JPH0893548A - ピストンの表面改質方法 - Google Patents

ピストンの表面改質方法

Info

Publication number
JPH0893548A
JPH0893548A JP23135894A JP23135894A JPH0893548A JP H0893548 A JPH0893548 A JP H0893548A JP 23135894 A JP23135894 A JP 23135894A JP 23135894 A JP23135894 A JP 23135894A JP H0893548 A JPH0893548 A JP H0893548A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
piston
modifying
closed loop
cavity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23135894A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Kamimura
正 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP23135894A priority Critical patent/JPH0893548A/ja
Publication of JPH0893548A publication Critical patent/JPH0893548A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接肉盛りによる耐熱亀裂性の向上を確実に
達成する。 【構成】 ピストン1に形成されるキャビティ2の開口
縁に沿って閉ループ状に肉盛り溶接することにより表面
を改質させる方法であって、その肉盛り溶接を、閉ルー
プ経路上で溶接の重なる部位8がピストンの高応力発生
方向6と一致しないように、移行させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストンの表面改質方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近来にあっては、ディーゼルエンジンの
排出ガス中のNOX 低減、燃費向上等を図るため、燃焼
室の形状をリエントラント型にすることが一般的となっ
ているが、この種のピストンにおいては、キャビティの
開口縁に形成されるリップ部(棚部)が高温となって熱
亀裂が発生するので、その対策が必要になる。従来はこ
の熱亀裂対策として、部分的にFRM化させる、或いは
TIG等の高密度エネルギーにより再溶融化させる、等
の改質方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記提案よりも効果的
に改質する方法として、リップ部となるピストン表面の
部位に溶接肉盛りを行い、耐熱材を添加することが考え
られている。ただしこの方法においては、溶接肉盛りの
重なり合う部位の品質が問題となる。すなわち最初に肉
盛りを行った表面は酸化被膜で覆われており、これに重
なるように次に溶接肉盛りを行うと、最初の酸化被膜が
邪魔をし、溶着不良及び酸化被膜の巻き込み等が生じ
て、耐熱亀裂性を損なうおそれがある。
【0004】そこで本発明は、上記事情に鑑み、溶接肉
盛りにより確実に耐熱亀裂性の向上が図れるピストンの
表面改質方法を提供すべく創案されたものである。なお
本発明に関連する従来技術としては、特開平3−110
057号公報がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ピストンに形
成されるキャビティの開口縁に沿って閉ループ状に肉盛
り溶接することにより表面を改質させるに際して、その
肉盛り溶接を、閉ループ経路上で溶接の重なる部位がピ
ストンの高応力発生方向と一致しないように、移行させ
るものである。
【0006】
【作用】上記方法によって、溶接肉盛りの重なり合う部
位に溶着不良等が生じたとしても、その部位は高応力が
発生しない部位であり、熱亀裂が生じることがない。
【0007】
【実施例】以下、本発明に係わるピストンの表面改質方
法の一実施例を添付図面に従って説明する。
【0008】図1に示すように、まずピストンの粗材1
の表面に、適当な工具を使用して溝を形成する。粗材1
は、燃焼室となるキャビティ2の基本形状が窪まされて
アルミ鋳造されたものであり、基本キャビティ2の大き
さは切削により最終形状に仕上げるために、設計キャビ
ティよりも若干小さい径及び深さにて成形されている。
また基本キャビティ2の側壁3は、型の抜け勾配である
略垂直となっている。溝は、設計キャビティの開口縁に
沿う閉ループ経路となる環溝4と、環溝4から径方向外
方にピストン1の外周端まで延びた一本の直線溝5とで
成る。本実施例にあっては、キャビティ2は平面視で円
形を呈するものであり、環溝4はこれよりも若干径が大
きい同心状の真円に形成されている。そして直線溝5の
位置は、ピストンに備えられるピストンピンの方向6か
ら90度隔てられた位置としている。すなわちエンジン稼
動時のピストンにおいては、ピストンピンの方向6の部
位がピストンピンに垂直な方向の部位と比べ、大きな応
力が発生する。直線溝5は、この高応力発生の部位を避
けた位置にある。
【0009】次にピストン1表面の上方に溶接トーチ7
をセットし、溝4,5に向けて耐熱材を溶接肉盛りす
る。この溶接肉盛りに先立って、溝4,5の周囲或いは
溝4,5に沿って予熱を行うようにしてもよい。溶接ト
ーチ7としては、TIG溶接用の溶接トーチの他、MI
G溶接、電子ビーム、或いはレーザービームのトーチ等
が使用できる。耐熱材としては耐熱性の良好な合金材、
例えば高Niアルミ合金の粉末又は溶接ワイヤを用い
る。溶接肉盛りの移行経路としては、まず直線溝5のピ
ストン外周端或いはその近くから径方向内方に向かう
(矢印a)。この区間の溶接肉盛りは、キャビティ開口
縁の改質に直接関与するものではなく、いわば位置決め
のためのダミー溶接となる。そして溶接肉盛りが環溝4
との接続位置8に達したなら、円周方向に方向転換し、
図1中矢印b,c,dにて示したように環溝4に従って
一周する。この移行は、ピストン1を固定して溶接トー
チ7を移動させてもよいし、逆に溶接トーチ7を固定し
てピストン1を移動させてもよい。これで図2に示すよ
うに、溝5,4の位置にそれぞれダミー溶接9及びルー
プ状溶接10がなされ、所定の深さまで耐熱材が肉盛り
されて強化される。溶接トーチ7が直線溝5との接続位
置8に戻って、溶接肉盛りがループ状溶接10の開始点
と若干重なったなら、溶接終了とする。従って溶接肉盛
りが重なる部位(8)は、ピストンピンの方向6と直角
な位置に限られる。
【0010】溶接肉盛りが終わったなら、図2に示した
ように、ループ状溶接10の部分が開口縁となるような
最終加工線11に従って切削加工する。またピストン表
面の余盛りの部分も切削する。これでリップ部12は、
ループ状溶接10によって実質的に成形されることとな
り、所望する強いスキッシュが得られるような設計キャ
ビティに仕上げられる。
【0011】このように、ピストンピンと直角な方向に
ダミー溶接9を行い、その位置から溶接肉盛りを開始
し、環溝4に従って一周して終了させるようにしたの
で、高応力発生方向であるピストンピンの方向6と溶接
肉盛りの重なりの部位(8)とが一致することがなく、
酸化被膜に起因した溶着不良等があっても、熱亀裂発生
に至るのを防ぐことができる。すなわち熱亀裂を誘発す
ることがない信頼性の高い改質とすることができ、リッ
プ部12が耐熱強化されたピストンを製造することがで
きる。このピストンによる燃焼室は、排出ガス中のNO
X 低減、燃費向上、始動性の改善、始動時の白煙対策が
達成されるものである。
【0012】なおダミー溶接9の位置はピストンピンと
直角の方向に限るものではなく、ピストンピンの方向6
から充分に離間する位相であればよい。またダミー溶接
9の部位は、耐熱強度はそれほど必要でないので、ルー
プ状溶接10とは肉盛り材質を変えることもできる。例
えばダミー溶接9を溶接性に優れた純アルミで行い、ル
ープ状溶接10を耐熱性に優れた合金材を用いて行うこ
とが考えられる。この場合、溶接トーチ7は純アルミ用
と耐熱合金用との二本が必要になるが、予熱の効果及び
溶接性が良いという利点からみて、肉盛り溶接後の溶接
部位の非破壊検査が楽になることから、実用性が大きい
と見込まれる。
【0013】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、溶接肉盛
りにより確実に耐熱亀裂性の向上が達成されるという優
れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるピストンの表面改質方法の一実
施例を示した斜視図である。
【図2】図1の要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 粗材(ピストン) 2 キャビティ(基本形状) 4 環溝(閉ループ経路) 6 ピストンピンの方向(高応力発生方向) 8 接続位置(溶接の重なる部位) 10 ループ状溶接

