JPH079925U

JPH079925U - 水着

Info

Publication number: JPH079925U
Application number: JP4365193U
Authority: JP
Inventors: 隆彦酒井; 英明田山; 文雄小西; 良彦板垣
Original assignee: 株式会社デサント
Priority date: 1993-07-15
Filing date: 1993-07-15
Publication date: 1995-02-10

Abstract

(57)【要約】【目的】競泳に適した軽量・低抵抗の女子用水着を構
成する。【構成】二枚の臀布部材２，２を臀縫合３により構成
し、前布１と、腰縫合６と股部縫合７によって一体化す
る。肩孔１３と首孔１５は、前布１の脇から延びる脇紐
１０と肩端を肩紐４を介して縫合構成し、同時に背中開
口部１６を形成する。肩紐４を着用者の首に近接して形
成し、肩こう骨を避けた位置にくる形態にし、脚孔５の
上端を腰骨の上方まで大きくカットしたハイカット形態
とする。各布材パーツを素材を目付１７０ｇ／ｍ² 以下
の高伸縮性を有する合成繊維製軽量織物からなる織物布
材によって構成したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は女子用水着における抵抗減少技術に係り、水泳競技中の水の侵入及び抵抗を小さくし、また着用者の運動機能を充分に発揮させる競泳用として有用な水着に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

１／１００秒のスピードを競う水泳競技は、水着の水との抵抗の大小によって記録に大きな違いが生じることが判っている。従って、従来より使用されている競泳用の水着では競技中の水との抵抗を減少するため、その材質の改良や形態の研究が試みられているが、完全なものがないのが現状である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

即ち、殊に女子用水着では、襟ぐり，背中及び脇等に大きい開口部を有しているため、肩紐が形成されている。該肩紐は、肩こう骨の運動を妨げる問題を有すると共に、該肩こう骨の動きに伴って開口部が煽られ、競泳中に該開口部から水及び空気が侵入する。そして水の侵入の際に開口部の縁を振動させて乱流を形成するようになり、推進力に抗する抵抗力となると共に、開口部から侵入した水及び空気が水と着用者との間に停留して移動質量（競技者の見かけの体重）を増大する欠点を有している。

【０００４】本考案は上記問題に鑑みてなされたものであり、殊に競泳に適した水に対する抵抗が小さく、着用者の運動機能を妨げない女子用水着を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る水着は、腹部と胸部及び体側を覆う伸縮性を有する前布と、臀部を覆う臀布部材、及び肩紐とからなる女子用水着において、上記水着の各布材パーツを素材が、目付１７０ｇ／ｍ² 以下の高伸縮性を有する合成繊維製軽量織物からなる織物布材によって構成したことを要旨とするものである。

【０００６】そして各布材のパーツは、上記背布を背中心で縫合した臀縫合からなる二枚の臀布部材によって臀部のみを覆うように構成し、前記両臀布部材の脇端部を前布脚孔上端位置を縫合した腰縫合と、股間部位端部と前布の股間部位端部と縫合した股部縫合によって一体化すると共に、前布の両脇から延びる比較的幅広の脇紐端と該前布の肩端を肩紐を介してそれぞれ縫合した肩孔縫合と、該両肩紐の端部近傍を背位置で縫合した背縫合により両肩孔と首孔を形成し、上記肩から延びる肩紐を首位置に近接するようになし、該肩紐が肩こう骨を避けた位置にくるように肩孔を背方に大きく繰り抜いた形態にし、また上記脚孔の上端を腰骨の上方まで大きくカットしたハイカット形態とした構造にしたことを要旨とするものである。

【０００７】上記両臀布には、その少なくとも一部にシリコン樹脂シート等の伸縮性非透水シートを貼着、或は溶着することが好ましい。また、二枚の臀布部材によって臀部のみを覆うように背中心で縫合した上記背布の臀縫合に沿って、スピンテープを縫着することが望ましい。

