JPH08100699A - アルミ合金製シリンダヘッドの局部強化方法 - Google Patents
アルミ合金製シリンダヘッドの局部強化方法Info
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- JPH08100699A JPH08100699A JP23723594A JP23723594A JPH08100699A JP H08100699 A JPH08100699 A JP H08100699A JP 23723594 A JP23723594 A JP 23723594A JP 23723594 A JP23723594 A JP 23723594A JP H08100699 A JPH08100699 A JP H08100699A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は特にホットプラグ孔周囲から
の亀裂の発生を未然に防止すると共に、その加工が容易
に行える新規なアルミ合金製シリンダヘッドの局部強化
方法を提供することにある。 【構成】 本発明はホットプラグ孔2を有するアルミ合
金製シリンダヘッドの局部強化方法において、上記ホッ
トプラグ孔2が形成される周縁の亀裂が発生しやすい部
位に、予め肉盛り開先孔12を形成し、この肉盛り開先
孔12に耐熱金属を肉盛りしてプラグ溶接した後、上記
ホットプラグ孔2の周面を削り出してホットプラグ1を
挿着することを特徴としている。
の亀裂の発生を未然に防止すると共に、その加工が容易
に行える新規なアルミ合金製シリンダヘッドの局部強化
方法を提供することにある。 【構成】 本発明はホットプラグ孔2を有するアルミ合
金製シリンダヘッドの局部強化方法において、上記ホッ
トプラグ孔2が形成される周縁の亀裂が発生しやすい部
位に、予め肉盛り開先孔12を形成し、この肉盛り開先
孔12に耐熱金属を肉盛りしてプラグ溶接した後、上記
ホットプラグ孔2の周面を削り出してホットプラグ1を
挿着することを特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジン等の
内燃機関のアルミ合金製シリンダヘッドの局部強化方法
に関するものである。
内燃機関のアルミ合金製シリンダヘッドの局部強化方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディーゼルエンジン等の内燃機関
のシリンダヘッドは従来のねずみ鋳鉄や合金鋳鉄に代
り、比較的軽量で、かつ熱伝導性、冷却性能等に優れた
アルミ軽合金が主流となりつつあるが、このようなアル
ミ軽合金製のシリンダヘッドでは、近年のエンジン高出
力化に伴う温度上昇による熱負荷の増大に対する耐熱強
度が乏しいことから、大きな熱負荷が掛かる部分を局部
的に強化する方法が採られている。
のシリンダヘッドは従来のねずみ鋳鉄や合金鋳鉄に代
り、比較的軽量で、かつ熱伝導性、冷却性能等に優れた
アルミ軽合金が主流となりつつあるが、このようなアル
ミ軽合金製のシリンダヘッドでは、近年のエンジン高出
力化に伴う温度上昇による熱負荷の増大に対する耐熱強
度が乏しいことから、大きな熱負荷が掛かる部分を局部
的に強化する方法が採られている。
【0003】すなわち、このアルミ製シリンダヘッドは
図4に示すように、例えば、燃焼室(図示せず)の一部
を構成するその下面に、吸気ポートaと排気ポートb及
びホットプラグ孔cが形成されているが、この吸気ポー
トaと排気ポートbとの間(弁開部)及びこれら吸気ポ
ートaと排気ポートbとホットプラグ孔cとのそれぞれ
の間の部分は他の部位より比較的薄肉であることから、
上述したような負荷増大により、この部位に熱亀裂dが
生じてしまう。そのため、この熱亀裂dを防止するため
に図5に示すように予め熱亀裂dが発生しやすい部位に
レーザ、アーク溶接等の高密度エネルギの熱源により、
その表面のアルミ母材を溶融、急冷凝固させて結晶粒の
微細化を図ったり、図6及び図7に示すように、熱亀裂
発生部位に開先eを形成しておき、この開先eにTI
G、MIG等のインナートガスアーク溶接によって耐熱
金属であるCu合金等を肉盛ったりすることで、熱亀裂
発生部の耐熱強度を局部的に高めるようにしている。
