JPH0799294A - 半導体装置及びその作製方法 - Google Patents

半導体装置及びその作製方法

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JPH0799294A
JPH0799294A JP26046693A JP26046693A JPH0799294A JP H0799294 A JPH0799294 A JP H0799294A JP 26046693 A JP26046693 A JP 26046693A JP 26046693 A JP26046693 A JP 26046693A JP H0799294 A JPH0799294 A JP H0799294A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のシリコンプロセスを用いて、簡単な工
程で、信頼性の高いSOI構造を有する大規模集積回路
を低コストで形成する。 【構成】 単結晶半導体からなる第1の支持基板9上に
半導体装置1を形成し、該半導体装置1表面を不純物バ
リア層8で封止し、熱的に軟化させた第2の支持基板材
料14を、モールド成形金型11で押圧して、前記不純
物バリア層8を介して前記半導体装置1形成面の起伏に
沿って変形させて密着させ、冷却硬化させることにより
接合し、その後、前記第1の支持基板9を前記半導体装
置領域1を残して除去し、前記除去面の前記半導体装置
上に電気絶縁性材料層22を形成する、ことを特徴とす
る半導体装置の作製方法及び、半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁物基板上の半導体
装置及びその作製方法に関し、特に、Silicon
On Insulater(以下、SOIと記す)構造
を持つ半導体装置及びその作製方法に関するものであ
る。
【0002】より詳しくは、単結晶半導体基板に高機
能、高性能電子デバイスや集積回路、等の半導体装置を
形成した後、これを支持基板にて支持し、裏面から単結
晶半導体基板の半導体装置部分を除いて単結晶半導体基
板を除去し、最後に電気的絶縁層を形成することで電気
的絶縁層上に半導体装置を配置した構造を有するSOI
構造の半導体装置及びその作製方法に関するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】SOI技術は、通常のシリコン集積回路
を作製するバルクのシリコン基板では到達し得ない数々
の優位点を有することから、多くの研究がなされてき
た。
【0004】即ち、SOI技術を利用することで、 1.誘電体分離が容易で高集積化が可能、 2.放射線耐性に優れている、 3.浮遊容量が低減され高速化が可能、 4.ラッチアップ(latch up)を防止でき、高
耐圧特性が向上する、等の優位点が得られる。
【0005】比較的近年には、Zone Meltin
g Recrystallization法(以下、Z
MRと記す)や、Seperation by Ion
Implanted Oxygen法(以下、SIM
OXと記す)、貼り合わせSOI法、等のSOI基板作
製方法が提案されている。
【0006】ZMR法とは、SiO2 膜で被覆された単
結晶シリコン基板の一部に開口部を設け、その上に堆積
した非晶質或いは多結晶シリコン層に電子線、レーザ
光、等のエネルギービームを収束して照射するか、また
は棒状ヒータにより帯状に溶融領域を走査して開口部の
単結晶基板面をシードにした溶融再結晶により単結晶シ
リコン層をSiO2 膜上に成長させるものである。この
方法では、比較的大規模な集積回路も試作されている
が、依然として亜粒界等の結晶欠陥が多数残留してお
り、小数キャリアデバイスを作製するに至っていない。
また、制御性、生産性の点で多くの課題を抱えている。
【0007】また、SIMOX法は、シリコン単結晶基
板中に酸素をイオン注入することによりシリコン単結晶
基板の内部にSiO2 層を形成する方法である。この技
術は0.1ミクロン以下の極薄シリコン活性層を形成で
きるだけではなく、シリコンプロセスとの整合性が良い
ことから、現在最も成熟した手法である。
【0008】しかしながら、SiO2 層を形成するため
に1018ions/cm2 以上もの酸素イオンを注入す
る必要が有り、その注入時間は長く生産性に問題があ
る。しかも、高価なイオン注入装置を必要とする事から
必然的にその作製コストは高くなるという問題が有る。
また、SiO2 層によりシリコン単結晶内部を膨張、拡
張するためにSiO2 層上のシリコン単結晶薄膜層に応
力による結晶欠陥を発生させるという問題がある。
【0009】これらに比べて貼り合わせSOI法は、単
結晶シリコン基板と同一、或いは異種の支持基板を互い
に鏡面研磨しその平坦面同士をSiO2 層、等を介して
貼り合わせ、熱処理を経た後に活性層となるべき片方の
単結晶シリコン基板を研磨して、絶縁膜上に単結晶シリ
コン薄膜を残すものである。
【0010】この方法では、バルクそのものを活性層と
して使用することから良好な結晶品位が得られ、容易に
SOI基板が得られる技術として近年注目されている。
【0011】反面、硬質基板を貼り合わせることから接
合面の平坦性、及び清浄性が確保されていないと接合界
面に未接合の空隙を残留し、接合後に通常1ミクロン以
下の厚みの単結晶シリコン薄膜とするためにシリコン・
プロセス工程において重大な問題を引き起こす活性層の
欠落を生じやすい。
【0012】また前例と異なり、機械研磨や化学的エッ
チングにより単結晶シリコン基板を薄膜化する必要があ
る。SOIとして1ミクロンのシリコン薄膜を想定する
と、厚み精度は±0.1ミクロン以下が要求される。
