JPH08105031A - 防舷材 - Google Patents

防舷材

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JPH08105031A
JPH08105031A JP6271526A JP27152694A JPH08105031A JP H08105031 A JPH08105031 A JP H08105031A JP 6271526 A JP6271526 A JP 6271526A JP 27152694 A JP27152694 A JP 27152694A JP H08105031 A JPH08105031 A JP H08105031A
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JP
Japan
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rubber
fender
weight
syndiotactic
polybutadiene
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JP6271526A
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English (en)
Inventor
Seiji Hara
誠治 原
Tetsuo Morita
徹男 森田
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/30Adapting or protecting infrastructure or their operation in transportation, e.g. on roads, waterways or railways

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化しても十分な反力を有するゴム製の支
衝部材を備えており、小型化による低コスト化ならびに
小スペースが可能な防舷材を提供する。 【構成】 結晶性の高いシンジオタクチック1,2−ポ
リブタジエンを10〜90重量%の割合で含有するゴム
で、支衝部材を構成した。またゴムの加硫には、硫黄と
チアゾール系加硫促進剤が好適に使用され、ゴム100
重量部に対する両者の配合量は、下記式(1) 〜(3) を全
て満足することが好ましい。 0.5≦x≦2.5 (1) 0.3≦y≦2.0 (2) y≦−0.83x+3.25 (3) 〔xは硫黄の配合量(重量部)、yはチアゾール系加硫
促進剤の配合量(重量部)である。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ゴム製の支衝部材を
備えた防舷材に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近時、低
コスト化ならびに省スペースの観点から、防舷材の小型
化が望まれている。しかしゴム製の支衝部材は、緩衝体
として、船舶等の接岸時の衝撃を有効に緩和できるよう
に、もともと反力が低めに設定されているので、そのま
まの組成でサイズだけを小さくすると反力が低くなり過
ぎて、かえって緩衝体として十分に機能しなくなるとい
う問題がある。
【0003】カーボンブラックその他の充填剤の配合量
を多くすると反力を向上できるが、その場合には加工性
が低下するため、充填剤の配合量には限界があり、した
がって、反力向上の効果にも限界がある。この発明の目
的は、小型化しても十分な反力を有するゴム製の支衝部
材を備えており、小型化による低コスト化ならびに小ス
ペースが可能な防舷材を提供することを目的としてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するための、この発明の防舷材は、ゴム製の支衝部材
を備え、この支衝部材を構成するゴムの10〜90重量
%が、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンであ
ることを特徴とする。なお上記支衝部材は、シンジオタ
クチック1,2−ポリブタジエンを含むゴムを、当該ゴ
ム100重量部に対して、下記式(1) 〜(3) の条件を全
て満足する配合量x(重量部)の硫黄と、配合量y(重
量部)のチアゾール系加硫促進剤とによって加硫させる
ことで形成されているのが好ましい。
【0005】0.5≦x≦2.5 (1) 0.3≦y≦2.0 (2) y≦−0.83x+3.25 (3) かかるこの発明の防舷材においては、支衝部材を構成す
るゴムが、通常のゴムより結晶性の高いシンジオタクチ
ック1,2−ポリブタジエンを含有しているため、支衝
部材を従来よりも高反力化できる。したがってこの発明
の防舷材は、小型化しても十分な反力を有し、低コスト
化ならびに小スペースが可能である。また、上記のよう
にゴム自体が高反力化されるので、カーボンブラック等
