JPH0799924B2 - ボイスコイル型リニアモータ - Google Patents

ボイスコイル型リニアモータ

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JPH0799924B2
JPH0799924B2 JP63123491A JP12349188A JPH0799924B2 JP H0799924 B2 JPH0799924 B2 JP H0799924B2 JP 63123491 A JP63123491 A JP 63123491A JP 12349188 A JP12349188 A JP 12349188A JP H0799924 B2 JPH0799924 B2 JP H0799924B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気ディスク装置における磁気ヘッドの位置
決め手段等に使用されるボイスコイル型リニアモータに
関する。
〔従来の技術〕
ボイスコイル型リニアモータは構造が簡単でありしかも
高速直線運動の動力源としてすぐれているので多くの用
途に使用されている。特に磁気ディスク装置において
は、磁気ヘッドを磁気ディスクの一つのトラック位置か
ら他のトラック位置へ高速,高精度で移動させることが
必要なので、磁気ヘッドの位置決め手段として他のモー
タよりもアクセスタイムの短いボイスコイル型リニアモ
ータが多用されている。
一般にボイスコイル型リニアモータは、円筒状外周ヨー
クと、センターヨークと、外周ヨークの内周面に固着さ
れた永久磁石と、可動コイルとを備えている。(例え
ば、特公昭50−4241号,特開昭58−123361号参照) モータ用永久磁石としては、アルニコ磁石,フェライト
磁石あるいは希土類コバルト磁石等が一般に使用されて
いる。ボイスコイル型リニアモータにおいては、永久磁
石の暑さが制限されて動作点を高くとれない(磁気回路
の構造によっても異なるが、パーミアンス係数は一般に
0.8〜3程度である)ので、保磁力の高いフェライト磁
石あるいは希土類コバルト磁石を用いることが必要とな
る。特に、磁気ディスク装置の小型化および高性能化に
伴ってボイスコイル型リニアモータにも同じことが要求
されるので、希土類コバルト磁石が多用されている。
(例えば特開昭56−74077号参照) 最近は、ボイスコイル型リニアモータのより一層の小型
化および高性能化が要求されるようになってきたので、
磁気空隙内に高い磁束密度を得るために、希土類−鉄−
ボロン(R−Fe−B)系永久磁石(例えば、特公昭61−
34242号参照)を用いたボイスコイル型モータあるいは
リニアモータが使用されるようになってきた。(特開昭
61−210862号および特開昭61−266056号参照) 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかるにR−Fe−B系希土類磁石を用いてボイスコイル
型リニアモータの磁気回路を組み立てる場合、従来は多
数個のアークセグメント状磁石を準備し、ついでこれら
の磁石を接着等の手法により円筒状外周ヨークの内周面
に貼設して円筒状磁石としていたので、製作コストの増
加を招いていた。また複数個に分割されたアークセグメ
ント形状を有する磁石を接着して一体化した円筒状磁石
を用いた場合、接着強度の点から磁石間にある程度の継
目が必要なるので、磁気回路中の磁気ギャップ部の位置
によって磁束密度にバラツキ(8〜10%程度)が生じ、
可動コイルの駆動性能が悪くなるという問題があった。
更にR−Fe−B系希土類磁石は、優れた磁気特性を有す
る反面、大気中で酸化し易い希土類元素(特にNd)と鉄
を大量に含むので、そのまま磁気回路に組み込むと、磁
石表面に酸化物が生成し、空隙磁束密度の低下を招く。
したがってR−Fe−B系永久磁石を使用する場合は、そ
の表面に種々の方法で酸化防止膜を形成するのが一般的
である(例えば特開昭60−153109号,同61−130453号、
同61−150201号等)。しかしボイスコイル型リニアモー
タにおいては、磁気ギャップは数mm程度と狭いので、磁
石の表面に酸化防止膜が形成されていてもモータの組立
時にコイルと磁石とが干渉して磁石に欠けが生ずること
がある。そのため従来は組立能率をある程度特性にする
ことにより磁石が欠けるのを防止していた。本発明の目
