JP4674946B2 - 自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法に関し、特に各種ポリマーをブレンドすることによって得られたポリマーアロイ素材を基材とし、車内環境の改善や装飾性の向上等を目的とする所望の表皮類を付した自動車用プラスチック天井材廃材を成分毎に分離回収してケミカルリサイクルする自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車内装材として熱可塑性樹脂発泡体を基材とするPP発泡体や、ポリスチレン発泡体、あるいは熱硬化性樹脂であるポリウレタンをガラス繊維で強化した材料を所望形状に成形したものが用いられてきた。これら材料は軽量で断熱性が高く、成形加工が容易である利点がある。
【0003】
しかし、このような従来の自動車内装材を各種自動車の天井材に利用しようとすると、以下のような問題が生ずる。自動車の天井材は、内装材の中でも比較的大形の部材である上、自動車屋根の下面に沿ってほぼ水平に取付けられるものである。したがって、自動車屋根への直射日光により長時間高温に曝される可能性が大きく、長期間使用する間に自重による垂れ下がりの懸念もあり高い耐熱性、剛性、断熱性等が要求される。さらに、通常の使用状態のみならず、赤道を越えて輸出されるようなケースにあっては、厳しい高温に曝される海上輸送中の環境にも十分に耐えるものでなければならない。
【0004】
上述のような厳しい要求に応えるために、特に耐熱性の高い樹脂、例えばポリフェニレンエーテル(以下、PPEと略記する)を基本樹脂とし、ポリスチレン(汎用ポリスチレンや高衝撃性ポリスチレン(HIPS)の総称:以下、PSと略記する)系樹脂等を混練したポリマー材料(ポリスチレン変性ポリフェニレンエーテル:以下、PS変性PPEと略記する)に発泡剤を混ぜ合わせたポリマーアロイの発泡体シートなども基材として利用される傾向にある。さらに、耐衝撃性、剛性、寸法安定性等の物性の向上を目指して、補強材を配合するような改良も行なわれている。
【0005】
このように特性の改善されたポリマーアロイ発泡シート類を基材とする天井材の製造には、例えば、図2に示すようにPS変性PPEの発泡コア層Cの上下面にスキン層Sの設けられた基材Bの上方側には、自動車屋根に取付けられることから自動車走行時に発生する可能性のある擦れ音あるいは軋み音等を防止するための異音防止層NPがラミネート接着により被着せしめられた天井材原反Gが形成される。また、この天井材原反シートの下面側には車室内のその他部分とのデザインや色彩にマッチした装飾のための表皮(装飾)層Dが接着せしめられる。この場合の表皮層材料としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)樹脂製の不織布やTPE(サーモプラスチックエラストマー:Thermoplastic Elastomerの略)表皮とPEF(ポリエチレンフォーム)クッション層を積層した装飾用表皮材が使用可能である。
【0006】
このようなプラスチック天井材の製造は、上述のような各層が熱融着された天井材基材シートの原反が製造され、さらに別工程で表皮(装飾)層等が製造され、それらの接着面にホットメルト接着剤、SBR接着剤等を塗布し、熱風加熱後金型内でプレス成形・接着処理を行うことにより形成される。このように形成される自動車用プラスチック天井材は、耐熱性の高いPS変性PPEの発泡シートを基材とするため比較的軽量で、装飾のための表皮材の加熱・接着工程も成形と同時に行うことができ、低コスト化が達成される特徴がある。
【0007】
一方、地球環境の保護ならびに限られた資源の有効利用は今後の社会全体に与えられた重要テーマであり、使用済み資材や同種製品の仕損品等の再資源化(リサイクル)を活発に行うよう取り組む必要がある。しかし、自動車のプラスチック天井材廃材その他非金属内装品などのプラスチック類を対象とするリサイクルは主として技術的ならびに経済的理由により、その殆どが燃焼による熱エネルギーとしての回収(サーマルリサイクル)または色彩や物性等がさほど厳しく問われない異種部品原料への再利用(マテリアルリサイクル)が主流をなしていた。
