JPH08107760A - 大豆たん白乳化物及びその製造法、食肉加工品並びに焼き込み調理パン - Google Patents

大豆たん白乳化物及びその製造法、食肉加工品並びに焼き込み調理パン

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JPH08107760A
JPH08107760A JP6245132A JP24513294A JPH08107760A JP H08107760 A JPH08107760 A JP H08107760A JP 6245132 A JP6245132 A JP 6245132A JP 24513294 A JP24513294 A JP 24513294A JP H08107760 A JPH08107760 A JP H08107760A
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soybean protein
starch
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protein emulsion
emulsion
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哲彦 岡嶋
Hiroko Katsumaru
裕子 勝丸
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 【構成】大豆たん白1部に対し、油脂1.5部〜4部及
び必要量の水を含む大豆たん白乳化物中に親油性加工澱
粉及びワキシーコーンスターチ由来の加工澱粉を併含す
る大豆たん白乳化物。該大豆たん白乳化物の可視的大き
さの塊を食肉生地に分散させた食肉加工品。該食肉加工
品をパン生地と共に焼成した焼き込み調理パン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大豆たん白乳化物を提供
するものである。
【0002】又、本発明は該大豆たん白乳化物を可視的
大きさの塊として分散させた食肉加工品を提供するもの
である。
【0003】又、本発明は、パン生地に食肉加工品を包
んだり挟んだり等して焼成した焼き込み調理パンを提供
するものである。
【0004】
【従来の技術】大豆たん白は乳化力を有するたん白であ
るが、乳化物中の油分がある量を越えると、凍結・解凍
した際乳化が破壊され油分が分離する。
【0005】一方、乳化物の色調を白くするには油の含
有量を増加することが考えられる。しかし、前記の凍結
・解凍耐性の点より通常大豆たん白乳化物中の油分が大
豆たん白1重量部に対して1重量部を越えることは困難
であった。
【0006】ところで、リオナソーセージ等はチーズを
可視的大きさで食肉生地中に分散させた食肉加工品であ
るが、加熱調理などを行った場合、該チーズが溶出しそ
の外観を損なう。そこで、耐熱性チーズ(特開平2-1821
48、特開平4-152840、特開平4-152840等)を利用すると
加熱による溶出は防止できても、スライスした際、これ
らのチーズが硬いのに比べ食肉加工品は弾力のある柔ら
かいものであるためお互いの馴染みが悪く容易に離脱す
る問題がある。
【0007】又、パン市場では従来はサンドイッチ,ホ
ットドッグに代表されるように、既に加熱調理された食
肉加工品を既に焼成したパンを用いて挟む,載せる等さ
れてきた。(後調理であるのでパンに包むことは出来な
かった。) しかし、今日、食生活の多様化に伴い、食肉加工品を未
だ焼成していないパン生地で包んだり、挟んだり、乗せ
たりしてオーブン等で焼成(通常約180℃以上,10
分以上)するいわゆる「焼き立てパン」或いは店頭販
売,コンビニエンスストア,ファーストフーズ等では
「焼き込み調理パン」と称するものが好まれている。
「焼き込み調理パン」の場合、焼成に高温がかかり、冷
却して食する際に該食肉加工品が焼き縮んだり、脂肪が
分離したり、端に皺生じる問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、乳化物中の油
脂含有率を上げることで白色性を増加させても冷凍・解
凍により乳化破壊が生ぜず、従って油分の分離もない大
豆たん白乳化物を目的とした。
【0009】又、食肉加工品に大豆たん白乳化物の塊を
可視的大きさに分散して加熱調理などを行っても溶出せ
ず、該食肉加工品をスライスしても該塊が容易に離脱し
ない加工食品を目的とした。
【0010】又、食肉加工品を包んだり挟んだりして焼
成・冷却した焼き込み調理パンにおいて該食肉加工品が
焼き縮んだり、脂肪が分離したり、端に皺が生じない焼
き込み調理パンを目的とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、親油性を有する加工澱粉と
ワキシーコーンスターチ由来の加工澱粉を併用すること
により前記問題を解決した大豆たん白乳化物が得られる
知見を得た。
【0012】又、かかる大豆たん白乳化物を可視的大き
さの塊で食肉加工生地に分散させて製造した食肉加工品
が前記問題を解決出来る知見を得た。
【0013】又、かかる食肉加工品を適宜成形してパン
生地で包んだり挟んだりして焼成したパンが前記問題を
解決出来る知見を得た。
【0014】本発明は以上の知見により完成したもので
ある。先ず、本発明の大豆たん白乳化物は、大豆たん白
1部に対し、油脂1.5部〜4部及び必要量の水を含む
大豆たん白乳化物中に親油性加工澱粉及びワキシーコー
ンスターチ由来の加工澱粉を併含する大豆たん白乳化
物、である。親油性加工澱粉は大豆たん白乳化物中0.
