JPH08106910A - コイン形電池 - Google Patents

コイン形電池

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JPH08106910A
JPH08106910A JP6242682A JP24268294A JPH08106910A JP H08106910 A JPH08106910 A JP H08106910A JP 6242682 A JP6242682 A JP 6242682A JP 24268294 A JP24268294 A JP 24268294A JP H08106910 A JPH08106910 A JP H08106910A
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gasket
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昌武 西尾
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彰英 泉
Toshio Mizuno
利男 水野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コイン形電池の封口を安定させ且つ高容量と
することを可能とする。 【構成】 発電要素を収納した電池ケース1の上端開口
部をガスケット3を介して封口板2にて密閉してなるコ
イン形電池において、電池ケース1内周縁部に上端鍔部
7aを有するリング7を収容すると共に上端鍔部7aを
水平面に対して上方に傾斜して設け、上端鍔部でガスケ
ット3の底部を支承する。また、リングの鍔部7aとは
反対側の下端部を半径方向外側に折り曲げて正極活物質
4の増量化を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電要素を収納した電
池ケースの上端開口部をガスケットを介して封口板にて
密閉してなるコイン形電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコイン形電池、特にコイ
ン形非水電解液電池は、図7に示すように、正極端子を
兼ねる正極缶(電池ケース)1と、負極端子を兼ねる封
口板2と、ポリプロピレン等からなるガスケット3と、
二酸化マンガン等の正極合剤からなる正極活物質4と、
リチウム等の負極活物質5と、ポリプロピレン等からな
るセパレータ6と、電池内ケースとしての逆ハット状リ
ング7とからなっている。そしてこの電池の組立にあた
っては、正極缶1内に逆ハット状リング7の底面を溶接
し、この逆ハット状リング7の内部に正極活物質4を収
納し、その上にセパレータ6を載置する。次いで負極活
物質5を取り付けた封口板2の外周部にガスケット3を
嵌着し、この封口板2を正極缶1の開口部に被せるとと
もにガスケット3の下面を逆ハット状リング7の上端鍔
部7aに載置する。この状態で正極缶1の開口部をガス
ケットに対してカシメつけることによって正極缶1の開
口部を密閉している。このように、逆ハット状リング7
の上端鍔部7aでガスケット3の下面を受けて、ここで
正極缶1の開口端をカシメる時の下方への力を受けてい
るので、この間でガスケットが好適に圧縮され、良好な
耐漏液性を示している(特開平2−12764号公報、
実開平4−121655号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、正極缶
内に収納される正極活物質の量を増やそうとして逆ハッ
ト状リングの肉厚を薄くすると、正極缶1の開口端をカ
シメるときに鍔部7aに加わる力によって、図8に示す
ように、鍔部7aが下方に変形し封口性が不安定になる
と言う問題がある。このため、逆ハット状リングの鍔部
が変形しないようにその板厚を比較的厚くしなければな
らず、所定の寸法の正極缶1内に比較的肉厚な逆ハット
状リングが介在することになり、その分だけ正極缶内に
収納される正極活物質の量が減り放電性能を向上させる
妨げとなっていた。
【0004】そこで、本発明の主たる目的は、上記課題
を解決し、封口を安定させ且つ高容量としたコイン形電
池を提供することにある。
【0005】また本発明の他の目的は、従来と同等の封
口性を維持しながら高容量化を図ったコイン形電池を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、発電要素を収納した電池ケースの上端開口
