性の高
い、大規模なハードウエア構成及び大出力のアクチュエ
ータを必要とせずに、X線の超高速スキャンを実現する
ことができる。さらに、回転させる陰極の個数を増やす
ことにより、X線のスキャン速度を陰極の個数倍で高速
化を実現することができる。
【0058】また、陰極5a〜5dを構成するフィラメ
ントへの電力供給を、2次コイル10、コア11及び1
次コイル12からなるトランス部16で行うことによ
り、従来、電気的接点にブラシを接触させ、このブラシ
を介してフィラメントへ電力を供給していた場合、電気
的接点及びブラシの磨耗による寿命が問題になっていた
が、この第1実施例によれば、そのような寿命の問題は
ない。
【0059】この発明の第2実施例を図4を参照して説
明する。上述した第1実施例が、陰極5a〜5dのみを
回転するものであったのに対して、この第2実施例は、
陰極5a〜5dと同様に陽極も回転すると共にX線の線
量を制御できるようにしたものである。ここでは、上述
した第1実施例と同一部材には同一符号を付してその説
明は省略する。
【0060】X線管21の真空容器22内には、この真
空容器22の内部形状に沿ってリング状に形成された陽
極23が、前記真空容器22の内部形状に沿って円筒状
に形成されたドラム24に固定され、さらにボール軸受
のガイドレール25aが、前記真空容器22の内部形状
に沿ってリング状に形成されて前記真空容器22内に固
定されており、このボール軸受のリング状のスライダー
25bに前記ドラム24が固定されている。前記ガイド
レール25aには、高電圧電源4の正極が接続されてい
る。
【0061】前記前記真空容器22の外側に配置された
1個又は複数個のステータコイル26a〜26x〜に交
流電流を流すことにより発生する回転磁界により、前記
ドラム24は、その表面に渦電流が発生してロータとし
て回転する。
【0062】従って、このドラム24の回転により、前
記陽極23が前記真空容器22内を回転する。前記陽極
23が前記ドラム24に固定される角度は、前記陰極5
a〜5dから放出された電子がこの陽極23に衝突して
放射されるX線が、このドーナッツ状のX線管21の内
側の中心を通過するように設定される。すなわち、撮影
対象を人体としたときに、人体の体軸に対して直角にX
線を照射できるようになっている。
【0063】27a,27bは、それぞれ前記X線管2
1から放射されたX線を検出するX線検出器であり、前
記X線管21の内側形状に沿ってリング状に形成され、
このドーナッツ状のX線管21の内側に、前記X線管2
1からのX線の放射路を避けて配置されている。さらに
このX線検出器27a,27bと前記X線管21との間
には、X線を遮蔽するコリメータ28a,28bが前記
X線管21からのX線の放射路をあけて配置されてい
る。このコリメータ28a,28bは、それぞれ前記X
線管21の内側形状に沿ってリング状に形成され、この
X線検出器27a,27bが前記X線管21側から直接
X線が照射されないようにしている。
【0064】また、ガイドレール8は、電流検出用の抵
抗29を介して前記高電圧電源4のグラウンドに接続さ
れ、前記ガイドレール8と前記抵抗29との接続点か
ら、検出信号( 電圧信号 )が交流電流制御部30へ供給
され、この交流電流制御部30は、この供給された検出
信号に基づいて、1次コイル12へ供給する交流電流を
制御し、各陰極5a〜5dのフィラメントへの電流を制
御し、各陰極5a〜5dの加熱量を制御して、放射され
るX線量を制御する。
【0065】なお、この第2実施例における要部回路構
成は、前述した第1実施例の図3で説明したものと同様
であるので、ここではその説明は省略する。陽極回転機
構部1bは、前記ガイドレール25a及び前記スライダ
ー25bからなるボール軸受と前記ドラム24及び前記
ステータコイル26a〜26x〜とから構成されてい
る。
【0066】このような構成の第2実施例においては、
制御部15は、陰極回転機構部1aのステータコイル9
a〜9x〜への通電を制御してドラム7を回転させると
共に、陽極回転機構部1bのステータコイル26a〜2
6x〜への通電を制御して前記ドラム7とは反対の回転
方向にドラム24を回転させる。するとボール軸受のス
ライダー6がガイドレール8上を駆動して、ドラム7上
に固定された複数の陰極5a〜5dが回転すると共に、
ボール軸受のスライダー25bがガイドレール25a上
を駆動して、ドラム24上に固定された陽極3が回転す
る。
【0067】また、抵抗29により陰極5a〜5dから
陽極3へ電子が放出されることにより陽極3から陰極5
a〜5dに流れる電流が検出される。この抵抗29から
出力される検出電圧に基づいて、制御部15は交流電流
制御部30を介して1次コイル12への通電を制御し、
2次コイル10を介して陰極5a〜5dのフィラメント
へ交流電流が供給制御される。
【0068】例えば、制御部15が交流電流制御部30
を介して行う交流電流の供給制御は、抵抗29により出
力される検出電圧が所定の検出電圧より高ければ1次コ
イル12へ供給する交流電流の電力を下げ、検出電圧が
所定の検出電圧より低ければ1次コイル12へ供給する
交流電流の電力を上げる。
