JP2009025477A - ピアノ音の合成装置及び合成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の電子ピアノにおける、早いパッセージの演奏の際にアコースティックピアノと比較して音が途切れ途切れに聴こえるという違和感を取り除く。
【解決手段】ピアノの弦の周期的な振動に起因する音を表す音信号を発生する第1の音信号発生手段1と、ピアノのハンマーで弦を叩いた衝撃に起因する音を表す音信号を発生する第2の音信号発生手段2と、第1の音信号発生手段1で発生された音信号の減衰の仕方を、第2の音信号発生手段2で発生された音信号とは独立して制御する減衰制御手段3〜5とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、ピアノ音を合成する装置及び方法に関し、特に、電子ピアノの音源に採用することによって演奏時の聴感上の違和感を取り除けるようにしたものに関する。
アコースティックピアノの音を構成する要素は、大きく二つに分けることができる。一つは、鍵盤を押した際に、弦をハンマーで叩くことによって発生する弦の周期的な振動に起因する音(以下、周期的な弦振動音、または単に弦振動音とも呼ぶ)である。図1に示すように、ハンマー30で叩いたことによる弦31の振幅の変化が、弦31を伝わってピン32と駒33とで反射されることにより、周期的な振動を起こす。弦31の振動エネルギーは、その一部が駒33を介して響板34に伝わり、弦振動音として放射される。
二つ目は、弦をハンマーで叩いた衝撃が、直接ピアノの筐体や響板に伝わって発生する音(以下、衝撃音と呼ぶ)である。図1に示すように、この衝撃音は、ハンマー30が弦31に当たる位置がピン35に近く、強いエネルギーがこのピン35を介してピアノの筐体36に伝わるために発生する。さらに、鍵盤を押した際に鍵盤の下部がピアノの筐体にぶつかった音も、この衝撃音に含まれる。
ところで、従来から、電子ピアノの音源としてはPCM音源が一般的に用いられている。PCM音源は、アコースティックピアノの音名ごとに、数秒から数十秒に亘る実際のアコースティックピアノの音をサンプリングして録音したデータを保持している。そして、或る音名の演奏開始要求が与えられる(すなわち或る音名に対応する鍵盤が押される)と、その音名に対応するデータを再生する。その後、演奏停止要求が与えられる(すなわち鍵盤から手が離される)と、一定の時定数で出力を減衰させ、最終的に再生が停止する。
ここで、PCM音源が保持するデータには、前述の周期的な弦振動音と衝撃音とが一緒に録音されている。そのため、演奏停止要求が与えられると、弦振動音と衝撃音との両方が同時に消えるようになっていた。
一方、電子ピアノの音源としては、アコースティックピアノでの音の発生メカニズムを、遅延回路及びフィルタを含んだ閉ループ回路によってシミュレートする物理モデル音源も存在している。
この物理モデル音源としては、弦の振動と響板の振動との両方をシミュレートするものも提案されている(特許文献1,2参照)。しかし、そこでシミュレートしている響板の振動は、あくまで弦の振動に起因するものであり、ハンマーで叩いた衝撃に起因するものではなかった。また、弦の振動のシミュレート結果と響板の振動のシミュレート結果とを合成して閉ループ回路にフィードバックしているので、演奏停止要求が与えられると、弦の振動をシミュレートした音と響板の振動をシミュレートした音とは、やはり同時に消えることになる。
特開平9−222890号公報 特開平10−63270号公報
ところで、電子ピアノでは、早いパッセージの演奏を行った際に、アコースティックピアノと比較して音が途切れ途切れに聴こえるという違和感を受けることがある。
本発明者は、その原因として、PCM音源では前述のように弦振動音と衝撃音とが同時に消えることに着眼した。そのことを、図2を用いて説明する。アコースティックピアノの弦振動音は、鍵盤を押した後、鍵盤を押し続けた(またはダンパーペダルを踏んだ)状態では、音名に応じて、数秒から数十秒の間持続する。図2(a)は、この弦振動音の波形を例示する図である。
しかし、鍵盤を離し、且つダンパーペダルも踏まなければ、ダンパー(図1のダンパー37)のフェルト面が弦を押さえることによって弦の振動を止めるので、弦振動音は、その後速やかに減衰する。早いパッセージの場合には、弦振動音は、図2(b)に例示するように、200ミリ秒前後の短い時間で減衰することになる。