【０００８】

【作用】

上記構造によれば、水着を構成する布材パーツの素材を、高密度にすると共に厚さを極めて薄くすることによって従来のツーウェイトリコット編物と比較して２０％以上軽くなる軽量化を達成する。また、高伸縮性を有する合成繊維によって織成することにより着用者の身体に密着して着用感が優れるようになる。

【０００９】肩紐を着用者の首に沿う構造にしたことにより、肩こう骨部位から外れた位置になり、腕の運動を阻害することがない。鎖骨から外れた位置にあるため、開口部が腕の運動によって煽られることがなく、首廻り開口からの水の侵入を阻止することが可能となる。脚孔を腰骨の上方まで大きくカットしたハイカット形態になっているので従来より脚が動き易くなり、着用者の運動機能を阻害しない構造になっている。更に、シリコン樹脂シート等の伸縮性非透水シートを臀部に装着しているため、流水抵抗を軽減することが可能となる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案に係る水着の一実施例を図面に従って説明する。図１は正面側斜視図、図２は背面側斜視図、図３は布部材のパーツを示すものである。符号１は伸縮性を有する織物布材からなり腹部と胸部及び体側を覆う前布であり、符号２，２は前布１と同質の布材からなる臀布部材である。臀布部材２，２は、腰椎部位から股間まで、脊椎に沿った臀縫合３により臀部を覆う臀布を形成する。また４，４は同質の布材によって形成した肩紐である。

【００１１】上記各織物布材は、素材が１７０ｇ／ｍ² 以下の高伸縮性を有する合成繊維からなる軽量織物あり、従来のツーウェイトリコット編物と比較すると平方メートル当りの重量が、２０％軽い素材である。

【００１２】両臀布部材２，２と前布１は、臀布部材２の脇端部を前布１の脚孔５上端位置を縫合した腰縫合６，６と、両臀布部材２，２の股間部位端部と前布１の股間部位端部と縫合した股部縫合７によって一体化される。そして、股部縫合７は、後ろ股上が僅かに深く（１．５〜２．０ｃｍ）なるように構成すると共に、上記臀部縫合３に沿ってスピンテープ８を縫着した構造になり、生地の伸度を抑制して身体に密着し、水の進入を防止する構造になる。

【００１３】上記前布１の両脇に一体的に形成される脇布部９，９からは、比較的幅広の脇紐１０，１０がそれぞれ連続的に形成され、該前布１の上端と前縫合１１によって一体化した肩紐４，４の下端部を、それぞれ脇縫合１２によって縫着して肩孔１３，１３を形成すると共に、上記肩紐４，４の端部を背中位置の背縫合１４によって縫着し、首孔１５を形成する。上記両前縫合１１，１１は、首孔１５の底部レベル近傍から略水平方向に形成され、着用したとき、鎖骨の僅かに下方位置（２〜４ｃｍ）にあるようになる。

【００１４】上記背縫合１４によって、両臀布部材２，２の上縁と脇紐１０，１０及び肩紐４，４の端部とによって、背中部位に大きな背中開口部１６が形成される。上記肩紐４，４は、着用者の首に近接するように形成され、着衣したとき肩こう骨の上に重ならないように、肩孔１３を背方（矢印Ａ）に大きく繰り抜いた形態にし、また上記脚孔５は、孔の上端を腰骨の上方（矢印Ｂ）まで大きくカットしたハイカット形態としている。

【００１５】尚、必要により上記両臀布２，２の表面には、伸縮性を有し、且つ非透水性を有する超薄質のシリコン樹脂シートを貼着または溶着し、該部面方向に張力を弾性付与すると共に、水の透過を阻止して流水抵抗を軽減させる構造にすることができる。

【００１６】

【考案の効果】

以上述べたように本考案に係る水着は、水着を構成する布材パーツの素材が、３６ゲージ，厚さが０．３ミリメートル以下の高伸縮性を有する合成繊維からなる軽量織物によって構成してあるため、従来のツーウェイトリコット編物と比較して２０％以上軽くなると共に、着用者の身体に密着して着用感が優れる特徴を有するものである。