図4に示すように、例えば、燃焼室(図示せず)の一部
を構成するその下面に、吸気ポートaと排気ポートb及
びホットプラグ孔cが形成されているが、この吸気ポー
トaと排気ポートbとの間(弁開部)及びこれら吸気ポ
ートaと排気ポートbとホットプラグ孔cとのそれぞれ
の間の部分は他の部位より比較的薄肉であることから、
上述したような負荷増大により、この部位に熱亀裂dが
生じてしまう。そのため、この熱亀裂dを防止するため
に図5に示すように予め熱亀裂dが発生しやすい部位に
レーザ、アーク溶接等の高密度エネルギの熱源により、
その表面のアルミ母材を溶融、急冷凝固させて結晶粒の
微細化を図ったり、図6及び図7に示すように、熱亀裂
発生部位に開先eを形成しておき、この開先eにTI
G、MIG等のインナートガスアーク溶接によって耐熱
金属であるCu合金等を肉盛ったりすることで、熱亀裂
発生部の耐熱強度を局部的に高めるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者の高密
度エネルギ源による再溶融処理の深さはシリンダヘッド
表面から2〜7mmが限界であるが、特に図8に示すよ
うに、ホットプラグfを用いる予燃焼室式の場合では、
ホットプラグ孔cの周囲が他の部分よりも高温となるこ
とから、この周囲は再溶融処理した深さより、さらに深
い部位(10〜14mm)を起点として亀裂が発生する
場合がある。そのため、この再溶融処理の深さをさらに
深くするために、電子ビーム等のより高密度エネルギの
熱源を用いる必要があるが、このような高密度エネルギ
の熱源では処理範囲が狭くなるため、何度も再溶融させ
なければならず、再溶融処理の目的である溶融、急冷に
よる組織の緻密化が十分に行われないという問題点があ
る。一方、後者のCu合金等の耐熱金属を肉盛りする方
法では、溶接時のシールド性を確保するために図7に示
すように、ホットプラグ孔cの周囲に大きな開先hを加
工する必要があるが、開先hを大きくすると図9に示す
如くトーチgをこの大きな開先hに沿って適正な位置に
すべくウェービング等の制御を行わなければならないた
め、加工が困難になり、また溶接欠陥が生じ易くなる等
の欠点がある。
度エネルギ源による再溶融処理の深さはシリンダヘッド
表面から2〜7mmが限界であるが、特に図8に示すよ
うに、ホットプラグfを用いる予燃焼室式の場合では、
ホットプラグ孔cの周囲が他の部分よりも高温となるこ
とから、この周囲は再溶融処理した深さより、さらに深
い部位(10〜14mm)を起点として亀裂が発生する
場合がある。そのため、この再溶融処理の深さをさらに
深くするために、電子ビーム等のより高密度エネルギの
熱源を用いる必要があるが、このような高密度エネルギ
の熱源では処理範囲が狭くなるため、何度も再溶融させ
なければならず、再溶融処理の目的である溶融、急冷に
よる組織の緻密化が十分に行われないという問題点があ
る。一方、後者のCu合金等の耐熱金属を肉盛りする方
法では、溶接時のシールド性を確保するために図7に示
すように、ホットプラグ孔cの周囲に大きな開先hを加
工する必要があるが、開先hを大きくすると図9に示す
如くトーチgをこの大きな開先hに沿って適正な位置に
すべくウェービング等の制御を行わなければならないた
め、加工が困難になり、また溶接欠陥が生じ易くなる等
の欠点がある。
【0005】そこで、本発明は上記の問題点を有効に解
決するために案出されたものであり、その目的は特にホ
ットプラグ孔周囲からの亀裂の発生を未然に防止すると
共に、その強化加工が容易に行える新規なアルミ合金製
シリンダヘッドの局部強化方法を提供するものである。
決するために案出されたものであり、その目的は特にホ
ットプラグ孔周囲からの亀裂の発生を未然に防止すると
共に、その強化加工が容易に行える新規なアルミ合金製
シリンダヘッドの局部強化方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明はホットプラグ孔を有するアルミ合金製シリン
ダヘッドの局部強化方法において、上記ホットプラグ孔
の周縁の亀裂が発生しやすい部位に、予め肉盛り開先孔
を形成し、この肉盛り開先孔に耐熱金属を肉盛りしてプ
ラグ溶接した後、このホットプラグ孔の周面を削り出し
