JPH08104761A - 高性能摩擦材料及び該摩擦材料の製造法 - Google Patents

高性能摩擦材料及び該摩擦材料の製造法

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JPH08104761A
JPH08104761A JP23999494A JP23999494A JPH08104761A JP H08104761 A JPH08104761 A JP H08104761A JP 23999494 A JP23999494 A JP 23999494A JP 23999494 A JP23999494 A JP 23999494A JP H08104761 A JPH08104761 A JP H08104761A
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JP
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friction
sheet
friction material
lubricant
core plate
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JP23999494A
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Koichi Suzuki
光一 鈴木
Keisuke Morita
啓介 森田
Hiroshi Sasaki
博 佐々木
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性,耐久性に優れ、かつ、安定した摩
擦係数を有し、製造が容易で高強度な摩擦材料を安価に
提供する。 【構成】 炭素繊維、フェノール樹脂、摩擦調整材及び
潤滑材を液相に分散させ、この分散液を抄造してシート
化し、得られたシートを芯板の表面に熱圧着する。 【効果】 シートは炭素繊維があらゆる方向にカラミ合
った不織布であるため、外応力に対して強度が大きく、
耐摩耗性にも優れる。炭素繊維を基材として、摩擦調整
材や潤滑材を液相中に均一に分散して抄造するため、摩
擦特性に優れたものとなる。フェノール樹脂は、炭素繊
維に摩擦調整材や潤滑材等を強固に接合すると共に、シ
ートを芯板に強固に接着する。摩擦材料の耐熱性や耐摩
耗性、摩擦特性にも有効に作用する。抄造により、任意
の形状、大きさで均一なシートを容易に製造できる。熱
圧着により、容易に芯板に接着できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高性能摩擦材料及び該摩
擦材料の製造方法に係り、特に、自動車等の摩擦機器を
有する装置の部材等において、回転又は摺動運動の制御
材として有効に使用される特殊構造の高性能摩擦材料及
び該摩擦材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の摩擦材は、一般に、摩擦
性能を奏するフィラーやファイバーを含む組成物を抄造
又はロール、プレス成形によりシート状にし、この摩擦
シートを芯板となる金属板材に接着し、得られた摩擦材
を打ち抜きや切り出し法で、円形又はリング形状といっ
た所望形状のフェージング素材の形に加工して製造され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】摩擦シートを芯板に接
着した従来の摩擦材は、耐摩耗性や耐熱性に劣り、最近
の高性能なスペック仕様には不適当である。しかも、摩
擦シート自体についても、フィラーやファイバーの添
加、混合状態が均一でなく、安定した性状の摩擦シート
を得ることが難しかった。
【0004】また、従来の摩擦シートは、製造後、円形
等の形状に切り抜くために、無駄になる部分が多く、こ
のことがコスト高の要因にもなっていた。
【0005】更に、従来品は摩擦特性においても、十分
でなく、高性能な摩擦材の開発が望まれていた。
【0006】本発明は、上記従来の問題を解決し、耐摩
耗性、耐久性に優れかつ安定した摩擦係数を有し、製造
が容易で、しかも、高強度な高性能摩擦材料を安価に提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の高性能摩擦材
料は、炭素繊維、フェノール樹脂、摩擦調整材及び潤滑
材を液相に分散させてなる分散液の抄造シートを、芯板
に熱圧着してなることを特徴とする。
【0008】請求項2の高性能摩擦材料の製造方法は、
請求項1に記載の摩擦材料を製造する方法であって、炭
素繊維、フェノール樹脂、摩擦調整材及び潤滑材を液相
に分散させ、この分散液を抄造してシート化し、得られ
たシートを芯板の表面に熱圧着することを特徴とする。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明において、芯板の材質としては、ア
