JPH0799866B2 - 映像信号処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、水平補間器、垂直補間器、フイールド蓄積
器、水平および垂直の少なくとも一方の前記補間器およ
び前記フイールド蓄積器に供給する前に入力映像信号を
波する水平および垂直の少なくとも一方の低域通過
波器並びに画像寸法を水平および垂直の少なくとも一方
の方向に縮小するにつれて前記水平および垂直の少なく
とも一方の低域通過波器の遮断周波数を低減させる手
段を備えたディジタル符号化映像信号処理装置に関する
ものである。

（従来技術） 少なくとも１個の画像源を用いた種々の効果を演出する
とともに、それらの効果を演出するために映像信号入力
を処理し得るテレビジヨン・スタジオ装置が要望されて
いるが、それらの効果を演出するには、複数の別々の画
像源を一つに混合し、表示スクリーン上の複数個所に同
一画像を繰返し表示し、さらには、個々の画像の寸法を
増減させる必要が生ずる。各映像信号はすべてデイジタ
ル形態をなしており、テレビジヨン・スタジオ装置にお
けるデイジタル映像信号に対する仕様は、欧州放送連盟
により発行されている。取分け、この仕様には、輝度信
号は13.5MHzで標本化するとともにデイジタル化して８
ビットPCMコードを形成し、一方、色差信号Ｒ−Ｙおよ
びＢ−Ｙは6.75MHzで標本化するとともに時分割多重し
て13.5MHzの第２のデータの流れを形成すべきことが述
べられている。

上述のようにデイジタル的に符号化した映像信号用の効
果発生器は、フイールド蓄積器もしくはフレーム蓄積
器、すなわち、１フイールド分もしくは１フレーム分の
テレビシヨン信号をそつくりデイジタル形態で蓄積する
ように構成した読出し書込み用メモリを備えているのが
通例である。画像を水平もしくは垂直の方向に縮小しも
しくは拡大したい場合には、映像信号の入力標本数を出
力標本数に適合させるために、標本化した映像信号入力
を補間するのが望ましい。したがつて、画像をいずれか
の方向に縮小すなわち圧縮するとすると、映像信号の入
力標本化率と出力標本化率とが一致しなくなる。例え
ば、出力画像の寸法を入力画像の寸法の半分にするとい
う簡単な場合には、画像標本値を一つおきに蓄積して一
つおきに捨てることになる。しかしながら、その他の寸
法縮小の場合には、大抵、かかる簡単な処置では済ま
ず、満足な画像を得るためには、補間器を用いて隣接し
た標本値から蓄積すべき標本値を算出するとともに、水
平方向と垂直方向とに別々の補間器を用いるようにす
る。一方、画像をいずれかの方向に拡大すなわちズーム
するとすると、入力標本値から付加的な標本値を発生さ
せる必要がある。この場合には、入力標本値をフイール
ド蓄積器に蓄積するとともに、補間器により、蓄積した
標本値を取出して所要の中間標本値を計算することにな
る。したがつて、処理系には、蓄積器の入力側に２個お
よび出力側に２個の４個の補間器とそれらの補間器の動
作を制御するための適切な制御回路とを備えることにな
り、その結果、高価で複雑な処理系となる。さらに、屡
々所望される効果に軟焦点効果があるが、この軟焦点す
なわちソフトフオーカスの効果は、カメラのレンズを離
焦点させ、あるいは、カメラレンズの前に他の光学素子
を配置することによつて達成される。

なお、本発明はテレビション信号用特殊効果発生装置に
関するものであるが、この種の装置は、従来、垂直およ
び水平の補間器を備え、それらの補間器の入力側には垂
直および水平の濾波器をそれぞれ備えており、補間出力
映像信号が表わす画像の寸法が、対応する入力映像信号
が表わす画像の寸法より小さい場合には、補間器入力側
の濾波器が、ディジタル映像信号の標本値を間引くため
のサブサンプリングに伴う折返し歪の発生を防止する役
目を果たしている。画像縮小時などにサブサンプリング
を行なう際には、かかる折返し歪防止用濾波器により映
像信号を予め処理して出力画像の不自然さを避ける必要
があるのは従来周知の技術である。

