JPH0797486A - 酸化防止剤含有ポリオレフィン系重合体組成物 - Google Patents
酸化防止剤含有ポリオレフィン系重合体組成物Info
- Publication number
- JPH0797486A JPH0797486A JP24230193A JP24230193A JPH0797486A JP H0797486 A JPH0797486 A JP H0797486A JP 24230193 A JP24230193 A JP 24230193A JP 24230193 A JP24230193 A JP 24230193A JP H0797486 A JPH0797486 A JP H0797486A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyolefin
- antioxidant
- polymer composition
- polyolefin polymer
- pinoresinol
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Abstract
(57)【要約】
【目的】使用する酸化防止剤が人体に対して安全であ
り、ポリオレフィンの加工成型温度において耐熱性があ
り、相溶性があり、他の副資材と化学反応をしない等の
条件を満たした酸化防止剤含有ポリオレフィン系重合体
組成物を提供すること。 【構成】ポリオレフィン系重合体にセザモール、ケルセ
チン、モリン、フェルラ酸、カテキン、オイゲノール、
ピノレジノール、クロロゲン酸のうち少なくとも一種を
２５０〜２０００ｐｐｍ含有してなることを特徴とす
る。
り、ポリオレフィンの加工成型温度において耐熱性があ
り、相溶性があり、他の副資材と化学反応をしない等の
条件を満たした酸化防止剤含有ポリオレフィン系重合体
組成物を提供すること。 【構成】ポリオレフィン系重合体にセザモール、ケルセ
チン、モリン、フェルラ酸、カテキン、オイゲノール、
ピノレジノール、クロロゲン酸のうち少なくとも一種を
２５０〜２０００ｐｐｍ含有してなることを特徴とす
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用】本発明は、成形加工等に利用する酸化
防止剤含有ポリオレフィン系重合体組成物に関する。
防止剤含有ポリオレフィン系重合体組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般にポリオレフィンは空気中の酸素に
より製造時や使用時に劣化が起こる。特に、成型加工は
２００℃以上の高温で行われるため、安定化剤、特に酸
化防止剤の添加がない場合にはポリマー鎖の切断が起こ
り、物理的性質の劣化ばかりでなく、臭気発生の原因と
もなり製品の品質を著しく損ねる。
より製造時や使用時に劣化が起こる。特に、成型加工は
２００℃以上の高温で行われるため、安定化剤、特に酸
化防止剤の添加がない場合にはポリマー鎖の切断が起こ
り、物理的性質の劣化ばかりでなく、臭気発生の原因と
もなり製品の品質を著しく損ねる。
【０００３】従来から使用されている酸化防止剤には、
一部の例を除いて人工合成酸化防止剤が多い。ところが
近年人工合成剤に対する安全性の問題が指摘され、社会
的にも安全性の高い天然物由来のものへと指向しつつあ
る。特に成型品が食品と直接接する場合は安全性が重視
されるのは当然であり、このような観点から特公昭５３
−３５５８２号公報にはビタミン類（ビタミンＥ、ビタ
ミンＢ類、ビタミンＫ類）の安定剤としての利用が開示
されており、さらに特公昭６２−３７０５９号公報では
ビタミンＥカルボン酸エステルの利用も開示されてい
る。しかしながら、コスト的に高ものとなり、また、利
用の多面性からみても上記ビタミン以外にも多くの安全
性の高い天然物由来の酸化防止剤が必要とされている
が、未だ十分なものは得られていない。
一部の例を除いて人工合成酸化防止剤が多い。ところが
近年人工合成剤に対する安全性の問題が指摘され、社会
的にも安全性の高い天然物由来のものへと指向しつつあ
る。特に成型品が食品と直接接する場合は安全性が重視
されるのは当然であり、このような観点から特公昭５３
−３５５８２号公報にはビタミン類（ビタミンＥ、ビタ
ミンＢ類、ビタミンＫ類）の安定剤としての利用が開示
されており、さらに特公昭６２−３７０５９号公報では
ビタミンＥカルボン酸エステルの利用も開示されてい
る。しかしながら、コスト的に高ものとなり、また、利
用の多面性からみても上記ビタミン以外にも多くの安全
性の高い天然物由来の酸化防止剤が必要とされている
が、未だ十分なものは得られていない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題点を解決するためになされたものであり、その課
題とするところは、使用する酸化防止剤が人体に対して
安全であり、ポリオレフィンの加工成型温度において耐
熱性があり、相溶性があり、他の副資材と化学反応をし
ない等の条件を満たした酸化防止剤含有ポリオレフィン
系重合体組成物を提供することにある。
