JPH079860Y2 - カード類のローラ搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【考案の属する技術分野】

この考案は、例えばテレフォンカード等のカード商品を
販売する自動販売機に組み込まれたカード類のローラ搬
送装置の構成に関する。

【従来技術とその問題点】

頭記したカード商品自動販売機は、多数枚のカード商品
をカード収納部に収納して置き、指令によりカード収納
部から１枚宛のカードを取出して商品取出口へ搬出する
ものであり、カード商品の取出し，機内搬送を行う装置
として第９図に示す如きローラ搬送装置が公知である。
図において、１は多数枚のカード２を積み上げ式に収納
したカード収納部、11はカード収納部１の出口側に設置
してカード２を１枚宛切り離す瀬切り用ゲート板、３は
指令によりカード収納部１からカード２を１枚宛取り出
すカード払出用のローラ搬送系、４はカード収納部１か
ら取り出されたカード２を受け取って図示されてない商
品取出口へ向けて搬送する中継用のローラ搬送系であ
り、前記のローラ搬送系３と４とが前後段に並んで連繋
配備されている。ここで前段側の搬送系３は収納カード
２の最下位のカードに面接する送りローラ31,該ローラ3
1の軸上に連結した駆動プーリ32,駆動モータ33,駆動モ
ータ33とプーリ32との間で伝導結合するベルト34から成
る。また後段側の搬送系４はカード収納部１の出口側に
近接して並ぶ送りローラ41,駆動プーリ42,駆動モータ4
3,伝導ベルト44,および送りローラ41に対向してその上
方に配備したパッドローラ45から成る。 かかる構成で、カードの払出し指令が与えられると、駆
動モータ33,43が始動して送りローラ31,41を矢印方向に
回転させる。これによりまずカード収納部１に収納され
ているカードの内、最下位のカード２がローラ送りさ
れ、前記したゲート11とステージ12との間の細隙を通じ
て矢印Ｐ方向に押し出される。続いて第10図に示すよう
にカード２の先端が後段搬送系４の送りローラ41とパッ
ドローラ45との間に進入し、送りローラ31と41とにまた
がって後段の搬送系４へ受け渡しされた後に、さらに第
11図のように後段搬送系４によるローラ送り工程を経て
図示されてない取出口へ向けて送出される。 ところで上記したカード搬送工程中、カード収納部１に
付属する前段搬送系３に付いては、特に第11図に示すよ
うに搬送動作の開始後にカード２の後端が前段搬送系３
の送りローラ31より外れた時点で送りローラ31の回転駆
動，つまり駆動モータ33を即時停止制御する必要があ
る。これはカードの連続搬出，カード詰まり等の搬送ト
ラブルを防いで１回の動作毎に１枚のカード２を確実に
払い出すためであり、運転制御の面で極めて重要であ
る。このように前段搬送系３の送りローラ31は後段搬送
系４と別個に搬送工程の途中で停止させる間欠駆動制御
が必要があり、このために従来の装置では前後段の搬送
系毎にそれぞれ駆動モータを装備し、かつ一連のカード
搬送動作に合わせて各搬送系の駆動モータを連繋して運
転制御するように構成されている。 しかして前後段の各ローラ搬送系毎に駆動モータを付属
させることはモータの設置台数が増して装置が大形化す
るのみならず、各モータの間を搬送動作の進行に合わせ
て連繋制御させるモータ制御系統が複雑となり、結果的
にローラ搬送装置の製作費が高価になる。

【考案の目的】

この考案は上記の点にかんがみなされたものであり、前
記した従来装置を改良することにより、１台の駆動モー
タで前後各段のローラ搬送系を連繋運転して１回の動作
毎に１枚のカードをカード収納部より取出して円滑に搬
送できるようにし、構造の小形，簡略化を図ったカード
類のローラ搬送装置を提供することを目的とする。

【考案の要点】

上記目的を達成するために、この考案は駆動モータに伝
導結合された駆動プーリと、該駆動プーリと非直結式に
同心配置された前段搬送系の送りローラと、前記駆動プ
ーリに直接伝導結合した後段搬送系の送りローラ，およ
び該送りローラに対向して配備した従動パッドローラ
と、前記駆動プーリと前段搬送系の送りローラとの間に
介装し、かつ前段から後段搬送系へのカード受け渡し過
程で駆動プーリの回転動力を前段搬送系の送りローラへ
伝える間欠クラッチ機構とを具備し、かつ後段搬送系の
送りローラの周速をモータ駆動による前段搬送系の送り
ローラの周速よりも大に設定して構成するとともに、前
記間欠クラッチ機構を駆動プーリより側方に突出する駆
動ピンと、該駆動ピンの周回移動軌跡上へ交叉するよう
に前段搬送系の送りローラ軸より突出する従動ピンとか
ら構成することにより、搬送動作の開始によりカード収
納部から１枚宛取出したカードを後段搬送系に受け渡す
までの搬送工程の前半では間欠クラッチ機構を介して駆
動プーリの回転動力により前段搬送系の送りローラを駆
動し、ここでカードの先端が後段搬送系に到達してカー
ドが前段と後段搬送系の送りローラの間にまたがったカ
ード受け渡しの過程では、周速の早い後段搬送系のロー
ラ送りによるカードの移動に従動される形で前段搬送系
の送りローラと駆動プーリとの間の間欠クラッチ機構を
切って前段搬送系の送りローラを駆動プーリの回転に先
行させ、かつカードの後端が前段搬送系の送りローラか
ら抜け出て後に後段搬送系によるカード搬送が終了する
時点まで前段搬送系の送りローラを所定の待機位置に停
止させ、これによって１台の駆動モータで前後段のロー
ラ搬送系を連繋して運転操作できるようにしたものであ
る。

