JPH0797475A - 発泡スチロール廃材の処理法 - Google Patents

発泡スチロール廃材の処理法

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JPH0797475A
JPH0797475A JP17545694A JP17545694A JPH0797475A JP H0797475 A JPH0797475 A JP H0797475A JP 17545694 A JP17545694 A JP 17545694A JP 17545694 A JP17545694 A JP 17545694A JP H0797475 A JPH0797475 A JP H0797475A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡スチロール廃材を減容化して再資源化す
る。 【構成】 発泡スチロール廃材を溶剤に溶解した後濾過
処理し、濾液を蒸留分離して溶剤を回収すると共に、溶
解スチロールを再生樹脂として回収する。 【効果】 発泡スチロール廃材をジペンテン等の溶剤に
溶解することにより瞬時に減容化することができる。溶
剤とスチロール樹脂とを分留するため、溶剤の再使用が
可能であると共に、分別したスチロール樹脂の再生が可
能である。濾過器において微細粒子のゴミやホコリを除
去してあるため、高品質の再生樹脂を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発泡スチロール廃材の処
理法に係り、特に発泡スチロール廃材を減容化して再資
源化するための発泡スチロール廃材の処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡スチロールの需要は近年増々増加し
ており、家電製品等の包装材、ガラス製品類の緩衝材、
食品保温用容器等として広く用いられている。このた
め、一般家庭から排出される発泡スチロール廃材の量も
相当な量となっている。これらは一般ゴミに混入されて
排出される場合が多く、分別が困難であることから、や
むなく焼却処理されているのが現状である。
【0003】一方、スーパーマーケット,農協,卸売市
場等においてはまとまった量の発泡スチロール廃材が排
出されることから、発泡スチロール廃材の減容化処理及
び再資源化処理が実施さており、最近の省資源に対する
公衆の意識の高まりにより、一般家庭から排出される発
泡スチロール廃材についても、スーパーマーケット等で
処理する運動が定着しつつある。
【0004】発泡スチロール廃材の処理については、従
来、熱又は溶剤による減容の後、焼却及び再生処理又は
燃料化する方法等が実施されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の発泡スチロール
廃材の処理においては、熱による減容においては悪臭発
生等の作業環境の悪化や再生品の品質に問題があり、ま
た、溶剤による減容においては溶剤の持つ特有の臭いや
毒性に問題があることが多い。
【0006】本発明は上記従来の問題点である悪臭,毒
性,再生品品質を解消し、清浄で安全な作業性のもとに
品質の高い再生品を得ることができる発泡スチロール廃
材の処理法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発泡スチロー
ル廃材の処理法は、発泡スチロール廃材を溶剤に溶解し
た後濾過処理し、濾液を蒸留分離して溶剤を回収すると
共に、溶解スチロールを再生樹脂として回収することを
特徴とする。
【0008】請求項2の発泡スチロール廃材の処理法
は、発泡スチロールを溶解槽中にて溶剤に溶解した後、
調整槽に移し、この調整槽内の溶液を取り出して濾過処
理し、濾液を蒸留分離して溶剤を回収すると共に、溶解
スチロールを再生樹脂として回収することを特徴とす
る。
【0009】請求項3の発泡スチロール廃材の処理法
は、請求項2において、前記溶解槽は溶剤を加熱するた
めのヒーターと、該溶解槽内から蒸発した溶剤を凝縮さ
せる凝縮器とを備えており、該ヒーターによって溶剤を
加熱すると共に、該凝縮器で凝縮した溶剤を該溶解槽内
に戻すようにしたことを特徴とする。
【0010】請求項4の発泡スチロール廃材の処理法
は、請求項1ないし3のいずれか1項において、溶剤が
ジペンテンであることを特徴とする。
