JPH0796031A - インターロイキン1の産生誘導方法 - Google Patents

インターロイキン1の産生誘導方法

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JPH0796031A
JPH0796031A JP5242737A JP24273793A JPH0796031A JP H0796031 A JPH0796031 A JP H0796031A JP 5242737 A JP5242737 A JP 5242737A JP 24273793 A JP24273793 A JP 24273793A JP H0796031 A JPH0796031 A JP H0796031A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血液から抗腫瘍免疫機能を賦活するサイトカ
インであるインターロイキン1を、より簡便に、かつよ
り安全に産生誘導し得る方法を提供する。 【構成】 アガロースゲルまたはアガロース誘導体ゲル
からなる材料と血液とを温度15〜42℃で接触させる
ことにより、インターロイキン1の産生を誘導する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の材料と血液とを
接触させることによりインターロイキン1の産生を効果
的に誘導し得るインターロイキン1の産生誘導方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】周知のごとく、生体の悪性腫瘍に対する
免疫監視機構を担う抗腫瘍性細胞としては、キラー細
胞、NK細胞、LAK細胞及び、活性化マクロファージ
等が重要な役割を果たしている。また、これらの細胞か
ら分泌されるインターロイキン、インターフェロン、T
NF等のサイトカインは、生体の持つ抗腫瘍性に大きく
関与している因子である。近年、外科手術、放射線療
法、化学療法と併用して、生体の持つ免疫監視機構を賦
活することを目的とした免疫療法が、悪性腫瘍の治療法
として盛んに行われてきている。このような、免疫療法
剤として、例えば、レンチナンやシゾフィランの様な薬
剤があるが、癌患者は免疫抑制状態にあり、かかる状態
の中で抗腫瘍免疫に関係する上記の細胞や因子を誘導す
ることはなかなか困難である。
【0003】このような困難を克服するために、最近、
抗腫瘍免疫に関係する上記の細胞や因子を体外で誘導し
たり、直接体外から投与しようという試みがある。例え
ば、癌患者からリンパ球と腫瘍細胞とを体外に取りだ
し、遺伝子組み替えヒト・インターロイキンを加えて培
養し、腫瘍を特異的に攻撃するリンパ球(LAK細胞)
を誘導した後に、癌患者体内に戻して、抗腫瘍効果を発
揮する養子免疫療法が行われている。(Rosenberg,S.
A.,Lotze,M.T.,Muul,L.M.et al.:A Progress report o
n the treatment of 157 patients with advanced can
cer using lymphokine-activated killer cells and in
terleukin 2 or high-dose interleukin 2 alone. N.En
gl.J.Med.316:889-897,1987)。
【0004】しかしながら、癌患者から大量のリンパ球
を取り出し、無菌的に長期間、インターロイキンの存在
下で培養した後に、癌患者に注入するという操作を行う
ため、非常に手間がかかること並びに、培養に長時間を
要すること及び高価なインターロイキンが必要であるこ
となどの多くの問題があった。
【0005】また、遺伝子組み替え技術により、抗腫瘍
免疫に関係する上記の種々のサイトカインを大量に得る
ことができるようになり、これらのサイトカインの直接
投与(高久史麿 編集、南江堂、サイトカイン療法、1
992)が行われている。しかしながら、遺伝子組み替
え技術により得られたサイトカインは、その蛋白質分子
内に糖鎖を持たなかったり、翻訳後修飾を受けていない
ものであり、本来患者体内で作られるサイトカインと異
なっている。そのため、患者に直接投与しても血液中で
の寿命が短く、本来の効果が発揮できなかったり、様々
な副作用が伴うという欠点を有している。
【0006】近年、上記欠点を克服するために、癌患者
が本来持っている抗腫瘍免疫機能を体外循環システム等
を利用して、体外で産生を誘導しようという試みがあ
る。例えば、グラム陰性菌細胞壁由来のリポ多糖(特開
昭59−21145号公報)やレクチン(特開昭63−
33339号公報)の様な生理活性物質を不溶性担体に
固定化し、体外に取り出した血液および血液成分と接触
させることによって抗腫瘍免疫機能を誘導することが開