の充填剤の配合量を多くする必要がなく、加工性が損な
われるおそれもない。
【0006】なお上記シンジオタクチック1,2−ポリ
ブタジエンはき裂が発生しやすいが、前記各式の条件を
全て満足する、通常に比べて少量の硫黄とチアゾール系
加硫促進剤とで加硫すれば、き裂の発生を抑制できる。
以下にこの発明を説明する。支衝部材を構成するゴム中
に配合されるシンジオタクチック1,2−ポリブタジエ
ンとは、ブタジエンの1,2−結合を90%以上含み、
かつシンジオタクチック構造を有するものをいう。かか
るシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンとして
は、これに限定されないが、たとえば日本合成ゴム
(株)製の商品名JSy Ryシリーズがある。このシ
リーズのシンジオタクチック1,2−ポリブタジエン
は、分子量十数万で、結晶化度が15〜35%程度にコ
ントロールされている。
【0007】シンジオタクチック1,2−ポリブタジエ
ンの割合は、この発明では10〜90重量%に限定され
る。シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの割合
が10重量%未満では、その高反力化の効果が不十分と
なって、小型化した際に十分な反力が得られない。また
逆に、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの割
合が90重量%を超えた場合には、ゴムの柔軟性が失わ
れ、ゴムが硬く、かつ脆いものとなって耐久性が低下
し、とくに繰り返し圧縮された際に、き裂等が発生して
破損してしまう。また反力が高くなりすぎて、船舶等の
接岸時の衝撃を有効に緩和できなくなる。
【0008】シンジオタクチック1,2−ポリブタジエ
ンの割合が90重量%を超えた場合に、上記のように耐
久性が低下する原因としては、当該シンジオタクチック
1,2−ポリブタジエンが、上記のように結晶性が高い
ので、それを多量に含有するゴムは異方性が強くなっ
て、引き裂き強度が低下することがあげられる。なお、
シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの割合は、
高反力と柔軟性との両立を考慮すると、上記範囲内でも
とくに、20〜80重量%であるのが好ましい。
【0009】シンジオタクチック1,2−ポリブタジエ
ンとともに支衝部材を構成する他のゴムとしては、これ
に限定されないが、たとえば天然ゴム、イソプレンゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、上記シンジオタクチック
1,2−ポリブタジエン以外の、結晶性の低いブタジエ
ンゴム、ニトリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ふっ素ゴム、ブチルゴム、エチ
レンプロピレンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒド
リンゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム等があげられる。
これらは単独で使用される他、2種以上を併用すること
もできる。
【0010】上記各種ゴム中でもとくに、シンジオタク
チック1,2−ポリブタジエンとの相溶性等を考慮する
と、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴ
ムおよび結晶性の低い他のブタジエンゴムが、とくに好
適に使用される。支衝部材を構成するゴムには、必要に
応じて、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク等
の補強剤あるいは充填剤、各種軟化剤、可塑剤、加工助
剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、老化防止剤等
を、所定の配合量で配合することもできる。
【0011】このうち加硫剤としては硫黄が好適に使用
され、硫黄と組み合わせる加硫促進剤としてはチアゾー
ル系加硫促進剤が好適に使用される。かかる硫黄の配合
量x(重量部)とチアゾール系加硫促進剤の配合量y
(重量部)とは、前述したように支衝部材のき裂の発生
を抑制すべく、シンジオタクチック1,2−ポリブタジ
エンを含むゴム100重量部に対して、下記式(1) 〜
(3) の条件を全て満足する関係にあるのが好ましい。
【0012】0.5≦x≦2.5 (1) 0.3≦y≦2.0 (2) y≦−0.83x+3.25 (3) 図2に一点鎖線で示した、X=0.5、X=2.5、Y
=0.3およびY=2.0の直線と、二点鎖線で示し
た、y=−0.83x+3.25の直線とで囲んだ領
域、およびこの領域を囲む各直線上が、上記式(1) 〜
(3) の条件を全て満足する範囲に相当する。
【0013】硫黄の配合量xが上記式(1) で規定された
範囲未満、すなわちx=0.5の直線より左の領域で
