JP3075087B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JP3075087B2
JP3075087B2 JP06173168A JP17316894A JP3075087B2 JP 3075087 B2 JP3075087 B2 JP 3075087B2 JP 06173168 A JP06173168 A JP 06173168A JP 17316894 A JP17316894 A JP 17316894A JP 3075087 B2 JP3075087 B2 JP 3075087B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、打弦楽器、撥弦楽器の
みならず打楽器もシミュレートすることのできる楽音合
成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】打弦楽器であるピアノの発音メカニズム
をシミュレートすることのできる、従来の楽音合成装置
のブロック図を図5に示す。
【0003】この図において、遅延回路121、加算器
122、フィルタ123、位相反転回路124、遅延回
路125、加算器126、及び位相反転回路127から
なるループ回路128は、ピアノの弦の振動をシミュレ
ートしたものである。遅延回路121,125の出力は
加算器129で加算され、弦の速度に相当する信号VS1
が出力される。この信号VS1に乗算器130によって係
数admが乗算され、積分回路133に供給される。積
分回路133は加算器131と1サンプル周期遅延回路
132によって構成されている。
【0004】この結果、積分回路133からピアノの弦
の基準位置からの変位信号xが出力され、変位信号xは
加算器134に減算信号として供給される。加算器13
4には積分回路138より出力されるハンマの変位信号
yが供給されて、差信号(y−x)が出力される。差信
号(y−x)は非線形関数Bがテーブルとして記憶され
ているROM135に供給され、反撥力FがROM13
5から読み出される。この場合、ハンマが弦を叩いてい
ない状態では反撥力は「0」であり、ハンマが弦を叩く
状態では差信号(y−x)が大きくなるに従って、反撥
力Fが急激に大きくなるように前記非線形関数Bが設定
されている。
【0005】この反撥力Fに乗算係数(−1/M)が乗
算器136により乗算されて、加速度信号αとされ積分
回路137に供給される。なお、Mはハンマの慣性質量
に相当する係数である。この積分回路137から、加速
度を積分した速度信号βが出力され、さらに積分回路1
38に供給されてハンマの変位信号yが出力される。一
方、ROM135から出力される反撥力Fは、ハンマが
弦に与えられる速度変化分としてループ回路128の加
算器122,126に供給される。なお、係数admは
弦の速度変化に対する抵抗に相当する係数である。
【0006】このような、ピアノの楽音合成回路におい
て、鍵が操作されるとハンマが弦を叩くようになるが、
その初速度Vo(初期値)が加算器138に供給されて
積分され、ハンマの変位信号yとされて加算器134に
供給される。この時、ハンマと弦とは離れていて差信号
(y−x)が負とされているため、反撥力Fは「0」と
される。従って、速度信号βも「0」となり積分器13
8においては初速度Voのみが積分されるため、変位信
号yがより正方向の信号となりハンマは弦に近づいてい
く。そして、ハンマが弦に衝突し、差信号(y−x)が
「0」を越えて正の値になると、ROM35から反撥力
Fが出力され、乗算器136において加速度信号αとさ
れ、さらに積分回路137によりハンマの速度信号βと
されて、積分回路138に供給されるようになる。
【0007】速度信号βは負の値であるため、積分回路
138において初速度Voがβだけ減算されて積分さ
れ、変位信号yの傾きはしだいに緩やかになる。この場
合、変位信号yの増加に伴い、反撥力Fが増大し、加速
度信号α及び速度信号βは負の方向に大きくなる。そし
て、速度信号βが初速度Voを越えハンマが弦から離れ
る方向に逆転すると、変位信号yが負となり、差信号
(y−x)が徐々に小さくなる。さらに、差信号(y−
