JPH0797512B2 - 板ばね一体型電源用高電圧コネクタの一体成型法、高電圧コネクタ並びにプラグ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の技術分野」 この発明は、板ばね一体型電源用高電圧コネクタの一体
成型法、高電圧コネクタ並びにプラグ、更に詳しくはテ
レビジョン、複写機、ファクシミリ等の高電圧電源用高
電圧コネクタの一体成型法、高電圧コネクタ並びにコネ
クタに関する。

「従来の技術」 従来例えばテレビジョン、複写機、ファクシミリ等の電
源用高電圧コネクタに於いて第７〜９図の通り、該コネ
クタ内に湾曲した導電性板ばね２を設ける場合は、一体
成型が不可能であり、該コネクタを成型後、該導電性板
ばね２を取付け、板ばね挿入取付孔10内にシリコン・ゴ
ム３を流し、硬化させて封入していた。

「発明が解決しようとする問題点」 前述の通り、コネクタ内に湾曲した導電性板ばねを設け
る場合、一々手作業により組込まなければならず、極め
て非能率的であり、製品にバラツキが生じ、更にシリコ
ン・ゴムは、高価な上に、硬化するのに時間がかかり、
強度が弱く、電線を被覆する力に欠け、気候、温度によ
っても変化する等の欠陥を有する。

従って上下金型内に予め製造した所要部品をセットする
方法も考えられるが、射出成型工程でこれら部品が所要
位置から移動し、前述の通り溶融合成樹脂がプラグ・イ
ンサート穴内に流れ込むので不都合であった。

その結果製造法が煩雑化し、コスト上昇が避けられなか
った。

「問題点を解決するための手段」 この発明は、前述の欠点を除去せんとするもので、その
要旨は、成型工程に於いて、導電性スリーブを、下面に
溶融合成樹脂流入防止用段部を形成した絶縁性合成樹脂
製中子内に組込む事により一体成型を可能としたもので
あり、更にコネクタ内の板ばねに密着自在としたプラグ
である。

「構成」 この出願に係る板ばね一体型電源用高電圧コネクタおよ
びその一体成型法を添附図面に示す実施例について説明
する。第１〜４図に於いて、導電性板ばね40の上端を、
導電性スリーブ60の下端に接続し、該導電性スリーブ60
と該導電性板板ばね40とを、第３図に示す絶縁性合成樹
脂製中子50に組込む。

該中子50は、成型されるコネクタ本体30のプラグ挿入口
32の基部の直径と円周囲に対応する円形段部50aと小径
円筒部50bとを有する。

該円形段部50aの中心から該小径円筒部50bに向かって該
導電性スリーブ60嵌合用円筒形凹部50cを形成し、該円
筒形凹部50cの底部から該小径円筒部50bに向かって導電
性板ばね40を嵌合する湾曲状間隙50dを形成する。

該湾曲状間隙50d内に、導電性板ばね40の上端を挿入
し、該導電性板ばね40の上端のリング50a内に、該導電
性スリーブ60の下端60aを嵌合して接続する。

該導電性スリーブ60の上端60bに、抵抗器、バリスタ等
の所要電気部品70の一端70aを半田付け等により接続
し、その他端に高電圧電線80の一端80aを半田付け等に
より接続して一体とする。

この様にして一体とした中子50、導電性スリーブ60並び
に導電性板ばね40とを、第4,5図に示す通り下部金型10
のキャビテイ12に挿入し、該キャビテイ12に形成した円
筒形サポート14の上端14aに、中子50の円形段部50aの小
径円筒部50bを嵌合密着し、該キャビテイ12内に溶融合
成樹脂が流入しない様にする。

下部金型10の上面に突設した位置決め用ボルト16を、上
部金型20の下面の対応箇所に形成したえボルト嵌合穴24
内に嵌合密着し、上下金型1020とを一体として固定す
る。

上部金型20のキャビティ22の対応箇所に形成した注入孔
26から溶融絶縁性合成樹脂を射出注入する。この溶融絶
縁性合成樹脂は、高温（約300℃）、高圧（70kg/1cm²）
で射出注入する。