てホットプラグを挿着するものである。また、この肉盛
り開先孔が吸気ポートと排気ポートとの弁開部側に位置
して形成され、また、この肉盛り開先孔が上記ホットプ
ラグ孔の表面から10〜15mmの深さに上記シリンダ
ヘッドの鋳造と共に、あるいは鋳造後に切削して形成さ
れるものである。
に本発明はホットプラグ孔を有するアルミ合金製シリン
ダヘッドの局部強化方法において、上記ホットプラグ孔
の周縁の亀裂が発生しやすい部位に、予め肉盛り開先孔
を形成し、この肉盛り開先孔に耐熱金属を肉盛りしてプ
ラグ溶接した後、このホットプラグ孔の周面を削り出し
てホットプラグを挿着するものである。また、この肉盛
り開先孔が吸気ポートと排気ポートとの弁開部側に位置
して形成され、また、この肉盛り開先孔が上記ホットプ
ラグ孔の表面から10〜15mmの深さに上記シリンダ
ヘッドの鋳造と共に、あるいは鋳造後に切削して形成さ
れるものである。
【0007】
【作用】本発明は上述したように、ホットプラグ孔の周
縁の亀裂が発生しやすい部位、具体的には吸気ポートと
排気ポートとの弁開部側に、深さがシリンダヘッドの表
面から10〜15mmの肉盛り開先孔を予め鋳造時に、
あるいは鋳造後に切削して形成し、この肉盛り開先孔に
耐熱金属を肉盛りしてプラグ溶接するようにしたため、
ホットプラグ孔の周縁の亀裂が発生しやすい部位の強化
が図れる。従って、大きな肉盛り開先を形成することが
なくなり、また、溶接欠陥等の発生を未然に防止するこ
とができる。そして、この耐熱金属を肉盛りしたホット
プラグ孔の周面を削り出すことで、ホットプラグを挿着
することができる。
縁の亀裂が発生しやすい部位、具体的には吸気ポートと
排気ポートとの弁開部側に、深さがシリンダヘッドの表
面から10〜15mmの肉盛り開先孔を予め鋳造時に、
あるいは鋳造後に切削して形成し、この肉盛り開先孔に
耐熱金属を肉盛りしてプラグ溶接するようにしたため、
ホットプラグ孔の周縁の亀裂が発生しやすい部位の強化
が図れる。従って、大きな肉盛り開先を形成することが
なくなり、また、溶接欠陥等の発生を未然に防止するこ
とができる。そして、この耐熱金属を肉盛りしたホット
プラグ孔の周面を削り出すことで、ホットプラグを挿着
することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
て詳述する。
【0009】図1は本発明方法を用いて形成された予燃
焼室式のアルミ製シリンダヘッドの一実施例を示す平面
図、図2は図1中A−A断面図であり、図中1はホット
プラグ、2はこのホットプラグ1が挿着されるホットプ
ラグ孔、3は吸気ポート、4は排気ポート、5はアルミ
ニウム母材である。図示するように、このシリンダヘッ
ドはその表面の一部、すなわち吸気ポート3と排気ポー
ト4との弁開部からホットプラグ孔2側に沿って、約7
mm程度の深さで耐熱金属が肉盛りされた耐熱強化部6
が形成されており、上述したような熱亀裂が発生しやす
いホットプラグ孔2の周縁及び弁開部付近がCu合金等
の従来から用いられている耐熱金属によって局部的に強
化されている。また、この耐熱強化部6のうち、ホット
プラグ孔2側に位置する部分はその深さが約15mm程
度まで耐熱金属が介在されており、特に、大きな熱負荷
が加わるホットプラグ孔2の周縁部が深い位置まで強化
されている。
焼室式のアルミ製シリンダヘッドの一実施例を示す平面
図、図2は図1中A−A断面図であり、図中1はホット
プラグ、2はこのホットプラグ1が挿着されるホットプ
ラグ孔、3は吸気ポート、4は排気ポート、5はアルミ
ニウム母材である。図示するように、このシリンダヘッ
ドはその表面の一部、すなわち吸気ポート3と排気ポー
ト4との弁開部からホットプラグ孔2側に沿って、約7
mm程度の深さで耐熱金属が肉盛りされた耐熱強化部6
が形成されており、上述したような熱亀裂が発生しやす
いホットプラグ孔2の周縁及び弁開部付近がCu合金等
の従来から用いられている耐熱金属によって局部的に強
化されている。また、この耐熱強化部6のうち、ホット
プラグ孔2側に位置する部分はその深さが約15mm程
度まで耐熱金属が介在されており、特に、大きな熱負荷
が加わるホットプラグ孔2の周縁部が深い位置まで強化