x)が負になるとハンマは弦から離れ、弦は解放された
状態となり打弦動作は終了する。この時、ループ回路1
28にはROM135から出力された反撥力Fが励振信
号として供給され、この励振信号がループ内を循環する
ことにより楽音信号が合成されることになる。この楽音
信号はフィルタ123により徐々に減衰される。また、
楽音信号はループ回路128内の任意の位置から取り出
すことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
楽音信号合成装置においては打弦をシミュレートするた
めに非線形回路や積分回路等の演算回路を必要とし、シ
ミュレートするための回路構成が複雑になるという問題
点があった。また、ギターのような撥弦楽器において
は、ピックや指が弦に当ってミュートされた後、弾かれ
て発音されているが、このような発音メカニズムを前記
従来の楽音合成装置は備えておらず、前記発音メカニズ
ムをシミュレートするには異なる回路構成としなければ
ならない。このように、従来の楽音合成装置においては
シミュレートする楽器の種類に応じて回路構成を変更し
なければならないという問題点があった。さらに、駆動
する物体の特性や、柔らかく叩いたり強く押しつけるよ
うに叩いたりする奏法に応じたシミュレートを行うに
は、異なる回路構成としなければならないという問題点
もあった。
【0009】そこで、本発明は打弦楽器のみならず、他
に例えば撥弦楽器や打楽器等もシミュレートすることが
できると共に、駆動する物体の特性や奏法に応じたシミ
ュレートができる楽音合成装置を提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の楽音合成装置は、少なくとも遅延手段を含
むループ手段と、発音情報から前記ループ手段を駆動す
る駆動波形を発生する駆動波形発生手段と、反射力信号
波形を生成するための時間的に変化する反射係数を発生
する反射係数発生手段と、前記ループ手段内を循環して
いる循環信号と、前記反射係数発生手段により発生され
た反射係数とに基づいて、前記反射力信号波形を生成す
る反射力信号波形生成手段とを備え、生成された前記反
射力信号波形と前記駆動波形とを結合した信号により、
前記ループ手段を駆動するようにしたものである。
【0011】
【作用】本発明によれば、楽音を出力するループ手段を
駆動する駆動信号と反射力信号波形とを別々に発生する
ようにしたので、ピアノの打弦のみならず、ギターやチ
ェンバロの撥弦、ドラムをスティックで叩く等の様々な
楽器、及び奏法に対応したモデルを簡単な構成で基本回
路構成を変更することなく実現することができる。
【0012】
【実施例】本発明の弦楽器をシミュレートする楽音合成
装置のブロック図を図1に示す。弦楽器において、弦の
中途を撥弦したり打弦したりすると、弦に互いに反対方
向に進む振動波が発生し、この2つの振動波が弦の両端
で位相反転され、新たな振動波とされて合成される結
果、弦の中央を腹とし、両端を節とする定在波に従って
弦は振動するようになる。図1において、第1遅延回路
(DELAY1)1、加算器2、フィルタ3、位相反転
回路4、第2遅延回路(DELAY2)5、加算器6、
及び位相反転回路7からなるループ回路20は、前記し
た弦楽器の弦の振動をシミュレートしたものである。
【0013】すなわち、第1遅延回路(DELAY1)
1および第2遅延回路(DELAY2)5は、弦を伝播
する振動波の伝播遅延時間に相当するものであり、位相
反転回路4,7は弦の両端で位相反転されて新たな振動
波を発生させるためのものである。第1遅延回路(DE
LAY1)1および第2遅延回路(DELAY2)5の
遅延時間は、弦のどこを弾くかあるいは叩くかに応じて
振り分けられている。なお、ループ回路20を信号が一
巡する時間が弦の定在波の一周期に等しくなり、合成さ
れる楽音の音高はこの一巡する時間を一周期とする音高
とされる。さらに、フィルタ3は、弦における振動の減
衰の周波数特性をシミュレートしたものである。
【0014】そして、加算器16、弦速度フィルタ1
1、乗算器12が縦続接続された回路は、反射力信号波
