JPH0796911B2 - ホース - Google Patents

ホース

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JPH0796911B2
JPH0796911B2 JP4263842A JP26384292A JPH0796911B2 JP H0796911 B2 JPH0796911 B2 JP H0796911B2 JP 4263842 A JP4263842 A JP 4263842A JP 26384292 A JP26384292 A JP 26384292A JP H0796911 B2 JPH0796911 B2 JP H0796911B2
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JP
Japan
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hose
cord layer
layer
cord
pressure
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JP4263842A
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益夫 黒田
文彦 矢崎
若林  正
直行 大岡
弘敬 大澤
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Priority to US08/009,016 priority patent/US5244016A/en
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  • Joints That Cut Off Fluids, And Hose Joints (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は油等を移送するホース
に係わり、更に詳しくは、移送中に本体耐圧コード層が
破壊してもホース内部を通過する流体が漏洩することを
防止すると共に、外部からの目視によりホースの本体耐
圧コード層の破壊を容易に判断することが出来るホース
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タンカー等に油等を荷積み、或いは荷御
しする際には、一般にタンカーが沖合に係船されている
状態で行われるため、所定のホースを多数連結して構成
されたホースラインにより行われている。従来、このホ
ースラインに用いられるホースは、例えば図11に示す
ように、ホース本体21とその両端部にホース相互を連
結するための取付フランジ22とを有した構成となって
いる。
【0003】前記ホース本体21は、最内層に配置され
たゴムチューブ層23上に、撚り合わせた繊維コードや
スチールコード等のコードをホースの長手方向に対して
傾斜して配列してゴムで被覆したコード層を、そのコー
ドが互いに交差するように複数層積層して構成される本
体耐圧コード層24が配設され、この本体耐圧コード層
24の外側に、外圧によるホースの潰れを防止し、また
本体耐圧コード層24を補強する補強コード層25を介
してカバーゴム層26が施されて一体的に構成されてい
る。
【0004】前記取付フランジ22は、その円筒部22
aの外周面の周方向に沿ってホース本体21を取付ける
ためのリング部22bが一体的に設けられている。ホー
ス本体21と取付フランジ22との連結接合は、本体耐
圧コード層24の端部に設けられた締結ワイヤ24a、
及び補強コード層25の端部ワイヤ25aにより、ホー
ス本体21の端部が前記リング部22b間に固定される
と共に、接着接合されている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら上述し
た油等を移送するホースライン用のホースは、ホース相
互を連結する連結作業及び油の圧送時や荒天時等に、著
しく撓曲され、かつ手荒な取扱いを受けるため、従来の
ホースにあっては、激しい水撃や、衝撃荷重、引張り等