【0013】一方、透明化の要求から支持基板にガラ
ス、等の異種材料を使用する場合は、1100℃にもお
よぶ貼り合わせ時の熱処理において熱膨張係数の違いに
より基板の破壊や剥離が生じるという問題がある。
【0014】一般に、高温のシリコンプロセスに整合さ
せるために耐熱性に優れた高価な石英ガラスが使用され
るが、熱応力低減の目的から熱処理前の単結晶シリコン
薄膜の厚さは0.5ミクロン以下に制限され、研磨精度
は更に厳しくなる。
【0015】また、必然的に2枚の基板から1枚の基板
を作製する事になるためコストが高くなるという問題が
ある。低コスト化の観点から支持基板として低融点ガラ
スのような低価格基板を使用することも検討されている
が、耐熱性に問題があり低温シリコンプロセスの開発が
前提となり、現状では実用的な周辺プロセスが確立され
ていない。
【0016】しかも、低融点ガラスは色々な化合物が添
加されている。特に、アルカリ・イオンによるシリコン
・プロセスの汚染は半導体装置の動作安定性に重大な問
題を引き起こす。
【0017】これら半導体装置形成前にSOI基板を作
製する方法に対して、単結晶シリコン基板上に半導体装
置を形成した後、この表面にポリイミドやエポキシ、或
いはボロン・リン・シリケート・ガラス(以下、BPS
Gと記す)やワックス等の接着剤を介して第1の支持基
板に接着し、単結晶シリコン基板の裏面を研磨、等で除
去し、更に除去面に接着剤を介して他の第2の支持基板
を接着し、第1の支持基板及びその接着剤を除去して集
積配置された素子が形成されたSOI構造の基板を完成
する方法も提案されている。
【0018】この方法は積層すべき回路を事前に作製
し、最終段階で支持基板に貼り合わせ、半導体基板側裏
面から半導体装置を研ぎ出すもので、デバイス・トラン
スファ(Device Transfer:以下、DT
と略記す)法SOIと呼ばれ、ニェーレン、等によっ
て、最初にその方法が提案された(J.A.van N
ielen,M.J.J.Theunissen an
d J.A.Appels,Philips Tech
nical Review,vol.31,no.7/
8/9,pp.271−275,1970。あるいは、
米国特許USP3677846)。
【0019】その作製方法を図5(A)から(E)を用
いて紹介する。
【0020】まず図5(A)に示すように、n+ 型単結
晶シリコンウェ−ハ36上のn型エピタキシャル層37
にUHF帯MOSトランジスタ38を衆知のシリコンプ
ロセスを用いて形成する。次に図5(B)に示すよう
に、表面にワックス39を介してガラス基板40を貼り
付ける。更に図5(C)に示すように、トランジスタの
裏面のn+ 型単結晶シリコン36及びn型エピタキシャ
ル層37を電気化学的エッチングにより除去し厚さ2ミ
クロンと薄くする。次に、図5(D)に示すように、ワ
ックスとガラス基板を取り除く。最後に、図5(E)に
示すように、トランジスタ裏面(前記エッチング面)に
ポリマー41を塗布し、セラミックス基板42に接着し
て支持するものであった。
【0021】その後、薄膜化方法の改良として、単結晶
シリコン薄膜とのエッチング液に対する選択性を利用し
てLOCOS(Local Oxidation of
Silicon)酸化層をストッパとし、ポリッシン
グによる機械研磨とアミン系エッチング液による化学エ
ッチングを併用する選択ポリッシング・トランスファ法
によるバイポーラ型トランジスタの石英基板への転写方
法が、浜口、等により報告された(第46回応用物理学
会学術講演会・講演予稿集、講演番号1p−V−9、1
985年)。
【0022】ここではポリイミドを接着剤として石英ガ
ラス基板で支持する構造となっていた。
【0023】一方、光学レンズとしてガラス材料からな
るブロックを例えば非球面形状を有する金型を用いてモ
ールド加工する技術が工業的に実用化されている(特公
昭54−38126。特開昭52−45613。特開昭
58−84134。松坂 健三:応用機械工学、4月
号、pp.159〜165、1986年)。
【0024】これは加圧成形法に類し、窒素雰囲気中で
ガラス材料をその屈伏点(At)温度程度に加熱して軟
化させ、金型で押圧してその形状に変形加工するもので
ある。複雑な非球面形状を切削、研磨すること無く金型
内で一発加工ができることからレンズ加工の省力化、低
コスト化の手段として注目されている。しかも、光学ガ
ラスはその屈折率、分散などの光学性能により200種
類以上もあり、屈伏点は400〜750℃の広い範囲に
分布している。また、加圧成形可能なガラス材料という
観点からは電気的絶縁性のものから導電性のものまで豊
富に提供されている。
【0025】しかしながら、半導体集積回路技術、特に
低融点ガラス平板を支持基板として使用する例は、従来
から低温堆積可能なアモルファス・シリコン半導体薄膜
を利用した半導体装置においては一般的であるが、高温
プロセスであり少数キャリア・デバイス作製をその主流
とする単結晶シリコン・プロセスにおいては前記の理由
から応用されていない。
【0026】図6は、ガラス材料の一般的な膨張曲線を
示すものである。ガラス材料を室温から加熱すると直線
に近い形で膨張し、ある温度になると急に膨張が大きく
なる。これはガラスが弾性状態から粘弾性状態に移るこ
とを意味し、2つの直線の延長線の交点を転移点(T
g)という。温度をさらに上げていくと伸びは止まり、
逆に縮んだような曲線になる。これはガラスの軟化によ
るへたりのためで、この温度を屈伏点(At)という。
この温度以上では比較的容易にガラスを変形させること
ができるが、冷却中に再結晶化、等の組成変化や表面と
内部との収縮固化の差による引っ張り応力により変形を