【0069】フィラメントへの交流電流の供給により陰
極5a〜5dが十分加熱され、陽極3と陰極5a〜5d
との間に高電圧電源4からの電圧を印加すると、陰極5
a〜5dから電子が陽極3に向かって放出され、電子が
陽極3に衝突する。この時X線が放射され、撮影対象(
例えば人体 )に照射される。
【0070】陰極5a〜5dの回転に伴って、各X線の
照射方向が撮影対象の回りに回転する。従って、この第
1実施例のように4個の陰極5a〜5dを90°間隔に
配置すれば、陰極5a〜5dを角度位置検出器13によ
る検出信号に基づいて1/4回転させれば、撮影対象の
1断面の撮影が完了する。
【0071】また、この撮影中陽極3は陰極5a〜5d
の回転とは反対の回転方向に回転しているので、陽極3
上の所定の箇所における電子が衝突している時間が短縮
される。
【0072】撮影対象を透過したX線は、X線検出器1
4により検出され、その検出信号がDAS17に入力さ
れる。このDAS17で収集されたデータは、画像再構
成部18に供給され、画像が再構成されてモニタ19に
表示される。
【0073】このように第2実施例によれば、上述した
第1実施例と同様な効果を得るこができる。さらに、陽
極3を回転させる陽極回転機構部1bを設けたことによ
り、撮影中( X線の放射時 )に、陽極3上の所定の箇所
における電子が衝突している時間が短縮され、陽極3の
溶解を防止することができる。
【0074】また、陰極5a〜5dから陽極3へ電子が
放出されることにより、陽極3から陰極5a〜5dへ流
れる電流( 管電流 )を検出する抵抗29と、この抵抗2
9の出力電圧により1次コイル12への交流電流を制御
するための交流電流制御部30を設けたことにより、管
電流を適性に制御することができ、その結果撮影対象に
照射するX線量を適正な値に制御することができ、撮影
対象が人体のときには、X線の被曝量を最小限に抑制す
ることができる。
【0075】この発明の第3実施例を図5を参照して説
明する。上述した第1実施例及び第2実施例において、
陰極5a〜5dの各フィラメントを直列に2次コイル1
0に接続されていたものであるのに対して、この第3実
施例は、各フィラメントを並列に接続したものである。
【0076】図5( a )は、この発明を適用した回転多
陰極CT装置の要部構成の一部を示す図である。図5(
b )は、陰極5a〜5dのフィラメントへの電力供給回
路を示す図である。
【0077】真空容器2の外側には、所定個数のコア1
1a,11b,11c,11dが所定間隔( 90°間隔
)に配置されており、前記真空容器2により前記コア1
1a〜11dの欠落してい部分を補うように、前記真空
容器2内にはコア補間部41a,41b,41c,41
dが、前記ドラム7の一端に固定されている。この各コ
ア補間部41を周回するように、各陰極5a〜5dのフ
ィラメントの一端からの導線a,b,c,dが順番に配
線され、これらの6導線は1本に接続され、再び各陰極
のフィラメントの他端に分岐される。
【0078】前記各コア11a〜11dには、それぞれ
1次コイル12a,12b,12c,12dが設けられ
ている。このような構成の第3実施例においては、陰極
5a〜5dのフィラメントへの電力供給方法としては、
コア11a〜11dとコア補間部41a〜41dとによ
り、より完全な磁気回路が形成され、このコアに設けら
れた2次巻線として導線に対して陰極のフィラメントが
並列に接続される。
【0079】このように第3実施例によれば、上述した
第1実施例と同様の効果を得ることができる。この発明
の第4実施例を図6乃至図13を参照して説明する。
【0080】上述した第1実施例乃至第3実施例におい
て、陰極5a〜5dのフィラメントへの電力供給をトラ
ンス結合により行うものであるのに対して、この第4実
施例は、コアを使用しない電磁誘導により電力供給を行
うものである。
【0081】図6は、この発明を適用した回転多陰極C
T装置の要部構成を示す図であり、図7は、その変形例
を示す図である。なお、図6と図7との例の違いは、磁
石(電磁石 )の配置方法が異なるという点である。図8
及び図9は上述した2つの例のそれぞれの磁石( 電磁石
)の配置を示す図である。
【0082】基本的な回転多陰極CT装置としての構成
は、上述した実施例と同様であるが、ここでは簡単のた
め、同一部材には第1実施例で使用した同一の符号を付
してその説明は省略する。
【0083】図6に示す例は、X線管1の真空容器2の
外側に、それぞれ互いに対向する1対の磁石( 電磁石 )
を1組として複数組の磁石( 電磁石 )51a,51b〜
62a,62bを円形に配置する。その円形配置方法
は、図6及び図8に示すように、各組の前記磁石( 電磁
石 )51a,51b〜62a,62bを、それぞれドー
ナッツ状の前記X線管1の外形状に沿って平行かつ放射
状に配列するもので、このとき、これらの各組の前記磁
石( 電磁石 )間( 例えば磁石51aと磁石51bとの間
)に発生する磁束は、放射状に前記X線管1が作る面に
平行となる。
【0084】陰極5a〜5dの各フィラメントにはコイ
ル63a〜63d( 63b及び63dは図示せず )が接
続され、この各コイル63a〜63dの作る面は、ドー
