JPH08102397A - 移行型プラズマ発生方法及びその装置 - Google Patents

移行型プラズマ発生方法及びその装置

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JPH08102397A
JPH08102397A JP6238066A JP23806694A JPH08102397A JP H08102397 A JPH08102397 A JP H08102397A JP 6238066 A JP6238066 A JP 6238066A JP 23806694 A JP23806694 A JP 23806694A JP H08102397 A JPH08102397 A JP H08102397A
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JP
Japan
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torch
plasma
transfer type
anode
main
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JP6238066A
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English (en)
Inventor
Akira Fumiya
屋 明 文
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Chichibu Onoda Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】構造の簡略化と保守点検の容易化を図るととも
に、溶射粒子の滞留時間を制御できるようにする。 【構成】陰極5と陽極を有する非移行型プラズマ発生ト
ーチ1と、該トーチ内で発生したプラズマを外部に移行
させる陽極13を有する外部陽極部2と、を備えた移行
型プラズマ発生装置であって;前記トーチ1と外部陽極
部2を互いの軸心を交差させながら相対的に回動せしめ
る回動変位手段4と、前記トーチと外部陽極部との間隔
を調整する水平移動手段3とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はプラズマ溶射装置、気
相合成ダイヤモンド製造装置、廃棄物焼却装置、フロン
分解装置、金属及びセラミックスの切断や接合、物質の
改質や表面処理等に用いられる移行型プラズマ発生方法
及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】在来プラズマ溶射装置で、プラズマを外
部に引き出してプラズマへ直接溶射材料を供給できる代
表的なものとして、複合トーチ型プラズマ溶射装置があ
り、その主要な部分は図23に示す通りのものである。
【0003】図23において、非移行型主トーチ1は、
絶縁物7によって主陰極5を囲み、かつ、狭窄口を有す
る主陰極保護外套6と主プラズマガス送入口8、主陰極
保護外套6を囲み出口狭窄口を有する補助外套29が、
絶縁物30を介して、主陰極保護外套6と同心をなすよ
うに構成されており、この主陰極保護外套6と補助外套
29の間に主第二プラズマガス送入口31を通して、主
第二プラズマガス32が送入されるようになっている。
【0004】次に非移行型副トーチ56は、絶縁物61
によって副トーチ起動陰極57を囲み、かつ、狭窄口を
有する副外套58と副プラズマガス送入口59、副外套
58を囲み出口狭窄口を有する副第二外套62が、絶縁
物65を介して、副外套58と同心をなすように構成さ
れており、この副外套58と副第二外套62の間に副第
二プラズマガス送入口63を通して、副第二プラズマガ
ス64が送入されるようになっている。
【0005】主電源10は、その負端子が高周波点火装
置11を介して、主陰極5に接続されており、正端子に
は、スイッチ手段12、33を介して、それぞれ主陰極
保護外套6及び補助外套29と接続されており、非移行
型主トーチ1のプラズマ発生装置を構成している。次い
で、副電源66は、その正端子が主電源10の正端子及
び非移行型副トーチ56の副外套58に接続されてお
り、副電源66の負端子は、副高周波点火装置67、ス
イッチ手段68を介して、副トーチ起動陰極57に接続
され、非移行型副トーチ56のプラズマ発生装置を構成
している。
【0006】そして、非移行型主トーチ1と非移行型副
トーチ56は、それぞれの中心軸が交叉するようにフレ
ーム外套70に配置・固定されている。これらが全体と
して、汎用的な複合トーチ型プラズマ発生装置を構成し
ている。
【0007】また、フレーム外套70は、プラズマフレ
ーム22を包み込むことによって、プラズマから失われ
る熱を軽減し、かつプラズマフレーム22及び溶射粒子
25から発生する強い紫外線を含む強烈な光を遮断し
て、作業環境の改善を実現することができる。
【0008】図23に示した各トーチの起動は、以下に
示すような順序で行われる。すなわち、スイッチ手段1
2を閉じて主電源10と高周波点火装置11により、主
陰極5と主陰極保護外套6の狭窄口の間に主起動プラズ
マアーク19をまず形成させ、これによって、主プラズ
マガス9が加熱されて、主陰極保護外套6の先端から導
電性のプラズマが補助外套29の狭窄口を通って、非移
行型主トーチ1から放出される。
【0009】この時、スイッチ手段33を閉じ、次いで
スイッチ手段12を開くと、既に形成されている主起動
プラズマアーク19の陽極点は、主陰極保護外套6の狭
窄口から補助外套29の狭窄口へ移行し、移行プラズマ
アーク34を形成する。これによって、主プラズマガス
9と主第二プラズマガス32が加熱されて、プラズマフ
レーム22が非移行型主トーチ1の外部に放出される。
【0010】次にスイッチ手段68を閉じて、副電源6
6と副高周波点火装置67によって、副外套58と副ト
ーチ起動陰極57との間に副起動プラズマアーク69を
形成させると、副プラズマガス60がこのアークによっ
て加熱され副外套58の狭窄口より導電性のプラズマが
形成され、これは更に副第二外套62の先端の狭窄口を
通って、導電性プラズマが非移行型副トーチ56の外部
に放出される。
【0011】これらのプロセスが終了すると、非移行型
主トーチ1と非移行型複トーチ56とは、その中心軸が
交叉するように設置されているので、それぞれから放出
される導電性のプラズマが導電路を形成する。
【0012】この時、スイッチ33及びスイッチ68を
開くと、主電源10によって主陰極5の先端から副外套
58の狭窄口に向かってヘアピンプラズマアーク21が
形成される。非移行型主トーチ1に送入されるガス量と
非移行型副トーチ56に送入されるガス量を各々調整す
ることによって、図23に示された如く、非移行型主ト
ーチ1の中心軸とほぼ同心をなすプラズマフレーム22
が形成される。
【0013】プラズマ溶射の過程は、溶射粉末材料送入
管23より高温で高いエンタルピーをもつ主プラズマア
ーク20中へ送入された溶射粉末材料24は、直ちに高
温に加熱されて溶融し、溶射粒子25に示した如くプラ
ズマフレーム22に同伴されながら、あまり広がらない
で基材28に向かって進行する。この溶射粒子25を含
むプラズマフレーム22は、基材28の直前に設けられ
たプラズマ分離手段71によって、プラズマフレーム2
2のみが分離され、その直後に溶融した溶射粒子25
は、基材28に衝突し、溶射皮膜27を形成する。
【0014】尚、以上の説明では、主陰極保護外套6、
補助外套29及び副外套58、副第ニ外套62の内面
は、通常何れも二重構造となっており、その内部を水等
の循環によって冷却されているが、これらは省略し図示
していない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来例には、次の様な
問題点がある。 (1)在来プラズマ溶射装置で、プラズマを外部に引き
出して、プラズマ柱へ直接、溶射材料を供給できる代表
的なものとして、複合トーチ型プラズマ溶射装置がある
が、二個以上のトーチ及び二個以上の電源を必要とする
ために、溶射装置の構造は複雑となり、結果的に保守・
点検も容易でなく、製作費が高い。
