JPH0810187A - 洋式便器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高齢者、身障者等の筋力が衰えた人であつ
て、便座に座り又は便座から立ち上がる動作に負担を感
じる人に対し、排泄行動を支援し自立を促す洋式便器の
提供。 【構成】 床１に設置する便器本体３と、上下方向の揺
動自在として、座つた状態での前部が揺動自在に支持さ
れ、下降揺動した際に便器本体３上に位置する便座４
と、該便座４を昇降揺動させる駆動装置８とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洋式便器に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来のトイレの洋式便器と
して、Ｕ形又はＯ形の便座を付属するものが知られてい
る。この種の洋式便器では、便座に座つた状態での便器
本体の後部に便座が揺動自在に支持され、用を足す際に
手動で揺動させている。一方、高齢者や身障者であつ
て、便座に座り、又は便座から立ち上がる動作に負担を
感じる人がいる。このような筋力が衰えた人に対し、排
泄行動を支援し自立を促すことは、生活上の自立を広く
促す基礎として重要な課題となつている。

【０００３】しかしながら、従来の洋式便器にあつて
は、便座が、座つた状態での便器本体の後部に単に揺動
自在に支持される構造であるため、用を足す際に自ら手
動で揺動させて便器本体上に位置させる必要があるのみ
ならず、便器本体上に載置される便座上に自力で座り、
用済み後に自力で立ち上がる必要がある。このため、筋
力が衰えた人に対しては、トイレ内での特に立ち上がり
動作を介助しなければならず、自立の妨げとなつてい
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたもので、その構成は次
の通りである。請求項１の発明の構成は、床１に設置す
る便器本体３と、上下方向の揺動自在として、座つた状
態での前部が揺動自在に支持され、下降揺動した際に便
器本体３上に位置する便座４と、該便座４を昇降揺動さ
せる駆動装置８とを備えることを特徴とする洋式便器で
ある。請求項２の発明の構成は、駆動装置８が、シリン
ダ８２内にピストン８３が摺動自在に嵌合し、圧力室８
７を区画するシリンダ装置８０と、圧力室８７に接続さ
れ、加熱手段１０及び冷却手段１１を付属し、かつ、水
素貯蔵合金を内蔵する水素貯蔵合金アクチュエータ１３
とを備え、該ピストン８３のストロークによつて便座４
を揺動させることを特徴とする請求項１の洋式便器であ
る。請求項３の発明の構成は、駆動装置８が、シリンダ
８２内にピストン８３が摺動自在に嵌合し、該ピストン
８３の両側にそれぞれ圧力室８６，８７を区画するシリ
ンダ装置８０と、各圧力室８６，８７にそれぞれ接続さ
れ、加熱手段１０及び冷却手段１１を付属し、かつ、水
素貯蔵合金を内蔵する水素貯蔵合金アクチュエータ１３
とを備え、該ピストン８３のストロークによつて便座４
を揺動させることを特徴とする請求項１の洋式便器であ
る。請求項４の発明の構成は、冷却手段１１が、便器本
体３に流出する前の流出水を配管２５に通じて構成さ
れ、冷却手段１１によつて水素貯蔵合金アクチュエータ
１３を冷却することにより、便座４が上昇揺動されるこ
とを特徴とする請求項２又は３の洋式便器である。請求
項５の発明の構成は、ピストン８３に連結するピストン
ロッド８５が、便座４に揺動自在にピン１５によつて結
合されていることを特徴とする請求項２，３又は４の洋
式便器である。請求項６の発明の構成は、圧力室８６，
８７と水素貯蔵合金アクチュエータ１３との間に水素−
液圧コンバーター１７，１８が介在され、該水素−液圧
コンバーター１７，１８は、作動液Ａを収容する下部が
シリンダ装置８０の圧力室８６，８７に接続され、水素
ガスを収容する上部が水素貯蔵合金アクチュエータ１３
に接続されていることを特徴とする請求項２，３，４又
は５の洋式便器である。