的は、磁気ギャップ内に、円周方向に均一、かつ強力な
磁界を発生し、ボイスコイルの駆動性能を高いものと
し、又、従来品に比較して組み立て能率の高いボイスコ
イル型リニアモータを提供することにある。又、ボイス
コイルのストローク中のインダクタンス変動を補償する
ことにある。
したがって本発明の目的は、組立が容易でかつ高性能で
あるボイスコイル型リニアモータを提供することであ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のボイスコイル型リニアモータは、強磁性材料か
らなる円筒状の外周ヨークと、外周ヨークと磁気的に結
合された、強磁性材料からなるセンターヨークと、外周
ヨークの内面に固定された、R(Nd,Pr,Dy等の希土類金
属の1種以上)、B及びFeを主成分とし、半径方向に異
方性を有する一体の円筒状磁石と、円筒状磁石の表面に
固着された非磁性かつ導電性材料からなる保護部材と、
センターヨークと円筒状磁石との間に形成された磁気ギ
ャップ内に配置された可動コイル部材とを有することを
特徴とする。
〔実施例〕
以下本発明の詳細を図面により説明する。
第1図は本発明の一実施例に係るボイスコイル型リニア
モータの縦断面図、第2図は本発明で使用される円筒状
磁石の平面図である。
第1図において、1は円筒状の外周ヨーク,2は後部ヨー
ク,3はセンターヨーク(図では中実であるが、中空であ
ってもよい)であり、いずれも軟鉄,鋼等の強磁性材料
により形成される。外周ヨーク1の一端には後部ヨーク
2が固着され、後部ヨーク2が中央には外周ヨーク1と
同心にセンターヨーク3が固着されている。外周ヨーク
1の内面には、R−Fe−B系永久磁石からなる、半径方
向に異方性を有する一体の円筒状磁石4(第2図参照)
が固着されている。
この円筒状磁石はBgの円周方向のバラツキを防ぐため
に、少なくとも円周方向においては継目がないことが必
要であるが、軸方向においては若干の継目があってもモ
ータ性能(推力の直線性)には殆んど影響しない。すな
わち、磁石の全長がかなり長い場合には、成形性の低下
や焼結時の収縮変形(通常は収縮率が14〜16%程度)に
基因する形状精度(真円度,真直度等)の低下などによ
り、また、着磁時の着磁能力の限界により実用に供しえ
る磁石を製造することが困難となる。そのため磁石が長
い場合には、所定長さよりも短いリング状磁石を複数個
製作し、次いでこれらを軸方向に接続して円筒状磁石と
することが望ましい。上記のことから本発明における
「一体」とは少なくとも円周方向において継目が無い
(第2図参照)ことを意味し、軸方向においては継目が
あるものも含むとする。また、磁石の表面は酸化防止膜
が形成されていてもよい。また、円筒状磁石4の表面で
あって外周ヨークと接触していない部分には、Cu,Alあ
るいはこれらの合金等の非磁性かつ導電性材料(好まし
くは金属材料)からなる保護部材5が被着されている。
センターヨーク3の外周面と円筒状磁石4の内周面との
間には磁気ギャップ6が形成されている。磁気ギャップ
6内には、磁気ヘッドを支持するキャリッジ(図示せ
ず)に接続されたボイスコイル7が配置されている。ボ
イスコイル7は、プラスチック等の絶縁材料からなるボ
ビン8にコイル9を巻回して形成されている。
このような構成を有するボイスコイル型リニアモータに
おいては、ボイスコイル7のコイル9に電流を流すと、
円筒状磁石4により生ずる磁束線(図中破線で示す)と
電流とが直交するのでフレミングの左手の法則に基い
て、ボイスコイル7は直線運動を行なう。運動の向きは
電流の向きを反転することにより変えられるので、ボイ
スコイル7の前進又は後退が可能となる。
本発明においては、起磁力発生用永久磁石として、R−
Fe−B系磁石であってしかも半径方向に異方性を有する
円筒状磁石を用いるので、磁気ギャップ部の磁束密度
(以下Bgという)を高くすることができるとともにモー
タの組立工数を従来よりも大幅に低減することができ
る。特に本発明においては、円周方向に継目のない一体
の円筒状磁石を用いるので、磁気ギャップ部の磁束密度
が円周方向で安定しており、もって可動コイルの駆動性
能を従来より大幅に向上することができる。
また希土類磁石材料からなるラジアル異方性円筒状磁石
であっても、RCo系磁石では機械的強度が低いので異方