ナッツ状の前記X線管1の接線方向に平行かつ前記X線
管1の作る面に垂直に形成される。前記各コイル63a
〜63dは、各組の前記磁石( 電磁石 )51a,51b
〜62a,62b間に位置し、前記陰極5a〜5dの回
転に応じて回転して、この各コイル63a〜63dの作
る面は、前記磁石( 電磁石 )51a,51b〜62a,
62b間に発生する磁束を鎖交するようにする。
【0085】また、図7に示す例は、X線管1の真空容
器2の外側に配置する複数組の磁石( 電磁石 )71a,
71b〜78a,78bの円形配置方法として、図7及
び図9に示すように、複数組の前記磁石( 電磁石 )71
a,71b〜78a,78bをドーナッツ状の前記X線
管1の作る面に垂直に配列するもので、このとき、これ
らの各組の前記磁石( 電磁石 )間( 例えば磁石71aと
磁石71bとの間 )に発生する磁束は、互いに平行に前
記X線管1の作る面に垂直となる。
【0086】陰極5a〜5dの各フィラメントに接続さ
れた各コイル79a〜79dの作る面は、ドーナッツ状
の前記X線管1の作る面に平行に形成される。前記各コ
イル79a〜79dは、各組の前記磁石( 電磁石 )71
a,71b〜78a,78b間に位置し、前記陰極5a
〜5dの回転に応じて回転して、この各コイル79a〜
79dの作る面は、前記磁石( 電磁石 )71a,71b
〜78a,78b間に発生する磁束を鎖交するようにす
る。
【0087】上述した2つの例で磁石( 電磁石 )は円形
に配置されているが、その基本的な設計は、例えば図1
0に示すように、互いに対向する1対1組の磁石( 電磁
石 )81a,81b,82a,82b,83a,83b
…を、その磁石( 電磁石 )の配列方向の長さa間隔で配
置する。陰極のフィラメントに接続するコイル84は、
前記磁石81a,81b,82a,82b,83a,8
3b…間に発生する磁束を鎖交するように移動する。前
記磁石( 電磁石 )81a,81b,82a,82b,8
3a,83b…の配列方向の長さと陰極のフィラメント
に接続するコイル84の移動方向の幅とを等しくする。
【0088】もちろん、これは一例であって他の設計方
法も可能である。図11は、回転多陰極CT装置の要部
回路構成を示すブロック図である。図11においても基
本的には第1実施例の図3と同様な構成になっている。
図3の構成と異なるのは、トランス部16がない点であ
る。
【0089】すなわち、制御部85は、図3における前
記制御部15と同様に、前記角度位置検出器13からの
信号を入力して、前記X線管1の前記陽極3と前記陰極
5a〜5dとに印加する電圧、前記ステータコイル9a
〜9x〜への通電制御等を行うと共に、電磁石51a,
51b〜62a,62bから構成される磁場制御部86
の通電制御を行うようになっている。
【0090】このような構成の第4実施例において、図
10に示す構成において、コイル84に発生する起電力
Uは、磁石( 電磁石 )81a,81b,82a,82
b,83a,83b…が作る磁場の磁束密度B、この磁
石( 電磁石 )が作る磁場を横切るコイル84の長さL、
コイル84の面積S、コイル84の移動速度v、コイル
84を鎖交する磁束Φにより、電磁誘導の法則に基づい
て、 U=dΦ/dt・・・・・( 1 ) という微分式( 1 )で求められる。すなわち、単位時間
当りの磁束Φの変化量により起電力Uが決定される。こ
こで、Φ=B×S、S=Lvtであるから、 U=BvL・・・・・( 2 ) という式( 2 )が求められる。すなわち、起電力Uの大
きさは、磁場を横切るコイルの長さLを固定値とする
と、磁束密度B及び移動速度vに比例する。
【0091】図7及び図9の例については、磁石( 電磁
石 )51a,51b〜62a,62b又は磁石( 電磁石
)71a,71b〜78a,78bにより発生される磁
場の強さ( 磁束密度B )は、図12に示すような分布F
になる。なお、図12中のGは、フィラメントに接続さ
れたコイル63a〜63d又はコイル79a〜79dの
軌道を示している。従って、このコイルの軌道G上にお
いて、磁束密度の高い領域と磁束密度の低い( 理想的に
は磁束密度Bが0 )領域とが交互に分布する。磁束密度
の高い領域は、一対の磁石( 電磁石 )間を通過する部分
であり、磁束密度の低い領域が1組の磁石( 電磁石 )と
他の1組の磁石( 電磁石 )との間の部分である。
【0092】この磁束密度の高い領域と磁束密度の低い
領域とを交互にコイル63a〜63d又は79a〜79
dが通過することにより、このコイル63a〜63d又
は79a〜79dを鎖交する磁束Φは時間的に変化する
ことになる。このとき、高い領域と低い領域との磁束密
度Bの差及びコイル63a〜63d又は79a〜79d
の移動速度v( 陰極5a〜5d( フィラメント )の回転
速度v )が、単位時間当りの磁束Φの変化量を決定す
る。
【0093】ここで、磁石として永久磁石を採用すれ
ば、その発生する磁場の強さ( 磁束密度B )を制御する
ことはできず、図12に示す分布Fの定常磁場となる。
従って、フィラメントへの電力供給を制御するには、陰
極5a〜5d( フィラメント )の回転速度vを制御し
て、コイル63a〜63d又は79a〜79dを鎖交す
