JPH0795782A - 二次元走行メカニズム - Google Patents

二次元走行メカニズム

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JPH0795782A
JPH0795782A JP5234570A JP23457093A JPH0795782A JP H0795782 A JPH0795782 A JP H0795782A JP 5234570 A JP5234570 A JP 5234570A JP 23457093 A JP23457093 A JP 23457093A JP H0795782 A JPH0795782 A JP H0795782A
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伸一 林崎
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皇 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 二次元走行メカニズムの操作性、効率性、安
定性を確保し超小型化を図る。 【構成】 二次元走行メカニズム1は一対の可動体2と
これらを互いに接続する連結体4とからなる。各可動体
2,3は夫々複合共振型の超音波リニアモータで構成さ
れている。超音波リニアモータは、可動体2,3本体を
構成する振動部5と、該振動部5の上面に設けられた圧
電素子6と、該振動部の下面に設けられた接触足7とか
らなる。振動部5は圧電素子6により縦振動と屈曲振動
の二重モードで振動し、接触足7を介して推進力を発生
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二次元走行メカニズムに
関する。より詳しくは、前進後退に加えて左右旋回走行
も可能であり、さらには水平面のみならず傾斜面及び垂
直面も登攀可能な二次元走行メカニズムに対する。
【0002】
【従来の技術】超小型の二次元走行メカニズムはマイク
ロロボット等に応用可能であり、従来から盛んに開発が
行なわれている。超小型二次元走行メカニズムは大別す
ると非車輪方式と車輪方式がある。非車輪方式は走行手
段がずり足型と非接触型に分れている。ずり足型は、具
体的には斜毛又は爪を備えており、床面との往復の摩擦
力差を利用して前進するものである。駆動源は、電磁
型、圧電型、形状記憶合金型、静電型、空気圧型等があ
る。一方車輪方式では駆動源が電磁型、圧電型、空気圧
型等がある。電磁型を用いたものは一般的な電磁モータ
と腕時計用ステップモータに大別できる。又、圧電型を
利用した車輪方式としてはマイクロ超音波モータがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車輪方式は非車輪方式
に比べ、操縦性、安定性、高速性、効率性等に優れてい
る。しかしながら二次元走行メカニズムの超小型化を図
る場合機構的な複雑さが障害となっている。一方、非車
輪方式は機構的に単純な構造であり超小型化に適してい
る。しかしながら、従来の非接触方式二次元走行メカニ
ズムは操縦性、高速性、安定性及び効率性等の点で改善
の余地が残されており、解決すべき課題となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術の課
題を解決する為以下の手段を講じた。即ち、本発明にか
かる二次元走行メカニズムは基本的な構成として、一対
の可動体とこれらを互いに接続する連結体とを有してい
る。本発明の特徴事項として、各可動体は夫々複合共振
型の超音波リニアモータからなる。該超音波リニアモー
タは、可動体本体を構成する振動部と、該振動部の上面
に設けられた圧電素子と、該振動部の下面に設けられた
接触足とからなる。該振動部は圧電素子により縦振動と
屈曲振動の二重モードで振動し、該接触足を介して推進
力を発生する。該圧電素子に位相の異なる2つの可変の
高周波駆動電圧を供給する制御手段を含んでおり、該2
つの駆動電圧の位相差を制御する事により前進走行及び
後退走行を切り換える。又、該駆動電圧の周波数を両超
音波リニアモータ間で差動的に制御する事により、左右
旋回走行を行なう。
【0005】好ましくは、該接触足は振動部の下面から
