JPH08106292A - 楽音信号合成装置 - Google Patents

楽音信号合成装置

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JPH08106292A
JPH08106292A JP7135673A JP13567395A JPH08106292A JP H08106292 A JPH08106292 A JP H08106292A JP 7135673 A JP7135673 A JP 7135673A JP 13567395 A JP13567395 A JP 13567395A JP H08106292 A JPH08106292 A JP H08106292A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物理モデルを用いてスネアドラム音を合成す
る楽音信号合成装置を提供すること。 【構成】 双方向信号路の速度信号を加算器7及び遅延
回路8により積分し、この変位信号を減算信号として減
算器9に供給する。ノイズ発生器13よりのノイズをフ
ィルタ及び係数乗算器を介し、さらにスレッショルド信
号を加算して減算器9に供給する。減算器9の減算出力
のMSBビットがセレクタ14に供給されて、MSBが
「1」の時に「−1」の反射係数rcが係数乗算器25
に供給されて反射信号がWG3−nに発生される。これ
により、スネアがドラムの皮に接触して振動が反射され
ることをシミュレーションできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スネアドラム等の打楽
器音の合成に用いて好適な楽音信号合成装置に関するも
のであり、ゲーム機器の音響合成装置や、音響波形を生
成するコンピュータシステムに適用して好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】少なくとも一方に遅延手段を含む複数の
信号伝達手段からなるネットワークは、シンバル、タム
などのドラム音の合成に適しており高品質の音源を実現
することができ、このネットワークにより打楽器音を合
成することは、特開平5−158476号公報に示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ドラムにはスネアドラ
ムといわれる、ドラムの裏面外側の直径に当たる部分に
スネア(スナッピー)がついているドラムがある。この
スネアは、数本のガット弦、または金属弦からなり響き
線とも云われ、共鳴振動のさわりとなってスネアドラム
の音色を決定している。このスネアドラムの楽音を合成
するには、スネアとドラムの皮との相互作用をアルゴリ
ズムで実現する必要がある。しかしながら、この相互作
用は非常に複雑で前記信号伝達手段からなるネットワー
クのような物理モデルで実現することはきわめて困難で
あるという問題点があった。
【0004】そこで、本発明はスネアと皮の相互作用を
複雑な接触と、接触により皮の受ける反作用の2つの点
に注目することにより、物理モデルを用いてスネアドラ
ム音を合成できるようにした電子楽器やゲーム機器の楽
音信号合成装置を提供することを目的としている。ま
た、本発明はコンピュータシステムで音響波形を生成す
るための音響合成アルゴリズムを提供することを目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の楽音信号合成装置は、双方向に信号路を持
ち、少なくともその一方に遅延手段を含む信号伝達手段
と、該信号伝達手段に駆動信号波形を出力する駆動信号
発生手段と、前記双方向の信号路の少なくとも一方の信
号路の信号を、他方の信号路の信号に反射係数に応じて
結合させる、前記信号伝達手段に設けられた信号反射手
段と、前記信号伝達手段を伝達する信号に応じて反射係
数を発生する反射係数発生手段とを備えるようにしたも
のである。
【0006】また、本発明の楽音信号発生装置は、双方
向に信号路を持ち、少なくともその一方に遅延手段を含
む信号伝達手段と、該信号伝達手段に駆動信号波形を出