は、加硫が不十分となって支衝部材の反力が低下するお
それがあり、逆に上記範囲を超えた場合、すなわちx=
2.5の直線より右の領域では、支衝部材にき裂が入り
やすくなるおそれがある。同様に、チアゾール系加硫促
進剤の配合量yが式(2) で規定された範囲未満すなわち
y=0.3の直線より下の領域では、加硫が不十分とな
って支衝部材の反力が低下するおそれがあり、逆に上記
範囲を超えた場合、すなわちy=2.0の直線より上の
領域では、支衝部材にき裂が入りやすくなるおそれがあ
る。
【0014】また、上記硫黄の配合量xとチアゾール系
加硫促進剤の配合量yとが、式(3)の条件を満足しない
場合、すなわちy=−0.83x+3.25の直線より
上の領域では、硫黄とチアゾール系加硫促進剤の合計の
配合量が多すぎるため、やはり、支衝部材にき裂が入り
やすくなるおそれがある。なお、ゴム100重量部に対
する硫黄の配合量x(重量部)は、上記範囲内でもとく
に、0.8≦x≦1.8であるのが好ましい。またゴム
100重量部に対するチアゾール系加硫促進剤の配合量
y(重量部)は、上記範囲内でもとくに、0.5≦y≦
1.2であるのが好ましい。
【0015】チアゾール系加硫促進剤の具体例として
は、たとえば2−メルカプトベンゾチアゾール〔呼称名
M、以下同様〕、ジベンゾチアジルジスルフィド〔D
M〕、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩
〔SMB−50〕、2−メルカプトベンゾチアゾールの
亜鉛塩〔MZ〕、2−メルカプトベンゾチアゾールのシ
クロヘキシルアミン塩〔HM,M−60〕、2−(4′
−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール〔DS,MD
B〕、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスル
フェンアミド〔CM,CZ〕、N−オキシジエチレン−
2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド〔MSA,N
S,NBS,NOB〕、N−tert−ブチル−2−ベンゾ
チアゾリルスルフェンアミド〔NS〕等があげられる。
【0016】支衝部材は、上記の各成分をオープンロー
ルや密閉式混練機等で混練してゴム組成物を製造し、そ
れを、支衝部材の形状に成形した後、加圧下で加熱処理
して加硫することで製造される。この発明の防舷材は、
支衝部材が、上記のようにシンジオタクチック1,2−
ポリブタジエンを含むゴムで形成されていること以外の
構成については、とくに限定されない。
【0017】たとえばこの発明の防舷材は、上記支衝部
材のみからなるものでもよく、あるいは支衝部材の頂部
に、船舶等と接触する剛直な板材からなる受衝部材を固
定したものでもよい。また、支衝部材の形状についても
とくに限定されず、断面略П字状の直線型、上記断面形
状の環状型、椀型、円柱型等、従来公知の種々の形状に
形成することができる。
【0018】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
て説明する。 実施例1〜7、比較例2,3 シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン(日本合成
ゴム(株)製の商品名JSB RB860)と、天然ゴ
ム(RSS #3)とを、表1〜4に示す割合で配合し
た基材ゴム100重量部に対し、下記の各成分を配合
し、混練してゴム組成物を製造した。
【0019】 (成 分) (重量部) ・カーボンブラックFEF 70 (東海カーボン(株)製の商品名シーストSQ) ・アロマオイル 5 (出光興産(株)製の商品名ダイアナプロセスオイルAC−12) ・老化防止剤6C 1 (大内新興化学(株)製の商品名ノクラック6C) ・パラフィンワックス 3 ・ステアリン酸 1 ・亜鉛華 3 ・硫黄 1.5 ・チアゾール系加硫促進剤NS 0.8 (大内新興化学(株)製の商品名ノクセラーNS−P) ・加硫遅延剤 0.3 (モンサント(株)製の商品名サントガードPVI) つぎに、上記ゴム組成物を用いて、図1に示す断面形状
を有し、全体の高さh=170mm、頂部10の幅W1
=150mm、厚みt1 =7mm、脚部11の厚みt2
=45mm、脚部11の先端の取り付け部12の幅W2
=105mm、厚みt3 =7mmでかつ全体の長さ20
0mmの、支衝部材の1/10のモデルを成形した後、
加圧下で140℃に加熱して60分間加硫させて、モデ
ルの支衝部材1を作製した。そしてこの支衝部材1の頂
部10に、受衝部材に相当する幅150mm、厚み15
mmの合成樹脂板を固定して、防舷材の1/10のモデ
ルを完成した。 比較例1 基材ゴムとして、天然ゴム(RSS #3)のみを使用
したこと以外は、実施例1〜7、比較例2,3と同様に
してゴム組成物を製造し、このゴム組成物を使用して、
防舷材の1/10のモデルを完成した。 比較例4 基材ゴムとして、シンジオタクチック1,2−ポリブタ