【0008】
他方、現今のプラスチック材料は、上述のような個々の製品毎に求められる種々の厳しい要求に対処しなければならない。そのため、無機フィラー類の添加や、複雑なポリマーアロイさらには高分子材料の変性等が行なわれる傾向があり、それぞれ複雑な構成を呈するようになっている。例えば、耐衝撃性、剛性等の物理的特性の向上を目指して、ガラス繊維やタルク等の無機フィラーを多量添加した樹脂成形品廃材をサーマルリサイクルする場合、以下のような問題がある。燃焼排ガスによる大気汚染や臭気発生の原因となり、ガラス繊維、タルク等が燃焼室内の残渣となるため残渣処理に費用がかかり、環境にも悪影響を与え、また、燃焼装置を傷める原因ともなる。一般に、プラスチック原料のポリマーは貴重な石油資源を出発原料とするものであり、省資源、環境保護の観点からもより有効に利用されることが望ましい。このようなサーマルリサイクルを継続することは、将来にわたる石油資源の有限性を考慮すれば、大きな資源の損失となる。
【0009】
また、プラスチック成形品の原材料として回収・再利用する、いわゆるマテリアルリサイクルを行おうとすると、表皮層その他異質材料の機械的な分離が困難であるため、異質材料が混合したまま粉砕せざるを得ない。したがって、単に溶融混練・ペレット化して成形する方法では物性低下が避けられず、色彩等も自由には選択できないため外観も損なわれる。したがって、初期材料(バージン材)よりも大幅にグレードを下げた極めて限定された用途にしか適用できていない。
【0010】
このようにアロイ化されているポリマー類をマテリアルリサイクルによって再利用するには、溶融温度やガラス転移点等のような物理的特性が特定可能な単一材料として回収されることが望ましい。しかるに、上述のような複雑な構成成分からなるポリマーアロイ材料や高分子材料の変性は、こうした要請に逆行するものと言える。
【0011】
一般に、ポリマーアロイ材料にはそれぞれの成分が一体化されている相溶性アロイとそれぞれの成分は一体化していない非相溶性アロイとがあるが、いずれにしてもそれらの素材成分への分離は困難が伴うものとされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、こうした高度な組み合わせにより構成されているポリマーアロイによるシートを基材とし、異質材料の表皮層を被着せしめて形成される自動車用の天井材廃材を、初期材料に近いより有利な状態で分離回収してケミカルリサイクルする、自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法を提供することである。なお、本明細書において使用される用語「天井材廃材」には、実際に自動車に取付けられたものを取り外した使用済みのものはもとより、製造工程において発生する仕損品や端材等も含むものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、PS変性PPE系樹脂製シートの基材表面に異音防止層、表皮層等が被着せしめられた自動車用プラスチック天井材廃材の粉砕片を、少なくとも1つのポリマー成分を溶解する成分を含む溶剤としてのリモネンの満たされた溶解槽に投入し、所定時間後にフィルタにより不溶物質を取出して表皮材料用原料または異音防止材料用原料とし、残った溶剤中に溶解しているPS系樹脂並びに懸濁しているPPE樹脂とをPPE樹脂を残留せしめるろ過処理によってPPE樹脂を分離回収し、さらに残された溶剤からPS系樹脂を分離回収し、これらPPE樹脂およびPS系樹脂を前記基材の原材料とし、前記PS系樹脂の除去された溶剤を前記溶解槽に戻すことにより繰返し利用する、自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法によって解決される。
【0014】
本発明の課題解決にあたり、前記少なくとも1つのポリマー成分を溶解する溶剤としては、PS変性PPE樹脂の基材を対象とする場合、リモネン(Limonene:主に柑橘類の果皮等から得られるテルペンの一種)が有利に利用される。
【0015】