る単位時間当りの磁束Φの変化量を制御する。
【0094】しかし、磁石として電磁石を採用すれば、
磁場の強さ( 磁束密度B )を制御することができるの
で、コイル63a〜63d又は79a〜79dを鎖交す
る単位時間当りの磁束Φの変化量を制御することがで
き、フィラメントへの電力供給を制御することができ
る。従って、この電磁石を採用した場合には、陰極5a
〜5d( フィラメント )の回転速度vを制御する以外
に、電磁石への通電を制御して磁場の強さを制御するこ
とにより、フィラメントへの電力供給の制御を行うこと
ができる。もちろん、陰極5a〜5dの回転速度vと共
に電磁石への通電を制御して、フィラメントへの電力供
給の制御を行っても良い。
【0095】制御部85は、磁場制御部86を介して、
例えば、陰極回転機構部1aへの制御から得られる陰極
5a〜5dの回転速度vに基づいて、電磁石51a,5
1b〜62a,62b( 電磁石71a,71b〜78
a,78bについてもまったく同様な議論となるので、
以下電磁石71a,71b〜78a,78bについての
説明は省略する )により発生させる磁場の強さ( 磁束密
度B )を制御し、コイル63a〜63dを鎖交する単位
時間当りの磁束Φの変化量を制御して、陰極5a〜5d
のフィラメントへの電力供給を最適化する。
【0096】例えば、陰極5a〜5dの回転速度が所定
の回転速度より速ければ、電磁石51a,51b〜62
a,62bへの電力供給レベルを下げてその発生させる
磁場の強さ( 磁束密度B )を下げることにより、磁場の
強さの分布的( 位置的 )変化を小さくし、陰極5a〜5
dの回転速度が所定の回転速度より遅ければ、電磁石5
1a,51b〜62a,62bへの電力供給レベルを上
げてその発生させる磁場の強さ( 磁束密度B )を上げる
ことにより、その磁場の強さの分布的( 位置的)変化を
大きくする。
【0097】また、上述した第2実施例で説明した抵抗
29を使用して、陽極3から陰極5a〜5dに流れる管
電流を検出し、この抵抗29の出力電圧に基づいて、制
御部85は磁場制御部86を介して、電磁石51a,5
1b〜62a,62bにより発生させる磁場の強さ( 磁
束密度B )を制御し、コイル63a〜63dを鎖交する
単位時間当りの磁束Φの変化量を制御して、陰極5a〜
5dのフィラメントへの電力供給を最適化する。
【0098】例えば、抵抗29の出力電圧が所定の電圧
より高ければ、電磁石51a,51b〜62a,62b
への電力供給レベルを下げてその発生させる磁場の強さ
( 磁束密度B )を下げることにより、その磁場の強さの
分布的( 位置的 )変化を小さくし、抵抗29の出力電圧
が所定の電圧より低ければ、電磁石51a,51b〜6
2a,62bへの電力供給レベルを上げて、その発生さ
せる磁場の強さ( 磁束密度B )を上げることにより、そ
の磁場の強さの分布的( 位置的 )変化を大きくする。
【0099】また、図13に示すように、架台を固定し
てX線を曝射するスキャノグラム撮影においては、電磁
石が配置された固定点Mに、所定の1つのコイル87を
位置させて静止させ、制御部85は磁場制御部86を介
して、固定点Mに配置された電磁石のみへの通電を時間
的に周期的に変化させる。この時、この固定点Mに配置
された電磁石により発生する磁場の強さ( 磁束密度B )
が時間的に周期的に変化し、固定点Mに静止させたコイ
ル87を鎖交する磁束Φが時間的に周期的に変化するの
で微分式( 1 )により明らかなように、起電力Uが発生
し、このコイルに接続されたフィラメントに電力が供給
され、陰極を加熱することができる。これにより、この
陰極から放出される電子によりX線が放射され、Dの領
域が撮影でき、この1回の撮影後、図13( b )に示す
ように、寝台88を移動させて順次スキャノグラム撮影
が行なわれる。
【0100】このスキャノグラム撮影については他の方
法もある。すなわち、制御部85は磁場制御部86を介
して電磁石を制御し、また、高電圧電源4から陽極と陰
極との間に供給する電力を制御することにより、陰極の
回転に伴って回転するコイルが固定点Mに位置したとき
にのみ、X線を放射させてスキャノグラム撮影を行う。
この1回の撮影でDの領域が撮影でき、寝台を移動させ
て次にコイルが固定点Mに位置したときにX線を放射さ
せて、順次スキャノグラム撮影を行っていく。
【0101】このように第4実施例によれば、前述した
第1実施例と同様な効果を得ることができる。さらに、
磁場を発生させる磁石又は電磁石と、陰極のフィラメン
トに接続され、この磁場の中を移動するコイル63a〜
63d又は79a〜79dとを設けたことにより、非接
触でフィラメントに電力を供給することができると共
に、磁石により発生する磁場の強さ( 磁束密度B )又は
電磁石により発生して制御される磁場( 磁束密度B )及
び陰極( フィラメント )の回転速度vによって、フィラ
メントへの供給電力量を決定することができる。
【0102】また、電磁石を使用した場合には、管電流
や陰極の回転速度等のスキャン条件により、電磁石に供
給する電力を制御して、その発生する磁場の強さ( 磁束
密度B )を制御して、コイル63a〜63d又は79a
