JPH0796898B2

JPH0796898B2 - オートテンショナー

Info

Publication number: JPH0796898B2
Application number: JP63258870A
Authority: JP
Inventors: 英雄平井; 康弘橋本; 正勝安藤; 直己藤本
Original assignee: Mitsuboshi Belting Ltd
Current assignee: Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date: 1988-10-13
Filing date: 1988-10-13
Publication date: 1995-10-18
Anticipated expiration: 2010-10-18
Also published as: JPH02102956A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明はベルト駆動機構において、適正なベルト張力を
保持し、かつベルトの張力変動及び共振を防止減衰する
のに好適なベルト用オートテンショナーに関するもので
ある。

（従来の技術）従来より、駆動プーリと従動プーリの間に伝動ベルトが
巻掛けられるベルト伝動装置においては張力付与手段と
してオートテンショナーが用いられている。一般に使用
されているオートテンショナーとしては油圧、空気圧、
ゴムならびに鋼製ばね、樹脂等を用い、圧縮，引張り，
曲げねじりなどの手段によってベルトに張力を付与する
ものである。

その手段の具体的な一例を述べると、円筒状ケースにテ
ンショナー軸を挿入し、これに先端にアイドラープーリ
を有し、内面にボールベアリング又はブッシュを内挿す
ると共に、スプリングのストッパーを兼ねるテンション
アームを取付け、円筒状ケースと上記テンションアーム
との間の前記テンショナー軸外周面にねじりスプリング
を挿入してスプリングのねじり力によってテンションア
ームが軸のまわりに回転し、ベルトテンションを付与す
る構成である。

上記構成のオートテンショナーはアイドラープーリがベ
ルトの側面等に押し当てられ、ベルトの張力変化に応じ
てテンションアームが揺動し適正な張力を付与するもの
であるが、近年このテンションアームの揺動を早期に収
斂させベルト自体や被駆動物の負担を軽減する目的から
上記の構成にダンパー部材が付加されたものが提案され
ており、従来のダンパー部材としてはピストンや羽根な
どを液体中で作動させて抵抗を発生するものが知られて
いる。（米国特許第4,661,087号公報）。

また一方、前記ねじりスプリングのねじり力によるベル
トテンション付与の外に、摩擦板あるいはブッシュ、更
に圧縮スプリングをテンショナー軸とテンションアーム
との間に配置せしめ、ねじりスプリングの共振を押さえ
る構成が実開昭62-185958号公報，実開昭63-3552号公報
などによって提案されている。

（発明が解決しようとする課題）しかし、従来技術のダンパ部材を有するオートテンショ
ナーはダンパーの抵抗によりテンションアームが早期に
揺動を停止する利点を有するものの、どうしてもその外
形が大きくなってしまう欠点があった。

そのため、オートテンショナーの取付スペースに大きな
制約がある自動車用途のオートテンショナーとしては従
来のオートテンショナーは採用が困難であった。

また、一方、摩擦板あるいはブッシュを設けたものは圧
縮スプリングによる押し付けがあるにしても、摩擦力は
常に変動し、摩擦による発熱の影響を考慮することが必
要であった。

しかもこれら装置においては自動車用途などに即するス
プリング特性や埃などからの保護という実用面における
配慮に欠けていた。

本発明は上述の如き実状に対処し、各従来のオートテン
ショナーが有する欠点を改善すべくオートテンショナー
全体構成の見直しを進めることによりダンパーの効果を
有しつつ防塵とスプリング特性の強化をはかり、オート
テンショナーのコンパクト化、実用性の向上をもたらす
ことを目的とするものである。

（課題を解決するための手段）上記目的を達成するため本発明はオートテンショナー構
成として一端にアイドラープーリが回転可能に取着され
たテンションアームの基部を円筒状に形成して可動円筒
状ケースとなし、その先端部をオートテンショナーを取
り付ける取付部材に固定した固定円筒状ケース端部にシ
ールを介して封着すると共に、固定円筒状ケースに基部
が一体に固定された中空テンショナー軸をその先端部を
前記可動円筒状ケース基部の取付孔に挿入してテンショ
ナー軸中空部を通じてボルトにより前記取付部材に貫着
し、前記固定円筒状ケースと可動円筒状ケースの両ケー
スで包囲された密閉空間において固定円筒状ケースと可
動円筒状ケース基部との間に断面矩形状のねじりスプリ
ングを介設する一方、該ねじりスプリングの内側で摩擦
板を可動円筒状ケース内面に一方が当接した状態でテン
ショナー軸に周方向には一体で、かつ軸方向へは摺動可
能に配設し、更に前記摩擦板背面と固定円筒状ケース内
面との間には圧縮スプリングを配したことを特徴とす
る。