形を生成するための生成回路である。この生成回路にお
いて、夫々位相反転された第1遅延回路(DELAY
1)1、第2遅延回路(DELAY2)5の出力が加算
器16により加算されて、弦速度フィルタに11により
加算された信号波形が加工され、さらに乗算器12にお
いて時間変化する所定の反射係数が乗算されて、弦の反
射力信号波形が生成されている。この反射力信号波形
は、弦を伝播する信号波形を吸収する成分に相当する信
号であり、弦が弾かれたあるいは叩かれた時の反作用成
分に相当するものである。
【0015】加算器13は、この反射力信号波形と駆動
信号波形(DRVWAVE)とを加算してループ回路2
0の加算器2,6に供給することによりループ回路20
に、駆動信号波形(DRVWAVE)から弦の反射力信
号波形を減算した信号波形を駆動波形として供給してい
る。なお、弦速度フィルタ11は打弦あるいは撥弦する
ものに対応した特性を与えるためのフィルタである。駆
動波形発生部14は、パルス状やバースト状の複数の駆
動波形(WD)が記憶された波形メモリ15に読出アド
レス(WA)を与えて、所定の駆動波形(WD)データ
を読み出して、読み出した駆動信号波形(DRVWAV
E)を加算器13に供給している。
【0016】また、反射係数発生器(EG)19は時間
的に変化する反射力信号波形を生成するためのエンベロ
ープ状とされた反射係数(REG)を乗算器12に供給
している。さらに、遅延量設定部18は、最初に遅延手
段1により遅延された第1遅延信号KON1を遅延手段
2により遅延された第2遅延信号KON2より先に発生
して、トリガ信号(KON1)として反射係数発生器1
9に供給し、次に第2遅延信号KON2を発生してトリ
ガ信号(KON2)として駆動波形発生部14に供給し
ている。これは打弦あるいは撥弦された場合に、最初は
弦を打弦あるいは撥弦するものが弦に接触されて押し付
けられるため、弦の振動を吸収するよう力が働き、か
つ、その部分が振動の節となって振動モードが変化し、
音高あるいは音色の変化を生じながら、その後打弦ある
いは撥弦するものが弦を離れて、変位した弦が元に戻ろ
うとして振動を繰り返すことをシミュレートするためで
ある。
【0017】演奏操作子8は例えば鍵盤とされており、
演奏操作子8のイベント情報は制御部9により検出さ
れ、検出されたイベント情報によりキーオン信号(KO
N)、及びディレイ長(DLT1),ディレイ長(DL
T2),弦速度フィルタ係数(VFC),反射係数パラ
メータ(REGP),波形選択信号(WS),遅延量設
定信号(KONDLY1、KONDLY2)の各種パラ
メータが出力される。この各種パラメータには音色指定
部17よりの音色指定信号により制御されるパラメータ
も含まれている。
【0018】なお、ディレイ長(DLT1),ディレイ
長(DLT2)のパラメータは発音する楽音の音高に基
づいて決定され、第1遅延回路(DELAY1)1およ
び第2遅延回路(DELAY2)5の遅延時間を制御す
るよう供給されているが、ディレイ長(DLT1),デ
ィレイ長(DLT2)の振り分けにより音色が異なる
(打弦あるいは撥弦される部分により音色が異なる)よ
うになるため、このパラメータをフィルタ3の係数とし
て供給して音色を変更するようにしている。さらに、乗
算器12にも供給するようにして音高に応じて反射力信
号波形の振幅を制御するようにしてもよい。
【0019】また、弦速度フィルタ係数(VFC)は弦
速度フィルタ11に供給され、反射力信号波形の特性が
制御されており、反射係数パラメータ(REGP)は反
射係数発生器(EG)19に供給されて反射係数(RE
G)のエンベロープ特性を制御している。この反射係数
(REG)の立ち上がり期間から持続期間は弦などの振
動体に、指あるいはピック等の駆動体が触れて振動体の
振動を吸収しつつある状態である。この場合、反射係数
(REG)の立ち上がり期間あるいは立ち下がり期間が
緩やかな程柔らかい駆動体で振動体を駆動しようとして
いることになる。さらに、波形選択信号(WS)は波形
メモリ15に記憶されている複数の波形から所望の音色
が得られる波形を選択するよう波形メモリ15を制御し
ており、遅延量設定信号(KONDLY1、KONDL