生じる場合がある。従って、転移点以上屈伏点以下の温
度領域での伸びの急激な変化を利用しさらに加圧するこ
とで軟化不足を補う加圧成形が行われる。
【0027】衆知のごとく、高温のシリコン・プロセス
においては、最終層としての無機パッシベーション材料
としてSiO2 や、BPSG、リン・シリケート・ガラ
ス(以下、PSGと記す)、等の薄膜をChemica
l Vapor Deposition(以下CVDと
記す)法で堆積形成する例や、PbOやSiO2 を主成
分とする低融点ガラス薄膜をガラス沈着法を用いて形成
する方法などが実用化されているが、何れの形成方法も
支持基板となるような厚膜を形成すると、熱による線膨
張係数の違いによりクラックを発生するという問題があ
り、数千オングストローム程度の薄膜に限って利用され
ている。
【0028】また、従来のポリッシングに替わる研磨技
術として、森等によりElastic Emissio
n Machining(以下、EEMと記す)法やC
hemical Vaporization Mach
ining(以下、CVMと記す)法、あるいは、ボリ
ンジャー等によりPlasma−AssistedCh
emical Etching(以下、PACEと記
す)法、等の表面加工法が提案されている(EEM法に
関しては、森 勇蔵、他:精密機械、43巻、5号、p
p.20〜26、1977年。CVM法に関しては森
勇蔵、他:精密工学会春季大会学術講演会講演論文集、
M23、pp.517〜518、1991年。PASE
法に関しては、L.D.Bollinger and
C.B.Zarowin,“Rapid,Non−me
chanical,DamageFree Figur
ing of Optical Surfaces U
sing Plasma−Assisted Chem
ical Etching(PACE),”SPIE
Vol.966,Advances in Fabri
cation and Metrology for
Optics and Large Optics,P
P.82−90(1988))。
【0029】CVM法はプラズマ・ドライ・エッチング
の一種であり、1×105 Pa(パスカル)の高圧力S
6 (六フッ化硫黄)ガス雰囲気下で平行平板電極間に
144MHz(メガ・ヘルツ)のVHF帯高周波を印加
してカソード電極に局在する高密度プラズマを生起し、
電気的に中性のフッ素ラジカルを使って被加工物表面を
エッチング除去するものである。シリコン表面を除去す
る場合、加工速度50ミクロン/分以上で従来の機械加
工同様の加工速度が得られ、しかも0.01ミクロン以
上の表面精度が得られることが報告されている。
【0030】従来のポリッシングは加工精度が±3ミク
ロンと粗く、加工表面に与えるダメージが表面光起電力
効果(Surface Photovoltage:以
下、SPVと記す)を用いた局在準位密度分布の変化に
よる評価ではアルゴン・イオン・スパッタ並に大きいの
に比べて、CVM法は加工後の表面に与える結晶欠陥や
不純物混入などのダメージが化学エッチング並に低いこ
とが報告されている。しかも、大面積領域の加工が可能
なことからウェーハ表面加工にとって理想的な加工方法
であると考えられる。
【0031】また、EEM法は懸濁液中にある低弾性体
ポリウレタン回転球と加工物表面との間に生じる流体潤
滑現象を利用する加工方法で、ZrO2 (酸化ジルコニ
ウム)、等の粉末粒子を加工物表面に供給し、数十Å
(オングストローム)程度の相互に接触した非常に狭い
領域で一種の原子間結合を発生させ、この結合による原
子単位の極微小量弾性破壊により加工物表面を除去する
ものである。除去領域の移動はNC(Numerica
lly Controlled)にて行うことから比較
的狭い領域の加工となるが、CVM法同様に高精度に、
且つ前記SPV法による評価では化学エッチング並のダ
メージに抑えた表面加工が可能である。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の方法ではSOI構造を特徴とする高性能半導体装置
を試作的に作製できるレベルにまで到達しているにもか
かわらず、その生産性、及び作製コストから十分に実用
的なレベルに達しているとは評価し難い。
【0033】例えば、貼り合わせSOI基板でさえその
価格は現在一般に市販されているシリコン・ウェーハの
約5倍程度の価格になると予測されている。従って、実
用化に際してはウェーハ作製コストに見合った付加価値
を有する高性能半導体装置の開発や、その作製コストを
現在のLSI並に引き下げる努力が必要となる。
【0034】これらに比べてDT法は、従来のシリコン
・プロセスを使用できる利点があるばかりでなく、素子
形成後に安価な基板により半導体装置を支持することも
可能なことから有利である。
【0035】反面、数ミクロンの高さ及び数十から数百
ミクロンの幅におよぶ複雑な凹凸を有する半導体装置形
成面と支持基板を貼り合わせるものであることから、使
用される接着剤としては凹凸を十分に充填し、且つ平坦
化するための性質として硬化前は低粘度で有ることが必
要となる。また、硬化後は裏面除去時の半導体装置と支
持基板との接着強度を補償すると同時に、硬化に際して
は接着剤の収縮による配線の断線や応力による半導体装
置特性の変動、等を発生させないことが要求される。
【0036】半導体装置の支持基板への転写後は、素子
構造やゲート長に依存するが例えばn型MOS FET
のベース領域の裏面を除去すると、加工精度はトランジ
スタの動作特性、例えばしきい値電圧(Vth)や最大
相互インダクタンス(gm)に敏感に影響を及ぼし、ゲ
ート長が1.5ミクロンの時、デバイス活性層厚が0.