【０００５】

【作用】請求項１の発明によれば、座つた状態での前部
が揺動自在に支持される便座４を、駆動装置８によつて
上昇揺動させ、この便座４上に中腰の状態で腰を下ろ
す。その後、便座４を駆動装置８によつて下降揺動さ
せ、便器本体３上に位置させる。排泄が終わつたなら、
便座４上に腰を下ろしたままで便座４を駆動装置８によ
つて上昇揺動させ、中腰の状態となつた後に便座４から
立ち上がる。このように、中腰の状態の状態で便座４上
に座る動作及び立ち上がる動作ができるので、他人によ
る介助が不要であり、高齢者、身障者等の筋力が衰えた
人に対し、排泄行動を支援し自立を促すことができる。

【０００６】請求項２の発明によれば、水素貯蔵合金ア
クチュエータ１３を加熱手段１０によつて加熱し、水素
ガスを放出させてシリンダ装置８０のピストン８３の上
下いずれかの側に形成した圧力室８７の圧力を上昇させ
れば、ピストン８３がストロークする。これにより、便
座４を上昇又は下降揺動させることができる。また、水
素貯蔵合金アクチュエータ１３を冷却手段１１によつて
冷却し、水素ガスを水素貯蔵合金に吸蔵させれば、圧力
室８７内が減圧されてピストン８３がストロークする。
これにより、便座４を下降又は上昇揺動させることがで
きる。

【０００７】請求項３の発明によれば、一方の水素貯蔵
合金アクチュエータ１３を加熱手段１０によつて加熱
し、水素ガスを放出させてシリンダ装置８０の一方の圧
力室８６又は８７の圧力を上昇させ、また、他方の水素
貯蔵合金アクチュエータ１３を冷却手段１１によつて冷
却し、水素ガスを水素貯蔵合金に吸蔵させ、他方の圧力
室８７又は８６内を減圧させれば、ピストン８３がスト
ロークする。これにより、便座４を上昇又は下降揺動さ
せることができる。

【０００８】請求項４の発明によれば、冷却手段１１
が、便器本体３に流出する前の流出水を配管２５に通じ
て構成されるので、排泄を終わつて便器本体３に水を流
すことにより、水素貯蔵合金アクチュエータ１３が冷却
される。これにより、ピストン８３がストロークするの
で、便座４を上昇揺動させることができる。

【０００９】請求項５の発明によれば、ピストン８３に
連結するピストンロッド８５が、便座４に揺動自在にピ
ン１５によつて結合されているので、ピストン８３のス
トロークにより、便座４を直接的に下降又は上昇揺動さ
せることができる。

【００１０】請求項６の発明によれば、水素貯蔵合金ア
クチュエータ１３から放出される水素ガスが水素−液圧
コンバーター１７，１８に供給され、水素−液圧コンバ
ーター１７，１８内の作動液Ａがシリンダ装置８０の圧
力室８６，８７に供給される。かくして、水素ガスの漏
れが良好に防止されながら、便座４が昇降揺動される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１は本発明の第１実施例を示す。図中に
おいて符号１はトイレの床を示す。床１には、便器本体
３及び便座４を備える便器２が設置されている。この便
座４は、便座４に座つた状態での便器本体３の前部上端
付近に、ピン５によつて揺動自在に支持されている。具
体的には、床１に支持部材６を固設し、支持部材６の上
端部に便座４の前部をピン５によつて上下方向の揺動自
在に支持してある。なお、ピン５を便器本体３に支持
し、支持部材６を省略することもできる。