により、ホースに破損が生じ、その結果として油等の流
出により周辺の環境が破壊されると言う大問題があっ
た。
【0006】また、ホースの破損により油等の荷積みが
不可能となり、タンカー等の出航が遅延するために無駄
な経費がかかると言う問題があった。この発明はかかる
従来の課題に着目して案出されたもので、移送中にゴム
チューブ層及び本体耐圧コード層が破壊してもホース内
部を通過する流体の外部への漏洩を防止することが出来
ると共に、外部からの目視によりホースの本体耐圧コー
ド層の破壊を容易に判断することが出来るホースを提供
することを目的とするものである。
【0007】
【発明を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために、少なくとも、流体を保持する本体耐圧コ
ード層と、この本体耐圧コード層の外側に補助耐圧コー
ド層とを有するホースであって、該補助耐圧コード層と
該本体耐圧コード層との間に、該本体耐圧コード層から
漏洩した流体が流入する緩衝部を構成し、前記補助耐圧
コード層は、該本体耐圧コード層から流体が漏洩した際
にその流体圧により捩じれ可能な非対称コード層を備え
たことを要旨とするものである。
【0008】また、前記非対称コード層は、ホースの長
手方向に対して傾斜してコードを配列したコード層が、
互いにそのコードが交差するように積層されると共に、
ホースの長手方向に対するコードの配向角度がそれぞれ
傾斜方向により異なること、或いはコード層数がコード
の傾斜方向により異なる層数で積層されたこと、或いは
コード層が傾斜方向により弾性率と断面積の積が異なる
コードを有していることを要旨とするものである。
【0009】また更に、前記コード層において、コード
配列がホースの長手方向の略中央部で略左右対称である
ことを要旨とするものである。そして、前記緩衝部に、
連続気泡または独立気泡を有するスポンジを具備するこ
とを要旨とするものてある。
【0010】
【作用】この発明は上記のように構成され、補助耐圧コ
ード層と本体耐圧コード層との間に、該本体耐圧コード
層から漏洩した流体が流入する緩衝部を有する構成とし
たので、ゴムチューブ層及びその上に配設された本体耐
圧コード層が破損した場合であっても、本体耐圧コード
層から漏洩した流体を、本体耐圧コード層と補助耐圧コ
ード層との間に形成される緩衝部に保持することが出
来、外部への流出を防止することが出来る。
【0011】また、本体耐圧コード層から流体が漏洩し
た際に、補助耐圧コード層がその流体圧により捩じれ可
能な非対称コード層を有するため、本体耐圧コード層か
ら流出して緩衝部に保持された流体の圧力により補助耐
圧コード層に捩じれが発生して、外部からの目視により
容易にホースの内部破損を発見することが出来る。また
更に、非対称コード層におけるコード層のコード配列を
ホースの長手方向の略中央部で略左右対称に構成するこ
とにより、ホースの略中央部で捩じれ方向がそれぞれ逆
方向となるため、捩じれ時に生じるトルクを相殺するこ
とが出来、接続される他のホース等に捩じれ時に生じる
トルクを伝達せず、また両端の被接続物によって補助耐
圧コード層の捩じれが拘束されないので、被接続物に対
する接続状態を極めて良好に維持すると共に、被接続物
があっても捩じれ状態を確実に得ることが出来る。
【0012】そして、緩衝部にスポンジを設けることに
より、本体耐圧コード層が破壊された際に漏洩する流体
の圧力を吸収することが出来るので、衝撃負荷を減少す
ることが出来、補助耐圧コード層の破損を有効に防止す
ることが出来る。
【0013】
【実施例】以下、添付図面に基づいてこの発明の実施例
を説明する。図1は、この発明に係るホースの第1実施
例を示すホース端部におけるホース長手方向の部分断面
図であり、このホース1はホース本体2とその両端部に
ホース1相互を連結するための取付フランジ3とを有し
た構成となっている。
【0014】前記ホース本体2は、最内層にアクリロニ
トリル・ブタジエンゴム(NBR)等から構成されるゴ
ムチューブ層4が配設され、その上に、ホース1内を通
過する油等の流体を保持する本体耐圧コード層5が配設
