JPH0798698B2 - 耐水性軽量組成物 - Google Patents
耐水性軽量組成物Info
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- JPH0798698B2 JPH0798698B2 JP16421486A JP16421486A JPH0798698B2 JP H0798698 B2 JPH0798698 B2 JP H0798698B2 JP 16421486 A JP16421486 A JP 16421486A JP 16421486 A JP16421486 A JP 16421486A JP H0798698 B2 JPH0798698 B2 JP H0798698B2
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- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は製造工程時の反応熱を有効に利用して製造され
た、耐水性、防水性、溌水性を有する無機系の軽量組成
物に関するものである。
た、耐水性、防水性、溌水性を有する無機系の軽量組成
物に関するものである。
〔従来の技術と問題点〕 従来より、軽量で防火性、防音性、断熱性を有する無機
系の軽量体の開発は数多く手がけられてきた。
系の軽量体の開発は数多く手がけられてきた。
例えば木毛セメント板、パーライトモルタル板、フォー
ムグラス板、ガラス繊維板、ロックウール板、水ガラス
系軽量板(発泡板やパーライト板等)等々が知られてい
る。
ムグラス板、ガラス繊維板、ロックウール板、水ガラス
系軽量板(発泡板やパーライト板等)等々が知られてい
る。
しかしながら木毛セメント板やパーライトモルタル板等
のセメント系のものは、強度が優れている反面、比重が
大きく、重量の点や断熱性の点で必ずしも満足するもの
ではなく、断熱材としての用途は限定されている。
のセメント系のものは、強度が優れている反面、比重が
大きく、重量の点や断熱性の点で必ずしも満足するもの
ではなく、断熱材としての用途は限定されている。
また、フォームグラス板は比重に対する圧縮強度(強度
比)に優れ、更に吸水率が小さいという点では特徴ある
軽量体であるが、その製造においては高温にて溶融して
発泡させるという工程を採るために、大型整備と大量の
熱エネルギーを必要とし、又、自由な大きさのものが作
り難いため用途的に限定される。
比)に優れ、更に吸水率が小さいという点では特徴ある
軽量体であるが、その製造においては高温にて溶融して
発泡させるという工程を採るために、大型整備と大量の
熱エネルギーを必要とし、又、自由な大きさのものが作
り難いため用途的に限定される。
ガラス繊維板やロックウール板や、無機繊維を無機又は
有機系のバインダーで成形した軽量でかつ断熱性に優れ
た断熱材であるが、繊維状であるがゆえに水を吸い込み
易く、一旦水を好い込むと極端に断熱性が低下して、本
来の性能を発揮できないこととなる。
有機系のバインダーで成形した軽量でかつ断熱性に優れ
た断熱材であるが、繊維状であるがゆえに水を吸い込み
易く、一旦水を好い込むと極端に断熱性が低下して、本
来の性能を発揮できないこととなる。
一方、水ガラス系軽量板(発泡硬化させたもの、あるい
はパーライト等の軽量骨材を水ガラスをバインダーとし
て成形したもの等)においては、乾燥又は反応硬化させ
た水ガラスの結合強度が比較的強く、軽量でかつ高強度
の板が得られるため、多くの研究がなされており、一部
には製品化されているものがある。しかしながら、本質
的にはこの系では強いアルカリを含有しているために、
耐水性や白華(エフロ)等の点で欠点を有している。こ
れらの欠点に対しては水ガラスの変性や、硬化剤の研究
開発が種々行われてきているが、ほぼ満足のいく耐水性
を得るまでには至っていないため、その用途は限定され
ている。
はパーライト等の軽量骨材を水ガラスをバインダーとし
て成形したもの等)においては、乾燥又は反応硬化させ
た水ガラスの結合強度が比較的強く、軽量でかつ高強度
の板が得られるため、多くの研究がなされており、一部
には製品化されているものがある。しかしながら、本質