2%〜5%含まれることが好ましい。ワキシーコーンス
ターチ由来の加工澱粉が大豆たん白乳化物中0.2%〜
5%含まれることが好ましい。DE(ブドウ糖当量)が
45以下である加水分解澱粉を併含することが好まし
い。大豆たん白乳化物がチーズを含むことが出来る。
【0015】次に、本発明は、大豆たん白1部に対し、
油脂1.5部〜4部及び必要量の水、親油性加工澱粉及
びワキシーコーンスターチ由来の加工澱粉を均質化する
ことを特徴とする大豆たん白乳化物の製造法、である。
好ましくは、大豆たん白1部に対し、油脂1.5部〜4
部及び必要量の水を均質化し、親油性加工澱粉及びワキ
シーコーンスターチ由来の加工澱粉を混合することを特
徴とする大豆たん白乳化物の製造方法、である。親油性
加工澱粉を大豆たん白乳化物中0.2%〜5%混合する
ことが出来る。ワキシーコーンスターチ由来の加工澱粉
を大豆たん白乳化物中0.2%〜5%混合することが出
来る。DE(ブドウ糖当量)が45以下である加水分解
澱粉を混合することが出来る。チーズを混合することが
出来る。
【0016】又、本発明は、前記の大豆たん白乳化物を
可視的大きさの塊として食肉生地に分散させた食肉加工
品、である。食肉生地は大豆たん白及びワキシーコーン
スターチ由来の加工澱粉を含むことが好ましい。大豆た
ん白乳化物の塊を食肉加工品中10〜50重量%分散さ
せることが出来る。
【0017】又、かかる食肉加工品は、前記の大豆たん
白乳化物を可視的大きさの塊となし食肉生地に分散さ
せ、必要に応じ冷凍・解凍したりして、加熱調理して得
ることが出来る。食肉生地に大豆たん白及びワキシーコ
ーンスターチ由来の加工澱粉を混合することが好まし
い。大豆たん白乳化物の塊を食肉加工品中10〜50重
量%分散させることが出来る。大豆たん白乳化物は可視
的大きさに成形して、そのまま、坐り或いは加熱凝固さ
せて用いることが出来る。通常、大豆たん白乳化物をそ
のまま、坐り或いは加熱凝固させた後カッティング等し
て可視的塊とすることが出来る。
【0018】又、本発明は、前記の食肉加工品をパン生
地と共に焼成した焼き込み調理パン、である。かかる焼
き込み調理パンは、前記食肉加工食品をそのまま或いは
適宜成形してパン生地で包んだり、挟んだり、上に載せ
たりして焼成して得ることが出来る。
【0019】以下、本発明について詳述する。先ず、本
発明の大豆たん白乳化物は、大豆たん白1部に対し、油
脂1.5部〜4部及び必要量の水を含む大豆たん白乳化
物中に親油性加工澱粉及びワキシーコーンスターチ由来
の加工澱粉を併含する大豆たん白乳化物、である。
【0020】本発明の大豆たん白は濃縮大豆たん白や分
離大豆たん白を利用できる。油脂を大豆たん白(粉末状
で換算)1重量部に対して1.5重量部以上含むことに
より乳化物の色調がより白いものとなる。
【0021】油脂は豚脂や牛脂等の獣脂由来の動物性油
脂、油糧種子(大豆、菜種、コーン等)、油糧果実(パ
ーム、椰子、ココナツ等)等由来の植物性油脂等を利用
出来、特に限定するものではない。
【0022】油脂が1.5重量部以上含まれることで従
来のものより色が白くなるものである。油脂が4重量部
を越えると大豆たん白乳化物を凍結・解凍したとき乳化
破壊して油脂が分離する。
【0023】水は用いる原料が水分を含んだものの割合
が多い場合や吸水性が低い原料を併用する場合は少な
く、澱粉等のように保水力の高い原料を併用する場合は
多く調整する。通常、分離大豆たん白、油脂及び水を主
体とする系では大豆たん白(粉末状換算)1重量部に対
して3〜5重量部の水が適当である。
【0024】本発明の大豆たん白乳化物は、親油性加工
澱粉及びワキシーコーンスターチ由来の加工澱粉を併願
するところにある。又、DE(ブドウ糖当量)が45以
下である加水分解澱粉を併含することが好ましい。その
他、DE(ブドウ糖当量)が45以下である加水分解澱