突出した長脚を備えており、縦振動振幅より大きな走行
歩幅を有する。あるいは、該振動部には車輪が装着され
ており、該接触足に当接してその振動を回転力に転換し
ても良い。
【0006】又好ましくは、該一対の可動体と該連結体
は一体構造となっている。具体的には、該一体構造はプ
ラスチックからなる一体成形品を用いる事ができる。あ
るいは、該一対の可動体と該連結体は互いに別体からな
り、結合ピンを介して接続されたものであっても良い。
【0007】さらに好ましくは、前記連結体は保持手段
を備えており、走行面に作用して保持力を発生する。具
体的には、前記保持手段は真空吸着機構からなる。ある
いは、前記保持手段は永久磁石部材で構成しても良い。
さらには、前記保持手段は荷重部材で構成する事も可能
である。
【0008】本発明の応用例として、二次元走行メカニ
ズムに作業用ツールを搭載してロボットを構成する事が
できる。好ましくは、前記ロボットは遠隔操縦される。
他の応用例として、前記一対の可動体は中央に位置する
連結体から互いに反対方向外側に向って付勢されてお
り、管内走行を可能にする。
【0009】
【作用】本発明にかかる二次元走行メカニズムは、両側
に位置する一対の可動体と中央に位置し両可動体を互い
に接続する連結体とからなる極めて単純化された構造を
有している。従って超小型化に有利である。各可動体自
身が夫々独立した複合共振型の超音波リニアモータから
なる。換言すると、超音波リニアモータの振動変位自体
が直接走行メカニズムの推進力を発生する様になってい
る。超音波モータは一般的に、小型で高トルク、高効率
化が期待できる、磁気の影響を受けない、磁気ノイズを
出さない、応答性が高い、静止トルクが大きい、位置決
め分解能が高い等という数多くの特徴を有している。
【0010】前記超音波リニアモータは可動体本体を構
成する振動部と、該振動部の上面に設けられた圧電素子
と、該振動部の下面に設けられた接触足とから構成され
ている。振動部は圧電素子により縦振動と屈曲振動の二
重モードで振動する。従って振動腹部は走行面に垂直で
且つ走行方向に平行な平面上で楕円運動する。この部分
に接触足を設ける事により走行面と周期的に当接して推
進力が発生する。圧電素子には可変の高周波駆動電圧が
供給され伸縮振動する。これに共振して前記振動部が二
重モードで縦振動並びに屈曲振動を行なう。この際、駆
動電圧の位相を制御する事により楕円運動の方向を切り
換える事ができ前進走行及び後退走行が実現できる。
又、駆動電圧の周波数を共振点からシフトさせる事によ
り振動部の振幅が小さくなり楕円運動が縮小する。従っ
て周波数制御により走行速度を自在に調節できる。この
際、両側の超音波リニアモータ間で周波数を差動的に制
御する事により左右旋回走行も自在に行なえる。好まし
くは中央に位置する連結体は真空吸着機構あるいは永久
磁石部材等からなる保持手段を備えており、走行面に作
用して保持力を発生する。従って、本発明にかかる二次
元走行メカニズムは水平面のみならず傾斜面や垂直面に
対しても保持力により支えられた状態で登攀走行する事
ができる。
【0011】
【実施例】以下図面を参照して本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。図1は本発明にかかる二次元走行メカ
ニズムの基本的な構成を示すブロック図である。図示す
る様に、本二次元走行メカニズム1は、一対の可動体
2,3と、これらを互いに接続する連結体4とから構成
されている。各可動体2,3は夫々複合共振型の超音波
リニアモータからなる。この超音波リニアモータは、可
動体本体を構成する振動部5と、該振動部5の上面に設
けられた圧電素子6と、該振動部5の下面に設けられた
接触足7とから構成されている。振動部5は圧電素子6
により縦振動と屈曲振動の二重モードで振動し、接触足
7を介して推進力を発生する。
【0012】連結体4は保持手段8を備えており、走行
面に作用して保持力を発生する。これにより、水平面の
みならず傾斜面や垂直面に対しても登攀走行する事がで
きる。本例では、この保持手段8は真空吸着機構から構
成されている。
【0013】図2は可動体2,3の具体的な構成を表わ
