JPH08105994A - 表面処理を施した原子炉圧力容器と炉内構造物 - Google Patents

表面処理を施した原子炉圧力容器と炉内構造物

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JPH08105994A
JPH08105994A JP6241022A JP24102294A JPH08105994A JP H08105994 A JPH08105994 A JP H08105994A JP 6241022 A JP6241022 A JP 6241022A JP 24102294 A JP24102294 A JP 24102294A JP H08105994 A JPH08105994 A JP H08105994A
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JP
Japan
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pressure vessel
reactor pressure
reactor
residual stress
shroud
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Pending
Application number
JP6241022A
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English (en)
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Koichi Kurosawa
孝一 黒沢
Hideyasu Furukawa
秀康 古川
Fujio Yoshikubo
富士夫 吉久保
Kunio Enomoto
邦夫 榎本
Kazunori Satou
一教 佐藤
Fumio Manabe
二三夫 真鍋
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Hitachi Ltd
Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Hitachi Ltd
Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】信頼性が高く、しかも経済的にも有利な原子力
発電プラントを供給することを目的としている。 【構成】原子炉圧力容器および炉内構造物の各機器に対
しプラント運転開始以前に表面処理を施し、プラント運
転後に腐食環境にさらされる各構成機器表面の耐食性を
予め向上させておく。プラント運転開始以前に表面処理
を施すことで確実に各機器の表面耐食性向上が図れ、ま
た運転開始後に実施する場合に比し遠隔操作式特殊処理
装置は不要となり経済的にも有利である。表面処理対象
となる原子炉圧力容器および炉内構造物の各機器の重要
性および各機器にさらさせる環境の状況に応じ機器の材
質選定と表面処理選定を行い、それぞれの組み合わせで
信頼性,経済性双方の観点でバランスのとれた原子力発
電プラントを供給できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉圧力容器および
炉内構造物の各機器および溶接部に表面処理して、各部
に存在する引張り残留応力の改善を行い、信頼性に優れ
た原子力発電プラントを提供する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】オーステナイトステンレス鋼等の金属材
料は高温水中に置かれた場合その溶接部またはその近傍
において応力腐食割れ(以下、SCCと略す)が発生す
ることは、一般的に知られている。
【0003】SCCは発生要因として材料,応力,環境
の因子が重畳した条件下で生ずるとされている。
【0004】材料因子としてはCr炭化物が結晶粒界へ
析出してその周囲に耐食性の劣るCr欠乏層が形成され
ることに因る鋭敏化,応力因子としては溶接や加工によ
って材料内部に残留する引張残留応力,環境因子として
は高温水中の溶存酸素量などが挙げられる。SCCはこ
れらの3因子が重畳した条件下で発生することから、こ
れらの3因子の中から1つの因子を取り除くことにより
防止することが可能である。
【0005】同様に、インコネル材においてもある条件
下でSCCが発生することは、一般的に知られおり特に
隙間環境下において顕著で有る。新規に建設されるプラ
ントにおいては、オーステナイトステンレス鋼ではC含
有量を低く押さえたSUS316L等の低炭素ステンレス鋼
を、またインコネル材ではC,Ti,Nb等の化学成分
を調整した耐食性に優れた改良インコネル材を採用しS