粉の代わりに或いは併用して澱粉、前記以外の加工澱
粉、少糖類、多糖類を含むことも出来る。
【0025】一般に加工澱粉は、エステル化澱粉とエー
テル化澱粉の少なくとも1種を指称し、必要に応じてこ
れらを適度に架橋した架橋エーテル化澱粉や架橋エステ
ル化澱粉も包含する。これらの架橋品とは、エーテル
化、エステル化と共にエピクロルヒドリン、トリメタリ
ン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、オキシ塩化リンなどの通
常の架橋剤で澱粉分子間を通常の方法で橋架けして得ら
れる。エステル化澱粉としては、従来から知られている
ものが使用され、例えば酢酸澱粉、コハク酸澱粉、プロ
ピオン酸澱粉、オクテニルコハク酸澱粉などを例示出来
る。またエーテル化澱粉としても、従来から知られてい
るものが使用され、特にヒドロキシプロピル化澱粉やヒ
ドロキシエチル化澱粉の如きヒドロキシアルキル化澱粉
やカルボキシメチル化澱粉などが例示出来る。加工澱粉
を製造する際に使用される澱粉としては、コーンスター
チ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、甘藷澱
粉、馬鈴薯澱粉、サゴ澱粉、米澱粉など通常の天然澱粉
が使用できる。タピオカ澱粉とワキシーコーンスターチ
以外の原料澱粉を使用する加工澱粉を用いたゲルは、幾
分軟らかめのゲルになる。 本発明の親油性加工澱粉
は、5%溶液の粘度(90℃まで加熱し30℃に冷却し
たときのB型粘度計による測定値)が8000〜110
00cpsである。又、本発明の親油性加工澱粉は、該
親油性加工澱粉の10%水溶液100部と大豆油100
部とをホモミキサーを用いて10000rpmで5分間
乳化した乳化液が、10日間常温放置しても大豆油が分
離しない程度の親油性を有する澱粉である。又、該乳化
液を5℃で16時間冷蔵後8時間室温放置するという工
程を5回繰り返した後も大豆油が分離しない程度の親油
性を有する澱粉である。
【0026】本発明の親油性加工澱粉は大豆たん白乳化
物中0.2%〜5%(好ましくは0.2%〜3%)含ま
れることが好ましい。含まれる量が少ないと目的とする
効果が得られず、多すぎると滑らかさが低下する傾向に
ある。
【0027】本発明のワキシーコーンスターチ由来の加
工澱粉は、5%溶液の粘度(90℃まで加熱後30℃ま
で冷却した後B型粘度計を用いて測定した値)が550
0〜7500cps(好ましくは6000〜7000c
ps)のものである。又、糊化温度が60℃〜66℃の
ものである。
【0028】本発明のワキシーコーンスターチ由来の加
工澱粉は、大豆たん白乳化物中0.2〜5重量%(好ま
しくは0.2〜3重量%)含まれることが好ましい。含
まれる量が少ないと目的とする効果が得られず、多すぎ
ると滑らかさが低下する傾向にある。
【0029】本発明の大豆たん白乳化物に用いることが
出来るDE(ブドウ糖当量)が45以下である加水分解
澱粉は、DEが2以上(好ましくは6〜30)が適当で
あり、30%溶液の粘度(90℃まで加熱後30℃まで
冷却した後B型粘度計を用いて測定した値)が150c
ps以下(好ましくは4〜50cps)のものである。
通常、大豆たん白乳化物中0.2重量%以上で効果があ
り、経済的に20重量%以下が好適である。
【0030】その他、澱粉、前記以外の加工澱粉、多糖
類、少糖類を前記DE(ブドウ糖当量)が45以下であ
る加水分解澱粉と置換又は併含することが出来る。
【0031】大豆たん白乳化物がチーズを含むことが出
来る。チーズはナチュラルタイプ、プロセスタイプ、熟
成型、非熟成型を問わず広く含むことが出来る。
【0032】その他、調味料、香料、色素、食品添加物
等を含むことが出来る。次に、本発明の大豆たん白乳化
物の製造法について説明する。
【0033】前述した大豆たん白1部に対し、油脂1.