（目的） 本発明の目的は、ソフトフオーカス効果を発生させるた
めの上述した手段に代わる手段を提供し得るようにする
にある。すなわち、本発明は、水平および垂直の少なく
とも一方の波器の遮断周波数を画像寸法には無関係に
入力映像信号の帯域幅より低い周波数に低減させる他の
手段を設け、当該他の手段を軟焦点効果を生じさせたい
ときに作動させるように構成したことを特徴とする冒頭
に述べた種類の映像信号処理装置を提供するものであ
る。

すなわち、本発明は電気的ソフトフォーカスの機能も備
えた特殊効果発生装置を提供することを目的としたもの
であり、ソフトフォーカスの機能は、上述したように、
従来純光学的手段によって得ているのに対し、本発明に
おいては、改良した特殊効果発生装置により映像信号を
処理して純電気的にソフトフォーカスの効果を得ること
を目的としている。

上述のようにすれば、画像を縮小したときに生ずる折返
し歪の発生防止のために、すでに、水平および垂直の
波器を備えているのであるから、電気的なソフトフォー
カス効果を低コストで発生させることができる。すなわ
ち、すでに存在している波器に少量の付加的回路、基
本的には、必要とするスイッチのみを加えるだけで、付
加的効果、すなわち、ソフトフオーカス効果を発生させ
ることが可能となる。

なお、本明細書においては、水平方向を線走査の方向と
定義し、垂直方向をフイールド走査の方向と定義すると
ともに、フイールド蓄積器を少なくとも１フイールド分
のテレヒジヨン画像を蓄積し得る蓄積器と定義し、特
に、フレーム蓄積器も含めるものとする。

しかして、波器の遮断周波数を低減する手段として
は、それぞれ異なる記憶位置に多数組の波器係数を収
容した読出し専用メモリおよび選択した画像寸法に応じ
てその読出し専用メモリをアドレスする手段を備えて、
適切な波器係数を波器に供給するようにしてある。

上述のようにすれば、波器の遮断周波数を制御するた
めの簡単で低廉な手段が得られる。

さらに、選択スイツチとなし得る他の手段をそれぞれ
波器毎に読出し専用メモリにおける単一の記憶位置をア
ドレスするために設けることができる。

すなわち、水平波器および垂直波器の遮断周波数の
最低値にそれぞれ対応した波器係数を収容した読出し
専用メモリの記憶位置をアドレスするように選択スイツ
チを配置することができる。

また、上述した手段の代わりに、水平および垂直の波
器に可変の遮断周波数を与え得る手段として、可変電圧
源、選択スイツチおよびアナログ・デイジタル変換器を
備え、そのアナログ・デイジタル変換器の出力端を読出
し専用メモリのアドレス入力端に結合させるようにする
こともできる。

（実施例） 以下に図面を参照して実施例につき本発明を詳細に説明
する。

本発明は、ディジタル映像信号のサブサンプリングに伴
う折返し歪によって生ずる出力画像の不自然さを避ける
に必要な遮断周波数より低く濾波器の遮断周波数に低減
することにより、極めて簡単かつ効果的に所望の電気的
ソフトフォーカス効果を実現し得る、という新たな認識
に基づいてなしたものである。

しかして、当該濾波器自体は、映像信号をディジタル信
号に転換して処理する特殊効果発生装置にはすでに備え
あらているのであるから、極めて少ない個数の回路要素
を付加するのみで足りることになり、従来の折返し歪防
止機能にソフトフォーカス機能を付加して達成するの
に、既存の濾波器の遮断周波数を折返し歪防止に必要な
値より低く設定するのが、唯一なすべき事項となる。

かかる本発明を実施するに必要な具体的構成は、特許請
求の範囲の各項に順次に述べたところを特徴としてお
り、かかる特徴を実現するための具体的構成について順
次に説明する。