【0011】請求項5の発泡スチロール廃材の処理法
は、請求項1ないし4のいずれか1項において、発泡ス
チロール廃材の溶解濃度を10〜40重量%とすること
を特徴とする。
【0012】請求項6の発泡スチロール廃材の処理法
は、請求項1ないし5のいずれか1項において、発泡ス
チロール廃材の溶解液を50〜140℃に加温し、目開
き5〜100μの濾材で濾過することを特徴とする。
【0013】なお、本発明の発泡スチロール廃材の溶解
に用いる溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
等のパラフィン系炭化水素、メチルエチルケトン、ジエ
チルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ヘキサノン
等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素などを用いることができるが、特にモノテル
ペン系炭化水素として、人体に悪影響のない、天然に得
られる針葉油であるジペンテン(2.8(9)−パラメ
ンタジエン)を使用するのが好ましい。
【0014】ジペンテンは沸点176℃の無色液体で、
スチロール樹脂の溶融点(230℃)においても極めて
安定しており、本処理法に適している。また、他のモノ
テルペン系溶剤に比較して安価である点からも有利であ
る。
【0015】以下に本発明を図面を参照して詳細に説明
する。
【0016】図1は本発明の発泡スチロール廃材の処理
法の実施に好適な装置の一例を示す系統図であり、図2
は発泡スチロール廃材の溶解槽の一例を示す断面図であ
る。
【0017】図2に示す溶解槽40は、発泡スチロール
廃材を溶剤に溶解減容化するための溶解槽であって、内
部に貯留されている溶剤41を加熱するための加熱ヒー
ターH4 が側周面及び底面に設けられている。また、上
部には開閉蓋42が設けられており、この蓋42の扉部
分42aを開いて、投入口40Aより発泡スチロール廃
材を投入するように構成されている。蓋の固定部分42
bには、凝縮器43と吸引ファン44とが設けられてお
り、溶解槽から蒸発した溶剤の蒸気は吸引ファン44に
より吸引されて凝縮器43において冷却水で冷却され凝
縮液化し、再び溶解槽40に滴下するように構成されて
いる。この溶解槽40は底部にキャスター45が取り付
けられており、移動可能とされている。46は溶解液の
抜き出し口である。
【0018】また、図1に示す装置は、発泡スチロール
廃材溶解液を混合して、濃度調整する調整槽1と、この
溶解液から大きいゴミを除去する濾過器2と、その濾液
を加圧送液するギャーポンプ3と、微細なゴミを除去す
る濾過器4と、溶剤とスチロール樹脂とを分留する蒸留
器5と、樹脂をストランドとして押し出すギャーポンプ
6と、再生ストランドを冷却・乾燥するウォーターバス
7及びエアーナイフ8と、更にペレット化するペレタイ
ザー9とから主に構成される。
【0019】10はコンデンサー、11は真空ポンプ、
12はコンプレッサー、13は回収溶剤タンク、V1
2 ,V3 ,V4 ,V5 ,V6 はバルブ、21〜34の
各符号は配管である。M1 ,M2 は撹拌機、H1 ,H
2 ,H3 はヒーター、1Aは発泡スチロール廃材の投入
口、5Aはスクリュー、Sはストランドである。
【0020】このような溶解槽及び装置により、本発明
方法に従って発泡スチロール廃材の処理を行なうには、
まず、発泡スチロール廃材を投入口40Aより、加温さ
れた溶剤41、例えば、ジペンテンが貯留された溶解槽
40に投入する。
【0021】この際、発泡スチロール廃材は特に細かく
砕く必要はなく、溶剤中に投入された発泡スチロール廃
材は瞬時に溶解、減容化される。また、発泡スチロール
廃材のジペンテンへの溶解速度は常温では遅いことか
ら、ジペンテンは50℃以上、好ましくは50〜100
℃に加温する必要がある。この場合、開放系においてジ
ペンテンを加温すると蒸発量が多くなることから、本実
施例においては、ジペンテン蒸気を吸引ファン44で凝
縮器43に導き、これを凝縮回収する。
【0022】また、このようにして溶剤へ発泡スチロー
ル廃材を溶解させる場合、発泡スチロール廃材の投入量
が多過ぎると溶解液の粘度が高くなり、溶解速度が極め
て遅くなるほか、溶解槽からの排出が難しくなる恐れが
ある。逆に発泡スチロール廃材の投入量が少な過ぎると