5部〜4部、必要量の水、親油性加工澱粉及びワキシー
コーンスターチ由来の加工澱粉を均質化する手段はサイ
レントカッター等公知の高粘度物用均質機を利用するこ
とが出来る。又、前述した大豆たん白1部に対し、油脂
1.5部〜4部及び必要量の水を均質化する手段はサイ
レントカッター等公知の高粘度物用均質機を利用するこ
とが出来る。親油性加工澱粉及びワキシーコーンスター
チ由来の加工澱粉を混合するにはサイレントカッターに
そのままかけることが出来る。又、別に混合機を用いる
ことは自由である。大豆たん白と油脂との均質化を完全
に行うには後者の製造法のほうが好ましい。前述のDE
(ブドウ糖当量)が45以下である加水分解澱粉、前記
以外の加工澱粉、澱粉、多糖類、少糖類等、チーズ、調
味料、香料、色素、食品添加物等を混合することが出来
る。
【0034】以上のごとくして得られた大豆たん白乳化
物は、食肉加工品、水産練製品等に利用することが出来
る。例えば、ソーセージ等の生地に混合し定法により成
形後蒸煮、湯煮等の加熱調理を行っても油脂が分離する
ことがなく好適である。
【0035】次に、本発明の食肉加工品について説明す
る。本発明に用いる大豆たん白乳化物及びその製造法は
前述の通りである。この大豆たん白乳化物は成形(カッ
ティングする等)して可視的大きさの塊とすることが出
来る。大豆たん白乳化物は製造してすぐ塊に成形するこ
とが出来るが、しばらく(通常、高温坐りで20分以
上、低温坐りでも2時間以上)放置して坐らせてゲル化
させた後又は加熱凝固した後カッティング等して可視的
塊とするほうが作業的に効率的である。
【0036】食肉は、通常、畜肉や家禽肉を指す言葉で
あるが、本発明の食肉は広く獣肉〜摺身等の魚介類肉ま
で食用に供することの出来る肉であれば限定するもので
はない。食肉生地はこれらの食肉をカッター等でペース
ト化したものが好適である。
【0037】食肉生地が大豆たん白及びワキシーコーン
スターチ由来の加工澱粉を含むことが好ましい。食肉生
地だけでは前記大豆たん白乳化物を分散させてスライス
等して焼成等高温加熱すると食肉生地部から油分が分離
したり焼き縮みしたりするからである。食肉生地に大豆
たん白だけを用いるよりワキシーコーンスターチ由来の
加工澱粉を併用するほうが前記効果が著しい。
【0038】前記食肉生地に前記の可視的大きさの大豆
たん白乳化物の塊を混合等して食肉生地に分散させるこ
とが出来る。大豆たん白乳化物の塊を食肉加工品中10
〜50重量%分散させた食肉加工品が視覚的に美しい。
【0039】大豆たん白乳化物の塊を分散させた食肉生
地は成形し包装し常法により加熱調理して食肉加工品と
することが出来る。
【0040】かかる食肉加工品はスライスしても大豆た
ん白乳化物が容易に離脱することがなく、加熱調理など
を行っても分散した大豆たん白乳化物からも食肉生地か
らも油脂分離が生じないものである。食肉生地と大豆た
ん白乳化物との硬さの差が少なく、互いに馴染みがよい
ので該食肉加工品をスライスしても大豆たん白乳化物の
塊が容易に離脱することがないものである。
【0041】次に、本発明の焼き込み調理パンについて
説明する。本発明の焼き込み調理パンは、前記食肉加工
品をパン生地と共に焼成して得ることが出来る。
【0042】本発明に用いる食肉加工品は前記の通りで
ある。食肉加工品はそのまま或いはカッティング等成形
して冷凍・保存・流通されユーザーが解凍して用いるこ
とが出来るので使用に便利である。
【0043】適当にカッティングしたり成形した食肉加
工品はパン生地に包んだり、挟んだり、載せたりして焼
成することが出来る。従来のサンドイッチやハンバーガ
ーでは挟むことや載せることしか出来なかったが、本発
明においては生地に包んでパンと一緒に焼成出来るもの
である。
【0044】本発明のパン生地は小麦粉を主体としてド
ウとなし発酵させた公知のものを利用出来る。近年冷凍
ドウが利用されるようになり、かかるドウ(パン生地)
で食肉加工品の塊を包んだり、挟んだり、上に載せる等
した加熱調理前の焼き込み調理パン生地を冷凍・保存・
流通し、ユーザーが解凍してそのまま或いはケチャップ
等の簡単な調味をして焼成して客に提供出来るので便利
である。本願発明の食肉加工品を用いることにより冷凍
・解凍しても油脂が分離したりしないものである。
【0045】焼成温度は通常パンを焼成する温度範囲