〜79dを鎖交する単位時間当りの磁束Φの変化量を制
御することにより、フィラメントによる陰極の加熱量を
制御することができ、その結果所望のX線量を得ること
ができる。
【0103】さらに、電磁石により発生させる磁場の強
さ( 磁束密度B )を時間的に周期的に変化させることに
より、陰極のフィラメントに接続されたコイルを回転さ
せずに静止させた状態でも、コイル63a〜63d又は
79a〜79dを鎖交する単位時間当りの磁束Φの変化
量を制御することができ、このコイル63a〜63d又
は79a〜79dを介してフィラメントへ電力を供給・
制御することができるので、スキャノグラム撮影が簡単
にできる。
【0104】この発明の第5実施例を図15乃至図18
を参照して説明する。上述した第1実施例においては、
ドーナッツ状のX線管1を使用し、X線検出器14をこ
のX線管1の側面に配置したため、X線管1から放射さ
れるX線が、このX線管1の回転の中心から外れて、X
線検出器14に到達する。すなわち、例えば人体等を撮
影した場合に、図14に示すようにX線が人体の体軸に
対して垂直ではなく斜めに投影することになる。そのた
め、第2実施例においては、撮影対象を人体としたとき
に、その体軸に垂直にX線を照射するため、X線管21
からX線を通すため、X線検出器27a,27bを2つ
に分かれた構造にし、このX線検出器27a,27bの
背後にX線管1から直接X線を照射されないようにコリ
メータ28a,28bを設けている。この第5実施例で
は、撮影対象としての人体の体軸に垂直にX線を照射す
るための他の方法を提示する。
【0105】図15は、X線管91の3個の陰極( フィ
ラメント )92,93,94と3個のX線検出器95,
96,97の配置位置を示す図である。図15( a )は
断面図であり、図15( b )は陰極とX線検出器との配
置を示す図である。
【0106】前記各陰極92,93,94は、それぞれ
120°間隔で配置されており、この各陰極に対向して
各X線検出器95,96,97が配置されている。これ
らの各X線検出器95,96,97の間には、前記各陰
極92,93,94から放出された電子が陽極98に衝
突して放射されるX線が通れるように隙間が設けられて
いる。これらのX線検出器95,96,97は、前記各
陰極92,93,94の回転と同一方向に一致して回転
するようになっている。すなわち、図15( b)に示す
前記陰極92,93,94と前記X線検出器95,9
6,97との配置関係は固定維持される。
【0107】図15に示した構成により、基本的には撮
影対象としての例えば人体の体軸に直角にX線を照射す
る方法を説明することもできるが、この第5実施例では
撮影時間の短縮等の点でより有利な次の図16に示す構
成に基づいて説明する。
【0108】図16は、5個の陰極と5個のX線検出器
との配置位置を示す図である。陰極( フィラメント )1
01〜105は、それぞれ72°ピッチで配置されてお
り、この各陰極101〜105に対向して各X線検出器
106〜110が配置されている。これらの各X線検出
器106〜110の間にも、前記各陰極101〜105
から放出された電子が陽極3に衝突して放射されるX線
が通れるように隙間が設けられている。
【0109】これらのX線検出器106〜110は、回
転機構により前記各陰極101〜105の回転に同一方
向に一致して回転するようになっている。すなわち、前
記陰極101〜105と前記X線検出器106〜110
との配置関係は固定維持される。
【0110】図17は、前記X線検出器106〜110
の光伝送を行うための構成を示す図である。図15( a
)に示すように、前記各X線検出器106〜110に
は、図示しないが、シンチレータやフォトダイオードの
他に、増幅器、マルチプレクサ等の検出信号を処理する
回路が設けられている。これらの各X線検出器106〜
110の一方の側面には、光信号を送信する発光素子1
11〜115,116〜120と前記回路からの検出信
号に基づいてこの発光素子を駆動するための付随回路と
からなる発光送信部が設けられている。なお発光素子と
しては、例えばLED(light emitting diode )があ
る。
【0111】この各X線検出器106〜110の最初(
回転方向における最初 )の各発光素子111,116,
121,126,131はチャンネル切換用の発光素子
であり、チャンネルを切換えるための信号を送信する。
その他の各4個の発光素子112〜115,117〜1
20,122〜125,127〜130,132〜13
5がデータ送信用の発光素子で、この4個の発光素子は
全て同一のデータを送信する。
【0112】図17( b )に示すように、前記各X線検
出器に付属する各発光送信部に対向して、固定された受
光受信部140( 他の4個の受光受信部は図示せず )が
設けられている。この受光受信部140は、光信号を受
信する受光素子141〜145とこの受光素子からの信
号を処理するための付随回路とから構成されている。す
なわち、これらの固定された受光受信部に対向する位置
に、それぞれ回転する前記X線検出器106〜110が
順次通過するようになっている。なお受光素子として