ジエン(日本合成ゴム(株)製の商品名JSB RB8
60)のみを使用したこと以外は、実施例1〜7、比較
例2,3と同様にしてゴム組成物を製造し、このゴム組
成物を使用して、防舷材の1/10のモデルを完成し
た。 比較例5 基材ゴムとして天然ゴム(RSS #3)のみを使用す
るとともに、カーボンブラックの配合量を80重量部と
したこと以外は、実施例1〜7、比較例2,3と同様に
してゴム組成物を製造したが、ムーニー粘度が高すぎ
て、後述するように加工性が悪いので、防舷材のモデル
の製造を断念した。また後述するゴム組成物に対する試
験も断念した。 比較例6 基材ゴムとして天然ゴム(RSS #3)のみを使用す
るとともに、硫黄の配合量を2.1重量部、チアゾール
系加硫促進剤NS(大内新興化学(株)製の商品名ノク
セラーNS−P)の配合量を1.0重量部としたこと以
外は、実施例1〜7、比較例2,3と同様にしてゴム組
成物を製造し、このゴム組成物を使用して、防舷材の1
/10のモデルを完成した。
【0020】上記各実施例、比較例の防舷材のモデルに
ついて以下の各試験を行い、その特性を評価した。 加工性評価 上記防舷材のモデルを製造する際の加工性、すなわちゴ
ム組成物の混練性等を、下記の基準で評価した。
【0021】 ○:加工性良好。 △:加工性少し悪いが、実用上問題なし。 ×:加工性悪く作業困難。 反力測定 上記防舷材のモデルの、支衝部材1の取り付け部12
を、圧縮試験機(東洋精器(株)製)の固定盤の表面に
ボルトで固定し、上記試験機の可動盤を用いて、支衝部
材1の高さhが60%(102mm)になるまで圧縮し
た際の反力〔ton〕を測定した。 繰り返し圧縮性試験 上記圧縮試験機を用いて、その固定盤にセットされた防
舷材のモデルを、支衝部材1の高さhが60%(102
mm)になるまで圧縮する操作を1万回繰り返し行い、
圧縮1000回ごとに支衝部材1を観察して、支衝部材
1にき裂が入っているのが初めて観察された回数(10
00回単位)を記録した。そして、同じゴム組成物から
なるサンプル4個ずつについて同じ試験を行い、各デー
タを平均して結果とした。
【0022】以上の結果を、各ゴム組成物に対して行っ
た下記の試験結果と併せて、表1〜5に示す。 ムーニー粘度測定 JIS K6300「未加硫ゴム物理試験方法」所載の
試験方法に則って、ゴム組成物のムーニー粘度〔ML
1+4 (130℃)〕を測定した。 硬度測定 ゴム組成物を、前記と同様の条件で加硫させて、JIS
K6301「加硫ゴム物理試験方法」所載のスプリン
グ式硬さ試験のA形用の試験片を作製し、上記試験方法
に則って、試験片のスプリング式硬さA形(JIS A
硬度)を測定した。 屈曲試験 ゴム組成物を、前記と同様の条件で加硫させて、JIS
K6301「加硫ゴム物理試験方法」所載の屈曲試験
用の試験片を作製し、上記試験方法に則って、試験片を
毎分300±10回の速度で50%屈曲を繰り返して、
き裂が所定の長さに達するのに要した屈曲回数を記録し
た。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】上記各表の結果より、支衝部材の基材ゴム
として、天然ゴムのみを使用した比較例1の防舷材、な
らびに基材ゴム中のシンジオタクチック1,2−ポリブ
タジエンの割合が10重量%未満である比較例2の防舷
材は、いずれも柔軟性にすぐれ、き裂が入りにくいもの
の、反力が小さすぎることがわかった。天然ゴムのみを
使用しつつ、その反力を高めるべく、硫黄および加硫促
進剤の配合量を増加させた比較例6の防舷材は、比較例
1,2と同様に柔軟性にすぐれ、き裂が入りにくいもの
の、依然として反力は小さいままであった。さらに比較
例6と同じ目的で、カーボンブラックの配合量を増加さ
せた比較例5のゴム組成物は、前述したようにムーニー
粘度が高くなりすぎて加工性が悪いため、防舷材を製造
できなかった。
【0029】一方、支衝部材の基材ゴム中のシンジオタ
クチック1,2−ポリブタジエンの割合が90重量%を
超える比較例3の防舷材、ならびに基材ゴムとして、シ
ンジオタクチック1,2−ポリブタジエンのみを使用し
た比較例4の防舷材は、いずれも高反力であるが、硬く
かつ、き裂が入りやすい脆いものであることがわかっ
た。このように脆い防舷材は、船舶との衝突が何千、何
万回も発生する防舷材としては、耐久性の点で問題があ
り、実使用には不適切である。
【0030】これに対し、実施例1〜7の防舷材は、い
ずれも高反力で、しかも柔軟性にすぐれ、き裂が入りに
くい耐久性にすぐれたものであり、上記のように船舶と
の衝突が何千、何万回も発生する防舷材として、十分に
実用可能であることがわかった。また上記各実施例の防
舷材の支衝部材の原料であるゴム組成物は、比較例1,
2のゴム組成物に比べてムーニー粘度が低く、成形性に
すぐれていることもわかった。
【0031】さらに各実施例を比較すると、高反力と柔
軟性とのバランスの点で、シンジオタクチック1,2−
ポリブタジエンの割合が20〜80重量%である実施例