【００１２】そして、便座４をピン５を中心として上下
方向に揺動駆動する駆動装置８を設ける。駆動装置８
は、シリンダ装置８０と、加熱手段１０及び冷却手段１
１を付属する水素貯蔵合金アクチュエータ１３とを備え
る。シリンダ装置８０は、床１に固設した受け部材８１
に前後方向の揺動自在にピン８１ａにて結合されるシリ
ンダ８２と、シリンダ８２内に摺動自在に嵌合するピス
トン８３と、下端部がピストン８３に固着され、シリン
ダ８２の開口端を覆うロッドカバー８９を液密を保持し
て摺動自在に貫通し、上端部が外部に突出するピストン
ロッド８５とを有し、シリンダ８２とロッドカバー８９
との間に圧力室８７を区画すると共に、ピストンロッド
８５の上端部が便座４の側部にピン１５によつて揺動自
在に結合されている。このピストン８３は、シリンダ８
２の底部との間に圧縮して介在させた復帰スプリング８
８により、常時、上方に向けて弾性的に付勢されてい
る。８２ａは、シリンダ８２の下端部に形成した空気抜
き用の通孔である。シリンダ８２の下端部を受け部材８
１に揺動自在にピン結合したことにより、ピストン８３
が上下動して便座４がピン５を中心として上下揺動する
際、シリンダ装置８０が前後方向に若干揺動する。この
ようなシリンダ装置８０は、便座４の左右両側にそれぞ
れ配置されている。

【００１３】水素貯蔵合金アクチュエータ１３は、密閉
容器の内部に、水素を吸排する水素貯蔵合金を収容して
構成され、シリンダ装置８０の圧力室８７は、水素−液
圧コンバーター１７を介して水素貯蔵合金アクチュエー
タ１３に接続されている。すなわち、水素−液圧コンバ
ーター１７は、作動液Ａを収容する下部が配管３０を介
してシリンダ装置８０の圧力室８７に接続され、また、
水素ガスを収容する上部が配管３１を介して水素貯蔵合
金アクチュエータ１３に接続されている。作動液Ａとし
ては、水素にて硬化等の変質を受けないものが望まし
く、例えばシリコンオイルである。

【００１４】水素貯蔵合金アクチュエータ１３に付属す
る加熱手段１０は、電気ヒータ２０で構成され、電気ヒ
ータ２０には電源２１及び一対のスイッチ２２，２３が
接続されている。一方のスイッチ２２は、手動スイッチ
であり、ＯＮ作動によつて電気ヒータ２０が昇温し、水
素貯蔵合金アクチュエータ１３内の水素貯蔵合金が加熱
される。このスイッチ２２は、トイレの前壁に設けた把
手３７に付属させ、把手３７を把持しながらＯＮ・ＯＦ
Ｆ操作できるように配置する。他方のスイッチ２３は、
一方のスイッチ２２と並列接続される圧力スイッチであ
り、便座４に支持されるピン１５に所定圧力以上が作用
する状態、つまり便座４に体重が作用する状態でＯＮ作
動し、電気ヒータ２０が昇温し、水素貯蔵合金アクチュ
エータ１３内の水素貯蔵合金が加熱される。なお、他方
のスイッチ２３には、常閉の手動スイッチ２３ａが後記
する弁２７の付近に位置させて直列に接続されている。
一対のスイッチ２２，２３は、いずれか一方のみとする
こともできる。

【００１５】水素貯蔵合金アクチュエータ１３に付属す
る冷却手段１１は、便器本体３に流出する前の流出水が
流通する配管２５で構成され、フラッシュ弁からなる弁
２７の操作によつて水槽２６からの水が配管２５を通じ
て便器本体３に流出することにより、汚物が流されると
同時に、水素貯蔵合金アクチュエータ１３内の水素貯蔵
合金が水冷される。

【００１６】次に、第１実施例の作用について説明す
る。当初、便座４は図１に示すように上昇揺動させてお
く。このために、必要に応じて弁２７の操作によつて水
槽２６からの水を配管２５を通じて便器本体３に流出さ
せ、水素貯蔵合金アクチュエータ１３内の水素貯蔵合金
を冷却する。水素貯蔵合金の冷却により、水素−液圧コ
ンバーター１７内の水素ガスが配管３１を通つて水素貯
蔵合金アクチュエータ１３に吸蔵され、圧力室８７内の
作動液Ａが水素−液圧コンバーター１７内に還流する。
かくして、ピストン８３及びピストンロッド８５が、復
帰スプリング８８の弾発力をも受けつつ上昇し、ピン１
５を介して便座４が押し上げられるので、便座４が前端
のピン５を支点として上昇揺動する。