CC対策を行っている。既に運転中のプラントで改良材
を採用していないプラントを対象とした場合、材料因子
の改善としては、このような溶接部のSCCを防止する
ために表面改質によって腐食に関係する部分の表面部の
みを脱鋭敏化する方法があり、高エネルギービームを照
射することによって部材表面の鋭敏化部を溶体化温度以
上に加熱し、脱鋭敏化を計る方法も考案されている。
【0006】エネルギー源は急熱急冷の熱サイクルによ
って冷却過程での炭化物の析出の抑止が可能な事からレ
ーザビームが有力視されている。インコネル材において
も同様な表面改質が有効であるが、隙間構造をなくすこ
ともSCC防止の一手段と言える。
【0007】公知例としては、特開昭60−165323号公
報,特開昭61−52315 号公報,特開昭61−96025 号公報
に記載のように部材表面を溶体化温度以上に加熱する事
例や、特開昭61−177325号公報に記載のように表面を再
溶融する事例がある。
【0008】いずれも鋭敏化部材の表面部に析出してい
る炭化物を加熱によって固溶し、その後の急冷によって
炭化物の析出を抑止することで脱鋭敏化させる事例であ
る。また、応力因子の改善としては、小さな鋼球を気流
の勢いで当該構造物に吹きつけるショットブラスト,砂
粒を用いるサンドブラスト,氷粒を用いるクライオブラ
ストおよび特開昭62−63614 号公報に記載されている高
水圧ジェットを大気中にて噴射することによるピーニン
グ処理,特開平4−362124 号公報に記載のウォータージ
ェットピーニング等があげられる。ウォータージェット
ピーニングの施工については、特開平5−78738号公報に
記載原子炉炉内構造物残留応力改善用ウォータージェッ
トピーニング装置により実施出来る。
【0009】また、多量の高速中性子の照射を受けると
照射誘起型応力腐食割れ(以下、IASCCと略す)が
発生することも、一般的に知られている。
【0010】IASCC発生原因としては高速中性子照
射による材料中の不純物が結晶粒界に偏析することによ
る耐食性劣化,結晶粒界でのCrの欠乏等が考えられて
おり、不純物を低減した高純度ステンレス鋼が有望とさ
れている。
【0011】ところで、高速ウォータージェットの利用
としては、ユニークな切断加工,採鉱あるいはつり,洗
浄技術として広く知られる。
【0012】さらに、特開昭62−63614 号公報に記載の
ように表面応力改善に利用する試みも実施されている。
【0013】しかし、これは水噴流の軸動力を有効に利
用できる大気中の作業であって、この技術を水中水噴流
としてそのまま展開できる保証はない。
【0014】水中では、噴流軸上の動圧力の減衰が著し
く早い。
【0015】これは、周囲水の抵抗と、同じ液層である
がために、拡散が早いことに起因する。水中において、
気相中水噴流なみの軸動力を得るためには、超高圧装置
が必要になって、経済的に不利となる。
【0016】水中の高速水噴流には、噴流と周囲水との
剪断作用により激しいキャビテーションが発生する。キ
ャビテーションの発生を促進し、多量に発生する気泡の
急速圧壊作用を有効に利用できれば、気相中水噴流なみ
の加工性能を、低い噴射圧力で得ることが出来る可能性
があり、特開平4−362124 号公報に記載のウォータージ
ェットピーニング法,特開平5−78738号公報に記載のウ
ォータージェットピーニング装置はこのキャビテーショ
ン気泡の急速圧壊作用を有効に利用した技術といえる。
【0017】キャビテーション気泡の急速圧壊時には、
超高音,超高圧の場がきわめて短時間のうちにパルス状
に作り出される。しかも、このパルスは、おびただしい
回数だけ繰り出される。この現象が固体面近傍で起これ
ば、固体壁面を加工対象材表面に置き換えることによ
り、特定の材料加工に積極的に利用できる可能性を秘め
ている。
【0018】一方、万一SCCが発生した場合の対策と
して考案されている炉内構造物の取替えについては、特
開昭57−8490号公報、および特開昭57−12394 号公報に
より公知となっている制御棒駆動機構ハウジングの取替
え工法,特開平2−118499 号公報により公知となってい
る中性子束モニタハウジングの取替え工法、および特開
昭63−36195 号公報により公知となっている原子炉内部
構造物の取替え工法がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】特開昭57−8490号公
報、及び特開昭57−12394号公報,特開平2−118499号公
報の技術は、個々の炉内構造物を対象としており、シュ
ラウド,上部格子板,炉心支持板等の機器については直
接適用できず、また特開昭63−36195 号公報ではシュラ
