JP2002190303A - 筒形アルカリ電池及びその製造方法 - Google Patents

筒形アルカリ電池及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002190303A
JP2002190303A JP2000390696A JP2000390696A JP2002190303A JP 2002190303 A JP2002190303 A JP 2002190303A JP 2000390696 A JP2000390696 A JP 2000390696A JP 2000390696 A JP2000390696 A JP 2000390696A JP 2002190303 A JP2002190303 A JP 2002190303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
positive electrode
separator
bottom member
alkaline battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000390696A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Yamamoto
勝博 山本
Kiyohide Tsutsui
清英 筒井
Hirohiko Ota
廣彦 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FDK Corp filed Critical FDK Corp
Priority to JP2000390696A priority Critical patent/JP2002190303A/ja
Publication of JP2002190303A publication Critical patent/JP2002190303A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02E60/12

Landscapes

  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Primary Cells (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セパレータ底部の簡易な形成と確実な保持が
でき、かつビード部を設けないことで電池内容積つまり
は電池性能を向上させた筒形アルカリ電池を得ることに
ある。 【解決手段】 有底筒状の正極缶1の内部に中空筒状の
正極合剤2を装填し、該正極合剤2の内側面にセパレー
タ3を介して負極合剤4を充填し、該セパレータ3の下
端開口部3aを絶縁性底部材8で閉塞して負極合剤4と
正極缶1の底部を互いに絶縁し、上記負極合剤4中に挿
入した負極集電棒5の後端部をガスケット6を通して上
記負極端子板7で支持し、上記ガスケット6を介して正
極缶1の開口端部に上記負極端子板7を封止したアルカ
リ電池において、上記負極集電棒5を上記セパレータ3
の底部分まで延在させ、その負極集電棒5の先端側で上
記絶縁性底部材8を上記正極缶の内底面に押し付けてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒形アルカリ電池
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒形アルカリ電池は、図2に示
すように、セパレータ3の外側にリング状コアに成形し
た正極合剤2が配置され、またその内側にゲル状の負極
合剤4が配置され、これにより同軸構造の発電要素が構
成される。そして、この同軸構造の発電要素は、円筒状
の正極缶1、ガスケット6及び負極端子板7から成る円
筒状電池ケース内に密封入される。また、負極合剤4に
は負極集電棒15が挿入され、負極端子板7に溶接接続
される。正極缶1の内面には導電性皮膜(図示せず)が
形成されており、この導電性皮膜に正極合剤2が接触す
ることで放電性能及び利用率の向上が図られている。な
お、18はセパレータの絶縁性底部材、9は正極端子、
11はメタラベルである。
【0003】かかるアルカリ電池の製造工程としては、
電池ケースを兼ねる有底円筒形の正極缶1内に、まずリ
ング状コアに成形した正極合剤2が装填される。そし
て、このリング状正極合剤2の内側中空部内に、ビニロ
ン、パルプなどの混抄紙からなる筒状のセパレータ3が
配設され、これにはアルカリ電解液が含浸される。さら
に、セパレータ3内には、亜鉛粉末を主体としアルカリ
性電解質などを混練したゲル状の負極合剤4が充填され
る。
【0004】その際、セパレータ3の下端開口部3a
は、これに紙又はプラスチック製のカップ状の絶縁性底
部材18を嵌め込むことによって閉塞され、負極合剤4
と正極缶1の内底面とが互いに絶縁される。このセパレ
ータ3の底部分は、例えば筒材料の一端を熱融着で封止