【００１７】この状態で、把手３７を把持しながら便座
４上に腰を下ろす。筋力が衰えた高齢者や身障者であつ
ても、完全な座姿勢を採る前に中腰の状態で腰が便座４
によつて支持されるので、容易に便座４上に腰を下ろす
ことができる。水素−液圧コンバーター１７内の水素ガ
スが緩衝作用を発揮するので、便座４は弾性的に支持さ
れた状態にある。便座４上に体重を掛ければ、圧力スイ
ッチであるスイッチ２３がＯＮ作動し、電気ヒータ２０
が昇温し、水素貯蔵合金アクチュエータ１３内の水素貯
蔵合金が加熱され、水素ガスが放出される。放出された
水素ガスは、配管３１を通つて水素−液圧コンバーター
１７内に入り、押し出された作動液Ａが圧力室８７に入
り、復帰スプリング８８の弾発力に抗してピストン８３
を押し下げる。これにより、便座４がピン５を支点とし
て次第に下降揺動し、便座４が便器本体３上に載置され
る。ピストン８３のストロークに伴つて、シリンダ８２
及びピストンロッド８５が一体に、ピン８１ａを支点と
して若干揺動する。把手３７を把持しながらスイッチ２
２を操作し、便座４を下降揺動させることもできる。

【００１８】排泄が済んだなら、弁２７の操作によつて
水槽２６からの水を配管２５を通じて便器本体３に流出
させ、汚物を流せば、水素貯蔵合金アクチュエータ１３
内の水素貯蔵合金が冷却される。同時に、常閉の手動ス
イッチ２３ａを開き作動させ、電気ヒータ２０をＯＦＦ
する。これにより、水素−液圧コンバーター１７内の水
素ガスが配管３１を通つて水素貯蔵合金アクチュエータ
１３に吸蔵され、圧力室８７内の作動液Ａが水素−液圧
コンバーター１７内に還流し、ピストン８３及びピスト
ンロッド８５が復帰スプリング８８の作用も受けつつ上
昇する。ピストン８３及びピストンロッド８５の上昇に
より、便座４がピン１５を介して押し上げられるので、
便座４がピン５を支点として上昇揺動する。かくして、
腰が便座４によつて押し上げられて中腰の姿勢となり、
座姿勢からの立ち上がりが支援されるので、狭い場所で
容易に立ち上がることができる。把手３７を把持すれ
ば、立ち上がる動作が更に容易になる。立ち上がり後に
は、手動スイッチ２３ａを閉じ作動させる。

【００１９】図２，図３には、本発明の第２実施例を示
し、第１実施例と実質的に同一の部分には同一符号を付
してある。本実施例にあつては、駆動装置８が、復動式
のシリンダ装置８０と一対の水素貯蔵合金アクチュエー
タ１３とを備える。シリンダ装置８０は、シリンダ８２
内に摺動自在に嵌合するピストン８３の両側に、圧力室
８６，８７がそれぞれ区画されている。下側の圧力室８
６は、シリンダ８２の底部側とピストン８３とで区画さ
れ、配管３２を介して一方の水素−液圧コンバーター１
８の下部に接続されている。従つて、シリンダ８２に空
気抜き用の通孔８２ａは形成されていない。また、上側
の圧力室８７は、シリンダ８２の上部側、ロッドカバー
８９及びピストン８３によつて区画され、配管３０を介
して他方の水素−液圧コンバーター１７の下部に接続さ
れている。

【００２０】一方、水素貯蔵合金アクチュエータ１３
は、図３に示すように密閉容器１３ａの内部に、水素を
吸排する水素貯蔵合金Ｂをペルチェ素子からなる加熱・
冷却手段４１によつて挟んだ状態で設置して構成され
る。１３ｂは各配管３１，３３を介して各水素−液圧コ
ンバーター１７，１８に接続される水素出入り口、１３
ｃは冷却用のフインである。また、直流の電源４２と加
熱・冷却手段４１との間には、極性を切換え可能なスイ
ッチ２４が介在している。スイッチ２４は、把手３７に
付属させて設けられ、把手３７を把持しながらスイッチ
２４の切換え操作が可能である。