されている。
【0010】このホットプラグ1は図2に示すように、
略円柱状となっており、予燃焼室7と、この予燃焼室7
内で燃焼した燃料を燃焼室8側に噴出する噴出孔9と、
端部の周縁方向に張り出した鍔部10が形成されてお
り、ホットプラグ孔2内に挿着されることで、このホッ
トプラグ孔2の上端周縁に形成された段差部に、鍔部1
0が嵌合してその表面がシリンダヘッド表面と面一とな
るようなっている。
略円柱状となっており、予燃焼室7と、この予燃焼室7
内で燃焼した燃料を燃焼室8側に噴出する噴出孔9と、
端部の周縁方向に張り出した鍔部10が形成されてお
り、ホットプラグ孔2内に挿着されることで、このホッ
トプラグ孔2の上端周縁に形成された段差部に、鍔部1
0が嵌合してその表面がシリンダヘッド表面と面一とな
るようなっている。
【0011】次に、このようなアルミ製シリンダヘッド
の製造方法の一実施例を説明する。
の製造方法の一実施例を説明する。
【0012】先ず、図3(A)に示すような形状をした
シリンダヘッドを鋳造する。尚、左図は平面図、右図は
そのA−A断面図である。このシリンダヘッドは上述し
たように、半円状のホットプラグ孔2a、吸気ポート
3、排気ポート4が三角形状の各頂点になるような位置
関係に形成されており、この吸気ポート3と排気ポート
4との弁開部にはホットプラグ孔2a側に延びる、深さ
が数mm程度の楕円状の開先11が形成されている。ま
た、この開先11の吸気ポート3側には深さが約15m
m程度の肉盛り開先孔12が形成されており、開先11
の先端が肉盛り開先孔12を介してホットプラグ孔2a
側に臨んだ状態となっている。尚、肉盛り開先孔12あ
るいは開先11は、シリンダヘッド鋳造後、切削機によ
って切削して形成するようにしても良い。次に、このよ
うな形状のシリンダヘッドを形成したならば、図3
(B)に示すように、先ずMIG溶接によってこの肉盛
り開先孔12に、耐熱金属をプラグ溶接、すなわち、孔
12内を下から順に溶接肉盛りして耐熱金属を埋め込
む。この時、シール性の要因から、ホットプラグ孔2a
側の肉盛り部12aには溶接欠陥が発生することがある
が、この肉盛り部は後加工により除去することになるた
め強度的に殆ど影響を及ぼさない。そして、このように
して、肉盛り開先孔12のプラグ溶接が終了したなら
ば、図3(C)に示すように、肉盛り開先孔12側から
弁開部側に沿って通常のMIGあるいはTIG溶接を施
し、開先11の部分に耐熱金属を肉盛り溶接して耐熱強
化部6を形成した後、冷却し、図3(D)に示すよう
に、ホットプラグ孔2aの周面、すなわち、半円状のホ
ットプラグ孔2aの延長線上に位置した肉盛り開先孔1
2内の肉盛り金属を削り出して健全な円形状のホットプ
ラグ孔2を加工した後、図2に示すように、このホット
プラグ孔2にホットプラグ1を挿入、熱圧着して完成さ
れる。
シリンダヘッドを鋳造する。尚、左図は平面図、右図は
そのA−A断面図である。このシリンダヘッドは上述し
たように、半円状のホットプラグ孔2a、吸気ポート
3、排気ポート4が三角形状の各頂点になるような位置
関係に形成されており、この吸気ポート3と排気ポート
4との弁開部にはホットプラグ孔2a側に延びる、深さ
が数mm程度の楕円状の開先11が形成されている。ま
た、この開先11の吸気ポート3側には深さが約15m
m程度の肉盛り開先孔12が形成されており、開先11
の先端が肉盛り開先孔12を介してホットプラグ孔2a
側に臨んだ状態となっている。尚、肉盛り開先孔12あ
るいは開先11は、シリンダヘッド鋳造後、切削機によ
って切削して形成するようにしても良い。次に、このよ
うな形状のシリンダヘッドを形成したならば、図3
(B)に示すように、先ずMIG溶接によってこの肉盛
り開先孔12に、耐熱金属をプラグ溶接、すなわち、孔
12内を下から順に溶接肉盛りして耐熱金属を埋め込
む。この時、シール性の要因から、ホットプラグ孔2a
側の肉盛り部12aには溶接欠陥が発生することがある
が、この肉盛り部は後加工により除去することになるた
め強度的に殆ど影響を及ぼさない。そして、このように
して、肉盛り開先孔12のプラグ溶接が終了したなら
ば、図3(C)に示すように、肉盛り開先孔12側から
弁開部側に沿って通常のMIGあるいはTIG溶接を施