的にはこの系では強いアルカリを含有しているために、
耐水性や白華(エフロ)等の点で欠点を有している。こ
れらの欠点に対しては水ガラスの変性や、硬化剤の研究
開発が種々行われてきているが、ほぼ満足のいく耐水性
を得るまでには至っていないため、その用途は限定され
ている。
本発明は上述したような軽量で防火性、断熱性を有し、
しかも耐水性、防火性、撥水性に優れた無機系の軽量組
成物を提供しようとするもので、特定の無機質硬化性組
成物に軽量骨材及びパラフィン系炭化水素を配合し、発
熱反応して硬化せしめることによってなし得たものであ
る。
しかも耐水性、防火性、撥水性に優れた無機系の軽量組
成物を提供しようとするもので、特定の無機質硬化性組
成物に軽量骨材及びパラフィン系炭化水素を配合し、発
熱反応して硬化せしめることによってなし得たものであ
る。
すなわち、本発明は型枠などに発熱硬化性を有する組成
物を充填して軽量体を製造するに際して、 A.水可溶性アルカリ金属珪酸塩 B.金属粉末 C.パラフィン系炭化水素 D.軽量骨材 及び、必要に応じて水を混合する系からなりD成分100
容量部に対し(A+B+C+水)の合計量が2〜40容量
部である硬化組成物を充填、硬化せしめることを特徴と
する。
物を充填して軽量体を製造するに際して、 A.水可溶性アルカリ金属珪酸塩 B.金属粉末 C.パラフィン系炭化水素 D.軽量骨材 及び、必要に応じて水を混合する系からなりD成分100
容量部に対し(A+B+C+水)の合計量が2〜40容量
部である硬化組成物を充填、硬化せしめることを特徴と
する。
このようにして得られる軽量体は、軽量でかつ圧縮強度
が高く防火性に優れており、更に従来の水ガラス系軽量
体に比較して耐火性、溌水性に著しく優れており、複合
パネルの耐火断熱芯材をはじめ、一般断熱材としても非
常に利用価値の高いものである。
が高く防火性に優れており、更に従来の水ガラス系軽量
体に比較して耐火性、溌水性に著しく優れており、複合
パネルの耐火断熱芯材をはじめ、一般断熱材としても非
常に利用価値の高いものである。
以下本発明の内容について詳細に説明する。
本発明において、A成分としては水可溶性アルカリ金属
珪酸塩を使用する。これを他の原料物質と混合すること
で強度の優れた硬化体を得ることができる。このA成分
を構成するアルカリ成分としては、例えば、リチウム、
ナトリウム、カリウム、ルビジウム等のアルカリ金属を
例示できるが、特にナトリウム、カリウムの場合は安価
で入手し易く、望ましい。
珪酸塩を使用する。これを他の原料物質と混合すること
で強度の優れた硬化体を得ることができる。このA成分
を構成するアルカリ成分としては、例えば、リチウム、
ナトリウム、カリウム、ルビジウム等のアルカリ金属を
例示できるが、特にナトリウム、カリウムの場合は安価
で入手し易く、望ましい。
又、A成分は水溶性である限り、その組成やアルカリ物
質とSiO2とのモル比には制限されるものではない。な
お、本発明ではその形態は液状、又は乾燥粉末状いずれ
でも良い。
質とSiO2とのモル比には制限されるものではない。な
お、本発明ではその形態は液状、又は乾燥粉末状いずれ
でも良い。
次にB成分としては金属粉末を使用し、各種の金属元素
及び金属合金又は金属間化合物が使用できる。金属元素
としては、周期律表のI B、II B、II B、III A、III
B、IV A、IV B、V A、V B、VI B、VII BおよびVIII族に
属するものが好ましく、係る金属元素としてはCr、Mn、
Ti、Zn、V、Si、Ge、Sb、Co、Ni、Cu、Al、Ca等が例示
できる。特にTi、Zr、V、Al、Si、Ge、Sb、Zn等は望ま
しいものである。合金ないし金属間化合物(金属相互
間、もしくは金属と非金属との化学結合体)の代表的な
ものを例示すれば、Al−Si、Al−Ti、Al−Mn、Al−Cu、
Zn−S、 Zn−Sn、Cu−Si、Fe−Si、 Fe−Mn、Si−Ni、Co−Sb等が挙げられる。これらの金属
粉末は通常1種又は2種以上を微粉末の形態で使用す
る。
及び金属合金又は金属間化合物が使用できる。金属元素