ウドをも取替える大がかりな取替え工事となり、その取
替え工事には長期を要し、万一これらの機器にSCCが
発生し、取替え、補修工事が必要となった場合長期を要
す。
【0020】また、特開昭60−165323号公報,特開昭61
−52315号公報,特開昭61−96025号公報,特開昭61−17
7325号公報に記載のレーザビーム利用による表面改質を
適用しSCCについての予防保全を行う場合、炉内構造
物では機器と機器間の取合い部等狭隘部があり、上記機
器のSCC予防保全工法対象箇所全面に渡り適用できる
とは言えない。
【0021】更に、レーザビーム利用による予防保全工
法を炉内構造物の予防保全工法対象箇所全域に適用する
には長期を要す。
【0022】特開平4−362124 号公報に記載のウォータ
ージェットピーニングによる残留応力改善技術を適用し
SCCについての予防保全を行う場合は、上記レーザビ
ーム利用による予防保全工事を行う場合に比し工程的に
は有利と言えるが、プラント運転開始前に予め残留応力
改善処理を施すケースと比較すると作業員の被ばく,装
置の汚染の観点より不利である。
【0023】更に、特開平5−78738号公報に記載のウォ
ータージェットピーニング装置によりプラント運転開始
後炉内構造物を原子炉圧力容器に組み込んだ状態でウォ
ータージェットピーニングを実施する場合、狭隘部への
適用は高度の装置を要し経済的に不利であり、しかも面
タッチ構造となっている個所へは適用出来ない。
【0024】そこで、万一原子炉圧力容器,炉内構造物
等の機器にSCCが発生し取替え,補修等の対策が必要
となった場合には長期を要し、また、運転に入ったプラ
ントにSCC予防保全工法を適用する場合も、プラント
運転開始前に施工する場合と比し不利と言えるので、予
めプラント建設時に各機器表面および溶接部に対し残留
応力改善処理を行うことにより確実なSCC対策を施す
こととなり、より一層信頼性が高い発電プラントを提供
することが必要である。
【0025】更に、各機器の材料に耐食性に優れた低炭
素ステンレス鋼,高純度ステンレス鋼,改良インコネル
材等を採用し、しかも各機器および溶接部に対しウォー
タージェットピーニング等による残留応力改善処理を行
えば、多重のSCC対策を施すこととなり、より一層信
頼性が高くしかも長寿命化を計った発電プラントを提供
することが必要である。
【0026】本発明の目的は、原子力発電プラントの信
頼性が高くしかも長寿命化を達成することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては機器製作後、上部格子板,炉心支
持板,シュラウド,CRDハウジング等機器単品につい
ては工場または現地にて水槽中または原子炉圧力容器内
に水を保持した状態で各機器にキャビテーション気泡の
崩壊による衝撃圧力を特定の時間だけ照射し各機器の表
面に残留応力改善処理を施す。
【0028】原子炉圧力容器,原子炉圧力容器とノズル
の溶接部,原子炉圧力容器とシュラウドサポートおよび
CRDスタブチューブ,ICMハウジングの溶接部,C
RDスタブチューブとCRDハウジングの溶接部,シュ
ラウドサポート,シュラウドについては発電所現地にて
原子炉圧力容器内に水を保持した状態でキャビテーショ
ン気泡の崩壊による衝撃圧力を特定の時間だけ照射し残
留応力改善処理を施す。
【0029】残留応力改善法としてはキャビテーション
気泡の崩壊による衝撃圧力を利用したウォータージェッ
トピーニング以外の方法も有効で有る。
【0030】
【作用】請求項1の発明では、原子炉圧力容器,炉内構
造物各機器および溶接部に対し表面改質行うことによ
り、材料面で耐食性に優れた低炭素ステンレス鋼等の採
用は必ずしも必要では無くなり、経済的に有利な発電プ
ラントを供給できる。また、材料面で耐食性に優れた低
炭素ステンレス鋼等を採用する場合、多重のSCC対策
を施すこととなり、より一層信頼性が高い発電プラント
を供給できる。
【0031】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
において、改質対象表面に圧縮応力が残留して耐食性が
向上する。
【0032】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
における改質をキャビテーション気泡により容易に成せ
る。
【0033】表面処理法としてキャビテーション気泡の
崩壊による衝撃圧力を利用するが、本手法は表面の残留
応力改善のみならず金属材料表面の耐食性向上効果を生
み出し、より一層信頼性が高い発電プラントを供給でき
る。耐食性向上効果をもたらすメカニズムは以下の様に
考えられる。
【0034】キャビテーション気泡が数μsec のオーダ
ーで急速に崩壊する際には、数千気圧の圧力が発生する