3ミクロンより薄くなるとその影響が顕著になることが
報告されている。
【0037】また、シリコンウェーハの最終研磨におい
ては、機械研磨によるシリコン活性層への結晶欠陥の発
生を避けるため、最終層の除去にはポリッシングを使用
するが、その精度は±3ミクロン程度と低い。このた
め、前記浜口等により提案されているように単結晶シリ
コン基板にシリコン酸化膜エッチング停止領域を形成
し、ポリッシング・クロスとアミン系エッチング液を併
用した機械化学的エッチングによる選択ポリッシング法
により高精度に裏面の除去を行う必要がある。ところ
が、既に説明したようにポリッシングによるダメージは
避けられないという問題が潜在する。
【0038】従来、前記ニェーレン、等によりエッチン
グ停止層として高濃度不純物層をエッチング停止層とす
る化学的エッチングのみを使用する方法も検討された
が、半導体装置形成時の高温処理による高濃度不純物層
からの活性層への不純物拡散の問題を含んでいる。
【0039】従来のDT法では、トランジスタ裏面のシ
リコン層除去に際してトランジスタ層を第1の基板にて
支持し、薄膜化後はこれを取り外して再び第2の支持基
板に接着していたため工程が複雑となり、第1の支持基
板およびその接着層はトランジスタの裏面除去工程にの
み使用されることから無駄な材料消費を強いることとな
っていた。
【0040】そこで、一回の転写工程のみでSOI構造
を形成し、LOCOS酸化膜を貫通して裏面配線を施す
方法も提案されている。これにより、工程の簡略化が図
られると同時に、裏面電極を形成することもでき基板電
位の制御、等の二次的効果も期待できる。
【0041】ところが、従来はエポキシ系或いはポリイ
ミド系の接着剤を支持基板との接着層として使用してい
るため、裏面配線の形成に、例えばスパッタ法やEB
(電子ビーム)蒸着法、等の100℃以上の基板加熱を
必要とする金属膜堆積法を使用することは接着剤の耐熱
性及びガス放出、等の問題から難しい。
【0042】しかも、単結晶シリコン基板除去後にトラ
ンジスタ裏面はSOI構造とするためのパッシベーショ
ン処理を必要とする。支持基板、接着剤さらにパッシベ
ーション膜は相互に影響を与えない材料、及び処理条件
が選択されなければならない。従って、支持基板との接
着剤の特性が、その後の工程条件、特に加工温度を決定
する重要な鍵となっていた。
【0043】従来、ポリマ或いはワックスを接着剤とし
て使用する場合は、裏面パッシベーション層が支持基板
との接着剤層を兼ねる構造とすることで、第1の接着剤
と同一の材料を使用する。ただし、第1の支持基板及び
その接着剤の除去方法は、第2の接着剤のパッシベーシ
ョン効果及び接着強度に悪影響を及ぼさない方法を選択
する、等の制約が多かった。
【0044】[発明の目的]前記従来の技術の問題点に
鑑み、本発明は従来のシリコンプロセスを用いて信頼性
の高いSOI構造を有する大規模集積回路を形成するこ
とを第1の目的とする。
【0045】更に、本発明はその作製に際して従来の様
な複雑で且つ大規模なSOIウェーハ作製工程を経るこ
と無く、これを簡便に作製することを第2の目的とす
る。
【0046】更にまた、本発明は高価な支持基板を使用
すること無くSOI構造を有する大規模集積回路を低コ
ストで作製することを第3の目的とするものである。
【0047】また、DT法において、接着剤の悪影響を
無くして方法を提供することも目的とする。
【0048】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体装置
の作製方法は、前記課題を解決するための手段として、
衆知のシリコンプロセスを用いて単結晶半導体基板表面
に半導体装置を形成し、不純物バリア層で該表面を封止
する。
【0049】次に、加圧成形可能なガラス材料を熱的に
軟化させ、単結晶半導体基板にモールド成形金型で押圧
して半導体装置形成面に沿って変形して密着させ、徐冷
硬化することで半導体装置を支持する構造とする。
【0050】さらに、該半導体装置の形成裏面から単結
晶半導体基板を除去して、半導体装置のみをガラス材料
からなる支持基板に移す。
【0051】最後に、裏面を除去した半導体装置の裏面
を電気絶縁性部材により封止することで、ガラス材料で
支持された単結晶半導体装置とするものである。
【0052】また、単結晶半導体基板表面に半導体装置
を形成し、半導体装置の入力信号端子及び出力信号端子
を単結晶半導体基板の除去後に露出する構造とし、不純
物バリア層で該表面を封止する。
【0053】次に、半導体集積回路チップ毎に半導体装
置を切断、分割し、同一平面上に機能の異なる複数の半
導体集積回路チップを機能的に配置する。ここで、加圧
成形可能なガラス材料を熱的に軟化させ、モールド成形
金型で押圧して半導体装置形成面の凹凸に慣らして直接
密着させ、これを徐冷硬化することで複数の半導体集積
回路チップを一括支持する。
【0054】最後に、単結晶半導体基板を裏面から半導
体装置を除いて信号端子が露出するまで除去し、半導体
集積回路チップ間の信号端子を接続し、裏面電気絶縁層
を形成することで、ガラス材料で支持された単結晶半導
体装置とするものである。
【0055】
【作用】本発明の半導体装置及びその製造方法によれ
ば、まず衆知のシリコンプロセスによって単結晶シリコ
ンウェーハ上に形成された半導体集積回路は、外部入出
力端子を除いて、湿度やガラス材料からの可動イオンや
不純物の拡散を防止してその電気的動作特性を安定に保
持するための不純物バリア層としての無機パッシベーシ
ョン材料層で封止される。
【0056】本発明において、支持基板となるガラス材
料はこれら半導体集積回路に熱的或いは機械的な影響を
及ぼさないことが必須である。従って、低温で熱的に軟
化し、この温度範囲における線膨張係数が前記半導体集
積回路に使用される材料に近似のもので有ることが好ま
しい。例えば、室温から300℃までの単結晶シリコン
の線膨張係数を3.8×10-6/℃とすると、本発明に
使用するガラス材料の線膨張係数も10-6/℃のオーダ
であることが好ましい。ほとんどの光学ガラスがこの要
求を満たしている。
【0057】ここで、ガラス材料の成形温度として、屈
伏点温度近傍にまで前記半導体装置を加熱する場合に問
題になるのは、その金属配線材料の耐熱性である。
【0058】一般に配線材料として使用されるアルミニ
ュウムは、電気的抵抗率の低さから好ましい材料ではあ
るが、450℃以上に加熱するとボイドの発生による断
線や、シリコン析出による抵抗値の増加を生じる問題が
ある。成形温度が配線材料の組成変化温度を越えるよう
なガラス材料を使用する場合には、マイグレーション対
策として開発された公知の高融点金属合金であるモリブ
デン・シリコン合金やタングステン・シリコン合金、等