としては、周期律表のI B、II B、II B、III A、III
B、IV A、IV B、V A、V B、VI B、VII BおよびVIII族に
属するものが好ましく、係る金属元素としてはCr、Mn、
Ti、Zn、V、Si、Ge、Sb、Co、Ni、Cu、Al、Ca等が例示
できる。特にTi、Zr、V、Al、Si、Ge、Sb、Zn等は望ま
しいものである。合金ないし金属間化合物(金属相互
間、もしくは金属と非金属との化学結合体)の代表的な
ものを例示すれば、Al−Si、Al−Ti、Al−Mn、Al−Cu、
Zn−S、 Zn−Sn、Cu−Si、Fe−Si、 Fe−Mn、Si−Ni、Co−Sb等が挙げられる。これらの金属
粉末は通常1種又は2種以上を微粉末の形態で使用す
る。
C成分としてはパラフィン系炭化水素を使用するもの
で、特に融点が40〜95℃のものが例示される。またその
形態としては粉末状若しくはエマルション状態のものが
望ましい。
で、特に融点が40〜95℃のものが例示される。またその
形態としては粉末状若しくはエマルション状態のものが
望ましい。
D成分としては、軽量骨材を使用する。その例として天
然鉱物の発泡又は膨張した物質で膨張パーライト(単に
パーライトと呼ばれる場合がある)。膨張頁岩、膨張バ
ーミキュライト、軽石、シラスバルーン等の他、シリカ
ゲルの発泡体、シリカバルーン、ガラスバルーン、各種
スラグ造粒発泡物、粘土鉱物を造粒して、発泡させたも
の等の人工軽量骨材を含む。これらの中で特に気泡の独
立性が高く、より軽量性に富み、球状を呈するものが好
ましい。例えば黒曜石系パーライト、シラスバルーン、
シリカゲル発泡体、ガラスバルーン等が例示できる。
然鉱物の発泡又は膨張した物質で膨張パーライト(単に
パーライトと呼ばれる場合がある)。膨張頁岩、膨張バ
ーミキュライト、軽石、シラスバルーン等の他、シリカ
ゲルの発泡体、シリカバルーン、ガラスバルーン、各種
スラグ造粒発泡物、粘土鉱物を造粒して、発泡させたも
の等の人工軽量骨材を含む。これらの中で特に気泡の独
立性が高く、より軽量性に富み、球状を呈するものが好
ましい。例えば黒曜石系パーライト、シラスバルーン、
シリカゲル発泡体、ガラスバルーン等が例示できる。
上記の如く本発明に使用する組成物は上記成分より成る
が、その配合比率はA成分の固形分の100重量部に対し
て、B成分2〜100重量部、C成分2〜50重量部、及び
必要に応じて水を適量混合したもの(A+B+C+水)
とD成分の量との比率はD成分100容量部に対して(A
+B+C+水)合計成分を2〜40容量部とするものであ
る。
が、その配合比率はA成分の固形分の100重量部に対し
て、B成分2〜100重量部、C成分2〜50重量部、及び
必要に応じて水を適量混合したもの(A+B+C+水)
とD成分の量との比率はD成分100容量部に対して(A
+B+C+水)合計成分を2〜40容量部とするものであ
る。
A成分に対し、B成分が2重量部より少ない場合は、発
熱反応が弱く、C成分であるパラフィン系炭化水素が充
分に溶融するまでに至らないため、撥水性が均一に出
ず、又、A成分の硬化反応も進まないので耐水性が不十
分となる。一方、100重量部より多くなると、極端に反
応が早くかつ激しくなるので製造作業上困難をきたし、
又、軽量体内部気泡が極めてポーラスかつ不均一にな
り、強度等の物性が良くない。
熱反応が弱く、C成分であるパラフィン系炭化水素が充
分に溶融するまでに至らないため、撥水性が均一に出
ず、又、A成分の硬化反応も進まないので耐水性が不十
分となる。一方、100重量部より多くなると、極端に反
応が早くかつ激しくなるので製造作業上困難をきたし、
又、軽量体内部気泡が極めてポーラスかつ不均一にな
り、強度等の物性が良くない。
C成分が2重量部以下では本来の目的であるところの耐
水性、撥水性をもった軽量体を得ることができない。
又、50重量部以上づえは可燃性組成含有比率が相対的に
大きくなるため、防火性能が失われるので望ましくな
い。又、本発明に使用されるパラフィン系炭化水素は、
その融点が40℃〜95℃の範囲内にあるものが望ましい。
例えば融点が40℃より低いものは、夏場など高い気温下
になった場合にパラフィンの軟化等が生じるため、取扱