な問題点を解決するためになされたものであり、その課
題とするところは、使用する酸化防止剤が人体に対して
安全であり、ポリオレフィンの加工成型温度において耐
熱性があり、相溶性があり、他の副資材と化学反応をし
ない等の条件を満たした酸化防止剤含有ポリオレフィン
系重合体組成物を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決
するため、ポリオレフィン系重合体にセザモール、ケル
セチン、モリン、フェルラ酸、カテキン、オイゲノー
ル、ピノレジノール、クロロゲン酸のうち少なくとも一
種を２５０〜２０００ｐｐｍ含有してなることを特徴と
する酸化防止剤含有ポリオレフィン系重合体組成物を提
供する。
するため、ポリオレフィン系重合体にセザモール、ケル
セチン、モリン、フェルラ酸、カテキン、オイゲノー
ル、ピノレジノール、クロロゲン酸のうち少なくとも一
種を２５０〜２０００ｐｐｍ含有してなることを特徴と
する酸化防止剤含有ポリオレフィン系重合体組成物を提
供する。
【０００６】
【作用】本発明で使用する酸化防止剤は、ピノレジノー
ルを除いて他はすべて食品の添加物として認められたも
のであり、以下のようにして得たポリオレフィン系重合
体の混練物について抗酸化性を見いだしたものである。
ルを除いて他はすべて食品の添加物として認められたも
のであり、以下のようにして得たポリオレフィン系重合
体の混練物について抗酸化性を見いだしたものである。
【０００７】＜酸化防止剤の由来＞ セザモール：ゴマ油中に存在。食品添加物。 ケルセチン：自然界に極めて多く存在、タマネギ果肉、
ルチンの加水分解物。食品添加物。 モリン：クワ科植物、マメ科植物に存在。食品添加物。 フェルラ酸：ゴムの樹、米糠油の不けん化物に存在。食
品添加物。 カテキン：茶葉に存在。食品添加物。 オイゲノール：香辛料等広く植物に存在。食品添加物。 ピノレジノール：ゴマ油、杜仲、エゴノキ葉に存在。 クロロゲン酸：コーヒー豆、茶葉、リンゴ果肉等に存
在。食品添加物。
ルチンの加水分解物。食品添加物。 モリン：クワ科植物、マメ科植物に存在。食品添加物。 フェルラ酸：ゴムの樹、米糠油の不けん化物に存在。食
品添加物。 カテキン：茶葉に存在。食品添加物。 オイゲノール：香辛料等広く植物に存在。食品添加物。 ピノレジノール：ゴマ油、杜仲、エゴノキ葉に存在。 クロロゲン酸：コーヒー豆、茶葉、リンゴ果肉等に存
在。食品添加物。
【０００８】上記天然酸化防止剤を、ポリオレフィン系
重合体に対して２５０〜２０００ｐｐｍ、好ましくは５
００〜１０００ｐｐｍ単独または混合添加し混練して使
用すれば、熱安定性を高める効果がある。
重合体に対して２５０〜２０００ｐｐｍ、好ましくは５
００〜１０００ｐｐｍ単独または混合添加し混練して使
用すれば、熱安定性を高める効果がある。
【０００９】
＜実施例１＞ポリプロピレン（三井石油化学工業（株）
製：「ポリプロ ハイポール パウダー Ｊ６００Ｐ
２ＥＡ２００１」）に、表１に記載した各種酸化防止剤
を１０００ｐｐｍ添加した。添加方法は、添加の均一化
を図るため、酸化防止剤をそれぞれ９９．５％エタノー
ルに溶解し、１０００ｐｐｍになるようにポリプロピレ
ンに添加後、７０℃の温度で乾燥し完全にエタノールを
揮散させた。このようにして調整したポリプロピレンを
温度の前歴のない条件で測定するため、そのままメルト
インデクサー（東洋精機（株）製）を用いてメルトイン
デックス（ＭＩ）を測定した。
製：「ポリプロ ハイポール パウダー Ｊ６００Ｐ
２ＥＡ２００１」）に、表１に記載した各種酸化防止剤
を１０００ｐｐｍ添加した。添加方法は、添加の均一化
を図るため、酸化防止剤をそれぞれ９９．５％エタノー
ルに溶解し、１０００ｐｐｍになるようにポリプロピレ
ンに添加後、７０℃の温度で乾燥し完全にエタノールを
揮散させた。このようにして調整したポリプロピレンを
温度の前歴のない条件で測定するため、そのままメルト
インデクサー（東洋精機（株）製）を用いてメルトイン
デックス（ＭＩ）を測定した。
【００１０】ＭＩ測定法はＪＩＳ、Ｋ７２１０−１９７
６Ａ法に準じて行った。すなわち、試験温度２３０℃、
試験荷重（ｋｇｆ）（Ｎ）２．１６とし、予熱６分後か
ら３０秒間隔で数回切りとり、冷却してから重量を測定
した。測定値を２０倍し、１０分間に押し出された試料
の重量（ｇ）で示し、測定回数の平均値で表した。
６Ａ法に準じて行った。すなわち、試験温度２３０℃、
試験荷重（ｋｇｆ）（Ｎ）２．１６とし、予熱６分後か
ら３０秒間隔で数回切りとり、冷却してから重量を測定
した。測定値を２０倍し、１０分間に押し出された試料
の重量（ｇ）で示し、測定回数の平均値で表した。
【００１１】比較例としてエタノールのみを処理した無
添加と２，６−ジ−ｔ−ブチル−ｐ−クレゾール（ＢＨ
Ｔ）、テトラキス［メチレン−３（３’，５’−ジ−ｔ
−ブチル−４’−ヒドロキシフェニル）プロピオネー
ト］メタン（Ｉｒｇａｎｏｘ１０１０）、ビタミンＥを
上記と同様に処理して添加したものを使用した。ただ
し、Ｉｒｇａｎｏｘ１０１０はエタノールに不溶な為、