を配線材料として使用することが好ましい。
【0059】本発明では前記無機パッシベーション材料
層を支持基板との界面に配置するが、工程簡略化の目的
から接着剤層や研磨等を必要とする平坦化のための厚膜
層は介しない構造としている。従って、半導体集積回路
が形成された表面は数ミクロンにおよぶ凹凸形状とな
り、ガラス材料としてはこの隙間を充填して密着するよ
うに軟化時の表面粘度が十分低いことが必要である。表
面粘度を下げる目的から、成形温度をガラス材料の溶融
温度にまで高めることはガラス材料の局部的な再結晶化
を引き起こし、更に熱的線膨張係数差を広げることにな
り、その加工条件に関しては十分な検討が必要となる。
【0060】また、徐冷後の室温状態においては半導体
装置を支持する役割を担うことから機械的強度に優れて
いることが必要となる。ガラス材料はこれらの要求を十
分に満たし得る材料であると同時に、金型と加熱密着す
る際に水蒸気、等による空隙が生じることが無いこと
が、加工後の形状測定から確認されている。しかも、逆
に硬化後は本発明のように特有の凹凸形状を有する加工
面の方がアンカー効果による支持強度の増加が期待でき
る。
【0061】衆知の例から、平坦化した低融点ガラス接
着層を介して平坦なガラス基板に接合させて支持する構
造も想像に難くないが、工程を複雑とし本発明の目的か
らすると好ましくない。
【0062】本発明における次に重要な加工要素は、半
導体装置形成裏面の単結晶シリコン基板の除去工程であ
る。
【0063】例えばMOS FETの場合には、そのチ
ャネル領域の低部を除去することから加工精度はもとよ
り除去工程における結晶欠陥の発生や不純物による影響
を伴わない加工方法が前提となる。なぜなら、高温プロ
セスでは一般的なゲッタリング処理も、工程を経るにつ
れて順次その処理温度を下げていくDT法では裏面除去
後に適用することが難しい。
【0064】また、600ミクロンに及ぶ厚いシリコン
・ウェーハのほとんどを除去することから加工速度が機
械加工並に速いことが必要となる。
【0065】既に説明したように、CVM法やEEM法
によるシリコンの除去加工はこれらの要求を十分に満た
すものである。
【0066】ただし、表面の空間分解能のみを目的とし
た従来のような表面加工とは異なり、その加工量の制御
に関してはMOS FETのチャネル領域の厚みが直接
動作特性に影響を及ぼすことから、加工残し厚、即ちチ
ャネル領域の厚み測定及びその加工速度へのフィードバ
ックが必要となる。
【0067】本発明では、まず加工物全体の形状を測定
した後、光学的膜厚測定が可能となる厚みまで加工速度
一定で加工量を時間により制御して除去し、さらに光学
的膜厚測定を逐次適用しながら最終厚まで除去する。こ
れは従来例の様なLOCOS酸化膜による選択ポリッシ
ング法に比べて種々の半導体装置への応用自由度を高め
るものである。
【0068】除去後の大気暴露されたMOS FET裏
面を封止する必要から、既に説明したように、従来は有
機材料からなる厚膜を塗布する例が、本発明においては
既にガラス材料で半導体装置を支持していることから無
機パッシベーション材料を使用することができる。しか
も、本工程までに使用される材料は何れも450℃程度
の耐熱性を有することからプラズマCVD法やスパッタ
リング法を用いてSiO2 膜やSi3 4 膜、等の無機
薄膜を使用することができる。最終工程がパッシベーシ
ョン処理工程である場合は有機膜でもよいが、更にコン
タクトホールを介してパッシベーション膜上に金属膜を
堆積し裏面配線とする場合は、金属膜蒸着中のガス発
生、等の問題があり無機膜が好ましい。
【0069】
【実施例】
(実施例1)本発明を用いた半導体装置の一実施例とし
て、nチャネルMOS FETをその作製工程順に図1
(A)〜(E)及び図2を用いて説明する。
【0070】図1(A)は、従来のシリコン・プロセス
を用いて形成したnチャネルMOSFETの断面構造を
示す。
【0071】図中、イントリンシック・ゲッタリング
(以下、IGと記す)処理したp型チョクラルスキ(以
下、CZと記す)単結晶シリコン基板9の表面にマスク
を用いてゲート酸化膜2を熱酸化(ウェット酸化:10
00℃)形成する。
【0072】次にマスクを除去し酸化膜開口部からリン
(P)をイオン注入し、活性化のためのアニール処理
(800℃)を施してn+ 型ソース領域3及びドレイン
領域4を形成する。更に、ソース領域3、ドレイン領域
4上及びゲート酸化膜2上にスパッタリング法でW/W
Si合金積層膜をソース電極5、ドレイン電極6、ゲー
ト電極7として堆積し、パターニングする。最後に、パ
ッシベーション層としてアモルファスSiO2 膜をプラ
ズマCVD法で堆積し、素子基板9を完成する。ここで
は省略したが、素子間分離のためのLOCOS酸化領域
を形成しても良い。また、外部入出力端子も形成してお
く。
【0073】次に、ガラス材料の加圧成形工程を図1
(B)を用いて説明する。
【0074】まず下金型10上に前記素子基板9を配置
し、上金型11及び胴型12を含む圧縮成形機13全体
を大気圧窒素雰囲気でガラス材料の屈伏点温度にまで加
熱しておく。次にフリント系光学ガラスであるSF4
(転移点453℃、屈伏点477℃、線膨張係数8.9
×10-6/℃)からなるガラス・ブロック14を予備加
熱室(図示せず)で加熱しておき、圧縮成形機13内に
挿入する。ガラス・ブロック14の形状はこれを溶融さ
せずに加工することから、最終形状に近い形状であるこ
とが好ましい。
【0075】ガラス・ブロック14の温度が屈伏点温度
に達したところで上金型11を下げ、ガラス・ブロック
14を素子基板9の素子形成面に押し当て、加圧するこ
とで、その表面を上金型11の平面形状及び素子形成面
の凹凸形状に変形させる。ここで、素子形成面側は密着
するが、金型側は密着しないように金型表面は窒化チタ
ン(TiN)膜、等をコーティングしておきガラスとの
離型性を確保しておく。
【0076】次に、図1(C)に示すように、圧力を解
除して上金型11を上昇させ、素子基板9がガラス・ブ
ロック14に密着、支持されたDT基板15aを取り出
し、室温にまで徐冷する。
【0077】図1(C)は、素子基板9がガラス支持基
板14に支持されたDT基板15aの断面を示す。
【0078】次に、素子基板9の裏面除去工程につい
て、図1(D)を用いて説明する。
【0079】図中、CVM装置16は1×105 Pa以
上の圧力に耐える容器の内部にカソード電極板17とア
ノード電極板18を平行に配置した構造で、アノード電
極18及び圧力容器16は電気的に接地する。一方、カ
ソード電極17はこれらと電気的に絶縁されて144M
Hzの高周波電源19に接合装置(図示省略)を介して
接続されている。
【0080】処理するDT基板15aはアノード電極1