力する駆動信号発生手段と、前記双方向の信号路の少な
くとも一方の信号路の信号を、他方の信号路の信号に反
射係数に応じて結合させる、前記信号伝達手段に設けら
れた信号反射手段と、時間変化信号発生手段により発生
された時間変化信号の値に応じた反射係数を発生する反
射係数発生手段とを備えるようにしても良いものであ
る。さらに、前記した楽音信号発生装置の各構成を楽音
発生アルゴリズムに置き換え、この楽音発生アルゴリズ
ムを実行することにより楽音信号発生装置を実現するよ
うにしたものである。
【0007】
【作用】本発明によれば、信号伝達手段に反射手段を設
け、この反射手段に与える反射係数を、信号伝達手段を
伝達する信号、あるいは時間変化信号に基づいて発生す
ることにより、スネアが共鳴振動のさわりとなるスネア
ドラムの音を物理モデルを用いて合成することができ
る。
【0008】
【実施例】図1に本発明の第1実施例の楽音信号合成装
置のブロック図を示すが、本発明はスネアはほぼ剛体で
あると仮定し、スネアがドラムの皮に接触した時にドラ
ムの皮を伝播する振動を全反射させ、スネアが皮に非接
触の時は全透過させている。図1において、1は演奏操
作子からの指示に応じて駆動波形を発生する駆動波形発
生部、2−1,2−2・・・2−nは表の皮をシミュレ
ーションする遅延手段を含む双方向の信号路からなる信
号伝達手段であるウェーブガイド(WG)、3−1,3
−2・・・3−nは裏の皮をシミュレーションする遅延
手段を含む双方向の信号路からなるウェーブガイド(W
G)、4−1,4−2,4−3はWG2−1,2−2・
・・2−nの出力と、WG3−1,3−2・・・3−n
の出力を合成する合成手段、5はWG2−1,2−2・
・・2−n、およびWG3−1,3−2・・・3−nと
により合成された楽音をミキシングして合成楽音を出力
する出力ミキサ(mix)である。
【0009】また、6は感度調整用のアドミタンス(a
dm)、7は遅延回路8とで積分器を構成する加算器、
9は加算器10の出力から遅延回路8と加算器7とから
なる積分器の出力を減算し、減算結果(DIF)のMS
Bだけを出力する減算器、10は係数乗算器11の出力
とスレッショルド信号を加算する加算器、11はノイズ
発生器13よりのノイズ量を調整する係数乗算器、12
はノイズの周波数特性を調整するフィルタ、13はラン
ダムなノイズを発生するノイズ発生器、14は減算器9
より出力される減算信号のMSBビットが「0」のとき
に透過係数pcを選択し、「1」のときに反射係数rc
を選択して出力するセレクタ、15は前記駆動信号発生
部1,ウェーブガイド2−1〜2−n,3−1〜3−n
等を制御する制御回路である。
【0010】また、裏の皮をシミュレートするウェーブ
ガイド3−1,3−2・・・3−nのうち、ウェーブガ
イド3−nには反射回路が設けられてスネアがドラムの
皮に接触したときに皮の振動がその部位で反射されて反
射による新たな振動が生じることをシミュレートしてい
る。このウェーブガイド3−nは、双方向の信号路と反
射回路とから構成されているが、一方の信号路は、加算
器21、遅延回路(DELAY)22,27、フィルタ
28、係数乗算器29とが縦続接続されて構成され、他
方の信号路は、加算器30、遅延回路(DELAY)3
1,33、フィルタ34、係数乗算器35とが縦続接続
されて構成されている。また反射回路は加算器24,2
6,32及び係数乗算器25とから構成されている。
【0011】このように構成された楽音信号合成装置の
動作を説明すると、ドラムにおいて表の皮をスティック
等により叩くと、皮に互いに反対方向に進む振動波が発
生し、この2つの振動波が皮を支持する胴の端部で位相
反転され、新たな振動波とされて合成される結果、胴の
端部を節とする定在波に従って皮は振動するようにな
る。また、ドラムの皮はほぼ円形とされてその周縁が胴
に固定されているため、皮のどこをどの位の強さで叩く
か等に応じて色々なモードの定在波が存在するようにな
る。さらに、この振動波は胴を介してあるいはドラム中
の空気圧を変化させて裏の皮を振動させている。図1に