アセトンに溶解して添加した。測定結果を表１に示し
た。
添加と２，６−ジ−ｔ−ブチル−ｐ−クレゾール（ＢＨ
Ｔ）、テトラキス［メチレン−３（３’，５’−ジ−ｔ
−ブチル−４’−ヒドロキシフェニル）プロピオネー
ト］メタン（Ｉｒｇａｎｏｘ１０１０）、ビタミンＥを
上記と同様に処理して添加したものを使用した。ただ
し、Ｉｒｇａｎｏｘ１０１０はエタノールに不溶な為、
アセトンに溶解して添加した。測定結果を表１に示し
た。
【００１２】
【表１】
【００１３】この場合、ＭＩが小さいほど添加剤の熱安
定性の高いことを表している。無添加に比べ、いずれの
酸化防止剤も著しい効果を示した。ＢＨＴの効果と同等
あるいは高いものにはセザモール、ケルセチン、モリ
ン、フェルラ酸があり、さらにビタミンＥより高いもの
にセザモールがあった。
定性の高いことを表している。無添加に比べ、いずれの
酸化防止剤も著しい効果を示した。ＢＨＴの効果と同等
あるいは高いものにはセザモール、ケルセチン、モリ
ン、フェルラ酸があり、さらにビタミンＥより高いもの
にセザモールがあった。
【００１４】＜実施例２＞ピノレジノールとそれぞれセ
ザモール、ビタミンＥ、２，５−ジヒドロ安息香酸、没
食子酸ｎ−プロピルとの相乗効果をみた。ポリプロピレ
ンへの添加量は合計を１０００ｐｐｍとし、他成分はピ
ノレジノール添加量の３：１（ただし、没食子酸プロピ
ルの場合は１：１も設定）とした。添加方法ならびにＭ
Ｉ測定法は実施例１と同様に行った。結果を表２に示
す。
ザモール、ビタミンＥ、２，５−ジヒドロ安息香酸、没
食子酸ｎ−プロピルとの相乗効果をみた。ポリプロピレ
ンへの添加量は合計を１０００ｐｐｍとし、他成分はピ
ノレジノール添加量の３：１（ただし、没食子酸プロピ
ルの場合は１：１も設定）とした。添加方法ならびにＭ
Ｉ測定法は実施例１と同様に行った。結果を表２に示
す。
【００１５】
【表２】
【００１６】ピノレジノールにセザモール、ビタミン
Ｅ、２，５−ジヒドロ安息香酸を添加するとＭＩが低下
し、耐熱性の高まることが分かった。この作用はセザモ
ールならびに没食子酸ｎ−プロピル添加で著しく、特に
後者ではそれぞれを単独に添加したものに比べＭＩが低
下し、明らかに相乗効果が認められた。この場合、添加
量の少ない方で効果が高く、量が多くなると没食子酸ｎ
−プロピルのＭＩに近くなった。
Ｅ、２，５−ジヒドロ安息香酸を添加するとＭＩが低下
し、耐熱性の高まることが分かった。この作用はセザモ
ールならびに没食子酸ｎ−プロピル添加で著しく、特に
後者ではそれぞれを単独に添加したものに比べＭＩが低
下し、明らかに相乗効果が認められた。この場合、添加
量の少ない方で効果が高く、量が多くなると没食子酸ｎ
−プロピルのＭＩに近くなった。
【００１７】
【発明の効果】本発明によれば、安全性が懸念される人
工合成酸化防止剤に代わり得る天然酸化防止剤の広範な
利用が可能となった。酸化防止剤はポリオレフィンの酸
化による物理的強度劣化を防ぐばかりでなく、酸化によ
る臭気発生の防止にも役立つものであり、食品の品質維
持にも貢献するところが大きい。
工合成酸化防止剤に代わり得る天然酸化防止剤の広範な
利用が可能となった。酸化防止剤はポリオレフィンの酸
化による物理的強度劣化を防ぐばかりでなく、酸化によ
る臭気発生の防止にも役立つものであり、食品の品質維
持にも貢献するところが大きい。
Claims (4)
- 【請求項１】ポリオレフィン系重合体にセザモール、ケ
ルセチン、モリン、フェルラ酸、カテキン、オイゲノー
ル、ピノレジノール、クロロゲン酸のうち少なくとも一
種を２５０〜２０００ｐｐｍ含有してなることを特徴と
する酸化防止剤含有ポリオレフィン系重合体組成物。 - 【請求項２】ポリオレフィン系重合体にピノレジノール
と、その他セザモール、ケルセチン、モリン、フェルラ
酸、カテキン、オイゲノール、ピノレジノール、クロロ
ゲン酸のうち少なくとも一種を２５０〜２０００ｐｐｍ
含有してなることを特徴とする酸化防止剤含有ポリオレ
フィン系重合体組成物。 - 【請求項３】ポリオレフィン系重合体にピノレジノール
と没食子酸ｎ−プロピルを２５０〜２０００ｐｐｍ含有
してなることを特徴とする酸化防止剤含有ポリオレフィ
ン系重合体組成物。 - 【請求項４】ポリオレフィン系重合体にピノレジノール
とセザモールを２５０〜２０００ｐｐｍ含有してなるこ
とを特徴とする酸化防止剤含有ポリオレフィン系重合体
組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24230193A JPH0797486A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | 酸化防止剤含有ポリオレフィン系重合体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24230193A JPH0797486A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | 酸化防止剤含有ポリオレフィン系重合体組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0797486A true JPH0797486A (ja) | 1995-04-11 |