8上に、素子基板9の裏面側をカソード電極17に向け
て載置する。
【0081】次に、CVM装置16にSF6 ガスを1×
105 Paの圧力になるまで導入し、高周波電源19か
らカソード電極17に高周波電力を印加し、SF6 分子
を励起してカソード電極17表面に高密度のプラズマ領
域20を生起する。高圧力雰囲気のためイオン種は加工
面にまで到達せず、電気的に中性のフッ素ラジカルのみ
がシリコンのエッチングに寄与する。ここで、フッ素ラ
ジカルの寿命も高圧力雰囲気のため短く、カソード電極
17近傍でのみエッチングに寄与することからDT基板
15aのシリコン表面のみがフッ素ラジカルと反応して
SiF4 ガスとなって除去される。
【0082】DT基板15aのシリコン除去領域9aは
MOS FETのp型チャネル領域21まで均一、且つ
平坦に除去される。ここで、既に説明したように除去の
最終局面においては光学的厚み測定法を用いてチャネル
領域21のシリコン層厚を測定しながら除去加工を継続
し、チャネル領域の厚みが0.5ミクロンになったとこ
ろで加工を終了する。
【0083】最後に、最終パッシベーション工程につい
て図1(E)を用いて説明する。
【0084】裏面のシリコン領域9aを除去したDT基
板15aをプラズマCVD装置(図示省略)内に配置
し、SiH4 (シラン)ガスとO2 (酸素)ガスを導入
して13.56MHzの高周波電力で励起、分解し、基
板温度300℃でアモルファスSiO2 膜22を前記D
T基板の裏面全面に堆積する。
【0085】これで、SOI構造を有するMOS FE
Tが集積配置されたDT基板15aが完成する。
【0086】この状態で本発明のウェーハ形状のDT基
板15aは切断、分割して従来の半導体チップ同様に取
り扱うことができる。
【0087】本実施例においては半導体装置としてnチ
ャネルMOS FETを例にしたが、これ以外の例えば
pチャネルMOSやこれらを組み合わせたCMOSや、
バイポーラ・トランジスタ、ダイオードなどであっても
よい。
【0088】図2(A)は本発明を用いて作製されるバ
イポーラ・トランジスタの断面形状を示す。
【0089】図中、ガラス支持基板14内にp+ 型ベー
ス領域261、n+ 型エミッタ領域262、n- 型及び
+ 型コレクタ領域263及び264が転写されてお
り、コレクタ領域264はシリコン除去面にまで露出し
ている。尚、本例では、LOCOS酸化領域241で素
子分離を行っているが、島状分離すれば不要である。
【0090】また、図2(B)は本発明を用いて作製さ
れるPNダイオードの断面形状を示す。
【0091】図中、ガラス支持基板14内にカソード電
極271、アノード電極272、n型及びn- 型カソー
ド領域273及び274、p型及びp- 型アノード領域
275及び276が転写されており、n- 型カソード領
域274はシリコン除去面まで露出している。
【0092】また、本実施例では加圧成形可能な材料と
してガラス材料を例としたが、半導体装置として完成し
た後の工程であることから、本発明の用件に合致すれば
その他の誘電体材料や導電体材料、さらには熱伝導性に
優れた材料、鉛等を含有した放射線に対する遮蔽効果に
優れた材料も使用することができる。
【0093】また更に、シリコン除去方法に関しては上
記方法に限定されるものではなく、半導体装置に対する
影響が許容できるならば他の方法であってもよい。加工
量の測定、制御方法に関しても上記例以外の方法であっ
ても良い。
【0094】(実施例2)前記実施例1においては、ウ
ェーハ形状の素子基板9にガラス支持基板14を加圧成
形して密着、支持したが、図1(A)で素子基板9が完
成した後で素子基板9をチップ形状に切断、分割し、機
能の異なる複数の半導体集積回路チップをガラス支持基
板で一括支持することも可能である。
【0095】そこで本発明の他の実施例形態の半導体装
置及びその作製方法について、図3(A)〜(D)を用
いて説明する。ここで、半導体装置作製工程は図1
(A)に示したものと同様、或いは公知の作製方法であ
ることから工程の説明は省略する。
【0096】ただし、構造的に前記の半導体装置と異な
る点は、LOCOS酸化領域を有し、これを貫通してシ
リコン除去面にまで達する金属配線を充填した裏面コン
タクト・ホール25及び29(図3(A)に図示する)
が形成されていることである。
【0097】図3(A)に示すように切断、分離した機
能及び製作工程の異なる複数の半導体集積回路チップ、
例えばCMOSトランジスタ・チップ(図では、pチャ
ネルMOSを省略している)23とバイポーラ・トラン
ジスタ・チップ24を加圧成形機13内の下金型10上
に配置する。
【0098】CMOSトランジスタとバイポーラ・トラ
ンジスタを相互に接続した半導体装置、即ちBi−CM
OSは近年その低消費電力と高速性から注目を浴びてい
る。しかしながら、2種類のトランジスタを同一基板上
に形成する場合には構造及び作製工程が異なることから
工程が複雑になるという問題がある。そこで、本発明で
は各チップを個別に作製した後、同一基板でこれらのチ
ップを支持し、配線を接続することで多機能の半導体装
置を作製することを可能にする。
【0099】図中、26はバイポーラ・トランジスタの
ベース電極、27はエミッタ電極、28はコレクタ電極
を示す。
【0100】図3(B)に示すように、実施例1と同様
にガラス支持基板14を加圧成形して、チップ23及び
24に密着させる。この時、それぞれのチップの下金型
表面からの高さはシリコン・ウェーハの厚み、素子構
造、多層配線の有無、等により異なる。従って、図3
(B)に示すように本実施例におけるDT基板15bの
シリコン側表面の高さは同一面となるが、ガラス支持基
板14に埋め込まれる深さは異なる。
【0101】DT基板15bの裏面シリコン23a、2
4aの除去工程は、図3(C)に示す様に、まずCVM
法を用いてDT基板15bの裏面全域に渡って、例えば
チップ23のチャネル領域21を残す面30まで均一、
且つ平坦に除去する。ところが、各半導体チップの必要
な残し厚は異なることから、次にEEM法を用いてチッ
プ24の領域をその残し面31までシリコンを除去す
る。EEM法を使用する場合にも光学的厚み測定法を用
いて残し厚を制御する。
【0102】裏面のシリコンを除去することで各チップ
の裏面コンタクト・ホール25の金属配線も除去面に露
出する。
【0103】ただし、全てのチップがSOI構造を必要
とするとは限らない。SOI構造を必要としないチップ
に関してはLOCOS酸化層及び裏面コンタクト・ホー
ル26の深さを十分に深く形成しておき、CVM法のみ
でこれが露出するまで均一にシリコン領域を除去すれば
良い。
【0104】次に、図3(D)に示すように裏面パッシ
ベーション膜22としてアモルファスSiO2 膜を堆積