部をガスケットを介して封口板にて密閉してなるコイン
形電池において、該電池ケースの内周縁部に上端鍔部を
有するリングを収容すると共に該上端鍔部を水平面に対
して上方に傾斜して設け、該上端鍔部で該ガスケットの
底部を支承してなるのである。
【0007】好ましくは、前記上端鍔部の上方への傾斜
角度を水平面に対し実質的に10゜から45゜までの範
囲内に設定することである。
【0008】また好ましくは、前記リングの下端部を前
記電池ケースの半径方向内方或いは半径方向外方に延出
形成することである。
【0009】または、上記リングの上端鍔部をほぼ水平
に保った状態でガスケットの底部を支承するとともに、
リングの下端鍔部を電池ケースの底面上に沿って半径方
向外方に延出形成するようにしてもよい。
【0010】
【作用】リングの上端鍔部を上方に傾斜させると、正極
缶の開口部をガスケットに対してカシメる時に、リング
の上端鍔部の先端が正極缶の内側面に当接しここで支持
されることになる。従って、板厚の薄いリングでも下方
への変形が防止され、封口性が安定する。また、リング
の板厚を薄くできる分だけ活物質を増量することがで
き、高容量化が可能となる。
【0011】前記上端鍔部の傾斜角θが10゜より小さ
くなると、上記受けの強度を確保できなくなり、リング
の板厚をある程度厚くする必要がある。即ち、鍔部を傾
斜させた効果が現れにくく、従来例とほぼ同様の電池特
性しか得られない。逆に、上端鍔部の傾斜角θが45゜
より大きくなると、鍔部と電池ケースのカール部との角
度も大きくなる。従って、リング鍔部から封口板フラン
ジ間のガスケットを十分圧縮することができず、封口性
の向上、安定は望めなくなる。
【0012】リングの下端部を電池ケースの底面上に半
径方向外方に延出形成してなる場合には、正極活物質の
下方にリングの鍔部が存在しないことになり、その分だ
け正極活物質等の容量を増量できるので、電池の高容量
化を図ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例について説明す
る。
【0014】図1に示すコイン形非水電解液電池は、従
来と同様に、正極端子を兼ねる正極缶(電池ケース)1
と、負極端子を兼ねる封口板2と、ポリプロピレン等か
らなるガスケット3と、二酸化マンガン等の正極合剤か
らなる正極活物質4と、リチウム等の負極活物質5と、
ポリプロピレン等からなるセパレータ6と、電池内ケー
スとしてのリング7とからなり、そのリング7の上端は
半径方向外方へ延出された上端鍔部7aとなりまたその
下端縁部7bは半径方向内側に延出されて逆ハット状リ
ング7となっている。
【0015】この逆ハット状リング7の上端鍔部7a
は、水平面に対して上方に傾斜して形成され、その傾斜
角θは、図2に示すように、この実施例ではθ=30゜
となっている。
【0016】上記のように上端鍔部7aが傾斜して形成
されている結果、封口板2の外周部に嵌合されたガスケ
ットを上端鍔部7aの上に載置した後に正極缶の開口部
をガスケットに対してカシメると、上端鍔部の先端が正
極缶の内面に当接して、図1の状態で安定してそれより
も下方への変形が防止されるため、その間にてガスケッ
トを緊密に圧縮することができる。このように、上端鍔
部7aが正極缶の内面で支承される構造としたため、逆
ハット状リングを従来よりも肉厚の薄い板材から成形す
ることができ、その分だけ逆ハット状リング内に収納さ
れる正極活物質の量を増やして放電容量を大きくするこ
とができる。
【0017】この傾斜角θは10゜〜45゜の角度範囲
で任意の値に設定することができる。この傾斜角θが1
0゜より小さくなると、上端鍔部7aを正極缶の内面で
充分に支えられず、逆ハット状リング7の板厚をある程
度厚くする必要がある。即ち、上端鍔部7aを傾斜させ
た効果が現れにくく、従来例とほぼ同様の特性しか得ら
れない。
【0018】逆に、上端鍔部7aの傾斜角θが図3の状
態の45゜より大きくなると、鍔部7aと正極缶1の上
端部、即ち、カール部1aとの角度も大きくなるので、
正極缶の上端開口部をガスケットに対してカシメた時に
ガスケットをリング7の上端鍔部7aへ押しつける垂直
分力が小さく、ガスケット3を十分圧縮することができ
ず、封口性の向上、安定は望めない。
【0019】この場合、正極缶1の立ち上がり部1bを
長くし、図4の如く深いカールを行えば、封口性は向上
し安定化する。しかし、カール部分1aも長くなるため