(通常180℃以上で、パンの大きさにもよるが10分
以上)である。
【0046】以上のようにして得られた本発明の焼き込
み調理パンは、食肉加工品の塊が包まれたり挟まれたり
載せられたりして焼成され、食べることが出来る温度ま
で冷却されても該食肉加工品が焼き縮みしたり、脂肪分
離したり、端に皺が発生したりしないものである。
【0047】
【実施例】以下本発明の実施態様を説明する。 実施例1 粉末状分離大豆たん白(「ニューフジプロ−SE」不二
製油(株)製)1重量部(以下部)を水4部,大豆白絞
油2部に添加しカッター(ステファン社製「UMC−
5」)で2000rpm/分にて混合、乳化を行う。乳
化物が出来た段階で親油性を有する加工澱粉(「エマル
スター1」松谷化学工業(株)製)0.1部,ワキシー
コーン由来の加工澱粉(「パインエース1」松谷化学工
業株)0.1部,DE(ブドウ糖当量)が7〜9である
加水分解澱粉(「パインデックス1」松谷化学工業
(株)製)0.3部を添加、混合を行う。このものをケ
ーシング充填し、80℃で蒸煮後冷却することで、冷凍
解凍後、白色で且つ風味の良い大豆たん白乳化物を得
た。
【0048】本品は−15℃で冷凍し、その後解凍して
も、脂肪分離を生じることなく、白色で且つ風味の良い
ものであった。
【0049】実施例2 粉末状分離大豆たん白(「ニューフジプロ−SE」不二
製油(株)製)1部を水4部,大豆白絞油1.5部に添
加しカッター(ステファン社製「UMC−5」)で20
00rpm/分にて混合、乳化を行う。乳化物が出来た
段階で親油性を有する加工澱粉(「エマルスター1」松
谷化学工業(株)製)0.1部,ワキシーコーン由来の
加工澱粉 (「パインエース1」松谷化学工業(株)
製)0.1部,DE(ブドウ糖当量)が7〜9である加
水分解澱粉(「パインデックス1」松谷化学工業(株)
製)0.2部を添加、さらにチーズパウダー(日本スタ
ンゲ(株)製)0.7部、重曹0.04部を加え実施例
1と同様の方法で冷凍解凍後、白色で且つチーズ風味を
有するチーズ様大豆たん白乳化物を得た。
【0050】本品は−15℃で冷凍、解凍後、脂肪分離
を生じることなく、白色で且つチーズ風味を有するもの
であった。 比較例1〜5 実施例1と同様にして表1の配合にて大豆たん白乳化物
を調整し、凍結・解凍後表2の項目をテェックした。
【0051】 表1 ------------------------------------------------------------ 比較1 比較2 比較3 比較4 比較5 ------------------------------------------------------------ 粉末状分離大豆たん白 10 10 10 10 10 水 40 40 40 40 40 大豆白絞油 20 20 10 20 20 DE7〜8の加水分解澱粉 − 3 3 5 3 親油性加工澱粉 − − − − 2 ワキシーコーン由来加工澱粉 − 2 2 − − ------------------------------------------------------------ 合計 70 75 65 75 75 ------------------------------------------------------------ 上記配合によって大豆たん白乳化物を調整し、−15℃
にて凍結、さらに解凍して大豆たん白乳化物の性状を調
べた。結果を表2に記す。実施例1の評価結果も併記し
た。
【0052】 表2 ------------------------------------------------------------ 実施例1 比較1 比較2 比較3 比較4 比較5 ------------------------------------------------------------ 解凍後の脂肪分離 − + + − + − ------------------------------------------------------------ 解凍後の変性度 − + − − + + ------------------------------------------------------------ 解凍後の物性変化(%) 95.3 81.0 92.1 98.8 79.1 89.1 ------------------------------------------------------------ 解凍後の色調 白い 白い 白い 黄色い 白い 白い ------------------------------------------------------------ 解凍後の風味 良い 良い 良い やや良い 良い 良い ------------------------------------------------------------ (評価方法) ・脂肪分離:解凍後、乳化物の表面の脂肪滴の有無で判