これに対し、弦をハンマーで叩いた衝撃が直接ピアノの筐体や響板に伝わって発生する衝撃音は、ダンパーが作用しても減衰しない。この衝撃音を実測したところ、図2(c)に示すように、およそ1秒近くの間持続することが判明した。
したがって、アコースティックピアノで早いパッセージの演奏を行った場合には、弦振動音が短い時間で消えた後も、衝撃音は聴こえている状態になる。
しかるに、PCM音源を用いた電子ピアノで早いパッセージの演奏を行った場合は、前述のように弦振動音が消えるのと同時に衝撃音も消えてしまう。このことが、早いパッセージの演奏を行った際に音が途切れ途切れに聴こえる原因の一つであると考えられる。
なお、特許文献1,2に記載のような物理モデル音源を用いた電子ピアノで早いパッセージの演奏を行った場合でも、前述のように全ての音が同時に消えるので、やはり音が途切れ途切れに聴こえてしまうことになる。
そこで、本発明は、こうした従来の電子ピアノにおける聴感上の違和感を取り除くために、電子ピアノの音源に採用することによってこの聴感上の違和感を取り除けるようにしたピアノ音合成装置及びピアノ音合成方法を提供することを課題とする。
この課題を解決するため、本発明に係るピアノ音合成装置は、
ピアノの弦の周期的な振動に起因する音を表す音信号を発生する第1の音信号発生手段と、
ピアノの弦をハンマーで叩いた衝撃に起因する音を表す音信号を発生する第2の音信号発生手段と、
前記第1の音信号発生手段で発生された音信号の減衰の仕方を、前記第2の音信号発生手段で発生された音信号とは独立して制御する減衰制御手段と
を備えたことを特徴とする。
このピアノ音合成装置では、ピアノの弦の周期的な振動に起因する音(すなわち周期的な弦振動音)を表す音信号と、ピアノの弦をハンマーで叩いた衝撃に起因する音(すなわち衝撃音)を表す音信号とが、第1の音信号発生手段と第2の音信号発生手段とによって別々の音信号として発生される。そして、この弦振動音を表す音信号の減衰の仕方が、減衰制御手段により、この衝撃音を表す音信号とは独立して制御される。
このように、周期的な弦振動音を表す音信号の減衰の仕方が、衝撃音を表す音信号とは独立して制御されるので、電子ピアノの音源に採用すれば、早いパッセージの演奏の場合に、弦振動音だけを短い時間で減衰させ、衝撃音のほうはその後も持続させることが可能になる。
これにより、電子ピアノで早いパッセージの演奏を行った際に、音が途切れ途切れに聴こえるという違和感を取り除くことができる。
なお、一例として、減衰制御手段は、
弦に対するダンパーの位置を示す情報に基づき、前記第1の音信号発生手段によって発生された音信号のみを減衰させる減衰手段と、
前記減衰手段から出力された音信号と、前記第2の音信号発生手段で発生された音信号とを加算合成する加算手段と
で構成することが好適である。
また、一例として、第1の音信号発生手段は、
音名を指定する情報に基づき、指定された音名の基音の周波数の正弦波信号と、指定された音名の倍音の周波数の正弦波信号とをそれぞれ発振する複数の正弦波発振器と、
前記複数の正弦波発振器で発振された正弦波信号の振幅をそれぞれ時間的に変化させるためのエンベロープデータを生成する複数のエンベロープデータ生成器と、
前記複数の正弦波発振器で発振された正弦波信号と前記複数のエンベロープデータ生成器で生成されたエンベロープデータとをそれぞれ乗算する複数の乗算器と、
前記複数の乗算器から出力された信号を加算合成する加算手段と
で構成することが好適である。
また、一例として、第2の音信号発生手段は、
音名ごとに、ピアノの弦をハンマーで叩いた衝撃に起因する音の波形データを保持した保持手段と、
音名を指定する情報に基づき、前記保持手段に保持された波形データの中から、指定された音名に対応する波形データを選択して出力する選択手段と
で構成することが好適である。
次に、本発明に係るピアノ音合成方法は、
ピアノの弦の周期的な振動に起因する音を表す音信号を発生する第1のステップと、
ピアノの弦をハンマーで叩いた衝撃に起因する音を表す音信号を発生する第2のステップと、
前記第1のステップで発生した音信号の減衰の仕方を、前記第2のステップで発生した音信号とは独立して制御する第3のステップと
を有することを特徴とする。
このピアノ音合成方法では、ピアノの弦の周期的な振動に起因する音(すなわち周期的な弦振動音)を表す音信号と、ピアノの弦をハンマーで叩いた衝撃に起因する音(すなわち衝撃音)を表す音信号とを、別々の音信号として発生する。そして、この弦振動音を表す音信号の減衰の仕方を、この衝撃音を表す音信号とは独立して制御する。