おけるウェーブガイド2−1,2−2・・・2−nはこ
のような振動をシミュレートしており、駆動波形発生部
1よりの駆動波形は、スティック等でドラムを叩いたタ
イミングで各ウェーブガイド2−1,2−2・・・2−
nに供給されている。
【0012】これらのウェーブガイド2−1,2−2・
・・2−nは、前記したウェーブガイド3−nの反射回
路を省略した図2に示す構成とされており、駆動信号は
双方向信号路にそれぞれ挿入されている加算器26,3
2に供給されている。そして、各ウェーブガイド2−
1,2−2・・・2−nの双方向の出力はそれぞれ合成
器4−2,4−1で合成されて、合成出力は各ウェーブ
ガイド2−1,2−2・・・2−nに入力されている。
また、ドラムの裏の皮をシミュレートするウェーブガイ
ド3−1〜3−nの動作も同様であるが、表の皮を叩い
たことにより裏の皮が振動することを、ウェーブガイド
3−n以外に駆動信号波形発生部1からの駆動波形を供
給することによりシミュレートしている。各ウェーブガ
イド3−1,3−2・・・3−nの双方向の出力はそれ
ぞれ合成器4−2,4−3で合成されて、合成出力は各
ウェーブガイド3−1,3−2・・・3−nに入力され
ている。
【0013】ウェーブガイドの説明をウェーブガイド3
−nを例に上げて説明すると、遅延回路22,33およ
び遅延回路27,31は、皮を伝播する振動波の伝播遅
延時間に相当するものであり、信号路の出力信号を減算
信号として加算器21,31に供給することにより、皮
の周縁部で位相反転された新たな振動波を発生させてい
る。また、フィルタ28は、皮における振動の減衰の周
波数特性をシミュレートしている。
【0014】また、反射回路において、双方向信号路に
それぞれ挿入されている遅延回路22と遅延回路31の
出力信号を加算器23で加算して取り出し、係数乗算器
25にて負とされた係数kを乗算した後、双方向の信号
路にそれぞれ挿入されている加算器26,32に供給す
ることにより、スネアがドラムの裏の皮に接触したこと
による反射信号を発生させており、係数乗算器25にて
ゼロまたは正とされた係数kを乗算した後、加算器2
6,32に供給することにより、スネアがドラムの裏の
皮に接触していないことによる透過信号を発生させてい
るこれにより、セレクタ14が負の反射係数rcを選択
して係数乗算器25に供給したときには反射信号が発生
され、セレクタ14がゼロまたは正の透過係数pcを選
択して係数乗算器25に供給したときには加算器25,
32は透過信号を発生するようになる。
【0015】ところで、双方向の信号路を伝播する速度
信号は加算器23で取り出され、アドミタンス(ad
m)6により感度が調整されるようレベル調整されて、
加算器7と遅延回路8とからなる積分器で積分されるこ
とにより、変位信号とされて減算器9に減算信号として
供給される。また、ノイズ発生器13より発生されたラ
ンダムなノイズはフィルタ12により周波数特性が調整
され、係数乗算器11により係数が乗算されることによ
りノイズ量が調整される。さらに、加算器10で反射・
透過のレベルを決定するスレッショルド信号が加算され
て減算器9へ被減算信号として供給されている。減算器
9からは減算信号DIFのMSB、すなわちサインビッ
トだけが出力されるため、積分器出力のほうが大きいと
きは「0」が出力され、積分器出力のほうが小さいとき
は「1」が出力される。このように、減算器9は一種の
比較器として動作している。
【0016】そして、減算器9より出力されるMSBビ
ットが「0」のとき、セレクタ14はゼロまたは透過係
数pcを選択して係数乗算器25に印加することによ
り、スネアがドラムの皮に接触していない状態をシミュ
レートしている。また、MSBビットが「1」のときセ
レクタ14は反射係数rcを選択して係数乗算器25に
印加することにより、スネアがドラムに接触している状
態をシミュレートしている。このように、双方向信号路
の速度信号とノイズ発生器13よりのノイズに応じて反
射信号および透過信号を発生しているが、反射信号ある
いは透過信号の発生されるタイミングは、ノイズ発生器
13よりのノイズに応じたランダムなタイミングとされ