し、裏面コンタクト・ホール部25及び29のみをリソ
グラフィーを使って開口する。更に、金属配線32を堆
積してパターニングしてMOSトランジスタのドレイン
電極6とバイポーラ・トランジスタのベース電極26を
電気的に接続する。最後に、最終パッシベーション膜3
3としてアモルファスSiO2 膜を全面に堆積する。
【0105】このように、本発明を用いて従来のハイブ
リッドICの様に機能の異なるSOI構造を有するIC
チップを集積搭載することもできる。
【0106】本実施例においては、上記2例の半導体集
積回路チップ以外の半導体装置で有っても良い。
【0107】また、シリコン除去方法に関しては上記以
外の方法を組み合わせても良い。
【0108】また、当然、裏面配線処理は本発明の実施
範囲を限定するものではない。
【0109】また、半導体装置裏面の電気絶縁部材上に
裏面電極を形成し、基板電位を制御するようにすること
もできる。 (実施例3)次に、本発明に特有の加工方法により可能
となる構造体について図4(A)〜(B)を用いて説明
する。
【0110】本実施例において前記実施例と異なる特有
な点は加圧成形機13の上金型34及び下金型35の形
状にある。
【0111】一般にICチップは配線形成されたセラミ
ックス基板、等に直接搭載することを念頭に置いてパッ
ケージングされている。
【0112】本発明はガラス支持基板を加圧成形するも
のであることから、図4(A)に示すように加圧成形機
13の金型34及び35の加工面を所望の形状にし、シ
リコン除去、及びパッシベーション処理をすることによ
り、図4(B)に示すようなDT基板15cが完成す
る。ただし、本実施例においては加圧成形前に素子基板
9はチップ上に切断、分離しておく。
【0113】同様に、外部リード端子を取り付けた半導
体チップをガラス支持基板で一括支持する構造に上記金
型形状を設定することもできる。
【0114】(実施例4)次に、本発明のシリコン除去
工程におけるCVM装置の実施例についてその内部構造
の一部を図7を用いて説明する。
【0115】本発明において半導体装置裏面のシリコン
は既に説明したように極めて精度良く除去されなければ
ならない。
【0116】そこで本発明においては、従来の加工前形
状測定に付加して加工途中のシリコン厚測定を行い、そ
のデータを加工時間及び加工条件にフィードバックする
ことで加工精度を高めた。図中、被加工物であるDT基
板15は回転可能なアノード電極18上に複数個配置さ
れており、その回転領域の一部に固定されたカソード電
極17が高周波電源19に接続されて配置してある。
【0117】同様に、回転領域の一部にはDT基板15
のシリコン厚を測定するためのDT基板の全領域に渡っ
てXY方向に移動可能な光学的膜厚測定装置171を配
置した。
【0118】加工はまずカソード電極17直下において
光学的膜厚測定可能な厚みにまでDT基板のシリコンを
除去し、アノード電極18を回転して、DT基板を順次
移動する。次に、光学的膜厚測定装置171直下のDT
基板全域のシリコン厚を測定してそのデータをコントロ
ーラ172に記憶させておき、再びカソード電極17直
下に移動させてデータをもとに加工時間等を制御して正
確にシリコンを除去する。
【0119】本実施例では光学的な膜厚測定法を使用し
たが、当然測定精度を満たすものであれば他の測定方法
を利用しても良い。また、回転移動以外にも直線移動し
て前進後退するものや、複数の除去ステージを有するも
のなどで有っても良く、上記実施例が本発明の適用範囲
を制限するものではない。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
信頼性の高い従来のシリコン・プロセスを用いて高性能
且つ高機能の半導体装置を簡便な方法で作製することが
できるという効果が得られる。
【0121】しかも、安価な支持基板を使用することか
ら低コストでSOI構造を有する半導体装置を作製する
ことができる。
【0122】さらに、支持基板として使用できる材料の
範囲を大きく拡大することもでき、支持基板材料により
半導体装置に新たな機能を持たせることもできる。
【0123】また、従来のDT法のように、接着剤を用
いることもないため、接着剤による悪影響を無くすこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による半導体装置の作製工程
を説明するための模式的断面図である。
【図2】本発明の実施例1による半導体装置の最終形態
を説明するための模式的断面図である。
【図3】本発明の実施例2による半導体装置の作製工程
を説明するための模式的断面図である。
【図4】本発明の実施例3による、加圧成形工程におい
て特異な支持基板形状を作製する工程を説明するための
模式的断面図である。
【図5】従来のデバイス・トランスファ法による半導体
装置の作製工程を説明するための模式的断面図である。
【図6】一般的なガラスの膨張特性を説明するための概
略図である。
【図7】本発明のシリコン除去工程で使用するCVM装
置の内部概略図である。
【符号の説明】
1 半導体素子領域 2 ゲート酸化膜 3 ソース領域 4 ドレイン領域 5,6,7,26,27,28 電極 8,22,33 パッシベーション膜 9 素子基板 10,11,34,35 金型 12 胴型 13 加圧成形機 14 ガラス支持基板 15 DT基板 16 CVM装置 17 カソード電極 18 アノード電極 19 高周波電源 20 プラズマ 21 MOSチャネル領域 23,24 半導体集積回路チップ 25,29 裏面コンタクト電極 30,31 シリコン除去面 32 裏面配線 36 シリコン基板 37 エピタキシャル層 38 MOS FET 39 ワックス 40 ガラス基板 41 ポリマ接着層 42 セラミックス基板 171 光学的膜厚測定装置 172 コントローラ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜化された半導体素子領域と、該素子
    領域上に形成された絶縁層と、該半導体素子領域を支持
    する支持体とを有して構成され、該支持体は、加熱によ
    り軟化し加圧成形可能な材料により、接着剤を介さず
    に、密着支持していることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記薄膜化された半導体素子領域を有す
    る複数の半導体チップが、前記支持体により一体的に支
    持されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体
    装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の半導体チップを電気的に接続