【００１７】また、水着の形態については、肩紐を着用者の首に沿う構造にしたことにより、肩こう骨部位から外れた位置になり、腕の運動を阻害することがない。また、肩紐が鎖骨から外れた位置にあるため、首孔及び肩孔が腕の運動によって煽られることがなく、開口からの水の侵入を軽減することが可能となる。またシリコン樹脂シート等の伸縮性非透水シートを臀部に装着することにより、流水抵抗を軽減することが可能となる。

【００１８】更に、脚孔を腰骨の上方まで大きくカットしたハイカット形態になっているので従来より脚が動き易くなり、着用者の運動機能を阻害しない構造になっている等の特徴を有するものであり、本考案実施後の実用的効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る水着の一実施例を示す正面側斜視
図である。

【図２】同背面側斜視図である。

【図３】同水着を分解した布部材のパーツを示すもので
ある。

【符号の説明】

１前布２臀布部材３臀縫合４肩紐５脚孔８スピンテープ９脇布部１０脇紐１３肩孔１５首孔１６背中開口部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者小西文雄大阪市天王寺区堂ケ芝１丁目11番３号株式会社デサント内 (72)考案者板垣良彦大阪市天王寺区堂ケ芝１丁目11番３号株式会社デサント内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】腹部と胸部及び体側を覆う伸縮性を有す
る前布と、臀部を覆う臀布部材、及び肩紐とからなる女
子用水着において、前記水着の各布材パーツを素材が、目付１７０ｇ／ｍ²
以下の高伸縮性を有する合成繊維製軽量織物からなる織
物布材によって構成したことを特徴とする水着。
【請求項２】腹部と胸部及び体側を覆う伸縮性を有す
る前布と、臀部を覆う臀布部材、及び肩紐とからなる女
子用水着伸縮性織物布材によって構成した水着が、前記背布を背中心で縫合した臀縫合からなる二枚の臀布
部材によって臀部のみを覆うように構成し、前記両臀布
部材の脇端部を前布脚孔上端位置を縫合した腰縫合と、
股間部位端部と前布の股間部位端部と縫合した股部縫合
によって一体化すると共に、前布の両脇から延びる比較的幅広の脇紐端と該前布の肩
端を肩紐を介してそれぞれ縫合した肩孔縫合と、該両肩
紐の端部近傍を背位置で縫合した脇縫合により両肩孔と
首孔を形成し、前記肩から延びる肩紐を首位置に近接す
るようになし、該肩紐が肩こう骨を避けた位置にくるよ
うに肩孔を背方に大きく繰り抜いた形態にし、また前記
脚孔の上端を腰骨の上方まで大きくカットしたハイカッ
ト形態とした構造になることを特徴とする水着。
【請求項３】前記伸縮性織物布材によって構成した水
着が、前記背布を背中心で縫合した臀縫合からなる二枚の臀布
部材によって臀部のみを覆うように構成し、前記両臀布
部材の脇端部を前布脚孔上端位置を縫合した腰縫合と、
股間部位端部と前布の股間部位端部と縫合した股部縫合
によって一体化すると共に、前布の両脇から延びる比較的幅広の脇紐端と該前布の肩
端を肩紐を介してそれぞれ縫合した肩孔縫合と、該両肩
紐の端部近傍を背位置で縫合した脇縫合により両肩孔と
首孔を形成し、前記肩から延びる肩紐を首位置に近接す
るようになし、該肩紐が肩こう骨を避けた位置にくるよ
うに肩孔を背方に大きく繰り抜いた形態にし、また前記
脚孔の上端を腰骨の上方まで大きくカットしたハイカッ
ト形態とした構造になることを特徴とする請求項１及び
請求項２記載の水着。
【請求項４】前記両臀布の少なくとも一部にシリコン
樹脂シート等の伸縮性非透水シートを貼着、或は溶着し
た構造になることを特徴とする請求項１記載の水着。
【請求項５】二枚の臀布部材によって臀部のみを覆う
ように背中心で縫合した前記背布の臀縫合に沿って、ス
ピンテープを縫着したことを特徴とする請求項３記載の
水着。