は、例えばPD(photo diode) がある。
【0113】前記各受光受信部の最初の受光素子( 最初
にX線検出器のチャンネル切換用の発光素子が対向する
)は、チャンネル切換用の受光素子であり、他の各4個
の受光素子はデータ受信用の受光素子である。
【0114】図18は、回転多陰極CT装置の要部回路
構成を示すブロック図である。前記X線管151は、前
記陽極3及び前記陰極101〜105から構成され、さ
らに前記陰極101〜105を回転させるための陰極回
転機構部152及び前記陽極3を回転させる陽極回転機
構部153が設けられている。
【0115】回転側制御部154は、前記角度位置検出
器13からの信号を入力して、前記X線管151の前記
陽極3と前記陰極101〜105とに印加する電圧、前
記陰極回転機構部152及び前記陽極回転機構部153
への通電制御を行うと共に、電磁石から構成される磁場
回転側制御部155の通電制御を行うようになってい
る。
【0116】前記X線管151から放射されたX線を検
出する前記各X線検出器106〜110から出力される
検出信号は、前記回転側制御部154からの制御信号を
それぞれ入力した第1DAS( データ収集装置 )156
〜第5DAS160により収集され、この収集された各
X線検出データ( 投影データ、パラレルのデジタルデー
タ )は、それぞれ第1P/S( parallel/serial )変換
部161〜第5P/S変換部165に入力されてシリア
ルのデジタルデータに変換される。この変換された各シ
リアルデータは、それぞれ第1発光送信部166〜第5
発光送信部170に入力され、この各発光送信部166
〜170では入力されたシリアルデータを発光送信す
る。
【0117】この各発光送信部166〜170から送信
された光信号は、それぞれ第1受光受信部171〜第5
受光受信部175のうち、その受信時に対向している1
個の受光受信部により受信される。
【0118】この各受光受信部171〜175で受信さ
れたシリアルデータはそれぞれ、第1のS/P( serial
/parallel )変換部176〜第5のS/P変換部180
に入力され、パラレルデータに変換される。この変換さ
れた各パラレルデータは、画像再構成部181へ入力さ
れると共に、パラレルデータの中のチャンネル切換信号
等のデータが固定側制御部182へ入力される。
【0119】この固定側制御部182は、前記各S/P
変換部176〜180からのデータに基づいて前記画像
再構成部181を制御する。この画像再構成部181で
は、前記固定側制御部15からの制御信号に基づいてパ
ラレルデータ( X線検出データ )を画像データに再構成
し、この再構成された画像データがモニタ183に供給
され、その画像( X線投影画像 )がモニタ183に表示
される。
【0120】このような構成の第5実施例においては、
環状の陽極3の作る面内に、X線検出器106〜110
は各陰極101〜105に対向して配置される。そして
各X線検出器106〜110は、各陰極101〜105
の回転と共に回転する。各陰極101〜105から放出
された電子が陽極3に衝突して、X線が放射される。こ
の各X線は、それぞれ環状の陽極3の作る面内をX線検
出器106〜110の間を通って、対向するX線検出器
の方向に放射される。
【0121】従って、このX線は陽極3の中心に配置さ
れた撮影対象としての人体に照射され、この人体を透過
したX線が対向するX線検出器で検出される。従って、
人体の体軸を環状の陽極の作る面に対して、すなわちド
ーナッツ状のX線管の作る面に対して垂直に配置すれ
ば、X線は人体の体軸に対して垂直に照射される。
【0122】X線検出器106〜110で検出されたデ
ータは、発光送信部及び受光受信部を介して光伝送によ
り送受信される。このように第5実施例によれば、上述
した第1実施例と同様な効果を得ることができる。
【0123】さらに、各陰極101〜105に対向して
配置されたX線検出器106〜110を、陰極101〜
105と共に回転させ、各陰極101〜105から放出
された電子が衝突して陽極から発生するX線が陽極3の
中心を通って対向するX線検出器に放射されるように、
各X線検出器106〜110の間に隙間を設けたことに
より、X線管1の中心に配置された撮影対象としての人
体の対軸に対して垂直にX線を照射させることができ
る。すなわち、通常「やぶにらみ」と称される体軸に対
して斜めにX線が照射される現象を防止することができ
る。
【0124】また、回転するX線検出器106〜110
からデータを光伝送により送受信しているので、正確に
X線の検出データを送受信することができる。また、こ
の第5実施例では、陰極が3個と5個の例について説明
したが、このように陰極の個数を奇数にすることによ
り、陰極及びこの各陰極に対して対向するX線検出器を
等角度間隔で配置したときに、ちょうどX線検出器の間
に陰極が配置され、X線検出器の間から中心を介して対
向するX線検出器にX線を放射することができる。
【0125】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
剛性の高い、大規模なハードウエア構成及び大出力のア