い上の汚れや物質上の低下が見られるため好ましくな
い。又、融点が95℃以以上のものは、当発明の反応過程
で反応熱によるパラフィン溶解が不十分のままで、撥水
効果にバラツキを生じるようになるので望ましくない。
又、用いられるパラフィン系炭化水素の形態は粉末状も
しくは水分散型エマルション状のいずれかであっても良
い。例えば、粉末パラフィン系炭化水素の場合、その粒
径は細かな方が良く、粗粒もしくは塊状では分散に偏り
が生じるので不適当であり、通常は粒径が1mm以下のも
のが望ましい。
水性、撥水性をもった軽量体を得ることができない。
又、50重量部以上づえは可燃性組成含有比率が相対的に
大きくなるため、防火性能が失われるので望ましくな
い。又、本発明に使用されるパラフィン系炭化水素は、
その融点が40℃〜95℃の範囲内にあるものが望ましい。
例えば融点が40℃より低いものは、夏場など高い気温下
になった場合にパラフィンの軟化等が生じるため、取扱
い上の汚れや物質上の低下が見られるため好ましくな
い。又、融点が95℃以以上のものは、当発明の反応過程
で反応熱によるパラフィン溶解が不十分のままで、撥水
効果にバラツキを生じるようになるので望ましくない。
又、用いられるパラフィン系炭化水素の形態は粉末状も
しくは水分散型エマルション状のいずれかであっても良
い。例えば、粉末パラフィン系炭化水素の場合、その粒
径は細かな方が良く、粗粒もしくは塊状では分散に偏り
が生じるので不適当であり、通常は粒径が1mm以下のも
のが望ましい。
上記のいわゆる結合材成分(A+B+C+水)の量がD
成分が100容量部に対して2容量部を下回る場合には、
軽量骨材同士を十分に結合するまでには至らず、所望の
強度をもった軽量体を得ることはできない。又、40容量
部を超えた量を入れると、軽量体内部に不均一な空洞を
生じ、断熱性の低下、強度の低下等が見られる。
成分が100容量部に対して2容量部を下回る場合には、
軽量骨材同士を十分に結合するまでには至らず、所望の
強度をもった軽量体を得ることはできない。又、40容量
部を超えた量を入れると、軽量体内部に不均一な空洞を
生じ、断熱性の低下、強度の低下等が見られる。
本発明組成物の製造方法は、成分(A+B+C+水)と
軽量骨材であるD成分を均一に混合して、板状、ブロッ
ク状等の型枠に充填して硬化させるものである。その場
合、それぞれの成分の混合順序は反応に支障のない限
り、これにこだわるものではない。又、場合によっては
反応促進のため、材料自体を加温したり、あるいは充填
後全体を加温することも可能である。又、これらの基本
成分に対して、例えばリン酸アルミ、酸化亜鉛、アルミ
ナセメント等の水可溶性アルカリ金属珪酸塩の硬化剤
や、炭酸カルシウム、ケイ砂、粘土等の粉末増量材、界
面活性剤等の添加剤、繊維状物質等の強度補強剤等も配
合できる。又、パネル芯材としてハニカムコアのような
中芯材との併用もできる。
軽量骨材であるD成分を均一に混合して、板状、ブロッ
ク状等の型枠に充填して硬化させるものである。その場
合、それぞれの成分の混合順序は反応に支障のない限
り、これにこだわるものではない。又、場合によっては
反応促進のため、材料自体を加温したり、あるいは充填
後全体を加温することも可能である。又、これらの基本
成分に対して、例えばリン酸アルミ、酸化亜鉛、アルミ
ナセメント等の水可溶性アルカリ金属珪酸塩の硬化剤
や、炭酸カルシウム、ケイ砂、粘土等の粉末増量材、界
面活性剤等の添加剤、繊維状物質等の強度補強剤等も配
合できる。又、パネル芯材としてハニカムコアのような
中芯材との併用もできる。
本発明において特筆すべき点は、反応硬化過程において
生じる自己発熱により配合中の水分が蒸発すると同時
に、内部に添加しているC成分のパラフィン系炭化水素
が溶融することにより、内部及び表面共に、その軽量体
全体が均一に撥水性を帯びた構造となった耐水性の軽量
体が得られるのである。
生じる自己発熱により配合中の水分が蒸発すると同時
に、内部に添加しているC成分のパラフィン系炭化水素
が溶融することにより、内部及び表面共に、その軽量体
全体が均一に撥水性を帯びた構造となった耐水性の軽量
体が得られるのである。