したり、ホットメルトなどを流し込んで固化させる等の
手段によって閉塞される場合もある。
【0005】さらに、上記負極合剤4の中央に、電池総
高の1/2から3/4程度の長さを持つ負極集電棒15
が挿入される。そして、正極缶1の上端開口部に封口ガ
スケット6を介して負極端子板7が嵌合され、正極缶1
の開口端縁を内側へカール形成する、いわゆる「かし
め」によって電池内が密封される。
【0006】上記封口ガスケット6及び負極端子板7の
嵌合に先立ち、正極、負極合剤等を挿入した正極缶1に
は、その開口部付近の直径を少し細くして封口ガスケッ
ト6や負極端子板7を支えやすくする、いわゆるビード
部10が形成される(この操作をビーディングと言
う)。ビード部10は正極缶1を回転させながら側面か
ら円盤状ローラーで押して設けられる。このビード部1
0は、正極缶1の開口端から所定寸法下方の位置におい
て内周側に鉢巻き状に突出する部分であり、このビード
部10により上記封口ガスケット6及び負極端子板7が
支持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
筒形アルカリ電池には次のような課題がある。 (1) 従来の筒形アルカリ電池の場合、セパレータの底部
分の形成は、例えば筒材料の一端を熱融着で封止した
り、図2に示すようなカップ状の紙又はプラスチック製
の絶縁性底部材で塞いだり、またはホットメルトなどを
流し込んで固化させる等の手段によって行っている。し
かし、熱融着方式による場合、材質に自由度が少なく、
かつ融着時の熱条件制御が必要となる。またホットメル
ト方式による場合も、熱制御が必要であるという点で、
同様に簡便な方法とは言い難い。これに対し、底紙やプ
ラスチック製のカップ状部材を用い、これをセパレータ
下端開口部内に嵌め込むだけで絶縁性底部材を固定保持
する方式の場合は、簡便な方法ではあるが、反面、例え
ば電池が床に落ちて絶縁性底部材に衝撃がかかったとき
には、絶縁性底部材が変位して隙間が生じやすく、その
後の信頼性を損なう。この変位をなくすべく、絶縁性底
部材を確実にセパレータに固定しようとすれば、接着な
どの追加の工程が必要となる。
【0008】(2) 従来の筒形アルカリ電池の場合、負極
集電棒は電池総高の1/2から3/4程度の長さに設計
されている。従って、微弱電流で放電が行われる場合に
は問題がないが、高負荷放電(大電流放電)の場合に
は、集電効率が落ちることになる。
【0009】(3) 従来の筒形アルカリ電池の場合、電池
の封口部分を形成する集電体部品の封止位置を確実にす
るために、電池缶に、その開口部付近の直径を少し細く
したビードと呼ばれる支え部分を設けている。しかし、
この缶にビード部分を設けることは、電池内の容積を減
少させることになり、反応物質の充填に対し不利である
ばかりか、製造上にも一加工分の工程を要するという課
題がある。
【0010】本発明の目的は、上記課題を解決し、セパ
レータ底部の簡易な形成と確実な保持ができ、かつビー
ド部を設けないことで電池内容積つまりは電池性能を向
上させた筒形アルカリ電池、及びそのような筒形アルカ
リ電池を簡素な加工で製造することのできる製造方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、次のように構成したものである。 (1)請求項1の発明に係る筒形アルカリ電池は、有底
筒状の正極缶の内部に中空筒状の正極合剤を装填し、該
正極合剤の内側面にセパレータを介して負極合剤を充填
し、該セパレータの下端開口部を絶縁性底部材で閉塞し
て負極合剤と正極缶の底部を互いに絶縁し、上記負極合
剤中に挿入した負極集電棒の後端部をガスケットを通し
て負極端子板で支持し、上記ガスケットを介して正極缶
の開口端部に上記負極端子板を封止したアルカリ電池に
おいて、上記負極集電棒を上記セパレータの底部分まで
延在させ、その負極集電棒の先端側で上記絶縁性底部材
を上記正極缶の内底面に押し付けてなることを特徴とす
る。
【0012】この筒形アルカリ電池によれば、負極集電
棒の先端側で絶縁性底部材を、また後端側でガスケット
及び負極端子板を支えているので、アルカリ電池を落と
してしまった場合等の衝撃にも強く、製品としてアルカ
リ電池が市場に出た後も、良好な封止作用が維持され
る。また、負極集電棒が絶縁性底部材に達するまで長く
延在され、絶縁性底部材に立脚する形で負極集電棒が固
定されることで、先端部分側の絶縁性底部材の係止位置
と、後端部側の負極端子板及びガスケットの係止位置が
決められるため、電池の封口加工における台座の加工
(ビード部)無しで組立を行うことができる。したがっ
て、加工工程を1工程省略することができる。また、正
極缶にビード加工を施す必要が無くなるため、ビード部
を省略した分だけ、正極合剤の容量を増加させることが
でき、電池容量の増大を図ることができる。さらにま
た、負極集電棒が従来より長くなり集電効率が良くなる
ので、高負荷放電(大電流放電)が改善される。
【0013】(2)請求項2に記載の発明は、上記セパ