【0016】(2)複合トーチ型プラズマ溶射装置で
は、プラズマの中へ直接、溶射材料を供給する際、溶射
材料の特性に応じて、最適な加熱と加速を与えるために
プラズマアークの長さを変化させて、溶射粒子の滞留時
間を制御できない。
【0017】この発明は、上記事情に鑑み、構造の簡略
化と保守点検の容易化を図ることを目的とする。他の目
的は、溶射粒子の滞留時間を制御できるようにすること
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の特徴
は、一個の非移行型プラズマ発生トーチの外部に更に陽
極を有し、その陽極の周りを不活性ガスで保護し、外套
をもつ陽極部を設けることによって、その外部陽極へプ
ラズマを移行させ、プラズマを外部へ安定に引き出すこ
とである。この移行型プラズマ発生装置トーチでは、複
数のトーチ及び電源を必ずしも必要とせず、トーチの構
造は簡略化され、製作費も安価になる。
【0019】第二の特徴は、一個の非移行型プラズマ発
生トーチと不活性ガスで保護された陽極部の両方、或い
はどちらか一方にモーターやシリンダー等の駆動によ
り、変位を可変できる手段を設けることによって、陰極
から外部陽極間のプラズマの長さ(電位差)とプラズマ
の形状を任意に設定できることで有る。この装置では、
溶射において、プラズマの中へ直接、溶射材料を供給す
る際、溶射材料の特性に応じて最適な加熱と加速を与え
るために溶射粒子の滞留時間を制御できる。
【0020】
【作用】本発明によるプラズマ発生装置においては、一
個の非移行型プラズマ発生トーチと不活性ガスで保護さ
れた陽極部の両方、或いはどちらか一方にモーターやシ
リンダー等の駆動により、変位を可変できる手段を設け
ることによって、陰極から外部陽極間のプラズマの長さ
(電位差)を任意に設定できることで、電源の電圧仕様
について自由度があり、例えば、汎用の非移行型プラズ
マ溶射やプラズマ切断機仕様の電源でも利用できる。
【0021】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図6により説明
するが、図23と同一図面符号はその名称も機能も同一
である。前記図1〜図6は、本発明の基本的なプラズマ
発生技術に基づくプラズマ溶射装置を示す断面図である
が、1はトーチ内に陰極と陽極を備えた非移行型トーチ
である。この非移行型トーチ1は狭窄口を有する主陰極
保護外套6と、旋回流ガス形成手段51を有する絶縁物
7によって主陰極5を囲み、同心をなすように構成され
ている。
【0022】主プラズマガス9は、IーI断面図に示さ
れた如く主プラズマガス送入口8より、まずプラズマガ
ス環状室52へ送入され、一個の旋回流形成孔53、或
いは等分に配置された複数個の旋回流形成孔53を通っ
て、絶縁物7の内壁54を旋回するように矢印55の如
く送入される。この旋回流形成孔53は、非移行型トー
チ1の中心軸に対して接線方向に設けられている。
【0023】次に外部陽極部2は、狭窄口を有する主陽
極保護外套14と、絶縁物7と同様な旋回流ガス形成手
段51を有する絶縁物15によって主陽極13を囲み、
同心をなすように構成されている。
【0024】直流電源10は、その負端子が高周波点火
装置11を介して、主陰極5に接続されており、正端子
には、スイッチ手段12を介して、主陰極保護外套6に
接続されており、非移行型トーチ1のプラズマ発生装置
を構成している。
【0025】更に、直流電源10の正端子は、スイッチ
手段18を介して、外部陽極部2の主陽極13に接続さ
れている。そして、非移行型トーチ1と外部陽極部2に
は、両方、或いはどちらか一方にモーターやシリンダー
等の駆動により、変位を可変できる手段、すなわち、非
移行型トーチ変位可変装置3、外部陽極部変位可変装置
4を有している。
【0026】この非移行型トーチ変位可変装置3と外部
陽極部変位可変装置4は、種々のものが用いられるが、
その1例を図5、図6により説明する。基台100に非
移行型トーチ1を設け、その両側に支持壁101を立設
する。該トーチ1はカップリング102を介してモータ
103に接続されている。このモータ103の駆動によ
り該トーチ1は軸心C方向に移動し鎖線の状態1Aにな
る。
【0027】前記支持壁101には支持アーム105の
一端105aが軸着され、その他端105bには外部陽
極部2が支持されている。該他端105bには回転アー
ム106の一端が軸着され、その他端にはエアシリンダ
200のピストンロッド201が軸着されている。
【0028】エアシリンダ200を駆動させると、該ロ
ッド201が回転し回転アーム106を引っ張る。そう
すると、外部陽極部2はその軸心を該トーチ1の軸心C
と交差させながら回転し、鎖線で示す状態2Aとなる。
この時、該トーチ1の軸心Cと外部陽極部2の軸心は直
交する。
【0029】以上のようにして前記装置3、4を駆動し
て該トーチ1と外部電極部2とを所望の状態に変位させ
るが、その操作は図示しない制御装置を介して行われ
る。
【0030】図に示したトーチの起動は、以下に示すよ
うな順序で行われる。まず、図1でスイッチ手段12を
閉じ、直流電源10と高周波点火装置11により、主陰
極5と主陰極保護外套6の狭窄口の間に主起動プラズマ
アーク19を形成させる。これによって、主プラズマガ
ス9が加熱され、主陰極保護外套6の先端から導電性の
プラズマが補助外套29の狭窄口を通って、非移行型ト
ーチ1から放出される。
【0031】次に、非移行型トーチ1において、導電性
のプラズマを更に伸長させるために、直流電源10の電
流と主プラズマガス9の量を調節する。この時、外部陽
極部2は、非移行型トーチ1と同軸上で対向に配置さ
れ、非移行型トーチ1の狭窄口先端と外部陽極部2の狭
窄口先端との距離X1(0<X1<20)mmを保ってい
る。非移行型トーチ1から放出される導電性のプラズマ
が外部陽極部2の狭窄口を貫く如く伸長したと同時に、
スイッチ手段18を閉じて、スイッチ手段12を開く
と、非移行型トーチ1から放出された導電性のプラズマ
は、外部陽極部2の主陽極13の先端へと移行し、主プ
ラズマアーク20を形成する。
【0032】その主プラズマアーク20の陰極点である
主陰極5と陽極点である主陽極13は、不活性ガスで確
実に保護されており、それらのガスは、電極点の周りに
強い旋回流を形成するように供給されているので、電極
点の移動もない。その上、主プラズマアーク20の周り
の旋回流ガスによって、サーマルピンチ効果を高め、主
プラズマアーク20の熱集中性、安定性を高めることが
できるので、直流電源10からの入力電流と主プラズマ
ガス9の量、及び主陽極保護ガス17の量は、広い範囲
にわたり、任意の値に設定することができる。
【0033】引き続いて、図2に示すように、非移行型
トーチ1と外部陽極部2は、それぞれの中心軸が交叉す
るように、非移行型トーチ変位可変装置3、外部陽極部
変位可変装置4の両方、或いはどちらか一方によって配
置される。この時、主陰極5と主陽極13の間の主プラ
ズマアーク20は、図1に示すようなヘアピンプラズマ
アーク21を形成する。
【0034】また、ヘアピンプラズマアーク21の先端
の方向性を非移行型トーチ1の中心軸と同軸方向に維持
するために、主プラズマガス9のガス量を増し、主陽極
保護ガス17のガス量を減じる操作を行う。一例とし
て、主プラズマガス9のガス量を10l/min、主陽極保
護ガス17のガス量を1l/minと設定すると、図2に示
すように、ヘアピンプラズマアーク21の先端の進行方
向を非移行型トーチ1の中心軸上にほぼ保つことができ
る。
【0035】更に、この主プラズマアーク20を図3に
示すようなプラズマ溶射に適用する場合、溶射粉末材料
送入管23より高温で高いエンタルピーをもつ主プラズ
マアーク20中へ送入された溶射粉末材料24は、直ち
に高温に加熱されて溶融し、溶射粒子25に示したよう
にプラズマフレーム22に同伴されながら、あまり広が
らないで基材28に向かって進行する。この溶射粒子2
5を含むプラズマフレーム22は、基材28の直前に設
けられた圧縮空気等を用いた基材冷却手段26によっ
て、プラズマフレーム22が基材28に与える熱負荷を
減じ、その直後に溶融した溶射粒子25は、基材28に
衝突し、溶射皮膜27を形成する。