ことが理論的に知られている。
【0035】このとき断熱圧縮により、温度が数千度ま
で上昇し、材料の表面はきわめて短時間で局所的に高温
となる。
【0036】しかし、次の瞬間には周囲水と接触するた
め急速に冷却される。この様な作用の繰り返しにより、
原理的には材料の極表面でアモルファス化することが可
能である。
【0037】以上のような、局所的な加熱と冷却が気泡
の崩壊回数だけ繰り返されるので、材料の表面がアモル
ファス化されれば材料は優れた耐食性を有することは、
既に一般的に知られている。
【0038】さらに、水中および材料近傍において生じ
る気泡崩壊時の高温,高圧化作用により水の一部が解離
し、材料の表層に不働態皮膜が生成する可能性も有る。
【0039】このメカニズムによっても耐食性は向上す
る。
【0040】また、キャビテーション気泡の圧縮崩壊に
より、材料表面の微細な突起など腐食のきっかけとなる
個所が潰され材料表面も平坦化する。
【0041】以上の様な複合作用により材料は腐食しに
くくなる。
【0042】一方、前述の様にIASCC発生原因とし
ては高速中性子照射による材料中の不純物が結晶粒界に
偏析することによる耐食性劣化、結晶粒界でのCrの欠
乏等が考えられており材料の表面処理をすることで結晶
粒界での割れを防止することが可能となり、キャビテー
ション気泡の照射による表面処理はIASCC予防保全
として極めて有効であると言える。
【0043】また、シュラウドの様な大型の構造物全表
面を処理するにはレーザ等の従来の工業技術利用では非
常に困難であるがキャビテーション気泡の照射技術を利
用することにより比較的容易に達成できる。
【0044】以上より、プラント運転後の信頼性の高い
発電プラントを提供出来、プラント運転後の補修,取替
え、および予防保全工事実施のポテンシャルを低く押さ
えることにより作業員の被ばくポテンシャルも低くする
ことが可能である。
【0045】請求項4の発明によれば、プラント運転開
始前に表面改質を施工することにより原子炉圧力容器お
よび炉内構造物各機器単体および溶接部の全表面に対し
機器間の面タッチ部等に対しても確実なSCC対策を施
すこととなり、より一層信頼性が高い発電プラントを供
給できる。
【0046】請求項5の発明によれば、表面改質を溶接
部近傍に限定することで表面処理費用の合理化が図れ経
済的に有利で、耐食性に優れた低炭素ステンレス鋼の採
用等材料面でSCC対策を施す場合は、更に信頼性が高
い発電プラントを供給できる。
【0047】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図6により
説明する。
【0048】図1および図2に本発明の概念を示す。
【0049】SCC発生要因としては前述の様に材料,
応力,環境の因子が重畳した条件下で生ずるとされてお
り、これらの3因子の中から1つの因子を取り除くこと
により防止することが可能である。
【0050】原子炉圧力容器および炉内構造物のSCC
の防止策としては、腐食環境にさらされる各構造材の表
面状況を改善する表面処理が有効である。
【0051】表面処理法としては、材料面での対策であ
る表面改質および応力面での対策となる残留応力改善が
あげられる。残留応力改善法としては、ウォータージェ
ットピーニング,ショットブラスト等があるが、SUS304
鋼を対象とする場合表面硬度Hvが320を超えず加工
マルテンサイトが40%を超えない範囲の残留応力改善
法が好ましく、ウォータージェットピーニング法が他の
手法に比し有利と言える。残留応力改善法としては図1
に示すウォータージェットピーニング,ショットブラス
ト以外にもフラッパー仕上げ等も適用出来る。
【0052】従来、材料面での対策としては、オーステ
ナイトステンレス鋼ではC含有量を低く押さえたSUS316
L 等の低炭素ステンレス鋼の採用を行っていたが、必ず
しも構造材全体積に渡り高価な低炭素ステンレス鋼等を
採用する必要は無く、表面処理材を使用することで十分
なSCC対策と言える。
【0053】SUS316L 等の低炭素ステンレス鋼を採用
し、更にウォータージェットピーニング等の残留応力改
善処理を施した機器で原子炉圧力容器および炉内構造物
の各機器を構成する場合、材料面での対策に加え応力面
でも対策されることになり多重のSCC対策となり、信
頼性の高いプラントを供給することが出来る。
【0054】表面処理の施工時期としては、プラント運
転開始前とプラント運転後に分けられるがプラント運転
開始前に実施すれば、面タッチとなる機器と機器の取合
い部および狭隘部等にも施工可能で有る。一方、運転後
のプラントに表面処理を実施する場合、狭隘部に接近す
るための耐放射線性に優れた遠隔操作式の特殊装置が必