る。
【0017】なお、駆動波形発生部1は、パルス状やバ
ースト状の複数の駆動波形が、例えば波形メモリに記憶
されており、WAVE信号によりいずれかを指示してい
る。また、楽音を出力するタイミングを示すキーオン
(KON)信号、及びドラムを叩く強さを示すタッチ信
号(Touch)も供給されて、これらの信号に応じた
駆動信号が発生されて、各ウェーブガイドに供給されて
いる。また、音色の設定は各ウェーブガイドのフィルタ
のフィルタ係数、遅延回路の遅延時間、及び、係数乗算
器9の係数を調整してノイズ量を調節すると共に、加算
器10で加算されるスレッショルドレベルを可変あるい
はフィルタ12の周波数特性を調整することにより、反
射と透過の切り換えレベルおよびタイミングを調整する
ようにして、音色の設定を行っている。この制御は制御
回路15により行われる。この場合、一例として透過係
数pcは「0.0」、反射係数は「−1.0」とされて
いる。また、駆動波形発生部1から発生される駆動波形
はウェーブガイドの少なくとも1つに入力されていれば
良い。
【0018】次に、本発明の第2実施例の楽音信号合成
装置におけるウェーブガイド3−n及び反射・透過切り
換え手段の構成だけを図2(b)に示し、他のウェーブ
ガイド2−1,2−1・・・2−n、ウェーブガイド3
−1,3−1・・・等は省略している。この図に示す第
2実施例は、図1に示す第1実施例と比較してセレクタ
14に供給するセレクト信号の作成方法が異なってい
る。すなわち、第2実施例においては、ノイズ発生器1
3より発生されたランダムなノイズの周波数特性をフィ
ルタ12において調整して、減算器9へ減算信号(x)
として供給すると共に、減算器9にスレッショルド(t
h)信号を供給することにより、減算信号レベルxがス
レッショルドレベルth以下とされたときに、減算器9
より出力される減算出力のMSBが「1」となる。この
場合、セレクタ14は反射係数rcを選択して、例えば
「−1」の反射係数を係数乗算器25に与えることによ
り、加算器26,32において反射信号を発生させてい
る。
【0019】また、減算器9に供給されるスレッショル
ドレベルthより減算信号レベルxが大きいときは、減
算器9のMSBが「0」となる。これにより、セレクタ
14は透過係数pcを選択して、例えば「0」の透過係
数を係数乗算器25に与えることにより、加算器26,
32において信号路の信号をそのまま透過させている。
これにより、反射・透過切り換え手段の構成を簡略化す
ることができる。なお、フィルタ12のフィルタ係数を
演奏態様やtouchの強弱等に応じて変えるようにし
ても良い。
【0020】さらに、図3(a)に本発明の第3実施例
の楽音信号合成装置におけるウェーブガイド3−n及び
反射・透過切り換え手段だけの構成を示し、他のウェー
ブガイド2−1,2−1・・・2−n、ウェーブガイド
3−1,3−1・・・等は省略している。この図に示す
第3実施例は、図1に示す第1実施例と比較してセレク
タ14に供給するセレクト信号の作成方法が異なってい
る。すなわち、第3実施例においてはノイズ発生器13
より発生されたランダムなノイズの周波数特性をフィル
タ12において調整して、減算器9へ減算信号(x)と
して供給すると共に、減算器9に任意時間波形関数発生
器40より発生された時間と共に変化する任意波形関数
が、スレッショルド信号として供給されている。
【0021】そこで、任意波形関数のレベル以下の減算
信号レベルxとされたときには、減算器9のMSBが
「1」となる。これにより、スイッチからなるセレクタ
14は反射係数rc側へ切り替わり反射係数rcを選択
して、例えば「−1」の反射係数を係数乗算器25に与
えることにより、加算器26,32において反射信号を
発生させる。また、減算器9に供給される任意波形関数
のレベルより減算信号レベルxが大きいときは、減算器
9のMSBが「0」となる。これにより、セレクタ14
は透過係数pc側へ切り換えられ透過係数pcを選択し
て、例えば「0」の透過係数を係数乗算器25に与える
ことにより、加算器26,32において信号路の信号を