断した。脂肪滴がある場合+、ない場合−とした。
【0053】・変性度 :解凍後、乳化物の表面に氷結
晶の有無で判断した。氷結晶がある場合+、ない場合−
とした。
【0054】・物性変化:各サンプルを凍結前後におい
て破断強度解析を行い乳化物の物性の指標とした。破断
強度解析は山電(株)製レオナー3305を使用し直径
5mm球のプランジャーを使用し測定した。
【0055】 ・色調,風味:解凍後、乳化物を視覚、味覚による官能
評価で判断した。
【0056】実施例3 表3 ------------------------------------------------------------ 原材料名 配合比 ------------------------------------------------------------ (配合A)以下の62部 牛肉/カウミート 25 ニューフジプロ−SE 42 水 16.8 豚脂 6 氷 7.5 パインエース1 1.5 パインデックス1 10 (配合B)以下の38部 ニューフジプロ−SE 5.5 水 22 大豆白絞油 8.3 パインデックス1 1.0 パインエース1 0.6 エマルスター1 0.6 (配合C)以下の残余 食塩 1.6 亜硝酸Na 0.01 エリソルビン酸Na 0.03 ピロリン酸Na 0.3 砂糖 0.3 調味料 0.2 香辛料 0.5 保存料 0.2 ------------------------------------------------------------ 合計 103.14 ------------------------------------------------------------ (大豆たん白乳化物の製法)サイレントカッターに水,
大豆白絞油を張りニューフジプロ−SE(不二製油
(株))を投入し、生地が白濁するまでカッティングに
て乳化を行う。乳化が出来た状態でパインデックス1パ
インエース1,エマルスター1を同時に混合しカッティ
ングを行い、完全に混ざった段階で容器に取り出し、乾
燥しないように表面をビニール等で覆い、10℃以下で
冷蔵した。このものは坐り状態を要する為、3時間以上
冷蔵した。
【0057】(食肉加工品の製法)サイレントカッター
に水を張りニューフジプロ−SE(不二製油(株))を
投入、次に予め肉挽処理を行った豚脂を投入しカッティ
ングを行い、乳化物を作製した。
【0058】次に予め肉挽処理を行った牛肉/カウミー
ト,塩漬剤,氷を投入しカッティングを行った。調味
料,パインデックス1,パインエース1,保存料を入れ
カッティングを行いベース生地を作製完了した。
【0059】最後に 調整した大豆たん白乳化物を投入
しミキシングにて粒状に分散した。充填機にてセロスタ
ー(大阪化学合金(株))に充填、さらにリテーナに詰
め、スモークハウスで乾燥65℃30分,燻煙70℃3
0分,蒸煮78℃50分,冷却を行った。
【0060】冷却を行った食肉加工品は冷蔵後2次包装
し、−30℃にて冷凍して製品とした。
【0061】得られた食肉加工品は白色の乳化物が分散
され、視覚上美しく、且つスライスしても大豆たん白乳
化物の塊が離脱しなかった。又、加熱調理により油脂が
分離しなかった。
【0062】実施例4 実施例3と同様にして食肉加工品を得た。 (焼き込み調理パンの製法) 表4(パン生地配合) --------------------------------------- 強力粉 100部 砂糖 10部 食塩 1.5部 全卵 20部 ベーカリークリーム(1) 7部 ブリザードBK200(2) 15部 冷凍イースト 6部 水 33部 マーガリン 40部 --------------------------------------- 尚、(1)及び(2)の商品は不二製油(株)販売のクリーム
である。
【0063】前記原料をミキシングタイム低速5分中速