要となり、また施工は放射線環境下で実施することとな
り経済性の観点,作業員の被ばくの観点よりプラント運
転開始前に実施するケースと比較して不利で有る。
【0055】表面処理の施工範囲としては、機器の全表
面に対し施工するケースと溶接部近傍にのみ施工するケ
ースがあるが、SCC対策としては溶接部近傍に実施す
れば十分であり経済的にもその方が有利といえる。但
し、より一層の信頼性向上を図る場合は機器全面に対し
て施工することも有る。
【0056】図2に示した、上段のケースは基本的には
機器単品に安価なSUS304を使用し、工場にて機器単品の
溶接部近傍の表面改質を行い、現地溶接部については組
立て後溶接部近傍の表面改質を行う場合で有る。このケ
ースはSCC対策としてはプラント運転開始前に表面改
質を確実に施工出来、しかも安価な材料を使用すること
により経済性に優れたプラントを提供するケースを示
す。
【0057】図2に示した、中段のケースは基本的には
機器単品に高価なSUS316L を使用し、工場にて機器単品
全面の表面改質を行い、現地溶接部については組立て後
溶接部近傍の表面改質を行う場合で有る。このケースは
SCC対策としては材料および残留応力双方につき対策
をプラント運転開始前に実施するので、多重の確実なS
CC対策を実施した信頼性の極めて高いプラントを提供
するケースを示す。
【0058】図2に示した、下段のケースは材料面では
SUS304,SUS316L 、また表面改質の施工範囲は溶接部近
傍のみ、および機器単品全面と使い分けることにより経
済性,信頼性の面でバランスがとれたプラントを供給す
ることが出来る。例えば、シュラウドのような中性子照
射を受ける厳しい環境の機器に対しては高純度のSUS306
L 材を使用し機器全表面に対して表面改質を行い、IC
M案内管の様に耐圧部材でもなく環境面でもシュラウド
等に比し比較的厳しいとは言えない機器に対してはSUS3
04を採用し溶接部近傍のみ表面改質を施す。
【0059】表1に表面改質の施工場所区分の一例を示
す。
【0060】
【表1】
【0061】上部格子板,炉心支持板,ジェットポン
プ,シュラウド,シュラウドサポート,CRDハウジン
グ,ICMハウジング,CRDスタブチューブ,炉心ス
プレイ配管/スパージャ,給水スパージャ,差圧検出/
硼酸水注入配管,原子炉圧力容器ノズル/セーフエンド
溶接部,原子炉圧力容器/ブラケット溶接部,原子炉圧
力容器/CRDスタブチューブ溶接部等は工場で表面処
理を行う。
【0062】CRDハウジング/スタブチューブ溶接
部,原子炉圧力容器/ICMハウジング溶接部,ジェッ
トポンプ/シュラウドサポート溶接部,シュラウド/シ
ュラウドサポート溶接部,原子炉圧力容器セーフエンド
/サーマルスリーブ溶接部等は発電所現地で表面処理を
行う。
【0063】表1は一実施例であり、例えば表面改質と
してウォータージェットピーニングを実施する場合シュ
ラウド等の大型機器は原子炉圧力容器に搬入後発電所現
地で原子炉圧力容器内に水を張り発電所現地で施工する
ことも可能で有る。
【0064】図3にキャビテーション気泡利用による残
留応力改善(ウォータージェットピーニング)の概念を
示す。
【0065】原子炉圧力容器および炉内構造物の各機器
は溶接により構成されている。構造物の溶接部にはウォ
ータージェトピーニング施工前は図3の上段に示すよう
に引張りの残留応力が存在する。
【0066】この溶接線にウォータージェトピーニング
を施工すると、図3の下段に示すように圧縮の残留応力
とすることが可能でSCC対策と成る。
【0067】引張りの残留応力を圧縮の残留応力に改善
することは以下による。
【0068】ウォータージェットノズルから高圧水を噴
射することによりキャビテーション気泡がノズル下流側
で発生、このキャビテーション気泡は約100m/sec
の速度で崩壊、その際数万kg/cm2 の衝撃圧が発生す
る。
【0069】この気泡衝撃圧により、材料表面の残留応
力を改善することが可能である。
【0070】図4に工場にてウォータージェットピーニ
ングを施工する場合の一例を示す。図4の例では、タン
ク23内に水24を満水とした状態でウォータージェッ
トピーニング対象となる機器25にノズル26よりキャ
ビテーション気泡27を衝突させ残留応力の改善を行う
状況を示すものである。
【0071】ウォータージェットピーニング装置は、高
圧ポンプ28,制御盤29,回転可能な機器保持架台3
5,水平方向および鉛直方向に移動可能な装置ヘッド保
持ロボット30,装置ヘッド31,装置ヘッド保持ロボ
ット架台32,ケーブル33,ホース34より構成され
る。このような簡単な装置で工場にて機器単品にウォー
タージェットピーニングを施工することが出来る。