【００２１】この加熱・冷却手段４１によれば、スイッ
チ２４の切り換え操作により、直流の電源４２から加熱
・冷却手段４１に正逆の電流を供給して、水素貯蔵合金
Ｂを冷却又は加熱して、水素ガスを吸収又は放出させる
ことができる。具体的には、図２においてスイッチ２４
をａ位置に切り換えて、一方の水素貯蔵合金アクチュエ
ータ１３の加熱・冷却手段４１を加熱して水素貯蔵合金
Ｂから水素ガスを放出させ、他方の水素貯蔵合金アクチ
ュエータ１３の加熱・冷却手段４１を冷却して水素貯蔵
合金Ｂに水素ガスを吸収させる。

【００２２】また、スイッチ２４をｂ位置に切り換え
て、両水素貯蔵合金アクチュエータ１３の加熱・冷却手
段４１への電流供給を遮断する。更に、スイッチ２４を
ｃ位置に切り換えて、一方の水素貯蔵合金アクチュエー
タ１３の加熱・冷却手段４１を冷却して水素貯蔵合金Ｂ
に水素ガスを吸収させ、他方の水素貯蔵合金アクチュエ
ータ１３の加熱・冷却手段４１を加熱して水素貯蔵合金
Ｂから水素ガスを放出させる。

【００２３】しかして、便座４上に腰を降ろす前に把手
３７を把持しながらスイッチ２４をａ位置に切り換え
て、一方の水素貯蔵合金アクチュエータ１３の加熱・冷
却手段４１を加熱して水素貯蔵合金Ｂから水素ガスを放
出させ、他方の水素貯蔵合金アクチュエータ１３の加熱
・冷却手段４１を冷却して水素貯蔵合金Ｂに水素ガスを
吸収させれば、一方の水素−液圧コンバーター１８内の
作動液Ａが下側の圧力室８６内に流入し、同時に他方の
水素−液圧コンバーター１７内の作動液Ａが上側の圧力
室８７から流出し、ピストン８３及びピストンロッド８
５が確実に上昇する。これにより、図２に示すように便
座４がピン５を中心として確実に上昇揺動するので、筋
力が衰えた高齢者や身障者であつても、容易に便座４上
に腰を下ろすことができる。

【００２４】次いで、スイッチ２４をｃ位置に切り換え
れば、一方の水素貯蔵合金アクチュエータ１３の加熱・
冷却手段４１が冷却されて水素貯蔵合金Ｂに水素ガスが
吸収され、下側の圧力室８６内の作動液Ａが一方の水素
−液圧コンバーター１８内に還流し、同時に他方の水素
貯蔵合金アクチュエータ１３の加熱・冷却手段４１が加
熱されて水素貯蔵合金Ｂから水素ガスが放出され、上側
の圧力室８７内に他方の水素−液圧コンバーター１７内
の作動液Ａが供給されるので、ピストン８３及びピスト
ンロッド８５が確実に下降する。これにより、便座４が
次第に下降揺動し、便器本体３上に確実に載置される。

【００２５】排泄が済み、スイッチ２４をａ位置に切り
換えれば、一方の水素貯蔵合金アクチュエータ１３内の
水素貯蔵合金が加熱され、一方の水素−液圧コンバータ
ー１８内の作動液Ａが下側の圧力室８６内に流入し、同
時に他方の水素貯蔵合金アクチュエータ１３内の水素貯
蔵合金が冷却され、上側の圧力室８７内の作動液Ａが他
方の水素−液圧コンバーター１７内に還流する。これに
より、便座４にピン５を支点とする上昇揺動が確実に与
えられ、腰が便座４によつて押し上げられて中腰となる
ので、座位置からの立ち上がりが確実に支援される。こ
のようにして、便座４上への着座及び立ち上がり動作の
支援に関し、第１実施例と実質的に同様の作用を得るこ
とができる。