レータの底部分を形成する絶縁性底部材の内面の中央に
凹部を設け、この凹部に上記負極集電棒の先端部分を係
合させたことを特徴とする。この特徴によれば、負極集
電棒の先端部分を絶縁性底部材の内面の凹部に容易に係
合させることができ、また外部からの衝撃に対し負極集
電棒と絶縁性底部材の係合が外れ難く構成することがで
きる。
【0014】(3)請求項3に記載の発明は、上記絶縁
性底部材がポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリサルホン系樹脂からなることを特徴とする。この特
徴によれば、上記絶縁性底部材が樹脂から構成されるた
め、上記凹部を含む肉厚を途中で変えた形状の絶縁性底
部材を容易に且つ安価に製造することができる。
【0015】(4)請求項4に記載の発明は、上記絶縁
性底部材が電池容器である正極缶の底部に設けた凹状段
部内に嵌合して、その絶縁性底部材の外周面が凹状段部
の内周面との間でセパレータ端部を挟持し、かつ上記負
極集電棒で絶縁性底部材を内側から正極缶の底部に押し
付けることで、セパレータ底部を封止したことを特徴と
する。この特徴によれば、従来の底紙で絶縁性底部材を
形成し、これを単にセパレータ下端開口部内にはめ込ん
で取り付けた構造の場合に較べ、外部からの衝撃に強
く、より強固な絶縁性底部材の取り付け構造を得ること
ができる。
【0016】(5)請求項5の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の筒形アルカリ電池の製造方法におい
て、上記先端部分がセパレータの絶縁性底部材と係合し
ている負極集電棒の後端部を上記ガスケットを通して上
記負極端子板で固定支持することにより、上記ガスケッ
ト及び上記負極端子板の負極集電棒の軸方向に沿った位
置を定め、上記正極缶にビーディングを施すことなく、
正極缶の開口瑞のかしめによって、上記ガスケット及び
上記負極端子板を保持したことを特徴とする。このアル
カリ電池の製造方法によれば、電池の封口部品である集
電体を支えるビード部を設けることなく、絶縁性底部材
で負極集電棒を支えることで集電体の位置決めを行い封
口加工を行うことができる。従って、従来よりも簡素な
製造方法となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施形態に
基づいて説明する。図1に示す筒形アルカリ電池は、基
本的構成は図2の場合と同じLR20型アルカリ電池の
例であり、正極端子9が設けられた有底筒状の正極缶1
の内部に、正極缶1の内周面に沿って中空筒状の正極合
剤2が装填され、またこの正極合剤2の内側面にはセパ
レータ3が装着され、さらにこのセパレータ3の内側に
ゲル状の負極合剤4が充填された構造になっている。正
極合剤2は二酸化マンガン、黒鉛、バインダーなどの混
合物からなり、他方、負極合剤4は亜鉛粉末、電解液、
ゲル化剤などの混合物からなり、また、セパレータ3は
ビニロン、パルプなどの混抄紙からなり、これら正極合
剤2、セパレータ3及び負極合剤4から電池の同軸構造
の発電要素が構成されている。しかし、図2の場合と異
なり、セパレータ3の下端開口部3aは、ポリオレフィ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂又はポリサルホン系樹脂か
らなる絶縁性底部材8によって閉塞され、負極合剤4と
正極缶1の底部1a(正極端子9)とは互いに絶縁され
ている。
【0018】この絶縁性底部材8は、電池容器である正
極缶1の底部1aに設けた凹状段部12内に嵌合して、
その絶縁性底部材8の外周面が凹状段部12の内周面と
の間でセパレータ端部3bを挟持している。この場合、
セパレータ端部3bには内周面に段差部3cが形成さ
れ、これに絶縁性底部材8の外周縁部がはまり込んでい
る。
【0019】また、この絶縁性底部材8は、正極缶1の
底部1aに形成した正極端子9に形状に合わせて、外面
の中央が凸部8aとして形成され、正極端子9との間の
隙間を充填する様に構成してある。さらにまた、この絶
縁性底部材8の内面の中央には、次に述べる負極集電棒
5の先端部分5aが係合する凹部13が設けられてい
る。そして、負極集電棒5で絶縁性底部材8を内側から
正極缶1の底部に押し付けることで、セパレータ底部を
封止するようになっている。
【0020】上記負極合剤4中には負極集電棒5が挿入
されており、その後端部5bはガスケット6の中央部に
挿通され、かつ、負極端子板7に溶接接続されて支持固
定されている。この負極集電棒5は、図2の場合と異な
り、セパレータ3の底部分に達するまで長く延在され、
その負極集電棒5の先端側で絶縁性底部材8を支え、ま
た後端側で上記ガスケット6及び負極端子板7を支える
ようになっている。
【0021】すなわち、負極集電棒5の先端部分5aは
絶縁性底部材8の内面の中央に設けた上記凹部13に入
れられて位置決めされ、そして、負極集電棒5で絶縁性
底部材8を内側から正極缶1の底部に押し付けること