しており、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は
底面図である。(A)に示す様に長手形状を有する振動
部5の上面には圧電素子6が固着されており、一対の駆
動電極9,10を備えている。
【0014】(B)に示す様に圧電素子6は積層構造を
有しており、中間の圧電体11を挟む様に、その上側に
は上述した一対の駆動電極9,10が形成されている。
又、圧電体11と振動部5との間には接地電極12が介
在している。一対の駆動電極9,10に高周波駆動電圧
を印加する事により圧電セラミック等からなる圧電体1
1は伸縮運動を行なう。これと共振して振動部5は縦振
動と屈曲振動の二重モードで振動し所謂複合共振型の超
音波リニアモータが得られる。一対の駆動電極9,10
には制御手段から可変の高周波駆動電圧が供給される。
本例では一方の駆動電極9にcos波電圧が印加され、
他方の駆動電極10にはsin波電圧が印加される様に
なっている。
【0015】(C)に示す様に振動部5の底面には一対
の接触足7が固着されており、摩擦部材から構成されて
いる。各接触足7は振動部5の屈曲振動腹部に相当する
部位に位置付けられている。
【0016】図3は振動部5の振動モードを模式的に表
わしたものであり、(A)は屈曲2次振動B2を表わし
ており、(B)は屈曲4次振動B4を表わしており、
(C)は縦1次振動L1を表わしている。本発明の複合
共振型超音波リニアモータでは、振動部5は屈曲2次振
動B2と縦1次振動L1の二重モードで共振する。ある
いはこれに代えて、屈曲4次振動B4と縦1次振動L1
の二重モードを採用しても良い。
【0017】(A)に示す様に、屈曲2次振動B2の場
合には、中央の節部13を支点として、両側の腹部1
4,15が互いに反対方向に振動する。本発明にかかる
複合共振型の超音波リニアモータを構成する場合には、
屈曲振動は支点に対して点対称である必要があり、この
為屈曲2次モードB2が採用されている。
【0018】同様な理由により(B)に示す様に、屈曲
4次振動B4を採用しても良い。この場合には節部13
を支点として両側に2個ずつ4個の腹部が存在する。こ
の振動モードも節部13に対して点対称になっている。
【0019】(C)は上述した屈曲2次振動又は屈曲4
次振動に組み合わされる縦1次振動L1を模式的に表わ
したものである。屈曲振動と異なりこの縦振動は振動部
5が長手方向に伸縮変位する。図示の例では中央の節部
13を支点として両側が縮小した状態を示している。節
部13を原点にすると、振動部5の左側半分は正方向に
変位し、右側半分は負方向に変位している。逆に伸びた
状態になると左側半分は負方向に変位し、右側半分は正
方向に変位するので、点線で示す様なカーブで表わされ
る事になる。
【0020】図4は上述した縦1次振動L1と屈曲2次
振動B2を重ね合わせた二重モードを模式的に示したも
のである。図示の状態では振動部は長手方向に沿って縮
んでおり且つ左側の腹部14が下側に変位し右側の腹部
15が上側に変位した状態を表わしている。従って模式
的に表わした左側の接触足7Lが走行面に当接する一
方、右側の接触足7Rが浮いた状態にある。
【0021】次に図5は、図4に示した状態から位相が
180°進行した状態を表わしている。振動部の縦1次
振動L1は縮んだ状態から伸びた状態に移行している。
又、屈曲2次振動は左側の腹部14が上方に変位し、右
側の腹部15が下方に変位する。従って、左側の接触足
7Lが浮いた状態となり右側の接触足7Rが走行面に当
接した状態になる。
【0022】図5の状態からさらに180°位相が進む
と図4の状態に戻る。これを繰り返す事により、一対の
接触足7L,7Rは各々図5の下側に示す様に、走行面
に垂直で走行方向に平行な平面上で楕円運動を行なう。
これにより、二次元走行メカニズムは図面上左側から右
側に向って前進走行する。この状態は、図2の(B)に
示した様に、左側の駆動電極9にcos波電圧を印加
し、右側駆動電極10にsin波電圧を印加する事によ
り実現できる。逆に、左側の駆動電極9にsin波電圧
を印加し、右側の駆動電極10にcos波電圧を印加す
ると位相が90°反転する為、屈曲2次振動B2と縦1
次振動L1の位相関係が逆転する。よって一対の接触足
の楕円運動の回転方向が逆になり、二次元走行メカニズ