され、この本体耐圧コード層5の外側に、NBR等から
なる中間ゴム層6を介して、前記ゴムチューブ層4と本
体耐圧コード層5から漏洩する流体を保持可能な補助耐
圧コード層7が配設され、この補助耐圧コード層7上
に、ホース本体2をカバーするためのスチレン・ブタジ
エンゴム(SBR)等からなるカバーゴム層8が施され
て一体的に構成されている。
【0015】また、前記本体耐圧コード層5と補助耐圧
コード層7との間には、本体耐圧コード層5と、補助耐
圧コード層7に接着成形された中間ゴム層6との間に、
ゴムチューブ層4と本体耐圧コード層5から漏洩した流
体が流れ込み滞留する液密性を有する緩衝部9が設けら
れている。この緩衝部9は、本体耐圧コード層5と中間
ゴム層6とにより形成された空間であるか、または、本
体耐圧コード層5と中間ゴム層6とは、ゴムチューブ層
4と本体耐圧コード層5から漏洩した流体の圧力により
剥離する程度に接着しており、漏洩した流体の流入時に
剥離して空間を形成するようになっている。
【0016】前記本体耐圧コード層5は、従来と同様
に、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、
及び芳香族ポリアミド繊維等やスチールワイヤー等を撚
り合わせたコードfが、図2に示すように、ホース本体
2の長手方向に対して傾斜して配列されて、SBR等の
ゴムにより被覆されたコード層を有し、このコード層が
コードfを互いに交差するように積層されると共に、ホ
ースの長手方向に対するコードfの配向角度θ1 、及び
傾斜方向の異なるコードfを有するコード層の積層数が
それぞれ等しくなるように構成されている。
【0017】前記配向角度θ1 は、30°<θ1 <60
°、好ましくは35°<θ1 ≦55°がよい。30°以
下では、ホース本体2の可撓性が阻害され、60°以上
では、ホース本体2の可撓性が大きすぎて扱いにくいた
めである。また、35°を越えて55°以下である配向
角度θ1 が好ましいのは、ホース本体2の可撓性と耐圧
強度によるコード層の層数の効率が良いからである。
【0018】前記補助耐圧コード層7は、少なくともゴ
ムチューブ層4と本体耐圧コード層5から流体が漏洩し
た際にその流体圧により捩じれ可能な非対称コード層を
有している。この非対称コード層は、ナイロン繊維、ポ
リエステル繊維、レーヨン繊維、及び芳香族ポリアミド
繊維等やスチールワイヤー等を撚り合わせたコードc
が、図2に示すように、ホース本体2の長手方向に対し
て傾斜して配列されて、SBR等のゴムにより被覆され
たコード層を有し、そのコード層のコードcが互いに交
差するようにコード層を積層すると共に、ホースの長手
方向に対するコードcの配向角度θ2 ,θ3 がそれぞれ
傾斜方向により異なるように構成されている。
【0019】前記配向角度θ2 ,θ3 の関係は、θ2
θ3 ≦90°で、θ3 は80°<θ 3 ≦90°が好まし
い。また本体耐圧コード層5の破壊前に、非対称コード
層がホース1内を通過する流体の圧力により影響を受け
ぬように、本体耐圧コード層5のコードfの配向角度θ
1 よりもθ2 を大きくすることがよく、θ1 <θ2 <θ
1 +20°、好ましくは、θ1 <θ2 <60°がよい。
【0020】このように、本体耐圧コード層5のコード
f、及び補助耐圧コード層7の非対称コード層のコード
cの配向角度θ1 ,θ2 ,θ3 がそれぞれ上記のような
関係を有することにより、ゴムチューブ層4と本体耐圧
コード層5とから流体が漏洩した際に、その流体の圧力
により補助耐圧コード層7に明らかな捩じれが発生し
て、外部からの目視により、ホース1のゴムチューブ層
4及び本体耐圧コード層5の破損を容易に判断すること
が出来る。
【0021】前記緩衝部9には、好ましくは連続気泡ま
たは独立気泡を有するスポンジ等を配設するのがよい。
このスポンジで緩衝部9に圧力緩衝層を構成することに
より、ゴムチューブ層4と本体耐圧コード層5が破壊さ
れた際に漏洩する流体の圧力を吸収するので、中間ゴム
層6に対する衝撃負荷を減少することが出来、補助耐圧
コード層7の破損を防止する働きをなすものである。
【0022】前記取付フランジ3は、その円筒部3aの