処理効率が下がるため、発泡スチロール廃材の溶解濃度
は10〜40重量%の範囲とするのが好ましい。
【0023】このようにして、溶解槽40にて発泡スチ
ロール廃材の溶解を行った後は、図1に示す装置によ
り、スチロールの回収、再生を行う。
【0024】まず、複数の溶解槽40に入った発泡スチ
ロール廃材溶解液を取出口46から調整槽1に投入す
る。調整槽1においては、発泡スチロール廃材溶解液
(以下「スチロール溶解液」と称する場合がある。)は
加熱ヒーターH1 により常温〜70℃程度に加温される
と共に、攪拌機M1 で混合され、濃度も確認される。
【0025】この調整槽1のスチロール溶解液は加温状
態のまま濾過器2に送給し、この濾過器(例えば、20
〜40メッシュ程度のストレーナを取り付けたもの。)
2で比較的大きなゴミを除去した後、ギャーポンプ3で
濾過器4に送給し、この濾過器(例えば、目開き5〜1
00μの濾布又はネット等を取り付けたもの。)4にお
いて、加熱ヒーターH2 で更に加温すると共に、より細
かいゴミやホコリを除去する。
【0026】この濾過に際しては、できるだけ微細な粒
子まで除去することが望ましい。一般に、ゴミやホコリ
の粒子径は大半が5μ以上であり、更に濾材目開きの小
さいものを望むと、濾過速度が極めて小さくなるため、
濾材目開きは5μ程度とするのが望ましいが、再生品の
品質要求が緩やかな場合には、濾過設備費削減のために
も濾材の目開きをこれよりも大きくする方が有利であ
る。また、濾過処理において、順調な濾過速度維持のた
めには、発泡スチロール溶解液の粘度が高いことから、
その液温として50〜70℃以上、例えば50〜140
℃とする必要がある。また、次工程の蒸留のためにも、
この濾過工程は密閉系であるので、濾過処理温度は特に
100〜140℃とするのが有利である。
【0027】濾過されたスチロール溶解液は、次いで真
空ポンプ11で減圧された蒸留器5へ送液され、溶剤と
スチロール樹脂とに分離される。分留された溶剤は、コ
ンデンサー10により液化され、配管30より回収溶剤
タンク13に回収され、再使用される。一方、スチロー
ル樹脂は、蒸留器5の下部に取り付けられたスクリュー
5Aにより押し出され、ギャーポンプ6によりストラン
ドSとして押し出される。
【0028】なお、蒸留器5における溶剤とスチロール
樹脂との分離は、例えば、210〜260℃の減圧下で
薄膜脱気により容易に行なうことができる。
【0029】一方、ギャーポンプ6から押し出されたス
トランド(スチロール樹脂)Sはウォーターバス7にて
冷却された後、エアーナイフ8にてコンプレッサー12
からのエアーで乾燥された後、ペレタイザー9にてペレ
ット化される。これにより、高品質のスチロール樹脂再
生品が得られる。
【0030】図3は本発明の発泡スチロール廃材の処理
法の実施に好適な装置の他の例を示す系統図であり、こ
の図3に示す装置は、調整槽1の代りに、ヒーターH
5 ,攪拌機M5 を備える溶解槽15を設け、この溶解槽
15の投入口5Aに直接発泡スチロール廃材を投入して
溶解処理するようにし、また、回収溶剤を配管30より
この溶解槽15に返送するようにした点が、図1に示す
装置と異なり、この装置においても、図1に示す装置と
同様に、発泡スチロール廃材の効率的な処理を行える。
図3に示す装置のその他の構成は図1に示す装置と同様
であり、同一機能を示す部材には同一符号を付してあ
る。
【0031】即ち、図1に示す装置であれば、小規模な
発泡スチロール廃材の発生場所において、図2に示す溶
解槽40で、発泡スチロール廃材を溶解させ、スチロー
ル溶解液を貯留する溶解槽40を、図1に示す大規模な
装置の設置場所に運搬して一括処理することができる。
【0032】一方、図3に示す装置であれば、大規模な
発泡スチロール廃材の発生場所において、逐次発泡スチ
ロール廃材を溶解槽15に投入して、大量処理を行うこ
とができる。
【0033】
【作用】本発明の発泡スチロール廃材の処理法によれ
ば、発泡スチロール廃材をジペンテン等の溶剤に溶解す
ることにより瞬時に減容化することができ、また、濾過
によるゴミやホコリの除去が可能となる。しかも、溶剤
とスチロール樹脂とを分留するため、溶剤の再使用が可
能であると共に、分別したスチロール樹脂の再生が可能
である。しかして、この再生に当り、濾過器において微
細粒子のゴミやホコリを除去してあるため、高品質の再