そのまま透過させている。
【0022】これにより、種々の任意のランダムなタイ
ミングで反射・透過を切り換えることができるようにな
る。なお、任意時間関数発生器40は演算あるいは波形
メモリにより任意時間関数を発生させるようにしている
が、その任意時間関数はTouch等により変えるよう
にしても良く、任意時間関数はKON信号により発生さ
れ始めるようにされている。
【0023】前記した実施例においては、透過係数と反
射係数とを切り換えることにより独立した係数値kをそ
れぞれ発生していたが、透過係数と反射係数との間の補
間値を係数kとして発生することのできる変形例を図3
(b)(c)に示す。図3(b)は、減算信号xをスレ
ッショルド信号thから減算した減算値DIFのレベル
に応じて係数テーブル41から係数kを出力するように
している。この係数テーブル41には反射係数から透過
係数までの係数値(−1〜0)が連続的に係数テーブル
として格納されているので、減算値DIFのレベルに応
じた係数kが出力されるようになる。
【0024】また図3(c)は、減算信号xをスレッシ
ョルド信号thから減算した減算値DIFのレベルに応
じて補間器42から係数kを出力するようにしている。
この補間器42には透過係数pcと反射係数rcの係数
値が入力されており、減算値DIFのレベルに応じて透
過係数pcと反射係数rcとの補間値を演算しているの
で、減算値DIFのレベルに応じた係数kが出力される
ようになる。なお、図3(b)(c)に示す変形例にお
いて、スレッショルド信号に替えて任意時間関数を用い
るようにしても良い。また、減算信号xとしては図1あ
るいは図2(b)に示す構成で発生したいずれかの減算
信号を用いるようにすれば良い。
【0025】次に、本発明の第4実施例の楽音信号合成
装置におけるウェーブガイド3−n及び反射・透過切り
換え手段の構成だけを図4に示し、他のウェーブガイド
2−1,2−1・・・2−n、ウェーブガイド3−1,
3−1・・・等は省略している。この図に示す第4実施
例は、図1に示す第1実施例と比較してセレクタ14に
供給するセレクト信号を発生させる構成が異なってい
る。すなわち、第4実施例においてはノイズ発生器13
より発生されたランダムなノイズの周波数特性がフィル
タ12において調整されて、係数乗算器11へ供給され
ている。さらに、この係数乗算器11には第1任意時間
波形関数発生器(EG1)43より発生された第1任意
時間波形関数が係数として供給されている。さらに、係
数乗算器11の出力は減算信号として減算器9に供給さ
れており、一方減算器9には第2任意時間波形関数発生
器(EG2)より発生された第2任意時間波形関数がス
レッショルド信号として供給されている。また、減算器
9よりの減算値はリミッタ45により「−1」〜「0」
の係数値に制限されて係数乗算器25に供給されてい
る。
【0026】この構成によると、KON信号によりEG
1より発生される第1任意波形関数により、ノイズ量が
時間と共に変化するよう調整されると共に、EG2より
発生される第2任意時間波形関数に応じて反射・透過の
レベルが時間と共に変化しながら切り換えられるため、
第1任意波形関数、第2任意波形関数およびノイズ量に
応じた種々の「−1」〜「0」の間のランダムな係数で
反射・透過を時間変化するよう切り換えることができる
ようになる。
【0027】以上の説明においては、ウェーブガイドを
用いてスネアドラム音を合成するようにしたが、本発明
はこれに限らず、リバーブ等の音場効果装置全般に音色
変化制御技術として使用することができる。例えば、ウ
ェーブガイドを弦のモデルとして使用し、そこに本発明
による反射と透過制御を適用すれば、ギターの弦が振動
時にフレットに触れる場合のように、弦の振動に何かが
触れて「びびり」を起こすような現象のシミュレーショ
ンを行うことを可能とすることができる。さらに、その
他ゲーム等の各種の効果音合成に用いることができる。
【0028】なお、駆動波形発生部は駆動波形を記憶し
たメモリから駆動波形を読み出す方式のほかに、周波数
変調など各種変調に基づいた波形発生方式や、任意のパ