示されている。しかしながら、これらの生理活性物質
は、体内にはいった場合に、強い毒性を示す物質であ
り、不溶性担体からの脱離の可能性が皆無である保証が
ない。また、特開平3−236790号公報、特開平3
−240485号公報には、それぞれグルクロン酸やN
−アセチルノイラミン酸のような酸性糖を不溶性材料に
固定化し、サイトカインを誘導する血液処理剤が開示さ
れている。これらは不溶性担体から脱離しても生体に対
する毒性はないが、このようなリガンドであっても、不
溶性担体に固定化するための反応を行わねばならず、煩
雑な過程が必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の諸欠点を解消し、抗腫瘍免疫機能を賦活
するサイトカインであるインターロイキン1を、血液か
らより簡便に、かつより安全に産生誘導し得る方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】血液中の単球や好中球な
どの白血球は微生物のような異物と反応すると、種々の
酵素、メディエーターを放出し、炎症反応を引き起こ
す。これらの反応は、材料と接触するときにも同様に引
き起こされる。これは、材料が異物とみなされて起こる
ものであるが、この反応は材料の性質によって大きく変
わってくる。一方、インターロイキン1は1940年代
に白血球が産生する発熱物質として古くから知られてい
る物質であるが、種々の生理活性を持ち、炎症反応にお
いても産生される。そこで、本発明者らは、材料の性質
を制御することによって、インターロイキン1の白血球
からの産生を制御できるのではないかと考え、種々の材
料と血液との接触によるインターロイキン1の産生誘導
について、鋭意研究をおこなった。その結果、汎用の高
分子材料である、ナイロン−66、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリスチレン等の材料と血液との接触によっ
て、インターロイキン1は、ほとんど産生誘導されなか
ったのに比較して、アガロースゲルまたはそれを修飾し
たアガロース誘導体ゲルと血液との接触によって、イン
ターロイキン1が効率的に誘導されることを発見し、本
発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明によるインターロイキン
1の産生誘導方法は、アガロースゲルまたはアガロース
誘導体ゲルからなる材料と血液とを温度15〜42℃で
接触させることを特徴とするものである。
【0010】本発明で使用されるアガロースは、紅藻類
から抽出される天然多糖類である。アガロースはゲル化
能を持ち、加熱したアガロース溶液を冷却すると、自然
にゲル形成が起こる。それぞれの糖鎖は2本鎖となり、
ついで凝集して束になり安定なゲルを形成する。このア
ガロースゲルのビーズは、血液と接触させると、著しく
多くのインターロイキン1の産生を誘導した。
【0011】本発明で使用されるアガロース誘導体とし
ては、アガロースに2,3−ジブロモプロパノールを強
アルカリ条件下で作用させて架橋させ強度を高めた架橋
型アガロースや、それにジエチルアミノエチル基等のイ
オン交換基をエーテル結合させたもの、4級アミン等で
修飾したものなどが挙げられる。このアガロース誘導体
からなるゲルのビーズは、血液と接触させると、著しく
多くのインターロイキン1の産生を誘導した。
【0012】本発明において、アガロースゲルまたはア
ガロース誘導体ゲルからなる材料と血液とを接触させる
方法については、血液と上記材料とが十分に接触され得
る限り、任意の方法を用いることができる。例えば、繊
維状の上記材料をカラムに充填し、該カラムに血液を循
環させる方法や、粒径50μm〜5mmのビーズ状の上
記材料をカラムに充填し、血液を循環させる方法を用い
ることができる。さらに、血液中に種々の形状の上記材
料を浮遊させることにより、血液と上記材料を接触させ
てもよい。
【0013】上記材料と血液とを接触させる際の温度
は、15℃〜42℃の範囲であり、好ましくは、30℃
〜40℃の範囲である。接触温度が15℃よりも低い場
合、42℃よりも高い場合には、インターロイキン1の
産生誘導は低下する。
【0014】本発明では、上記材料と血液とを接触させ
ることにより、上記材料と細胞との相互作用により、イ
ンターロイキン1の産生誘導が行われる。このインター
ロイキン1産生細胞とは、抹消血中の細胞に限らず、リ
ンパ管、リンパ節または脾臓等から得られる細胞も含ま
れる。血液中には、インターロイキン1を産生するこれ
らの細胞が多く含まれている。血液中のこれらの細胞
が、上記材料と作用し、インターロイキン1が産生誘導
されるが、直接作用せずとも、上記材料と血液中の何ら
