JPH0810752Y2 - オイルクーラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案に係るオイルクーラは、自動車に装着して、
エンジンオイルやトルクコンバータ用オイルを冷却する
場合に利用する。

（従来の技術） 自動車用エンジンやトルクコンバータの潤滑に使用す
るオイルの温度が過度に上昇する事を防止する為、従来
から第２図に示す様なオイルクーラが使用されている。

このオイルクーラは、外管１と、この外管１よりも小
径の内管２と、外管１の内周面と内管２の外周面との間
に形成され、内外両管１、２の長さ方向両端を塞がれた
円筒状の通油空間３と、この通油空間３の一端に連通す
る入口管４と、通油空間３の他端に連通する出口管５
と、上記通油空間３内に挿入されたインナーフィン６と
から構成されている。

上述の様に構成されるオイルクーラ７は、自動車用ラ
ジエータの下タンク内側や、冷却水移送用ホースの中間
部に装着した筒状ケーシング内側に装着して、外管１の
外側及び内管２の内側を流れる冷却水と、通油空間３内
を流れるオイルとの間で熱交換を行なわせ、上記オイル
を冷却する。

通油空間３に内装したインナーフィン６は、この通油
空間３を入口管４から出口管５に向けて流れるオイルの
流れを乱し、外管１の内周面と内管２の外周面とに境界
層が発達するのを防止して、オイルと冷却水との熱交換
を効率良く行なわせる役目を果たす。

（考案が解決しようとする課題） ところが、上述の様に構成され、作用するオイルクー
ラに於いては、従来次に述べる様な不都合を生じた。

即ち、通油空間３に内装するインナーフィン６は、始
めから円筒状に作られている訳ではなく、アルミニウム
等の金属材により板状に造られたフィン素材を第３図に
示す様に円筒状に丸める事で造られている。

上記フィン素材は、金属板を複雑に折り曲げる事で、
通油空間３の幅Ｗ（第２図参照）とほぼ同じ厚さＴ（第
４図参照）を有し、複雑に折れ曲がった流路を構成する
形状に造られているが、このフィン素材を円筒状に丸め
てインナーフィン６とした場合、フィン素材の突き合わ
せ端縁部に、第４図に示す様な、くさび状の隙間８が、
通油空間３に於けるオイルの流通方向に亘ってＶ溝状に
形成される事が避けられない。

この様に、オイルの流通方向に亘って隙間８が形成さ
れた場合、オイルクーラ７の入口管４から通油空間３内
に送り込まれたオイルの内の相当量が、この隙間８を通
って、冷却水との間であまり熱交換する事なく、出口管
５に達してしまい、その分だけオイルクーラ６の性能が
悪化してしまう。

この様な不都合を解消する為、実開昭61−58578号公報
には、インナーフィンを、内管２の外周面に螺旋状に巻
回する事で装着する技術が開示されているが、この様な
技術は、インナーフィンの装着作業を面倒にし、オイル
クーラの製作費の高騰を招く為、好ましくない。

本考案のオイルクーラは、上述の様な不都合を何れも
解消するものである。

（課題を解決する為の手段） 本考案のオイルクーラは、前述した従来のオイルクー
ラと同様、第２図に示す様に、外管１と、この外管１よ
りも小径の内管２と、外管１の内周面と内管２の外周面
との間に形成され、内外両管１、２の長さ方向両端を塞
がれた円筒状の通油空間３と、この通油空間３の一端に
連通する入口管４と、通油空間３の他端に連通する出口
管５と、上記通油空間３内に挿入されたインナーフィン
６とから構成されている。

上記インナーフィン６は、従来のオイルクーラに於け
るインナーフィン６と同様に、アルミニウム等の金属材
により板状に造られたフィン素材を、円筒状に丸める事
で造られている。

更に、本考案のオイルクーラに於いては、上記フィン
素材の円筒方向両端縁部を第１図に示す様に非直線状に
形成し、このフィン素材を円筒状に丸める事で作られた
インナーフィン６の突き合わせ端縁部を、通油空間３の
長さ方向に対してジグザグにした事を特徴としている。

フィン素材の円周方向両端縁部の非直線形状として
は、第１図に示す様なクランク形の他、波形、鋸歯形
等、端縁部同士が互いに噛み合う形状を採用する事が出
来る。

（作用） 上述の様に構成される本考案のオイルクーラにより、
オイルを冷却する際の作用自体は、前述した従来のオイ
ルクーラと同様であり、外管１の外側及び内管２の内側
を流れる冷却水と、通油空間３内を流れるオイルとの間
で熱交換を行なわせ、上記オイルを冷却する。

但し、本考案のオイルクーラの場合は、インナーフィ
ン６の突き合わせ端縁部を、通油空間３の長さ方向に対
してジグザグに形成している為、上記突き合わせ端縁部
に不可避的に形成される隙間８（第４図参照）に進入し
たオイルが屈曲しつつ流れる様になり、このオイルが、
入口管４から出口管５に向けて高速で流れる事がなくな
る。

従って、冷却水との間であまり熱交換する事なく、出
口管５に達するオイルの量を極少に抑える事が出来、オ
イルクーラの性能が向上する。

（考案の効果） 本考案のオイルクーラは、以上に述べた通り構成され
作用する為、大型化する事なく、性能を向上させて、オ
イルクーラの高性能化、小型化に果たす役割は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のオイルクーラに組み込まれるインナー
フィンの略斜視図、第２図は本考案の対象となるオイル
クーラの１例を示す断面図、第３図は従来のオイルクー
ラに組み込まれたインナーフィン略斜視図、第４図は第
３図のＡ矢視図である。 1:外管、2:内管、3:通油空間、4:入口管、5:出口管、6:
インナーフィン、7:オイルクーラ、8:隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外管と、この外管よりも小径の内管と、外
   管の内周面と内管の外周面との間に形成され、内外両管
   の長さ方向両端を塞がれた円筒状の通油空間と、この通
   油空間の一端に連通する入口管と、通油空間の他端に連
   通する出口管と、フィン素材を円筒状に丸める事で造ら
   れ、上記通油空間内に挿入されたインナーフィンとから
   成るオイルクーラに於いて、上記フィン素材の円周方向
   両端縁部を非直線状に形成し、このフィン素材を円筒状
   に丸める事で作られたインナーフィンの突き合わせ端縁
   部を、通油空間の長さ方向に対してジグザグにした事を
   特徴とするオイルクーラ。