JPH0798074B2 - 安全帯 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、建設現場等における高所作業において、作業
者の墜落事故を防止するために使用する安全帯に関する
ものである。

［従来の技術］ 従来、この種の安全帯は、身体の胴部に巻き付けて着用
する胴締めベルトと、該胴締めベルトを挿通したＤ環
と、該Ｄ環にさつま編み込み等により基端部を結び付け
られたロープと、該ロープの先端部に取り付けたフック
から構成され、該フックを構造物その他の取付設備に引
っ掛けて使用するようになっている。

ところが、上記従来の安全帯は、不使用時にロープが邪
魔になって、その処置に苦慮していた。そのため、一般
的には作業者がロープを両肩に掛け回して出来るだけ作
業の邪魔にならないようにしていた。

しかしながら、これではロープが周囲の構造物等の引っ
掛かる虞れ等があって危険であり、ロープを安全かつコ
ンパクトに収納する手段が要請されていた。

上記要請に応えるために、近年、ロープの代わりに細巾
ベルトを使用して、ベルトを使用しない時には、胴締め
ベルトに取り付けた巻取リールに巻き付けておき、作業
の邪魔にならないようにした安全帯が開発されている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上記細巾ベルトを備えた安全帯は、その
厳しい構造基準に適合している従来のロープやＤ環等を
採用していないため、適用除外の承認を特別に受けなけ
ればならず、また巻取リール等の構造が複雑で高価にな
るなどの問題があった。

本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされた
もので、その目的とするところは、構造基準に適合して
いる従来のロープやＤ環等をそのままの形状で使用する
ことができて構造強度に不安がないばかりでなく、円滑
かつ確実に引き出したり巻き込むことができる安価な安
全帯を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明の安全帯は、身体の胴部に巻き付けて着用する胴
締めベルトと、該ベルトに取り付けた回転Ｄ環と、該回
転Ｄ環に回転自在に付設された丸眼部と、該丸眼部に一
体的に取り付けられた巻取リールと、該巻取リールを巻
き込み方向に付設するゼンマイと、上記丸眼部に基端部
が取り付けられると共に上記巻取リールに巻き込まれる
ロープと、該ロープの先端部に付設されたフックと、及
び上記ロープを上記巻取リールの巻き込み力に抗して一
時的にロックする手段と、から構成されていることを特
徴とし、上記巻取リールが、ロープを渦巻状に巻き取る
笠形のリールであることも特徴とするものである。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説
明する。

第１図において、１は胴締めベルトであって、その一端
部にバックル２を備えており、作業者の胴部に巻き付け
て着用するようになっている。

該胴締めベルト１には、以下に説明するような回転Ｄ環
軸巻取器Ａが装着されている。

第２図は回転Ｄ環軸巻取器Ａの断面を示すもので、３は
回転Ｄ環本体である。該回転Ｄ環本本体３の内側には上
記胴締めベルト１が挿設されていて、回転Ｄ環本体３が
胴締めベルト１から絶対に外れないように取り付けられ
ている。

該回転Ｄ環本体３の外側中央部には丸眼部４が回転自在
に取り付けられている。

５はゼンマイケースであって、取付片5aを介して上記回
転Ｄ環本体３に固定されている。該ゼンマイケース５内
にはゼンマイ６が収容されていて、その外側端部はゼン
マイケース５に固着されている。

７は巻取リールであって、その中央部には上記丸眼部４
に嵌合した状態で固定されており、丸眼部４と一緒に回
転する。該巻取リール７には、上記ゼンマイ６の内側端
部が固着されていて、該巻取リール７および丸眼部４を
巻き込み方向に付勢している。

上記巻取リール７の外周巻取溝7a内には、ロープ80が巻
き取られた状態で収容される。該ロープ８の内側端部8a
は上記丸眼部４に、例えば、さつま編み込みにより結び
付けられている。

９はカバーであって、上記回転Ｄ環本体３に固定されて
いる。該カバー９の側面の適宜位置には引出し穴9aが明
けられていて、上記外周巻取溝7aに巻付けられているロ
ープ８が外部に引き出される。

ロープ８の引出し部付近の胴締めベルト１には、第１図
に示すように、ロープストッパー10が取り付けられてい
て、上記ロープ８をゼンマイ６による巻き込み力に抗し
て一時的にロックすることにより、ロープ８を必要な長
さだけ引き出しておくことができる。10aはロック解除
レバーである。尚、ロープ８の一時的ロック手段として
は、上記ロープストッパー10に限定するものではなく、
ロープ８をゼンマイ６の巻き込み力に抗して一時的にロ
ックできる機構であればいずれでもよく、また、このロ
ック機構は、上記カバー９の引き出し穴9a付近また上記
巻取リール７等に設けてもよい。

