JP2940988B2 - シリンダヘッドのリメルト処理方法 - Google Patents

シリンダヘッドのリメルト処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、シリンダヘッドのリメルト処理方法に関す
るものである。
(従来の技術) 一般にアルミ合金により鋳造成型したエンジンのシリ
ンダヘッドなどでは、吸・排気口間や点火プラグ、副燃
焼室孔周辺(ディーゼルエンジンの場合)の熱疲労によ
る亀裂発生等を防止するために高エネルギー熱源を使用
して再溶融し、それによって組織を微細化処理すること
によって強化(チル化)する、いわゆるリメルト処理が
行われている(例えば特開昭61−193773号公報参照)。
(発明が解決しようとする課題) ところが、該従来のリメルト処理方法による場合、次
の点で問題がある。
すなわち、今例えば第4図に示すように、熱源である
TIGトーチ1によってエンジン燃焼室壁面2を図示の如
くa点からb点方向に再溶融していったとすると、再溶
融部(溶融池)Rは凝固する時に周囲の溶湯を引き寄せ
るので元の表面位置S0より所定高さS1まで盛り上る。一
方、これに対し、再溶融が終了するエンド側のb点では
引き寄せる溶湯が不足するために図示のようにクレータ
(凹部)3ができてしまう。そして、該クレータ3は、
シール性悪化による圧縮比の低下(コンプレションダウ
ン)や異常燃焼を招く欠点がある。
そこで、その対策として、例えば再溶融終了部(第4
図b点)の手前付近から上記TIGトーチ1のアーク電流
値を下げたり、又はTIGトーチ1自体の移動速度を遅く
することなどによって再溶融量を徐々に少量化して行っ
て発生するクレータ3の深さを小さくする方法が考えら
れるが、一般にエンジンの燃焼室の周辺には、冷却水通
路穴や副燃焼室形成孔、ヘッドボルト穴等の各種の孔部
が存在するために、クレータを小さくすればするほどク
レータ処理ゾーンを設けることができない問題がある。
また、最終的にシリンダヘッドのシリンダブロックと
の合せ面を平研削等で仕上加工し、発生したクレータ自
体を切削除去することも考えられるが、そのようにする
と、結局折角の再溶融処理層(チルト層)Rそのものも
削り取られてしまい折角の強度が低下する問題がある。
(課題を解決するための手段) 本発明のシリンダヘッドのリメルト処理方法は、上記
のような問題を解決することを目的としてなされたもの
であって、先に述べたようなシリンダヘッドの燃焼室内
壁面にリメルト処理を行うリメルト処理方法において、
先ず上記燃焼室内壁面を粗加工した後リメルト処理する
とともに当該リメルト処理最終部をシリンダヘッドとの
合せ面に設定し、上記リメルト処理終了後該シリンダヘ
ッドとの合せ面を仕上加工してクレータを除去するよう
にしたことを特徴とするものである。
また、その場合において、例えば上記粗加工した燃焼
室内壁面のリメルト処理部を、リメルト処理前に150℃
〜400℃の温度で予熱するようにし、さらには、上記リ
メルト処理時に、リメルトされた溶融池を磁気撹拌する
ようにする。
(作用) すなわち、本発明のシリンダヘッドのリメルト処理方
法では、上記のようにシリンダヘッドの燃焼室内壁面に
リメルト処理を行うリメルト処理方法において、先ずリ
メルト(再溶融)処理を行う前提として上記燃焼室内壁
面全体を予じめ粗加工した後、リメルト処理するととも
に当該リメルト処理最終部側をエンジン燃焼室の外とな
るシリンダヘッドとの合せ面に設定し、リメルト処理が
終った後に該シリンダヘッドとの合せ面を仕上加工して
クレータを除去するようにしている。
そして、該場合において、例えば上記粗加工したシリ
ンダヘッドの燃焼室内壁面のリメルト処理部を、上記リ
メルト処理の前に所定の温度で予熱するようにすると、
対象となる再溶融処理層部の凝固を若干遅らすことがで
き、ガス抜けをスムーズにすることができる。この予熱
温度は150℃未満ではブローホール防止に効果はなく、
また400℃以上にすると、金属組織が粗くなり再溶融処
理の効果が少なくなる。従って、上記予熱温度は150℃
〜400℃までの範囲が良い。
また、上記の各場合において、上記リメルト処理時に
リメルトされた再溶融処理層部の溶融池を磁気的に撹拌
するようにすると、ガス抜けが加速されて、ブローホー
ルが発生しにくくなる。
