JPH079818B2 - 非水性アルカリ電池 - Google Patents

非水性アルカリ電池

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JPH079818B2
JPH079818B2 JP2180753A JP18075390A JPH079818B2 JP H079818 B2 JPH079818 B2 JP H079818B2 JP 2180753 A JP2180753 A JP 2180753A JP 18075390 A JP18075390 A JP 18075390A JP H079818 B2 JPH079818 B2 JP H079818B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は再充電可能な非水性電池の製造方法および該方
法により製造される電池に関する。
[従来の技術] ポータブル電動工具、計算器、コンピュータ、コードレ
ス電話、園芸用具、ポータブルテレビ、ラジオ、テープ
レコーダのような様々な電気製品および幾つか名前を挙
げれば、コンピュータ技術、メモリ素子、セキュリティ
ーシステムなどにおけるバックアップ用電源に関する消
費者の関心の急速な高まりにより、信頼性の高い軽量な
エネルギー電源に対する要望が強くなってきている。高
エネルギー密度電池における最近の開発はアルカリ金属
のアノード、非水性電解質および非化学量論的化合物の
カソード活性物質に関心が集まっている。アルカリ金属
(特にリチウム)は電気陰性度が著しく高く、これによ
り単位重量あたり極めて高いエネルギーを発生するので
アノード活性物質として使用されている。アノード活性
物質としてアルカリ金属を使用する電池の自己放電は、
非水性溶剤を使用することにより最小になる。この非水
性溶剤は高反応性アノード材料により還元されないの
で、非常に長い保存寿命を与えることができる。
カソード活性物質は一般的に、NbSe2,NbSe3,NbS3,MoS2,
MoS3,TiS2,TiS3,TaSe2,TaS2,V6O13,CoO2およびMoO2のよ
うな遷移金属カルコゲン化物類である。これらの材料の
うち、米国特許第3864167号明細書に開示された、NbSe2
およびNbSe3は高い容量と優れたリサイクル特性を有
し、また、アルカリ金属(特にリチウム)と極めて相溶
性である。カルコゲン化物は電子伝導性である。しか
し、その導電率は金属導体に遥かに及ばない。従って、
一般的に、カソード活性物質をカーボンブラックまたは
粒状金属と混合する。および/または、カソード活性物
質を金属極板またはスクリーンに担持させ、集電率を高
めることによりカソード構造物の導電率を改善する。こ
のような金属はマグネシウム,アルミニウム,チタン,
亜鉛,鉛,鉄,ニッケル,銅およびこれらの合金類から
選択される。
1978年5月23日にルイス エッチ・ゲインズに付与され
た米国特許第4091191号は、TiS2活性物質へ添合する粒
状(例えば、粉末またはファイバ状)金属として、およ
び、カソード活性物質と粒状金属との混合物を成形また
は圧縮するスクリーンあるいは多孔シートとして使用さ
れる金属として、アルミニウムの使用を示唆している。
粒状金属は50wt%以下、好ましくは、5〜20wt%の配合
量で活性金属(TiS2)に添加される。更に、1〜20wt
%、好ましくは2〜10wt%のバインダーを粒状金属およ
び活性物質と混合し、そして、この混合物を165MPa(24
000psi)以下の圧力で所望の形状(例えば、多孔アルミ
板)に成形する。
この方法の欠点は多量の粒状金属(粉末またはファイ
バ)の使用にある。このような多量の粒状金属はカソー
ド構造物の強度と導電率を高めるが、特定の容量のカソ
ード電極中に含まれるカソード活性物質の量を減少し、
バインダの添加は成形材料の嵩を更に大きくする。更
に、例えば、ニッケル,銅またはこれらの合金類のエキ
スパンデッドメタルスクリーンまたは極板(イグザメッ
ト(Exmet)社から市販されている)は、主に、現に市
販されていること、およびそのようなエキスパンデッド