上記ロープ８の先端部にはフック11が取り付けられてい
る。

本実施例の安全帯は、以上にように構成されているの
で、その使用に際しては、胴締めベルト１を身体の胴部
に巻き付けて装着した後、ゼンマイ６の巻き込み力に抗
してロープ８を巻取リール７から引き出し、適当な長さ
に引き出したところでロープ８を緩めると、上記ロープ
ストッパー10が働いてロープ８の巻き込みはロックされ
る。この状態で、該ロープ８の先端部のフック11を構造
物やこれに取り付けた親綱等に掛けて作業をする。

不使用時には、フック11を親綱等から外して、ロック解
除レバー10aにより上記ロープストッパー10のロックを
外すと、ロープ８がゼンマイ６の巻き込み力により巻取
リール７に巻取られて、回転Ｄ環巻取器Ａ内に納められ
る。この場合、フック11は胴締めベルト１に設けた適宜
収納袋（図示せず）等に入れておいてもよい。

第３図および第４図は本発明の別の実施例を示す。

本実施例の安全帯における胴締めベルト１、回転Ｄ環本
体３、丸眼部４、ゼンマイケース５、ゼンマイ６および
ロープ８等は、第２図に示す第１の実施例の対応する各
部材とほぼ同様の構造と機能を有する。

第３図において、12は巻取リールであって、全体として
笠状の形態をしており、その外表面上にロープ８を渦巻
状に巻き取るようになっている。

13はカバーであり、その側部にロープ８の引出し口13a
を形成している。

14はロープストッパーであって、第５図に示すように、
ゴムプレート14aのスリット14bに挟んでロープ８を一時
的に把持する。

尚、第６図に示すように、上記巻取リール12に渦巻状の
巻取溝12aを形成してもよい。

［発明の効果］ （１）回転Ｄ環の丸眼部に一体的に取り付けた巻取リー
ルにロープを巻き込んだり引き出すようにしたので、在
来の回転Ｄ環およびロープ等をそのまま或いは大きく変
更することなく採用することができて、構造強度上の心
配が全くない。

（２）巻取リールを巻き込み方向に付勢せしめてロープ
を自動的に巻き込むようにすると共に、引き出したロー
プをスリットに挟んで一時的にロックして必要な長さだ
け引き出したおくことができるので、操作が簡単で、作
業がし易い。

（３）巻取リールを笠状に形成して渦巻状にロープをコ
ンパクトに巻き取るようにしたので、回転Ｄ環巻取器を
小型化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の安全帯の第１の実施例を示す斜視図、
第２図は回転Ｄ環軸巻取器の断面図、第３図は本発明の
第２の実施例を示す回転Ｄ環軸巻取器の断面図、第４図
はその上面図、第５図はロープストッパーの正面図、第
６図は巻取リールの別の実施例を示す断面図である。 １……胴締めベルト、２……バックル、３……回転Ｄ環
本体、４……丸眼部、５……ゼンマイケース、5a……取
付片、６……ゼンマイ、７……巻取リール、7a……外周
巻取溝、８……ロープ、９……カバー、10……ロープス
トッパー、10a……ロック解除レバー、11……フック、1
2……巻取リール、12a……巻取溝、13……カバー、13a
……引出し口、14……ロープストッパー、14a……ゴム
プレート、14b……スリット、Ａ……回転Ｄ環軸巻取
器。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】身体の胴部に巻き付けて着用する胴締めベ
   ルトと、該ベルトに取り付けた回転Ｄ環と、該回転Ｄ環
   に回転自在に付設された丸眼部と、該丸眼部に一体的に
   取り付けられた巻取リールと、該巻取リールを巻き込み
   方向に付勢するゼンマイと、上記丸眼部に基端部が取り
   付けられると共に上記巻取リールに巻き込まれるロープ
   と、該ロープの先端部に付設されたフックと、及び上記
   ロープを上記巻取リールの巻き込み力に抗して一時的に
   ロックする手段と、から構成されていることを特徴とす
   る安全帯。
2. 【請求項２】上記巻取リールが、ロープを渦巻状に巻き
   取る笠形のリールであることを特徴とする請求項１に記
   載の安全帯。