性化により発生する残留応力に耐えられないので、キレ
ツが生じる。一方R−Fe−B系磁石ではFeを大量に含む
ので機械的強度が高く、異方性化によってもキレツは生
じない。すなわちラジアル異方性円筒状磁石をR−Fe−
B系磁石材料で形成することにより実用に供し得る希土
類磁石を得ることができる。しかもR−Fe−B系磁石は
このようにFeを大量に含むので配向性が高く、フェライ
ト磁石と比較してはるかに異方性化し易いので、高い磁
束密度を得ることが可能となる。したがってラジアル異
方性を有するR−Fe−B系円筒磁石は、従来のモータ用
磁石(SmCo系磁石,フェライト磁石)と比べて、優れた
機械的及び磁気的特性を有するものといえる。
R−Fe−B系磁石は、このように優れた磁気特性を有す
るので、ボイスコイル型リニアモータに使用すると高い
空隙磁束密度を得ることができる。そして更に高い空隙
磁束密度が要求される場合には、R−Fe−B系円筒磁石
を半径方向に複数個積層した構造とすればよい。例えば
2層構造のR−Fe−B系円筒磁石を有するリニアモータ
は、単層構造のリニアモータより20%以上高い空隙磁束
密度を得ることができる。
特に、本発明においては永久磁石の表面が保護部材で覆
われているので、モータの組立時にコイルと磁石が干渉
した場合でも磁石に欠けが発生することはない。この保
護部材は非磁性かつ導電性材料で形成されているので、
ボイスコイルのストローク中のインダクタンスの変動を
補償することが可能となる。すなわちボイスコイルに通
電すると、センターヨークの表面に渦電流が生じこれに
よりボイスコイルのインダクタンスが変動するが、保護
部材はセンターヨークよりも透磁率が低くかつ導電率が
高いため、渦電流が流れ易くなるので、ストローク中の
ボイスコイルのインダクタンスの変動とをおさえること
ができる。したがって従来のようなセンターヨーク表面
への補償リングの取付けが不要となる。なお、保護部材
の暑さは、Cuの場合で、0.5〜3mm程度であればショート
リングとしての機能を満足することができる。
ボイスコイルに与えられる推力はコイルの有効長の入力
電流が一定の場合、Bgに比例するので、高いモータ性能
を得るためにはBgを高くすることが必要である。そのた
めには永久磁石がその動作点において高い磁気特性を有
することが望ましい。ここで具体的なBgの値は磁気回路
のパーミアンス係数によって変ってくる。例えば従来は
パーミアンス係数が2〜3程度であり、この場合のBgは
SmCo5磁石で6〜7KG、Nd−Fe−B磁石で8〜9KGであっ
た。しかし最近は小型化のために磁石の厚みは薄くなっ
てきているので、パーミンス係数は0.8〜1.5位になって
いる。このような低いパーミアンス係数の場合は、SmCo
系磁石ではBgが3.5KG程度であるが、R−Fe−B系磁石
ではBgが、4〜5KGにもなる。特にR−Fe−B系磁石の
場合、ハーミアンス係数が1〜1.2の時に最も効率よく
磁石のエネルギー量(エネルギー積に比例)を利用でき
るので、磁気回路のパーミアンス係数がこのような範囲
に収まるように設計することが望ましい。
永久磁石の磁気特性は、基本的にはその組成によって定
まるので、高い磁気特性を得るためには次のような成分
範囲とすることが望ましい。
希土類元素Rの含有量は10〜30原子%の範囲が望まし
い。Rが10原子%より少ないと磁気特性(特に保磁力)
が低下し、30原子%より多いとRリッチな非磁性相が多
くなり、残留磁束密度が低下する。ここで希土類元素R
としては通常Nd,Prのような軽希土類元素が用いられ、
特に資源的に豊富な(安価な)Ndが最も一般的である。
また保磁力や耐熱性の向上等を目的として、Rの一部
(1〜30%位)をDy,Ho,Tbのような重希土類元素で置換
することができる。更にRは、La,Ce,Sm,Gd,Er,Eu,Tm,T
b,Yのうちの少なくとも1種を含むことができる。
Bの含有量は2〜28原子%の範囲が望ましい。Bが2原
子%より少ないと保磁力が低下し、28原子%より多いと
Bリッチな非磁性相が多くなり、残留磁束密度が低下す
る。
Feの含有量は65〜80原子%の範囲が望ましい。Feが65原
子%より少ないと残留磁束密度が低下し、原子%により
多いと保磁力が低下する。
本発明においては、上記必須成分の他、製造上不可避の
不純物(例えばO2)が含まれる場合もある。またR−Fe