第１図は、映像信号入力端１および処理済み映像信号出
力端２を有する映像信号処理回路を示したものである。
入力端１と出力端２との間には、垂直波器３、水平
波器４、垂直補間器５、水平補間器６およびフイールド
蓄積器７を配置してある。ここで注意すべきこととし
て、本明細書中においては、水平なる語は線走査の方向
を指し、垂直なる語はフイールド走査の方向を指す。

表示用テレビジヨン画像は、入力映像信号が表わす画像
と同一寸法のもの、拡大すなわちズームしたもの、もし
くは、縮小すなわち圧縮したものとすることができる。
画像の拡大もしくは縮小は、垂直もしくは水平の方向の
いずれか、もしくは、双方同時に行なうことができ、特
に、画像をある方向には圧縮し、他の方向にはズームす
るようにすることもできる。

画像を圧縮もしくはズームする場合には、正常寸法の画
像標本値から中間標本値を抽き出すのが望ましい。ま
た、画像を圧縮する場合には、標本値をフイールド蓄積
器に入れる前に補間を行ない、一方、画像を拡大する場
合には、フイールド蓄積器から取出した標本値に補間を
施す必要がある。なお、かかる画像処理は、従来は、フ
イールド蓄積器の前後に別々の補間器を接続して設ける
ことにより達成していた。

第１図示の装置には制御回路８を備えて多数の制御信号
を形成し、それらの制御信号により、垂直および水平の
波器３および４の帯域幅を制御し、補間器５および６
を制御して中間標本値を決定するに必要な演算を行なわ
させ、フイールド蓄積器のアドレスを制御して標本値を
蓄積する蓄積機内記憶位置を決定され、さらには、補間
器５および６並びに蓄積器７の構成を再配置して、補間
器を蓄積器の前もしくは後に選択的に位置し得るように
する。

２個の制御用ポテンシオメータ９および10は垂直および
水平各方向の画像寸法をそれぞれ制御する。これらのポ
テンシオメータにより調整した各電圧は、２個のアナロ
グ・デイジタル変換器11および12によりデイジタル信号
に変換する。それらのアナログ・デイジタル変換器（AD
C）11および12の各出力端を比較回路13に接続して第１
および第２の比較出力を形成し、映像信号を垂直にズー
ムすべきか、水平にズームすべきかを決定させる。な
お、それらの比較出力信号は伝送線14および15を介して
制御回路８に導き、また、ADC11および12の変換出力信
号はデータパス16および17をそれぞれ介して制御回路８
に供給する。

制御回路８は、データパス18および19を介して導いた制
御信号により波器３および４の帯域幅をそれぞれ制御
するとともに、データパス20および21を介して補間器５
および６をそれぞれ制御する。補間器５および６には、
画像寸法を指示するとともに補間器をエネーブルにし
て、値を算出すべき標本の位置に決めさせる制御信号と
蓄積器７に対する補間器の相対位置を制御する制御信号
とが与えられる。また、制御回路８は、データパス22を
介して制御信号を蓄積器７に与えて、蓄積器内における
画像を蓄積すべき記憶位置と蓄積器７の回路配置におけ
る補間器５および６に対する蓄積器の相対位置とを指示
する。一方、スイツチ23は、データパス24を介し制御回
路８に接続されて、垂直および水平の波器３および４
用にその遮断周波数に最小値をとらせる波器係数を制
御回路に形成され、その結果、表示画像上には、ソフト
フオーカス効果に類似した効果が現われる。なお、この
スイッチ23の作用にはポテンシオメータ25およびアナロ
グ・デイジタル変換器（ADC）26を含めることにより、
波器５および６の一方もしくは双方の遮断周波数を可
調整にすることを可能にさせる。走査線625本のPAL方式
映像信号については、波器の遮断周波数を有効範囲を
約1MHzから約4MHzまでに拡げる。この遮断周波数を4MHz
以上にすると、ソフトフオーカス効果があまり効かなく
なり、一方、1MHz以下にすると、画像の細部が見えなく
なる。映像信号の帯域幅が異なる場合、あるいは、ポス
タ化のような効果を発生させる場合には、波器の遮断
周波数を上述の値とは異ならせるのが望ましい。