【0036】しかし、溶射粉末材料24の物性、特に融
点や熱伝達(導)率によって、溶射粒子25の溶融や酸
化・還元等の状態は変わり、結果的に溶射皮膜27の特
性や溶射効率に大きく影響を及ぼす。よって、溶射皮膜
27の特性や溶射効率を安定に保つために、溶射粉末材
料24の物性を考慮して、主プラズマアーク20中の溶
射粒子25の滞留時間を制御する。
【0037】その方法は、非移行型トーチ変位可変装置
3、外部陽極部変位可変装置4の両方、或いはどちらか
一方を駆動させて、ヘアピンプラズマアーク21の先端
方向のプラズマアーク長X3を変化させ、溶射粉末材料
24の物性に応じて、設定する。例えば、溶射粉末材料
24が高融点の場合、低融点のものよりもプラズマアー
ク長X3を長くとる。プラズマアーク長Y2に関しては、
溶射粉末材料24の溶融にはほとんど寄与しないので、
できる限り短く設定し、プラズマフレーム22の方向性
を高めるために主陽極保護ガス17の量を抑える必要が
ある。この時、プラズマの電位傾度は、プラズマガスを
アルゴン主体とした場合、プラズマ密度にもよるが、2
〜4V/mmであった。
【0038】本発明の第2実施例を図7〜10により説
明するが、前記図7〜10は、非移行型トーチにおい
て、陰極保護のチャンバーの他に1つの補助外套及び絶
縁物で構成された電極をもたないチャンバーを設けた実
施例を示す。
【0039】非移行型トーチ1は、主陰極位5の軸上に
同心、同径の主プラズマガス送入口8を設けた絶縁物7
狭窄口を有する主陰極保護外套6、主第二プラズマガス
送入口31を設けた絶縁物30及び出口狭窄口を有する
補助外套29によって構成されている。主プラズマガス
9及び主第二プラズマガス32は、図10の断面図に示
された如くそれぞれ主プラズマガス送入口8、主第二プ
ラズマガス送入口31より、まずプラズマガス環状室5
2へ送入され、一個の旋回流形成孔53、或いは等分に
配置された複数個の旋回流形成孔53を通って、絶縁物
7及び絶縁物30の内壁54を旋回するように矢印55
の如く送入される。この旋回流形成孔53は、非移行型
トーチ1の中心軸に対して接線方向に設けられている。
【0040】次に外部陽極部2は、狭窄口を有する主陽
極保護外套14と、絶縁物7及び絶縁物30と同様な旋
回流ガス形成手段51を有する絶縁物15によって主陽
極13を囲み、同心をなすように構成されている。直流
電源10は、その負端子が高周波点火装置11を介し
て、主陰極5に接続されており、正端子には、スイッチ
手段12を介して、主陰極保護外套6に、そしてスイッ
チ手段33を介して、補助外套29に接続されており、
非移行型トーチ1のプラズマ発生装置を構成している。
【0041】続いて、直流電源10の正端子は、スイッ
チ手段18を介して、外部陽極部2の主陽極13に接続
されている。そして、非移行型トーチ1と外部陽極部2
には、両方、或いはどちらか一方にモーターやシリンダ
ー等の駆動により、変位を可変できる手段、すなわち、
非移行型トーチ変位可変装置3、外部陽極部変位可変装
置4を有している。これらが全体として、図に示すよう
な移行型プラズマ発生装置を構成している。
【0042】トーチの起動は、以下に示すような順序で
行われる。まず、図7で、スイッチ手段12を閉じて直
流電源10と高周波点火装置11により、主陰極5と主
陰極保護外套6の狭窄口の間に主起動プラズマアーク1
9を形成させ、これによって、主プラズマガス9が加熱
され、主陰極保護外套6の先端から導電性のプラズマが
放出される。この時、スイッチ手段33を閉じ、次いで
スイッチ手段12を開くと、既に形成されている主起動
プラズマアーク19の陽極点は、主陰極保護外套6の狭
窄口から補助外套29の狭窄口へと移行し、移行プラズ
マアーク34を形成させ、これによって、主第二プラズ
マガス32が加熱され、導電性のプラズマが非移行型ト
ーチ1の出口より放出される。
【0043】次に、非移行型トーチ1において、導電性
のプラズマを更に伸長させるために、直流電源10の電
流、主プラズマガス9の量、そして主第二プラズマガス
32の量を調節する。この時、外部陽極部2は、非移行
型トーチ1と同軸上で対向に配置されており、非移行型
トーチ1の狭窄口先端と外部陽極部2の狭窄口先端との
距離X1(0<X1<20)mmを保っている。
【0044】非移行型トーチ1から放出される導電性の
プラズマが外部陽極部2の狭窄口を貫く如く伸長したと
同時に、スイッチ手段18を閉じて、スイッチ手段12
を開くと、非移行型トーチ1から放出された導電性のプ
ラズマは、外部陽極部2の主陽極13の先端へと移行
し、主プラズマアーク20を形成する。
【0045】その主プラズマアーク20の陰極点である
主陰極5と陽極点である主陽極13は、不活性ガスで確
実に保護されており、それらのガスは、電極点の周りに
強い旋回流を形成するように供給されているので、電極
点の移動もない。その上、主プラズマアーク20の周り
の旋回流ガスによって、サーマルピンチ効果を高め、主
プラズマアーク20の熱集中性、安定性を高めることが
できるので、直流電源10からの入力電流と主プラズマ
ガス9の量、主第二プラズマガス32の量及び主陽極保
護ガス17の量は、広い範囲にわたり、任意の値に設定
することができる。
【0046】引き続いて、図8に示すように、非移行型
トーチ1と外部陽極部2は、それぞれの中心軸が交叉す
るように、非移行型トーチ変位可変装置3、外部陽極部
変位可変装置4の両方、或いはどちらか一方によって配
置される。この時、主陰極5と主陽極13の間の主プラ
ズマアーク20は、図8に示すようなヘアピンプラズマ
アーク21を形成する。
【0047】また、ヘアピンプラズマアーク21の先端
の方向性を非移行型トーチ1の中心軸と同軸方向に維持
するために、主プラズマガス9及び主第二プラズマガス
32のガス量を増し、主陽極保護ガス17のガス量を減
じる操作を行う。一例として、主プラズマガス9のガス
量を3l/min、主第二プラズマガス32のガス量を7l/m
inとし、主陽極保護ガス17のガス量を1l/minと設定
すると、図8に示すように、ヘアピンプラズマアーク2
1の先端の進行方向を非移行型トーチ1の中心軸上ヘほ
ぼ保つことができる。
【0048】この時、主プラズマガス9は、主陰極5を
保護するために、不活性ガスを用い、主第二プラズマガ
ス32が混入しないように、予め主プラズマガス9の圧
力を主第二プラズマガス32の圧力よりも高く設定して
おく。また、主第二プラズマガス32を送入するチャン
バーは、電極をもたない状態であり、目的に応じて、不
活性ガスはむろんのこと活性な空気や酸素等のガス、そ
して複合ガスを使用できる。
【0049】更に、この主プラズマアーク20を図9に
示すようなプラズマ溶射に適用する場合、溶射粉末材料
送入管23より高温で高いエンタルピーをもつ主プラズ
マアーク20中へ送入された溶射粉末材料24は、直ち
に高温に加熱されて溶融し、溶射粒子25に示したよう
にプラズマフレーム22に同伴されながら、あまり広が
らないで基材28に向かって進行する。この溶射粒子2
5を含むプラズマフレーム22は、基材28の直前に設
けられた圧縮空気等を用いた基材冷却手段26によっ
て、プラズマフレーム22が基材28に与える熱負荷を
減じ、その直後に溶融した溶射粒子25は、基材28に
衝突し、溶射皮膜27を形成する。
【0050】しかし、溶射粉末材料24の物性、特に融
点や熱伝達率によって、溶融粒子25の溶融や酸化・還
元等の状態は変わり、結果的に溶射皮膜27の特性や溶
射効率に大きく影響を及ぼす。よって、最適な溶射皮膜
27の特性や溶射効率を安定に保つために、溶射粉末材
料24の物性を考慮して、主プラズマアーク20中の溶
射粒子25の滞留時間を制御する。
【0051】その方法は、非移行型トーチ変位可変装置
3、外部陽極部変位可変装置4の両方、或いはどちらか
一方を駆動させて、ヘアピンプラズマアーク21の先端
方向のプラズマアーク長X3を変化させ、溶射粉末材料
24の物性に応じて、設定する。例えば、溶射粉末材料
24が高融点の場合、低融点のものよりプラズマアーク
長X3を長くとる。
【0052】更には、溶射粉末材料24が酸化物の場
合、不活性ガスのみならず主第二プラズマガス32に活
性な空気や酸素等のガスを用いると有効である。プラズ