（作用）本発明のオートテンショナーは駆動プーリと従動プーリ
の間に巻掛けられた伝動ベルト、通常、Ｖリブベルトの
主としてベルトの緩み側にアイドラープーリがベルト背
面と接触した状態で設置される。

本発明のオートテンショナーは先ず、ねじりスプリング
の反撥力によりベルトに張力を与えるものである。即
ち、今ベルトの張力が増加した時はねじりスプリングが
巻締めされる方向に捲回され、過大な張力に耐えるよう
に働き、ベルトの張力が緩んだ時はねじりスプリングが
巻き緩む方向に動作してテンションアームはベルトに張
力を付与すべく移動する。

そして、本発明のベルトテンショナーは更にテンション
アームの内側に摩擦板が当接され、圧縮スプリングによ
って当該摩擦板がテンションアームに押圧されている為
にねじりスプリングの回転トルクに摩擦板による回転ト
ルク分力が加わった合力となって抵抗を生じ、テンショ
ナーのばたつきを防ぎ、ベルトの共振を防止し適正なベ
ルト張力を保持しつつベルトを駆動させる。しかも密封
空間に収設されているため防塵が十分となる。

なお、圧縮スプリングによる摩擦板の回転トルクは、適
当なバネ定数の圧縮スプリングを使用することにより広
範囲なベルト仕様に対応することができる。

また、上記したねじりスプリングとして素線断面形状が
矩形のものを採用するため、従来の丸スプリングに比較
し断面矩形状の角形スプリングは同一バネ定数下で同負
荷トルクに対してねじれ角を小さくすることができる。
即ち、断面矩形のスプリングは丸形スプリングに比し強
力であるため、同一条件では巻径，巻数を減少させるこ
とができるので、小径のオートテンショナーが製造可能
となる。

（実施例）以下、更に添付図面に従って本発明の具体的な実施例を
説明する。

第１図において、（ａ）はオートテンショナー、（19）
はブラケット（４）にテンショナーを取り付ける為のボ
ルトで、（６）はブラケット（４）にノック（18）を嵌
め込み取り付けられた固定円筒状ケースである。

（20）はテンショナー軸であり、内部は中空であってボ
ルト（19）が挿入され基部は固定円筒状ケース（６）と
一体的に固定されている。（２）はテンションアームで
あり、該テンションアーム（２）は中央に取付孔（21）
が設けられ、かつ基部に対して先端部の直径が大きい脹
み部分（23）を有する筒状である可動円筒状ケース
（３）とアーム（22）よりなっている。

テンションアーム（２）は前記したテンショナー軸（2
0）の先端部（８）に軸受メタル（９）を介して取付孔
（21）が挿入され可動円筒状ケース（３）と固定円筒状
ケース（６）が向き合い、かつ可動円筒状ケースの脹み
部分（23）内に固定円筒状ケース（６）の端部が挿入さ
れた状態で配され、その間に介設されるシール材、例え
ばゴムシール（15）を介して密封，嵌合され、またアー
ム（22）の先端にはアイドラープーリ（１）がボールベ
アリング（14）を介してボルト（13）により取り付けら
れている。

固定円筒状ケース（６）と可動円筒状ケース（３）の間
に介在される番号（15）はゴムシールであり、両ケース
内部を密閉空間として埃の進入を防止している。

以上の構成で上記密閉された空間において、可動円筒状
ケース（３）と固定円筒状ケース（６）との間にねじり
スプリング（５）が挿入され、その端末は可動円筒状ケ
ース（３）と固定円筒状ケース（６）にそれぞれに設け
られた、溝部（16）（17）に嵌合係止され、そのスプリ
ング力によりテンションアーム（２）が周方向に回転し
ベルトにテンションを付与するようになっている。