ルス発生器などを用いてもよい。また、圧電センサの衝
撃や打撃を検出するセンサの検出出力を用いて駆動波形
を生成するようにしてもよい。さらに、駆動波形は演奏
操作に応じて特性を変化させても良い。すなわち、例え
ばその波形あるいは周波数特性、振幅、時間幅(あるい
は継続時間)などを可変制御するようにしてもよい。
【0029】また、本発明の各構成は、ハードウェアで
実現可能であり、また本発明の楽音信号合成装置の楽音
発生アルゴリズムをプログラムとしてDSPあるいは高
速MPUに実行させることにより、本発明の各構成を実
現することもできる。そして、楽音発生アルゴリズムを
プログラムとして実行させる場合に、楽音合成プログラ
ムのほかに、リズムや楽曲の自動演奏プログラムを組み
合わせて実行させるようにしてもよい。さらに、DSP
やMPUは楽音合成処理だけに限らず、操作子処理や表
示管理処理、及びゲーム等の処理を行うようにしてもよ
い。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上のように、信号伝達手段に
反射手段を設け、この反射手段に与える反射係数を、信
号伝達手段を伝達する信号、あるいは時間変化信号に基
づいて発生することにより、スネアが共鳴振動のさわり
となるスネアドラムの音を物理モデルを用いて合成する
ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の楽音信号合成装置の構
成を示す図である。
【図2】 ウェーブガイドの構成、及び本発明の第2実
施例の楽音信号合成装置における反射機能を有するウェ
ーブガイド及び反射・透過切り換え手段だけの構成を示
す。
【図3】 本発明の第2実施例の楽音信号合成装置にお
ける反射機能を有するウェーブガイド及び反射・透過切
り換え手段だけの構成、及び係数を発生する手段の変形
例を示す。
【図4】 本発明の第2実施例の楽音信号合成装置にお
ける反射機能を有するウェーブガイド及び反射・透過切
り換え手段だけの構成を示す。
【符号の説明】 1 駆動波形発生部、2−1〜2−n,3−1〜3−n
ウェーブガイド、4−1〜4−3 合成器、5 出力
ミキサ、6 アドミタンス、7,10 加算器、8 遅
延回路、9 減算器、11 係数乗算器、12 フィル
タ、13 ノイズ発生器、14 セレクタ、15 制御
回路、21,23,24,26,30,32 加算器、
22,27,31,33 遅延回路、28,34 フィ
ルタ、40,43,44 任意時間関数発生器、41
係数テーブル、42 補間器、45 リミッタ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 双方向に信号路を持ち、少なくともそ
    の一方に遅延手段を含む信号伝達手段と、 該信号伝達手段に駆動信号波形を出力する駆動信号発生
    手段と、 前記双方向の信号路の少なくとも一方の信号路の信号
    を、他方の信号路の信号に反射係数に応じて結合させ
    る、前記信号伝達手段に設けられた信号反射手段と、 前記信号伝達手段を伝達する信号の値に応じて反射係数
    を発生する反射係数発生手段とを備えることを特徴とす
    る楽音信号合成装置。
  2. 【請求項2】 双方向に信号路を持ち、少なくともそ
    の一方に遅延手段を含む信号伝達手段と、 該信号伝達手段に駆動信号波形を出力する駆動信号発生
    手段と、 前記双方向の信号路の少なくとも一方の信号路の信号
    を、他方の信号路の信号に反射係数に応じて結合させ
    る、前記信号伝達手段に設けられた信号反射手段と、 時間変化信号発生手段により発生された時間変化信号の
    値に応じた反射係数を発生する反射係数発生手段とを備
    えることを特徴とする楽音信号合成装置。
JP07135673A 1994-08-12 1995-05-11 楽音信号合成装置 Expired - Fee Related JP3125626B2 (ja)

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