マアーク長Y2に関しては、溶射粉末材料24の溶融に
はほとんど寄与しないので、できる限り短く設定し、プ
ラズマフレーム22の方向性を高めるために主陽極保護
ガス17の量を抑える必要がある。
【0053】この発明の第3実施例を図11〜14によ
り説明するが、前記図11〜14は、第2実施例の非移
行型トーチにおいて、更に1つの補助外套及び絶縁物で
構成された電極をもたないチャンバーを設けることで、
第2実施例のプラズマ溶射装置に比べて、プラズマガス
として、異種・複合ガス及び活性なガス、特に酸素の比
率をより自由に設定できる特徴をもつプラズマ溶射装置
の実施例を示す。
【0054】非移行型トーチ1は、主陰極位5の軸上に
同心、同径の主プラズマガス送入口8を設けた絶縁物
7、狭窄口を有する主陰極保護外套6、主第二プラズマ
ガス送入口31を設けた絶縁物30、狭窄口を有する補
助外套29、主第三プラズマガス送入口37を設けた絶
縁物36、そして出口狭窄口を有する補助第二外套35
によって構成されている。
【0055】主プラズマガス9、主第二プラズマガス3
2及び主第三プラズマガス38は、図14に示された如
くそれぞれ主プラズマガス送入口8、主第二プラズマガ
ス送入口31及び主第三プラズマガス送入口37より、
まずプラズマガス環状室52へ送入され、一個の旋回流
形成孔53、或いは等分に配置された複数個の旋回流形
成孔53を通って、絶縁物7、絶縁物30、そして絶縁
物36の内壁54を旋回するように矢印55の如く送入
される。
【0056】この旋回流形成孔53は、非移行型トーチ
1の中心軸に対して接線方向に設けられている。次に外
部陽極部2は、狭窄口を有する主陽極保護外套14と、
絶縁物7、絶縁物30、そして絶縁物36と同様な旋回
流ガス形成手段51を有する絶縁物15によって主陽極
13を囲み、同心をなすように構成されている。
【0057】直流電源10は、その負端子が高周波点火
装置11を介して、主陰極5に接続されており、正端子
には、スイッチ手段12を介して、主陰極保護外套6
に、スイッチ手段33を介して、補助外套29に、そし
てスイッチ手段39を介して、補助第二外套35に接続
されており、非移行型トーチ1のプラズマ発生装置を構
成している。
【0058】続いて、直流電源10の正端子は、スイッ
チ手段18を介して、外部陽極部2の主陽極13に接続
されている。そして、非移行型トーチ1と外部陽極部2
には、両方、或いはどちらか一方にモーターやシリンダ
ー等の駆動により、変位を可変できる手段、すなわち、
非移行型トーチ変位可変装置3、外部陽極部変位可変装
置4を有している。これらが全体として、図11に示す
ような移行型プラズマ発生装置を構成している。
【0059】トーチの起動は、以下に示すような順序で
行われる。まず、図11で、スイッチ手段12を閉じ、
直流電源10と高周波点火装置11により、主陰極5と
主陰極保護外套6の狭窄口の間に主起動プラズマアーク
19を形成させ、これによって、主プラズマガス9が加
熱され、主陰極保護外套6の先端から導電性のプラズマ
が放出される。
【0060】この時、スイッチ手段33を閉じ、次いで
スイッチ手段12を開くと、既に形成されている主起動
プラズマアーク19の陽極点は、主陰極保護外套6の狭
窄口から補助外套29の狭窄口へと移行し、移行プラズ
マアーク34を形成し、これによって、主第二プラズマ
ガス32が加熱され、補助外套29の先端から導電性の
プラズマが放出される。
【0061】この時、スイッチ手段39を閉じ、次いで
スイッチ手段33を開くと、既に形成されている移行プ
ラズマアーク34の陽極点は、補助外套29の狭窄口か
ら補助第二外套35の狭窄口へと移行し、第二移行プラ
ズマアーク40を形成し、これによって、主第三プラズ
マガス38が加熱され、非移行型トーチ1の出口から導
電性のプラズマが放出される。
【0062】次に、非移行型トーチ1において、導電性
のプラズマを更に伸長させるために、直流電源10の電
流と主プラズマガス9、主第二プラズマガス32、そし
て主第三プラズマガス38の量を調節する。この時、外
部陽極部2は、非移行型トーチ1と同軸上で対向に配置
されており、非移行型トーチ1の狭窄口先端と外部陽極
部2の狭窄口先端との距離X1(0<X1<20)mmを保
っている。
【0063】非移行型トーチ1から放出される導電性の
プラズマが外部陽極部2の狭窄口を貫く如く伸長したと
同時に、スイッチ手段18を閉じて、スイッチ手段12
を開くと、非移行型トーチ1から放出された導電性のプ
ラズマは、外部陽極部2の主陽極13の先端へと移行
し、主プラズマアーク20を形成する。
【0064】その主プラズマアーク20の陰極点である
主陰極5と陽極点である主陽極13は、不活性ガスで確
実に保護されており、それらのガスは、電極点の周りに
強い旋回流を形成するように供給されているので、電極
点の移動もない。その上、主プラズマアーク20の周り
の旋回流ガスによって、サーマルピンチ効果を高め、主
プラズマアーク20の熱集中性、安定性を高めることが
できるので、直流電源10からの入力電流と主プラズマ
ガス9の量、主第二プラズマガス32の量、主第三プラ
ズマガス38の量及び主陽極保護ガス17の量は、広い
範囲にわたり、任意の値に設定することができる。
【0065】引き続いて、図12に示すように、非移行
型トーチ1と外部陽極部2は、それぞれの中心軸が交叉
するように、非移行型トーチ変位可変装置3、外部陽極
部変位可変装置4の両方、或いはどちらか一方によって
配置される。この時、主陰極5と主陽極13の間の主プ
ラズマアーク20は、図12に示すようなヘアピンプラ
ズマアーク21を形成する。
【0066】また、ヘアピンプラズマアーク21の先端
の方向性を非移行型トーチ1の中心軸と同軸方向に維持
するために、主プラズマガス9、主第二プラズマガス3
2、そして主第三プラズマガス38のガス量を増し、主
陽極保護ガス17のガス量を減じる操作を行う。一例と
して、主プラズマガス9のガス量を2l/min、主第二プ
ラズマガス32のガス量を3l/min、主第三プラズマガ
ス38のガス量を5l/minとし、主陽極保護ガス17の
ガス量を1l/minと設定すると、図12に示すように、
ヘアピンプラズマアーク21の先端の進行方向を非移行
型トーチ1の中心軸上ヘほぼ保つことができる。
【0067】この時、主プラズマガス9は、主陰極5を
保護するために、不活性ガスを用い、主第二プラズマガ
ス32が混入しないように、また、主第二プラズマガス
32に主第三プラズマガス38が混入しないように、予
め送入するプラズマガスの圧力を高い順に主プラズマガ
ス9、主第二プラズマガス32、そして主第三プラズマ
ガス38と設定しておく。また、主第二プラズマガス3
2を送入するチャンバー及び主第三プラズマガス38を
送入するチャンバーは、電極をもたない状態であり、目
的に応じて、不活性ガスはむろんのこと活性な空気や酸
素等のガス、そして複合ガスを広範囲に使用できる。
【0068】更に、この主プラズマアーク20を図13
に示すようなプラズマ溶射に適用する場合、溶射粉末材
料送入管23より高温で高いエンタルピーをもつ主プラ
ズマアーク20中へ送入された溶射粉末材料24は、直
ちに高温に加熱されて溶融し、溶射粒子25に示したよ
うにプラズマフレーム22に同伴されながら、あまり広
がらないで基材28に方向へ進行する。
【0069】この溶射粒子25を含むプラズマフレーム
22は、基材28の直前に設けられた圧縮空気等を用い
た基材冷却手段26によって、プラズマフレーム22が
基材28に与える熱負荷を減じ、その直後に溶融した溶
射粒子25は、基材28に衝突し、溶射皮膜27を形成
する。
【0070】しかし、溶射粉末材料24の物性、特に融
点や熱伝達(導)率によって、溶射粒子25の溶融や酸
化・還元等の状態は変わり、結果的には溶射皮膜27の
特性や溶射効率に大きく影響を及ぼす。よって、最適な
溶射皮膜27の特性や溶射効率を安定に保つために、溶
射粉末材料24の物性を考慮して、主プラズマアーク2
0中の溶射粒子25の滞留時間を制御する。
【0071】その方法は、非移行型トーチ変位可変装置
3、外部陽極部変位可変装置4の両方、或いはどちらか
一方を駆動させて、ヘアピンプラズマアーク21の先端
方向のプラズマアーク長X3を変化させ、溶射粉末材料