かの因子とが作用して誘導された別の因子を介して上記
細胞により、インターロイキン1の産生が誘導されても
よい。
【0015】本発明では、アガロースゲルまたはアガロ
ース誘導体ゲルからなる材料が、血液と接触されてイン
ターロイキン1の産生誘導が行われるため、癌患者等の
血液からインターロイキン1を産生誘導することができ
るため、本発明は癌などの治療に好適に用いることがで
きる。また、本発明の方法によってインターロイキン1
が産生誘導された血液を癌患者に戻すことにより、癌患
者内因性のインターロイキン1を患者に与えることがで
きるため、患者の体内において優れた抗腫瘍効果を発揮
させることができる。
【0016】本発明を用いた癌治療法について以下に例
示する。癌患者の血液を血液回路等を用いて連続的に体
外に導き、繊維状またはビーズ状の上記インターロイキ
ン1誘導材料を充填したカラム部にて、好ましくは体温
付近の温度にて血液を上記材料と接触させ、血液内にイ
ンターロイキン1を産生誘導する。しかる後、この癌患
者内因性のインターロイキン1を多量に含む血液および
血液成分を癌患者体内に連続的に返血する。上記治療方
法に用いられる装置としては、市販の体外循環システム
等の上記操作過程を可能にする装置であれば任意のもの
を用いることができる。
【0017】また、本発明を用いた別の癌治療法として
は、あらかじめ癌患者の血液を採血し、上記材料を内部
に含有する血液バッグ内で上記材料と癌患者血液とを接
触させ、インターロイキン1を産生誘導し、遠心分離等
の手段を用いて血漿等を分離後、患者に投与する方法が
挙げられる。また、上記方法によって得た癌患者内因性
のインターロイキン1を多量に含む癌患者自身の血漿等
を冷凍保存し、しかる後に、必要に応じて患者に投与す
ることも可能である。
【0018】また、アガロースゲルまたはアガロース誘
導体ゲルからなる材料を用いて簡便にインターロイキン
1を誘導することができるため、その誘導活性を測定す
ることにより、患者のインターロイキン1産生能力を調
べることが可能である。即ち、患者の病態を反映する免
疫学的パラメーターとして、このインターロイキン1産
生能を利用することが可能である。
【0019】また、本発明によれば血液から内因性の天
然型インターロイキン1を含有する血清または血漿を簡
便に入手することが可能となり、これらの血清または血
漿は、天然型インターロイキン1を得るための原材料と
して種々の用途に利用できる。
【0020】
【作用】本発明では、アガロースゲルまたはアガロース
誘導体ゲルからなる材料が血液と接触されるため、血液
中のインターロイキン1を産生する細胞と該材料との相
互作用が促進されることにより、あるいは上記材料と何
らかの因子とが相互作用し、それによって誘導された別
の因子により、インターロイキン1の産生が効率よく誘
導され得る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げるこ
とにより、本発明を詳細に説明する。まず、下記の実施
例1〜6及び比較例1〜6に記載する方法にて、アガロ
ースゲルまたはアガロース誘導体ゲルからなる材料、お
よび各種比較材料を作製し、次いで得られた材料を用い
て、インターロイキン1の産生誘導実験を行った。
【0022】実施例1 アガロース(ナカライ化学社製、電気泳動用特製試薬
GP−36)を5重量%濃度で蒸留水に溶解させ、12
1℃で20分間オートクレーブ処理を行った。この溶液
を60℃に保温しておき、冷蒸留水中にマイクロシリン
ジを用いて滴下して、アガロースゲルビーズ(粒径5m
m)を作製した。このビーズを注射用生理食塩水(大塚
製薬社製)で洗浄後、同じく注射用生理食塩水で洗浄し
た2ml用ポリプロピレンチューブ(eppendorf 社製)
に充填した。充填量はアガロースビーズ20個とした。
【0023】実施例2 約2重量%濃度のアガロースよりなる、Sepharose 2B
(Pharmacia LKB Biotechnology 社製)の懸濁液3ml
を15ml用ポリプロピレンチューブ(岩城硝子社製)
に入れた。これを1000rpmで5分間遠心分離し
て、上澄みを吸引して捨てた。この洗浄操作を3回行
い、一晩4℃にて放置した。このゲル担体500μl
(かさ体積)を実施例1と同様に、注射用生理食塩水
(大塚製薬社製)で洗浄後、同じく注射用生理食塩水で
洗浄した2ml用ポリプロピレンチューブ(eppendorf
社製)に充填した。
【0024】実施例3 実施例2において、約2重量%濃度のアガロースよりな
る、Sepharose 2Bの代わりに、約6重量%濃度の架橋型
アガロースよりなる、Sepharose CL-6B (Pharmacia LK
B Biotechnology 社製)を用いたことの他は、実施例2
と同様に操作した。