に、カール後の正極缶1の端部と封口板2の側部2bと
の間隔dが小さくなり、不用意な外部短絡を起こしやす
くなる。これを避けるためには、封口板2の円形頂部2
cの径を小さくし、正極缶端部との間隔dを大きくする
ことができるが、そうすると封口板頂部の縮径により内
容物量が規制され高容量化の効果が薄くなる。
【0020】上記の観点から、逆ハット状リング鍔部7
aの傾斜角θには適切な角度範囲があり、傾斜角θが1
0゜〜45゜の場合に、封口性の向上、安定が期待でき
るものとなる。また、これによりリング7の板厚t(図
1)を薄くでき、その分だけ正極活物質4または負極リ
チウム(負極活物質)5の体積を増加させて高容量化を
図ることができる。
【0021】具体例として、板厚0.2mm、外径1
9.6mm、内径17.5mm、鍔部7aの傾き角θが
30°の逆ハット状リング7を作製し、内径19.7m
mの正極缶1に挿入した。この逆ハット状リング7内
に、正極活物質4として径16mm、厚さ1.73mm
の正極合剤ペレットを入れ、更に、P.P不織布のセパ
レータ6を載置後、電解液を注液した。これに、負極端
子たる封口板2に径16mm、厚さ0.67mmの負極
リチウム5を圧着しガスケット3を嵌合してなる負極部
を組み合わせ、正極缶1の開口上縁部分1aをカールし
てカシメることで封口し、コイン形非水電解液電池CR
2032とした。
【0022】これにより封口性の向上及び安定と、高容
量化が得られた。表(1)に60゜Cで20日保存した
場合の電池の重さの減量値を、表(2)に15kΩ連続
放電の持続時間を、従来品との比較で示す。なお、バー
Xは平均値、σn-1 は標準偏差を表している。
【0023】
【表1】
【表2】 表1より、逆ハット状リングの板厚が0.2mmの従来
品よりも、同じ0.2mmのリング板厚であるが鍔部7
aを傾斜させた本実施例の方が減量値が小さく、封口性
に優れていることが分かる。また、表2より、リング板
厚0.3mmの従来品に比べ、リングの板厚0.2mm
の本実施例の方が板厚が小さくて済む分だけ放電持続時
間が長く、高容量化され、放電性能が向上していること
が分かる。
【0024】上記の第1実施例では、リングの上端鍔部
を半径方向外方に形成する一方その下端縁部を半径方向
内方に延出した逆ハット状リングとしていたが、図5に
係る第2実施例は、上記構成のコイン形非水電解液電池
(図1)において、更に高容量化を図るべく、リング7
の上端鍔部7aについては前記の実施例と同様に形成し
ているが、そのリングの下端部については前記第1実施
例と逆に半径方向外側に延出して下端鍔部7cを形成し
たのである。
【0025】前記第1実施例のように、リング7として
逆ハット状リングを用いる構成においては、リングの底
部7bが内方に延出して正極活物質の下方に位置し、ま
た、正極活物質の中央下面と正極缶の中央内底面との間
に空隙が形成されるから、その分だけ正極活物質の充填
量を増量することができず、放電容量の低下につながっ
ていた。
【0026】しかし、図5の第2実施例のようにリング
7の下端鍔部7cを外側に向けると、正極活物質4の下
面が正極缶1の内底面に直接接触することとなり、前記
の実施例と比べてリング板厚t分だけ正極活物質4を増
量でき、高容量化が可能となる。
【0027】具体例として、板厚0.2mm、外径1
9.6mm、内径17.5mm、鍔部7a及び底部7b
を外側に向けたリング7(鍔部7aの傾き角θは30
°)を作製し、内径19.7mmの正極缶1に挿入し
た。このリング7内に、正極活物質4として径16m
m、厚さ1.87mmの正極合剤ペレットを入れ、更
に、P.P不織布のセパレータ6を載置後、電解液を注
液した。これに、負極端子たる封口板2に径16mm、
厚さ0.72mmの負極リチウム5を圧着しガスケット
3を嵌合してなる負極部を組み合わせ、正極缶1の開口
上縁部分1aをカールすることで封口し、コイン形非水
電解液電池CR2032とした。
【0028】これにより高容量化が達成された。表3に
15kΩ連続放電の持続時間を、逆ハット状リングを用
いた従来品との比較で示す。なお、バーXは平均値、σ
n-1は標準偏差を表している。
【0029】
【表3】 表3より、リング7の下端鍔部7bが正極活物質の下方
に位置する従来品に比べ、リングの下端鍔部7cが半径
方向外方に延出し、正極活物質の下方に存在しない本実
施例の方が、正極活物質を増量できるので、それだけ放
電持続時間が長く、高容量化され、放電性能が向上して