【考案の実施例】

第１図ないし第５図はこの考案の実施例の構成図を、第
６図ないし第８図はそのカード搬送工程の説明図を示す
ものであり、第９図に対応する同一部品には同じ符号が
付してある。 まず第１図ないし第５図により実施例の構成を説明する
と、前段搬送系のカード払出用送りローラ31,後段搬送
系の中継用送りローラ41に対する駆動系として、この考
案により１台の駆動モータ5,駆動プーリ6,および該駆動
プーリ６と前段駆動系の送りローラ31との間を連繋する
間欠クラッチ機構７が対応して配備されている。また駆
動プーリ６は払出用送りローラ31のローラ軸35に軸受61
を介して担持され、かつ一方では駆動モータ５の軸上に
設けたプーリ51との間にベルト52を介して伝導結合さ
れ、同時に中継用の送りローラ41のプーリ42との間がベ
ルト44を介して伝導結合されている。さらに駆動プーリ
６と払出用送りローラ31との間を連繋して第４図，第５
図に明示された間欠クラッチ機構７が介装されており、
該クラッチ機構は駆動プーリ６の側面に植設した駆動ピ
ン71と、該駆動ピン71の周回移動軌跡上に交叉するよう
に送りローラ31の軸35に植設した従動ピン72とから成
る。またここで中継用送りローラ41の径寸法Ｄは払出用
送りローラ31の径寸法ｄよりも径大に選定され、ここで
駆動プーリ６によりベルト44を介して駆動される送りロ
ーラ41の周速は、同じく駆動プーリ６よりクラッチ機構
７を介して駆動される送りローラ31の周速よりも大きく
なるように設定されている。 次に上記構成によりカード２の搬送動作に付いて説明す
る。まず待機状態では間欠クラッチ機構７の駆動ピン71
と従動ピン72とは第６図（ｂ）における鎖線の位置で係
合状態のまま停止している。ここでカードの払出し指令
が与えられると、駆動モータ５が始動して駆動プーリ６
を矢印方向に回転させる。これによりベルト44を介して
中継用送りローラ41が回転を始めるとともに、前記した
間欠クラッチ機構７の駆動ピン71が従動ピン72を押し送
りする形で駆動プーリ６の回転動力が払出用送りローラ
31に伝達され、第６図（ａ）のようにカード収納部に積
み上げ収納されたカード２から最下位の１枚を矢印Ｐ方
向に送りローラ31の周速v1で前方へ払出す。そして駆動
プーリ6,したがってクラッチ機構７の駆動ピン71,従動
ピン72を介して送りローラ31が第６図（ｂ）のようにθ
１だけ回転したころで、送りローラ31により前方へ送り
出されたカード２はその先端が中継用送りローラ41とパ
ッドローラ45との間に進入し（第６図（ａ））、送りロ
ーラ31と41との間にまたがった状態で中継用送りローラ
41により周速v2の搬送力を受けるようになる。この状態
になると、送りローラ31と41との周速v1とv2（v2＞v1）
の相違から払出用送りローラ31はカード２の移動に従動
される形で駆動プーリ６の回転よりも早い回転速度で空
回りして先行するようになる。 かかる空回り動作は第７図（ａ）のようにカード２の後
端が送りローラ31より離れる瞬間まで継続する。これに
より間欠クラッチ機構７では従動ピン72が駆動ピン71に
先行することになってクラッチ機構７が切れ、第７図
（ｂ）に示すように駆動ピン71が鎖線で示す位置（第６
図（ｂ）の実線位置に相当する）から回転角θ２だけ回
転する間に、従動ピン72は駆動ピン71よりも先行して回
転角θ２より大なる回転角θ３だけ回転して第６図
（ｂ）の鎖線位置で示した待機位置に停止することにな
る。 一方、その後も後段搬送系の中継用送りローラ41,パッ
ドローラ45によるカードの搬送が継続して行われ、第８
図（ａ）のようにカード２が送りローラ41の前方へ送出
されると、この状態を図示してない検出センサで検知し
て駆動モータ５を停止制御する。また駆動モータが停止
に至る間に間欠クラッチ機構７の駆動ピン71は第８図
（ｂ）に示すように先行停止している従動ピン72を追い
掛けるように回転し、第７図（ｂ）の実線位置から回転
角θ４移動したところで従動ピン72へ係合するようにし
て停止し、再び待機状態に戻る。 以上の動作説明で明らかなように、１回のカード搬送工
程毎に１枚のカードをカード収納部から取出した上で前
段のローラ搬送系から後段のローラ搬送系に受け渡し、
かつこの途中で前段搬送系の払出用送りローラを先に停
止させるように間欠駆動制御を行う一連の搬送動作が１
台の駆動モータ５で確実に達成されることになる。 なお当該ローラ搬送装置は図示例のようにカード収納部
から１枚宛のカードを払出しする装置への適用に限定さ
れるものではなく、カード類を一方のローラ搬送系で受
け取って別なローラ搬送系へ受け渡しする一般的なロー
ラ搬送装置への実施適用も可能である。