本発明の課題は、前記自動車用プラスチック天井材における前記基材がPS変性PPE系樹脂製発泡成形されたシートであって、該基材の表面にPET樹脂不織布またはTPE表皮とPEFクッション層とを積層した表皮材が接着されたプラスチック天井材である、自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法によって有利に解決される。
【0016】
本発明の課題は、前記溶解しているPS系樹脂成分と懸濁状態にあるPPE樹脂成分との分離がPPE樹脂成分を残留せしめる濾過処理によって行なわれ、該濾過処理が進行した後の溶剤からのPS系樹脂成分の分離が、加熱・脱揮及び/又は遠心分離によって行なわれる、自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法によって解決される。
【0017】
また、本発明の課題は、自動車用プラスチック天井材廃材の粉砕片を投入する溶解槽に対して、加熱、攪拌、振動等のいずれかの処理を単独で、またはこれら処理の2以上を組み合わせて適用することにより、ポリマー成分の分離反応を促進する自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法によって、さらに有利に解決される。
【0018】
さらに、本発明の課題は、自動車用プラスチック天井材廃材の粉砕片から溶剤中に溶出するポリマー成分の濃度が、残留する粉砕片から分離可能な所定範囲に到達した際に溶出成分を含む溶剤と残留樹脂粉砕片とを分離し、未溶解成分を次段の溶解処理工程に移行せしめる多段階処理を行うことにより、さらに効率良く分離回収を行う自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法によってより有利に解決される。
【0019】
本願発明において、リサイクルの対象とする自動車用プラスチック天井材は、図2に示すようにPS変性PPE系樹脂製コアCの表面にスキン層Sの施された基材Bのシートに、ポリエチレン(以下、PEと略記する)製フィルム、PETスパンボンド等の異音防止層NPをラミネート接着し、さらにPET不織布またはTPE表皮とPEFクッション層を積層した車室内装飾に適合する表皮材D等をホットメルト接着剤、SBR接着剤等により接着せしめ、所望形状に成形したものである。このような天井材廃材を適宜寸法に粉砕して、溶剤であるリモネン液の満たされた溶解槽に投入すると、リモネンに不溶であるPET、PE、PEF、TPE等の各被着層薄片が分離する。これら不溶成分は粗目のフィルタで除去され、それぞれの比重差を利用するなどにより容易に分離することができる。
【0020】
次いで溶剤中に溶解したPS系樹脂成分を含むPS溶解層とPPE懸濁層とを細かめのフィルタで分離回収する。PPE懸濁層は、フィルタの残留物として回収され、また溶剤中に溶解しているPS系樹脂成分は、溶剤を加熱・脱揮することにより回収される。脱揮その他の手段により分離されたリモネンは凝縮後溶解槽に戻されて溶解液として繰返し利用される。
【0021】
このようにして分離回収されたPE、PET、TPE等の不溶成分は、当初使用されていた各被着層の原材料としてリサイクル化が達せられる。また、フィルタ残留物として回収されたPPE樹脂成分ならびに溶剤から脱揮等により分離回収されたPS系樹脂成分は、天井材の基材シートの原材料として再生利用される。このように、本発明にかかる自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法によればほぼ完全なケミカルリサイクルが可能となる。
【0022】
なお、ここでは、元製品である天井材にリサイクルを行う例について開示してはいるが、いわゆるケミカルリサイクルが確実に行なわれていれば、他製品の原材料として利用することも任意である。さらに、本発明にかかる方法により分離回収されたそれぞれの樹脂成分に対して同種初期材料または異種の高分子材料、補強材、難燃剤、安定剤、可塑剤等の添加剤、顔料等を加えることにより、耐衝撃性、靭性、耐溶剤性等の向上、成形品外観改良等々を目的として所望の改質や特性の微調整等を行うことも任意である。
【0023】