第２図乃至第５図には、垂直および水平の画像圧縮およ
びズームの種々の組合わせに対する補間器5,6および蓄
積器７の再配置の仕方を示してある。まず、第２図に
は、正常寸法の画像、もしくは、一方または双方の方向
に圧縮して、いずれの方向にもズームはしていない画像
に対する構成を示す。この場合には、水平および垂直の
補間器６および５はともに蓄積する前の映像信号に対し
て動作し、さらに、水平および垂直の波器４および３
は、画像寸法に応じて変化する遮断周波数を有するよう
に制御され、すなわち、画像寸法が減小するにつれて、
低域通過波器としての水平および垂直各波器の遮断
周波数が低下する。また、第３図には、画像を垂直方向
に圧縮するとともに水平方向にズームする場合の構成を
示す。この場合には、水平波器４をデイスエイブルに
して本質的に直通の伝送路を形成し、垂直補間器５を蓄
積器７の前に配置し、さらに、水平補間器６を蓄積器７
の後に配置する。また、第４図には、画像を水平方向に
圧縮するとともに垂直方向にズームする場合の構成を示
す。この場合には、垂直波器３をデイスエイブルにし
て本質的に直通の伝送路を形成し、水平補間器６を蓄積
器７の前に配置し、さらに、垂直補間器５を蓄積器７を
後に配置する。また、第５図には、画像を水平および垂
直の両方向にズームする場合の構成を示す。この場合に
は、垂直および水平の波器３および４をデイスエイブ
ルにするとともに、垂直および水平の補間器５および６
を蓄積器７の後に配置する。垂直および水平の波器３
および４の位置は逆にすることができるので、水平波
器４を垂直波器３の前に配置するが、かかる入れ替え
は全く任意に行なうことができる。これと同様に、両補
間器５および６を第２図および第５図に示したように蓄
積器７の同じ側に配置する場合にも、どちらの補間器を
前に置いても構わない。

第６図には、垂直および水平の波器３および４、垂直
および水平の補間器５および６並びに蓄積器７を、第２
図乃至第５図に示したような構成とするためには、如何
にして相互に接続するかを示してある。まず、入力端１
をデータパス30を介して垂直波器３の入力端に接続す
るとともに、その垂直波器３の出力端をデータパス31
を介して水平波器４を入力端に接続する。その水平
波器４の出力端は、データパス32を介して垂直補間器５
の第１入力端Ａ、水平補間器６の第１入力端Ｅおよび蓄
積器７の第１入力端Ｊに接続する。垂直補間器５の第１
出力端Ｃは、データパス33を介して蓄積器７の第２入力
端Ｋおよび水平補間器６の第２入力端Ｇに接続する。蓄
積器７の第１出力端Ｎはデータパス34を介して装置の出
力端２に接続する。蓄積器７の第２出力端Ｏはデータパ
ス35を介して垂直補間器５の第２入力端Ｂおよび水平補
間器６の第３入力端Ｆに接続する。水平補間器６の第１
出力端Ｈは、データパス36を介して蓄積器７の第３入力
端Ｌに接続するとともに、データパス37を介して垂直補
間器５の第２出力端Ｄおよび装置の出力端２に接続す
る。蓄積器７には、書込み制御回路71、ランダムアクセ
スメモリ（RAM）72および読出し制御回路73を設ける。
この蓄積器７の各入力端は書込み制御回路71を径由し、
一方、各出力は読出し制御回路73から取出される。補間
器５および６並びに蓄積器７の各入力は、それぞれラツ
チを径由してデータパスに接続されているので、適切な
ラツチを適切な時期にエネーブルにすることにより、そ
れぞれの入力端に接続されているデータパス上の情報を
対応する補間器あるいは蓄積器に受入れ、もしくは、無
視することができる。これと同様に、各補間器および蓄
積器の各出力端も、選択的にエネーブルにし得るラツチ
もしくはバツフアを介して接続されている。なお、注目
すべきこととして、２個の出力端が単一のデータパスに
接続されている場合には、ラツチもしくはバツフアは、
それぞれ、３とおりの出力端を有していなければならな
い。