メタルのスクリーンまたは極板の強度は比較的高いため
に、アルミニウムの多孔シートまたはスクリーンよりむ
しろ、最近は再充電可能な非水性アルカリ電池の製造に
広く使用されている。しかし、ニッケル(例えば、3Ni
5.125)エキスパンデッドメタル製のスクリーンまたは
極板のストランドの両側面のカソード活性物質(例え
ば、NbSe3)のファイバは開孔部分のファイバに比べて
強く圧縮されている。この強圧縮部分は、セパレーター
の孔を通してリチウムをメッキできる循環中に、セパレ
ーターに一層強い圧力を行使する。また、スクリーンま
たは極板は金属極板の交点に電流を集中させ、不均一電
流分布を生じる。その結果、内部短絡を起こす可能性が
高まる。(内部短絡は充電時にセパレーター中に発生す
る、カソード(例えば、NbSe3)とアルカリ金属アノー
ド(例えば、リチウム)との間の電気通路である。)こ
のよう内部短絡を有する電池は、その放電容量よりも大
きな充電容量を示す。また、この電池の容量は各サイク
ルについて一層速く消耗する。これらの問題はエキスパ
ンデッドメタル製スクリーンまたは極板について特有の
ものではなく、集電体が平板なスクリーンまたは多孔シ
ートの形状をしているカソードを有する電池にも起こる
ことがある。
[発明が解決しようとする課題] 従って、前記の欠点を改善するだけでなく、大量生産す
ることのできるカソードを有する電池の開発が強く求め
られている。
[課題を解決するための手段] 前記課題を解決するために、本発明では、遷移金属カル
コゲン化物類から選択されるカソード活性物質のマット
(またはシート)を、集電体として機能する金属箔の表
面に導電的に接合することにより製造された独特な積層
構造の陽極(カソード)を有する非水性アルカリ金属
(例えば、リチウム)電池を提供する。陰極(アノー
ド)、非水性電解質およびセパレーターを含む本発明の
非水性電池のその他の構造的特徴は一般的に、常用のも
のと同じである。更に詳細には、カソードは、カソード
活性物質のマット(またはシート)を金属箔に接着する
高分子接着剤が塗布された非多孔金属箔からなる集電体
から構成されている。カーボンブラックのような導電性
粒子をポリマーに対する添加剤として使用するか、また
は、金属箔とマットとの間の電気的接続を形成するため
に金属箔に対面するカソード活性物質上の薄い塗膜とし
て使用する。不活性金属のようなその他の幾つかの導電
性粒子も同じ目的に使用できる。
金属箔集電体を有するカソードからなる電池は、コスト
高を起こすことなく、従来のエキスパンデッドメタル集
電体を有する電池の性能と信頼性に匹敵する性能と信頼
性を有する。好ましい実施例では、金属箔はアルミ箔で
あり、アノード活性物質はリチウムであり、カソード活
性物質はNbSe3である。アルミ箔は安価で、軽量、高導
電率および高伝熱性などの利点を有する。アルミ箔はニ
ッケルエキスパンデッドメタルまたはアルミニュームエ
キスパンデッドメタルよりも約5倍安価であり、また、
ニッケルエキスパンデッドメタルよりも約50%軽量であ
る。アルミ箔集電体を有する電池の電池インピーダンス
は低いので、高放電率および低温性能の両特性が著しく
向上する。電池インピーダンスが低いこと、および、電
流分布の均一性が高いことにより、この電池は低温でも
一層大きなエネルギーを放出することができる。例え
ば、Niエキスパンデッドメタル集電体を有するカソード
を用いる電池と比較して、室温で4Aで放電されるAAサイ
ズの電池はエネルギーで33%の向上を示し、また、−20
℃で200mAで放電される電池は35%の向上を示す。アル
ミ箔の柔軟性と、アルミ箔中に鋭いエッジおよび高い当
たりがないために、ショートの回数を下げ易い。更に、
アルミ箔の表面は平滑なので、不当に圧縮されたNbSe3
部分を形成することなく、カソードを極めて薄い厚さに
まで均一に圧縮することができる。下記に説明する本発
明を使用することにより、このような電池を大量生産す
ることができる。
[実施例] 以下、図面を参照しながら本発明を更に詳細に説明す
る。
本発明は独特なカソード電極を有する非水性アルカリ金
属再充電可能電池に関する。非水性アルカリ電池は一般
