JP2775885B2 - シリンダヘッド及びその製造方法 - Google Patents

シリンダヘッド及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関等のシリンダヘッド及びその製造
方法に関する。
[従来の技術] 近来にあっては、エンジンの高出力化に伴い、シリン
ダヘッドへの熱負荷、機械的負荷が増大している。
第8図に示すように、この負荷増大により、シリンダ
ヘッド1の下面2、特に他の部位より比較的肉薄な吸気
ポート3と排気ポート4との間、及びこれらとノズル孔
5との間の部分6に、熱キレツが生じる問題がある。
この対策として、熱キレツ寿命を向上させる従来技術
には、次のものがある。
合金鋳鉄化;耐熱成分(Cr,Mo,Cu,Ni)を適量添加
し、耐熱強度を向上させる。
鋳包み;熱キレツ発生部分に鉄鋼材料を鋳包む。
窒化処理;加工後、ガス又は液体中で窒化処理を行
い、表面に窒化層を形成する。
ただしこれらの従来技術には、次のような問題があっ
た。
合金鋳鉄化…コスト高となるほか、合金添加により鋳
造性が悪くなり、“引け巣”等の鋳造欠陥発生により、
生産性、歩留りの悪化を伴う。
鋳包み…鋳包み性の確保のため、鋳包み鉄鋼材料の酸
化防止、鋳包み温度の徹底管理が必要となる。
窒化処理…コスト高と同時に、560〜580℃という高温
に全体を晒すため、変形或いはシリンダヘッド内部のキ
レツが問題になる。また窒化をより完全に行うために、
鋳鉄材の黒鉛を除去する処理が必要になる。
またそのほかの技術としては、シリンダヘッド下面へ
耐熱セラミックス、耐熱材料を溶射するという方法が提
案されているが、溶射層の早期剥離が生じるという問題
があるため、実用化には至っていない。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来技術が有している問題点を避けるために、新
たな技術として、シリンダヘッドの下面の熱キレツ発生
部位に、耐熱金属(Co等)を盛り金する方法が考えられ
る。
しかしながら、この方法は、その製造過程において、
耐熱金属と母材(鋳鉄)との境界部に、脆弱なセメンタ
イト(Fe3C)が析出されるという問題があった。このセ
メンタイトは、脆弱なだけでなく、被削性を大幅に低下
させる要因となる。
そこで本発明は、熱キレツが生じないと共に脆弱化、
被削性の低下のないシリンダヘッド及びその製造方法を
提供すべく創案されたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明の第一は、鋳鉄製のシリンダヘッド本体下面部
の給排気ポート及びノズル孔の間に、鉄に固溶する金属
で成る中間薄層を設け、この中間薄層の表面側に、耐熱
金属で成る強化層を設けたものである。
本発明の第二は、上記構成を製造するための方法であ
って、シリンダヘッド本体を、給排気ポート及びノズル
孔の間の下面を窪ませて鉄にて鋳造し、その凹部表面
を、アルカリ処理して黒鉛等を除去した後、鉄に固溶す
る金属にて薄く盛り金し、さらにその表面に耐熱金属を
肉盛り溶接するものである。
[作 用] 上記構成によって、強化層は、耐熱金属の特性を発揮
することで、シリンダヘッド下面の熱キレツの発生を防
止する。中間薄層は、製造過程におけるセメンタイトの
析出を抑制する。
上記方法によって、セメンタイトの析出が抑制されて
製造でき、熱キレツ発生を防止する強化層の形成が実現
される。
[実施例] 以下、本発明の実施例を、添付図面に従って説明す
る。
まず第1図及び第2図によって、本発明に係わるシリ
ンダヘッドの一実施例を説明する。同図において、従来
と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略す
る。
このシリンダヘッドは、鋳鉄製のシリンダヘッド本体
11の下面2のうち、給排気ポート3,4及びノズル孔5の
間に、鉄に固溶する金属で成る中間薄層12が設けられ、
この中間薄層12の表面側に、耐熱金属で成る強化層13が
設けられて構成されている。
第1図に示したように、本実施例にあっては、中間薄
層12及び強化層13は、熱キレツ発生部分の略全体に亘っ
て分布するように、給排気ポート3,4及びノズル孔5を
頂点とした三角形の内方、さらにその三辺を若干越えた
外方へと形成されている。
また第2図に示したように、シリンダヘッド本体11の
下面2には、所定の深さに窪まされた凹部14が形成され
ており、その表面を覆うように、中間薄層12が形成され
ている。本実施例にあっては、その層厚は約0.5〜1.0mm
となっている。
そして強化層12は、凹部14全体を埋めるように積層さ
れており、その表面15は、シリンダヘッドの下面とし
て、鋳鉄製のシリンダヘッド本体1の下面2と同一レベ
ルで平滑に仕上げられている。
このように構成することで、従来の熱キレツ発生部分
は、強化層13の耐熱金属の特性が発揮されることで、耐
熱強度が増加され、熱キレツの発生が防止される。
次に本発明に係わるシリンダヘッドの製造方法の一実
施例を、上記構成を製造する方法として説明する。
第3図に示すように、まずシリンダヘッド本体11を、