このように、周期的な弦振動音を表す音信号の減衰の仕方を、衝撃音を表す音信号とは独立して制御するので、電子ピアノの音源に採用すれば、早いパッセージの演奏の場合に、弦振動音だけを短い時間で減衰させ、衝撃音のほうはその後も持続させることが可能になる。
これにより、電子ピアノで早いパッセージの演奏を行った際に、音が途切れ途切れに聴こえるという違和感を取り除くことができる。
本発明に係るピアノ音合成装置,ピアノ音合成方法によれば、電子ピアノに音源として用いることにより、従来の電子ピアノにおけるような、早いパッセージの演奏を行った際に音が途切れ途切れに聴こえるという違和感を取り除くことができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。図3は、本発明を電子ピアノの音源に採用した実施の形態を示すブロック図である。このピアノ音合成装置は、倍音成分合成器1と、衝撃音成分発生器2と、減衰量生成器3と、減衰器4と、加算器5とで構成されている。
倍音成分合成器1,衝撃音成分発生器2には、電子ピアノの鍵盤(図示略)に配列された88個の鍵のうち、現在押されている鍵に対応した音名を指定する音名情報が、電子ピアノ内のマイクロプロセッサ(図示略)から供給される。
倍音成分合成器1は、ピアノの弦の周期的な振動に起因する音(すなわち周期的な弦振動音)を表す音信号を、加算合成方式によって発生する回路である。図4は、この倍音成分合成器1の構成を示すブロック図である。倍音成分合成器1は、それぞれ正弦波発振器6−1〜6−N,エンベロープ生成器7−1〜7−N,乗算器8−1〜8−Nを有するN個の回路ブロック9−1〜9−Nと、加算器10とで構成されている。
倍音成分合成器1に供給された音名情報は、各回路ブロック9−1〜9−Nに入力される。回路ブロック9−1,9−2,…9−Nでは、正弦波発振器6−1,6−2,…6−Nが、この音名情報によって指定された音名の基音,2倍音,…N倍音の周波数の正弦波信号をそれぞれ発振する。例えば音名情報によって指定された音名が中央オクターブの“ラ”である場合、正弦波発振器6−1,6−2,…6−Nの発振周波数はそれぞれ440Hz,880Hz,…(440×N)Hzとなる。
また、エンベロープ生成器7−1〜7−Nは、正弦波発振器6−1〜6−Nが発振した正弦波信号の振幅を時間的に変化させるためのエンベロープデータをそれぞれ生成する。このエンベロープデータは、正弦波信号の周波数毎に異なっている。図5は、このエンベロープデータの一例を示す図である。
正弦波発振器6−1〜6−Nが発振した正弦波信号は、それぞれ乗算器8−1〜8−Nでエンベロープ生成器7−1〜7−Nからのエンベロープデータと乗算されて、回路ブロック9−1〜9−Nから出力される。
そして、各回路ブロック9−1〜9−Nから出力された信号が、加算器10で加算合成されて、周期的な弦振動音を表す音信号として倍音成分合成器1から出力される。
図3の衝撃音成分発生器2は、ピアノの弦をハンマーで叩いた衝撃に起因する音(すなわち衝撃音)を表す音信号を発生する回路である。図6は、この衝撃音成分発生器2の構成を示すブロック図である。衝撃音成分発生器2は、電子ピアノの鍵盤の88個の鍵に一対一に対応した88個の衝撃音データ保持メモリ11−1〜11−88と、選択器12とで構成されている。
衝撃音データ保持メモリ11−1〜11−88には、電子ピアノの音名ごとの衝撃音の波形データがそれぞれ記憶されている。この波形データは、アコースティックピアノから弦を取り外した状態で、鍵盤の88個の鍵を1つずつ押した際の衝撃音(ハンマーで叩いた衝撃に起因する音や、鍵盤の下部がピアノの筐体にぶつかった音)をサンプリングして録音したものである。
衝撃音データ保持メモリ11−1〜11−88には、電子ピアノの音名ごとの衝撃音の波形データが、それぞれ1つずつ記憶されている。この波形データは、アコースティックピアノから弦を全て取り外した状態で、音名ごとに、弦を保持していた2つのピンのうちの鍵盤側のピン(図1におけるピン35)をハンマーで直接叩き、その衝撃によって発生した音をサンプリングしたものである。
ただし、別の方法として、弦を張ったままのアコースティックピアノの鍵盤を1つずつ押した音をサンプリングし、その波形データからノッチフィルターによって正弦波成分を取り除いたものを衝撃音データ保持メモリ11−1〜11−88に記憶させてもよい。