24の物性に応じて、設定する。例えば、溶射粉末材料
24が高融点の場合、低融点のものよりもプラズマアー
ク長X3を長くとる。
【0072】更には、溶射粉末材料24が酸化物の場
合、不活性ガスのみならず主第二プラズマガス32及び
主第三プラズマガス38に活性な空気や酸素等のガスを
用いると有効である。プラズマアーク長Y2に関して
は、溶射粉末材料24の溶融にはほとんど寄与しないの
で、できる限り短く設定し、プラズマフレーム22の方
向性を高めるために主陽極保護ガス17の量を抑える必
要がある。
【0073】本発明の第4実施例を図15〜18により
説明するが、前記図11〜19は、第2実施例のプラズ
マ溶射装置の特徴をもつとともに、2個の外部陽極部を
設けることで、プラズマアークの指向性を高め、大出力
かつ大容量が可能なプラズマ溶射装置の実施例を示す。
移移行型トーチ1は、主陰極位5の軸上に同心、同径の
主プラズマガス送入口8を設けた絶縁物7、狭窄口を有
する主陰極保護外套6、主第二プラズマガス送入口31
を設けた絶縁物30、そして出口狭窄口を有する補助外
套29によって構成されている。
【0074】主プラズマガス9及び主第二プラズマガス
32は、図18に示された如く、それぞれ主プラズマガ
ス送入口8、主第二プラズマガス送入口31より、まず
プラズマガス環状室52へ送入され、一個の旋回流形成
孔53、或いは等分に配置された複数個の旋回流形成孔
53を通って、絶縁物7及び絶縁物30の内壁54を旋
回するように矢印55の如く送入される。この旋回流形
成孔53は、非移行型トーチ1の中心軸に対して接線方
向に設けられている。
【0075】次に外部陽極部2は、狭窄口を有する主陽
極保護外套14と、絶縁物7及び絶縁物30と同様な旋
回流ガス形成手段51を有する絶縁物15によって主陽
極13を囲み、同心をなすように構成されており、もう
一つの主第二外部陽極部41も同様、狭窄口を有する主
第二陽極保護外套46と、絶縁物7及び絶縁物30と同
様な旋回流ガス形成手段51を有する絶縁物47によっ
て主第二陽極45を囲み、同心をなすように構成されて
いる。
【0076】直流電源10は、その負端子が高周波点火
装置11を介して、主陰極5に接続されており、正端子
には、スイッチ手段12を介して、主陰極保護外套6
に、そしてスイッチ手段33を介して、補助外套29に
接続されており、非移行型トーチ1のプラズマ発生装置
を構成している。
【0077】続いて、直流電源10の正端子は、スイッ
チ手段18を介して、外部陽極部2の主陽極13へと接
続され、そして第二直流電源43は、その負端子が主陰
極5に接続されており、正端子には、スイッチ手段44
を介して、第二外部陽極部41と接続されている。
【0078】そして、非移行型トーチ1と外部陽極部2
及び第二外部陽極部41には、すべて、或いはその内の
二方にモーターやシリンダー等の駆動により、変位を可
変できる手段、すなわち、非移行型トーチ変位可変装置
3、外部陽極部変位可変装置4を有している。これらが
全体として、図19に示すような移行型プラズマ発生装
置を構成している。
【0079】該トーチの起動は、以下に示すような順序
で行われる。まず、図15で、スイッチ手段12を閉じ
て直流電源10と高周波点火装置11により、主陰極5
と主陰極保護外套6の狭窄口の間に主起動プラズマアー
ク19を形成させ、これによって、主プラズマガス9が
加熱され、主陰極保護外套6の先端から導電性のプラズ
マが放出される。
【0080】この時、スイッチ手段33を閉じ、次いで
スイッチ手段12を開くと、既に形成されている主起動
プラズマアーク19の陽極点は、主陰極保護外套6の狭
窄口から補助外套29の狭窄口へと移行し、移行プラズ
マアーク34を形成させ、これによって、主第二プラズ
マガス32が加熱され、導電性のプラズマが非移行型ト
ーチ1の出口より放出される。
【0081】次に、非移行型トーチ1において、導電性
のプラズマを更に伸長させるために、直流電源10の電
流、主プラズマガス9の量、そして主第二プラズマガス
32の量を調節する。この時、外部陽極部2は、非移行
型トーチ1と同軸上で対向に配置されており、非移行型
トーチ1の狭窄口先端と外部陽極部2の狭窄口先端との
距離X1(0<X1<20)mmを保ち、第二外部陽極部4
1は、非移行型トーチ1の中心軸と交叉し、非移行型ト
ーチ1及び外部陽極部2と接触しないように配置されて
いる。
【0082】ここで、外部陽極部2と第二外部陽極部4
1は、同じ機能を有し、最初に、第二外部陽極部41を
外部陽極部2に変わって、非移行型トーチ1と同軸上で
対向に配置しても良いが、以下順序として外部陽極部2
を優先して説明する。
【0083】非移行型トーチ1から放出される導電性の
プラズマが外部陽極部2の狭窄口を貫く如く伸長したと
同時に、スイッチ手段18を閉じて、スイッチ手段12
を開くと、非移行型トーチ1から放出された導電性のプ
ラズマは、外部陽極部2の主陽極13の先端へと移行
し、主プラズマアーク20を形成する。
【0084】その主プラズマアーク20の陰極点である
主陰極5と陽極点である主陽極13は、不活性ガスで確
実に保護されており、それらのガスは、電極点の周りに
強い旋回流を形成するように供給されているので、電極
転の移動もない。
【0085】更に、主プラズマアーク20の周りの旋回
流ガスによって、サーマルピンチ効果を高め、主プラズ
マアーク20の熱集中性、安定性を高めることができる
ので、直流電源10からの入力電流と主プラズマガス9
の量、主第二プラズマガス32の量及び主陽極保護ガス
17の量は、広い範囲にわたり、任意の値に設定するこ
とができる。
【0086】引き続いて、図16に示すように、非移行
型トーチ1と外部陽極部2は、それぞれの中心軸が交叉
するように、非移行型トーチ変位可変装置3、外部陽極
部変位可変装置4の両方、或いはどちらか一方によって
配置され、第二外部陽極部41は、非移行型トーチ可変
装置3及び外部陽極部可変装置4、或いは第二外部陽極
部変位可変装置42によって非移行型トーチ1と同軸上
かつ対向して配置される。
【0087】この時、主陰極5と主陽極13の間の主プ
ラズマアーク20は、図16に示すようなヘアピンプラ
ズマアーク21を形成する。また、ヘアピンプラズマア
ーク21の先端の方向性を非移行型トーチ1の中心軸の
方向に維持するために、主プラズマガス9及び主第二プ
ラズマガス32のガス量を増し、主陽極保護ガス17の
ガス量を減じる操作を行う。一例として、主プラズマガ
ス9のガス量を3l/min、主第二プラズマガス32のガ
ス量を7l/minとし、主陽極保護ガス17のガス量を1l
/minと設定すると、図16に示すように、ヘアピンプラ
ズマアーク21の先端の進行方向を非移行型トーチ1の
中心軸上ヘほぼ保つことができる。
【0088】この時、主プラズマガス9は、主陰極5を
保護するために、不活性ガスを用い、主第二プラズマガ
ス32が混入しないように、予め主プラズマガス9の圧
力を主第二プラズマガス32の圧力よりも高く設定して
おく。また、主第二プラズマガス32を送入するチャン
バーは、電極をもたない状態であり、目的に応じて、不
活性ガスはむろんのこと活性な空気や酸素等のガス、そ
して複合ガスを使用することができる。
【0089】次に、直流電源10より、電流を増し、或
いは主プラズマガス9、主第二プラズマガス32、そし
て主陽極保護ガス17のそれぞれのガス量を制御するこ
とによって、ヘアピンプラズマアーク21の先端が同軸
上の第二外部陽極部41の主第二陽極保護外套46の狭
窄口を貫く如くに伸長させたところで、スイッチ手段4
4を閉じると、ヘアピンアーク21の先端は、主第二陽
極45の先端に移行し、第二直流電源43を通して電流
が流れる。この時、主第二陽極45の周りには、絶縁物
47に設けられた主第二陽極保護ガス送入口48より、
若干の主第二陽極保護ガス49ガスが流されている。
【0090】更に、この主プラズマアーク20を図17
に示すようなプラズマ溶射に適用する場合、第二外部陽
極部41を、非移行型トーチ可変装置3及び外部陽極部
可変装置4、或いは第二外部陽極部変位可変装置42に
よって外部陽極部2と同軸上にかつ対向して配置する。
この時、図17に示すようなトリプルプラズマアーク5
0を形成する。