クチュエータを必要とせずに、X線の超高速スキャンを
実現することができる回転多陰極CT装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の回転多陰極CT装置の
側面を示す断面図及びフィラメントへの電力供給回路を
示す図。
【図2】同実施例の回転多陰極CT装置の陰極の配置を
示す図及びフィラメントへの電力供給の構成を示す図。
【図3】同実施例の回転多陰極CT装置の要部回路構成
を示すブロック図。
【図4】この発明の第2実施例の回転多陰極CT装置の
側面を示す断面図。
【図5】この発明の第3実施例の回転多陰極CT装置の
側面を示す断面図及びフィラメントへの電力供給回路を
示す図。
【図6】この発明の第4実施例の回転多陰極CT装置の
要部構成を示す図。
【図7】同実施例の回転多陰極CT装置の要部構成の変
形例を示す図。
【図8】同実施例の図6に示す回転多陰極CT装置の磁
石( 電磁石 )の配置を示す図。
【図9】同実施例の図7に示す回転多陰極CT装置の磁
石( 電磁石 )の配置を示す図。
【図10】同実施例の回転多陰極CT装置の磁石( 電磁
石 )配置の基本的な設計方法の一例を示す図。
【図11】同実施例の回転多陰極CT装置の要部回路構
成を示すブロック図。
【図12】同実施例の回転多陰極CT装置の電磁石が形
成する磁場の分布を示す図。
【図13】同実施例の回転多陰極CT装置によるスキャ
ノグラム撮影への応用を説明するための図。
【図14】ドーナッツ状のX線管が作る面の外にX線検
出器を配置したときの、X線の投影状態を示す図。
【図15】この発明の第5実施例の回転多陰極CT装置
のX線管( 陰極 )とX線検出器との配置を示す図。
【図16】同実施例の回転多陰極CT装置の陰極とX線
検出器との配置の変形例を示す図。
【図17】同実施例の図16に示す回転多陰極CT装置
のX線検出器の光伝送を行うための構成を示す図。
【図18】同実施例の回転多陰極CT装置の要部回路構
成を示すブロック図。
【符号の説明】
1,21,91,151…X線管、 3,23,98…陽極、 5a〜5d,92〜94,101〜105…陰極、 6,25b…スライダー、 7,24…ドラム、 8,25a…ガイドレール、 9a〜9x〜,26a〜26x〜…ステータコイル、 10…2次コイル、 11,11a〜11d…コア、 12,12a〜12d…1次コイル、 14,27a,27b,95〜97,106〜110…
X線検出器、 18…画像再構成部、 19…モニタ、 29…抵抗、 51a・51b〜62a・62b,71a・71b〜7
8a・78b……磁石( 電磁石 )、 63a〜63d,79a〜79d…コイル、 86…磁場制御部、 111〜115…発光素子、 141〜145…受光素子、 154…回転側制御部、 166〜170…発光送信部、 171〜175…受光受信部、 182…固定側制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 茂 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状に形成された陽極と、この陽極と同
    一の中心軸を有する円周上に配置され、前記陽極にそれ
    ぞれ対向する複数個の陰極と、各陰極をそれぞれ加熱す
    る複数個のフィラメントと、前記各陰極を前記円周上で
    回転させる回転手段と、前記各フィラメントに非接触で
    電力を供給する非接触電力供給手段と、前記各陰極と前
    記陽極との間に電圧を印加し、前記各フィラメントによ
    り加熱された前記各陰極から放出された電子がそれぞれ
    前記陽極に衝突して放射される各X線を撮影対象に照射
    したときに、この撮影対象を透過した各X線を検出する
    X線検出手段とを設け、このX線検出手段によるX線検
    出に基づいて前記撮影対象の内部構造を画像化すること
    を特徴とする回転多陰極CT装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の回転多陰極CT装置
    において、X線を放射するために陽極から陰極へと流れ
    る管電流を検出する管電流検出手段と、この管電流検出
    手段による検出に基づいて、管電流を所望の値に制御す
    るために、非接触電力供給手段による各フィラメントへ
    の電力供給量を制御するフィラメント電力制御手段とを
    設けたことを特徴とする回転多陰極CT装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1記載の回転多陰極CT装置
    において、非接触電力供給手段は、複数の陰極が配置さ
    れた第1の円周と同一の中心軸を有する第2の円周に沿
    って一様でない磁場を発生させる磁場発生手段と、前記
    各陰極のフィラメントに設けられ、前記第2の円周上を
    回転するコイルとを設け、このコイルのコイル面を前記
    磁場の磁束に対して垂直に形成したことを特徴とする回
    転多陰極CT装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項3記載の回転多陰極CT装置