的に、アノード、セパレーター、カソードおよび電解質
を含む、これらは適当な容器内に収納されている。本発
明を実施するのに、非常に多数の電池構造を使用するこ
とができる。当業者に周知なように、電解質の量が異な
る、様々なサイズと形状を有する電池を製造することが
できる。特に好ましい電池は、ロール状の円筒形電池で
ある。
第1図は本発明の実施に有用な代表的な電池構造10の模
式図である。このタイプの構造はしばしばロール状円筒
形電池構造と呼ばれ、数種類(通常は4種類)の層を一
緒に配置し、そして、これらを円筒形状に巻締めること
により製造される。4種類の層は陰極(アノード)11、
セパレータ12、陽極(カソード)13および別のセパレー
ター14である。このロールは一般的に、エンクロージャ
ーまたは容器(図示されていない)内に収納される。こ
のエンクロージャーまたは容器は陽極および陰極との適
当な電気的接続手段(タブ)を有する。この容器は電気
化学的作用を起こさせるための適当な電解質で充満され
ている。このようなロール状電池は1988年4月26日に発
行された米国特許第4740433号明細書および1988年6月2
8日に発行された米国特許第4753859号明細書に開示され
ている。これらの特許明細書はそれぞれ、本発明の実施
に有用な、改良されたセパレーター材料および電解質系
を用いた電池を開示している。また、エス・エム・グラ
ンスタッフ(S.M.Granstaff)らの名前で1989年5月18
日に出願された米国特許出願明細書には、本発明の実施
に有用な改良された積層構造陰極(アノード)を有する
リチウム電池が開示されている。
本発明の実施に有用なアノード電極活性物質はリチウ
ム、ナトリウム、ルビジウム、セシウムおよびこれらの
金属の併用などである。リチウムはこの物質により得ら
れる電気的ポテンシャルが高く、様々な陽極活性物質と
優れた相溶性を示すので、最も好ましい。
本発明の実施に有用な電解質系は、一般的に、溶剤中に
溶解された1種類以上の通電物質(例えば、塩)と共に
溶剤(しばしば、多成分)から調製される。特に好まし
い溶剤は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネ
ート、ジアルキルカーボネート(例えば、ジエチルカー
ボネート)およびジグリム,トリグリムおよびテトラグ
リムのような様々なポリエチレングリコールジアルキル
エーテル類(グリム類)のような成分からなる溶剤であ
る。
電解質系において通電物質として有用な塩類は当業者に
周知である。代表的な例はLiAsF6、LiClO4、LiCF3SO3
LiBF4、LiAlCl4、LiIおよびLiBrなどである。アンモニ
ウム塩も非水性電池用電解質における通電物質として有
用である。有用なアンモニウム塩は、ヘキサフルオロア
ルゼネート、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフル
オロボレート、パークロレートおよびハロゲン化物(例
えば、塩素、臭素およびヨウ素)のようなアニオンと炭
素原子が6個以下のアルキル基を有するテトラアルキル
アンモニウム塩類である。テトラブチルアンモニウム塩
類およびテトラエチルアンモニウム塩類は入手しやす
く、高い溶解度と安定性を有し、しかも、このような電
解質により示される優れた導電率を有するので好まし
い。2種類以上の塩類(例えば、LiPF6およびLiAsF6
を有する電解質も使用できる。好ましいものは、リチウ
ム塩(好ましくは、LiPF6および/またはLiAsF6)とテ
トラアルキルアンモニウム塩類(例えば、1種類以上の
テトラブチルアモニウム塩類およびテトラエチルアンモ
ニウム塩類)との混合物である。このような塩類の混合
物は特に低温で著しく高い充放電率をもたらす。通電物
質の濃度は非常に広い範囲にわたって変化させることが
できる。例えば、0.05モルから飽和濃度までの範囲内で
変化させることができる。好ましい濃度はしばしば電解
質溶液の最大導電率の濃度により決定されるが、大抵は
飽和濃度の0.25〜0.75付近である。例えば、LiPF6およ
びLiAsF6のようなリチウム塩の場合、一般的な濃度は0.