【0091】また、トリプルプラズマアーク50の先端
方向が非移行型トーチ1の中心軸と同軸をなし、指向性
を維持する為に主陽極13の先端と主第二陽極45の先
端が非移行型トーチ1の中心軸に対称となるよう配置す
るとともに、直流電源10及び第二直流電源43の電流
値と主陽極保護ガス17及び主第二陽極保護ガス49の
ガス量を同一の条件に設定する。このことによって、主
プラズマアークの指向性は高められ、2個の主陽極1
3、主第二陽極45を有することによって、それぞれの
陽極に及ぼす電流負荷は半減され、大出力、大容量が可
能となる。
【0092】こうした主プラズマアーク20中に、溶射
粉末材料送入管23より高温で高いエンタルピーをもつ
主プラズマアーク20中へ送入された溶射粉末材料24
は、直ちに高温に加熱されて溶融し、溶射粒子25に示
したようにプラズマフレーム22に同伴されながら、あ
まり広がらないで基材28に向かって進行する。この溶
射粒子25を含むプラズマフレーム22は、基材28の
直前に設けられた圧縮空気等を用いた基材冷却手段26
によって、プラズマフレーム22が基材28に与える熱
負荷を減じ、その直後に溶融した溶射粒子25は、基材
28に衝突して、溶射皮膜27を形成する。
【0093】しかし、溶射粉末材料24の物性、特に融
点や熱伝達(導)率によって、溶射粒子25の溶融や酸
化・還元等の状態は変わり、結果的に溶射皮膜27の特
性や溶射効率に大きく影響を及ぼす。よって、最適な溶
射皮膜27の特性や溶射効率を安定に保つために、溶射
粉末材料24の物性を考慮して、主プラズマアーク20
中の溶射粒子25の滞留時間を制御する。
【0094】その方法は、非移行型トーチ変位可変装置
3、或いは外部陽極部変位可変装置4及び第二外部陽極
部変位可変装置42を駆動させて、ヘアピンプラズマア
ーク21の先端方向のプラズマアーク長X3を変化さ
せ、溶射粉末材料24の物性に応じて、設定する。
【0095】例えば、溶射粉末材料24が高融点の場
合、低融点のものよりもプラズマアーク長X4を長くと
る。更には、溶射粉末材料24が酸化物の場合、不活性
ガスのみならず主第二プラズマガス32に活性な空気や
酸素等のガスを用いると有効である。プラズマアーク長
Y3に関しては、溶射粉末材料24の溶融にはほとんど
寄与しないので、できる限り短く設定し、プラズマフレ
ーム22の方向性を高めるために、主陽極保護ガス17
及び主第二陽極保護ガス49の量を抑える必要がある。
【0096】この発明の第5実施例を図19〜22によ
り説明するが、前記図19〜22は、第4実施例と全く
同様な特徴をもつが、実際の溶射に至るまでの起動操作
方法が異なる特徴をもつプラズマ溶射装置の実施例を示
す。
【0097】非移行型トーチ1は、主陰極位5の軸上に
同心、同径の主プラズマガス送入口8を設けた絶縁物
7、狭窄口を有する主陰極保護外套6、主第二プラズマ
ガス送入口31を設けた絶縁物30、そして出口狭窄口
を有する補助外套29によって構成されている。主プラ
ズマガス9及び主第二プラズマガス32は、図22に示
された如くそれぞれ主プラズマガス送入口8、主第二プ
ラズマガス送入口31より、まずプラズマガス環状室5
2へ送入され、一個の旋回流形成孔53、或いは等分に
配置された複数個の旋回流形成孔53を通って、絶縁物
7及び絶縁物30の内壁54を旋回するように矢印55
の如く送入される。この旋回流形成孔53は、非移行型
トーチ1の中心軸に対して接線方向に設けられている。
【0098】次に外部陽極部2は、狭窄口を有する主陽
極保護外套14と、絶縁物7及び絶縁物30と同様な旋
回流ガス形成手段51を有する絶縁物15によって主陽
極13を囲み、同心をなすように構成されており、もう
一つの主第二外部陽極部41も同様、狭窄口を有する主
第二陽極保護外套46と、絶縁物7及び絶縁物30と同
様な旋回流ガス形成手段51を有する絶縁物47によっ
て主第二陽極45を囲み、同心をなすように構成されて
いる。
【0099】直流電源10は、その負端子が高周波点火
装置11を介して、主陰極5に接続されており、正端子
には、スイッチ手段12を介して、主陰極保護外套6
と、そしてスイッチ手段33を介して、補助外套29と
接続されており、非移行型トーチ1のプラズマ発生装置
を構成している。
【0100】続いて、直流電源10の正端子は、スイッ
チ手段18を介して、外部陽極部2の主陽極13へと接
続され、そして第二直流電源43は、その負端子が主陰
極5に接続されており、正端子には、スイッチ手段44
を介して、第二外部陽極部41と接続されている。そし
て、非移行型トーチ1と外部陽極部2及び第二外部陽極
部41には、すべて、或いはその内の二方にモーターや
シリンダー等の駆動により、変位を可変できる手段、す
なわち、非移行型トーチ変位可変装置3、外部陽極部変
位可変装置4を有している。これらが全体として、図1
9に示す如く移行型プラズマ発生装置を構成している。
【0101】トーチの起動は、以下に示すような順序で
行われる。まず、図19で、スイッチ手段12を閉じて
直流電源10と高周波点火装置11により、主陰極5と
主陰極保護外套6の狭窄口の間に主起動プラズマアーク
19を形成させ、これによって、主プラズマガス9が加
熱され、主陰極保護外套6の先端から導電性のプラズマ
が放出される。
【0102】この時、スイッチ手段33を閉じ、次いで
スイッチ手段12を開くと、既に形成されている主起動
プラズマアーク19の陽極点は、主陰極保護外套6の狭
窄口から補助外套29の狭窄口へと移行し、移行プラズ
マアーク34を形成させ、これによって、主第二プラズ
マガス32が加熱され、導電性のプラズマが非移行型ト
ーチ1の出口より放出される。
【0103】次に、非移行型トーチ1において、導電性
のプラズマを更に伸長させるために、直流電源10の電
流、主プラズマガス9の量、そして主第二プラズマガス
32の量を調節する。この時、外部陽極部2は、非移行
型トーチ1と同軸上で対向に配置されており、非移行型
トーチ1の狭窄口先端と外部陽極部2の狭窄口先端との
距離X1(0<X1<20)mmを保ち、第二外部陽極部4
1は、非移行型トーチ1の中心軸と交叉し、非移行型ト
ーチ1及び外部陽極部2と接触しないように配置されて
いる。
【0104】ここで、外部陽極部2と第二外部陽極部4
1は、同じ機能を有し、最初に、第二外部陽極部41を
外部陽極部2に変わって、非移行型トーチ1と同軸上で
対向に配置しても良いが、以下順序として外部陽極部2
を優先し、説明する。非移行型トーチ1から放出される
導電性のプラズマが外部陽極部2の狭窄口を貫く如く伸
長したと同時に、スイッチ手段18を閉じて、スイッチ
手段12を開くと、非移行型トーチ1から放出された導
電性のプラズマは、外部陽極部2の主陽極13の先端へ
と移行し、主プラズマアーク20を形成する。
【0105】その主プラズマアーク20の陰極点である
主陰極5と陽極点である主陽極13は、不活性ガスで確
実に保護されており、それらのガスは、電極点の周りに
強い旋回流を形成するように供給されているので、電極
点の移動もない。更に、主プラズマアーク20の周りの
旋回流ガスによって、サーマルピンチ効果を高め、主プ
ラズマアーク20の熱集中性、安定性を高めることがで
きるので、直流電源10からの入力電流と主プラズマガ
ス9の量、主第二プラズマガス32の量及び主陽極保護
ガス17の量は、広い範囲にわたり、任意の値に設定す
ることができる。
【0106】引き続いて、図20に示すように、非移行
型トーチ1と外部陽極部2は、それぞれの中心軸が交叉
するように、また、外部陽極部2と第二外部陽極部41
は、それぞれの中心軸が同軸上にかつ対向するように、
非移行型トーチ変位可変装置3と外部陽極部変位可変装
置4の両方、或いは第二外部陽極部変位可変装置42に
よって配置される。この時、主陰極5と主陽極13の間
の主プラズマアーク20は、図20に示すようなヘアピ
ンプラズマアーク21を形成する。
【0107】また、ヘアピンプラズマアーク21の先端
の方向性を外部陽極部2の中心軸と同軸方向に維持する
ために、主プラズマガス9及び主第二プラズマガス32
のガス量を減じ、主陽極保護ガス17のガス量を増す操
作を行う。一例として、主プラズマガス9のガス量を
0.5l/min、主第二プラズマガス32のガス量を1l/m