【0072】図5に発電所現地でウォータージェットピ
ーニングを施工する場合の一例を示す。
【0073】図5の例では、原子炉圧力容器1内に水2
4を保持しシュラウド14内面にウォータージェットピ
ーニングを施工する状況を示すものである。
【0074】ウォータージェットピーニング装置は、高
圧ポンプ36,制御盤37,ノズル38を上下,旋回さ
せる装置本体39,ケーブル40,ホース41より構成
される。
【0075】工場と同様現地でも比較的簡単な装置にて
現地でもウォータージェットピーニングを施工すること
が出来る。
【0076】図6に原子炉圧力容器および炉内構造物の
各機器を示す。
【0077】原子炉圧力容器1には主蒸気出口ノズル
2,再循環水出口ノズル3,再循環水入口ノズル4,給
水ノズル5,炉心スプレイノズル6等の各種ノズルおよ
びCRDスタブチューブ7,ICMハウジング8等が溶接
により取り付けられている。
【0078】また、原子炉圧力容器1内には蒸気乾燥器
9,シュラウドヘッド兼気水分離器10,給水スパージ
ャ11,炉心スプレイ配管/スパージャ12,上部格子
板13,シュラウド14,炉心支持板15,制御棒1
6,制御棒案内管17,ICM案内管18,ジェットポン
プ19,シュラウドサポート20,CRDハウジング2
1,燃料支持金具22等の機器が内蔵されている。これ
らの機器の必要個所に工場または現地でウォータージェ
ットピーニングを施工することで経済性,信頼性に優れ
た発電プラントを供給することが可能である。なお、図
示は省略するが本発明はインターナルポンプ型の発電プ
ラントにも適用することが出来る。
【0079】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、原子炉圧力容
器,炉内構造物各機器および溶接部に対し表面改質行う
ことにより、材料面で耐食性に優れた低炭素ステンレス
鋼等の採用は必ずしも必要では無くなり、経済的に有利
な発電プラントを供給できる。また、材料面で耐食性に
優れた低炭素ステンレス鋼等を採用する場合、多重のS
CC対策を施すこととなり、より一層信頼性が高い発電
プラントを供給できる。機器の重要度,使用環境により
材質および表面改質範囲を適当に選定するとともにより
経済性に優れしかも信頼性に優れた発電プラントを供給
できる。
【0080】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
による効果に加えて、表面改質を圧縮残留応力付与によ
り割れや腐食の起こりにくい確実なものに仕上ることが
出来る。
【0081】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
による効果に加えて、その効果をキャビテ−ション気泡
により容易に達成できる。
【0082】請求項4において、プラント運転開始前に
表面改質を施工することにより原子炉圧力容器および炉
内構造物各機器単体および溶接部の全表面に対し機器間
の面タッチ部等に対しても確実なSCC対策を施すこと
となり、より一層信頼性が高い発電プラントを供給で
き、プラント運転後の点検,補修,予防保全等が不要と
なりメンテナンスコストおよびメンテナンスに従事する
作業員の被ばく低減の点でも有利なプラントを供給でき
る。
【0083】請求項5においては、表面改質を溶接部近
傍に限定することで表面処理費用の合理化が図れ経済的
に有利で、耐食性に優れた低炭素ステンレス鋼の採用等
材料面でSCC対策を施す場合は、更に信頼性が高い発
電プラントを供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の考えを図示した概念図である。
【図2】本発明の考えを図示した概念図である。
【図3】キャビテーション気泡利用による残留応力改善
作業の概念図である。
【図4】残留応力改善作業の工場での施工例を示す概念
図である。
【図5】残留応力改善作業の現地での施工例を示す概念
図である。
【図6】原子炉圧力容器および炉内構造物の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…主蒸気出口ノズル、3…再循
環水出口ノズル、4…再循環水入口ノズル、5…給水ノ
ズル、6…炉心スプレイノズル、7…CRDスタブチュ
ーブ、8…ICMハウジング、9…蒸気乾燥器、10…
シュラウドヘッド兼気水分離器、11…給水スパージ
ャ、12…炉心スプレイ配管/スパージャ、13…上部
格子板、14…シュラウド、15…炉心支持板、16…
制御棒、17…制御棒案内管、18…ICM案内管、1
9…ジェットポンプ、20…シュラウドサポート、21
…CRDハウジング、22…燃料支持金具、23…タン
ク、24…水、25…機器、26,38…ノズル、27