4〜1.5モルであり、0.6〜1.0モルが好ましい。テトラア
ルキルアンモニウム塩類の場合、一般的濃度は0.1〜1.0
モルである。リチウム塩とテトラアルキルアンモニウム
塩の混合物の場合、リチウム塩の濃度が0.4〜0.8モル
で、テトラアルキルアンモニウム塩の濃度が0.2〜0.4モ
ルであることが好ましい。
本発明を実施するのに有用なセパレーター材料は一般的
に、微孔質フィルム状に成形された、ポリエチレンまた
はポリプロピレンのようなポリマー材料である。セラニ
ース(Celanese)社から市販されている、セルガード
(Celgard)(登録商標)2400およびセルガード(登録
商標)2402のような各種の微孔質ポリプピレンセパレー
ターが好ましい。米国特許第4740433号明細書に開示さ
れているようなグラフト化セパレーター材料も有用であ
る。
様々な陽極活性物質が使用可能である。例えば、NbSe2,
NbSe3,NbS3,MoS2,MoS3,TiS2,TiS3,TaSe3,TaS2,V6O13,Co
O2およびMoO2からなる群から選択される遷移金属カルコ
ゲン化物類が使用できる。米国特許第3864167号明細書
に開示されているような、NbSe2,NbSe3おびNbS3はリチ
ウムアノード活性物質と共に使用するのに特に有用であ
る。陽極活性物質としてNbSe3を使用した時に特に良好
な結果が得られる。このような電池は極めて高いエネル
ギー密度と極めて長い保存寿命および極めて長いサイク
ル寿命を示す。
本発明を、アノード活性物質がリチウムで、カソード活
性物質がNbSe3である再充電可能な非水性アルカリ金属
電池について説明する。しかし、下記の実施例で示され
た教示はその他の再充電可能な非水性アルカリ金属電池
についても応用できる。
好ましい代表的な実施例では、カソードは、NbSe3マッ
ト(またはシート)をアルミ箔に接着することにより作
製されている。厚さが0.001〜0.002cmの範囲内の、市販
のレイノルズラップ(Reynolds Wrap)(登録商標)を
特に加工することなく集電体として使用した。
NbSe3マットは様々な方法により製造できる。一般的
に、マットの厚さは約0.012cmである。これよりも薄い
マット、または厚いマットも使用できる。NbSe3(また
はNbS3)マットの特に好適な製造方法の一例が、ダブリ
ュ・ファング(W.Fang)およびビー・ビアス(B.Vyas)
の名前で、“NbSe3からなる非水性電池”という発明の
名称で、1988年9月14日に出願された米国特許出願第24
4218号明細書に開示されている。要するに、マット(ま
たはシート)は、ニオブ粉末と不活性液体(例えば、プ
ロピレングリコール)の液状スラリー層を適当な支持体
(例えば、アルミナ)上に堆積し、この層から液体を除
去し、そして、ニオブ粉末をセレン(または硫黄)蒸気
と反応させことからなる方法により製造される。セレン
を使用する特定の実施例では、この反応は625℃〜780℃
の範囲内の温度で2時間〜5日間の期間にわたって行っ
た。この方法は、主反応工程に先立って、520℃〜625℃
の範囲内の温度で4〜24時間加熱することからなる第1
の予備加熱工程を含むこともできる。
マット(またはシート)は次の二つの方法によりアルミ
箔に接着した。両方のカソード製造方法とも同等の電池
性能を与えるが、第2の方法の方が清浄で簡単であり、
しか、大量生産に適している。
第1の方法は、カーボンブラック(キャボットバルカン
(Cabot Vulcan)XC72)をNbSe3マットの片面に塗布
し、続いて、このマットを、カーボンブラックの塗布さ
れた面がアルミ箔に向かうように、ポリマー塗布アルミ
箔の両面に配置し、その後、このようにして形成された
積層材料をローラ間を通し、積層材料を所望の厚さ(例
えば、0.010〜0.013cm)にまで圧縮する。その他の圧縮
方法も同様に使用できる。ポリマー塗布アルミ箔は、シ
クロヘキサンの揮発性により溶液が乾燥することを避け
るために、カーボンブラック塗布NbSe3マットをアルミ
箔上に配置する直前に、アルミ箔にEPDMの1wt%シクロ
ヘキサン溶液を薄く塗布することにより作製した。EPDM
はエチレン、プロピレンおよびジエンからなるターポリ
マーを意味する。このEPDMはエクソンケミカル(Exxon
Chemical)社からエクソンV−4608(化学式(C2H4