で、セパレータ底部を封止している。また、負極集電棒
5の後端部5bは、ガスケット6に挿通固定されると共
に負極端子板7に溶接されており、かつ、負極集電棒5
は、その先端部分5aが絶縁性底部材8に支えられてい
るため、結果的に、負極集電棒5が電池内の組立支柱と
して機能し、その先端部分5aからの後端部5bの高さ
位置により、負極端子板7及びガスケット6の負極集電
棒5の軸方向に沿った位置が定まっている。このため正
極缶1にビーディングを施す必要が無くなる。図1のA
部にビード部が無いことを示す。
【0022】このようにビーディングを施すことなく、
負極集電棒5によって、上記ガスケット6及び負極端子
板7を所定位置に保持する。そして、正極缶1の開口瑞
のかしめ14のみによって、正極缶1の開口端部にガス
ケット6を介して負極端子板7を封止する。なお、ガス
ケット6には、防爆安全機構として一部肉薄な溝部6a
が形成されている。
【0023】かかるアルカリ電池の製造工程としては、
電池ケースを兼ねる有底円筒形の正極缶1内に、まずリ
ング状コアに成形した正極合剤2が装填される。そし
て、このリング状正極合剤2の内側中空部内に、ビニロ
ン、パルプなどの混抄紙からなる筒状のセパレータ3が
配設され、これにはアルカリ電解液が含浸される。さら
に、セパレータ3内には、亜鉛粉末を主体としアルカリ
性電解質などを混練したゲル状の負極合剤4が充填され
る。
【0024】その際、セパレータ3の下端開口部3a
は、これにプラスチック製の絶縁性底部材8を嵌め込む
ことによって閉塞され、負極合剤4と正極缶1の内底面
4aとが互いに絶縁される。
【0025】さらに、上記負極合剤4の中央に、電池総
高の全長に亘る長さを持つ負極集電棒5が挿入される。
この負極集電棒5の先端部分5aは絶縁性底部材8の凹
部13内に入れて位置決めし、その負極集電棒5の先端
側で絶縁性底部材8を、また後端側でガスケット6及び
負極端子板7を支える。そして、正極缶1の上端開口部
に封口ガスケット6を介して負極端子板7を嵌合させ、
正極缶1の開口端縁を内側へカール形成する(かしめ
る)ことによって電池内を密封する。
【0026】表1に、上記図2の実施形態と、従来の実
施形態による作用効果を比較して示す。
【0027】
【表1】
【0028】本実施形態では、円筒状のセパレータ3の
内側底部分に、正極缶端子部の凹状段部12との間でセ
パレータ3を挟持するように、絶縁性底部材8を挿入
し、それを集電子たる負極集電棒5の先端で内側から支
持し固定するように構成したので、製品としてアルカリ
電池が市場に出た後も、良好な封止作用が維持される。
【0029】すなわち、従来の図2では底紙折れ等の組
み付け不具合による電圧不良が13/100000個の
割合で発生し、また1mの高さから正極端子9を下向き
にしてコンクリート床面に自重落下させたときの内部シ
ョートによる電圧不良(底紙変形により負極ゲル状物質
のはみ出し、正極缶内面とのショート)も3/100個
の割合で発生するのに対し、本実施形態の場合かかる不
良は皆無であった。
【0030】また、本実施形態の場合、負極集電棒5が
絶縁性底部材8に達するまで長く延在され、絶縁性底部
材8に立脚する形で負極集電棒5が固定される。すなわ
ち、先端部分5a側の負極集電棒5と絶縁性底部材8の
係止位置と、後端部5b側の負極端子板5及びガスケッ
ト6の係止位置が決められるため、電池の封口加工にお
ける台座の加工(ビード部)無しで組立を行うことがで
きる。したがって、加工工程を1工程省略することがで
きる。
【0031】また、本実施形態によれば、正極缶1にビ
ード加工を施す必要が無く、ビード部10を省略した分
だけ、正極合剤の容量を増加させることができ、電池容
量の増大を図ることができる。なお、負極集電棒5が従
来より長くなったために、負極合剤の充填量が減少し
て、正極容量の増大という長所が相殺されてしまうので
はないか、との疑問が生じるかもしれないが、量的にそ
のようなことは生じない。例えばLR20型アルカリ電
池の場合、負極集電棒5が径2.0mm程度であり、長
さが例えば17mm伸びても占有体積は+0.05cc
である。これはゲル状負極の14.3ccの+0.3%
にしかならず、負極充填量を減少させるものではない。
これに対し、正極合剤の充填量は3%増加が可能となる
ことから、全体として電池容量の増大が可能となる。
【0032】さらにまた、本実施形態によれば、負極集
電棒5が従来より長くなったために集電効率が良くなる
ので、高負荷放電(大電流放電)が改善される。その改
善の程度は、例えば20℃、2A連続の高負荷放電のと
きの従来例の図2の場合を指数100とすると、図1の
実施形態では正極合剤の増大分を含めて考えたとき、指
数107程度が見込まれる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明(請求項1〜
5)によれば、負極集電棒の先端側で絶縁性底部材を、
また後端側でガスケット及び負極端子板を支えているの