ルミニウム、チタン等の軽量金属又はその合金や、鉄、
鉄系合金を採用することができる。これらの合金の具体
例としては、Fe−Ni合金、Fe−Cr合金、Al−
Mg合金、Al−Mn合金、Ti−Al合金、Ti−F
e合金等が挙げられる。一般に、低コスト品では鉄系合
金が用いられるが、高性能,軽量化の面からは、アルミ
ニウムやチタンの軽量金属又は合金が用いられる。
【0011】一方、芯板に熱圧着する抄造シートは、次
のようにして製造される。
【0012】即ち、まず、炭素繊維、フェノール樹脂、
摩擦調整材及び潤滑材を水等の分散媒に混合分散させて
分散液を調製する。
【0013】ここで、炭素繊維としては、平均繊維径が
6〜10μmで、平均繊維長さが20〜50mmのもの
が好ましく、その分散濃度は0.1〜1重量%程度とす
るのが好適である。
【0014】また、フェノール樹脂の分散濃度は15〜
30重量%とするのが好ましい。この樹脂量が15重量
%未満では、後工程の熱圧着により抄造シートと芯板と
の十分な接着強度が得られず、また、潤滑材粒子等を十
分に保持し得ない。樹脂量が30重量%を超えると摩擦
特性の中で、摩擦係数や耐摩耗性に問題がでてくる。
【0015】摩擦調整材としては、フッ素系樹脂、特に
テフロン樹脂が好ましく、その使用割合は炭素繊維に対
して5〜30重量%とするのが好適である。また、潤滑
材としては、二硫化モリブデン粉末や、その他、シリ
カ、アルミナ、タルク等の無機粉末が使用される。その
使用割合は炭素繊維に対して0.5〜5重量%とするの
が好適である。摩擦調整材の割合が5重量%未満である
と、摩擦調整材を配合したことによる摩擦特性の安定化
効果が十分でなく、また、30重量%を超えると摩擦特
性の中で摩擦係数と強度に問題がでてくる。また、潤滑
材の割合が、0.5重量%未満では潤滑材による摩擦係
数の調整機能が十分に発揮されず、5重量%を超えると
同様に強度及び摩擦特性に問題がでてくる。
【0016】テフロン樹脂は繊維形状であっても、粉末
形状であっても良いが、通常の場合、粉末形状のものを
用いる。粉末状のテフロン樹脂を用いる場合、その粒径
は50〜200μmの範囲が好適である。また、潤滑材
の粒径は0.1〜20μmの範囲が好適である。摩擦調
整材や潤滑材等を粉末として添加した場合には、これら
が炭素繊維に付着して均一分散状態の抄造シートを製造
することができ、極めて有利である。
【0017】なお、分散液中には、分散性の改善のため
に若干量の界面活性剤を添加しても良い。また、抄造シ
ートの保型性を良くするため、若干のノリ剤としてメチ
ルセルロースを100〜300ppm程度添加しても良
い。
【0018】本発明においては、このような分散液を、
常法に従って抄造することにより、所定形状、例えば円
形等の摩擦材料形状の抄造シートを得る。得られた抄造
シートは80〜90℃で乾燥した後、芯板に熱圧着する
ことにより、成形、接着する。
【0019】この熱圧着条件は、通常の場合、温度20
0〜330℃,とりわけ250〜300℃,圧力100
〜500kgf/cm2 で行うのが好ましい。
【0020】なお、本発明においては、この熱圧着に際
して、プレス面に溝形成用の凸条を有するプレス治具を
用い、これにより、熱圧着後のシート表面に油溝を形成
するのが好ましい。
【0021】本発明においては、熱圧着後のシートの厚
さが300〜350μm程度となるように抄造シートを
製造し、このような抄造シートを上記プレス治具を用い
て熱圧着することにより、幅0.5〜3mm,深さ25
0〜300μmの油溝を形成するのが好ましい。このよ
うな油溝であれば、保油性を十分に確保することができ
る。なお、油溝は、シート面積に対して5〜50%程度
の部分に形成するのが好ましい。この油溝は、格子状又
は縞状の各種の形状に形成することができる。
【0022】この熱圧着後は、フェノール樹脂を十分に
硬化させるためにベーキング処理を行うのが好ましく、
この場合、ベーキング処理は、300〜350℃で30
〜60分保持することにより実施される。
【0023】なお、本発明において抄造シートには、摩
擦調整材及び潤滑材の他、補強材や研掃材、その他の添
加材が配合されていても良く、この場合、これらの添加
材は、潤滑材との合計で炭素繊維に対して0.5〜5重
量%となるように添加するのが好ましい。
【0024】
【作用】炭素繊維を基材とする抄造シートは、引張り強
度が大きい炭素繊維があらゆる方向にカラミ合った不織
布であるため、外応力に対して強度が大きく、耐摩耗性
にも優れた摩擦材シートが得られる。また、シートの厚
さの制御も容易である。
【0025】本発明においては、炭素繊維を基材とし
て、摩擦調整材や潤滑材等の各種添加材を液相中に均一
に分散して抄造した抄造シートを用いるため、得られる