生樹脂を得ることができる。
【0034】請求項2の方法によれば、小規模な発泡ス
チロール廃材の発生場所においても、発泡スチロール廃
材の溶解減容を行うことができ、その後、これらを収集
運搬し、大規模な発泡スチロール廃材溶解液の回収装置
にて、安価な一括処理を行うことができる。
【0035】請求項3の方法によれば、溶解槽は、加熱
ヒーター及び凝縮器を備えていることより、安全で効率
の良い発泡スチロール廃材の溶解減容化が可能である。
【0036】請求項4の方法によれば、発泡スチロール
廃材の効率的な溶解減容化を良好な作業環境のもとに行
うことができる。即ち、ジペンテンは、天然に得られる
モノテルペン系有機化合物であり、環境及び人体に悪影
響を及ぼさず、発泡ポリスチレンに対し優れた溶解性を
示すことから、発泡スチロール廃材を加温したジペンテ
ンに溶解することにより良好な作業環境のもとに瞬時に
減容化することができる。
【0037】請求項5の方法により、発泡スチロール廃
材の溶解濃度を10〜40%とすることにより、発泡ス
チロール廃材の溶解速度が安定し、スチロール溶解液の
高粘性によるトラブル発生のない、効率の良い発泡スチ
ロール廃材の回収処理を行うことができる。
【0038】請求項6の方法によれば、目開きの小さい
濾布又はネット等を使用してスチロール溶解液中の微細
なゴミやホコリを除去するに当り、スチロール溶解液の
温度を濾材に合わせて密閉系にて50〜140℃にする
ことにより、順調な濾過を行うことができる。
【0039】
【実施例】以下に実験例及び実施例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0040】実験例1 発泡スチロール溶解液、特に、ジペンテンについての発
泡スチロール溶解性の検討を行った。
【0041】実験は、常温条件(25℃)で、30gの
発泡スチロールが、100gの溶剤に溶解する時間を測
定し、他の溶剤と比較したが、モノテルペン系溶剤はケ
トン類及び芳香族炭化水素に比較し、溶解速度が遅いこ
とが判った。溶解時間を順に表すと下記の通りであっ
た。
【0042】シクロヘキサン>ジペンテン≧dリモネン
≧キシレン>エチルベンゼン> トルエン≧メチルエチルケトン>ベンゼン>アセトン 次に溶剤の温度を変化させて、モノテルペン系溶剤であ
るジペンテン及びd−リモネンについて溶解時間を測定
した結果、50〜60℃で操作すると、ケトン類及び芳
香族炭化水素の常温時の溶解速度が得られること、ま
た、70〜90℃で操作すると、前記速度の2倍程度の
溶解速度が得られることが判った。
【0043】これらの実験の結果、発泡スチロールのジ
ペンテンへの溶解速度は、約80℃での操作により、常
温時の7倍程度になることが判った。
【0044】実験例2 発泡スチロール廃材の溶解方法についての実験を行っ
た。
【0045】実験は図2に示すような攪拌機のない80
リットル容の溶解槽に20リットルのジペンテンを投入
し、加熱ヒーターで70℃に加熱後、使用済魚箱発泡ス
チロールを順次投入し、計7.3kgを溶解させて、発
泡スチロール廃材の30重量%溶解液を作る作業を行っ
た。
【0046】その結果、溶解時間は始めの20重量%程
度の濃度までは、投入速度程度の溶解速度を示し、20
重量%以上でやや遅い溶解速度(初期の1/2程度)と
なり、7.3kgの発泡スチロール廃材の溶解に要する
時間は20分であった。
【0047】これにより、70℃程度に加熱したジペン
テンに発泡スチロール廃材を溶解する時、破砕不要及び
攪拌不要で十分溶解できることを確認した。d−リモネ
ンについても同様の実験を行ったが、ほぼ同様の結果を
得た。
【0048】また、ジペンテンは蒸発速度が高く70℃
の加温状態にて2kg/m2 ・hrの蒸発速度となる
が、発泡スチロール廃材の溶解時においては気泡の発生
を伴うため、更に蒸発速度が大きくなり、3〜4kg/
2 ・hrの蒸発速度となった。
【0049】しかし、本溶解実験においては、溶解槽に
水道水冷却による凝縮器を取り付けており、発泡スチロ
ール廃材溶解後も70℃の開放系で24時間放置後のジ
ペンテン回収率は99%以上を示した。
【0050】実験例3 発泡スチロール廃材の処理における、発泡スチロール廃
材の溶解濃度についての検討を行った。
【0051】実験は、ジペンテンを使用し、操作温度7
5℃における粘度及び溶解速度を測定することにより行