…キャビテーション気泡、28,36…高圧ポンプ、2
9,37…制御盤、30…装置ヘッド保持ロボット、3
1…装置ヘッド、32…装置ヘッド保持ロボット架台、
33,40…ケーブル、34,41…ホース、35…機
器保持架台、39…装置本体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21C 13/00 (72)発明者 黒沢 孝一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 古川 秀康 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 吉久保 富士夫 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立ニ ュークリアエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 榎本 邦夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 佐藤 一教 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 真鍋 二三夫 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉圧力容器、および前記原子炉圧力容
    器に溶接により固定されたシュラウドサポートレグ,シ
    ュラウドサポートプレート,前記シュラウドサポートレ
    グおよびシュラウドサポートプレートに溶接により固定
    されたシュラウドサポートシリンダ,該シュラウドサポ
    ートシリンダ上端に溶接部により固定された円筒状の炉
    心シュラウド,該炉心シュラウドに機械的手段にて固定
    されている炉心支持板および上部格子板,前記原子炉圧
    力容器下鏡に溶接にて接合されたICMハウジング,前
    記原子炉圧力容器下鏡に溶接にて接合されたCRDスタ
    ブチューブ,前記CRDスタブチューブに溶接にて接合
    されたCRDハウジング、および前記原子炉圧力容器に
    溶接にて接合された各種ノズル等より構成される原子炉
    圧力容器および炉内構造物において、表面処理を施され
    た構造材より構成されることを特徴とする原子炉圧力容
    器と炉内構造物。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記表面処理法は前記
    構造材表面を圧縮の残留応力とすることを特徴とする原
    子炉圧力容器と炉内構造物。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記構造材表面を圧縮
    の残留応力とする表面処理法はノズルから高圧水ジェッ
    トを噴射させることによりキャビテーション気泡を発生
    させ、該キャビテーション気泡を衝突させることにより
    実施すことを特徴とした原子炉圧力容器と炉内構造物。
  4. 【請求項4】請求項1において、プラント運転開始前に
    表面処理を施すことを特徴とした原子炉圧力容器と炉内
    構造物。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記表面処理を前記原
    子炉圧力容器、および前記シュラウド等の炉内構造物の
    溶接部近傍に限定して施すことを特徴とした原子炉圧力
    容器と炉内構造物。
JP6241022A 1994-10-05 1994-10-05 表面処理を施した原子炉圧力容器と炉内構造物 Pending JPH08105994A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008246501A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 溶接構造物及びその応力腐食割れ進展性の改善方法
JP2009031013A (ja) * 2007-07-24 2009-02-12 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 原子炉溶接部の表面処理法
CN110174460A (zh) * 2019-03-20 2019-08-27 苏州热工研究院有限公司 一种奥氏体不锈钢辐照加速应力腐蚀开裂敏感性的磁性评估方法
CN111774939A (zh) * 2019-04-04 2020-10-16 昆山德尚金属制品有限公司 一种不锈钢焊接管表面处理方法

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