(発明の効果) 従って、本発明のシリンダヘッドのリメルト処理方法
によると、クレータをエンジンの燃焼室壁面およびシリ
ンダブロック合せ面の何れにも形成することなく有効な
厚さのチルト組織を形成することができ、耐熱強度、シ
ールド性共に大きく向上させることができるようにな
る。
(実施例) 第1図〜第3図は、本発明の実施例に係るシリンダヘ
ッドのリメルト処理方法を示している。
先ず第1図は、本実施例におけるリメルト処理の対象
となっている例えばディーゼルエンジンのシリンダヘッ
ド部の燃焼室壁面側を平面状態で示している。図中、符
号10はシリンダヘッド、11a〜11dは各気筒の燃焼室凹部
(シリンダボア対向面)、12a〜12dは同各気筒の副燃焼
室孔部、13a〜13dは、同各気筒の吸気口、14a〜14dは、
同各気筒の排気口、15,15…は複数のヘッドボルト穴で
ある。また、斜線部A〜Dは、上記各気筒の吸・排気口
13a〜13d、14a〜14dおよび副燃焼室孔12a〜12d部間の所
定補強領域に亘って形成されたリメルト処理領域を示し
ている。
また、第2図は、上記リメルト処理領域A〜Dをリメ
ルト処理するのに使用されるTIGトーチ1の構造とその
溶融メカニズムを示している。
すなわち、符号20は例えばタングステンよりなる棒状
のTIG電極であり、該TIG電極20の周りにはコア21を介し
て励磁コイル22が巻成されており、該励磁コイル22には
図示しない交流電源より所定の交番励磁電流が供給され
るようになっている。
その結果、上記励磁コイル22の磁束(イ)との関係で
TIG電極20の先端からはローレンツ力による攪拌作用を
伴った溶接電流が矢印(ロ)で示すように壁面に沿って
放射方向に流れ効果的な誘導加熱が行われブローホール
のない所定深さのリメルト作用が実現される(詳細は、
後述)。
次に上記第2図のTIGトーチ1を使用して上記第1図
のシリンダヘッド10の燃焼室内壁面をリメルト処理する
リメルト処理方法について第3図を参照して詳細に説明
する。
(1)第1工程 先ず素材としてJIS AC4Dのアルミ合金材を採用して低
圧鋳造法により第1図のようなディーゼルエンジン用シ
リンダヘッド10を成型し、例えばボア径内のみ(例えば
シリンダボア中心から75mmの範囲内のみ)仕上げ代を1m
m残して粗加工する。
(2)第2工程 次に、上記TIGトーチ1を点火し、例えば第3図に示
すリメルト処理領域A(〜D)のP1点(スタート部位)
からP2点(途中部位)、P3点(再溶融終了部位)まで上
記シリンダボア径内領域を再溶融加工(リメルト処理)
して行く。該リメルト処理の終了部位は、上記粗加工領
域と図示しない冷却水通路穴の中間部に近いシリンダヘ
ッド合せ面に設定する。
このようにして第3図P1点からP3までの再溶融処理が
完了すると、終了部側P3点付近には、例えば深さ2〜3m
m程度のクレータが発生する。
(3)第3工程 以上のようにしてリメルト処理が完了すると、続いて
上記リメルト処理終了部であるシリンダブロックとの合
せ面P3域の平研削加工を行って上記発生クレータを除去
するとともにシール性を考慮した合せ面の最終的な仕上
加工を行う。これにより、上記A〜Dの本来のリメルト
処理領域に良好なチルト層を生成させて、しかもシリン
ダブロック合せ面のシール性も良好なエンジンシリンダ
構造を提供することができるようになる。
なお、本実施例では以上の基本となる第1〜第3工程
に対し、必要に応じて次のような2つの補助工程I、II
が付加される。
(a)補助工程I、II 上記第2工程(2)で再溶融処理を行う場合、そのま
ま再溶融を行うと、溶融層(第2図…溶融池R)内にブ
ローホールが生じ易い。
すなわち、該再溶融処理部には、鋳造時のガス欠陥や
固溶していた水素の影響によりブローホールを発生する
ことがある。このブローホールが燃焼室内に存在する
と、熱応力の集中部となってクラツクを発生する。した
がって再溶融処理の本来効果を発揮するにはブローホー
ルの発生を防止する必要がある。そこで、その防止方法
として次の2つの加工を行う。
(I)再溶融(リメルト)処理前の予熱 再溶融処理層部Rの凝固を若干遅らすことにより、ガ
ス抜けをスムーズにする。この予熱は150℃未満ではブ
ローホール防止に効果はなく、また400℃以上にすると
金属組織が粗くなり再溶融処理の効果が少なくなる。従
って、予熱温度は150℃〜400℃までの範囲が良い。