2〜6が、さらに好ましいこともわかった。 実施例8〜19 シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン(日本合成
ゴム(株)製の商品名JSB RB860)30重量部
と、天然ゴム(RSS #3)70重量部とを配合した
基材ゴム100重量部に対して、硫黄とチアゾール系加
硫促進剤NS(大内新興化学(株)製の商品名ノクセラ
ーNS−P)とを、表6〜10に示す配合量で配合した
こと以外は、実施例1〜7、比較例2,3と同様にして
ゴム組成物を製造し、このゴム組成物を使用して、防舷
材の1/10のモデルを完成した。 各実施例における
硫黄の配合量x(重量部)と、加硫促進剤NSの配合量
y(重量部)との関係を図2中に○印で示す。なお図2
において各○印の近傍の数字は、該当する実施例番号を
示している。
【0032】上記各実施例の防舷材のモデルおよびそれ
に使用した各ゴム組成物について、前記各試験を行っ
て、その特性を評価した。結果を、前記実施例3の結果
と併せて表6〜10に示す。
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】
【表9】
【0037】
【表10】
【0038】上記各表の結果より、硫黄の配合量x(重
量部)およびチアゾール系加硫促進剤の配合量y(重量
部)が、前記式(1) 〜(3) の条件を全て満足する実施例
3,9,10,11,13,15および16はいずれ
も、それ以外の実施例に比べてより高反力で、しかもき
裂が入りにくい耐久性にすぐれたものであることがわか
った。
【0039】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明の防舷材
は、支衝部材を構成するゴムが、通常のゴムより結晶性
の高いシンジオタクチック1,2−ポリブタジエンを、
10〜90重量%の割合で含有しているため、支衝部材
を、従来よりも高反力化できる。したがってこの発明の
防舷材は、小型化しても十分な反力を有し、低コスト化
ならびに小スペースが可能である。また、上記のように
ゴム自体が高反力化されるので、カーボンブラック等の
充填剤の配合量を多くする必要がなく、加工性が損なわ
れるおそれもない。
【0040】また上記ゴムを加硫するために、硫黄と、
チアゾール系加硫促進剤とを組み合わせるとともに、両
者を、通常に比べて少量である、前記式(1) 〜(3) の条
件を全て満足する範囲で使用した場合には、き裂の発生
を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例、比較例で製造した防舷材の
1/10のモデルにおける、支衝部材の断面形状を示す
断面図である。
【図2】この発明における、硫黄およびチアゾール系加
硫促進剤の配合量の好ましい範囲と、実施例における、
上記硫黄およびチアゾール系加硫促進剤の配合量の関係
とを示すグラフである。
【符号の説明】
1 支衝部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム製の支衝部材を備えた防舷材におい
    て、上記支衝部材を構成するゴムの10〜90重量%
    が、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンである
    ことを特徴とする防舷材。
  2. 【請求項2】支衝部材が、シンジオタクチック1,2−
    ポリブタジエンを含むゴムを、当該ゴム100重量部に
    対して、下記式(1) 〜(3) の条件を全て満足する配合量
    x(重量部)の硫黄と、配合量y(重量部)のチアゾー
    ル系加硫促進剤とによって加硫させることで形成されて
    いる請求項1記載の防舷材。 0.5≦x≦2.5 (1) 0.3≦y≦2.0 (2) y≦−0.83x+3.25 (3)
JP6271526A 1994-08-09 1994-11-04 防舷材 Pending JPH08105031A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017088721A (ja) * 2015-11-09 2017-05-25 住友ゴム工業株式会社 防舷材用ゴム組成物
JP2020176269A (ja) * 2016-01-06 2020-10-29 住友ゴム工業株式会社 クローラ用ゴム組成物およびゴムクローラ

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JP2017088721A (ja) * 2015-11-09 2017-05-25 住友ゴム工業株式会社 防舷材用ゴム組成物
JP2020176269A (ja) * 2016-01-06 2020-10-29 住友ゴム工業株式会社 クローラ用ゴム組成物およびゴムクローラ

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