った。
【0052】その結果、発泡スチロール廃材の溶解濃度
の上限については、75℃における溶解液の粘度が濃度
40重量%で100Pを超えるため流動性が悪くなり、
溶解速度が遅くなり、更に、濃度50重量%以上では粘
度1000Pにもなり、溶解が困難な状態になった。ま
た、下限については、溶解濃度をできるだけ高くし、溶
解減容効率を上げたいことから、本処理方法において、
スチロール溶解液の発泡スチロール廃材溶解濃度は10
〜40重量%が最適であることが判った。
【0053】実験例4 図4に示す濾過装置により、スチロール溶解液の濾過に
ついての検討を実施した。なお、図4において、50は
スチロール溶解液の投入口、51はスチーム配管51A
を内蔵する濾液受槽、52はパンチングメタル、53は
濾布(テトロン製)である。54は溶解液導入配管、5
5は加圧用圧縮空気の導入配管、56は濾液抜出配管で
あり、各々バルブを備える。
【0054】実験は、発泡スチロール廃材として使用済
の魚箱を使用し、ジペンテンに溶解し、30重量%スチ
ロール溶解液としたものについて、その濾過性等を確認
した。
【0055】魚箱に付着しているゴミの量(粒径1μ以
上の粒子が対象)は、発生場所によりバラツキが極めて
大きいものの、ラベルや魚かすを除いたゴミやホコリの
平均値として、重量比で0.5重量%程度であることを
確認した。
【0056】濾過はテトロン製の濾布を使用し、目開き
5μ,36μ,76μについてそれぞれ濾過温度80℃
で行った。
【0057】その結果、目開き76μでは約25%のゴ
ミが捕集されたにすぎず、36μでも35%程度しか捕
集できなかったが、目開き5μでは90%程度が捕集で
きた。
【0058】表1に、濾過後の各濾液をそれぞれ蒸留分
離し、得られた再生スチロールペレットを厚み6mmの
プレートに圧縮成型し、AUCOLOR−10システム
のCOLOR−7(クラボー製)で着色度を測定比較し
た結果を示す。再生スチロール樹脂の着色は、残留する
ゴミの酸化によるものと判断される。
【0059】
【表1】
【0060】なお、本実験において、例えば目開き5μ
程度の濾材を用いて微細なゴミまでを除去しようとする
とき、スチロール溶解液は、80℃においても粘度が高
く、若干の無理があり、スチロール溶解液の濾過処理温
度は100℃以上が必要であることが判った。
【0061】実施例1 図2の溶解槽を用いて、本発明方法に従って魚市場で多
く発生する発泡スチロール製魚箱の処理を行った。
【0062】まず、70℃に加熱したジペンテン在入の
溶解槽40に発泡スチロール製魚箱を30重量%になる
よう投入して溶解させた(攪拌なし)。その後、100
℃に加熱した密閉系濾過器(濾材の目開き5μ)でゴミ
やホコリを除去した。次いで、140℃に加熱した濾過
液を蒸留分離器に送液し、210〜260℃で分留して
ジペンテン及びスチロール樹脂の回収を行った。
【0063】その結果、ジペンテンは99%以上の回収
率で回収され、回収ジペンテンは、物性上何ら変化な
く、溶剤として再使用可能であった。
【0064】再生スチロール樹脂中の残留ジペンテン
は、0.3%以下であり、明度7.0程度の着色と10
%程度の分子量低下が認められたものの、ガラス転位点
や機械的物性も特に低下は見られず、再生品としては非
常に高品質であり、発泡スチロール製品として再利用可
能であった。
【0065】実施例2 図2に示す溶解槽にて、実施例1と同様にして発泡スチ
ロール廃材の溶解を行ったスチロール溶解液を集めて、
図1に示す装置の調整槽1に投入した。このスチロール
溶解液を、濾過器2で大きいゴミを除去し、更にギヤー
ポンプ3で濾過器(濾材の目開き5μ)4でゴミやホコ
リ等を除去した。この濾過に当り、必要に応じて加温を
行って、100℃で濾過を行った。
【0066】その後、蒸留器5に送液し、実施例1と同
様に分留してジペンテン及びスチロール樹脂の回収を行
った。
【0067】その結果、溶剤の回収率、回収溶剤の物
性、スチロール樹脂の回収率及び回収スチロール樹脂の
物性、再生品の品質については、実施例1と同様の結果
が得られた。
【0068】実施例3 図3に示す装置を用いて、実施例2と同様の発泡スチロ
ール廃材について、同様の条件で処理を行ったところ、
溶剤の回収率、回収溶剤の物性、スチロール樹脂の回収
率及びスチロール樹脂の物性、再生品の品質について、
実施例2と同様の結果が得られた。