図2(c)に示したように、ハンマーの打撃による衝撃音は1秒近くの間持続するので、衝撃音データ保持メモリ11−1〜11−88に記憶されている波形データも、振幅値がゼロになるまでに1秒近くかかるデータである。
衝撃音成分発生器2に供給された音名情報は、選択器12に選択制御信号として入力される。選択器12は、各衝撃音データ保持メモリ11−1〜11−88内の波形データのうち、この音名情報によって指定された音名に対応する波形データを選択して衝撃音成分発生器2から出力する。
なお、図6には88個の衝撃音データ保持メモリ11−1〜11−88を描いているが、単一のメモリに音名ごとの衝撃音の波形データを全て保持し、選択器12が、音名情報によって指定された音名に対応する波形データをそのメモリから読み出すような構成にしてもよいことはもちろんである。
図3に示すように、減衰量生成器3には、鍵盤の離し具合やダンパーペダル(図示略)の踏み具合に対応して0から100までの100段階に変化するダンパー値が、電子ピアノ内のマイクロプロセッサから供給される。
減衰量生成器3には、ダンパー値と1秒あたりの減衰率とを対応させたテーブルを格納したメモリが設けられている。図7(a)は、このテーブルによって決定される減衰率の一部を示す図である。ダンパー値0は、鍵盤を完全に押しているか、またはダンパーペダルを完全に踏み込んでいる状態のダンパー値であり、減衰率は0dB/secに決定される。
鍵盤の離し具合が大きくなったり、ダンパーペダルの踏み具合が小さくなるにつれて、ダンパー値は大きくなる。ダンパー値1では減衰率は2dB/secに決定され、ダンパー値100(鍵盤を完全に離したり、ダンパーペダルを全く踏んでいない状態のダンパー値)では減衰率は80dB/secに決定される。
減衰量生成器3は、このようにして決定された減衰率に基づき、図7(b)に例示するように、時間の進行につれて減衰量が増大する信号を出力する。
図3に示すように、倍音成分合成器1から出力された音信号(弦振動音を表す音信号)と、減衰量生成器3から出力された信号とは、減衰器4に入力される。減衰器4は、乗算器から成っており、この弦振動音を表す音信号に減衰量生成器3からの信号を乗算する。これにより、弦振動音を表す音信号が、ダンパー値に応じて減衰される。
減衰器4から出力された弦振動音を表す音信号と、衝撃音成分発生器2から出力された音信号(衝撃音を表す音信号)とは、加算器5に入力されて加算合成される。そして、この加算合成された音信号が、このピアノ音合成装置から出力される。
この実施の形態によれば、周期的な弦振動音(ピアノの弦の周期的な振動に起因する音)を表す音信号と、衝撃音(ピアノの弦をハンマーで叩いた衝撃に起因する音)を表す音信号とが、倍音成分合成器1と衝撃音成分発生器2とによって別々の音信号として発生される。
そして、弦振動音を表す音信号のみが減衰量生成器3及び減衰器4によってダンパー値に応じて減衰された後で加算器5により衝撃音を表す音信号と加算合成される、というように、弦振動音を表す音信号の減衰の仕方が、衝撃音を表す音信号とは独立して制御される。
これにより、早いパッセージの演奏の場合に、弦振動音だけは短い時間(例えば図2(b)に示したように200ミリ秒前後)で減衰するが、衝撃音のほうはその後も持続する(図2(c)に示したように1秒近くの間持続する)ようになる。
これにより、早いパッセージの演奏を行った際に、従来の電子ピアノにおけるような、アコースティックピアノと比較して音が途切れ途切れに聴こえるという違和感を取り除くことができる。
なお、以上の実施の形態では、周期的な弦振動音を表す音信号を、加算合成音源である倍音成分合成器1を用いて発生させている。しかし、加算合成音源以外の公知の音源(例えば物理モデル音源)を用いてこの弦振動音を表す音信号を発生させてもよい。
ただし、PCM音源の場合には、弦振動音と衝撃音とが一緒に録音されているので、そのままでは、弦振動音を表す音信号と衝撃音を表す音信号とを別々の音信号として発生させるために用いることはできない。
また、以上の実施の形態では、衝撃音を表す音信号を、アコースティックピアノの実際の音に基づく波形データをメモリから読み出す構成の衝撃音成分発生器2によって発生させている。しかし、別の例として、衝撃音を表す音信号を、アコースティックピアノの実際の音に基づかずに、信号処理(例えば物理モデル音源でのシミュレーション)によって発生させてもよい。