Y2)は遅延量設定部18に供給されて、トリガ信号
(KON1)及びトリガ信号(KON2)がキーオン
(KON)から遅れて立ち上がる遅延時間を制御してい
る。
【0020】このように構成された楽音合成装置におい
て、演奏操作子8が操作されると、そのイベントが制御
部9により検出され、イベント情報に応じた各種パラメ
ータが出力される。例えば、演奏操作子8が鍵盤の場合
に図3(a)に示すようにキーオン(KON)された時
は、第1遅延回路(DELAY1)1および第2遅延回
路(DELAY2)5の遅延時間は、ループ回路20の
総遅延時間がキーオンされた鍵に応じた音高になるよう
ディレイ長(DLT1),ディレイ長(DLT2)パラ
メータにより設定される。また、第1遅延量設定信号K
ONDLY1は、例えば図3(b)に示すような遅延量
とされ、第2遅延量設定信号KONDLY2は、例えば
図3(c)に示すような遅延量とされる。
【0021】さらに、反射係数発生器19より発生され
る反射係数(REG)は、図3(b)に示すように第1
遅延量設定信号KONDLY1に応じた遅延量で、反射
係数パラメータ(REGP)に応じたエンベロープ形状
とされる。この場合、反射係数(REG)のエンベロー
プ形状が持続期間のある形状とされているのは、フェル
ト等のハンマーで叩いたり指で弦を弾くことをシミュレ
ートするためである。すなわち、撥弦時の初期に指やハ
ンマー等による弦の振動の吸収を反射係数(REG)の
持続期間により実現している。そして、第2遅延量設定
信号KONDLY2に応じた遅延時間後にトリガ信号
(KON2)でトリガされる駆動波形発生部14から
は、同図(c)に示すように第2遅延量設定信号KON
DLY2に応じた時間後に駆動波形(DRVWAVE)
が発生される。
【0022】キーオン(KON)時に、ループ回路20
内を信号が循環していれば、この循環信号は加算器16
および弦速度フィルタ11により加工されて乗算器12
に供給される。乗算器12からは図3(b)に示す反射
係数(REG)が乗算された反射力信号波形とされて加
算器13に供給される。この場合加算器13には、第2
遅延量設定信号KONDLY2で設定される時間が経過
するまでは駆動波形発生部14からは駆動波形(DRV
WAVE)が発生されておらず、反射力信号波形だけが
ループ回路20の加算器2および加算器6に供給される
ことになる。
【0023】加算器2および加算器6に供給される信号
の位相は、ループ回路20内の循環信号に対し位相が反
転されているので、ループ回路20内の信号は打ち消さ
れるようになる。その後、反射係数(REG)の持続期
間が経過すると共に、トリガ(KON2)が発生されて
駆動波形信号(DRVWAVE)が発生されるようにな
る。すると、この駆動波形信号(DRVWAVE)から
反射力信号波形が減算された信号が、ループ回路20の
加算器2および加算器6に供給されて、ループ回路20
が駆動され、ループ回路20内を振動波形が循環するよ
うになる。この信号波形は前記したようにループ回路2
0内の総遅延時間を一周期とする音高とされ、振動波形
はループ回路20内を循環しながらフィルタ3の周波数
特性により減衰されていく。すなわち、この振動波形は
合成された楽音波形であり、ループ回路20のどこから
でも取り出すことができる。
【0024】前記した楽音発生装置において、図3に示
すような反射係数および駆動波形の形状およびタイミン
グを調節すれば、撥弦楽器や打楽器をシミュレートする
ことができる。特に、ギター等をピックで演奏する時に
おいてはピックを剛体と考えてよいから弦速度フィルタ
11は設けなくともよく、指で演奏する場合は接触によ
る高域の減衰が大きいので、反射係数と同時にフィルタ
3も制御し、倍音の減衰を高めるようにすれば、よりリ
アルな音を合成することができる。なお、反射係数(R
EG)の立ち上がりおよび立ち下がり特性は演奏操作子
8の演奏態様(タッチ)等に応じて変化制御しても良
い。また、弦速度フィルタ11は音色等によって特性を
定めるが、反射係数(REG)の変化に合わせてカット
オフ周波数などの特性を時変させても良い。例えば、反
射係数(REG)の立ち上がりと共に、カットオフ周波