(II)溶融池Rの磁気攪拌 第2図の溶融池Rを攪拌することでガス抜きを加速す
る。この磁気攪拌は、上記第2図の構造のTIGトーチ1
を使用することにより自動的に実現される。
例えば、今第2図において、タングステン製のTIG電
極20から溶融池R内に流れる溶接電流(ロ)は、ヘッド
面にほぼ平行に溶融池・母材内を放射状に流れるとみな
すことができる。これにTIGトーチ1先端に設けた励磁
コイル22により上部よりシリンダヘッド10面に垂直な磁
場(イ)を与えると溶融池R内を流れる溶接電流(ロ)
とでローレンツ力が発生し溶融金属が回転を始める。こ
の磁場を交流磁場にすると、溶融池Rに周期的に反転す
る力を与えることができる。その結果、適切な攪拌状態
が実現されてブローホールの発生が防止される訳であ
る。この場合、磁場強度は、200〜300ガウス、交番周波
数は5〜20Hz程度が最適である。
<実施例> 一方、上記本実施例のリメルト処理方法による効果を
確認するために次の条件の下でリメルト処理された比較
例(1)および比較例(2)を得た。
比較例(1) シリンダブロックとの合せ面の全面を仕上げ代1mmを
残して粗加工し、従来のTIGトーチによって再溶融処理
してチルト層を形成した。
比較例(2) 従来例同様に全く粗加工を施すことなしに、従来のTI
Gトーチにて再溶融処理してチルト層を形成した(但
し、仕上加工代3〜4mm)。
これら比較例(1),(2)と上記本実施例のものと
の再溶融処理条件および加工並びに仕上処理後の表面状
態の相違を表にして示すと次のようになる。
TIG再溶融処理後、溶融終了部には、いづれも深さ2
〜3mmのクレータが発生する。比較例(1)のように仕
上げ代1mmで全面加工していたものは仕上げ加工後にも
クレータが残存する。一方、比較例(2)のように鋳造
素材のまま(仕上げ代3〜4mm)再溶融処理したものは
クレータは消失する。しかし、同時に再溶融処理層まで
除去されて消失する。これに対し、本実施例のように燃
焼室部分(ボア径内)のみ粗加工し、再溶融処理部をこ
の部分の外(シリンダブロック合せ面)に設定すると、
仕上加工によりクレータの残存もなくなりかつ十分に再
溶融処理層(チルト層)を確保できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例におけるシリンダヘッドの燃
焼室側壁面図、第2図は、同実施例において使用される
TIGトーチの使用状態における断面図、第3図は、同実
施例のリメルト処理方法を表わす説明図、第4図は、従
来のシリンダヘッドのリメルト処理方法を示す説明図で
ある。 1……TIGトーチ 10……シリンダヘッド 11a〜11d……エンジン燃焼室凹部 12a〜12d……副燃焼室孔部 13a〜13d……吸気口 14a〜14d……排気口 A〜D……リメルト処理領域
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02F 1/24 C22F 1/04 C21D 1/09 B22D 29/00 B23K 26/00 B23K 15/00 501

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダヘッドの燃焼室内壁面にリメルト
    処理を行うリメルト処理方法であって、先ず上記燃焼室
    内壁面を粗加工した後リメルト処理を行うとともに当該
    リメルト処理最終部をシリンダヘッドとの合せ面に設定
    し、上記リメルト処理終了後該シリンダヘッドとの合せ
    面を仕上加工してクレータを除去するようにしたことを
    特徴とするシリンダヘッドのリメルト処理方法。
  2. 【請求項2】リメルト処理部を、リメルト処理前に150
    ℃〜400℃の温度で予熱するようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載のシリンダヘッドのリメルト処理方法。
  3. 【請求項3】リメルト処理時に、溶融池を磁気撹拌する
    ようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載のシリ
    ンダヘッドのリメルト処理方法。
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