従来パラフィンワックスを内部に添加して、撥水性を持
たせる方法は石膏建材等で試みられている。しかし、そ
れらにおいてはただ単に添加するのみでは十分でなく、
より撥水性を持たせるために硬化後に後処理として、添
加されたパラフィン系炭化水素の融点以上の温度で加熱
処理するという付加工程が必要となる。しかも、後工程
である加熱処理は被熱物が薄物であれば比較的内部まで
加熱され易いが、厚物又はブロック状のものではそれら
の内部まで均一に加温しようとすると、極めて多大な時
間と熱エネルギーを消耗することになり実用的でない。
まして断熱性を有している軽量体となると更に内部へ熱
が伝わり難くなるため、なお更実用性に乏しくなる。そ
うした点で本発明では、自己発熱反応を積極的に利用す
ることにより、パラフィン系炭化水素を無機軽量体の内
部で一体溶融させるため、内外部共、ほぼ均一性をもっ
た撥水性軽量体を、後加熱処理という余分な工程を必要
とせずに、混合、充填、放置という簡単な操作で作成で
きる点でその有効性は極めて大きいといえる。
たせる方法は石膏建材等で試みられている。しかし、そ
れらにおいてはただ単に添加するのみでは十分でなく、
より撥水性を持たせるために硬化後に後処理として、添
加されたパラフィン系炭化水素の融点以上の温度で加熱
処理するという付加工程が必要となる。しかも、後工程
である加熱処理は被熱物が薄物であれば比較的内部まで
加熱され易いが、厚物又はブロック状のものではそれら
の内部まで均一に加温しようとすると、極めて多大な時
間と熱エネルギーを消耗することになり実用的でない。
まして断熱性を有している軽量体となると更に内部へ熱
が伝わり難くなるため、なお更実用性に乏しくなる。そ
うした点で本発明では、自己発熱反応を積極的に利用す
ることにより、パラフィン系炭化水素を無機軽量体の内
部で一体溶融させるため、内外部共、ほぼ均一性をもっ
た撥水性軽量体を、後加熱処理という余分な工程を必要
とせずに、混合、充填、放置という簡単な操作で作成で
きる点でその有効性は極めて大きいといえる。
以上のように本発明によって得られる軽量体は配合比に
よっても異なるが、比重が0.05〜0.3程度の軽さに調整
でき、なおかつ耐水性、撥水性を有した防火断熱材料と
なる。そのため従来水ガラス系では使用できなかった水
気等のある箇所への応用ができるようになった。この軽
量体は単体で断熱材として使われる他に、種々の表面化
粧板、例えば化粧石綿スレート板、着色亜鉛鉄板、着色
アルミニウム板等と組合せたサンドイッチ構造パネルの
防火、耐火芯材としても使用される。
よっても異なるが、比重が0.05〜0.3程度の軽さに調整
でき、なおかつ耐水性、撥水性を有した防火断熱材料と
なる。そのため従来水ガラス系では使用できなかった水
気等のある箇所への応用ができるようになった。この軽
量体は単体で断熱材として使われる他に、種々の表面化
粧板、例えば化粧石綿スレート板、着色亜鉛鉄板、着色
アルミニウム板等と組合せたサンドイッチ構造パネルの
防火、耐火芯材としても使用される。
以下、実施例を挙げ本発明を詳細に説明する。なお、各
実施例において使用するA、B、C、D成分とする物質
を下記表−1に示す。また、各実施例及び比較例の結果
を表−2に示す。
実施例において使用するA、B、C、D成分とする物質
を下記表−1に示す。また、各実施例及び比較例の結果
を表−2に示す。
また、各実施例によって得られる軽量体試料の諸物性試
験は下記の方法により行ったものである。なお、試験時
条件は温度20℃、相対湿度65%である。
験は下記の方法により行ったものである。なお、試験時
条件は温度20℃、相対湿度65%である。
1)かさ比重:JIS A 1161に準ずる。
2)吸水率:DIS A 1161に準ずる。
重量%で示す。
3)圧縮強度:JIS A 1161に準ずる。
kgf/cm2で示す。
〔実施例1〕 軽量組成物の作成にあたっては次のような工程を採っ
た。
た。
固形分40%、SiO2/Na2Oモル比2.1の珪酸ソーダ水溶液
(A−1)250重量部に対し、金属アルミニウム粉末
(B−1)を30重量部、融点68℃のパラフィンワックス