x(C3H6)y(C9H12)z、式中、x=0.4〜0.8;y=0.2
〜0.6;z=0〜0.1、全てwt%)として市販されている。
ポリエチレンオキサイド、シリコンおよびポリウレタン
のようなその他のポリマーも、EPDMの代わりに、または
EPDMと混合して使用することができる。
第2の方法は、EPDM、カーボンブラックおよびシクロヘ
キサンを十分に混合したスラリーをアルミ箔に塗布し、
塗布アルミ箔の両面にNbSe3マットを配置し、この積層
材料を第1の方法の圧縮方法と同様な方法で圧縮するこ
とからなる。スラリーの組成は概ね、EPDM2wt%、カー
ボンブラック4wt%およびシクロヘキサン94wt%であ
る。
前記の何れかの方法により製造されたカソードを、約70
℃の真空オーブン中で約30分間乾燥し、カソード中に残
っている溶剤(シクロヘキサン)を除去した。その他の
適当な温度および時間も使用できる。両方の方法とも
お、仕上げられたカソード中のカーボンブラックの存在
量は0〜20wt%、好ましくは0.5〜5wt%、最も好ましく
は1〜3wt%の範囲内であり、ポリマーの存在量は0.1〜
15wt%、好ましくは0.1〜1.0wt%、最も好ましくは0.3
〜0.5wt%の範囲内である。カーボンブラックは、電気
化学反応のための電気伝導路をアルミ箔とNbSe3との間
に形成するのに望ましい。前記の不活性金属のようなそ
の他の導電性粒子を、カーボンブラックの代わりに、ま
たは、カーボンブラックと組み合わせて使用することも
できる。
このようにして作製したカソードを電池製造に適当な所
望の寸法に裁断した。(AAサイズの電池の場合、一般的
に、3cm×44.5cmである。)カソードの電気的接続用の
リードはニッケルまたは銅のタブをアルミ箔を予備半田
付けすることにより作製した。アノードの電気的接続用
のリードも、ニッケルまたは銅のタブをアノードの集電
体に予備半田付けすることにより作製した。
プロピレンカーボネート35モル%、エチレンカーボネー
ト35モル%およびトリグリム30モル%を含有する混合液
に溶解された0.8モルのLiAsF6が充填された円筒形状のA
Aサイズの電池をテストするとにより、アルミ箔カソー
ド集電体を有する電池の充放電特性を求めた。ニッケル
エキスパンデッドメタルカソード集電体を有する同様な
AA電池を使用した。100mA〜4000mAの範囲内の放電電流
でサイクルを行うことにより電池をテストした。電池は
100mA〜120mAで充電した。サイクルを行っている間の電
圧範囲は1.4V〜2.4Vであった。サイクル試験は−20℃〜
45℃の範囲内の温度で行った。
アルミ箔カソード集電体を有する電池のインピーダンス
測定値および性能データを下記に示す。電池インピーダ
ンスはシュルンベルガー(Schlumberger)EMR1170周波
数応答アナライザーおよびソーラートロン(Solartro
n)1186電気化学インターフェースで測定した。(イン
ピーダンス測定中、電池の電位はOCV値に維持した。)
未使用の電池を除いて、インピーダンス測定前に、全て
の電池を2.4Vまで充電した。比較のために、1Hzにおけ
る電池インピーダンスを選択した。1Hzにおける電池イ
ンピーダンスは電池のDC抵抗に近いからである。電池の
容量に変動があるので、電池エネルギーに実際容量/130
0の比を掛けた。この係数は1300mAh付近の全ての電池容
量を正規化するので、エネルギーの適正な比較が可能に
なる。サイクル寿命のデータをプロットする場合、容量
は、1.05Vに対する電池の最初のサイクル容量により正
規化した。
アルミ箔集電体(FCC)を有する電池とニッケルエキス
パンデッドメタル集電体(EMCC)を有する電池のインピ
ーダンス測定値を第2図および第3図と第4図および第
5図にそれぞれ示す。FCCカソードを有する未使用の電
池の1Hzインピーダンスは0.3Ω(第2図参照)である
が、EMCCカソードを有する未使用電池のインピーダンス
は0.7Ω(第4図参照)である。20回サイクルを行った
後の、FCCカソードを有する電池の1Hzインピーダンスは
0.11Ω(第3図参照)であるが、EMCCカソードを有する
電池の1Hzインピーダンスは0.17Ω(第4図参照)であ
る。アルミFCCカソードを有する電池の低インピーダン
スは高電気伝導度(ニッケルの電気伝導度の2.6倍)と
大接触面積(エキスパンデッドメタルの接触面積の〜3.