いることが分かる。
【0030】なお、図6に示す本発明の第3実施例のよ
うに、リング7の上端鍔部7aは従来のままθ=0の状
態とし、リングの下端鍔部7cを半径方向外方に折り曲
げて構成してもよく、これによっても正極活物質4の下
にリングの下端鍔部7cが存在しない分だけ、上記正極
活物質を増量させ、電池の高容量化を図ることができ
る。
【0031】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果が得られる。
【0032】即ち、リングの上端鍔部を上方に傾斜させ
ているので、正極缶の開口部をガスケットに対してカシ
メる時に、リングの上端鍔部の先端が正極缶の内側面で
支持されることになる。従って、板厚の薄いリングでも
下方への変形が防止され、封口性が安定する。また、リ
ングの板厚を薄くできる分だけ活物質を増量することが
でき、高容量化が可能となる。リングの下端部を電池ケ
ースの底面上に半径方向外方に延出形成してなる場合に
は、正極活物質の下方にリングの鍔部が存在しないこと
になり、その分だけ正極活物質等の体積を増加できるの
で、電池の高容量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るコイン形電池の要部
を示す部分断面図である。
【図2】図1の逆ハット状リングの上端鍔部の傾斜角度
を示した部分断面図である。
【図3】図1の逆ハット状リングの上端鍔部の傾斜角度
を大きくした場合の部分断面図である。
【図4】図1の正極缶の立ち上がり部を大きくした場合
の部分断面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係るコイン形電池の要部
を示す部分断面図である。
【図6】本発明の第3実施例に係るコイン形電池の要部
を示す部分断面図である。
【図7】従来のコイン形非水電解液電池の要部を示す部
分断面図である。
【図8】従来のコイン形非水電解液電池においてリング
の板厚を薄くしたため、鍔部7aが下方に変形した状態
を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 正極缶(電池ケース) 1a 開口上縁部分(カール部分) 1b 立ち上がり部 2 封口板(負極端子) 2a 封口板のフランジ 2b 封口板の側部 2c 封口板の底部 3 ガスケット 4 正極活物質 5 負極活物質 6 セパレータ 7 リング 7a 上端鍔部 7b 下端縁部 7c 下端鍔部
フロントページの続き (72)発明者 水野 利男 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 (72)発明者 小野田 嘉広 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発電要素を収納した電池ケースの上端開
    口部をガスケットを介して封口板にて密閉してなるコイ
    ン形電池において、該電池ケースの内周縁部に上端鍔部
    を有するリングを収容すると共に該上端鍔部を水平面に
    対して上方に傾斜して設け、該上端鍔部で該ガスケット
    の底部を支承してなることを特徴とするコイン形電池。
  2. 【請求項2】 前記上端鍔部の上方への傾斜角度を水平
    面に対し実質的に10゜から45゜までの範囲内に設定
    してなることを特徴とする請求項1記載のコイン形電
    池。
  3. 【請求項3】 前記リングの下端部を前記電池ケースの
    半径方向内方或いは半径方向外方に延出形成してなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のコイン形電池。
  4. 【請求項4】 発電要素を収納した電池ケースの上端開
    口部をガスケットを介して封口板にて密閉してなるコイ
    ン形電池において、該電池ケースの内周縁部に上端鍔部
    及び下端鍔部を有するリングを収容し、該リングの該上
    端鍔部で該ガスケットの底部を支承するとともに該下端
    鍔部を該電池ケースの底面上に半径方向外方に延出形成
    してなることを特徴とするコイン形電池。
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Cited By (6)

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