第２図に示したように、いずれの方向にもズームは行な
わない正常寸法の画像用もしくは圧縮画像用に装置をセ
ツトした場合には、垂直補間器５の第１入力端Ａに接続
したラツチをエネーブルにするので、水平波器４の出
力端からのデータを垂直補間器５に取入れることができ
る。しかしながら、水平補間器６および蓄積器７の各入
力端ＥおよびＪに接続された各ラツチがデイスエイブル
になつているので、データパス32からのデータはこれら
の回路に入らない。垂直補間器５の第１出力端Ｃはエネ
ーブルになつており、水平補間器６の第２入力端もエネ
ーブルになつているので、垂直補間器５の第１出力端Ｃ
からのデータは、データパス33を介して水平補間器６の
第２入力端Ｇに供給されるとともに水平補間器６に受入
れられる。しかしながら、蓄積器７の第２入力端Ｋはエ
ネーブルになつていないのであるから、蓄積器７はデー
タパス33上の情報を無視する。また、水平補間器６の第
１出力端Ｈはエネーブルになつており、蓄積器７の第３
入力端Ｌもエネーブルになつているので、水平補間器６
からのデータは、データパス36を介して蓄積器７に供給
される。さらに、蓄積器７の第１出力端Ｎがエネーブル
になつているので、蓄積器７の出力はデータパス34を介
して装置の出力端２に供給される。また、垂直補間器５
の第２出力端Ｄおよび水平補間器６の第２出力端Ｉはエ
ネーブルになつていないのであるから、衝突をおこすデ
ータが装置の出力端２に現われることはない。このよう
に、垂直補間器５の第１入力端Ａおよび第１出力端Ｃ、
水平補間器６の第２入力端Ｇおよび第１出力端Ｈ、並び
に、蓄積器７の第３入力端Ｌおよび第１出力端Ｎをエネ
ーブルにするとともに、各補間器および蓄積器の他の入
出力端をすべてデイスエーブルにすることにより、装置
は第２図に示したように構成される。同様にして、第３
図示の構成に到達するためには、垂直補間器５の第１入
力端Ａおよび第１出力端Ｃをエネーブルにし、蓄積器７
の第２入力端Ｋおよび第２出力端Ｏをエネーブルにし、
さらに、水平補間器６の第３入力端Ｆおよび第２入力端
Ｉをエネーブルにするとともに、他の入出力端をすべて
デイスエーブルにする。第４図および第５図にそれぞれ
示した構成も同様にして達成することができる。なお、
注目すべきこととして、他の出力端に接続される出力端
はデイスエーブルにすることのみが必要であり、また、
各出力端のうち、選択的にエネーブルおよびデイスエー
ブルになし得る入力端に接続される出力端はつねにエネ
ーブルにすることができる。したがつて、制御回路がそ
れだけ簡単になる。

ここで、第１図示の構成に話を戻して、垂直および水平
の波器３および４は、制御回路８からそれぞれデータ
パス18および19を介して波器係数を供給される低域通
過デイジタル波器であり、画像寸法に応動するように
構成されており、画像寸法が正常のときに最高の遮断周
波数を有するとともに、画像寸法の減小につれて遮断周
波数が低減する。画像をズームしたときには、各波器
は、デイスエーブルになつて、本質的に直通の伝送路を
提供する。各波器の遮断周波数は、できれば線14およ
び15上の信号と組合わせて、データパス16および17を介
して供給される画像寸法の情報から所要の波器係数を
引出す制御回路８からデータパス18および19を介して各
波器に供給する波器係数によつて決定される。それ
らの波器係数を形成するために、制御回路８はアナロ
グ・デイジタル変換器（ADC）11および12の出力によつ
てアドレスする読出し専用メモリを内蔵している。ADC1
1および12はポテンシオメータ９および10によつて設定
したとおりの画像寸法を表わすデイジタルコードを形成
する。各メモリ位置には、それぞれのメモリ位置のアド
レスが表わす画像寸法に対応した所望の遮断周波数を形
成するように予め算出した１組の波器係数を蓄積して
ある。各波器３および４をデイスエーブルにするの
は、画像のズームが選択されたことを指示する線14およ
び15上の信号によつて制御することができる。一方、比
較回路13は、ADC11および12の出力を取出してプリセツ
トされている値と比較し、垂直もしくは水平のいずれの
方向の画像ズームが選択されているかを決定する。この
ようにして比較回路13が画像ズームが選択されているこ
とを検出すると、線14および15の少なくとも一方を介し
て制御回路８に信号を送出する。制御回路８は、内蔵し
た読出し専用メモリを用いて線14および15上の信号を符
号化し、垂直および水平の補間器５および６並びに蓄積
器７の各出力端用の適切なエネーブル信号を形成し、そ
れらのエネーブル信号を、データパス20,21および22を
それぞれ介してそれらの構成要素に送出する。なお、読
出し専用メモリは、蓄積してある“0"にエネーブル信号
を対応させ、蓄積してある“1"にデイスエーブル信号を
対応させて、第１表に示すようにプログラムすることが
できる。