【0069】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の発泡スチロ
ール廃材の処理法によれば、発泡スチロール廃材を容易
かつ効率的に減容化して高い回収率にて回収、再生し、
高品質の再生樹脂を得ることができる。しかも、溶解減
容化に用いた溶剤を高回収率で回収して再使用すること
もでき、経済的に極めて有利である。
【0070】請求項2の方法によれば、小規模な発泡ス
チロール廃材の発生場所においても、発泡スチロール廃
材の溶解減容を行うことができ、その後、これらを収集
運搬し、大規模な発泡スチロール廃材溶解液の回収装置
にて、安価な一括処理を行うことができる。
【0071】請求項3の方法によれば、溶解槽は、加熱
ヒーター及び凝縮器を備えていることより、安全で効率
の良い発泡スチロール廃材の溶解減容化が可能である。
【0072】請求項4の方法によれば、発泡スチロール
廃材の効率的な溶解減容化を良好な作業環境のもとに行
うことができる。
【0073】請求項5の方法によれば、発泡スチロール
廃材の溶解速度が安定し、スチロール溶解液の高粘性に
よるトラブル発生のない、効率の良い発泡スチロール廃
材の回収処理を行うことができる。
【0074】請求項6の方法によれば、スチロール溶解
液中の微細なゴミやホコリを効率的に除去することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡スチロール廃材の処理法の実施に
好適な装置の一例を示す系統図である。
【図2】本発明の発泡スチロール廃材の処理法の実施に
好適な溶解槽の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の発泡スチロール廃材の処理法の実施に
好適な装置の他の例を示す系統図である。
【図4】実験例4で使用した濾過装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 調整槽 2 濾過器 3 ギャーポンプ 4 濾過器 5 蒸留器 6 ギャーポンプ 7 ウォーターバス 8 エアーナイフ 9 ペレタイザー 10 コンデンサー 11 真空ポンプ 12 コンプレッサー 13 回収溶剤タンク S ストランド 15 溶解槽 40 溶解槽 41 溶剤 43 凝縮器 44 吸引ファン 45 キャスター

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡スチロール廃材を溶剤に溶解した後
    濾過処理し、濾液を蒸留分離して溶剤を回収すると共
    に、溶解スチロールを再生樹脂として回収することを特
    徴とする発泡スチロール廃材の処理法。
  2. 【請求項2】 発泡スチロールを溶解槽中にて溶剤に溶
    解した後、調整槽に移し、この調整槽内の溶液を取り出
    して濾過処理し、濾液を蒸留分離して溶剤を回収すると
    共に、溶解スチロールを再生樹脂として回収することを
    特徴とする発泡スチロール廃材の処理法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記溶解槽は溶剤を
    加熱するためのヒーターと、該溶解槽内から蒸発した溶
    剤を凝縮させる凝縮器とを備えており、該ヒーターによ
    って溶剤を加熱すると共に、該凝縮器で凝縮した溶剤を
    該溶解槽内に戻すようにしたことを特徴とする発泡スチ
    ロール廃材の処理法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、溶剤がジペンテンであることを特徴とする発泡スチ
    ロール廃材の処理法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、発泡スチロール廃材の溶解濃度を10〜40重量%
    とすることを特徴とする発泡スチロール廃材の処理法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
    て、発泡スチロール廃材の溶解液を50〜140℃に加
    温し、目開き5〜100μの濾材で濾過することを特徴
    とする発泡スチロール廃材の処理法。
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