ムは右側から左側に向って後退走行する事になる。この
様に、圧電素子に印加される高周波駆動電圧の位相を制
御する事により、二次元走行メカニズムの前進走行及び
後退走行を自在に切り換える事が可能である。
【0023】図6は圧電素子に印加される高周波駆動電
圧の周波数と振動部の振幅との関係を示すグラフであ
る。圧電素子に対して所定の周波数fの高周波駆動電圧
が印加されると、振動部は共鳴し最大振幅の縦1次振動
及び屈曲2次振動が得られる。よって、接触足の楕円運
動の径が最大となり超音波リニアモータの走行歩幅も最
大になる。これに対して、高周波駆動電圧の周波数が共
振周波数fからシフトすると振動部は共振点から外れる
ので振幅は急激に減衰する。従って接触足の楕円運動の
径も縮小し走行歩幅が小さくなる。以上の説明から明ら
かな様に、圧電素子に印加される高周波駆動電圧の周波
数を共振点からシフトする事により二次元走行メカニズ
ムの速度を自在に調整できる。さらには、連結体の両側
に位置する超音波リニアモータ間で高周波駆動電圧の周
波数を差動的に制御する事により左右旋回走行も自在に
行なえる。極端な場合には片方の超音波リニアモータの
駆動を停止して、回転半径を小さくする事も可能であ
る。
【0024】図7のグラフは、屈曲2次振動に代えて屈
曲4次振動を採用した場合の複合共振モードを表わして
いる。図示する様に、屈曲4次振動モードにおける振動
部の4個の腹部に夫々接触足7a又は7bを設ける事に
より走行運動が可能になる。即ち、図7のグラフの上方
に示す様に、各接触足7a又は7bは走行面に垂直で走
行方向に平行な平面上で楕円運動を行なうので、可動体
は図面上左側から右側に向って移動可能になる。なお、
接触足7a,7bは楕円運動の方向が互いに逆であるの
で何れか一方の組を採用する。
【0025】図8は振動部の厚み寸法と長さ寸法との関
係を示すグラフである。一般に、振動部の固有振動数は
寸法に依存しており、特に縦1次振動と屈曲2次振動の
複合モード、縦1次振動と屈曲4次振動の複合モードで
は厚み寸法と長さ寸法の相対的な関係により固有振動数
が決定され、幅寸法は実質的な影響を与えない。例えば
固有振動数に対応する圧電素子の共振周波数fを100
kHz に設定すると、L1−B2モードでは厚み寸法を2
mm強とし長さ寸法を12mm程度に設定すれば良い。L1
−B4モードでは同じ共振周波数f=100kHz を実現
する為に厚み寸法を1mm強とし長さ寸法を20mm強に設
定すれば良い。この関係から明らかな様に、L1−B4
モードでは長さ寸法に比べて厚み寸法を薄型化できると
いうメリットがある。しかしながら、長さ寸法の絶対値
が小さくなると厚みが薄くなる為振動部の機械的な強度
が確保できない。この場合には、L1−B2モードを採
用して厚み寸法を確保すれば良い。
【0026】図9は図1に示した一対の可動体2,3と
連結体4の具体的な構成例を示す模式的な平面図であ
る。本例では、両側に位置する一対の可動体2,3と中
央の連結体4は一体構造になっている。この一体構造
は、例えばプラスチックからなる一体成形品又は金属板
のプレス板からなる一体成形品を用いる事ができ製造コ
スト的に有利である。さらには、点線で示す様に一体成
形した後両可動体2,3の端部をトリミングし固有振動
数の調整を図る様にしても良い。一体構造はプラスチッ
クの一体成形品を用いる代わりに、例えばエッチングに
より所定の剛性及び弾性を有する材料を加工して得ても
良い。
【0027】図10は他の構成例を示す模式的な平面図
であり、本例では一対の可動体2,3と連結体4は互い
に別体からなり、結合ピン16を介して互いに接続され
ている。例えばステンレススチールからなる可動体2,
3と連結体4を、同じくステンレススチールからなる結
合ピン16により溶接で互いに結合する事ができる。な
お、結合ピン16は可動体2,3の中央に位置する振動
部支点と整合する様に配置する必要がある。
【0028】図19は別の構成例を示す模式的な斜視図
である。本例では、個々の可動体は単独の超音波モータ
からなり、振動部5の中央上部にはコの字形の接続部材
56が設けられている。かかる構成を有する可動体を一
対並べ該接続部材56を介してその上に所望の本体部
(図示せず)を接続固定すれば容易に二次元走行メカニ