inとし、主陽極保護ガス17のガス量を10l/minと設
定すると、図20に示すように、ヘアピンプラズマアー
ク21の先端の進行方向を非移行型トーチ1の中心軸上
にほぼ保つことができる。
【0108】この時、主プラズマガス9は、主陰極5を
保護するために、不活性ガスを用い、主第二プラズマガ
ス32が混入しないように、予め主プラズマガス9の圧
力を主第二プラズマガス32の圧力よりも高く設定して
おく。また、主第二プラズマガス32を送入するチャン
バーは、電極をもたない状態であり、目的に応じて、不
活性ガスはむろんのこと活性な空気や酸素等のガス、そ
して複合ガスを使用することができる。
【0109】次に、直流電源10より、電流を増し、或
いは主プラズマガス9、主第二プラズマガス32、そし
て主陽極保護ガス17のそれぞれのガス量を制御するこ
とによって、ヘアピンプラズマアーク21の先端が同軸
上の第二外部陽極部41の主第二陽極保護外套46の狭
窄口を貫くように伸長させたところで、スイッチ手段4
4を閉じると、ヘアピンアーク21の先端は、主第二陽
極45の先端に移行し、第二直流電源43を通して電流
が流れる。この時、主第二陽極45の周りには、絶縁物
47に設けられた主第二陽極保護ガス送入口48より、
若干の主第二陽極保護ガス49ガスが流されている。
【0110】更に、この主プラズマアーク20を図21
に示すようなプラズマ溶射に適用する場合、第二外部陽
極部41を、非移行型トーチ可変装置3及び外部陽極部
可変装置4、或いは第二外部陽極部変位可変装置42に
よって外部陽極部2と同軸上にかつ対向して配置する。
この時、図21に示すようなトリプルプラズマアーク5
0を形成する。
【0111】また、トリプルプラズマアーク50の先端
方向が非移行型トーチ1の中心軸と同軸をなし、指向性
を維持するために、主陽極13の先端と主第二陽極45
の先端が非移行型トーチ1の中心軸に対称となるよう配
置するとともに、直流電源10及び第二直流電源43の
電流値と主陽極保護ガス17及び主第二陽極保護ガス4
9のガス量を同一の条件に設定する。
【0112】このことによって、主プラズマアークの指
向性は高められ、2個の主陽極13、主第二陽極45を
有することによって、それぞれの陽極に及ぼす電流負荷
は半減され、大出力、大容量が可能となる。こうした主
プラズマアーク20中に、溶射粉末材料送入管23より
高温で高いエンタルピーをもつ主プラズマアーク20中
へ送入された溶射粉末材料24は、直ちに高温に加熱さ
れて溶融し、溶射粒子25に示したようにプラズマフレ
ーム22に同伴されながら、あまり広がらないで基材2
8に向かって進行する。
【0113】この溶射粒子25を含むプラズマフレーム
22は、基材28の直前に設けられた圧縮空気等を用い
た基材冷却手段26によって、プラズマフレーム22が
基材28に与える熱負荷を減じ、その直後に溶融した溶
射粒子25は、基材28に衝突し、溶射皮膜27を形成
する。
【0114】しかし、溶射粉末材料24の物性、特に融
点や熱伝達(導)率によって、溶射粒子25の溶融や酸
化・還元等の状態は変わり、結果的に溶射皮膜27の特
性や溶射効率に大きく影響を及ぼす。よって、最適な溶
射皮膜27の特性や溶射効率を安定に保つために、溶射
粉末材料24の物性を考慮して、主プラズマアーク20
中の溶射粒子25の滞留時間を制御する。
【0115】その方法は、非移行型トーチ変位可変装置
3、或いは外部陽極部変位可変装置4及び第二外部陽極
部変位可変装置42を駆動させて、ヘアピンプラズマア
ーク21の先端方向のプラズマアーク長X3を変化さ
せ、溶射粉末材料24の物性に応じて、設定する。
【0116】例えば、溶射粉末材料24が高融点の場
合、低融点のものよりもプラズマアーク長X4を長くと
る。更には、溶射粉末材料24が酸化物の場合、不活性
ガスのみならず主第二プラズマガス32に活性な空気や
酸素等のガスを用いると有効である。プラズマアーク長
Y3に関しては、溶射粉末材料24の溶融にはほとんど
寄与しないので、できる限り短く設定し、プラズマフレ
ーム22の方向性を高めるために、主陽極保護ガス17
及び主第二陽極保護ガス49の量を抑える必要がある。
【0117】以上の説明においては、本発明によるプラ
ズマ発生装置をプラズマ溶射に適用する場合について説
明したが、本発明は、これ以外に金属やセラミックスの
切断・接合、フロンの分解、人工ダイヤモンドの合成、
微粒子の発生や焼結等の物質の加工、そして発生する活
性イオン・原子等を利用する表面改質等の表面処理等に
その特性を活かして有効に利用できる。
【0118】上記実施例は移行型プラズマ発生装置につ
いて説明したが、主トーチと副トーチを備えた従来の複
合型プラズマ発生装置においてもこの発明を用いること
ができる。即ち、主トーチと副トーチの間隔を調整する
水平移動手段を設け、プラズマフレームの長さや形状を
調整するようにすることである。
【0119】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、一
個の非移行型プラズマ発生トーチ内で発生したプラズマ
を外部陽極部の外部陽極へ移行させ、該プラズマを外部
へ安定に引き出し、そのプラズマ中へ直接、溶射粉末材
料を送入すことができる。そのため、溶射粉末材料を十
分に溶融することができるので、高い溶射効率で優れた
溶射皮膜特性が得られるとともに、プラズマガスとし
て、安価な空気等が使用できるため、運転費を大幅に削
減することがきる。
【0120】本発明と同様な特徴をもつ複合トーチ型プ
ラズマ溶射装置と比べると、複数のトーチ及び電源を必
ずしも必要とせず、トーチの構造は簡略化され、更に
は、非移行型トーチ及び外部陽極部を構成しているプラ
ズマガス供給手段を有する絶縁物と狭窄口を有する外套
を、同径・同軸かつ一部に互換性をもたせる設計するこ
とで、製作費は大幅に削減することができたし、操作性
もかなり向上する。
【0121】一個の非移行型プラズマ発生トーチと不活
性ガスで保護された陽極部の両方、或いはどちらか一方
にモーターやシリンダー等の駆動により、変位を可変で
きる手段を設けることによって、陰極から外部陽極間の
プラズマの長さ(電位差)とプラズマの形状を任意に設
定できる。そのため、溶射においては、プラズマの中へ
直接、溶射材料を供給する際、溶射材料の特性に応じ
て、最適な加熱と加速を与えるために溶射粒子の滞留時
間を制御できるので、特にZrO2等の高融点材料につ
いては、在来の非移行型プラズマ溶射装置ではなしえな
かった高い溶射効率で優れた溶射皮膜特性が得られる。
【0122】本発明によるプラズマ発生装置は、陰極点
及び陽極点は、旋回流を形成する不活性ガスによって確
実に保護され、固定されている。そしてそれぞれの電極
の損耗は、特に入力電流の増加とともに著しくなるが、
プラズマを伸長させることによって、在来の非移行型プ
ラズマ発生装置に比べて、電位差が大きくなり高電圧・
低電流特性となり極めて少ない。以上より、プラズマガ
ス量の増減、ガスの種類のみならず数kWの出力から数
百kWの出力まで任意に可変できるので、プラズマの温
度と速度を広い範囲にわたって制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の他の状態を示す図である。
【図3】図1の更に他の状態を示す図である。
【図4】図1のI-I線断面図である。
【図5】変位可変装置を示す平面図である。
【図6】変位可変装置の側面図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す縦断面図であり、図
1に対応する図である。
【図8】図7の他の状態を示す図である。
【図9】図7の更に他の状態を示す図である。
【図10】図7のII-II線断面図である。
【図11】本発明の第3実施例を示す縦断面図であり、
図1に対応する図である。
【図12】図11の他の状態を示す図である。
【図13】図11の更に他の状態を示す図である。
【図14】図11のIII-III線断面図である。
【図15】本発明の第4実施例を示す縦断面図であり、
図1に対応する図である。
【図16】図15の他の状態を示す図である。
【図17】図15の更に他の状態を示す図である。
【図18】図15のIV-IV線断面図である。