外周面の周方向に沿ってホース本体2を取付けるための
リング部3bが一体的に設けられている。前記ホース本
体2と取付フランジ3との連結接合は、本体耐圧コード
層5、及び補助耐圧コード層7の非対称コード層の端部
に設けられた締結ワイヤ5a,7aにより、ホース本体
2の端部が前記リング部3b間に固定されると共に、ホ
ース本体1を形成するそれぞれの層の端部が接着接合さ
れている。
【0023】また、前記補助耐圧コード層7の非対称コ
ード層は、ホース1の長手方向に対して傾斜してコード
cを配列して、SBR等のゴムで被覆されたコード層
が、互いにそのコードcが交差するように奇数層積層さ
れた構成としてもよく、また、一方の方向に傾斜するコ
ードcを有するコード層の積層数と、交差するように他
方の方向に傾斜するコードcを有するコード層の積層数
とが異なった層数で偶数層積層された構成としもよい
(共に配向角度θ2 とθ3 が等しい)。
【0024】また前記コード層が、互いにそのコードc
が交差するように積層されると共に、該コード層は傾斜
方向により弾性率と断面積の積が異なるコードcを有し
ているように構成(例えば、スチールコードとナイロン
コード)してもよく、これらによっても、ゴムチューブ
層4と本体耐圧コード層5から流体が漏洩した際に、そ
の流体の圧力により補助耐圧コード層7に捩じれが発生
して、外部からの目視により、ホース1のゴムチューブ
層4及び本体耐圧コード層5の破損を容易に判断するこ
とが出来る。
【0025】また更に、上記した構成よりなるコード層
を組み合わせて非対称コード層を形成するようにしても
よく、例えばコードcの配向角度θ2,θ3 を異ならせる
と共に、コードcをそれぞれスチールコードとナイロン
コードとから構成するようにしてもよい。これにより、
ゴムチューブ層4と本体耐圧コード層5から流体が漏洩
した際に、その流体の圧力により補助耐圧コード層7に
更に明らかな捩じれが発生して、外部からの目視によ
り、ホース1のゴムチューブ層4及び本体耐圧コード層
5の破損を極めて容易に判断することが出来る。
【0026】また、上述した非対称コード層に用いられ
るコード層のコードcの配列を、ホース本体2の長手方
向の略中央部で略左右対称となるように構成してもよ
い。即ち、図3に示すように、左から右上がりの角度θ
4 で配列されたコードcをホース本体2の長手方向の略
中央部Mで、右下がりの同じ角度θ4 の配列構成にかえ
て、略中央部Mでコードcの配列を略左右対称とするの
である。このようなコード層は、例えば、中央部Mで右
上がりコードcと右下がりのコードcを適当な幅をもた
せてラップさせて巻き付けることにより得ることが出来
る。
【0027】このようなコード層を上述同様に積層して
非対称コード層を形成することにより、ゴムチューブ層
4と本体耐圧コード層5から流体が漏洩した際に、ホー
ス1の略中央部Mで捩じれ方向がそれぞれ逆方向とな
り、捩じれ時に生じるトルクを相殺することが出来る。
次に、上述したこの発明の作用について、簡単な原理説
明図を用いて説明する。
【0028】図4に示すように、互いに軸線OーOに対
してθ´という角度を持つ部材11,12の交点Q´に
Pという力をかける (但し、部材11,12の断面積
A、弾性率E、長さLは同じ) と、その時の変位量λに
よるQ´の軌跡は必ず軸線上にある。また、その時の変
位量λは以下の式で求まる。 また、図5に示すように、互いに軸線OーOに対してψ
及びθという角度を持つ部材13,14の交点Qに、同
様にしてPという力をかける(但し、部材13の断面積
1 、弾性率E1 、長さL1 、部材14の断面積A2
弾性率E2 、長さL2 で、A1 ×E1 <A2 ×E2
と、その時の部材の変位図は図6に示すようになる。
【0029】従って、Qの軌跡は軸線上になく、δ分だ
け軸線OーOがズレることになる。ホース1の場合、こ
れが捩じれとなって現われる。この時の水平変位δr は
次の様になる。但し、F1 及びF2 は部材13,14に
かかるPの分力、λ1 及びλ2 はF1 及びF2 による部
材13,14のそれぞれの変位量である。 従って δr =δr1−δr2 鉛直方向の鉛直変位δs も同様にして求めることが出来