7倍)の結果である。ポリマーバインダーの存在は接触
抵抗を増大するが、正味の効果は電池インピーダンスを
依然として約35%低下する。
FCCカソードを有する電池の低インピーダンスは全体的
に一層高い放電電圧を発生する。第6図に、室温(〜25
℃)で測定した、FCCカソードを有する電池(実線)とE
MCCカソードを有する電池(点線)の、1A,2A,3Aおよび4
A放電における電池電圧対容量%の放電曲線を示す。1A
から4Aまで放電を行う前に、電池は20回のサイクルを行
った。第6図の特性曲線から明らかなように、4種類の
全ての電流値においてFCC電池は容量と中放電電圧を著
しい改善を示す。下記の表1に示された結果から明らか
なように、1Aおよび2Aの場合における、FCCを有する電
池のエネルギー改善効果はEMCCを有する電池と大差がな
い。しかし、3Aおよび4Aの場合には、その改善効果はそ
れぞれ10%および33%と顕著になる。−20℃における20
0mA放電を第7図に示す。FCCカソードを有する電池は、
EMCCカソードを有する電池の0.945Whに比べて、1.179Wh
のエネルギーを有する。このことは、−20℃におけるエ
ネルギーが25%改善されたことを意味する。FCCカソー
ドを有する電池の電圧優位性は、放電率が高くなり、ま
た、温度が低くなるほど、大きくなる。普通の放電率
(〜400mA)および温度(〜25℃)では顕著な差は存在
しない。
FCCカソードを有する電池のサイクル寿命とEMCCカソー
ドを有する電池のサイクル寿命もテストした。第8図
に、室温でテストしたFCCカソードを有する電池のサイ
クル寿命とEMCCカソードを有する電池のサイクル寿命を
示す。両方の電池とも、容量が60%にカットオフするま
で〜150サイクルを要した。この値は、400mAで放電し、
120mAで充電した場合の、電気化学的電池の典型的なサ
イクル寿命である。1000mAの高放電電流では、FCCカソ
ードを有する電池は、容量の60%カットオフ時点で145
サイクルを要した(第9図参照)。FCCカソードを有す
る電池およびEMCCカソードを有する電池の両方とも、45
℃では、それぞれ約120サイクル後にショートした。
[発明の効果] 以上説明したように、遷移金属カルコゲン化物類から選
択されるカソード活性物質のマット(またはシート)
を、集電体として機能する金属箔の表面に導電的に接合
することにより製造さた独特な積層構造の陽極(カソー
ド)を有する本発明の非水性アルカリ金属電池は、従来
のエキスパンデッドメタルカソードを有する非水性アル
カリ金属電池に比べて、高放電率および低温性能の両特
性が著しく優れている。電池インピーダンスが低いこ
と、および、電流分布の均一性が高いことにより、本発
明の電池は低温でも一層大きなエネルギーを放出するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明により製造されるロール状の円筒形非水
性電池の一例の模式図である。 第2図はアルミ箔集電体を有する未使用電池のACインピ
ーダンスを示す。 第3図は20サイクル後のアルミ箔集電体を有する電池の
ACインピーダンスを示す。 第4図は従来のNiエキスパンデッドメタル集電体を有す
る未使用電池のACインピーダンスを示す。 第5図は20サイクル後の従来のNiエキスパンデッドメタ
ル集電体を有する電池のACインピーダンスを示す。 第6図はアルミ箔集電体と従来のNiエキスパンデッドメ
タル集電体の異なる放電電流における放電電圧曲線を比
較する特性図である。 第7図は−20℃におけるアルミ箔集電体と従来のNiエキ
スパンデッドメタル集電体の放電電圧曲線を比較する特
性図である。 第8図はアルミ箔集電体と従来のNiエキスパンデッドメ
タル集電体のサイクル寿命を示す特性図である。 第9図は1000mA放電電流におけるアルミ箔集電体のサイ
クル寿命性能を示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−55875(JP,A) 特開 平1−128369(JP,A)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジ
    ウム、セシウムおよびこれらの合金類からなる群から選
    択されるアルカリ金属のアノード電極と、 NbSe2、NbSe3、NbS3、MoS2、MoS3、TiS2、TiS3、TaS
    e3、TaS2、V6O13、CoO2およびMoO2からなる群から選択
