JPH0797897A - トンネル支保方法及び支保部材 - Google Patents
トンネル支保方法及び支保部材Info
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Abstract
せ、地山の緩みの発生を防止する。 【構成】 支保工梁10を湾曲拘束させた状態でトンネ
ル内面に当接し、支保工梁10の湾曲拘束を解き、支保
工梁10の復元弾性変形動作を前記トンネルの内面位置
で拘束して前記トンネルの内面を押圧させ、内圧効果を
発揮させる。
Description
保部材に係り、特に掘削した地山表面に内圧を作用させ
てトンネルの緩みの進行を防止するようにしたトンネル
支保方法と同方法に使用される支保部材に関する。
M(:New Austrian Tunneling Method)が標準工法と
して普及してきている。このNATMは柔軟性のある支
保部材としての薄肉吹付けコンクリートとロックボルト
等により地山の変位を制御して地山本来が保有している
支持力を利用してトンネルの支保を行うものである。ま
た、従来の矢板工法で施工されたトンネルでは矢板と鋼
支保工とで地山の緩み荷重を負担して支保するのに対
し、NATMにより施工されたトンネルでは支保部材で
ある吹付けコンクリートを地山表面に密着させて施工す
るので、地山の経時的な変形、緩みの拡大を最小限にで
きる等、種々の利点を有している。このためNATMは
都市部等の土砂トンネルでも積極的に採用されてきてい
る。
ることが多いため地上構造物への影響を最小限にするた
めにシールド工法が多く採用されている。このシールド
工法では1次覆工としてのプレハブ構造セグメントをシ
ールド掘進機の後方で円筒形状に連続して組み立て、こ
の円筒形支保構造によりトンネルに作用する地山荷重を
支持するようになっている。
組み立てられたセグメントと地山との隙間(テールボイ
ド)の発生を防止できるECL工法が開発、実施されて
いる。このECL工法ではシールド掘進機の通過直後に
内型枠を組み立て、この内型枠と地山の間に現場打ちコ
ンクリートを打設するので、テールボイド部分にも覆工
コンクリートが充填される。そしてこの覆工コンクリー
トに反力をとりながらシールド掘進機を推進させるのが
特徴である。このようにトンネル掘削では掘削後に地山
の緩みの発生を確実に防止することが重要であり、この
ために種々の支保構造の開発が進められている。
き、一般にその断面形状が円形あるいは円弧の組み合わ
せにより構成された略円形形状をなしている。これはト
ンネル掘削により作用する地山荷重に対してアーチ構造
あるいは閉合リング構造の覆工部材で抵抗するのが力学
的に好ましいからである。また外圧としての地山荷重が
アーチ構造あるいは閉合リング構造に作用すると覆工部
材内には圧縮力が卓越的に生じるが、偏圧や変分布荷重
により曲げモーメントも発生するので、覆工コンクリー
トでは曲げ圧縮断面としての設計がなされている。
従来のトンネル掘削工法では工法の別を問わず、トンネ
ル覆工に関して、次のような観点から設計が行われてい
る。 (1)掘削後、地山を極力緩めない。 (2)覆工部材に作用する地山荷重はそのままアーチ構造
あるいは閉合リング構造で負担する。 すなわちトンネル掘削直後に地山の緩みを抑えるように
早期に地山支保を行うが、その段階までに発生した地山
の緩み等による荷重は支保構造で負担するという設計思
想である。このため覆工部材の設計においては土圧ある
いは所定の緩み荷重に対応する作用荷重を設定して断面
設計を行っていた。
に図8に示したような円弧状をなしており、掘削断面内
に層理や断層がない場合には図示したような外圧(荷重
の大きさはノンスケールである。)が作用することが知
られている。そこで支保構造により積極的に内圧Pを作
用させることにより地山からの作用荷重を相殺するとと
もに、内圧効果により地山の緩みの拡大を防止すること
ができる。このような発想に基づく支保構造としてNA