し、開先11の部分に耐熱金属を肉盛り溶接して耐熱強
化部6を形成した後、冷却し、図3(D)に示すよう
に、ホットプラグ孔2aの周面、すなわち、半円状のホ
ットプラグ孔2aの延長線上に位置した肉盛り開先孔1
2内の肉盛り金属を削り出して健全な円形状のホットプ
ラグ孔2を加工した後、図2に示すように、このホット
プラグ孔2にホットプラグ1を挿入、熱圧着して完成さ
れる。
【0013】このようにして形成されたシリンダヘッド
は、熱亀裂の起点となりやすいホットプラグ孔2の周縁
が深い位置から耐熱金属で強化されていることから、熱
亀裂の発生を未然に防止され、また、従来通り、弁開部
は溶接肉盛りによって強化されることから、弁開部から
の熱亀裂も同時に防止されることになる。尚、本実施例
では肉盛り開先孔をホットプラグ孔の弁開側に設け、か
つ深さを約15mmとした例で示したが、シリンダヘッ
ドの大きさや排気ポート及び吸気ポートの形成位置の違
いによって亀裂が発生する部位が異なってくるため、そ
れに応じて、この肉盛り開先孔の大きさや深さ、さらに
は肉盛りする耐熱金属、あるいは溶接方法等を適宜最適
な条件に設定することは勿論である。また、本実施例で
は、予め半円状のホットプラグ孔を形成しておいた例で
示したが、これは必ずしも必要ではなく、本実施例に示
すように、プラグ溶接した後に円形状のホットプラグ孔
を後加工するようにしても良い。
は、熱亀裂の起点となりやすいホットプラグ孔2の周縁
が深い位置から耐熱金属で強化されていることから、熱
亀裂の発生を未然に防止され、また、従来通り、弁開部
は溶接肉盛りによって強化されることから、弁開部から
の熱亀裂も同時に防止されることになる。尚、本実施例
では肉盛り開先孔をホットプラグ孔の弁開側に設け、か
つ深さを約15mmとした例で示したが、シリンダヘッ
ドの大きさや排気ポート及び吸気ポートの形成位置の違
いによって亀裂が発生する部位が異なってくるため、そ
れに応じて、この肉盛り開先孔の大きさや深さ、さらに
は肉盛りする耐熱金属、あるいは溶接方法等を適宜最適
な条件に設定することは勿論である。また、本実施例で
は、予め半円状のホットプラグ孔を形成しておいた例で
示したが、これは必ずしも必要ではなく、本実施例に示
すように、プラグ溶接した後に円形状のホットプラグ孔
を後加工するようにしても良い。
【0014】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、以下に示
すような優れた効果を発揮することができる。
すような優れた効果を発揮することができる。
【0015】(1)ホットプラグ孔周縁の亀裂が発生し
やすい部位に、予め肉盛り開先孔を形成し、この肉盛り
開先孔に耐熱金属をプラグ溶接したことにより、ホット
プラグ孔周縁の深い部位からの熱亀裂の発生を未然に防
止することができる。
やすい部位に、予め肉盛り開先孔を形成し、この肉盛り
開先孔に耐熱金属をプラグ溶接したことにより、ホット
プラグ孔周縁の深い部位からの熱亀裂の発生を未然に防
止することができる。
【0016】(2)ホットプラグ孔周縁に大きな開先を
加工する必要がないため、強化肉盛り作業時間が短縮化
される。
加工する必要がないため、強化肉盛り作業時間が短縮化
される。
【0017】(3)また、(2)に示した理由により、
従来の大きな開部分を、トーチ角度を変えつつ、またウ
ェービング等、複雑な動作で肉盛りを行うことから発生
する溶接欠陥を防止すること及び健全な肉盛り強化部を
得ることが可能となり、しかも溶接装置の単純化も同時
に達成できてコストの低減が図れる。
従来の大きな開部分を、トーチ角度を変えつつ、またウ
ェービング等、複雑な動作で肉盛りを行うことから発生
する溶接欠陥を防止すること及び健全な肉盛り強化部を
得ることが可能となり、しかも溶接装置の単純化も同時
に達成できてコストの低減が図れる。
【図1】本発明の局部強化処理を施したシリンダヘッド
下面の一実施例を示す平面図である。
下面の一実施例を示す平面図である。
【図2】図1中A−A断面図である。
【図3】本発明方法の一実施例を示す流れ図である。
【図4】従来のシリンダヘッド下面の一例を示す平面図
である。
である。
【図5】局部強化を施した従来のシリンダヘッド下面の