摩擦材シートは摩擦特性に優れたものとなる。
【0026】抄造シートに用いたフェノール樹脂は、基
材の炭素繊維に摩擦調整材や潤滑材等を強固に接合する
と共に、シートを芯板に強固に接着する役目を担い、ま
た、摩擦材料の耐熱性や耐摩耗性、摩擦特性にも有効に
作用する。
【0027】なお、本発明において、テフロン樹脂等の
摩擦調整材は、摩擦材料の摩擦特性の安定化に寄与し、
一方、潤滑材のうち、二硫化モリブデン粉末は摩擦係数
の調整に、また、他の無機粉末は、摩擦係数の調整や摩
擦材料の表面の強度の改善に効果がある。
【0028】この抄造シートは、厚さや形状を抄造条件
の選定により容易に変えることができるため、極めて有
利である。即ち、本発明では、抄造シートを摩擦材の形
状や大きさに合せて抄造することができるため、シート
の無駄が全く生じない。
【0029】更に、抄造シートを直接熱圧着成形して芯
板に接着するため、製造工程も簡単で低コストとなる。
【0030】しかも、この熱圧着工程において、油溝を
容易に形成することができることから、芯板の加工が不
要となり製造はより一層容易かつ低コストとなる。即
ち、従来の鉄系金属板材を芯板とする摩擦材では、この
油溝形成のための芯材の加工が容易でない上に、加工コ
ストも高いという問題があったが、本発明によれば、こ
の問題も解消される。
【0031】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0032】実施例1〜4 炭素繊維(平均繊維径7μm,繊維長さ20〜50m
m)と、潤滑材としての二硫化モリブデン粉末(平均粒
径10μm)又はアルミナ粉末(平均粒径3μm)と、
摩擦調整材としてのテフロン樹脂粉末(平均粒径100
μm)とを表1に示す割合で水中に分散させ、更に、ノ
リ剤としてメチルセルロースを100ppm添加して分
散液を調製した。この分散液を常法に従って抄造して、
用いる芯板の形状に合致した形状で、厚さ約400μm
の抄造シートを得た。
【0033】この抄造シートを、厚さ2mm,外径80
mm,内径50mmの鉄(S45C)製のリング形状の
芯板に、プレス面に溝形成用の凸条を有するプレス治具
を用いて、250℃,200kgf/cm2 で熱圧着
し、その後、320℃で30分間ベーキング処理した。
【0034】得られた摩擦材料の摩擦材シート層の厚さ
は約300μmであり、形成された油溝の形状及び大き
さは表1に示す通りであった。
【0035】得られた摩擦材料について、摩擦係数(台
上試験機での摩擦特性試験結果)及び摩耗量(S45C
材を相手材として連続20時間摺動テストした時の摩耗
量)を調べ、結果を表1に示した。
【0036】比較例1 比較のため、従来のペーパーシート状の摩擦材(外径8
0mm,内径50mm,芯板の厚さ1.8mm,摩擦シ
ートの厚さ500μm。油溝の形状、大きさは表1に示
す通り。)について、上記と同様に摩擦係数及び摩耗量
を調べ、結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】表1より、本発明の摩擦材料は、従来品に
比べて耐久性や摩擦特性の点で優れていることがわか
る。
【0039】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の高性能摩擦
材料及び該摩擦材料の製造法によれば、摩擦係数が良好
で摩擦性能に優れ、また、耐摩耗性、機械的強度、耐久
性に優れた摩擦材を、容易かつ低コストにて製造するこ
とができる。
【0040】特に、本発明によれば、抄造により摩擦材
シートを作製するため、多品種製造にも好適であり、安
定品質のものを低コストに製造できる。また、熱圧着工
程で油溝を形成することも可能であることから、芯板の
溝加工が不要となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維、フェノール樹脂、摩擦調整材
    及び潤滑材を液相に分散させてなる分散液の抄造シート
    を、芯板に熱圧着してなることを特徴とする高性能摩擦
    材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の摩擦材料を製造する方
    法であって、炭素繊維、フェノール樹脂、摩擦調整材及
    び潤滑材を液相に分散させ、この分散液を抄造してシー
    ト化し、得られたシートを芯板の表面に熱圧着すること
    を特徴とする高性能摩擦材料の製造方法。
JP23999494A 1994-10-04 1994-10-04 高性能摩擦材料及び該摩擦材料の製造法 Withdrawn JPH08104761A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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