JPH079570U - 肉盛用トーチ表面の自動清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワークに肉盛を施す際、トーチの表面に付着
する湯玉を自動的に除去し、不良品の発生するのを防止
する。 【構成】 トーチ７の盛金待機時に、ホルダ８に取付け
たロータリーアクチュエータ13を作動させるだけで、ト
ーチ７のノズル7aの表面に付着した湯玉11が、ブラシ14
により自動的に除去される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、たとえばエンジンバルブの弁フェース部に、耐摩耗性の金属粉末 を肉盛する際、トーチの表面に付着する湯玉を自動的に除去するようにした清掃 装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

内燃機関用のエンジンバルブの弁フェース部は、バルブシートに繰返し衝接す るので、弁フェース部にステライト等の硬質粉末を肉盛して、その部分の耐摩耗 性を向上させている。

【０００３】 図４は、肉盛装置を略示するもので、約３５゜傾斜する基板(１)上に固着した 台板(２)上には、回転台(３)が、回転軸と一体をなして設けられ、回転台(３)上 には、ワーク支持板(５)が固着されている。

【０００４】 ワーク支持板(５)上には、ローダヘッド(図示省略)により押圧されたエンジン バルブ(６)の傘部(6a)が載置され、エンジンバルブ(６)は、図示を省略した駆動 装置が回転軸(４)を回転させることにより、回転台(３)とともに所定速度で一定 方向に回転する。

【０００５】 エンジンバルブ(６)の弁フェース部(6b)に切設した環状溝(6c)の上方には、ト ーチ(７)がトーチホルダ(８)により保持され、トーチ(７)は、その下端のノズル (7a)が環状溝(6c)と近接する肉盛位置と、想像線で示す待機位置との間を、図示 しない駆動位置により移動させられる。

【０００６】 上述の装置は、トーチ(７)のノズル(7a)よりエンジンバルブ(６)の環状溝(6c) へ、不活性ガスとともに適量のステライト粉末(９)を供給しつつ、プラズマアー ク(10)を発生させ、エンジンバルブ(６)を１回転させれば、環状溝(6c)に肉盛さ れる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかし上述の装置は、一定数のワークに連続して肉盛を施すと、ノズル(7a)よ り環状溝(6c)に向けて放出されたステライト粉末(８)の一部が、湯玉(11)となっ てノズル(7a)の下面に付着する。このようになると、プラズマアーク(10)が乱れ て、肉盛が不均一になったり、環状溝(6c)の端縁の一部が溶損するなど、不良品 が発生するようになる。

【０００８】 そのため従来は、エンジンバルブ(６)を一定数量肉盛する毎に、装置を一時停 止して、人手によりノズル(7a)の表面を清掃しており、その作業が面倒でかつ生 産性を低下させていた。

【０００９】 本考案は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、肉盛作業を続行しながら 、自動的にノズルの表面を清掃しうるようにした装置を提供することを目的とし ている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、軸端に拡径部を有するワークを、軸線ま わりに回転させつつ、拡径部の周縁に金属粉末を肉盛溶接するトーチのホルダに 、回転軸がトーチの軸線と平行をなすロータリアクチュエータを設け、該ロータ リアクチュエータの回転軸に、トーチの下端面全体を払拭する清掃位置と、所定 角度回動してトーチより離間する退避位置との間を回転しうるブラシを設けたこ とを特徴とするものである。

【００１１】

【作用】

本考案の装置によると、例えばトーチが肉盛待機位置にあるとき、定期的にロ ータリアクチュエータを作動させるだけで、トーチの表面に付着した湯玉をブラ シが自動的に除去するので、プラズマアークに乱れが生じることはない。

【００１２】

【実施例】

図１〜図３は、本考案の一実施例を示すもので、肉盛装置本体は上述と同様に つき、同一の各部材には同一の符号を付して、その詳細は説明を省略する。

【００１３】 図２と図３に示すように、トーチホルダ(８)の側面には、Ｌ字形の支持金具(1 2)が下向に固着され、その水平片(12a)の下面には、圧縮空気で作動するロータ リーアクチュエータ(13)が、トーチ(７)の軸線と平行をなして固着され、その下 方を向く回転軸には、水平をなす耐熱性のブラシ(14)が装着されている。ブラシ (14)は、上面のブラシ面がノズル(7a)の下端の全面を払拭しうる高さと長さに設 定されている。

【００１４】 ブラシ(14)は、図１の実線で示すトーチ(７)の待機時には、図２に示すように ノズル(7a)の直下に位置し、ロータリーアクチュエータ(13)により円弧方面に往 復回動することにより、ノズル(7a)の下面全体を清掃する。トーチ(７)が図２の 想像線で示す肉盛位置に移動を開始すると、図３に示すように、180゜回動して 退避する。

【００１５】 上述のようにして、所定数のワークに肉盛を施したのち、ノズル(7a)の表面を 自動的に清掃すれば、付着した湯玉(11)を成長する前に除去でき、エンジンバル ブ(６)に不良品が生ずる恐れはない。 なお、上述の実施例においては、圧縮空気で作動するロータリーアクチュエー タ(３)を用いたが、電動式としてもよい。

【００１６】

【考案の効果】

本考案によれば、トーチの表面をブラシにより自動的に清掃して、付着した湯 玉を除去するので、プラズマアークに乱れが生じることがなく、従ってワークに 不良品が発生する恐れはない。また、清掃の都度肉盛装置を一時停止する必要が ないので、生産性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用した肉盛装置の待機時の要部を示
す側面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線矢視図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線矢視図である。

【図４】従来の肉盛装置を示す要部の側面図である。

【符号の説明】

(１)基板 (２)台
板 (３)回転台 (４)回
転軸 (５)ワーク支持板 (６)エ
ンジンバルブ (6a)傘部 (6b)弁
フェース部 (6c)環状溝 (７)ト
ーチ (7a)ノズル (８)ト
ーチホルダ (９)ステライト粉末 (10)プ
ラズマアーク (11)湯玉 (12)支
持金具 (12a)水平片 (13)ロ
ータリーアクチュエータ (14)ブラシ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸端に拡径部を有するワークを、軸線ま
   わりに回転させつつ、拡径部の周縁に金属粉末を肉盛溶
   接するトーチのホルダに、回転軸がトーチの軸線と平行
   をなすロータリアクチュエータを設け、該ロータリアク
   チュエータの回転軸に、トーチの下端面全体を払拭する
   清掃位置と、所定角度回動してトーチより離間する退避
   位置との間を回転しうるブラシを設けたことを特徴とす
   る肉盛用トーチ表面の自動清掃装置。