で、アルカリ電池を落としてしまった場合等の衝撃にも
強く、製品としてアルカリ電池が市場に出た後も、良好
な封止作用が維持される。
【0034】また、負極集電棒が絶縁性底部材に達する
まで長く延在され、絶縁性底部材に立脚する形で負極集
電棒が固定されることで、先端部分側の絶縁性底部材の
係止位置と、後端部側の負極端子板及びガスケットの係
止位置が決められるため、電池の封口加工における台座
の加工(ビード部)無しで組立を行うことができる。し
たがって、加工工程を1工程省略することができる。
【0035】また、正極缶にビード加工を施す必要が無
くなるため、ビード部を省略した分だけ、正極合剤の容
量を増加させることができ、電池容量の増大を図ること
ができる。
【0036】さらにまた、負極集電棒が従来より長くな
り集電効率が良くなるので、高負荷放電(大電流放電)
が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒形アルカリ電池の内部構造を示す断
面図である。
【図2】従来の筒形アルカリ電池の内部構造を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 正極缶 1a 底部 2 正極合剤 3 セパレータ 3a 下端開口部 3b セパレータ端部 3c 段差部 4 負極合剤 5 負極集電棒 5a 先端部分 5b 後端部 6 ガスケット 6a 溝部 7 負極端子板 8 絶縁性底部材 8a 凸部 9 正極端子 10 ビード部 11 メタラベル 12 凹状段部 13 凹部 14 かしめ 15 負極集電棒 18 絶縁性底部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 廣彦 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電気 化学株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA01 AA03 AA04 CC06 DD15 DD21 DD26 5H017 AA02 AS07 AS10 BB11 CC14 HH03 5H022 AA04 BB03 CC12 CC30 KK03 5H024 AA03 AA14 BB14 CC02 CC07 CC14 DD02 DD04 DD10 DD15 HH13 HH15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底筒状の正極缶(1)の内部に中空筒
    状の正極合剤(2)を装填し、該正極合剤(2)の内側
    面にセパレータ(3)を介して負極合剤(4)を充填
    し、該セパレータ(3)の下端開口部(3a)を絶縁性
    底部材(8)で閉塞して負極合剤(4)と正極缶(1)
    の底部を互いに絶縁し、上記負極合剤(4)中に挿入し
    た負極集電棒(5)の後端部をガスケット(6)を通し
    て上記負極端子板(7)で支持し、上記ガスケット
    (6)を介して正極缶(1)の開口端部に上記負極端子
    板(7)を封止したアルカリ電池において、上記負極集
    電棒(5)を上記セパレータ(3)の底部分まで延在さ
    せ、その負極集電棒(5)の先端側で上記絶縁性底部材
    (8)を上記正極缶の内底面に押し付けてなることを特
    徴とする筒形アルカリ電池。
  2. 【請求項2】 上記セパレータ(3)の底部分を形成す
    る絶縁性底部材(8)の内面の中央に凹部(13)を設
    け、この凹部(13)に上記負極集電棒(5)の先端部
    分を係合させたことを特徴とする請求項1記載の筒形ア
    ルカリ電池。
  3. 【請求項3】 上記絶縁性底部材(8)がポリオレフィ
    ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリサルホン系樹脂から
    なることを特徴とする請求項1又は2記載の筒形アルカ
    リ電池。
  4. 【請求項4】 上記絶縁性底部材(8)が電池容器であ
    る正極缶(1)の底部(1a)に設けた凹状段部(1
    2)内に嵌合して、その絶縁性底部材(8)の外周面が
    凹状段部(12)の内周面との間でセパレータ端部を挟
    持し、かつ上記負極集電棒(5)で絶縁性底部材(8)
    を内側から正極缶(1)の底部に押し付けることで、セ
    パレータ底部を封止したことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の筒形アルカリ電池。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の筒形ア
    ルカリ電池を製造する方法において、先端部分(5a)
    がセパレータ(3)の絶縁性底部材(8)と係合してい
    る負極集電棒(5)の後端部(5b)を上記ガスケット
    (6)を通して上記負極端子板(7)で固定支持するこ