粉末 (C−1)を10重量部、水を50重量部を計量してポリ容
器に投入し、プロペラ式3枚羽根を有したミキサーで約
1分間混合してスラリーペーストを得た。このペースト
10容量部に対して比重0.13、粒径2〜4mmのパーライト
(D)を100容量部投入して2分間混合する。その混合
物を内寸法40mm×600mm×900mmで、上の押え板に孔を有
する型枠に均一に投入して放置したところ、約20分後に
発熱して孔より水蒸気が放出した。放冷後、脱型してそ
れより40mm×40mm××40mmの大きさに切り出し、前述の
方法によりかさ比重と圧縮強度、吸水率を測定した。
(A−1)250重量部に対し、金属アルミニウム粉末
(B−1)を30重量部、融点68℃のパラフィンワックス
粉末 (C−1)を10重量部、水を50重量部を計量してポリ容
器に投入し、プロペラ式3枚羽根を有したミキサーで約
1分間混合してスラリーペーストを得た。このペースト
10容量部に対して比重0.13、粒径2〜4mmのパーライト
(D)を100容量部投入して2分間混合する。その混合
物を内寸法40mm×600mm×900mmで、上の押え板に孔を有
する型枠に均一に投入して放置したところ、約20分後に
発熱して孔より水蒸気が放出した。放冷後、脱型してそ
れより40mm×40mm××40mmの大きさに切り出し、前述の
方法によりかさ比重と圧縮強度、吸水率を測定した。
〔実施例2〕 B成分として金属アルミニウム粉末のかわりに金属珪素
粉末(B−2)を75重量部とし、(C−1)を3重量部
に配合をかえて実施例1と同様の方法で計量板を作成し
た。
粉末(B−2)を75重量部とし、(C−1)を3重量部
に配合をかえて実施例1と同様の方法で計量板を作成し
た。
〔実施例3〕 (A−2)を250重量部とし、(B−2)を50重量部、
C成分としてパラフィンワックスエマルション(C−
2)を20重量部秤量して混合したのち、それらの混合物
15容量部に対し(D)を100容量部を混合して軽量板を
作成した。
C成分としてパラフィンワックスエマルション(C−
2)を20重量部秤量して混合したのち、それらの混合物
15容量部に対し(D)を100容量部を混合して軽量板を
作成した。
〔実施例4〕 (A−2)を250重量部とし、(B−2)を40重量部、
C成分としてパラフィンワックスエマルション(C−
2)を10重量部秤量して混合したのち、それらの混合物
30容量部に対し(D)を100容量部を混合して軽量板を
作成した。
C成分としてパラフィンワックスエマルション(C−
2)を10重量部秤量して混合したのち、それらの混合物
30容量部に対し(D)を100容量部を混合して軽量板を
作成した。
〔比較例1〕 パラフィン系炭化水素を入れない配合で軽量体を作成し
た。(A−2)250重量部に対し(B−2)50重量部混
合したもの30容量部に対し、100容量部の(D)を混合
して軽量体を作り物性試験を行ったところ吸水率が大き
く、かつ表面より白華現象が見られた。
た。(A−2)250重量部に対し(B−2)50重量部混
合したもの30容量部に対し、100容量部の(D)を混合
して軽量体を作り物性試験を行ったところ吸水率が大き
く、かつ表面より白華現象が見られた。
〔比較例2〕 A成分の珪酸カリウム水溶液(A−2)250重量部に対
し、(B−1)を1重量部、(C−1)を20重量部配合
したもの20容量部に対し、(D)を100容量部加えて同
様の方法で軽量板を作成した。
し、(B−1)を1重量部、(C−1)を20重量部配合
したもの20容量部に対し、(D)を100容量部加えて同
様の方法で軽量板を作成した。
発熱が不十分で、水につけると部分的に溶解した。
〔比較例3〕 (B−1)を100重量部として他は実施例4と同様の配
合とした。(A−2+B−1+C−1)の混合時点で急
激な発熱反応が生じて(D)と混合できなかった。
合とした。(A−2+B−1+C−1)の混合時点で急
激な発熱反応が生じて(D)と混合できなかった。
次に(A−2)を5℃まで冷却して反応を遅らせて混合
し、それら混合物20容量部に対して(D)を100容量部
混合してただちに型に入れた。反応後、脱型したとこ
ろ、内部に不均一な大きい空洞ができていた。