る。
【0030】また、部材13,14を同じ条件の材料か
ら構成して、軸線OーOに対する角度ψとθとのみを異
なる角度としても同じことが言え、また部材13,14
を異なる条件の材料から構成して、軸線OーOに対する
角度ψとθとを同じ角度としても、上述と同様である。
従って、ゴムチューブ層4及び本体耐圧コード層5が破
損した場合であっても、本体耐圧コード層5から漏洩し
た流体が緩衝部9に流れ込み、この緩衝部9に滞留する
流体の圧力により、補助耐圧コード層7の非対称コード
層のコードcにズレが生じて非対称コード層に捩じれが
発生し、外部からの目視により、ホース1のゴムチュー
ブ層4及び本体耐圧コード層5の破損を容易に判断する
ことが出来るのである。
【0031】非対称コード層のコードcの断面積と弾性
率との積の差異が大きいほど、非対称コード層の捩じれ
が大きくなり、また、基本的に角度による差よりもコー
ドcの断面積と弾性率との積の差の方が捩れに対する影
響が大である(例えばスチールコードとナイロンの構
成)。前述した非対称コード層のコード層において、コ
ード配列がホース1の長手方向の略中央部Mで略左右対
称に構成されたものであっても同様である。ゴムチュー
ブ層4と本体耐圧コード層5から流体が漏洩した際に、
ホース1の略中央部Mで捩じれ方向がそれぞれ逆方向と
なり、捩じれ時に生じるトルクを相殺することが出来る
ので、接続される他のホース等に捩じれ時に生じるトル
クが伝達されず、また両端の被接続物によって補助耐圧
コード層7の捩じれが拘束されないため、左右対称でな
い非対称コード層のものよりも望ましい。
【0032】図7は、この発明の第2実施例を示し、上
記第1実施例のホース1の本体耐圧コード層5上に、補
強耐圧層10を配設し、この補強耐圧層10と中間ゴム
層6との間に緩衝部9を形成するようにし、この緩衝部
9に緩衝部材9aを有する構成としたものである。従っ
て、上述した第1実施例と同一構成要素は同一符号を付
して説明は省略する。
【0033】前記補強耐圧層10は、外圧によりホース
本体2の潰れを防止し、また本体耐圧コード層5を補強
するために設けられたものである。この補強耐圧層10
は、SBR等のゴム層10a内に、スチールコードやス
チールワイヤー等の補強スチール10bが螺旋状に巻か
れて埋設されている。前記緩衝部9に用いられる緩衝部
材9aとしては、連続気泡または独立気泡を有するスポ
ンジ等である。上述したように、スポンジ等の緩衝用部
材9aで緩衝部9に圧力緩衝層を形成することにより、
ゴムチューブ層4と本体耐圧コード層5が破壊された際
に漏洩する流体の圧力を吸収することが出来るので、中
間ゴム層6に対する衝撃負荷を減少することが出来、補
助耐圧コード層7の破損を効果的に防止するものであ
る。
【0034】このように、本体耐圧コード層5上に補強
耐圧層10を配設し、この補強耐圧層10と中間ゴム層
6との間に形成された緩衝部9に緩衝部材9aを有する
構成としたホース1であっても、ゴムチューブ層4及び
本体耐圧コード層5が破損し、本体耐圧コード層5から
漏洩した流体が緩衝部9に流れ込み、この緩衝部9に滞
留する流体の圧力により、補助耐圧コード層7の非対称
コード層のコードcにズレが生じて非対称コード層に捩
じれが発生し、外部からの目視により、ホース1のゴム
チューブ層4及び本体耐圧コード層5の破損を容易に判
断することが出来るのである。
【0035】また図8に示すように、上述したホース1
のカバーゴム層8の表面に、ストレートライン等の捩じ
れ視認用のマーク11を設ける等して、補助耐圧コード
層7の非対称コード層の捩じれをより容易に目視出来る
ようにしてもよい。捩じれ視認用のマーク11を設ける
ことにより、誤認することなしに、確実に非対称コード
層の捩じれを目視出来、ホース1の内部破損を発見する
ことが出来る。
【0036】図9及び図10に、視認用のマーク11を
有するホース1の内部破損時の捩じれ測定試験を行った
際の正面図を示す。図9は非対称コード層がホース本体
2の中央部Mで左右対称となっていないホースであり、
そのホース1の構成は第2実施例のホース構成と同一の