    とにより、上記ガスケット(6)及び上記負極端子板
    (7)の負極集電棒(5)の軸方向に沿った位置を定
    め、上記正極缶(1)にビーディングを施すことなく、
    正極缶(1)の開口瑞のかしめによって、上記ガスケッ
    ト(6)及び上記負極端子板(7)を保持したことを特
    徴とするアルカリ電池の製造方法。
JP2000390696A 2000-12-22 2000-12-22 筒形アルカリ電池及びその製造方法 Pending JP2002190303A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000390696A JP2002190303A (ja) 2000-12-22 2000-12-22 筒形アルカリ電池及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000390696A JP2002190303A (ja) 2000-12-22 2000-12-22 筒形アルカリ電池及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002190303A true JP2002190303A (ja) 2002-07-05

Family

ID=18857011

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000390696A Pending JP2002190303A (ja) 2000-12-22 2000-12-22 筒形アルカリ電池及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002190303A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8283068B2 (en) 2007-04-10 2012-10-09 Panasonic Corporation Alkaline dry battery
JP2019204714A (ja) * 2018-05-24 2019-11-28 Fdk株式会社 アルカリ電池および電池缶

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8283068B2 (en) 2007-04-10 2012-10-09 Panasonic Corporation Alkaline dry battery
JP2019204714A (ja) * 2018-05-24 2019-11-28 Fdk株式会社 アルカリ電池および電池缶
JP7097232B2 (ja) 2018-05-24 2022-07-07 Fdk株式会社 アルカリ電池および電池缶

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4053687A (en) Electrochemical cell
CN101999185A (zh) 电池及其制造方法
US7927734B2 (en) Lithium secondary battery and fabrication method thereof
JP4312296B2 (ja) 二次電池のキャップアセンブリ
CN110224102B (zh) 电池的制造方法和电池
US20230411744A1 (en) Cap assembly and secondary battery
JP3948121B2 (ja) 電池及びその製造方法
JP2003151514A (ja) キャップ組立体及びそれを具備した角形2次電池
JP3252846B2 (ja) 非水電解液二次電池およびその製造方法
JP5127250B2 (ja) 円筒型蓄電池およびその製造方法
JP2001023680A (ja) 巻回構造の電極体を有する電池
JP2000077078A (ja) 渦巻電極を備えた電池及びその製造法
JP4128694B2 (ja) 二次電池のキャップアセンブリおよびその製造方法
JP2002190303A (ja) 筒形アルカリ電池及びその製造方法
JP4233243B2 (ja) 密閉型電池
JPH09161837A (ja) 円筒型電池
JP2918460B2 (ja) コイン形電池
JPH11204131A (ja) 密閉型電池
JP2000323106A (ja) 密閉型電池
JPH10162805A (ja) 電 池
JPH10255733A (ja) 小型電池
JPH0560233B2 (ja)
JP3522122B2 (ja) 電 池
JP2002141028A (ja) 密閉電池とその製造方法
JP2000195496A (ja) アルカリ蓄電池

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20040917

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424