TMのロックボルト工がある。トンネル壁面に打設され
たロックボルトには所定引張力が導入され、この導入引
張力によりトンネル壁面に内圧を作用させることができ
るようになっている。このとき地山内には3軸拘束状態
のグランドアーチが形成され、トンネル支保に地山の支
持力を積極的に利用することができる。
ターンに応じて使用される補助的な支保部材であるため
その打設ピッチも様々であり、地山の緩み状態や打設パ
ターンによってはトンネル壁面全体に十分な内圧効果を
与えられないという問題がある。また、ロックボルトは
地山内に線状に埋設されるため内圧効果を把握すること
が困難である。そのためトンネル壁面に直接内圧を作用
させることのできる支保方法及び支保部材の開発が求め
られていた。このような支保方法によれば、掘削直後に
発生した地山の緩み分を押し戻して緩みによる過度な荷
重を軽減できるとともに、経時的な緩みの発生も防止す
ることができる。
術が有する問題点を解消し、トンネル壁面に直接内圧を
作用させ、緩み荷重を軽減するとともに緩みの発生を防
止できるトンネル支保方法及び支保部材を提供すること
にある。
に、支保方法としての本発明は弾性アーチ部材を湾曲拘
束させた状態でトンネル内面に当接し、前記弾性アーチ
部材の湾曲拘束を解き、この弾性アーチ部材の復元弾性
変形動作を前記トンネルの内面位置で拘束して前記トン
ネルの内面を押圧し、前記トンネルの地山緩みを抑える
ようにしたことを特徴とするものである。
材としての本発明は弾性アーチ部材と、この弾性アーチ
部材に取着されたスペーサ部材を介して所定の偏心距離
をあけて前記弾性アーチ部材の長手方向に沿って配設さ
れた引張線材保持部材と、この引張線材保持部材に挿通
支持され、両端に定着部の設けられた引張線材とを備
え、この引張線材の両端に張力を導入することで前記弾
性アーチ部材を湾曲させるようにしたことを特徴とする
ものである。
せた状態でトンネル内面に当接し、前記弾性アーチ部材
の湾曲拘束を解き、この弾性アーチ部材の復元弾性変形
動作を前記トンネルの内面位置で拘束して前記トンネル
の内面を押圧させたので、前記トンネルの地山に内圧が
作用する状態となるので、既に発生した地山緩みを押し
戻すようにできるとともに、経時的に発生する緩みを最
小限に抑えることができる。
部材を介して所定の偏心距離をあけて前記弾性アーチ部
材の長手方向に沿って配設された引張線材保持部材に引
張線材を挿通してその両端に定着部を設け、この引張線
材の両端に張力を導入するようにしたので、前記弾性ア
ーチ部材を容易に所定の曲率をなして湾曲させることが
でき、また前記両端での定着を解放することによりこの
弾性アーチ部材の復元弾性変形動作により前記トンネル
内面を確実に押圧することができる。
保部材の一実施例を添付図面を参照して説明する。図1
の各図はトンネル支保部材たる支保工梁1の各設置状態
を示した全体図である。同図(a)は支保工梁1の初期
状態を、同図(b)は支保工梁1の引張部材に所定の張
力を導入して緊張し、支保工梁1のアーチ形状を円弧状
とした状態を、同図(c)は掘削されたトンネル地山の
曲率に合わせて支保工梁1をトンネル壁面位置に設置
し、トンネル壁面に内圧を付与するためにトンネル地山
に押圧させるようにした状態を示したものである。
2を参照して説明する。図2は図1(a)の初期状態に
ある支保工梁1の一部を示したものである。同図におい
て符号10は弾性アーチ部材たるアーチフレームを示し
ており、このアーチフレーム10は断面形状が略L字形
をなす弾性変形性能の大きい2本の繊維強化プラスチッ
ク製の不等辺山形鋼からなり、アーチフレーム10は所
定間隔で配置された横架材11により平行位置が保持さ
れている。また横架材11の両端はアーチフレーム10
の下面に形成された取付フランジ(図示せず)に固着さ
れ、この取付フランジには立体ラチスを構成するスペー
サフレーム12の端部12aが回動可能に取着されてい
る。このスペーサフレーム12は略V字形をなし、頂点
部分(図では下端部分)が引張線材保持部材たるシース