ものとし、内径300mm、外径450mm、実質長さ(円
筒部3aの内側端3c間の長さ)6m、補助耐圧コード
層7の非対称コード層には、配向角度θ2 が55°のポ
リエステルコードと配向角度θ3 が85°のナイロンコ
ードとを用い、緩衝部9には、連続気泡を有するスポン
ジが圧力緩衝層として使用され、カバーゴム層8の表面
に捩じれ視認用のマーク11として図8のようにストレ
ートラインが施されている。
【0037】そしてこのホース1のゴムチューブ層4及
び本体耐圧コード層5を破損させて漏洩する流体が緩衝
部9に流入するようにし、ホース1内に油等が移送され
る際の圧力以下の圧力 (3.0kgf/cm2)を有する圧力流
体(水)を封入して、その際のホース1の捩じれ(非対
称コード層の捩じれ)を測定した。図9に示すように、
カバーゴム層8表面に施された捩じれ視認用のマーク1
1のストレートラインは、ホース1が捩じれたことを示
し、捩じれ角度は、実質全長で180°、即ちホース1
m当たり30°であった。
【0038】図10は非対称コード層におけるコード層
のコード配列がホース本体2の略中央部Mで略左右対称
となっているホースであり、略中央部Mに100mmのラ
ップ幅を設けてコード配列を略左右対称としてある他
は、上記図9のホース1と同様の構成で、同様にして捩
じれ測定を行った。図10に示すように、カバーゴム層
8表面に施された捩じれ視認用のマーク11のストレー
トラインが、ホース1の略中央部Mの左側と右側とで略
対称をなして捩じれ、その捩じれ角度は、1m当たり3
0°であった。
【0039】このように補助耐圧コード層7を非対称コ
ード層から構成することにより、外部からの目視によ
り、ホース1のゴムチューブ層4及び本体耐圧コード層
5の破損を容易に判断することが出来る。また、非対称
コード層に使用されるコード層において、コード配列が
ホース1の長手方向の略中央部Mで略左右対称に構成さ
れたものにあっては、内部破損時にホース1の略中央部
Mで捩じれ方向がそれぞれ逆方向となり、捩じれ時に生
じるトルクを相殺することが出来る。その結果、接続さ
れる他のホース等に対して捩じれ時に生じるトルクの伝
達を防止することが出来、また両端の被接続物によって
補助耐圧コード層7の捩じれが拘束されず、内部破損時
の捩じれの発生を確かなものにすることが出来る。
【0040】なお、この発明の補助耐圧コード層7の非
対称コード層に捩じれが発生する方法は、基本的にはコ
ードcに力が作用して伸びが発生する時にこの伸び方向
をホース1の長手方向及び円周方向に合せぬ様にすれば
よく、この発明は上述の実施例の態様に限定されること
なく、他の態様においてもこの発明を実施しうるもので
ある。
【0041】
【発明の効果】この発明は上記のように、少なくとも、
流体を保持する本体耐圧コード層と、この本体耐圧コー
ド層の外側に補助耐圧コード層とを有するホースであっ
て、該補助耐圧コード層と該本体耐圧コード層との間
に、該本体耐圧コード層から漏洩した流体が流入する緩
衝部を構成し、前記補助耐圧コード層は、該本体耐圧コ
ード層から流体が漏洩した際にその流体圧により捩じれ
可能な非対称コード層を備えたことにより、ゴムチュー
ブ層及び本体耐圧コード層が破損した場合であっても、
本体耐圧コード層から漏洩した流体が、本体耐圧コード
層と補助耐圧コード層との間に形成される緩衝部に保持
することが出来るので、外部への流出を防止して周辺の
環境破壊を防止することが出来ると共に、ホースの破損
による油等の荷積みの遅れを防いでタンカー等の出航の
遅延による無駄な経費を省くことが出来る効果がある。
【0042】また、本体耐圧コード層から流体が漏洩し
た際に、緩衝部に保持された流体の圧力により補助耐圧
コード層に捩じれが発生して、外部からの目視により容
易にホースの内部破壊を発見することが出来る効果があ
る。また更に、非対称コード層におけるコード層のコー
ド配列をホースの長手方向の略中央部で略左右対称に構
成することにより、ホースの略中央部で捩じれ方向がそ
れぞれ逆方向となるため、捩じれ時に生じるトルクを相
殺することが出来、接続される他のホース等に捩じれ時