その下面2が、給排気ポート3,4及びノズル孔5の間の
位置において、所定の深さに窪んだ形状にして、鉄にて
鋳造する。即ち強化すべき部分凹部14を成形する。
次に第4図に示すように、アルカリ液により、凹部13
の表面に付着した鋳物砂及び鋳鉄中の黒鉛16を除去す
る。
そして第5図に示すように、この凹部14表面に、鉄に
固溶し、且つセメンタイトを過度に析出しない金属元素
A(Cu,Sn等)を、ガス或いはTig溶接にて0.5〜1.0mm程
度に薄く盛り金する。
さらに第6図に示すように、盛り金した金属Aの表面
側に重ねるように、耐熱金属元素B(Co,Mo,Ni等)を、
シリンダヘッド本体11の下面2と同一のレベルまで肉盛
り溶接する。これら耐熱金属は単独でも、複合した状態
でもよい。またこの肉盛り溶接は、溶接棒によって、あ
るいは粉末状にして塗布してからプラズマ溶接してもよ
い。
これで、薄く盛り金した金属層Aには非常に少ないセ
メンタイトが析出されるのみで、中間薄層12が形成され
る。即ち鋳鉄中に含まれる黒鉛16は、溶接による母材の
溶け込みによって、その一部が、合金化された中間薄層
12内に入り込む形になるが、その量は極めて限られたも
のとなる。そして肉盛り溶接によって、耐熱性に優れた
強化層13が形成され、母体としての鋳造とは接触しない
ことから、セメンタイトは析出されない。
そして肉盛り溶接が終了した後、機械加工によって所
定のシリンダヘッドとして仕上げる。
このように、鋳鉄製のシリンダヘッド本体11に、鉄に
固溶する金属を盛り金して中間薄層12を形成してから、
肉盛り溶接して強化層13を形成するようにしたので、溶
接したことによるセメンタイトの析出は中間薄層12内に
限られ、強化層13への影響は全く無い。言い換えると、
健全な耐熱金属による強化層13が形成されるものであ
る。
従って、根キレツの発生が防止されると共に、脆弱
化、被削性の低下のないシリンダヘッドが得られること
となる。
また粗材として鋳造したシリンダヘッド本体11を一旦
アルカリ処理するようにしたので、中間薄層12へのセメ
ンタイト析出も最少限に抑えることができ、より一層脆
弱化及び被削性の低下防止に貢献できる。このアルカリ
処理の方法としては、公知の金属材料のアルカリ処理を
行う方法でよい。
なお本実施例にあっては、中間薄層12を強化しようと
する部分全体に形成するようにしたが、部分的に形成し
てもよい。
例えば第7図に示すように、切削性に影響するような
シリンダヘッド本体11の下面2に近い部分、即ち凹部14
の立ち上がりの部分21にだけ中間薄層22を形成すべく、
Cu,Sn等の盛り金箇所を限定することも考えられる。
[発明の効果] 以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果
を発揮する。
(1)鋳鉄製のシリンダヘッド本体下面部に、鉄に固溶
する金属で成る中間薄層を設け、この中間薄層の表面側
に耐熱金属で成る強化層を設けたので、熱キレツの発生
を防止できると共に、製造過程におけるセメンタイトの
析出を抑制して脆弱化及び被削性の低下が防止できる。
(2)シリンダヘッド本体を下面を窪ませて鉄にて鋳造
し、その凹部表面をアルカリ処理して黒鉛等を除去した
後、鉄に固溶する金属にて薄く盛り金し、さらにその表
面に耐熱金属を肉盛り溶接するようにしたので、シリン
ダヘッドの熱キレツ発生の防止及び脆弱化・被削性の低
下防止が確実に実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わるシリンダヘッドの一実施例を示
した下面図、第2図はそのII−II線矢視断面図、第3図
は本発明に係わるシリンダヘッドの製造方法の一実施例
を説明するための斜視図、第4図乃至第6図は第3図以
降の製造工程を説明するための要部断面図、第7図は第
3図の次の工程の他の実施例を示した第3図中のVII−V
II線矢視断面図、第8図は従来のシリンダヘッドにおけ
る課題を説明するための下面図である。 図中、3は吸気ポート、4は排気ポート、5はノズル
孔、11はシリンダヘッド本体、12は中間薄層、13は強化
層である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 9/04 F02F 1/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳鉄製のシリンダヘッド本体下面部の給排
    気ポート及びノズル孔の間に、鉄に固溶する金属で成る
    中間薄層を設け、該中間薄層の表面側に、耐熱金属で成
    る強化層を設けたことを特徴とするシリンダヘッド。
  2. 【請求項2】シリンダヘッド本体を、給排気ポート及び
    ノズル孔の間の下面を窪ませて鉄にて鋳造し、その凹部
    表面を、アルカリ処理して黒鉛等を除去した後、鉄に固
    溶する金属にて薄く盛り金し、さらにその表面に耐熱金
    属を肉盛り溶接することを特徴とするシリンダヘッドの
    製造方法。
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