管13の上面に形成されたジョイント部14の支持孔1
5に挿通された状態で回動可能に支持されている。
にわたって横架材11が所定間隔をあけて配置され、さ
らに各横架材11位置にはスペーサフレーム12の上端
が支持されている。これによりシース管13のジョイン
ト部14を頂点とし、隣接した横架材11で挟まれた面
を底面とした四角錘をなす立体ラチスがアーチフレーム
10の長手方向に連続して形成されている。したがって
シース管13も四角錘の下端位置に所定間隔をあけて配
置されることになる。さらに各シース管13を連続して
結ぶように引張部材としての1本のPCケーブル16が
挿通されている。このPCケーブル16の端部には定着
用チャック21を備えたコーン定着部20が設けられ、
PCケーブル16を所定位置で定着できるようになって
いる。なお、符号30はトンネル地山Gを直接押圧する
ための矢板プレートを示している。
用してトンネルの支保を行う手順を図1の各図を参照し
て説明する。まず同図(a)のような初期状態にある支
保工梁1の下端にあるPCケーブル16を緊張ジャッキ
(図示せず)で矢印A方向に引き込んでいく。そして緊
張した分だけコーン定着部20でケーブル定着を行う。
この過程でコーン定着部20に押されるようにして隣接
するシース管13同士が端部から接近していき、これに
伴いアーチフレーム10には偏心軸圧縮力が作用するこ
とになり、アーチフレーム10は全体として湾曲してい
く。そして素掘り状態のトンネル地山Gの曲率よりアー
チフレーム10の曲率が大きく(半径が小さく)なった
ところで、トンネル内の所定位置に支保工梁1を配置す
る(図(b)参照。)。この状態でトンネル内面とアー
チフレーム10との間に矢板プレート30を敷き詰める
ように配置しておき、支保工梁1を地山Gに当接させて
シース管13に挿通されているPCケーブル16のコー
ン定着部20の緊張を解除する。
湾曲したので、所定湾曲状態が解放され、同図(a)の
初期状態に復元するように弾性変形する。ところが、支
保工梁1の両端がトンネル内面の所定位置にピン支点2
2として定着支持されているので、支保工梁1は全体と
して同図(c)に示したように矢板プレート30を内方
から押圧するようにトンネル地山Gに密着する。これに
より支保工梁1はトンネルに対し内圧効果を発揮するア
ーチ支保工として機能する。なお、支保工梁1の内圧効
果はアーチフレーム10の弾性域内の変形挙動により発
揮されるので、アーチフレーム10としては所定の曲率
まで湾曲させることができ、その状態を拘束保持した後
にその拘束を除去すると、再び弾性変形により初期状態
に復元できるような材質であれば、繊維強化プラスチッ
クに限られず、各種金属板、樹脂成形品を使用すること
ができ、アーチフレーム10の断面形も円環状、平板等
種々の断面形状とすることができることは言うまでもな
い。
保工梁1を使用した例を示したものである。同図に示し
たように円形断面は3ピースの支保工梁1により支保さ
れており、各支保工梁1は端部にあらかじめ設けられて
いたジョイントプレート23を介して継手ボルト(図示
せず)で接合することで連結され、全体として閉合リン
グが形成される。
ーム10との間に配置されている矢板プレート30は図
示が省略されているが、図3に示したように取付フラン
ジ26を介してスペーサフレーム12を面板フレーム2
5に直接取着することも可能である。これにより矢板プ
レート30を用いずに支保工梁1のみでトンネル地山G
を押圧してトンネルに内圧を作用させることも可能であ
る。この場合、面板フレーム25の材質としてはアーチ
フレーム10と同等のものを使用することが好ましい。
また、図4に示した状態でトンネルの地山表面が掘削に
より荒れているような場合には矢板プレート30あるい
は面板フレーム25と地山との間に空隙が生じるおそれ
がある。そのような場合には矢板プレート30あるいは
面板フレーム25の所定位置から裏込め注入を行い、発