Family
ID=17087197
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24230193A Pending JPH0797486A (ja) | 1993-09-29 | 1993-09-29 | 酸化防止剤含有ポリオレフィン系重合体組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0797486A (ja) |
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1026131A1 (en) * | 1999-02-04 | 2000-08-09 | TOHOKU MUNEKATA Co., Ltd. | Resin additive |
| WO1999062985A3 (en) * | 1998-06-02 | 2000-08-24 | Urichem Tech Ind Inc | A polymer composition comprising natural stabilizers |
| US6624258B1 (en) * | 2002-04-26 | 2003-09-23 | Tohoku Munekata Co., Ltd. | Agent for imparting flame retardancy to thermoplastic resin |
| WO2003095542A1 (en) * | 2002-05-08 | 2003-11-20 | Teknor Apex Company | Oxygen-scavenging polymer compositions |
| JP2004359732A (ja) * | 2003-06-02 | 2004-12-24 | Ryukyu Bio Resource Kaihatsu:Kk | 抗酸化剤 |
| WO2010112192A1 (en) * | 2009-03-30 | 2010-10-07 | H.C. Starck Clevios Gmbh | Polymer coatings with improved uv and heat stability |
| US7976877B2 (en) | 2003-11-12 | 2011-07-12 | Oy Arbonova Ab | Use of knotwood extracts |
| WO2012066126A1 (en) | 2010-11-18 | 2012-05-24 | Polimeri Europa S.P.A. | Stabilized composition comprising homopolymers or copolymers of ethylene and natural antioxidants |
| CN108779479A (zh) * | 2016-03-08 | 2018-11-09 | 嘉吉公司 | 包含多不饱和脂肪酸和油溶性抗氧化剂的稳定化菜籽油 |
| US10696827B2 (en) | 2015-08-26 | 2020-06-30 | Sabic Global Technologies B.V. | Polyolefin composition comprising an antimicrobial additive |
-
1993
- 1993-09-29 JP JP24230193A patent/JPH0797486A/ja active Pending
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| WO1999062985A3 (en) * | 1998-06-02 | 2000-08-24 | Urichem Tech Ind Inc | A polymer composition comprising natural stabilizers |
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| JP2012522079A (ja) * | 2009-03-30 | 2012-09-20 | ヘレウス プレシャス メタルズ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー | 改善されたｕｖ安定性および熱安定性を有するポリマーコーティング |
| WO2012066126A1 (en) | 2010-11-18 | 2012-05-24 | Polimeri Europa S.P.A. | Stabilized composition comprising homopolymers or copolymers of ethylene and natural antioxidants |
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