【００２６】

【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明によれば、下記の効果が得られる。 （１）高齢者、身障者等の筋力が衰えた人であつて、便
座に座り又は便座から立ち上がる動作に負担を感じる人
が、他人による介助を要することなく、特に筋力を必要
とする立ち上がる動作が可能になる。その結果、排泄行
動を支援し自立を促すことになり、生活上の自立を広く
促すことにつながる。

【００２７】（２）駆動装置として水素貯蔵合金アクチ
ュエータを使用すれば、軽量かつコンパクトに構成さ
れ、設置や移動も容易である。加えて、騒音がなく、静
粛に作動するので、周囲の人に不快感を与えず、気兼ね
なく使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１実施例に係る洋式便器を一部断
面で示す図。

【図２】 本発明の第２実施例に係る洋式便器を一部断
面で示す図。

【図３】 同じく水素貯蔵合金アクチュエータを示す断
面図。

【符号の説明】

１：床、３：便器本体、４：便座、８：駆動装置、１
０：加熱手段、１１：冷却手段、１３：水素貯蔵合金ア
クチュエータ、１５：ピン、１７，１８：水素−液圧コ
ンバーター、２５：配管、８０：シリンダ装置、８２：
シリンダ、８３：ピストン、８５：ピストンロッド、８
６，８７：圧力室、Ａ：作動液、Ｂ：水素貯蔵合金。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床（１）に設置する便器本体（３）と、
   上下方向の揺動自在として、座つた状態での前部が揺動
   自在に支持され、下降揺動した際に便器本体（３）上に
   位置する便座（４）と、該便座（４）を昇降揺動させる
   駆動装置（８）とを備えることを特徴とする洋式便器。
2. 【請求項２】 駆動装置（８）が、シリンダ（８２）内
   にピストン（８３）が摺動自在に嵌合し、圧力室（８
   ７）を区画するシリンダ装置（８０）と、圧力室（８
   ７）に接続され、加熱手段（１０）及び冷却手段（１
   １）を付属し、かつ、水素貯蔵合金を内蔵する水素貯蔵
   合金アクチュエータ（１３）とを備え、該ピストン（８
   ３）のストロークによつて便座（４）を揺動させること
   を特徴とする請求項１の洋式便器。
3. 【請求項３】 駆動装置（８）が、シリンダ（８２）内
   にピストン（８３）が摺動自在に嵌合し、該ピストン
   （８３）の両側にそれぞれ圧力室（８６，８７）を区画
   するシリンダ装置（８０）と、各圧力室（８６，８７）
   にそれぞれ接続され、加熱手段（１０）及び冷却手段
   （１１）を付属し、かつ、水素貯蔵合金を内蔵する水素
   貯蔵合金アクチュエータ（１３）とを備え、該ピストン
   （８３）のストロークによつて便座（４）を揺動させる
   ことを特徴とする請求項１の洋式便器。
4. 【請求項４】 冷却手段（１１）が、便器本体（３）に
   流出する前の流出水を配管（２５）に通じて構成され、
   冷却手段（１１）によつて水素貯蔵合金アクチュエータ
   （１３）を冷却することにより、便座（４）が上昇揺動
   されることを特徴とする請求項２又は３の洋式便器。
5. 【請求項５】 ピストン（８３）に連結するピストンロ
   ッド（８５）が、便座（４）に揺動自在にピン（１５）
   によつて結合されていることを特徴とする請求項２，３
   又は４の洋式便器。
6. 【請求項６】 圧力室（８６，８７）と水素貯蔵合金ア
   クチュエータ（１３）との間に水素−液圧コンバーター
   （１７，１８）が介在され、該水素−液圧コンバーター
   （１７，１８）は、作動液（Ａ）を収容する下部がシリ
   ンダ装置（８０）の圧力室（８６，８７）に接続され、
   水素ガスを収容する上部が水素貯蔵合金アクチュエータ
   （１３）に接続されていることを特徴とする請求項２，
   ３，４又は５の洋式便器。