数を下げるようにし、反射係数のREGの立ち下がりに
応じてカットオフ周波数を上げていくように時変する。
あるいは、これと逆方向に時変するようにしてもよい。
【0025】次に、本発明の変形例の構成を図2に示す
が、この構成はドラムの発音メカニズムをシミュレート
する楽音合成回路である。この楽音合成回路において
は、遅延量設定部は省略して示されていないが、前記図
1に示す楽音合成回路のループ回路20に、複数のウェ
ーブガイド(WG)60−1〜60−n,61−1〜6
1−n,62−1〜62−nが付加された構成とされて
いる。以下、付加された構成について詳細に説明するも
のとする。ウェーブガイド(WG)60−1〜60−
n,61−1〜61−n,62−1〜62−nは、全て
同一の構成とされているため、図2にはウェーブガイド
(WG)60−1の構成だけを詳細に示している。この
ウェーブガイド(WG)60−1は加算器60a,遅延
手段60b,フィルタ60c,加算器60e,遅延手段
60fとがループ状に接続されており、このループから
乗算器60dを介して加算器37にループ内の信号が供
給されると共に、乗算器60gを介して加算器42にル
ープ内の信号が供給されている。
【0026】このウェーブガイド60−1において、遅
延手段60bにより所定時間遅延された信号は、フィル
タ60cにより減衰特性が与えられ、加算器60eに反
転されて供給される。反転された加算器60eよりの信
号は遅延手段60fで所定時間遅延されると共に、加算
器60aに反転されて帰還される。このように、ウェー
ブガイド60−1は残響音が減衰しながら伝播路を往復
する現象をシミュレートしている。すなわち、複数のウ
ェーブガイド(WG)60−1〜60−nはドラムの表
皮の音の伝達をシミュレーションしており、複数のウェ
ーブガイド(WG)61−1〜61−nはドラムの側面
の胴体の音の伝達をシミュレーションしており、複数の
ウェーブガイド(WG)62−1〜62−nはドラムの
裏皮の音の伝達をシミュレーションしている。
【0027】そして、ウェーブガイド60−1によりシ
ミュレートされた残響音は乗算器60gにより係数a1
が乗算されて加算器42に供給されると共に、乗算器6
0dにより係数a1 ’が乗算されて加算器37に信号が
供給されている。他のウェーブガイド60−2〜60−
n、及びウェーブガイド61−1〜61−nによりシミ
ュレートされた残響音も加算器37,42に供給されて
いる。加算器37,42にはループ回路54内を循環し
ている循環信号が、乗算器36,41を介してそれぞれ
供給されており、加算器37,42により残響音が加算
されて加算器35,43に減算信号として供給されると
共に、遅延手段38,31に循環信号として供給されて
いる。なお、加算器37,42のよりの出力信号はウェ
ーブガイド60−1〜60−nに戻されると共に、ウェ
ーブガイド61−1〜61−nにそれぞれ供給されてい
る。
【0028】また、ウェーブガイド62−1〜62−n
によりシミュレートされた残響音は加算器70,71に
より加算されて、ウェーブガイド61−1〜61−nに
供給されると共に、ウェーブガイド62−1〜62−n
に戻されている。ところで、ループ回路54の一部を形
成している遅延手段は前記図1に示す遅延手段をさらに
2分割して構成しているが、これはウェーブガイドによ
りシミュレートされた残響音を入力する箇所を両側に設
けるようにしたためであり、必ずしも遅延手段をさらに
2分割する必要はなく、1つにまとめてもよいものであ
る。
【0029】このように構成されたドラムの発音メカニ
ズムをシミュレートする楽音合成装置において、ドラム
をスティックで叩いた場合の反射係数(REG)と駆動
波形信号(DRVWAVE)とのタイミングを図4に示
す。この図において、(a)はドラムをスティックで押
し込んだように叩いた場合のタイミングであり、スティ
ックがドラムの皮に押し込まれて、音を吸収する割合が
多くなることと、反射により振動モードが変化する(音
色や音高の変化が見られる)ことをシミュレートするよ
う、反射係数(REG)がインパクト時に多めに与えら
れている。このため、反射力信号波形の時間幅及び振幅
が大きくされ、駆動波形信号(DRVWAVE)から前