ズムが構築できる。なお、場合によっては3個以上の該
可動体を組み合わせても良い。
【0029】図11は接触足7の変形例を示す模式的な
側面図である。図1に示した基本例では接触足7は振動
部5の下面に直接設けられていた。これに対して図11
の例では、接触足7は振動部5の下面から突出した長脚
17を備えており、接触足7の当接面はその先端に位置
する。図示する様に、各長脚17の根元部は楕円運動を
行なう。これにより長脚17の先端は大きく振られ長径
が増大した楕円運動を行なう。よって、振動部5自体の
縦振動振幅より大きな走行歩幅をかせぐ事が可能にな
る。
【0030】図12は接触足のさらに他の変形例を示す
模式的な側面図である。本例では振動部5に車輪18が
装着されており、接触足7に当接してその振動を回転力
に転換する。よって、上下振動が吸収された円滑な二次
元走行を確保できる。
【0031】図13は、図1に示した保持手段8の具体
的な構成例を示す模式図である。本例では保持手段8は
真空吸着機構20からなり、連結体4は空洞21とこれ
に連通するバキューム管22を備えている。走行面23
と密着した状態でバキューム管22を介して空洞21内
部を排気する事により、連結体4は大気圧に押され走行
面23に対して保持される。この保持状態を維持しつ
つ、連結体4の左右に位置する可動体2,3は推進力を
発生し二次元走行を行なう。よって、本実施例では水平
な走行面23に限られず傾斜もしくは垂直な走行面に対
しても登攀走行を行なう事ができる。なお、円滑な走行
を確保する為、走行面23と連結体4の底部との間に、
真空吸着力を損なわない程度で例えばμmオーダのギャ
ップを設けても良い。
【0032】図14は保持手段8の他の例を示す模式図
である。本例では連結体4の内部に永久磁石部材24が
埋め込まれており、磁性材料からなる走行面23に対し
てギャップを介し吸引力を及ぼす。従って、図13に示
した例と同様に傾斜面及び垂直面に対して保持され、登
攀走行が可能になる。
【0033】図15は保持手段8のさらに別の例を示す
模式図である。本例では保持手段8は荷重部材25から
構成されている。換言すると、連結体4自体が比重の重
い材料(例えば真鍮)からなり、走行面23に対して重
力に基く静圧を加え二次元走行メカニズムを保持する。
この様に所定の接地圧を確保する事により多少の勾配を
有する走行面に対しても登攀する事が可能である。
【0034】図16は、図1に示した二次元走行メカニ
ズムの一応用例を示す模式図であり、管内走行の可能な
構造を有している。即ち、一対の可動体2,3は中央に
位置する連結体4から互いに反対方向外側に向って付勢
されている。具体的には、各可動体2,3は連結体4を
貫通する伸縮自在な連結ピン16の両端に取り付けられ
ているとともにコイルバネ30により外方向に向って弾
圧されている。両可動体2,3を内側方向に縮めた状態
で所定の管31の開口部に挿入する。各可動体2,3は
コイルバネ30により外方向に弾圧され、管31の内面
と圧接する。この状態で一対の複合共振型超音波リニア
モータを駆動すれば、二次元走行メカニズム1は管壁に
沿って進行していく。なお、本例では各可動体2,3の
径方向内側に圧電素子6が装着されるとともに、径方向
外側の面に接触足が取り付けられる事になる。この際、
可動体2,3の外側面は管31の内周面に沿って湾曲形
状とする事がより好ましい。
【0035】図17は図16に示した管内走行メカニズ
ムの移動状態を表わす模式図である。図示する様に、両
側に位置する可動体2,3は管31の内周壁に弾圧され
た状態で縦振動と屈曲振動を行なう。この結果、走行メ
カニズム1は管31の軸に沿って左手から右手に向い進
行する事になる。仮に、管31が途中で曲がっている場
合にも、両可動体2,3の歩行速度を差動的に制御する
事により円滑に進行する事ができる。
【0036】最後に図18は本発明にかかる二次元走行
メカニズムの他の応用例を示す説明図である。(A)は
平面図であり、(B)は側面図であり、(C)は進行方
向正面図であり、(D)は背面図である。図示する様
に、中央の連結体4の上には作業用ツール40が組み込
まれており自走ロボットを構成する。本例ではこの作業
用ツール40はグリッパからなり連結体4に植設された