−B系磁石において公知の添加元素(例えばCo,Al,Ti
等)を含有することもできる。このような添加元素は、
例えば特開昭60−162754号,同61−87825号に開示され
ている。
本発明で用いられるR−Fe−B系の一体の円筒状磁石
は、例えば以下のようにして作製することができる。
まずR−Fe−B合金の溶解は通常の方法でAr中乃至真空
中で行なう。Bはフェロボロンを用いることも可能であ
る。希土類元素は最後に投入するのが好ましい。
粉砕は粗粉砕と微粉砕に工程的には分かれるが粗粉砕は
スタンプミル,ジョークラッシャー,ブラウンミル,デ
ィスクミル等で、また微粉砕はジェットミル,振動ミ
ル,ボールミル等で行なう。いずれも酸化を防ぐため
に、非酸化性雰囲気中で行ない、このために有機溶媒や
不活性ガスを用いるのが好ましい。粉砕粒径は2〜5μ
m(Fischer Subsive Sizerによる測定)が好ましい。
磁粉の成形は、例えば、第3図に示すような装置により
行なう。
この成形装置は磁性体からなるダイス10とダイス10内の
環状空間内に同心状に配置された磁性体からなるコア11
とを有し、ダイス10は支柱19,20により支持され、コア1
1及び支柱19,20はいずれも下部フレーム17により支持さ
れている。ダイス10とコア11との間の円筒状の空間には
非磁性体からなる上パンチ13と、同様の非磁性体からな
る下パンチ16とがそれぞれ嵌入され、ダイス10,コア11,
上パンチ13及び下パンチ16とで円筒状の成形空間12が形
成される。ダイス10の周囲には、成形空間12内に放射状
の磁場を発生するための励磁コイル22が配置される。下
パンチ16は基板21に固着され、一方上パンチ13は上部フ
レーム14に固定されている。上部フレーム14及び下部フ
レーム17はそれぞれ上部油圧シリンダー15及び下部油圧
シリンダー18と連結している。
次に第3図の成形装置による円筒状磁石の成形方法を説
明する。
まず上パンチ13を引き上げた状態で振動フィーダー等の
供給手段(図示せず)により、成形空間12内にNd−Fe−
B合金粉末を充填し、ついで励磁コイル22に電流を流し
ながらNd−Fe−B合金粉末を加圧成形する。したがって
励磁コイル22から発生する磁束は、図示矢印のようにダ
イス10から成形空間12を通ってコア11に流れるので、磁
粉が放射状に配向した円筒状成形体が得られる。この場
合の成形圧力は0.5〜2t/cm2の範囲が、又成形空間の磁
場強度は5〜25KOeの範囲が望ましい。加圧終了後は励
磁コイルに定められた変動制御電流を流して、得られた
成形体を脱磁してから成形装置により取り出す。
上記の成形体を次に焼結する。焼結は、Ar,He等の不活
性ガス中又は真空中又は水素中にて950〜1150℃の温度
で20分乃至2時間行なう。
焼結後、必要に応じて不活性ガス雰囲気中で適当な熱処
理を施す。好ましい熱処理条件は500〜700℃×30分〜3
時間である。
最後に磁粉の配向方向とそろえて着磁を行う。着磁磁場
強度は5〜30KOeの範囲がよい。一般に着磁はモータの
磁気回路と略同じパーミアンス係数をもった磁気回路中
で行う。但し、パーミアンス係数が1以下の時は組込み
着磁と磁石単体を着磁後磁気回路に組み込んだ場合とで
パーミアンス係数に殆ど差がないので、単体着磁でもよ
い。
〔実験例1〕 Nd13原子%,Dy2原子%,B7原子%,Fe78原子%からなる組
成の合金を真空溶解により製作し、しかる後N2ガス雰囲
気中で粗粉砕及び微粉砕を行ない、平均粒度3μmの合
金粉末を得た。
得られた合金粉末を第3図に示す成形装置により、20KO
eのパルス磁場を印加しながら1t/cm2の圧力でプレス成
形した。次いで真空中で1100℃の温度で2時間焼結し、
Arガス雰囲気中で600℃の温度で1時間の熱処理を行っ
た。そして外内周を研摩加工してから、着磁を行って外
径99mm,内径92mm,長さ23mmの円筒状磁石を得た。この円
筒状磁石は、Br=11,000G,lHc=10,000Oe,(BH)max=2
6MGOeの磁気特性を有していた。
上記の円筒状磁石3個を軸方向に接続して第1図に示す
磁気回路を組み立てた。ここで各ヨークは軟鉄で形成
し、外周ヨークの外径は117mmとし、センターヨークは
外径を8mm,内径を60mmとした。また磁石の表面は厚さ1.