7分、捏上温度25℃、発酵室温度28℃、フロアタイ
ム30分、分割重量60g、ホイロ温度38℃(湿度8
0%)、ホイロ時間60分でパン生地を調製した。
【0064】パン生地60g〜80gに対し 食肉加工
品を30g〜50gを乗せ、または包み、マヨネーズ,
ケチャップ,マッシュポテト等のトッピングをデコレー
ションしないで、オーブンにて210℃で約13分にて
焼成後、冷却を行った。
【0065】得られた調理パンをカットしてみたが、食
肉加工品の焼き縮み,端部分の皺発生が無く、外観上好
ましい品質にあった。また、食肉加工品の存在感が高
く、商品価値の高いパンに仕上がった。
【0066】
【効果】本発明により視覚的に白色性に優れながらも凍
結耐性(凍結しても乳化破壊されず油脂の分離がない)
を有する大豆たん白乳化物が可能になったものである。
【0067】又、本発明により、スライスしても分散し
て内在する塊が容易に離脱することがなく、加熱しても
該塊が容易に溶出することのない食肉加工品が可能にな
ったものである。
【0068】又、本発明は、食肉加工品を包んだり挟ん
だり等して焼成しても該食肉加工品が焼き縮みしたり、
脂肪分離したり、端に皺が発生したりしない焼き込み調
理パンが可能になったものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】」は大豆たん白乳化物の可視的塊が分散した食
肉加工品をカットし斜めから見た図面である。 「
【図2】」は大豆たん白乳化物の可視的塊が分散した食
肉加工品をパン生地中に入れ焼成したパンの断面図を示
す図面である。 「
【図3】」は大豆たん白乳化物の可視的塊が分散した食
肉加工品をパン生地で包んで焼成したパンの断面図を示
す図面である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大豆たん白1部に対し、油脂1.5部〜4
    部及び必要量の水を含む大豆たん白乳化物中に親油性加
    工澱粉及びワキシーコーンスターチ由来の加工澱粉を併
    含する大豆たん白乳化物。
  2. 【請求項2】親油性加工澱粉が大豆たん白乳化物中0.
    2%〜5%含まれる請求項第1の大豆たん白乳化物。
  3. 【請求項3】ワキシーコーンスターチ由来の加工澱粉が
    大豆たん白乳化物中0.2%〜5%含まれる請求項第1
    の大豆たん白乳化物。
  4. 【請求項4】DE(ブドウ糖当量)が45以下である加
    水分解澱粉を併含する請求項1乃至請求項3のいずれか
    の大豆たん白乳化物。
  5. 【請求項5】大豆たん白乳化物がチーズを含む請求項1
    乃至請求項4のいずれかの大豆たん白乳化物。
  6. 【請求項6】大豆たん白1部に対し、油脂1.5部〜4
    部及び必要量の水、親油性加工澱粉及びワキシーコーン
    スターチ由来の加工澱粉を均質化することを特徴とする
    大豆たん白乳化物の製造法。
  7. 【請求項7】大豆たん白1部に対し、油脂1.5部〜4
    部及び必要量の水を均質化し、親油性加工澱粉及びワキ
    シーコーンスターチ由来の加工澱粉を混合することを特
    徴とする大豆たん白乳化物の製造法。
  8. 【請求項8】親油性加工澱粉を大豆たん白乳化物中0.
    2%〜5%混合する請求項6又は請求項7の製造法。
  9. 【請求項9】ワキシーコーンスターチ由来の加工澱粉を
    大豆たん白乳化物中0.2%〜5%混合する請求項6乃
    至請求項8のいずれかの製造法。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の大豆たん白乳化物の可視的大きさの塊を食肉生地に分
    散させた食肉加工品。
  11. 【請求項11】食肉生地が大豆たん白及びワキシーコー
    ンスターチ由来の加工澱粉を含む請求講10の食肉加工
    品。
  12. 【請求項12】大豆たん白乳化物の塊を食肉加工品中1
    0〜50重量%分散させた請求講10又は請求項11の
    食肉加工品。
  13. 【請求項13】請求項10乃至12のいずれかに記載の
    食肉加工品をパン生地と共に焼成した焼き込み調理パ
    ン。
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