生した空隙に注入材を充填しておくことが好ましい。
っている状態を模式的に示したトンネル縦断面図であ
る。同図に示したようにTBM40の後方に露出したト
ンネル地山部分に矢板プレート30を配置するととも
に、支保工梁1でこの矢板プレート30をトンネル内方
から押圧させている。これにより地山に内圧を作用させ
ることができ、TBM40の通過後の地山の緩みを最小
限に抑えることができる。また、さらにその後方からは
セントル(図示せず)により2次覆工コンクリート41
が施工されている。この場合、同図にあるように支保工
梁1全体を埋設するようにコンクリート打設を行っても
良いし、スペーサフレーム12とシース管13部分を撤
去し、矢板プレート30を押圧しているアーチフレーム
10のみを埋設するようにコンクリート打設を行っても
良い。
圧し、地山Gとの密着を図っている状態を示した部分拡
大断面図である。湾曲状態にある支保工梁1のアーチフ
レーム10により矢板プレート30は矢印で示したよう
な方向に押圧され、地山への密着が図られる。これによ
り地山Gは内圧を受けた状態となり、既に緩んだ地山を
押し戻し、緩みによる荷重を軽減できるとともに、今後
の地山の緩みの発生を最小限にすることができる。
工梁1を適用した例を示したトンネル断面図である。同
図に示したようにあらかじめ構築された先進導坑アバッ
ト42を支点として支保工梁1がトンネル上半部分の支
保工として使用されている。湾曲状態にあるアーチフレ
ーム10部分がトンネル上半の地山に密着するように押
圧されているため地山の解放面近傍には3軸拘束状態の
グランドアーチが形成され、既に発生した緩みが押し戻
されるとともに、以後の緩みの発生が確実に防止される
ようになっている。
ルは以上に挙げたトンネル掘削工法に限定されず、立坑
等の掘削においても側圧によるトンネル断面の変形を防
止したり、NATMの部分的な補強工やシールドセグメ
ントの変形防止等にも使用できる。またトンネル掘削後
の支保において付加的に使用し、トンネル地山に対して
内圧効果を発揮させることもできる。また、アーチフレ
ーム10あるいは面板フレーム25に相当する部材を湾
曲させる構成は図2及び図3に示した立体ラチスとPC
ケーブル16の組み合わせに限定されず、アーチフレー
ム10位置に対して所定の偏心位置を保持して軸力を導
入できる構成であれば、いかなる構成をとることもでき
る。
によれば、トンネル地山に内圧を作用させながら支保を
行えるので、トンネル覆工として有効であるとともに地
山の緩みを積極的に防止でき、トンネルの高い安全性を
保持することができるという効果を奏する。
した変形状態図。
視図。
したトンネル横断面図。
示したトンネル縦断面図。
大側面図。
を示したトンネル横断面図。
的に示したトンネル荷重図。
Claims (2)
- 【請求項1】弾性アーチ部材を湾曲拘束させた状態でト
ンネル内面に当接し、前記弾性アーチ部材の湾曲拘束を
解き、この弾性アーチ部材の復元弾性変形動作を前記ト
ンネルの内面位置で拘束して前記トンネルの内面を押圧
し、前記トンネルの地山緩みを抑えるようにしたことを
特徴とするトンネル支保方法。 - 【請求項2】弾性アーチ部材と、この弾性アーチ部材に
取着されたスペーサ部材を介して所定の偏心距離をあけ
て前記弾性アーチ部材の長手方向に沿って配設された引
張線材保持部材と、この引張線材保持部材に挿通支持さ
れ、両端に定着部の設けられた引張線材とを備え、この
引張線材の両端に張力を導入することで前記弾性アーチ
部材を湾曲させるようにしたことを特徴とするトンネル
支保部材。
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1993
- 1993-09-28 JP JP05265674A patent/JP3123863B2/ja not_active Expired - Fee Related
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