0mmのCu板で被覆した。
比較のために、表面に厚さ10μmのNiメッキを施した上
記と同じ組成の磁石ブロックを36個用いて上記と同様の
磁気回路(但し、Cu板は無い)を組み立てた。
これらの磁気回路の空隙磁束密度(Bg)を測定したと
こ、本発明のもので4200G、従来品では3500Gであった。
しかも従来品では円周方向のBgのバラツキは10%であっ
たのに対し、本発明品ではこのバラツキを殆んど無くす
ことができた。また本発明品は、従来品の3/5の工数で
組み立てることができた。更に両者を80℃、90%R.H.の
雰囲気中に1週間放置してから空隙磁束密度を測定した
ところ、本発明品は3900G、従来品は3200Gとなり、本発
明は対環境性の点でも優れていることがわかった。
〔実験例2〕 Nd0.90Dy0.10(FebalB0.08Nb0.015)5.4からなる組成の合
金を用いた以外は実験例1と同様の条件で外径100mm,内
径92mm、長さ24mmの円筒状磁石を得た。この磁石は、Br
=11,000G,iHc=20,000Oe,(BH)max=27MGOeの磁気特
性を有していた。
上記の円筒状磁石に表面処理(厚さ20μmのエポキシ樹
脂の被膜を電着塗装により形成)した後、これを3個軸
方向に接続して(磁石全長72mm)第1図に示す磁気回路
を組み立てた。ここで各ヨークは軟鋼で形成し、外周ヨ
ークの外径は117mm(内径は101mm)、センターヨークの
外径は84mm,内径は60mmとした。また磁石の表面は厚さ
1.0mmのCu板で被覆した。
この磁気回路のBgは4600Gであり、また円周方向のBgの
バラツキは殆んど無かった。この磁気回路を80℃、90%
R.H.の大気中に1時間放置してからBgを測定したところ
4500Gとなり、耐環境性の点でも優れていることがわか
った。なお組立工数は従来品(実験例1)の70%であっ
た。
〔実験例3〕 上記実験例の磁気回路を用いてボイスコイルモータを製
作し、モータ性能を評価した。その結果を第1表に示
す。
〔発明の効果〕 以上の通り、本発明のボイスコイル型リニアモータは、
ラジアル異方性を有するR−Fe−B系の一体円筒状磁石
を磁気回路に組み込みかつ磁石表面を非磁性かつ導電性
を有する保護部材でおおうので、製作工数が少なくでき
しかも高いモータ性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のボイスコイル型リニアモータの一実施
例を示す縦断面図、第2図は本発明に使用される円筒状
磁石の平面図、第3図は本発明に使用される円筒状磁石
の成形装置を示す図である。 1:外周ヨーク、2:後部ヨーク 3:センターヨーク、4:円筒状磁石 5:保護部材、6:磁気ギャップ 7:ボイスコイル、8:ボビン 9:コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武富 正喜 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地 日立金属株 式会社熊谷工場内 (56)参考文献 実開 昭63−138874(JP,U) 実開 昭59−9774(JP,U)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性材料からなる円筒状の外周ヨーク
    と、前記外周ヨークと磁気的に結合された、強磁性材料
    からなるセンターヨークと、前記外周ヨークの内面に固
    定された、R(Nd,Pr,Dy等の希土類金属の一種以上)、
    B及びFeを主成分とし、半径方向に異方性を有する一体
    の円筒状磁石と、前記円筒状磁石の表面に固着された非
    磁性かつ導電性材料からなる保護部材と、前記センター
    ヨーク外周面と前記円筒状磁石内周面との間に形成され
    た磁気ギャップ内に配置された可動コイル部材とを有す
    ることを特徴とするボイスコイル型リニアモータ。
  2. 【請求項2】円筒状磁石は、R10〜30原子%、B2〜28原
    子%、Fe65〜80原子%を主成分とすることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項に記載のボイスコイル型リニアモ
    ータ。
  3. 【請求項3】強磁性材料からなる円筒状の外周ヨーク
    と、前記外周ヨークと磁気的に結合された、強磁性材料
    からなるセンターヨークと、前記外周ヨークの内面に固
    定された、表面に酸化防止膜が形成された、R(Nd,Pr,
    Dy等の希土類金属の一種以上)10〜30原子%、B2〜28原
    子%、Fe65〜80原子%を主成分とし、半径方向に異方性
    を有する一体の円筒状磁石と、前記円筒状磁石の表面に
    固着された非磁性かつ導電性材料からなる保護部材と、
    前記センターヨーク外周面と前記円筒状磁石内周面との
    間に形成された磁気ギャップ内に配置された可動コイル
    部材とを有することを特徴とするボイスコイル型リニア
    モータ。
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