また、以上の実施の形態では、周期的な弦振動音を表す音信号のほうは減衰量生成器3及び減衰器4によって減衰させているが、衝撃音を表す音信号のほうは全く減衰させていない。しかし、衝撃音を表す音信号を信号処理によって発生させる場合には、衝撃音を表す音信号のほうを、ダンパー値にかかわらず常に1秒近くの時間で減衰するように制御してもよい。
また、以上の実施の形態では、本発明を電子ピアノの音源に採用しているが、本発明は、例えばシンセサイザーのような音源装置においてピアノ音を発生させるために採用してもよい。
また、以上の実施の形態では、倍音成分合成器1,衝撃音成分発生器2,減衰量生成器3,減衰器4,加算器5といったハードウェア回路を設けているが、これらのハードウェア回路の全部または一部の機能を、コンピュータにソフトウェアを実行させることによって実現してもよい。
アコースティックピアノの内部構造を示す図である。 アコースティックピアノでの弦振動音,衝撃音の減衰の様子を示す図である。 本発明を電子ピアノの音源に採用した実施の形態を示すブロック図である。 図3の倍音成分合成器の構成を示すブロック図である。を示す図である。 図4のエンベロープ生成器が生成するエンベロープデータを例示する図である。 図3の衝撃音成分発生器の構成を示す図である。 図3の減衰量生成器で決定される減衰率と、減衰量生成器の出力信号とを示す図である。
符号の説明
1 倍音成分合成器、 2 衝撃音成分発生器、 3 減衰量生成器、 4 減衰器、5 加算器、 6−1〜6−N 正弦波発振器、 7−1〜7−N エンベロープ生成器、 8−1〜8−N 乗算器、 9−1〜9−N 回路ブロック、 10 加算器、 11−1〜11−88 衝撃音データ保持メモリ、 12 選択器、 30 ハンマー、 31 弦、 32 ピン、 33 駒、 34 響板、 35 ピン、 36 ピアノの筐体、 37 ダンパー

Claims (5)

  1. ピアノの弦の周期的な振動に起因する音を表す音信号を発生する第1の音信号発生手段と、
    ピアノの弦をハンマーで叩いた衝撃に起因する音を表す音信号を発生する第2の音信号発生手段と、
    前記第1の音信号発生手段で発生された音信号の減衰の仕方を、前記第2の音信号発生手段で発生された音信号とは独立して制御する減衰制御手段と
    を備えたことを特徴とするピアノ音合成装置。
  2. 請求項1に記載のピアノ音合成装置において、
    前記減衰制御手段は、
    弦に対するダンパーの位置を示す情報に基づき、前記第1の音信号発生手段によって発生された音信号のみを減衰させる減衰手段と、
    前記減衰手段から出力された音信号と、前記第2の音信号発生手段で発生された音信号とを加算合成する加算手段と
    から成ることを特徴とするピアノ音合成装置。
  3. 請求項1に記載のピアノ音合成装置において、
    前記第1の音信号発生手段は、
    音名を指定する情報に基づき、指定された音名の基音の周波数の正弦波信号と、指定された音名の倍音の周波数の正弦波信号とをそれぞれ発振する複数の正弦波発振器と、
    前記複数の正弦波発振器で発振された正弦波信号の振幅をそれぞれ時間的に変化させるためのエンベロープデータを生成する複数のエンベロープデータ生成器と、
    前記複数の正弦波発振器で発振された正弦波信号と前記複数のエンベロープデータ生成器で生成されたエンベロープデータとをそれぞれ乗算する複数の乗算器と、
    前記複数の乗算器から出力された信号を加算合成する加算手段と
    から成ることを特徴とするピアノ音合成装置。
  4. 請求項1に記載のピアノ音合成装置において、
    前記第2の音信号発生手段は、
    音名ごとに、ピアノの弦をハンマーで叩いた衝撃に起因する音の波形データを保持した保持手段と、
    音名を指定する情報に基づき、前記保持手段に保持された波形データの中から、指定された音名に対応する波形データを選択して出力する選択手段と
    から成ることを特徴とするピアノ音合成装置。
  5. ピアノの弦の周期的な振動に起因する音を表す音信号を発生する第1のステップと、
    ピアノの弦をハンマーで叩いた衝撃に起因する音を表す音信号を発生する第2のステップと、
    前記第1のステップで発生した音信号の減衰の仕方を、前記第2のステップで発生した音信号とは独立して制御する第3のステップと
    を有することを特徴とするピアノ音合成方法。
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