【図19】本発明の第5施例を示す縦断面図であり、図
1に対応する図である。
【図20】図19の他の状態を示す図である。
【図21】図19の更に他の状態を示す図である。
【図22】図19のV-V線断面図である。
【図23】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 非移行型トーチ 2 外部陽極部 3 非移行型トーチ変位可変装置 4 外部陽極部変位可変装置 5 主陰極 6 主陰極保護外套 10 直流電源(主電源) 13 主陽極 19 起動プラズマアーク 20 主プラズマアーク 21 ヘアピンプラズマアーク 22 プラズマフレーム 41 第二外部陽極部 42 第二外部陽極部変位可変装置 43 第二直流電源 45 主第二陽極 50 トリプルプラズマアーク 51 旋回流ガス形成手段 52 ガス環状室 53 旋回流形成孔

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極と陽極を有する非移行型プラズマ発生
    トーチと、該トーチ内で発生したプラズマを外部に移行
    させる陽極を有する外部陽極部と、を備えた移行型プラ
    ズマ発生装置であって;前記トーチと外部陽極部を互い
    の軸心を交差させながら相対的に回動せしめる回動変位
    手段を備えていることを特徴とする移行型プラズマ発生
    装置。
  2. 【請求項2】陰極と陽極を有する非移行型プラズマ発生
    トーチと、該トーチ内で発生したプラズマを外部に移行
    させる陽極を有する外部陽極部と、を備えた移行型プラ
    ズマ発生装置であって;前記トーチと外部陽極部との間
    隔を調整する水平移動手段を備えていることを特徴とす
    る移行型プラズマ発生装置。
  3. 【請求項3】陰極と陽極を有する非移行型プラズマ発生
    トーチと、該トーチ内で発生したプラズマを外部に移行
    させる陽極を有する外部陽極部と、を備えた移行型プラ
    ズマ発生装置であって;前記トーチと外部陽極部を互い
    の軸心を交差させながら相対的に回動せしめる回動変位
    手段と、 前記トーチと外部陽極部との間隔を調整する水平移動手
    段とを備えていることを特徴とする移行型プラズマ発生
    装置。
  4. 【請求項4】外部陽極部が、外部陽極の周りを不活ガス
    で保護する外套を有することを特徴とする請求項1、
    2、又は、3記載の移行型プラズマ発生装置。
  5. 【請求項5】外部陽極部が、外部陽極のアーク柱の周り
    に対して接線方向に向けてプラズマガスを供給する旋回
    流形成孔を備えていることを特徴とする請求項1、2、
    又は、3記載の移行型プラズマ発生装置。
  6. 【請求項6】外部陽極部が、複数個配設されていること
    を特徴とする請求項1、2、又は、3記載の移行型プラ
    ズマ発生装置。
  7. 【請求項7】回動変位手段が、前記非移行型プラズマ発
    生トーチと前記外部陽極部とを互いの軸心が同一直線上
    に位置する水平状態と、互いの軸心が直交する垂直状態
    状に変位せしめることを特徴とする請求項1、又は、3
    記載の移行型プラズマ発生装置。
  8. 【請求項8】回動変位手段が、前記非移行型プラズマ発
    生トーチ、又は、前記外部陽極部のいずれか一方に設け
    られていることを特徴とする請求項1、又は、3記載の
    移行型プラズマ発生装置。
  9. 【請求項9】回動変位手段が、前記非移行型プラズマ発
    生トーチ及び前記外部陽極部に設けられていることを特
    徴とする請求項1、又は、3記載の移行型プラズマ発生
    装置。
  10. 【請求項10】水平移動手段が、前記非移行型プラズマ
    発生トーチ、又は、前記外部陽極部のいずれか一方に設
    けられていることを特徴とする請求項2、又は、3記載
    の移行型プラズマ発生装置。
  11. 【請求項11】水平移動手段が、前記非移行型プラズマ
    発生トーチ及び前記外部陽極部に設けられていることを
    特徴とする請求項2、又は、3記載の移行型プラズマ発
    生装置。
  12. 【請求項12】前記移行型プラズマ発生トーチが、その
    陰極の周りに不活性なプラズマガスを供給する手段を有
    するチャンバと、該チャンバの狭窄口の出口に更に不活
    性或いは活性なプラズマガスを供給する手段を有する1
    個以上のチャンバと、を連設していることを特徴とする
    請求項1、2、又は、3記載の移行型プラズマ発生装
    置。
  13. 【請求項13】非移行型プラズマ発生トーチが、同径・
    同軸のプラズマガス供給手段を有する絶縁物と狭窄口を
    有する外套を1組以上直列的に備えていることを特徴と
    する請求項1、2、又は、3項記載の移行型プラズマ発
    生装置。
  14. 【請求項14】非移行型プラズマ発生トーチと外部陽極
    部とが1個の電源に接続されていることを特徴とする請
    求項1、2、又は、3記載の移行型プラズマ発生装置。
  15. 【請求項15】陰極と陽極を有する非移行型プラズマト
    ーチ内で発生したプラズマを外部陽極部の陽極に移行さ
    せてプラズマを外部に安定に引き出す移行型プラズマ発
    生方法であって;前記トーチと前記外部陽極部とを対向
    させ前記トーチ内で発生したプラズマを前記外部陽極部
    の陽極に移行させる行程と;前記トーチと前記外部陽極
    部とを相対的に回動させ、両者の軸心を交差させてヘア
    ピンアークを形成する行程と;を備えていることを特徴
    とする移行型プラズマ発生方法。
  16. 【請求項16】陰極と陽極を有する非移行型プラズマト
    ーチ内で発生したプラズマを外部陽極部の陽極に移行さ
    せてプラズマを外部に安定に引き出す移行型プラズマ発
    生方法であって;前記トーチと前記外部陽極部とを対向
    させ前記トーチ内で発生したプラズマを前記外部陽極部
    の陽極に移行させる行程と;前記トーチと前記外部陽極
    部とを相対的に回動させ、両者の軸心を交差せしめてヘ
    アピンアークを形成する行程と;前記トーチと第2外部
    陽極部とを対向させ前記ヘアピンアークを該第2外部陽
    極部の陽極に移行させる行程と;該第2外部陽極部を回
    動させ、その軸心を前記トーチの軸心と交差させしめて
    トリプルプラズマアークを形成する行程と;を備えてい
    ることを特徴とする移行型プラズマ発生方法。
  17. 【請求項17】陰極と陽極を有する非移行型プラズマト
    ーチ内で発生したプラズマを外部陽極部の陽極に移行さ
    せてプラズマを外部に安定に引き出す移行型プラズマ発
    生方法であって;前記トーチと前記外部陽極部を同一直
    線上で対向させるとともに、第2外部陽極部を前記トー
    チの軸心に直交するように配設する行程と;前記トーチ
    内で発生したプラズマを前記外部陽極部の陽極に移行さ
    せる行程と;前記外部陽極部を回動させてその軸心を前
    記第2外部陽極部の軸心と同一直線上に位置させると共
    に、前記トーチの軸心と直交させてヘアピンアークを形
    成する行程と;前記ヘアピンアークを第2外部陽極部の
    陽極に移行させトリプルプラズマアークを形成する行程
    と;を備えていることを特徴とする移行型プラズマ発生
    方法。
  18. 【請求項18】外部陽極部と第2外部陽極部が、前記ト
    ーチの軸に関し軸対称に配設されていること特徴とする
    請求項16、又は、17記載の移行型プラズマ発生方
    法。
  19. 【請求項19】陰極と陽極を有する非移行型プラズマ発
    生トーチ内で発生したプラズマを外部陽極部の陽極に移
    行させプラズマを外部に安定に引き出すプラズマ発生方
    法であって;前記トーチと外部陽極部とを相対的に移動
    せしめてプラズマの長さと形状を調整する行程を備えて
    いることを特徴とする移行型プラズマ発生方法。
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