し、それら混合物20容量部に対して(D)を100容量部
混合してただちに型に入れた。反応後、脱型したとこ
ろ、内部に不均一な大きい空洞ができていた。
〔比較例4〕 (A−2)を250重量部とし、(B−2)を50重量部、
(C−1)を10重量部、水を50重量部混合したペースト
1.5容量部に対し(D)を100容量部混合した。混合状態
はパーライト(D)表面に混合ペーストが付着している
状態であった。そのまま型に投入して反応発熱の後、脱
型しようとしたが、パーライト間の結合が弱く、脱型時
に崩れた。そのため物性の測定は不能であった。
(C−1)を10重量部、水を50重量部混合したペースト
1.5容量部に対し(D)を100容量部混合した。混合状態
はパーライト(D)表面に混合ペーストが付着している
状態であった。そのまま型に投入して反応発熱の後、脱
型しようとしたが、パーライト間の結合が弱く、脱型時
に崩れた。そのため物性の測定は不能であった。
〔比較例5〕 実施例8と異なり(A−2+B−2+C−1+水)の混
合ペーストの量50容量部に増やして、それに対して
(D)を100容量部混合した。型に詰めて軽量体を作成
しようとしたが、反応に伴い不均一な空間が内部に生じ
た。脱型時の板の状態で比重は測定したが、あまりに不
均一なため測定できなくなった。
合ペーストの量50容量部に増やして、それに対して
(D)を100容量部混合した。型に詰めて軽量体を作成
しようとしたが、反応に伴い不均一な空間が内部に生じ
た。脱型時の板の状態で比重は測定したが、あまりに不
均一なため測定できなくなった。
Claims (1)
- 【請求項1】A.水可溶性アルカリ金属珪酸塩の固形分10
0重量部に対して、 B.金属粉末 2〜100重量部 C.パラフィン系炭化水素 2〜50重量部の系に必要に応
じて水を適量混合した混合物(A+B+C+水)を、 D.軽量骨材 100容量部 に対して、2〜40容量部を混合して硬化したことを特徴
とする耐水性軽量組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16421486A JPH0798698B2 (ja) | 1986-07-11 | 1986-07-11 | 耐水性軽量組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16421486A JPH0798698B2 (ja) | 1986-07-11 | 1986-07-11 | 耐水性軽量組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6321263A JPS6321263A (ja) | 1988-01-28 |
JPH0798698B2 true JPH0798698B2 (ja) | 1995-10-25 |
Family
ID=15788834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16421486A Expired - Lifetime JPH0798698B2 (ja) | 1986-07-11 | 1986-07-11 | 耐水性軽量組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0798698B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4557191B2 (ja) * | 1998-01-13 | 2010-10-06 | 株式会社ナトー研究所 | 水硬性シリカ系バインダーならびに耐水・耐熱性固化体 |
-
1986
- 1986-07-11 JP JP16421486A patent/JPH0798698B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6321263A (ja) | 1988-01-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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