    において、磁場発生手段により発生される磁場の強さを
    変化させる磁場制御手段を設けたことを特徴とする回転
    多陰極CT装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項4記載の回転多陰極CT装置
    において、磁場制御手段は、陽極から陰極へと流れる管
    電流や陰極の回転速度等のスキャン条件に基づいて、磁
    場発生手段により発生される磁場の強さを変化させるこ
    とを特徴とする回転多陰極CT装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項5記載の回転多陰極CT装置
    において、X線を放射するために陽極から陰極へと流れ
    る管電流を検出する管電流検出手段を設け、磁場制御手
    段は、この管電流検出手段による検出に基づいて、X線
    量を所望の値に制御するために、磁場発生手段により発
    生される磁場の磁場勾配を変化させることを特徴とする
    回転多陰極CT装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項5記載の回転多陰極CT装置
    において、磁場制御手段は、コイルの回転速度に基づい
    て、X線量を所望の値に制御するために、磁場発生手段
    により発生される磁場の磁場勾配を変化させることを特
    徴とする回転多陰極CT装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項5記載の回転多陰極CT装置
    において、X線を放射するために陽極から陰極へと流れ
    る管電流を検出する管電流検出手段を設け、磁場制御手
    段は、前記管電流検出手段による検出に基づいて、管電
    流を所望の値に制御するため、磁場発生手段により発生
    させる磁場の磁場勾配を変化させることを特徴とする回
    転多陰極CT装置。
  9. 【請求項9】 前記請求項5記載の回転多陰極CT装置
    において、X線を放射するために陽極から陰極へと流れ
    る管電流を検出する管電流検出手段を設け、磁場制御手
    段は、前記管電流検出手段による検出に基づいて、管電
    流を所望の値に制御するため、磁場発生手段により発生
    させる磁場の強さを時間的に変化させることを特徴とす
    る回転多陰極CT装置。
  10. 【請求項10】 前記請求項1記載の回転多陰極CT装
    置において、X線検出手段は、環状に形成され、陽極と
    同一の中心軸上の異なる中心点を有する円周に配置され
    たことを特徴とする回転多陰極CT装置。
  11. 【請求項11】 前記請求項1記載の回転多陰極CT装
    置において、X線検出手段は、陽極の内側で、この環状
    の陽極と同一の中心を有する同一円周上に配置された複
    数個のX線検出器から構成され、これらの各X線検出器
    は、それぞれ前記中心を介して各陰極と対向し、常にそ
    れぞれ前記陰極と対向した状態を保持しつつ、前記陰極
    と対になって回転すると共に、他の陰極とその対向する
    他のX線検出器との間には位置しないことを特徴とする
    回転多陰極CT装置。
  12. 【請求項12】 前記請求項11記載の回転多陰極CT
    装置において、陰極の個数が奇数であることを特徴とす
    る回転多陰極CT装置。
  13. 【請求項13】 前記請求項11記載の回転多陰極CT
    装置において、X線検出手段を構成する各X線検出器に
    より検出された検出信号は、光伝送方法により送信され
    ることを特徴とする回転多陰極CT装置。
  14. 【請求項14】 前記請求項1記載の回転多陰極CT装
    置において、陽極を回転させる陽極回転手段を設けたこ
    とを特徴とする回転多陰極CT装置。
JP6245260A 1994-10-11 1994-10-11 回転多陰極ct装置 Pending JPH08107894A (ja)

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JP (1) JPH08107894A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009050640A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Toshiba Corp X線ct装置
JP2020010973A (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 X線ct装置及びx線管装置

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JP2009050640A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Toshiba Corp X線ct装置
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