【0025】実施例4 実施例2において、約2重量%濃度のアガロースよりな
る、Sepharose 2Bの代わりに、約6重量%濃度の、架橋
型アガロースにジエチルアミノエチル基をエーテル結合
で導入したDEAE Sepharose CL-6B(Pharmacia LKB Biot
echnology 社製)を用いたことの他は、実施例2と同様
に操作した。
【0026】実施例5 実施例2において、約2重量%濃度のアガロースよりな
る、Sepharose 2Bの代わりに、約4重量%濃度の、架橋
型アガロースにエーテル結合を介してフェニル基を導入
したPhenyl Sepharose CL-4B(Pharmacia LKB Biotechn
ology 社製)を用いたことの他は、実施例2と同様に操
作した。
【0027】実施例6 実施例2において、約2重量%濃度のアガロースよりな
る、Sepharose 2Bの代わりに、約6重量%濃度の、架橋
型アガロースに4級アミンをQ Sepharose FF(Pharmaci
a LKB Biotechnology 社製)を用いたことの他は、実施
例2と同様に操作した。
【0028】比較例1 注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄した2ml用
ポリプロピレンチューブ(eppendorf 社製)。比較例2 ナイロン66のビーズ(粒径2.5mm)を射出成形に
より作製した。これらをメタノールで洗浄後乾燥した。
このビーズを注射用生理食塩水(大塚製薬社製)で洗浄
後、同じく注射用生理食塩水で洗浄した2ml用ポリプ
ロピレンチューブ(eppendorf 社製)に充填した。充填
量はビーズ70個とした。
【0029】比較例3 比較例2におけるナイロン66のかわりに、ポリスチレ
ンを使用したことの他は、比較例2と同様に操作した。比較例4 比較例2におけるナイロン66のかわりに、ポリメチル
メタクリレートを使用したことの他は、比較例2と同様
に操作した。比較例5 比較例2におけるナイロン66のかわりに、ポリエチレ
ンテレフタレートを使用したことの他は、比較例2と同
様に操作した。比較例6 比較例2におけるナイロン66のかわりに、ポリテトラ
フルオロエチレンプロピレン共重合体を使用したことの
他は、比較例2と同様に操作した。
【0030】インターロイキン1の産生誘導試験 実施例1〜6及び比較例1〜6で得られた材料を用い
て、インターロイキン1の産生誘導実験を行った。イン
ターロイキン1の産生誘導実験とその測定方法は以下の
ように行った。 (1)ビーズによるインターロイキン1産生誘導実験 各ゲルビーズを充填したポリプロピレンチューブにヘパ
リン採血した健常人新鮮血1.6m1を加えて回転円盤
に取り付けて、37℃にて2時間、回転数26rpmで
転倒混和した。しかる後、血液を回収し、以下の方法で
血漿中のインターロイキン1の濃度を測定した。
【0031】(2)血漿中インターロイキン1濃度測定
方法 インターロイキン1産生誘導試験後の血液を遠心分離し
て血漿を採取し、血漿中のインターロイキン1−βの濃
度をインターロイキン1−βモノクローナル抗体を用い
て、免疫酵素抗体法(Madgenix社製、商品名;
IL1−β−EASIAR )にて測定した。この測定方
法の検出限界濃度は10pg/mlであった。
【0032】また、採血直後の血液を遠心分離して血漿
を採取して、血漿中のインターロイキン1−βの濃度を
同様にして測定した。採血直後の血液の血漿中インター
ロイキン1−β濃度は何れも検出限界以下であった。イ
ンターロイキン1の産生誘導実験の結果を表1に示す。
なお、表1および後述の表2において、IL1−βは、
インターロイキン1−βを示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例7 実施例2と同様に調製したSepharose 2Bゲル担体を充填
したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人
新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、15
℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。実施例8 実施例2と同様に調製したSepharose 2Bゲル担体を充填
したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人
新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、30
℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。実施例9 実施例2と同様に調製したSepharose 2Bゲル担体を充填
したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人
新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、40
℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。実施例10 実施例2と同様に調製したSepharose 2Bゲル担体を充填
したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人
新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、42
℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。
【0035】比較例7 実施例2と同様に調製したSepharose 2Bゲル担体を充填
したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人
新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、10
℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。比較例8 実施例2と同様に調製したSepharose 2Bゲル担体を充填
したポリプロピレンチューブにヘパリン採血した健常人
新鮮血1.6m1を加えて回転円盤に取り付けて、45
℃にて2時間、回転数26rpmで転倒混和した。
【0036】インターロイキン1の産生量の測定 実施例7〜10及び比較例7、8のインターロイキン1
の産生誘導実験で得られた血液を回収し、前述の方法と
同様にして血漿中のインターロイキン1の濃度を測定し
た。結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、アガロ
ースゲルまたはアガロース誘導体ゲルからなる材料と血
液とが接触されるため、インターロイキン1の産生が効
果的に誘導される。従って、癌患者の血液を用いること
により、癌患者由来の内因性インターロイキン1を患者
に与えることが出来、新規な癌治療方法を提供すること
が可能となる。
【0039】また、アガロースゲルまたはアガロース誘
導体ゲルからなる材料を用いて簡便にインターロイキン
1を誘導することができるため、その誘導活性を測定す
ることにより、患者のインターロイキン1産生能力を調
べることが可能であるから、患者の病態を反映する免疫
学的パラメーターとして、このインターロイキン1産生
能を利用することが可能である。
【0040】また、本発明によれば血液から内因性の天
然型インターロイキン1を含有する血清または血漿を簡
便に入手することが可能となり、これらの血清または血
漿は、天然型インターロイキン1を得るための原材料と
して種々の用途に利用できる。
【0041】また、本発明では、従来の生理活性物質固
定化材料のように、固定化された生理活性物質等の脱離
が発生しないため、安全性の点においても優れており、
かつ特定の固定化リガンドも必要ないため効率的であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アガロースゲルまたはアガロース誘導体
    ゲルからなる材料と血液とを温度15〜42℃で接触さ
    せることにより、インターロイキン1の産生を誘導する
    ことを特徴とするインターロイキン1の産生誘導方法。
JP24273793A 1993-09-29 1993-09-29 インターロイキン1の産生誘導方法 Expired - Lifetime JP3620863B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003037375A1 (fr) * 2001-11-02 2003-05-08 Sekisui Chemical Co., Ltd. Substance d'induction de cytokine et instrument d'induction de cytokine

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003037375A1 (fr) * 2001-11-02 2003-05-08 Sekisui Chemical Co., Ltd. Substance d'induction de cytokine et instrument d'induction de cytokine

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