このねじりスプリング（５）は本発明の特徴の一つであ
り、その素線の断面形状は円形ではなく矩形状である。
また、可動円筒状ケース（３）の内側にはナイロン樹
脂，フェノール樹脂，フッ素樹脂,ABS樹脂等の公知の樹
脂素材よりなる摺動板（10）が一体的に貼着されてい
る。

そして、金属製の摩擦板（11）が、テンショナー軸（2
0）に対して周方向へは一体的に、軸方向へは摺動可能
に固定され、前記した摺動板（10）のさらに背面側に配
されている。また摩擦板（11）の背面と固定円筒状ケー
スの底面の間にはコイルスプリング（12）が圧縮状で挿
入され、このスプリング（12）により摩擦板（11）はテ
ンションアーム（３）に貼着された摺動部材に押圧され
ている。

本実施例のオートテンショナーは、通常、走行時はアイ
ドラープーリ（１）は前記ねじりスプリング（５）が巻
き緩む方向に働き、負荷の変動によりベルトに張力がか
かった時は断面矩形のねじりスプリング（５）が巻き締
めされる方向に捲回され過大な張力に耐えるように働き
ベルトの張力が緩んだ時は巻き緩む方向に働く。

この時、本実施例においては摩擦板がテンションアーム
と一体に設けられた摺動部材に対し押圧されているた
め、テンションアーム揺動時に摩擦力を発生させ振動を
減衰させる。

また、ねじりスプリング，圧縮スプリングは本実施例で
は一端を固定円筒状ケースに係止させているが固定円筒
状ケースとテンショナー軸が一体であれば、直接テンシ
ョナスー軸に係止させても同様の効果が得られる。

（発明の効果）本発明のベルトテンショナーは以上の如くブラケットに
固定した円筒状ケースとアイドラープーリを有する可動
円筒状ケースとの間にねじりスプリングを係止すると共
に、その内周面に摩擦板を設け、該摩擦板と円筒状ケー
ス間に更に圧縮スプリングを内装せしめ、しかも、これ
らを両ケースによって囲まれる密封空間内に収設したた
め、ベルト振動によってベルト反力に変動が生じたと
き、摩擦板がテンションアームの内側に所定圧で当接さ
れているため、当該摩擦板による回転トルクが発生し、
この分力がねじりスプリングの回転トルクに加わり、両
者の合力となってテンショナーのばたつきを防止し、ベ
ルトの共振を緩和して適正なベルト張力を保持させるこ
とができる効果を有する。

しかも、本発明は断面矩形状のねじりスプリングを用い
ることにより、バネ定数は強力となり、コンパクト化が
図れると共に、各スプリング及び摩擦板などの要部はす
べて密閉空間内に収設されているため、埃などによる影
響も少なく、より実用性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の具体的実施例のベルトテンショナーの
断面図である。（ａ）……ベルトテンショナー，（１）……アイドラープーリ，（２）……テンションアーム，（３）……可動円筒状ケース，（５）……ねじりスプリング，（10）……摺動部材，（11）……摩擦板，（12）……圧縮スプリング，（20）……テンショナー軸，

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭63−243557（ＪＰ，Ａ) 実開昭62−185958（ＪＰ，Ｕ) 実開昭63−3352（ＪＰ，Ｕ) 実開昭63−147957（ＪＰ，Ｕ)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一端にアイドラープーリが回転可能に取着
されたテンションアームの基部を円筒状に形成して可動
円筒状ケースとなし、その先端部をオートテンショナー
を取り付ける取付部材に固定した固定円筒状ケース端部
にシール材を介して封着すると共に、固定円筒状ケース
に基部が一体的に固定された中空テンショナー軸を、そ
の先端部を前記可動円筒状ケース基部の取付孔に挿入し
てテンショナー軸中空部を通してボルトにより前記取付
部材に貫着し、前記固定円筒状ケースと可動円筒状ケー
スの両ケースで包囲された密閉空間において固定円筒状
ケースと可動円筒状ケース基部との間に断面矩形状のね
じりスプリングを介設する一方、該ねじりスプリングの
内側で摩擦板を可動円筒状ケース内面に一方を当接した
状態でテンショナー軸に周方向には一体で、かつ軸方向
へは摺動可能に配設し、さらに前記摩擦板背面と固定円
筒状ケース内面との間に圧縮スプリングを配してなるこ
とを特徴とするオートテンショナー。