なお、ポリマー成分が多量に溶出した溶剤は粘度が高くなり過ぎて、その後の残留物との分離が困難になることがある。そのため、溶剤中に溶出した成分が所定濃度に到達した際に、分離された成分を含む溶剤と残留する粉砕片とを一旦分離して、次段のさらなる分離工程に移行する、例えば溶解槽を複数段とするいわゆる多段階処理を行うことによって、より有利に分離回収を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、自動車用プラスチック天井材の製造・回収・再生産にいたるリサイクルのフロー図である図1を参照しつつ本発明の実施例を開示する。天井材の基材シートは、PS変性PPE樹脂に所要量の発泡剤その他添加剤を配合したものを天井基材原料とし、さらに通常知られている手法により押出し成形されたスキン層をラミネートする(工程1)。天井材上側の異音防止層は原料(工程1’)から不織布またはフィルム状に形成され(工程2’)、さらに天井材上側にラミネート接着され適宜厚さのシート状基材の原反が作成される(工程2)。
【0025】
車室内の装飾を兼ねた表皮層を形成するPET不織布やTPE表皮は、PETやTPEを原料として(工程1”)、通常知られている手法により不織布または表皮の原反として押出し成形される(工程2”)。工程2で成形された基材原反と工程2”で得られた表皮原反とは、例えばSBR系接着剤の塗布、熱風加熱、圧接等の工程を経て所望形状および寸法の天井材成形が行なわれる(工程3)。
【0026】
このように製造された天井材は、図示していない自動車製造ラインにおいて自動車室内天井部に装着され完成車となる。その後、通常の流通販売過程を経てユーザーにより適宜年数使用された後に廃車に至る通常の自動車利用サイクルにおかれるが、本発明の対象外であるのでフロー図では単なる1ブロックで略示している。
【0027】
廃車された自動車から回収された天井材廃材は、取付け金具その他非プラスチック部分を除去した後、表皮類を含めてそのまま、例えば、平均寸法10〜20mm程度に粉砕される(工程4)。天井材廃材の粉砕片は、溶剤としてリモネンを満たしてある溶解槽に投入されリモネン溶解工程におかれる(工程5)。この溶解槽において、PE、PET、TPE、PEF等からなる異音防止層や表皮層を形成するシートまたはフィルムは、これら材質がリモネンに不溶であるため、PS系接着剤の溶解に伴って基材シートから剥離する。したがって、これら不溶物は粗めのフィルタでろ過することにより簡単に除去される。この場合、PE、PEF、TPE等とPETとはそれぞれの比重差を利用するなどによって分離回収することができる。
【0028】
このように分離回収されたPE、PET等は、それぞれ表皮原料または異音防止層原料として再利用される。この場合に、物性、色彩等で所望の特性が得られない場合には、同種新規原料または異種の所要成分を一部添加するなどにより特性を改善することも可能である。
【0029】
工程5において不溶物が除去された粉砕片含有溶剤は、適宜液温、例えば60℃以上に加熱され、さらに必要であれば加振、攪拌等の適宜手段を単独で、または適宜組み合わせて加えながら溶解工程が進行せしめられる。このような溶解過程の初期段階において、異音防止材料および表皮原料等の不溶物は剥離して取出され、それぞれの製造工程(工程1’および工程1”)における原料としてリサイクルされる。溶解するPS系樹脂溶解部分とPPE懸濁部分とは比重が異なり、2層分離する(工程6)。
【0030】
工程6のように2層分離している粉砕片含有溶剤をろ過等により除去することにより、PPE懸濁部分は残留し、PS系樹脂溶解成分は取出される(工程7)。したがって、PPE懸濁部分から溶剤を除去することにより、PPE成分のみが回収される。また、外部に取出されたPS系樹脂溶解溶剤成分は、加熱・脱揮及び/又は遠心分離等により溶剤を除去することによりPS系樹脂成分が残留し回収される。
【0031】
PSが取り除かれたリモネンは、脱揮の場合には凝縮させた後、遠心分離の場合は不用成分除去の後、溶解槽に戻され、溶解液として繰返し利用される。
【0032】