シャフト44の回りを回転可能に取り付けられている。
連結体4の内部には保持手段を構成する永久磁石部材2
4が埋め込まれている。作業用ツール40とその下に位
置する二次元走行メカニズムはカバー41により隔てら
れている。カバー41の下部には回路基板42が配置し
ており、外部制御回路とケーブル43で接続されてい
る。このケーブル43を介して制御信号や駆動信号が供
給される。かかる構成を有するロボットは超小型に組み
立て可能であり、微小な部位に進入して様々な作業を行
なう事が可能である。本例ではケーブル43を用いて有
線制御されているが、これに代えて無線通信システムを
採用し遠隔操縦としても良い。この場合にはロボット自
体に電源やその他の受信回路、制御回路を搭載する事に
なるので若干大型化する。なお遠隔操縦の媒体としては
電波に代え赤外線等を用いても良い事は勿論である。
【0037】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、二
次元走行メカニズムは一対の可動体とこれらを互いに接
続する連結体とからなり、各可動体は夫々複合共振型の
超音波リニアモータから構成されている。可動体自体が
リニアモータであるので構造が極めて単純化され二次元
走行メカニズムの超小型化が可能になるという効果があ
る。超音波リニアモータは高トルクであるので、小型化
しても高い変換効率が期待できるという効果がある。
又、一対の超音波リニアモータに印加される高周波駆動
電圧の位相や周波数を制御する事により走行速度や走行
方向を自在に調整でき操作性に優れているという効果が
ある。さらには、保持手段と組み合わせる事により水平
面のみならず傾斜面や垂直面も自由に走行する事ができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる二次元走行メカニズムの基本的
な構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した可動体を構成する複合共振型超音
波リニアモータの構成を示す説明図である。
【図3】同じく超音波リニアモータの動作説明図であ
る。
【図4】同じく超音波リニアモータの動作説明図であ
る。
【図5】同じく超音波リニアモータの動作説明図であ
る。
【図6】超音波リニアモータの周波数と振動振幅との関
係を示すグラフである。
【図7】超音波リニアモータの動作説明図である。
【図8】超音波リニアモータの振動部の長さ寸法と厚み
寸法との関係を示すグラフである。
【図9】二次元走行メカニズムを構成する一対の可動体
及び連結体の具体的な構成例を示す平面図である。
【図10】同じく一対の可動体と連結体の他の具体例を
示す平面図である。
【図11】可動体に取り付けられる接触足の具体例を示
す側面図である。
【図12】同じく接触足の他の具体例を示す側面図であ
る。
【図13】二次元走行メカニズムに組み込まれる保持手
段の具体例を示す模式図である。
【図14】同じく保持手段の他の具体例を示す模式図で
ある。
【図15】同じく保持手段の別の具体例を示す模式図で
ある。
【図16】二次元走行メカニズムの応用例を示す説明図
である。
【図17】図16に示した応用例の動作説明図である。
【図18】二次元走行メカニズムの他の応用例を示す模
式図である。
【図19】可動体の別の具体例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 二次元走行メカニズム 2 可動体 3 可動体 4 連結体 5 振動部 6 圧電素子 7 接触足 8 保持手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 美奈子 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイコ ー電子工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の可動体とこれらを互いに接続する
    連結体とからなり、各可動体は夫々複合共振型の超音波
    リニアモータからなる事を特徴とする二次元走行メカニ
    ズム。
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