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンに形成されるキャビティの開口
    縁に沿って閉ループ状に肉盛り溶接することにより表面
    を改質させる方法であって、その肉盛り溶接を、上記閉
    ループ経路上で溶接の重なる部位がピストンの高応力発
    生方向と一致しないように、移行させることを特徴とす
    るピストンの表面改質方法。
JP23135894A 1994-09-27 1994-09-27 ピストンの表面改質方法 Pending JPH0893548A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23135894A JPH0893548A (ja) 1994-09-27 1994-09-27 ピストンの表面改質方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23135894A JPH0893548A (ja) 1994-09-27 1994-09-27 ピストンの表面改質方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0893548A true JPH0893548A (ja) 1996-04-09

Family

ID=16922373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23135894A Pending JPH0893548A (ja) 1994-09-27 1994-09-27 ピストンの表面改質方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0893548A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009110373A1 (ja) 2008-03-03 2009-09-11 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009110373A1 (ja) 2008-03-03 2009-09-11 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置
US8887492B2 (en) 2008-03-03 2014-11-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas purification apparatus of an internal combustion engine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6345441B1 (en) Method of repairing combustion chamber liners
RU2490102C2 (ru) Способ сварки и конструктивный элемент
US20130272781A1 (en) Method for welding steel material to ni-based superalloy and welding joint
JP2008110404A (ja) フランジにおける開口および隣接欠陥を補修する方法および装置
US6685431B2 (en) Method for repairing a turbine vane
JPH044975A (ja) アルミ鋳物部品の局部強化方法
US20160097342A1 (en) Complex-shaped piston oil galleries with piston crowns made by cast metal or powder metal processes
JP2012061496A (ja) 異種金属溶接方法及び異種金属接合体
JP2009068380A (ja) タービンロータ及びロータの製造方法
US5150572A (en) Insulated exhaust port liner
JP4182571B2 (ja) シリンダカバ−のボア−ク−ル穴部補修方法
JPH0893548A (ja) ピストンの表面改質方法
JPH10286685A (ja) レーザビームによる肉盛り方法及び肉盛り構造
JP7106972B2 (ja) 内燃機関のシリンダヘッド
JP3419107B2 (ja) アルミ合金製シリンダヘッドの局部強化方法
JPH025705A (ja) 内燃機関用排気弁の補修方法
JP2006000869A (ja) 自動周溶接方法
US9068462B2 (en) Process of welding a turbine blade, a process of welding a non-uniform article, and a welded turbine blade
JPH07189628A (ja) 接合型バルブシート
JP3487021B2 (ja) アルミ材の局部強化方法
WO2015129612A1 (ja) 可動壁部材および溶接方法
US20210180503A1 (en) Thin walled welded connection
JPH0857641A (ja) 固定管の円周自動溶接方法
JP2017140644A (ja) レーザ肉盛方法
JP2024075113A (ja) バルブシート部の形成方法