工程7において、濾過により回収されたPPE成分、並びに溶解液の脱揮ないしは遠心分離等により回収されたPS系樹脂は公知手法により原料の粒状(ペレット)化が行なわれ(工程8)、それぞれ天井材の基材成形原料として使用される。なお、これらPPEやPS系樹脂は初期材料とほぼ同様の成分として分離回収されているので、そのままペレット化して利用可能であるが、さらに適宜比率の初期材料や安定剤、強化剤、難燃剤、可塑剤等の各種添加剤と混合してペレット化することにより、優れた物性を維持し、また要すれば成分の微調整を行いつつ、ケミカルリサイクルが達成される。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、特性の異なる複数のポリマー成分、PS変性PPE、PE、PET、TPE等からなる自動車用プラスチック天井材を、個々のポリマー成分に分離しつつ回収する、いわゆるケミカルリサイクルを行うことができる。したがって、従来のサーマルリサイクルや複雑な混合材料を厳密に分離せずに成形材料とするマテリアルリサイクルに比して、各素材ポリマーの初期材料に匹敵する成分の分離回収が可能となる。プラスチック系廃棄物を大幅に低減させながら、同レベル成形品を製造可能な資源として個々のポリマー成分の回収、有効利用が可能となる。その結果、省資源、環境保護のそれぞれの目的にも合致し、プラスチック原材料の有効利用に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる自動車用プラスチック天井材の一連の製造・回収・再利用工程を示すフロー図である。
【図2】自動車用プラスチック天井材の構成例を示す断面モデル図である。
【符号の説明】
C 発泡(コア)層
S スキン層
B 基材
NP 異音防止層
D 表皮(装飾)層

Claims (5)

  1. PS変性PPE系樹脂製シートの基材表面に異音防止層、表皮層等が被着せしめられた自動車用プラスチック天井材廃材の粉砕片を、少なくとも1つのポリマー成分を溶解する成分を含む溶剤としてのリモネンの満たされた溶解槽に投入し、所定時間後にフィルタにより不溶物質を取出して表皮材料用原料または異音防止材料用原料とし、残った溶剤中に溶解しているPS系樹脂並びに懸濁しているPPE樹脂とをPPE樹脂を残留せしめるろ過処理によってPPE樹脂を分離回収し、さらに残された溶剤からPS系樹脂を分離回収し、これらPPE樹脂およびPS系樹脂を前記基材の原材料とし、前記PS系樹脂の除去された溶剤を前記溶解槽に戻すことにより繰返し利用することを特徴とする、自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法。
  2. 前記自動車用プラスチック天井材における前記基材がPS変性PPE系樹脂製発泡成形されたシートであって、該基材の表面にPET樹脂不織布またはTPE表皮とPEFクッション層とを積層した表皮材が接着されたプラスチック天井材であることを特徴とする、請求項1に記載の自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法。
  3. 前記溶解しているPS系樹脂成分と懸濁状態にあるPPE樹脂成分との分離がPPE樹脂成分を残留せしめる濾過処理によって行なわれ、該濾過処理が進行した後の溶剤からのPS系樹脂成分の分離が、加熱・脱揮及び/又は遠心分離によって行なわれることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法。
  4. 天井材廃材粉砕片を投入する溶解槽に対して、加熱、攪拌、振動のいずれかの処理を単独で、またはこれら処理の2以上を組み合わせて適用することにより、ポリマー成分の分離反応を促進せしめることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法。
  5. 自動車用プラスチック天井材廃材の粉砕片から溶剤中に溶出するポリマー成分の濃度が、残留する粉砕片から分離可能な所定範囲に到達した際に、溶出成分を含む溶剤と残留樹脂粉砕片とを分離し、未溶解成分を次段の溶解処理工程に移行せしめる多段階処理を行うことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の自動車用プラスチック天井材のリサイクル方法。
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