該溶融絶縁性合成樹脂が冷却、硬化後脱型すれば、第
１、２図に示す板ばね一体型電源用高電圧コネクタ30が
得られる。

第６図に於いて、高電圧コネクタ30のプラグ挿入口32内
に挿入されるプラグ90の端子92を、湾曲状導電性板ばね
40の湾曲部42に対応する傾斜部94とし、該板ばねに密着
自在とする。

「作用」 前述の通り、この発明に係る板ばね一体型電源用高電圧
コネクタの一体成型法によれば、湾曲した導電性板ばね
40を絶縁性合成樹脂製中子50に組込む事により稍一体成
型法を可能とするものである。

「効果」 従ってこれ等部品を手でブロック内に一々組込む必要が
なくなり、シリコン・ゴムを全く使用しないので、シリ
コン・ゴムを充填した場合の機械的強度が減じる事がな
く、気候、温度、湿度等の影響を受けず、電線の引張
り、その他各部の機械的強度が増加し、製造工程が改
善、短縮され、板ばね一体型電源用高電圧コネクタが機
械的、電気的に安定した製品となり、内部点検も容易と
なる。

【図面の簡単な説明】

添附図面は、この発明に係る板ばね一体型電源用高電圧
コネクタ成型法を実施する状態を示す図面で、第１図
は、湾曲状導電性板ばね中子導電性スリーブ、抵抗器、
高電圧電線等を接続した正面図、第２図は、第１図の断
面図、第３図は、中子の拡大断面図、第４図は、第１〜
３図で一体としたものを下部金型のキャビティのサポー
トに嵌合し、該下部金型に上部金型を合せる状態で、該
上下金型を中心部で縦に切断した状態の一部透視断面斜
視図、第５図は、第４図の上下金型を一体とした状態の
一部透視断面斜視図、第６図は、完成した板ばね一体型
電源用高電圧コネクタの一部切欠正面図及び該コネクタ
内に嵌合されるプラグの一部正面図、第７図は従来のコ
ネクタを製造する実施例の斜視図、第８図は、第７図の
コネクタに湾曲状板ばねを嵌合した一部透視斜視図、第
９図は、第８図のコネクタに、シリコン・ゴムを流し込
んだ状態の一部斜視図である。 10……下部金型;12……キャビティ;14……円筒形サポー
ト;16……位置決め用ボルト;20……上部金型;22……キ
ャビティ;24……ボルト嵌合穴;26……溶融絶縁性合成樹
脂注入孔;30……高電圧コネクタ;32……プラグ挿入口;4
0……導電性板ばね;50……絶縁性合成樹脂製中子;50a…
…円形段部;50b……嵌合円形段部;50c……円筒形凹部;5
0d……湾曲状間隙;60……導電性スリーブ:60a……下端;
60b……上端;70……電気部品;80……高電圧電線;90……
プラグ;92……プラグの端子;92a……端子の斜面部。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下端に導電性板ばねを設けた導電性スリー
   ブを、下面に溶融合成樹脂流入防止用段部を形成した絶
   縁性合成樹脂製中子内に組込む工程と； 該導電性スリーブの上端を、抵抗器、バリスタ等の所要
   電気部品を介して高電圧電線の一端に接続する工程と； 該高電圧電線の端部、該板ばね、該導電性スリーブ、該
   中子等を、下部金型のキャビテイの凹部に導き、該下部
   金型のサポートの上端に嵌合して密着させる工程と； 該下部金型に上部金型を密着させた後、導入用透孔から
   該キャビテイ内に、所要溶融絶縁性合成樹脂を射出する
   工程と； 該溶融合成樹脂冷却硬化後脱型する工程と； から成る板ばね一体型電源用高電圧コネクタ及びその一
   体成型法。
2. 【請求項２】下面に溶融合成樹脂流入防止用段部を形成
   した絶縁性合成樹脂製中子と、該中子内に組込まれ、下
   端に導電性板ばねを接続された導電性スリーブと、該中
   子から突出する該導電性スリーブに接続された抵抗器、
   バリスタ等の所要電気部品と；該所要電気部品に接続さ
   れた該導電性スリーブに接続された高電圧電線とから成
   る板ばね一体型電源用高電圧コネクタ。
3. 【請求項３】板ばね一体型電源用高電圧コネクタの板ば
   ねの湾曲部に対応する傾斜部を有し、該板ばねに密着自
   在として成るプラグ。