に生じるトルクを伝達せず、また両端の被接続物によっ
て補助耐圧コード層の捩じれが拘束されないので、被接
続物に対する接続状態を極めて良好に維持すると共に、
被接続物があっても捩じれ状態を確実に得ることが出来
る効果がある。
【0043】そして、緩衝部にスポンジを設けることに
より、本体耐圧コード層が破壊された際に漏洩する流体
の圧力を吸収することが出来るので、衝撃負荷を減少す
ることが出来、補助耐圧コード層の破損を有効に防止す
ることが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るホースの第1実施例を示すホー
ス端部におけるホース長手方向の部分断面図である。
【図2】本体耐圧コード層及び補助耐圧コード層の非対
称コード層のコードの配向を説明する説明図である。
【図3】非対称コード層におけるコード層のコード配列
をホースの長手方向の略中央部で略左右対称に構成した
際の説明図である。
【図4】非対称コード層のコードの捩じれ作用の原理を
説明する説明図である。
【図5】非対称コード層のコードの捩じれ作用の原理を
説明する説明図である。
【図6】非対称コード層のコードの捩じれ作用の原理を
説明する説明図である。
【図7】この発明に係るホースの第2実施例を示すホー
ス端部におけるホース長手方向の部分断面図である。
【図8】視認用マークを有するこの発明のホースの正面
図である。
【図9】コード配列がホースの長手方向の略中央部で略
左右対称でないホースにおける捩じれ状態を示す正面図
である。
【図10】コード配列がホースの長手方向の略中央部で
略左右対称であるホースにおける捩じれ状態を示す正面
図である。
【図11】従来例のホースを示すホース端部におけるホ
ース長手方向の部分断面図である。
【符号の説明】
1 ホース 2 ホース本体 3 取付フランジ 4 ゴムチューブ
層 5 本体耐圧コード層 6 中間ゴム層 7 補助耐圧コード層 8 カバーゴム層 9 緩衝部 10 補強耐圧層 c,f コード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16L 33/28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、流体を保持する本体耐圧コ
    ード層と、この本体耐圧コード層の外側に補助耐圧コー
    ド層とを有するホースであって、該補助耐圧コード層と
    該本体耐圧コード層との間に、該本体耐圧コード層から
    漏洩した流体が流入する緩衝部を構成し、前記補助耐圧
    コード層は、該本体耐圧コード層から流体が漏洩した際
    にその流体圧により捩じれ可能な非対称コード層を備え
    たことを特徴とするホース。
  2. 【請求項2】 前記非対称コード層は、ホースの長手方
    向に対して傾斜してコードを配列したコード層が、互い
    にそのコードが交差するように積層されると共に、ホー
    スの長手方向に対するコードの配向角度がそれぞれ傾斜
    方向により異なる請求項1記載のホース。
  3. 【請求項3】 前記非対称コード層は、ホースの長手方
    向に対して傾斜してコードを配列したコード層が、該コ
    ードが交差するように積層されると共に、該コード層数
    がコードの傾斜方向により異なる層数で積層された請求
    項1記載のホース。
  4. 【請求項4】 前記非対称コード層は、ホースの長手方
    向に対して傾斜してコードを配列したコード層が、互い
    にそのコードが交差するように積層されると共に、該コ
    ード層は傾斜方向により弾性率と断面積の積が異なるコ
    ードを有している請求項1記載のホース。
  5. 【請求項5】 前記コード層において、コード配列がホ
    ースの長手方向の略中央部で略左右対称である請求項2
    または3または4記載のホース。
  6. 【請求項6】 前記緩衝部に、連続気泡または独立気泡
    を有するスポンジを具備する請求項1記載のホース。
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