一例を示す平面図である。
一例を示す平面図である。
【図6】従来のシリンダヘッド下面の一例を示す平面図
である。
である。
【図7】局部強化を施した従来のシリンダヘッド下面の
一例を示す平面図である。
一例を示す平面図である。
【図8】図7中A−A断面図である。
【図9】図7中B−B断面図である。
1 ホットプラグ 2 ホットプラグ孔 3 吸気ポート 4 排気ポート 5 アルミニウム母材 6 耐熱強化部 11 開先 12 肉盛り開先孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 元吉 正人 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 板屋 光彦 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 原 裕一郎 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 塩谷 英爾 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 小池 朝夫 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 ホットプラグ孔を有するアルミ合金製シ
リンダヘッドの局部強化方法において、上記ホットプラ
グ孔が形成される周縁の亀裂が発生しやすい部位に、予
め肉盛り開先孔を形成し、この肉盛り開先孔に耐熱金属
を肉盛りしてプラグ溶接した後、上記ホットプラグ孔の
周面を削り出してホットプラグを挿着することを特徴と
するアルミ合金製シリンダヘッドの局部強化方法。 - 【請求項2】 上記肉盛り開先孔が吸気ポートと排気ポ
ートとの弁開部側に位置して形成されることを特徴とす
る請求項1記載のアルミ合金製シリンダヘッドの局部強
化方法。 - 【請求項3】 上記肉盛り開先孔が上記ホットプラグ孔
の表面から10〜15mmの深さに、上記シリンダヘッ
ドの鋳造と共に、あるいは鋳造後に切削して形成される
ことを特徴とする請求項1記載のアルミ合金製シリンダ
ヘッドの局部強化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23723594A JP3419107B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | アルミ合金製シリンダヘッドの局部強化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23723594A JP3419107B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | アルミ合金製シリンダヘッドの局部強化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08100699A true JPH08100699A (ja) | 1996-04-16 |
JP3419107B2 JP3419107B2 (ja) | 2003-06-23 |
Family
ID=17012396
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23723594A Expired - Fee Related JP3419107B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | アルミ合金製シリンダヘッドの局部強化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3419107B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-30 JP JP23723594A patent/JP3419107B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3419107B2 (ja) | 2003-06-23 |
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