【考案の効果】

以上述べたようにこの考案によれば、駆動モータに伝導
結合される駆動プーリと、該駆動プーリと非直結式に同
心配置された前段搬送系の送りローラと、前記駆動プー
リに直接伝導結合した後段搬送系の送りローラ，および
該送りローラに対向して配備した従動パットローラと、
前記駆動プーリと前段搬送系の送りローラとの間に介装
し、かつ前段から後段搬送系へのカード受け渡し過程で
駆動プーリの回転動力を前段搬送系の送りローラへ伝え
る間欠クラッチ機構とを具備し、かつ後段搬送系の送り
ローラの周速をモータ駆動による前段搬送系の送りロー
ラの周速よりも大に設定して構成するとともに、前記間
欠クラッチ機構を駆動プーリより側方に突出する駆動ピ
ンと、該駆動ピンの周回移動軌跡上へ交叉するように前
段搬送系の送りローラ軸より突出する従動ピンとから構
成することによって、従来装置のように各段のローラ搬
送系毎に駆動モータを付属させることなく、１台の駆動
モータの使用で，かつ複雑なモータの制御系を必要とす
ることなく、前段搬送系送りローラの間欠駆動制御を含
めた一連のカード搬送動作を確実に行うことができ、か
つこれにより安価で小形，コンパクトに構成された実用
的価値の高いカード類のローラ搬送装置を提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例によにローラ搬送装置全体の
構成斜視図、第２図ないし第５図はそれぞれ第１図にお
ける送りローラ駆動系のプーリ配置図，送りローラの配
置図，間欠クラッチ機構付き駆動プーリの詳細構造断面
図，および間欠クラッチ機構における駆動，従動ピンの
相対配置図、第６図（ａ），（ｂ）ないし第８図
（ａ），（ｂ）はそれぞれカード搬送工程を順に示した
カードのローラ送り，および間欠クラッチ機構の動作説
明図、第９図は従来におけるカード類のローラ搬送装置
の構成配置図、第10図，第11図は装置第９図の装置によ
るカード搬送動作の説明図である。各図において、 1:カード収納部、2:カード、3:前段のローラ搬送系、4:
後段のローラ搬送系、31,41:送りローラ、5:駆動モー
タ、6:駆動プーリ、7:間欠クラッチ機構、71:駆動ピ
ン、72:従動ピン、P:カードの搬送方向。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】直列に連繋する前段および後段のローラ搬
   送系から成り、１回の動作毎に前段の搬送系によりカー
   ド収納部からカードを１枚宛取出して後段の搬送系へ受
   け渡し搬送するカード類のローラ搬送装置であって、駆
   動モータに伝導結合された駆動プーリと、該駆動プーリ
   と非直結式に同心配置された前段搬送系の送りローラ
   と、前記駆動プーリに直接伝導結合した後段搬送系の送
   りローラ，および該送りローラに対向して配備した従動
   パッドローラと、前記駆動プーリと前段搬送系の送りロ
   ーラとの間に介装し、かつ前段から後段搬送系へのカー
   ド受け渡し過程で駆動プーリの回転動力を前段搬送系の
   送りローラへ伝える間欠クラッチ機構とを具備し、かつ
   後段搬送系の送りローラの周速をモータ駆動による前段
   搬送系の送りローラの周速よりも大に設定して構成する
   とともに、前記間欠クラッチ機構を駆動プーリより側方
   に突出する駆動ピンと、該駆動ピンの周回移動軌跡上へ
   交叉するように前段搬送系の送りローラ軸より突出する
   従動ピンとから構成してなることを特徴とするカード類
   のローラ搬送装置。