    する配線部を有することを特徴とする請求項2に記載の
    半導体装置。
  4. 【請求項4】 半導体装置の製造方法において、 単結晶半導体からなる第1の支持基板上に半導体装置を
    形成し、該半導体装置表面を不純物バリア層で封止し、 熱的に軟化させた第2の支持基板材料を、モールド成形
    金型で押圧して、前記不純物バリア層を介して前記半導
    体装置形成面の起伏に沿って変形させて密着させ、冷却
    硬化させることにより接合し、 その後、前記第1の支持基板を前記半導体装置領域を残
    して除去し、 前記除去面の前記半導体装置上に電気絶縁性材料層を形
    成する、ことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】 第1の支持基板上に半導体装置と、該半
    導体装置上に形成された不純物バリア層を有する複数の
    チップを、同一平面上に配列し、 熱的に軟化させた第2の支持基板材料を、モールド成形
    金型で押圧して、前記不純物バリア層を介して、前記複
    数の半導体装置形成面の起伏に沿って変形させて密着さ
    せ、徐冷硬化させて接合することにより前記複数のチッ
    プを一体的に支持し、 前記第1の支持基板を、それぞれの前記半導体装置領域
    を残して除去し、 前記除去面の前記半導体装置上に電気絶縁性材料層を形
    成する、ことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の支持基板を除去する際に、前
    記複数の半導体装置の端子部を露出させ、 該端子間を接続後、電気絶縁層で覆うことにより、電気
    的に接続された複数の半導体装置を、前記第2の支持基
    板上に一体的に形成することを特徴とする請求項5に記
    載の半導体装置の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の支持基板材料は、加圧成形可
    能で加熱により軟化するガラス材料であり、該加圧成形
    加工は、該ガラス材料の転移点(Tg)以上、屈伏点
    (At)以下の温度範囲で実施することを特徴とする請
    求項4〜6のいずれか1項に記載の半導体装置の作製方
    法。
  8. 【請求項8】 前記ガラス材料は、前記半導体装置の非
    可逆的電気特性変動温度よりも低い屈伏点温度を有する
    材料であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装
    置の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記モールド成形金型の形状を変えるこ
    とにより、該金型により押圧される前記第2の支持基板
    の形状を任意に成形加工することを特徴とする請求項4
    〜6のいずれか1項に記載の半導体装置の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記単結晶半導体基板の除去工程は、
    大気圧以上のエッチングガス雰囲気中における高周波プ
    ラズマによるケミカル・ドライ・エッチングを使用する
    ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の
    半導体装置の作製方法。
  11. 【請求項11】 前記単結晶半導体基板の除去工程は、
    光学的膜厚測定手段により除去量の終点検知を行うこと
    を特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の半導
    体装置の作製方法。
  12. 【請求項12】 前記単結晶半導体基板の除去工程は、
    前記高周波プラズマによるケミカル・ドライ・エッチン
    グに加え、局部領域の除去に酸化物粉末粒子と被除去面
    との原子間結合による原子単位の極微小量破壊による除
    去を付加し、その終点検知は光学的膜厚測定手段により
    行うことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記
    載の半導体装置の作製方法。
  13. 【請求項13】 前記単結晶半導体基板除去面に形成す
    る電気絶縁性部材は、前記ガラス材料の転移点(Tg)
    以下の温度で付着或いは堆積させたことを特徴とする請
    求項7に記載の半導体装置の作製方法。
  14. 【請求項14】 前記半導体装置は、電気的絶縁領域で
    分離されたMOS型トランジスタであり、そのソース及
    びドレイン領域の少なくとも一方は前記単結晶半導体基
    板の除去面にまで貫通した構造を有することを特徴とす
    る請求項4〜6のいずれか1項に記載の半導体装置の作
    製方法。
  15. 【請求項15】 前記半導体装置は、電気的絶縁領域で
    分離されたバイポーラ型トランジスタであり、そのコレ
    クタ領域は前記単結晶半導体基板の除去面にまで貫通し
    た構造を有することを特徴とする請求項4〜6のいずれ
    か1項に記載の半導体装置の作製方法。
  16. 【請求項16】 前記半導体装置は、電気的絶縁領域で
    分離されたダイオードであり、そのP,N領域の少なく
    とも一方が前記単結晶半導体基板の除去面にまで貫通し
    た構造を有することを特徴とする請求項4〜6のいずれ
    か1項に記載の半導体装置の作製方法。
  17. 【請求項17】 前記半導体装置は、素子分離LOCO
    S領域を有し、これを前記単結晶半導体基板除去面にま
    で貫通し、除去後に除去面に露出する配線部を有する構
    造としたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項
    に記載の半導体装置の作製方法。
  18. 【請求項18】 前記半導体装置は、前記裏面電気絶縁
    部材上に裏面電極を有し、基板電位を制御可能な構造と
    したことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記
    載の半導体装置の作製方法。
  19. 【請求項19】 前記半導体装置は、前記裏面電気絶縁
    部材上に前記貫通配線部に接続して前記複数の半導体集
    積回路チップ間を電気的に接続する配線部を有する構造
    としたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に
    記載の半導体装置の作製方法。
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