    される少なくとも1種類のカルコゲン化物からなるカソ
    ード活性物質と、アルミニウム、マグネシウム、チタ
    ン、亜鉛、鉛、鉄、ニッケル、銅およびこれらの合金類
    からなる群から選択され電池の動作条件下では化学的に
    不活性な金属の金属箔とからなるカソード電極と、 セパレーターと、 アルカリ金属を溶解して有する有機溶剤からなる電解質
    とからなる非水性二次電池の製造方法において、 前記カソード電極は、集電体として機能する前記金属箔
    の対面にカソード活性物質マットを接着することにより
    製造され、前記接着は、 EPDM(エチレン/ポリエチレン/ジエン−ターポリマ
    ー)のシクロヘキサン希薄溶液からなる接着ポリマー層
    を金属箔の前記対面に塗布するステップと、 カソード活性物質のマットを前記塗布面に接触するよう
    に配置して金属箔とマットとの積層材料を形成するステ
    ップと、 この積層材料を所望の厚さにまで圧縮するステップと、 圧縮積層材料を乾燥し残留溶剤をすべて除去するステッ
    プとからなり、 金属箔とカソード活性物質との間に粉末状導電性物質を
    添合することにより金属箔とカソード活性物質との間の
    電子伝導を高めたことを特徴とする非水性二次電池の製
    造方法。
  2. 【請求項2】導電性物質は、カソードの総重量を基準に
    して、0〜20重量%の範囲内で含有されるカーボンブラ
    ックであることを特徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】導電性物質は、カソードの総重量を基準に
    して、0.5〜5重量%の範囲内で含有されるカーボンブ
    ラックであることを特徴とする請求項2の方法。
  4. 【請求項4】導電性物質は、カソードの総重量を基準に
    して、1〜3重量%の範囲内で含有されるカーボンブラ
    ックであることを特徴とする請求項2の方法。
  5. 【請求項5】金属箔上にマットを配置する前に、金属箔
    に接着すべき各マットの接着面にカーボンブラック層を
    塗布することを特徴とする請求項1の方法。
  6. 【請求項6】前記塗布ステップは、前記金属箔の前記面
    の両方に、EPDM(エチレン/ポリエチレン/ジエン−タ
    ーポリマー)、カーボンブラックおよびシクロヘキサン
    からなるスラリーを塗布することにより行うことを特徴
    とする請求項1の方法。
  7. 【請求項7】前記スラリーは、概ね、EPDM2重量%、カ
    ーボンブラック4重量%およびシクロヘキサン94重量%
    の組成を有することを特徴とする請求項6の方法。
  8. 【請求項8】カソード電極中のポリマーの配合量は、カ
    ソード電極の総重量を基準にして、0.1〜15重量%の範
    囲内であることを特徴とする請求項1の方法。
  9. 【請求項9】カソード電極中のポリマーの配合量は、カ
    ソード電極の総重量を基準にして、0.1〜1重量%の範
    囲内であることを特徴とする請求項8の方法。
  10. 【請求項10】カソード電極中のポリマーの配合量は、
    カソード電極の総重量を基準にして、0.3〜0.5重量%の
    範囲内であることを特徴とする請求項8の方法。
  11. 【請求項11】前記圧縮ステップは積層材料をローラー
    間を通過させることにより行うことを特徴とする請求項
    1の方法。
  12. 【請求項12】前記アルカリ金属はリチウムであること
    を特徴とする請求項1の方法。
  13. 【請求項13】前記カソード活性物質はNbSe3であるこ
    とを特徴とする請求項1の方法。
  14. 【請求項14】前記金属箔はアルミニウムであることを
    特徴とする請求項1の方法。
  15. 【請求項15】前記アルカリ金属はリチウムであり、前
    記カソード活性物質はNbSe3であり、前記金属箔はアル
    ミニウムであり、前記接着は、金属箔の対面に、マット
    を配置する前に、概ね、EPDM2重量%、カーボンブラッ
    ク4重量%およびシクロヘキサン94重量%の組成を有す
    るスラリーを塗布することからなることを特徴とする請
    求項1の方法。
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