読出し専用メモリの容量は、第１表の蓄積内容を検討す
ることにより削減することができる。例えば、入力アド
レスが変わつてもある出力端の状態が変わらない場合に
は、対応するラツチもしくはバツフアを恒久的に固定の
エネーブル電位に接続することができる。さらに、ある
入力端群もしくは出力端群がつねに同一状態を有する場
合には、それらの入力端群もしくは出力端群を一括接続
することができる。

第７図には、制御回路８の詳細な構成を示す。制御回路
８は５群の読出し専用メモリ（ROM）81,82,83,84および
85を備えており、ROM81は、線14および15上の信号によ
りアドレスされて、第１表に示したようにプログラムさ
れる。このROM81の各出力は、データパス20を介して垂
直補間器５に供給され、データパス21を介して水平補間
器６に供給され、さらに、データパス22を介して蓄積器
７に供給される。また、ROM82は、垂直波器３用の
波器係数を蓄えており、データパス16を介してアドレス
されるので、データパス18を介し、ポテンシオメータ９
により設定された垂直方向の画像寸法に応じて変化する
波器係数を垂直波器３に送出する。蓄積内容の波
器係数は、所定の画像寸法に対して所望の遮断周波数を
知れば、周知の方法に従つて予め算出しておくことがで
きる。遮断周波数の変化の円滑さは、使用するROMの容
量によつて異なる。同様にして、ROM83は、水平波器
４用の波器係数を蓄えており、データパス17を介して
アドレスされるので、ポテンシオメータ10により設定さ
れた水平方向の画像寸法に応じて変化する波器係数を
水平波器４に送出する。また、ROM84は、データパス1
6を介しアドレスされて、ポテンシオメータ９によつて
設定された垂直画像寸法に応じて変化する制御コードを
データパス20を介して垂直補間器５に送出する。その垂
直補間器５は、この制御コードを用いて所要の標本位置
に決定する。同様にして、ROM85はデータパス17を介し
アドレスされて、ポテンシオメータ10によつて設定され
た水平画像寸法に応じて変化する制御コードをデータパ
ス21を介して水平補間器６に送出する。また、データパ
ス24は、ROM82および83に接続されて、垂直および水平
の波器３および４に対し、それらの波器の最低遮断
周波数を形成する波器係数を送出する。したがつて、
スイツチ23を操作することにより、ソフトフオーカス効
果を発生させることができる。なお、データパス24上の
信号はデータパス16および17上の信号より優先して作用
し、また、ROM82および83の中もしくは前には適切な復
号回路が設けられている。

上述した本発明の実施例に対しては種々の変更を施すこ
とができる。例えば、画像寸法を選択するには、マイク
ロプロセツサにより制御可能のパターン発生器、あるい
は、マイクロコンピユータもしくはミニコンピユータを
内蔵するようにして、他の構成を替わりに用いることが
できる。また、補間器および蓄積器の位置を再構成する
のに、替わりの方法を用いることもでき、上述した実施
例は、種々の構成配置のうちの好適例に過ぎない。