記反射力信号波形が減算された駆動波形により、ループ
回路54は駆動されるようになる。また、同図(b)は
ドラムをスティックで弾くように叩いた場合のタイミン
グであり、この場合は音は余り吸収されないので、小さ
な反射係数(REG)が与えられている。従って、反射
力信号波形は短い時間持続すると共に小さな振幅とされ
るため、(b)に示すように大きな駆動波形によりルー
プ回路54は駆動されるようになる。
【0030】なお、演奏操作子44は鍵盤のほか、圧電
センサなどを応用したドラムパッド等も利用することが
できる。この場合、圧電センサの出力信号そのものを駆
動波形信号(DRVWAVE)として使用するようにし
てもよい。さらに、鍵タッチやパッドの打撃強度等で反
射係数(REG)や速度フィルタ係数VFCを可変制御
するようにしてもよい。特に、鍵盤の場合はアフタタッ
チの変化を検出し、アフタタッチの急な増加時(鍵盤の
押し込み演奏操作時)に、反射係数(REG)や駆動波
形信号(DRVWAVE)の再発生制御を行うようにし
てもよい。
【0031】以上説明した楽音合成装置における各構成
は、ハードウェアによっても、ディジタルシグナルプロ
セッサ(DSP)等の信号処理プロセッサによるシステ
ムによっても、あるいは双方の組み合わせシステムによ
っても実現することができる。なお、以上の説明では駆
動波形の発生には波形メモリ方式を用い、反射係数の発
生にはエンベロープジェネレータを用いているが、本発
明はこれに限らず、FM変調を用いた合成方式、演算や
エンベロープジェネレータ等によるパルス発生器、ノイ
ズ発生器、カオス発生器等のいずれかや、それらの組み
合わせのいずれでも用いることができる。また、遅延量
設定部はギター等の撥弦楽器には必須のものであるが、
反射係数発生器にその機能を持たせてもよいし、あるい
は制御ソフトウェアで遅延量設定を行うようにしてもよ
い。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上のように、楽音を出力する
ループ手段を駆動する駆動信号と反射力信号波形とを別
々に発生するようにしたので、ピアノの打弦のみなら
ず、ギターやチェンバロの撥弦、ドラムをスティックで
叩く等の様々な楽器、及び奏法に対応したモデルを簡単
な構成で基本回路構成を変更することなく実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の弦楽器をシミュレートする楽音合成
装置のブロック図である。
【図2】 本発明のドラムをシミュレートする楽音合成
装置のブロック図である。
【図3】 本発明の弦楽器をシミュレートする楽音合成
装置における反射係数と駆動波形のタイミングを示す図
である。
【図4】 本発明のドラムをシミュレートする楽音合成
装置における反射係数と駆動波形のタイミングを示す図
である。
【図5】 従来のピアノをシミュレートする楽音合成装
置のブロック図である。
【符号の説明】 1,5 遅延回路、2,6 加算器、3 フィルタ、
4,7 位相反転手段、8 演奏操作子、9 制御部、
11 弦速度フィルタ、14 駆動波形発生部、15
波形メモリ、18 遅延量設定部、19 反射係数発生
器、60−1〜60−n,61−1〜61−n,62−
1〜62−n ウェーブガイド

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも遅延手段を含むループ手段
    と、 発音情報から前記ループ手段を駆動する駆動波形を発生
    する駆動波形発生手段と、 反射力信号波形を生成するための時間的に変化する反射
    係数を発生する反射係数発生手段と、 前記ループ手段内を循環している循環信号と、前記反射
    係数発生手段により発生された反射係数とに基づいて、
    前記反射力信号波形を生成する反射力信号波形生成手段
    とを備え、 生成された前記反射力信号波形と前記駆動波形とを結合
    した信号により、前記ループ手段を駆動することを特徴
    とする楽音合成装置。
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