（効果） 上述した本発明装置は、輝度チヤネルに使用するに適す
るとともに、色差信号に対して繰返し使用することがで
きる。なお、多少の特性の劣化を許し得るならば、色差
信号チヤネルに対しては、水平および垂直の波器を省
略することができる。同様にして、補間器の特性も、色
差信号チヤネルに対してはあまり厳密を要しない。

以上の説明においては、水平および垂直の各補器並びに
フイールド蓄積器の位置を交換し得るようにした実施例
について本発明装置を述べたが、本発明装置は、かかる
場合に限つて使用し得るものではなく、例えば、画像の
縮小のみを行ない、あるいは、蓄積器の入力端と出力端
とに別々の補間器を設けるようにすれば、補間器および
蓄積器の位置を固定にした構成配置にも適用することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明映像信号処理装置の構成例を示すブロツ
ク線図、 第２図乃至第５図は種々の映像信号処理状態に対応した
補間器および蓄積器の配置の他の構成例をそれぞれ示す
ブロツク線図、 第６図は第２図乃至第５図に示した構成配置の実施を可
能にするための各単位回路相互接続の態様を示すブロツ
ク線図、 第７図は第１図示の本発明装置に用いるに適した制御回
路の構成例を示すブロツク線図である。 １……入力端、２……出力端 ３……垂直波器、４……水平波器 ５……垂直補間器、６……水平補間器 ７……フイールド蓄積器、８……制御回路 9,10,25……制御用ポテンシオメータ 11,12,26……アナログ・デイジタル変換器 13……比較回路、14,15……線 16〜22,30〜37……データパス 23……スイツチ、24……パス 71……書込み制御回路 72……ランダム・アクセス・メモリ 73……読出し制御回路 81〜85……読出し専用メモリ（ROM）

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水平補間器、垂直補間器、フィールド蓄積
   器、水平および垂直の少なくとも一方の前記補間器およ
   び前記フィールド蓄積器に供給する前に入力映像信号を
   濾波する水平および垂直の少なくとも一方の低闘通過濾
   波器並びに画像寸法を水平および垂直の少なくとも一方
   の方向に縮小するにつれて前記水平および垂直の少なく
   とも一方の低闘通過濾波器の遮断周波数を低減させる手
   段を備えた映像信号処理装置において前記水平および垂
   直の少なくとも一方の濾波器の遮断周波数を画像寸法に
   は無関係に前記入力映像信号の帯域幅より低い周波数に
   低減させる他の手段を設け、当該他の手段を軟焦点効果
   を生じさせたいときに作動させるように構成したことを
   特徴とする映像信号処理装置。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項記載の装置におい
   て、前記濾波器の遮断周波数を低減させる手段に、複数
   組の濾波器係数をそれぞれ異なるメモリ位置に納めた読
   出専用メモリと、その読出専用メモリを画像寸法の選択
   とは無関係にアドレスして各前記濾波器にそれぞれ適し
   た濾波器係数を供給する手段とを設けたことを特徴とす
   る映像信号処理装置。
3. 【請求項３】特許請求の範囲第２項記載の装置におい
   て、前記他の手段が各前記濾波器毎に単一の読出専用メ
   モリ位置をアドレスするように構成したことを特徴とす
   る映像信号処理装置。
4. 【請求項４】特許請求の範囲第３項記載の装置におい
   て、前記他の手段に選択スイッチを設けたことを特徴と
   する映像信号処理装置。
5. 【請求項５】特許請求の範囲第１項または第２項記載の
   装置において、前記他の手段が前記水平および前記垂直
   の濾波器に可変の遮断周波数を与えるようにしたことを
   特徴とする映像信号処理装置。
6. 【請求項６】特許請求の範囲第５項記載の装置におい
   て、特許請求の範囲第２項による場合に、前記他の手段
   に可変電圧源、選択スイッチおよびアナログ−ディジタ
   ル変換器を設け、そのアナログ−ディジタル変換器の出
   力端を前記読出専用メモリのアドレス入力端に結合させ
   たことを特徴とする映像信号処理装置。